JP3078904U - カテーテルと導入針とのアセンブリ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】制御及び患者の体内への挿入が容易なＩＶカテ
ーテル及び導入針アセンブリの提供。 【解決手段】カテーテル２０は、径方向に延びている翼
部２５を有するカテーテルハブ２１を基端に有する。針
４０の基端は、針ハブ４１に接続されている。針４０
は、少なくとも１つの切り欠き４２を有している。針ハ
ブ４１には、径方向に延びているフィン３１が形成され
ている。導入針４０がその末端がカテーテル２０の末端
を越えて延びるようにカテーテル２０内に挿入されると
き、針ハブ４１上のフィン３１が、カテーテルハブ２１
上の翼部２５の末端を越えて延びる。この構造によっ
て、治療従事者がフィン３１を単に基端方向へ動かすこ
とによって、針４０の末端がカテーテル２０内へと後退
せしめられる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、カテーテルと導入針とのアセンブリに関する。

【０００２】

【従来の技術】

カテーテル、特に、静脈内（ＩＶ）カテーテルは、流体を患者の体内に流体を 導入し又は体内から流体を抜き取るために使用される。最も一般的なタイプのＩ Ｖカテーテルは、オーバーザニードルＩＶカテーテルである。その名前が与える ように、ＩＶカテーテルは、尖った末端を有する導入針の外周に取り付けられる 。ＩＶカテーテルの末端を越えて延びている導入針の末端によって、アセンブリ は、患者の皮膚を貫通して血管内へ挿入される。このアセンブリの血管内への配 置が針内への血液の逆流によって認識されると、針は、ＩＶカテーテルを定位置 に残して抜き取られる。ＩＶカテーテルの基端は、典型的には、ＩＶカテーテル を患者の体内に挿入した後にＩＶ液供給ラインに接続できるように設計されてい る。

【０００３】 典型的なＩＶカテーテルと導入針とのアセンブリは、一般的には、それらの機 能を十分に果たすけれども、これらはある種の欠点を有している。例えば、ＩＶ カテーテルを患者の体内に適正に配置する過程全体は、煩わしいものであり且つ 扱いにくく両方の手を使う必要がある。更に、従来のＩＶカテーテル及び導入針 のアセンブリは、針の基端に逆流チャンバが配置される必要がある。この配置は 、アセンブリを患者の体内へ挿入する間に治療従事者は針の末端に注意を払わな ければならないので治療従事者にとって不便である。従って、針が血管内に正し く配置されたか否かを判断するために、治療従事者は、自己の注意を、ＩＶカテ ーテルと導入針とのアセンブリの患者への挿入箇所から逸らさなければならない 。更に、従来のＩＶカテーテルと導入針とのアセンブリは、アセンブリを患者の 体内へ挿入する前に、針とＩＶカテーテルとの間の付着を破壊するための簡単な 手段を提供しない。この付着は、アセンブリをより細くしてＩＶカテーテルを患 者の体内に挿入し易くするためにカテーテルの内径が典型的には針の外径よりも 小さくされるために生じる。従って、アセンブリが殺菌された後ある期間使用さ れないときに、カテーテルが導入針に付着する。更に、導入針とカテーテルとに 使用されている潤滑剤は、先端の付着に寄与する。最後に、従来のＩＶカテーテ ルと導入針とのアセンブリは、ＩＶカテーテルと導入針とのアセンブリが患者の 体内に挿入される前にＩＶ液供給ラインをＩＶカテーテルに接続できるような可 撓性を備えていない。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

従って、本考案は、制御及び患者の体内への挿入が容易なＩＶカテーテル及び 導入針アセンブリを提供することを目的とする。

【０００５】 本考案の更に別の目的は、治療従事者が挿入部位から注意を逸らす必要なく、 アセンブリが患者の血管内に正しく配置されたか否かを判断することができるＩ Ｖカテーテル及び導入針のアセンブリを提供することである。

【０００６】 本考案の更に別の目的は、アセンブリを患者の体内に挿入する前に液体供給ラ インをＩＶカテーテルに接続することが可能なＩＶカテーテルと導入針とのアセ ンブリを提供することである。

【０００７】 本考案の更に別の目的は、アセンブリを患者の体内に挿入する前にＩＶカテー テルと針との間の付着が剥がれるのを可能にするＩＶカテーテルと導入針とのア センブリを提供することである。

