JP3078828B2 - 電子写真現像剤用キャリアおよびその製造方法、並びに該キャリアを用いた現像剤 - Google Patents

電子写真現像剤用キャリアおよびその製造方法、並びに該キャリアを用いた現像剤

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JP3078828B2 JP02243752A JP24375290A JP3078828B2 JP 3078828 B2 JP3078828 B2 JP 3078828B2 JP 02243752 A JP02243752 A JP 02243752A JP 24375290 A JP24375290 A JP 24375290A JP 3078828 B2 JP3078828 B2 JP 3078828B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、電子写真用複写機またはプリンター等に使
用される電子写真現像剤用キャリアおよびその製造方
法、並びに該キャリアを用いた現像剤に関する。
[従来の技術および発明が解決しようとする課題] 従来より、種々のキャリアが提案され、例えば米国特
許No.2,618,551号公報、No.2,638,416号公報、No.2,61
8,552号公報、No.3,526,533号公報、No.3,533,835号公
報、No.3,591,503号公報等が知られている。
また、キャリアの長寿命化、帯電量および抵抗の制御
を目的として、種々の樹脂でキャリア核粒子を被覆した
樹脂コートキャリアが提案されている。このような樹脂
で被覆するキャリア核粒子としては、砂、コバルト、
鉄、銅、ニッケル、亜鉛、アルミニウム、黄銅、ガラ
ス、フェライト等の非金属、金属や金属合金、複合金属
酸化物等の材料が使用されている。
従来、現像剤に用いられるトナーは、平均粒径約10〜
20μm程度のものが使用されてきたが、高画質化の要求
とともにトナーの粒径が微小化の方向にある。トナー粒
径が微小化するのに対応し、トナーへの電荷付与能力を
増加させるためにキャリアの比表面積を増加させる必要
があるが、従来のキャリアの平均粒径は50〜150μm程
度であり、比表面積が小さく、トナーへの電荷付与能力
を増加させるという点では不充分であった。
一方、不定形キャリアでは、確かに35〜50μm程度の
ものも従来存在するが、これらのキャリアは不定形であ
るために流動性が著しく悪く、トナーへの電荷付与能力
という点では満足のできるレベルではなかった。
また、流動性の改良という点からキャリアの形状を球
状化する試みは従来から行なわれ、アトマイズ造粒法等
が知られているが、50μm以下の球状粉を収率よく生産
することは実際上不可能であった。
本発明の目的は、トナーの微小化に対応してトナーへ
の電荷付与能力を増加させ、しかもトナーの濃度を増加
させることができ、トナー濃度の多少の変化によりコピ
ーの画質が変化することが少なく、また従来の複写機で
はトナー濃度のコントロールに必要不可欠であったトナ
ー濃度コントロール装置を省略させることもできるキャ
リアおよびその製造方法を提供することを目的とし、さ
らには電子写真現像剤の性能向上を図ることを最終的な
目的とするものである。
[課題を解決するための手段] トナーは、キャリアの流動性、比表面積が大きく影響
する。つまりキャリアの流動性が良好であり、かつ比表
面積が大きくなるとキャリアの帯電付与能力は増加す
る。特にトナーが微小化するに従ってトナー自体の流動
性が極端に悪くなることから、キャリアサイドで対策を
行なうことが大変重要になってくる。
本発明の上記目的は、これらの特性を満足する特定性
状を有するキャリアを用いることによって達成される。
すなわち、本発明の電子写真現像剤用キャリアは、平
均粒径15〜50μm、3000エルステッドでの磁化30〜190e
mu/g、見掛密度1.3〜4.2g/cm3であり、かつ球状率が80
%以上であることを特徴とする。
本発明に用いられるキャリア原料は、特に制限はなく
従来より公知の原料が用いられるが、例えば鉄、フェラ
イト、コバルト、銅、ニッケル、カーボンランダム等が
例示されるが、特に鉄やフェライトが好ましく用いられ
る。
本発明のキャリアの平均粒径は15〜50μm、好ましく
は15〜40μmであり、平均粒径が15μm未満ではキャリ
ア粒子の磁化が低くなり過ぎ、キャリア飛散が生じ、ま
たキャリアの平均粒径が50μmを超えると比表面積が低
下し、トナー飛散が生じ、それぞれ好ましくない。
本発明のキャリアの3000エルステッドの磁化は30emu/
