JP3637452B2 - 静電荷像現像用キャリア - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、電子写真法、静電写真法、静電印刷法などにおいて静電荷像を現像するために用いられる現像剤中のキャリアに関するものであり、特に、画質と耐久性を従来に比べ大きく改良した静電荷像現像用キャリアに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
静電荷像現像用の現像剤には、大別して一成分現像剤と二成分現像剤の2種類が挙げられる。それらの内、トナーへの帯電付与を行う粒子、いわゆるキャリアをトナーと混合しているため、一成分現像剤に比べトナーへの帯電付与が比較的安定しているという点、また、近年、カラー複写機のめざましい普及が進んでいるが、トナーが磁性体を必要とせず、磁性体の色が出力画像の色味を阻害することがないという点から、二成分現像剤が多く使用されている。
【0003】
二成分現像剤はトナーとキャリアから構成され、そのキャリアには大別すると導電性キャリアと絶縁性キャリアがある。しかし多くの場合、耐久性、帯電付与能力の点から、キャリアとしては絶縁性キャリアに属する樹脂被覆キャリアが用いられている。このキャリア表面を樹脂被覆する技術については、特開昭47-13954号、同60-208765号などに開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
二成分現像剤は、現像機内でのキャリアとトナーの混合撹拌により、トナーに電荷を付与し、現像させる必要がある。
【0005】
導電性キャリアとして、鉄粉キャリアや酸化鉄粉キャリアがよく用いられるが、この鉄粉系キャリアはトナーに付与する電荷量が不安定になりやすく、現像剤により形成される可視像にかぶりが発生する問題がある。これは現像機内の撹拌混合によりトナー粒子がキャリア表面に付着、蓄積し、キャリアの電気抵抗が増大して、現像バイアス電流が低下すること、さらに、キャリアの表面がトナーにより覆われてしまうため、トナーに付与する電荷量が不安定となることが原因である。したがって、鉄粉系キャリアからなる現像剤は少数回の使用で劣化が発生するため、早期に新しい現像剤へと交換する必要がある。
【0006】
そこで、キャリアの多くには、磁性粒子表面を樹脂により被覆した樹脂被覆キャリアが多く用いられている。
【0007】
このキャリアは、被覆する樹脂の選択によりトナーに付与する電荷量を制御することができ、さらに、キャリア表面へのトナー融着が発生しにくいため、トナーに付与する電荷量が安定し、鉄粉系キャリアに比べ現像剤の耐久性に優れるという利点がある。
【0008】
しかし、逆に、樹脂で被覆することにより、鉄粉系キャリアにおいては発生し得なかった新たな問題が発生し、従来の樹脂被覆キャリアには、未だ十分な性能が得られるものはない。樹脂被覆キャリアの抱える問題のうちの大きなものは、現像器内でキャリアにストレスが加わることにより発生する樹脂被覆層の剥離である。樹脂被覆層が剥離すると、トナーへの帯電付与性能が不安定になるため、現像剤により形成される可視像にかぶりが発生する。また、同時に、キャリアのコア材が露出し、キャリアの電気抵抗が低下する。キャリアの電気抵抗の低下は、過剰現像による細線や文字のつぶれ、また、感光体へのキャリア付着の原因となる。
【0009】
さらに、キャリア表面を樹脂被覆する場合は、樹脂被覆装置の条件や、樹脂被覆環境、特に湿度の影響を受けやすい。したがって、厳密な管理によってもキャリア表面を均一に樹脂被覆させ、現像剤の性能を長期に渡り安定させることは困難であり、未だ十分な性能は得られていないのが現状である。
【0010】
また、高画質を得るために、トナーを小粒径化することが行われるが、二成分現像剤の場合、キャリア表面の帯電サイトを確保するために、トナー粒径に合わせてキャリアも小粒径化する必要が生じる。しかし、キャリアの小粒径化を進めるにつれ、均一な樹脂被覆層を形成することがより困難となるため、樹脂被覆層の機械強度が不安定となり、上記の欠点がより顕著に現れ、実用上の問題がさらに大きくなる。