【０００８】 本考案の更に別の目的は、治療従事者が片手のみを使用して針をＩＶカテーテ ル内へと抜き取ることができるＩＶカテーテルと導入針とのアセンブリを提供す ることである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】 上記及びその他の目的は、本考案のＩＶカテーテルと導入針とのアセンブリに よって達成される。このＩＶカテーテルは、ＩＶカテーテルのハブから径方向に 延びている翼部を有するハブを基端に有する。このカテーテルの翼部は、概して 、カテーテルの長手軸線と整合している。このＩＶカテーテルのハブは、ＩＶカ テーテルと流体連通している側方孔を有する。この側方孔は、カテーテルの翼部 の末端側に配置されるのが好ましい。針は、基端が針ハブに接続され且つ一対の 切り欠きが内部に形成されている。この切り欠きは、血液が針の先端から当該切 り欠きを通って針の内部へと流れ、針からカテーテルの内腔へと出て行き且つ側 方孔を通ってカテーテルの翼部の末端に沿って延びている半透明な伸長管内へと 流れるように、針内に形成されている。このようにして、治療従事者は、針が患 者の体内に挿入されたときの血液の逆流を視認することができる。

【００１０】 針ハブ上には径方向に延びているフィン（ひれ状の部材）が形成されており、 当該針ハブは針の長手軸線とほぼ整合している。針のフィンとカテーテルの翼部 とは、相対的に回転できるように配列されている。この配列によって、針がカテ ーテルに対して回転して、それらの間の付着を剥がすことができる。更に、針ハ ブがＩＶカテーテルのハブと完全に係合すると、針のフィンはカテーテルの翼部 から前方に延びる。この配置によって、治療従事者が単に針のフィンを基端方向 へ動かすことによって、針の末端がカテーテル内へと後退せしめられる。

【００１１】

【考案の実施の形態】

本考案のカテーテルと導入針とのアセンブリ１０が図１に示されている。この アセンブリは、カテーテルハブ２１に固定されたカテーテル２０と、針ハブ４１ に固定された針４０とを含んでいる。

【００１２】 カテーテルハブ２１は側方孔２２を含んでおり、この側方孔は、当該側方孔に 結合され且つカテーテルハブ２１の末端部分に向けて配置された伸長管５０を有 する。伸長管５０の基端は、当該伸長管ＩＶ液供給ラインの接続を可能にするた めに、標準的なルアー係止型のアダプタ５１を備えている。このようなＩＶ液供 給ラインは、アセンブリ１０を患者の体内へ挿入する前に伸長管５０に接続する ことができる。側方孔２２は、カテーテル２０の内腔と流体連通していて、カテ ーテル２０が患者の体内に適正に位置決めされた後は、伸長管５０を介して注入 された液体が患者の体内へと通過するようになされている。これとは逆に、カテ ーテル２０を介して患者の体内から流れ出す血液は伸長管５０を通って流れるこ とができる。カテーテルハブ２１の基端は、シリコーンのような弾性のプラグ２ ９によって密封され（図２及び４参照）、流体がカテーテルハブ２１の基端から 洩れ出ないのを確実にしている。カテーテルハブ２１はまた、カテーテルハブ２ １から径方向に延びている翼部２５をも含んでいる。翼部２５は、カテーテル２ ０の長手軸線とほぼ整合している。翼部２５は、治療従事者が容易に把持できる ように十分な大きさでなければならない。

【００１３】 翼部２５の前方すなわち末端側には、管状の部分２６が形成されている。管状 部分２６は、翼部２５の末端の長さ一杯まで延びていないのが好ましい。伸長管 ５０は、管状部分２６内に嵌合して側方孔２２と連通している。側方孔２２と管 状部分２６との間の空間は、治療従事者が伸長管５０の末端部分を観察できる窓 ２７を形成している。伸長管５０の少なくとも窓２７を越えて延びている部分は 、窓２７が半透明か又は透明であるように、ポリ塩化ビニルで作られている。こ のようにして、針４０が患者の血管に挿入された後は、血液の逆流が窓２７内で 観察することができる。管状部分２６がポリカーボネートのような透明な材料で 作られている場合には窓２７は必要ない。このような場合には、伸長管５０を通 る血液の逆流は、管状部分２６を介して見ることができる。

【００１４】 針４０は、針ハブ４１に接続された基端を有する。径方向に延びているフィン ３１が針ハブ４１に形成されており、この径方向に延びているフィン３１は、針 ４０と長手方向において整合されている。針４０上には、一対の切り欠き４２及 び４３が形成されている。切り欠き４２は末端に隣接して配置されるのが好まし く、一方、他方の切り欠き４３は、針４０が前方位置一杯までカテーテル２０内 に挿入されたときに切り欠き４３が弾性のプラグ２９の末端側にあり且つ伸長管 ５０と流体連通するように針４０上に配置される（図２参照）。切り欠き４３は 、側方孔２２から１２．７ミリ（１／２インチ）内側に配置されるのが好ましい 。