g以上であることが必要である。30emu/g未満ではキャリ
アが飛散しやすくなる。キャリアを上記のように微小化
する時の課題としてはキャリア1個当りの重量(体積)
が小さくなることにより、キャリア1個当りの磁化が低
くなることであり、このために磁化を一定以上とする必
要が生じる。3000エルステッドでの磁化を30emu/g以上
にするためには、キャリア原料の組成を選択することに
より可能であり、また、球状化し回収する時の雰囲気を
制御することによっても調整可能である。また、3000エ
ルステッドでの磁化が190emu/gを超えるキャリアは特殊
なものを除き実質的に製造し得ない。
本発明のキャリアの見掛密度は、1.3〜4.2g/cm3、好
ましくは1.8〜4.0g/cm3である。見掛密度が1.3g/cm2
満では流動性が悪くなる傾向にある。また、4.2g/cm2
超えると磁気ブラシ上に穂を形成した時にその穂が硬く
なりすぎ、磁気ブラシ上の流動性が悪くなり、しかもト
ナーに与えるストレスが大きくなることにより現像剤の
寿命が短くなる。
本発明におけるキャリアは、その形状が球状であるこ
とが必要であり、キャリアを球状化することにより高い
流動性が得られる。ここでいう球状のキャリアとは、キ
ャリアを走査型電子顕微鏡で観察した際の長軸/短軸比
が1.0〜1.25あるものが80%以上であるものをいう。す
なわち、球状率が80%以上のものをいう。
本発明で使用されるキャリアの好ましい一例は、例え
ば鉄を原料とし、平均粒径25〜40μm、3000エルステッ
ドでの磁化70〜190emu/g、見掛密度が3.0〜4.0g/cm3
ある球状のキャリア、フェライトを原料とし、平均粒径
15〜50μm、3000エルステッドでの磁化30〜95emu/g、
見掛密度が1.3〜3.0g/cm3である球状のキャリア等であ
る。
本発明に用いられるキャリアでは、空気透過法による
比表面積(例えば島津製作所製SS−100と同様または類
似した装置を用いる)が350cm2/g以上となることが望ま
しく、このことによってトナーに十分な帯電性を付与す
る能力を持つ。
すでに述べたように、キャリアの流動性、比表面積は
トナーの帯電付与に大きな影響を及ぼすが、キャリアの
表面に樹脂をコーティングすることによりその絶対値を
大きく変化させることが可能である。
従来の平均粒径の大きいキャリアでは樹脂コーティン
グを行なう場合に画質の向上の目的から抵抗を高めるた
めに、多量の樹脂を使用し厚膜コーティングを行なって
いたが、本発明の平均粒径の小さいキャリアではコート
層が薄くてもキャリア粒子数が多くなるために抵抗が高
くなる等の理由により、従来のコーティングキャリアと
比較し、コーティングが容易で高画質の画像が得やす
い。ここで用いられる樹脂は、特に制限はなく、天然樹
脂、熱可塑性樹脂、または部分硬化した熱硬化性樹脂等
の従来よりキャリア核粒子の被覆樹脂として公知の樹脂
が挙げられる。
本発明のキャリアは、プラズマ法により上記したキャ
リア原料を溶融することによって製造される。詳しく
は、キャリア原料を不活性または酸化性雰囲気中でプラ
ズマ中に投入し、瞬時に溶融し、表面張力により球状化
した時点で冷却し回収するプラズマ法によってキャリア
を得るものである。このようなプラズマ法によってキャ
リアを得るのは、この方法により、所望の粒径や磁化、
見掛密度といった性状が得られるからである。
このようなプラズマ法としては、直流アークプラズマ
炎を用いる直流プラズマ法、高周波プラズマ炎を用いる
高周波プラズマ法、さらには直流プラズマと高周波プラ
ズマとを組合わせたハイブリッドプラズマ炎を用いたハ
イブリッドプラズマ法が挙げられる。本発明ではいずれ
の方法も採用されるが、高い球状率を得るという観点か
ら高周波プラズマ法、ハイブリッドプラズマ法がより好
ましく、さらには安定的にかつ多量の原料を球状化させ
るといった見地からハイブリッドプラズマ法が特に好ま
しい。なお、直流プラズマ法を不活性雰囲気で行なう場
合には、500Torr以下の減圧下で行なうことが、得られ
るキャリア性状から望ましい。
このようにして得られたキャリアを用いてトナーと共
に調製された現像剤は、極めて良好な性能を有するもの
となる。
[実施例] 以下、実施例等に基づき本発明を具体的に説明する。
実施例1 不活性雰囲気に置換した容器を減圧し、50Torrにし
た。その容器内で発生させた直流アークプラズマ炎中に
平均粒径40μmの不定形鉄粉を投入し、平均粒径31.2μ
mのキャリアを得た。このキャリアは、第1表に示すよ
うに3000エルステッド時の磁化が170emu/g、見掛密度3.