【0011】
そして、上記の問題は、接触現像法、非接触現像法のいずれにおいても発生する。トナーとキャリアからなる磁気ブラシを感光体に接触させて現像を行う接触現像法の場合、上記の樹脂被覆キャリアの問題は、特に高速現像を行う現像装置において顕著に発生する。高速現像を行うためには、現像器内で、補給されたトナーとキャリアを高速に混合、撹拌する必要がある。そのためにキャリアは、混合撹拌部において、非常に大きなストレスを受けることになる。また同時に、高速現像を行うためには、現像スリーブを高速に回転させる必要がある。そのためにキャリアは、現像スリーブと感光体の間の現像ニップ部においても非常に大きなストレスを受けることになる。
【0012】
このような過大なストレスを低減するために、混合撹拌速度を若干調節したり、現像ニップ距離を広げたり、またトナー濃度を高めて現像スリーブの回転速度を抑えたりすることが行われている。しかし、これらの対策は、トナーに十分な電荷量を付与できずにトナー飛散やかぶりを発生させたり、現像領域へ搬送される現像量が不足するために画像濃度が低い、などの問題を引き起こしている。
【0013】
また、現像剤層を感光体に接触させずに現像を行う非接触現像法の場合、一旦、現像されたトナー像が、磁気ブラシの接触により掻き乱されることがなく、高画質化が期待できる。しかし、一方で、接触現像法に比べ現像性が不足気味となるため、その対策として、感光体と現像スリーブ間の距離をできる限り近づける必要がある。その狭い現像領域へ安定した現像剤量を導入するためには、現像剤層をできるだけ均一に、薄層化することが必要である。そのために、例えば特開平2-50184で提案されている剛性の棒状磁性体などの薄層形成部材による薄層形成方法が、安定した層厚の形成に有効である。しかし、棒状磁性体などの薄層形成部材による薄層形成は、安定した層形成というメリットは有するものの、薄層を形成する部材によって現像剤が受けるストレスが過大となる。
【0014】
その問題の対策として、例えば特開昭59-232362号などに見られるように、キャリアの樹脂被覆層中に疎水性シリカ微粒子を添加することが提案されているが、この場合、添加したシリカ微粒子が、現像剤を使用するにつれトナー表面へ離脱、移行し、トナーの帯電を阻害するという問題が発生するため、十分な対応とは言えない。
【0015】
したがって、本発明の目的は、コア材表面と樹脂被覆層の高い接着性を確保し、かつ、均一な樹脂被覆層を形成することにより、キャリアの帯電付与能力、樹脂被覆層の機械強度を高いレベルで安定させ、長期に渡り、かぶりやキャリア付着がなく、濃度が高く均質で、かつ高い解像度をもつ出力画像を得ることができる静電荷像現像用キャリアを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は下記構成により達成される。
【0017】
(1)コア材として、珪素元素を100ppm〜5000ppm含有した実質的に球形のマグネタイト磁性粒子を使用し、該コア材表面を樹脂被覆したことを特徴とする静電荷像現像用キャリア。(但し、コア材表面を架橋シリコーン樹脂で被覆した静電荷像現像用キャリアを除く。)
【0018】
(2)接触現像法に使用する二成分現像剤に用いるキャリアであり、該キャリアのコア材として10kOe印加時の飽和磁化が50〜120emu/gの範囲にある磁性粒子を使用した、上記(1)項に記載の静電荷像現像用キャリア。
【0019】
(3)非接触現像法に使用する二成分現像剤に用いるキャリアであり、該キャリアのコア材として10kOe印加時の飽和磁化が20〜80emu/gの範囲にある磁性粒子を使用した、上記(1)項1に記載の静電荷像現像用キャリア。
【0020】
鋭意検討の結果、二成分現像剤に使用するキャリアとして、珪素を適正量含有させた実質的に球形の磁性粒子をコア材とし、該コア材に樹脂被覆をしたものを使用することにより、樹脂被覆キャリアの成膜特性を改善でき、上記の問題を解決できることを見いだした。