【００１５】 針４０がカテーテル２０内へと完全に挿入されて最も前方位置となり針ハブ４ １がカテーテルハブ２１と係合したときに、針４０の末端は図２に示すようにカ テーテル２０の末端を越えて伸長する。更に、フィン３１の末端は、図２に示す ように、翼部２５の末端を越えて伸長する。この配置で且つフィン３１が翼部２ ５に隣接して位置している状態で、カテーテルと導入針とのアセンブリ１０は、 患者に挿入することができる状態にある。治療従事者は、翼部２５とフィン３１ との両方を把持してカテーテルと導入針とのアセンブリ１０を患者の体内に挿入 する。翼部２５とフィン３１とは針４０の末端に近接しているので、カテーテル と導入針とのアセンブリ１０の患者への挿入は比較的簡単であり、治療従事者は 、従来のカテーテルと導入針とのアセンブリよりも遥かに容易に制御することが できる。フィン３１及び翼部２５の外側表面には、各々、刻印が形成されていて 、治療従事者がフィン３１及び翼部２５を把持するのをより容易にする。更に、 翼部２５の内側面は、フィン３１の内側面に形成された刻み目８９とかみ合う隆 起部８８を有してもよい。隆起部８８と刻み目８９とは、翼部２５の前方でフィ ン３１と整合して、針４０の末端がカテーテル２０の先端を越えて伸長するよう に位置決めされている。もちろん、隆起部８８をフィン３１上に形成し、一方、 これとかみ合う刻み目８９を翼部２５上に形成してもよい。カテーテルと導入針 とのアセンブリ１０を患者の体内へ挿入する前に、フィン３１と翼部２５とを互 いに離れる方向に回転させて（図３参照）、針４０をカテーテル２０に対して回 転させてこれらの間の付着を剥がすことができる。

【００１６】 カテーテルと導入針とのアセンブリ１０が血管内に挿入された後に、カテーテ ル２０が透明か半透明の場合には、針４０内の血液の逆流が切り欠き４２を介し て観察できるであろう。更に、窓２７内にある伸長管５０の部分が少なくとも透 明か又は半透明である限り、この部分を介して血液の逆流を観察することができ るであろう。血液は、切り欠き４３から出て伸長管５０内を窓２７を通過して上 方へと流れるので、血液の逆流が窓２７内で観察することができるであろう。こ の時点で、治療従事者は、フィン３１の末端を単に基端方向へ押すだけで、カテ ーテル２０の内側の針４０の末端を覆うことができる（図４，５，６，８及び１ １参照）。カテーテル２０の内側の針４０の末端を覆うことによって、カテーテ ル２０は、針４０が血管を再び穿刺することなく血管内へと進入させることがで きる。針４０は、血管内へ進入せしめられたときにカテーテル２０に柱状の強度 を与える。次いで、針４０をカテーテルハブ２１から取り除き、カテーテル２０ を患者の体内の定位置に残しておくことができる。

【００１７】 プラグ２９は、シリコーンゲルのようなゲルを充填してもよい。このゲルは、 針４０がカテーテルハブ２１から抜き取られたときに針４０によって残された孔 を密封する。更に、このゲルは、針４０がプラグ２９内を貫通するときに、切り 欠き４２及び４３をも充填する。これによって、針４０がカテーテルハブ２１か ら除去されている間に切り欠き４２及び４３から液体が漏れるのが防止される。

【００１８】

【考案の効果】

このようにして、制御が容易であり且つ患者の体内に容易に挿入することがで き、患者の体内に挿入する前にＩＶカテーテルと導入針との間の付着を剥がすこ とができ、治療従事者が挿入部位から注意を逸らす必要なく患者の体内に正しく 配置されたか否かを治療従事者が判断することができ、患者の体内に挿入する前 にＩＶ液供給ラインをカテーテルに接続でき、治療従事者が片手のみを使用して 針をカテーテル内へと抜き取ることができる、ＩＶカテーテルと導入針とのアセ ンブリが提供されることがわかる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のＩＶカテーテルと導入針とのアセンブ
リの左側からの斜視図である。