56g/cm3、比表面積420cm2/gであった。
このキャリアを走査型電子顕微鏡で観察したところ、
球状率が80%以上であった。
このキャリアとトナー(スチレン−アクリル系樹脂)
を用い、現像剤を調製し、市販の複写機で実機テストを
行なった。
この時のトナー濃度は15%であった。また、その際の
画像特性(画像濃度、カブリ、スクラッチ性、キャリア
飛散、ライフ性、総合評価)を第1表に示す。なお、第
1表において、◎は非常に良好、○は良好、△はやや不
良、×は不良をそれぞれ示す。
実施例2 実施例1のキャリアの表面にアクリル樹脂のコーティ
ングを行なった。
この樹脂被覆キャリアと実施例1で用いたトナーを用
い、現像剤を調製し、市販の複写機で実機テストを行な
った。
この時のトナー濃度は12%であった。また、その際の
画像特性を第1表に示す。
実施例3 大気雰囲気中で直流アークプラズマ炎中に平均粒径が
40μmの不定形鉄粉を投入し、平均粒径が28.2μmのキ
ャリアを得た。このキャリアは、第1表に示すように30
00エルステッド時の磁化が91emu/g、見掛密度2.95g/c
m3、比表面積502cm2/gであった。
このキャリアを走査型電子顕微鏡で観察したところ、
球状率が80%以上であった。
このキャリアと実施例1で用いたトナーを用い、現像
剤を調製し、市販の複写機で実機テストを行なった。
この時のトナー濃度は16%であった。また、その際の
画像特性を第1表に示す。
実施例4 不活性雰囲気に置換した容器を減圧し30Torrにした。
その容器内で発生させた直流アークプラズマ炎中に飽和
磁化が65emu/gで、平均粒径が40μmの不定形のCu−Zn
フェライト粉を投入し、平均粒径が36.4μmのキャリア
を得た。このキャリアは、第1表に示すように3000エル
ステッド時の磁化が63emu/g、見掛密度2.93g/cm3、比表
面積489cm2/gであった。
このキャリアを走査型電子顕微鏡で観察したところ、
球状率が80%以上であった。
この被覆キャリアと実施例1で用いたトナーを用い、
現像剤を調製し、市販の複写機で実機テストを行ない、
その際の画像特性を第1表に示す。
実施例5 不活性雰囲気に置換した容器を減圧し100Torrにし
た。その容器内で発生させた直流アークプラズマ炎中に
平均粒径が40μmの不定形鉄粉を投入し、平均粒径が3
0.4μmのキャリアを得た。このキャリアは、第1表に
示すように3000エルステッド時の磁化が175emu/g、見掛
密度3.72g/cm3、比表面積418cm2/gであった。
このキャリアを走査型電子顕微鏡で観察したところ、
球状率が80%以上であった。
この被覆キャリアと実施例1で用いたトナーを用い、
現像剤を調製し、市販の複写機で実機テストを行ない、
その際の画像特性を第1表に示す。
比較例1 不活性雰囲気に置換した容器を減圧し100Torrにし
た。その容器内で発生させた直流アークプラズマ炎中
に、平均粒径22μmの不定形鉄粉を投入し、平均粒径1
4.5μmのキャリアを得た。このキャリアは、第1表に
示すように3000エルステッド時の磁化が170emu/g、見掛
密度2.2g/cm3、比表面積671cm2/gであった。
このキャリアを走査型電子顕微鏡で観察したところ、
球状率が80%以上であった。
このキャリアと実施例1で用いたトナーを用い、現像
剤を調製し、市販の複写機で実機テストを行なったとこ
ろ、画像上にキャリア付着が認められた。また、その際
の画像特性を第1表に示す。
比較例2 不活性雰囲気に置換した容器を減圧し100Torrにし
た。その容器内で発生させた直流アークプラズマ炎中
に、平均粒径60μmの不定形鉄粉を投入し、平均粒径53
μmのキャリアを得た。このキャリアは、第1表に示す