【0021】
また、上記に加えて、該キャリアを適用する現像器の現像方法に応じて、コア材として磁気特性が一定の範囲内に収まるものを使用することが、上記樹脂被覆キャリアに要求される特性の改良に非常に有効であることを見いだした。
【0022】
【作用】
本発明は、キャリアのコア材表面と樹脂被覆層の接着性を、強固なものへと改善し、複写機の長期使用に際しても、樹脂被覆層の剥離がなく、上記の問題が発生しない現像剤を提供することを目的としている。
【0023】
そのためには、キャリアのコア材として、実質的に球形の磁性粒子を使用し、さらにその磁性粒子中に珪素元素を100〜5000ppm、さらに好ましくは、500〜3000ppmの範囲で含有させると、良好な結果を得ることができる。
【0024】
本発明の効果の作用機構の詳細については不明な点が多いが、我々の検討結果によると、おそらく、次のようなものだと考えられる。珪素元素がキャリアのコア材表面および内部に分散して存在することにより、キャリアのコア材表面の帯電性を、全体では均一であるが、微小な領域では別組成、つまり仕事関数の異なる表面を持たせることができる。こうすることにより、キャリアのコア材表面と樹脂被覆層の界面において、被覆する樹脂を構成する分子鎖に適切な配向、つまり安定した配向をさせて接触させることができるため、キャリアのコア材表面と樹脂被覆層の界面において、物理的な接着力に加え、電気化学的な接着力を持たせることができ、非常に強固な樹脂被覆層を形成することができる。
【0025】
検討の結果、種々の元素のうち、珪素元素を用いることにより、このような特性を持たせることができることに加え、本発明において必要である磁性粒子への均一な分散が比較的容易に達成でき、最も良好な結果を与えることを見いだした。
【0026】
さらに、本発明は、コア材として、実質的に球形の磁性粒子を使用する樹脂被覆キャリアである。なお、ここでいう実質的に球形とは、具体的にはコア材粒子の短径/長径比率が0.7〜1.0であるものに相当する。このコア材粒子の短径/長径比率の計測は、電子顕微鏡写真により容易に行うことができる。コア材粒子の短径/長径比率が0.7以下の場合は、現像機内にて現像剤の混合によるストレスが大きくなり、樹脂被覆層の剥離が生じやすく、画像不良の原因となる。
【0027】
さらに、本発明において有効な磁性粒子は、接触現像法に用いる場合は、10kOeの磁界中においた場合の飽和磁化が50〜120emu/g、より好ましくは60〜90emu/gのものである。
【0028】
接触現像法に用いる二成分現像剤は、磁気ブラシを形成することにより、現像剤を現像領域へ搬送する必要がある。その場合に、本発明においてキャリアの飽和磁化が120emu/gを超えるものを使用すると、磁気ブラシが密で固いものになるため、その状態で現像剤を搬送すると、接触現像法であるが故、現像領域において現像剤に過剰なストレスが加わってしまい、十分なSi元素の効果を発揮できず、キャリアの樹脂被覆層の剥離の原因となる。逆に、キャリアの飽和磁化が50emu/gに満たないものを使用すると、十分な穂高さを持つ磁気ブラシを形成することができないため、現像領域へ十分な量の現像剤を搬送することができず、その結果、十分な濃度や解像度を持つ出力画像を得ることができない。
【0029】
また,非接触現像法の場合、本発明において有効な磁性粒子は、10kOeの磁界中においた場合の飽和磁化が20〜80emu/g、より好ましくは30〜60emu/gのものである。
【0030】
非接触現像法に用いる二成分現像剤は、安定した現像剤の薄層を形成して、現像剤を現像領域へ搬送する必要がある。その場合に、キャリアの飽和磁化が80emu/gを超えるものを使用すると、薄層形成部材により加わるストレスが過剰となり、キャリアの樹脂被覆層の剥離の原因となり、画像不良を引き起こす。逆に、キャリアの飽和磁化が20emu/gに満たないものを使用すると、現像スリーブが十分な磁力でキャリアを保持することができないため、キャリア付着の原因となる。