【図２】図１の線１−１に沿った断面図であり、針が前
方位置にあって、患者の体内へ挿入される前のアセンブ
リの状態を示している。

【図３】本考案のＩＶカテーテルと導入針とのアセンブ
リの右側からの斜視図であり、カテーテルに対して針が
回転した状態を示している。

【図４】図２と類似の本考案のＩＶカテーテルと導入針
とのアセンブリの断面図であり、針の末端がカテーテル
内へと後退せしめられた後の状態を示している。

【図５】本考案のＩＶカテーテルと導入針とのアセンブ
リの左側面図であり、針の末端が後退せしめられた後の
状態を示している。

【図６】本考案のＩＶカテーテルと導入針とのアセンブ
リの右側面図であり、図５に示された側面と反対側の側
面を示している。

【図７】図２に示した本考案のＩＶカテーテルと導入針
とのアセンブリの前方部分の拡大図である。

【図８】図７と類似の拡大図であり、針が後退せしめら
れた状態を示している。

【図９】本考案における針の末端とカテーテルとの拡大
図であり、針が前方位置にある状態を示している。

【図１０】針の末端とカテーテルとの拡大図であり、針
がカテーテルに対して回転せしめられた状態を示してい
る。

【図１１】針の末端とカテーテルとの拡大図であり、針
がカテーテル内へと引き抜かれた状態を示している。

【符号の説明】

１０ ＩＶカテーテルと導入針とのアセンブリ、 ２
０ カテーテル、２１ カテーテルハブ、 ２２ 側
方孔、 ２５ 翼部、２６ 管状部分、 ２７
窓、 ２９ 弾性プラグ、 ３１ フィン、４０
針、 ４１ 針ハブ、 ４２，４３ 針の切り欠
き、５０ 伸長管、 ５１ アダプタ、 ８８ 隆
起部、８９ 刻み目

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【手続補正書】

【提出日】平成１３年３月８日（２００１．３．８）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】請求項６

【補正方法】変更

【補正内容】

フロントページの続き (73)実用新案権者 595117091 １ ＢＥＣＴＯＮ ＤＲＩＶＥ， ＦＲＡ ＮＫＬＩＮ ＬＡＫＥＳ， ＮＥＷ ＪＥ ＲＳＥＹ 07417−1880， ＵＮＩＴＥＤ ＳＴＡＴＥＳ ＯＦ ＡＭＥＲＩＣＡ (72)考案者 グレッグ・エル・ブリムホール アメリカ合衆国ユタ州，ウエスト・ジョー ダン，ヴァリー・ウエスト・ドライブ 3838

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 カテーテルと導入針とのアセンブリであ
   って、 基端と末端とを有し且つ内径を画成しているカテーテル
   と、 前記カテーテルと流体連通しており且つ基端と前記カテ
   ーテルの基端に接続された末端とを有するカテーテルハ
   ブであって、側方孔を有するカテーテルハブと、 基端と末端とを有し且つ円形断面を有する外径を画成し
   ており且つ針ハブを有する導入針であって、当該導入針
   の前記基端は前記針ハブに作動可能に結合されており、
   当該導入針は、当該導入針の前記末端が前記カテーテル
   の末端を越えて末端方向に延びている挿入状態において
   前記カテーテル内に配置されるようになされており、前
   記針ハブは、前記挿入状態にあるときに前記カテーテル
   ハブに対して回転可能であり且つ同カテーテルハブに対
   して基端方向に移動可能である、ようになされた導入針
   と、 前記カテーテルハブに作動可能に結合され且つ前記側方
   孔の基端側に配置されたシールと、を含み、 前記導入針は、前記末端に開口を有し且つ同導入針が前
   記挿入状態にあるときに前記シールの末端側で且つ当該
   導入針の前記末端側に隣接して配置される切り欠きを有
   し、それによって、前記導入針の末端の開口と前記側方
   孔との間を流体が流通できるが、当該カテーテルと導入
   針とのアセンブリから流体が流れ出すのは前記シールに
   よって阻止されており、組立前においては、前記カテー
   テルの内径が前記導入針の外径よりも小さい、カテーテ
   ルと導入針とのアセンブリ。
2. 【請求項２】 前記カテーテルハブが径方向に延びてい
   る翼部を更に含み、前記針ハブには径方向に延びている
   フィンが形成されている、請求項１に記載のカテーテル
   と導入針とのアセンブリ。
3. 【請求項３】 前記側方孔から延びている伸長管を更に
   含む、請求項１又は２に記載のカテーテルと導入針との
   アセンブリ。
4. 【請求項４】 前記針が一対の切り欠きを有し、一方の
   切り欠きは前記針の末端の先端に隣接して配置されてお
   り、他方の切り欠きは前記側方孔に隣接して配置されて
   いる、請求項１ないし３のいずれか一の項に記載のカテ
   ーテルと導入針とのアセンブリ。
5. 【請求項５】 前記針の末端が前記カテーテルの末端を
   越えて延びており、前記フィンが翼部を越えて延びてい
   る、請求項２ないし４のいずれか一の項に記載のカテー
   テルと導入針とのアセンブリ。
6. 【請求項６】 前記シールにゲルが充填されている、請
   求項１ないし６のいずれか一の項に記載のカテーテルと
   導入針とのアセンブリ。