ように3000エルステッド時の磁化が175emu/g、見掛密度
3.92g/cm3、比表面積343cm2/gであった。
このキャリアを走査型電子顕微鏡で観察したところ、
球状率が80%以上であった。
このキャリアと実施例1で用いたトナーを用い、現像
剤を調製し、市販の複写機で実機テストを行なったとこ
ろ、トナー飛散が発生し、非画像部に汚れが生じた。ま
た、その際の画像特性を第1表に示す。
比較例3 不活性雰囲気に置換した容器を減圧し50Torrにした。
その容器中で発生させた直流アークプラズマ炎中に、磁
化が32emu/gで、平均粒径40μmのCu−Znフェライトを
投入し、平均粒径36.2μmのキャリアを得た。このキャ
リアは、第1表に示すように3000エルステッド時の磁化
が28emu/g、見掛密度2.81g/cm3、比表面積524cm2/gであ
った。
このキャリアを走査型電子顕微鏡で観察したところ、
球状率が80%以上であった。
このキャリアと実施例1で用いたトナーを用い、現像
剤を調製し、市販の複写機で実機テストを行なったとこ
ろ、画像部にキャリア飛散が発生した。また、その際の
画像特性を第1表に示す。
比較例4 不活性雰囲気に置換した容器を減圧し100Torrにし
た。その容器中で発生させた直流アークプラズマ炎中
に、平均粒径が49μmの不定形アトマイズ鉄粉を投入
し、平均粒径40μmのキャリアを得た。このキャリア
は、第1表に示すように3000エルステッド時の磁化が17
5emu/g、見掛密度4.4g/cm3、比表面積355cm2/gであっ
た。
このキャリアを走査型電子顕微鏡で観察したところ、
球状率が80%以上であった。
このキャリアと実施例1で用いたトナーを用い、現像
剤を調製し、市販の複写機で実機テストを行なったとこ
ろ、画像濃度は充分であったが、ブラシマークが発生し
た。また、その際の画像特性を第1表に示す。
比較例5 不活性雰囲気に置換した容器を減圧し680Torrにし
た。その容器内で発生させた直流アークプラズマ炎中に
平均粒径が40μmの不定形鉄粉を投入し、平均粒径が3
2.5μmのキャリアを得た。このキャリアは、第1表に
示すように3000エルステッド時の磁化が178emu/g、見掛
密度3.69g/cm3、比表面積429cm2/gであった。
このキャリアを走査型電子顕微鏡で観察したところ、
球状率は僅か50%程度であった。
このキャリアと実施例1で用いたトナーを用い、現像
剤を調製し、市販の複写機で実機テストを行なったとこ
ろ、磁気ブラシ上の穂が不均一であり、画像の荒れが目
立ち、現像剤の流れが著しく悪くなった。また、その際
の画像特性を第1表に示す。
比較例6 造粒法により製造した第1表に示した性状を有するパ
ウダーテック(株)社製Cu−ZnフェライトキャリアF−
150(平均粒径80μm球状粉)を用い、このキャリアと
実施例1で用いたトナーを用い、現像剤を調製し、市販
の複写機で実機テストを行なったところ、画像濃度およ
びベタ黒部の均一性において、実施例1におけるキャリ
アを用いたものに比較して劣ったものであった。なお、
この時のトナー濃度は4%であった。また、その際の画
像特性を第1表に示す。
比較例7 アトマイズ法により製造した第1表に示した性状を有
するパウダーテック(株)社製鉄粉球状キャリアASR−1
020(平均粒径100μm)を用い、このキャリアと実施例
1で用いたトナーを用い、現像剤を調製し、市販の複写
機で実機テストを行なった。
この時のトナー濃度は2.5%であった。また、その際
の画像特性を第1表に示す。
比較例8 比較例7のキャリアの表面にアクリル樹脂のコーティ
ングを行なった。
この樹脂被覆キャリアと実施例1で用いたトナーを用
い、現像剤を調製し、市販の複写機で実機テストを行な
った。