【0031】
本発明からなる二成分現像剤は、接触現像法、非接触現像法のいずれにおいてもトナーに適正な電荷量を付与するために、現像機内にて撹拌混合を行なう必要がある。その場合に、キャリアの残留磁気が150Gaussを超えるものを使用すると、現像剤の凝集によりトナーとキャリアの混合性が悪くなる。不足する混合性を補うために、過剰な撹拌力により現像剤を撹拌する必要が生じ、その結果、現像剤に加わるストレスが大きくなり、樹脂被覆層の剥離が生じやすく、画像不良の原因となる。
【0032】
本発明に使用されるキャリアのコア材の飽和磁化、残留磁気の測定には、直流磁化特性自動記録装置3257-35型(横河電機(株)製)を使用して求めることができる。測定条件を以下に示す。
【0033】
測定するキャリアは、あらかじめ20℃、50%RH環境にて2時間調湿しておいたものを使用する。高さ20mm、内径15.8mmのアクリル製円筒にキャリアを充填し、その際に充填したキャリアの重量W[g]を求める。その後、キャリアを充填したアクリル円筒を直流磁化特性自動記録装置にセットし、10kOeの磁界をかけて、y軸が磁束密度B[Gauss]、x軸が磁界の強さH[Oe]の磁気ヒステリシス曲線を得る。磁気ヒステリシス曲線の例を図1に示す。飽和磁化σsは10kOe印加時の磁束密度Bmより次式を用いて算出される。
【0034】
飽和磁化σs = Bm/(4π・W)
(W:試料重量[g])
また、残留磁気Brは10kOe印加後の磁束密度Bの値(図における(ob+oe)/2)として得られる。
【0035】
本発明のコア材として使用できる磁性粒子には以下のような材料がある。すなわち、鉄粉粒子、Znフェライト、Niフェライト、Cuフェライト、Mnフェライト、Mn-Znフェライト、Mn-Mgフェライト、Cu-Znフェライト、Ni-Znフェライト、Mn-Cu-Znフェライトなどのフェライト粒子、マグネタイト粒子などが挙げられる。
【0036】
しかし、これらの材料のうち、本発明に必要な、適正な磁気特性を比較的容易に持つことができるという点から、マグネタイト粒子を使用することが、より良好な結果を得ることにつながる。さらに、マグネタイト粒子からなるキャリアは、鉄粉キャリアに比べ比重が軽いのでキャリアに加わるストレスを低減でき、耐久性に有利に作用する。また、マグネタイト粒子からなるキャリアは樹脂被覆を行った状態においても体積固有抵抗が比較的低いという利点があり、従来多用されているフェライト粒子の樹脂被覆キャリアに比べ現像性の面で有利に作用し、好ましい。さらに、マグネタイト粒子は、従来のフェライト粒子のように、多種の金属から構成されておらず、耐用を過ぎたキャリアを再資源化するために再処理、再利用する際の精錬工程を簡略化できるという利点も有する。なお、ここでいうマグネタイト粒子とは、Fe3O4として完全にスピネル構造をとるものだけでなく、FeO、Fe2O3を含有し、部分的にスピネル構造を崩したものも含まれる。
【0037】
なお、コア材の体積固有抵抗は、好ましくは1×10-4〜1×10-10Ωcm、さらに好ましくは5×10-4〜5×10-8Ωcmの範囲のものを使用すると良好な性能が得られる。この値が1×10-4Ωcm以下の場合は、感光体へのキャリア付着が発生し、実用上の問題が大きい。また、1×10-10Ωcm以上の場合は十分な現像性が得られず、画像濃度が不足する。なお、コア材の体積固有抵抗の測定方法は、以下の通りである。具体的には、コア材1.0gを、断面積1.0cm2の絶縁性円筒容器に充填し、500gの荷重下で試料高さを求めた後、DC100Vの電場を印加して電流値を測定する。得られた試料高さ、電流値から以下の式により体積固有抵抗を算出した。
【0038】