この時のトナー濃度は2.5%であった。また、その際
の画像特性を第1表に示す。
比較例9 不活性雰囲気に置換した容器を減圧し550Torrにし
た。その容器内で発生させた直流アークプラズマ炎中に
平均粒径が40μmの不定形鉄粉を投入し、平均粒径が32
μmのキャリアを得た。このキャリアは、第1表に示す
ように3000エルステッド時の磁化が175emu/g、見掛密度
3.65g/cm3、比表面積435cm2/gであった。
このキャリアを走査型電子顕微鏡で観察したところ、
球状率が70%程度であった。
このキャリアと実施例1で用いたトナーを用い、現像
剤を調製し、市販の複写機で実機テストを行なったとこ
ろ、磁気ブラシ上の穂が不均一であり、現像剤の流れも
悪かった。また、その際の画像特性を第1表に示す。
実施例6 アルゴンの不活性雰囲気容器内で、高周波プラズマ炎
中に平均粒径40μmの不定形鉄粉を投入し、平均粒径が
30.5μmのキャリアを得た。このキャリアは、第1表に
示すように3000エルステッド時の磁化が175emu/g、見掛
密度3.56g/cm3、比表面積420cm2/gであった。
このキャリアを走査型電子顕微鏡で観察したところ、
球状率は90%以上であった。
このキャリアと実施例1で用いたトナーを用い、現像
剤を調製し、市販の複写機で実機テストを行なった。
この時のトナー濃度は15%であった。また、その際の
画像特性を第1表に示す。
実施例7 実施例6のキャリアの表面に、実施例2で用いたアク
リル樹脂のコーティングを行なった。
この樹脂被覆キャリアと実施例1で用いたトナーを用
い、現像剤を調製し、複写機を用い実機テストを行っ
た。
この時のトナー濃度は15%であった。また、その際の
画像特性を第1表に示す。
実施例8 窒素ガスの不活性雰囲気容器内で高周波プラズマ炎中
に平均粒径が40μmの不定形マグネタイト粉を投入し、
平均粒径が33μmのキャリアを得た。このキャリアは、
第1表に示すように3000エルステッド時の磁化が88emu/
g、見掛密度2.50g/cm3、比表面積540cm2/gであった。
このキャリアを走査型電子顕微鏡で観察したところ、
球状率は90%以上であった。
このキャリアと実施例1で用いたトナーを用い、複写
機を用い実機テストを行なった。
この時のトナー濃度は17%であった。また、その際の
画像特性を第1表に示す。
実施例9 アルゴンの不活性雰囲気容器内で、高周波プラズマ炎
中に平均粒径40μmで磁化が65emu/gの不定形Cu−Znフ
ェライトを投入し、平均粒径が35μmのキャリアを得
た。このキャリアは、第1表に示すように3000エルステ
ッド時の磁化が63emu/g、見掛密度2.76g/cm3、比表面積
510cm2/gであった。
このキャリアを走査型電子顕微鏡で観察したところ、
球状率は90%以上であった。
このキャリアの表面に実施例2で用いたアクリル樹脂
のコーティングを行った。
この樹脂被覆キャリアと実施例1で用いたトナーを使
用し、現像剤を調製し、複写機を用い実機テストを行っ
た。
この時のトナー濃度は16%であった。また、その際の
画像特性を第1表に示す。
実施例10 アルゴンの不活性雰囲気容器内で、高周波プラズマ炎
中に平均粒径が35μmの不定形鉄粉を投入し、平均粒径
が26μmのキャリアを得た。このキャリアは、第1表に
示すように3000エルステッド時の磁化が160emu/g、見掛
密度3.54g/cm3、比表面積550cm2/gであった。
このキャリアを走査型電子顕微鏡で観察したところ、
球状率は90%以上であった。
このキャリアの表面に実施例2で用いたアクリル樹脂
のコーティングを行った。
この被覆キャリアと実施例1で用いたトナーを使用
し、現像剤を調製し、複写機を用い実機テストを行っ