体積固有抵抗値[Ωcm]=(100[V]・断面積[cm2])/(電流値[A]・試料高さ[cm])また、コア材の体積平均粒径としては、好ましくは20〜100μm、さらに好ましくは30〜80μmのものを使用できる。体積平均粒径は、レーザー回折式粒度測定機「HELOS」(日本電子(株)製)を使用して求めることができる。コア材の体積平均粒径が20μm以下の場合は、樹脂被覆層を均一に形成することが困難であり、珪素元素を添加した効果を十分に引き出せない。その結果、トナーに付与する電荷量が不安定になったり、キャリア付着が発生するなどの問題が生じる。また、体積平均粒径が100μmよりも大きい場合は、珪素元素添加による効果に比べ、キャリアの重量が大きすぎ、キャリアの衝突による被覆層の剥離が生じやすい。さらに磁気ブラシの緻密さに欠け、解像度の高い出力画像を得ることができない。
【0039】
本発明の樹脂被覆キャリアに用いるコア材を製造するには、例えば以下の方法を用いることができる。
【0040】
磁鉄鉱などのコア材原料に酸化珪素を必要量添加した後、数μm程度になるまで粉砕し、水に混合したスラリーをスプレードライヤーにて噴霧、造粒した後、焼結、解砕、分級の工程を経て製造する。この場合、必要に応じて焼結工程の雰囲気として還元性ガスや不活性ガス、場合によっては酸化性ガス雰囲気を選択できる。
【0041】
最終的に得られたコア材中に含有させることのできた珪素量は、ICP発光分光分析法により測定することができる。具体的には、5リットルのビーカーに約3リットルの脱イオン水を入れ45〜50℃になるようにウォーターバスにて加温する。約400mlの脱イオン水に混合した磁性粒子約25gを約300mlの脱イオン水で水洗しながら、該脱イオン水とともに5リットルのビーカーに加える。
【0042】
ついで、温度を約50℃、撹拌速度を約200rpmに保ち、特級塩酸または、塩酸とフッ化水素酸との混酸を加え、溶解を開始する。この時、塩酸を使用する場合は磁性粒子濃度は約5g/リットル、塩酸水溶液は約3規定となっている。溶解開始から、すべて溶解するまでの間に数回、約20mlサンプリングし、0.1μmメンブランフィルターにて濾過し、濾液を採取する。その濾液をICPにより、珪素元素の定量分析を行う。
【0043】
また、さらに本発明において使用できるコア材表面被覆用樹脂はその数平均分子量Mnが5000〜40万のものである。数平均分子量Mnが40万を超えるものはコア材との密着性が不十分となるため、被覆層の剥離が生じやすく、耐久性に問題を生じる。また、数平均分子量Mnが5000に満たないものは、被覆層自体の機械強度が不十分であり、被覆層の内部破壊による剥離が生じやすいため、好ましくない。また、加えて数平均分子量Mnが5000に満たないものは、キャリア自身の流動性が悪いために、トナーに安定して帯電付与することができない。その結果、出力画像上のかぶりの原因となる。さらに同時に、キャリア表面がトナーにより汚染されやすく、耐久性に問題を生じる。本発明において被覆用樹脂の数平均分子量Mnは5000〜40万であるが、好ましくは1万〜30万のものである。
【0044】
また、さらに本発明においては表面被覆用樹脂の分子量分布も重要である。本発明においては、重量平均分子量Mwを数平均分子量Mnで割った値、すなわちMw/Mnが1.5〜15.0である樹脂が好ましい。Mw/Mnが1.5に満たない樹脂は、分子量分布が非常にシャープであるが、キャリアコア材表面との密着性が弱くなり、樹脂被覆層の剥離が生じやすい。また、Mw/Mnが15.0を越える樹脂は、分子量分布が非常にブロードであり、キャリアコア材表面との密着性は十分に確保できるが、一方で樹脂被覆キャリア表面がトナーにより汚染されやすく、耐久性に問題を生じる。
【0045】
本発明の被覆樹脂の数平均分子量、重量平均分子量および分子量分布は、THF(テトラヒドロフラン)を溶媒としたGPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフ)法により測定される。すなわち、40℃のヒートチャンバー内でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、試料濃度として0.05〜0.6wt%に調整した被覆樹脂のTHF試料溶液を0.05〜0.2ml注入して測定する。試料の分子量測定に当たっては、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数の関係から、試料の分子量分布を算出した。検量線作成用ポリスチレン標準試料としては、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが好ましい。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。また、カラムとしては、市販のポリスチレンゲルカラムを測定範囲に合わせて単一で、もしくは複数組み合わせて使用するのが好ましい。例えば、μ-styragel500、10-3、10-4、10-5(Waters社製)、shodex KF-80M、KF-802、803、804、805(昭和電工社製)、TSKgel G1000H、G2000H、G2500H、G3000H、G4000H、G5000H、G6000H、G7000H、GMH(東洋曹達社製)を使用できる。
【0046】
また、本発明において使用できる被覆用樹脂のガラス転移点は、60℃〜150℃の範囲のものである。ガラス転移点が60℃に満たないものは被覆層自体の硬度が不十分であり、キャリア自体の流動性が悪いものとなる。その結果、撹拌混合によりトナーに安定して帯電付与することができず、かぶりなどの原因となる。また、ガラス転移点が150℃を超えるものは、コア材との密着性が不十分となりやすく、また、樹脂層自体が脆くなり、撹拌混合によるストレスで樹脂層の剥離が生じやすい。本発明において被覆樹脂のガラス転移点は60〜150℃であるが、好ましくは、80〜130℃のものである。なお、本発明の被覆樹脂のガラス転移点は、示差熱分析法を用いる示差走査カロリーメーター「DSC−7」(PERKIN ELMER社製)により求めることができる。
【0047】
本発明に用いることのできるキャリアの被覆用樹脂としては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン/アクリル系樹脂、エステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエチレンなどのオレフィン系樹脂、フェノール樹脂、カーボネート系樹脂、ケトン系樹脂、フッ素化メタクリレートやフッ化ビニリデンなどのフッ素系樹脂、シリコーン系樹脂またはその変性品などが挙げられる。また、これらの樹脂のうち、2種以上を共重合や混合などの方法により併用した樹脂を使用しても良い。
【0048】
しかし、本発明において、特に有効な被覆用樹脂としては、脂環構造をもつメタクリル酸エステル単量体と、脂環構造を持たない鎖式のメタクリル酸エステル単量体とを重合してなる樹脂である。このように大きく構造が異なり、かつ分子鎖の回転による配向の自由度が高い置換基を持つ樹脂を併用することにより、コア材表面との接着力をより強固なものとすることができる。この理由も定かではないが、おそらく、コア材表面と被覆樹脂層との界面および被覆樹脂分子鎖間において、物理的な接着力に加え、電気化学的な接着力をより大きく稼ぐことができることが理由であると推察される。また、脂環構造を持つメタクリル酸エステル単量体と、脂環構造を持たない鎖式のメタクリル酸エステル単量体の重合モル比率は、20:80〜80:20の範囲とするとより良好な結果を得ることができる。一方の単量体モル比率が80%を超えると、他方の単量体の特性とその相互作用を十分に引き出すことができず、十分に強固な被覆層を形成することができない。
【0049】
なお、本発明に用いることのできる樹脂を製造する方法は公知の方法を用いることができる。具体的には、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法、塊状重合法、in-situ重合法などを用いることができる。