た。
この時のトナー濃度は20%であった。また、その際の
画像特性を第1表に示す。
実施例11 アルゴンの不活性雰囲気容器内で、高周波プラズマと
直流プラズマを組合せたハイブリッドプラズマ炎中に平
均粒径が40μmの不定形鉄粉を投入し、平均粒径が29μ
mのキャリアを得た。このキャリアは、第1表に示すよ
うに3000エルステッド時の磁化が172emu/g、見掛密度3.
59g/cm3、比表面積435cm2/gであった。
このキャリアを走査型電子顕微鏡で観察したところ、
球状率は95%以上であった。
このキャリアの表面に実施例2で用いたアクリル樹脂
のコーティングを行った。
この樹脂被覆キャリアと実施例1で用いたトナーを用
い、現像剤を調製し、複写機を用い実機テストを行っ
た。
この時のトナー濃度は15%であった。また、その際の
画像特性を第1表に示す。
比較例10 アルゴンの不活性雰囲気容器内で、高周波プラズマ炎
中に平均粒径22μmの不定形鉄粉を投入し、平均粒径1
3.5μmのキャリアを得た。このキャリアは、第1表に
示すように3000エルステッド時の磁化が140emu/g、見掛
密度2.2g/cm3、比表面積682cm2/gであった。
このキャリアを走査型電子顕微鏡で観察したところ、
球状率は90%以上であった。
このキャリアと実施例1で用いたトナーを用い、現像
剤を調製し、市販の複写機で実機テストを行なったとこ
ろ、画像上にキャリア付着が認められた。また、その際
の画像特性を第1表に示す。
比較例11 アルゴンの不活性雰囲気容器内で、高周波プラズマ炎
中に平均粒径60μmの不定形鉄粉を投入し、平均粒径55
μmのキャリアを得た。このキャリアは、第1表に示す
ように3000エルステッド時の磁化が175emu/g、見掛密度
3.91g/cm3、比表面積343cm2/gであった。
このキャリアを走査型電子顕微鏡で観察したところ、
球状率は90%以上であった。
このキャリアと実施例1で用いたトナーを用い、現像
剤を調製し、市販の複写機で実機テストを行なったとこ
ろ、トナー飛散が発生し、非画像部に汚れが生じた。ま
た、その際の画像特性を第1表に示す。
比較例12 アルゴンの不活性雰囲気容器内で、高周波プラズマ炎
中に平均粒径が40μm、磁化が32emu/gのCu−Znフェラ
イトを投入し、平均粒径35.4μmのキャリアを得た。こ
のキャリアは、第1表に示すように3000エルステッド時
の磁化が29emu/g、見掛密度2.80g/cm3、比表面積531cm2
/gであった。
このキャリアを走査型電子顕微鏡で観察したところ、
球状率は90%以上であった。
このキャリアと実施例1で用いたトナーを用い、現像
剤を調製し、市販の複写機で実機テストを行なったとこ
ろ、画像部にキャリア飛散が発生した。また、その際の
画像特性を第1表に示す。
比較例13 アルゴンの不活性雰囲気容器内で、高周波プラズマ炎
中に、平均粒径が49μmの不定形鉄粉を投入し、平均粒
径が39μmのキャリアを得た。このキャリアは、第1表
に示すように3000エルステッド時の磁化が176emu/g、見
掛密度4.4g/cm3、比表面積348cm2/gであった。
このキャリアを走査型電子顕微鏡で観察したところ、
90%が球状であった。
このキャリアと実施例1で用いたトナーを用い、現像
剤を調製し、市販の複写機で実機テストを行なったとこ
ろ、画像濃度は充分であったが、ブラシマークが発生し
た。また、その際の画像特性を第1表に示す。
第1表の実施例と比較例との対比から明らかな通り、
本発明のキャリアを用いることにより、現像剤の実機試
験において、良好な画像特性を示す。キャリアの製造方
法の差異については、高周波プラズマ法で得られたキャ
リアを用いた現像剤のほうが、直流プラズマ法で得られ
たキャリアを用いた現像剤よりも画像特性が一般的に優
れている。また、ハイブリッドプラズマ法で得られたキ
ャリアを用いた現像剤は画像特性が最も良好であった。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明のキャリアは、直流、高
周波またはハイブリッドといったプラズマ法によりキャ
リア原料を溶融することによって得られ、特定性状を有
するため、トナーの微小化に対応してトナーへの電荷付
加能力を増加させ、しかもトナーの濃度を増加させるこ
とができ、トナー濃度の多少の変化によりコピーの画質
が変化することが少なく、また従来の複写機ではトナー
濃度のコントロールに必要不可欠であったトナー濃度コ
ントロール装置を省略させることもできる。従って、か
かるキャリアを用いた現像剤は、その性能を大幅に向上
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 茅本 金男 千葉県柏市十余二217番地 パウダーテ ック株式会社内 (72)発明者 尾形 正広 千葉県柏市十余二217番地 パウダーテ ック株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−35764(JP,A) 特開 昭61−38953(JP,A) 特開 昭61−130959(JP,A) 特開 昭51−107281(JP,A) 特開 昭63−14165(JP,A) 特開 昭62−297857(JP,A) 特開 昭62−182758(JP,A) 特開 平2−223962(JP,A)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉄を原料とし、高周波プラズマ法またはハ
    イブリッドプラズマ法により前記原料を溶融して得られ
    た平均粒径25〜40μm、3000エルステッドでの磁化70〜
    190emu/g、見掛密度3.0〜4.2g/cm3、長軸/短軸比が1.0
    〜1.25を有しかつ球状率が80%以上であり、空気透過法
    による比表面積が350cm2/g以上であることを特徴とする
    電子写真現像剤用キャリア。
  2. 【請求項2】フェライトを原料とし、高周波プラズマ法
    またはハイブリッドプラズマ法により前記原料を溶融し
    て得られた平均粒径15〜50μm、3000エルステッドでの
    磁化30〜95emu/g、見掛密度が1.3〜3.0g/cm3、長軸/短
    軸比が1.0〜1.25を有しかつ球状率が80%以上であり、
    空気透過法による比表面積が350cm2/g以上であることを
    特徴とする電子写真現像剤用キャリア。
  3. 【請求項3】表面が樹脂コーティングされている請求項
    1または2に記載のキャリア。
  4. 【請求項4】高周波プラズマ法により不活性雰囲気下で
    キャリア原料を溶融し、冷却しそして該キャリアを回収
    することにより、請求項1乃至3のいずれかに記載のキ
    ャリアを得ることを特徴とする電子写真現像剤用キャリ
    アの製造方法。
  5. 【請求項5】ハイブリッドプラズマ法により不活性雰囲
    気下でキャリア原料を溶融し、冷却しそして該キャリア
    を回収することにより、請求項1乃至3のいずれかに記
    載のキャリアを得ることを特徴とする電子写真現像剤用
    キャリアの製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1乃至3のいずれかに記載のキャリ
    アを用いた電子写真現像剤。
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