【0050】
また、本発明の被覆用樹脂のコア材に対する好ましい被覆量は、樹脂の比重によっても多少変更する必要があるが、多くの場合、コア材に対して0.5〜10.0wt%、さらに好ましくは1.0〜5.0wt%のものが良好な結果を与える。樹脂被覆量が0.5wt%以下の場合は、長期使用した場合に摩耗や剥離によりコア材表面が露出しやすく、キャリアの電気抵抗が低下しやすい。キャリアの電気抵抗の低下は、過剰現像による細線や文字のつぶれ、また、キャリア付着の原因となる。また、樹脂被覆量が10.0wt%以上の場合は、均一な被覆層を形成することが困難となり、加えてキャリアの流動性も低下し、その結果、トナーへ付与する電荷量が不安定となるため、かぶりの原因となる。
【0051】
また、コア材を樹脂被覆する方法は、公知の方法を使用できるが、具体的には、前述の方法で得られた樹脂の分散溶液を磁性粒子表面へ噴霧する方法、分散溶液中へ磁性粒子を浸漬させる方法などの湿式コーティング方法や、微粒化した被覆用樹脂を磁性粒子表面に静電気的に付着させ、その後、磁性粒子に熱と機械的応力のどちらか一方もしくは両方を加えることにより、磁性粒子表面に樹脂層を付着させ、固定化させる乾式コーティング方法を用いることができる。
【0052】
なお、本発明を接触現像法に適用する場合は、感光体や現像スリーブの表面の移動線速が大きい、いわゆる高速複写機、高速プリンタなどにおいて特に有効である。画像を高速に出力させる必要のある機械では補給トナーを速やかに帯電させる必要があり、また、現像領域へ十分な量の現像剤を搬送させる必要がある。そのため、現像機内の混合撹拌速度を大きくし、また、現像スリーブを高速に回転させる必要が生じる。このような条件下では、必然的に現像剤に大きな機械的ストレスを加えることになり、キャリアの被覆層の剥離が生じやすいが、本発明からなるキャリアを用いることにより、前述の問題を容易に解決できる。具体的には、本発明は、感光体移動線速300〜800mm/s、現像スリーブ移動線速300〜2400mm/s、感光体と現像スリーブの移動線速比1.0〜3.0の範囲で特に効果を発揮できる。
【0053】
また、本発明を非接触現像法に適用する場合は、現像剤の薄層を形成する方式としては、磁気の力を使用して層厚を規制する磁性ブレード方式や、現像スリーブ表面に現像剤層厚規制棒を押圧する方式等が適用できる。さらに、ウレタンブレードや燐青銅板等を現像スリーブ表面に接触させ、現像剤層厚を規制する方法も適用できる。
【0054】
これら現像剤の層厚規制部材の押圧力としては、1〜20gf/mmが好適であるが、さらに好ましい範囲は3〜15gf/mmである。この層厚規制部材の押圧力が1gf/mmより小さい場合には、規制力が不足するために現像剤の搬送が不安定になり、画像不良の原因となる。一方、押圧力が20gf/mmより大きい場合には、キャリアに加わる機械的ストレスが大きすぎるため、キャリアの樹脂被覆層の剥離の原因となる。
【0055】
また、現像スリーブ上に形成する現像剤の層厚は、現像領域において20〜500μmであることが好ましい。また、現像スリーブと感光体表面の間隙は、現像剤層厚よりも大きいことが必要である。
【0056】
また非接触現像法へ本発明を適用する場合、感光体の表面の移動線速は10〜200mm/s、現像スリーブの表面の移動線速は15〜500mm/s、感光体と現像スリーブの移動線速比は1.5〜3.5の範囲とすると特に効果を発揮できる。
【0057】
現像スリーブの移動線速が15mm/sに満たない場合は、単位時間内に現像領域へ十分な量の現像剤を搬送させることができず、十分な画像濃度が得られない。逆に、現像スリーブの移動線速が500mm/sを越える場合は、薄層形成部において不必要にキャリアに大きな機械的ストレスを加えることになり、キャリアの樹脂被覆層の剥離の原因となる。
【0058】
接触現像法、非接触現像法ともに、現像のためのバイアス印加方式としては、DC成分のみ付与する方式でも良いし、DC成分に加えAC成分のバイアスを印加する方式でも良い。
【0059】
また、接触現像法、非接触現像法ともに、本発明の現像剤に適用する現像器には、現像剤の撹拌混合部と、現像剤を現像領域へ搬送する現像スリーブ部、トナー補給部から構成されるものを使用できる。本発明に使用できる現像器の一例を図2(感光体1、現像スリーブ2、マグネットロール3、規制ブレード4、現像剤溜り6、撹拌スクリュー7、トナーホッパー8、供給ローラ9、バイアス電源10、保護抵抗11、現像域A、現像剤D、磁極N,S)に示す。現像剤の撹拌混合部の構成としては、公知の現像器に用いられている撹拌混合方式を用いることができる。現像スリーブ部の構成としては、固定されたマグネットロールを内包し、その磁気力を利用して外周の非磁性スリーブが回転することにより現像剤を現像領域へ搬送する構成のものを使用できる。また、現像スリーブ部の形態としては、直径が10〜70mmφの円柱状のものが好適である。直径が10mmφよりも小さい場合には十分に現像領域を確保できないために、現像性が不足し、十分な画像濃度が得られない。また、現像剤に加わる遠心力が大きくなってしまい、これはトナーの飛散の原因となり、好ましくない。逆に直径が70mmφよりも大きい場合には、現像器自体も不必要に大きくなってしまい、好ましくない。
【0060】
現像スリーブ部の非磁性スリーブの材質としてはアルミニウム、ステンレスなどが使用可能である。また、現像剤を現像領域へ安定して搬送するためには非磁性スリーブ表面に溶射処理、サンドブラスト処理などの粗面化処理を加えたものを使用することが有効である。また、現像スリーブ部の内部に固定されたマグネットロールは、現像剤の搬送、現像を目的とした複数の磁極により構成される。現像のために作用する磁極は1個、もしくは複数で構成され、接触現像法の場合は、その磁束密度は600〜1400Gauss、好ましくは800〜1200Gaussのものを用いると良好な結果を得られる。また、非接触現像法の場合は、300〜1000Gauss、好ましくは500〜900Gaussのものを用いると良好な結果を得られる。さらに、現像のための磁極の位置は、現像スリーブと感光体が最接近する位置を中心とし、現像スリーブの回転軸に対し±30°の範囲が適切であるが、好ましくは±15°の範囲に設定するとより良好な結果を得られる。搬送のために作用する磁極には、接触現像法、非接触現像法ともに、磁束密度が400〜800Gaussのものを用いるのが好ましい。また、搬送のための磁極の総数は少なくとも3個、好ましくは4〜10個で構成されると、現像剤の搬送性が非常に安定する。
【0061】
また、本発明に用いるキャリアと組み合わせられるトナーには公知のものを使用できる。具体的には、結着樹脂、着色剤を主構成物とし、必要に応じて離型剤、荷電制御剤、磁性体、流動化剤などを添加したものを使用できる。また、トナーの製造方法は公知の方法を用いることができる。具体的には、構成される材料を混合し、溶融混練した後、冷却工程を経て、粉砕、分級を行い、トナーを得る粉砕法、また、乳化重合、懸濁重合などを用いてトナーを得る重合法などが使用できる。
【0062】
トナーの体積平均粒径としては、好ましくは、キャリアの体積平均粒径に対して1/30〜1/2のもの、さらに好ましくは1/20〜1/4の範囲のものを使用すると、良好な結果を与える。なお、トナーの体積平均粒径の測定はキャリアの場合と同様に、レーザー回折式粒度測定機「HELOS」(日本電子(株)製)を使用して求めることができる。キャリアに対するトナーの体積平均粒径が1/30以下の場合は、キャリアがトナーに比べ大きすぎ、現像機内の現像剤の撹拌によりキャリアによりトナーが圧縮変形し、キャリア表面へ融着しやすくなる。その結果、長期使用する場合に、帯電付与能力の低下がみられ、かぶりや解像度低下の原因となる。また、キャリアに対するトナーの体積平均粒径が1/2以上の場合は、現像機内の現像剤の撹拌によってもキャリアがトナーに十分な帯電量を付与できず、トナー帯電量が不安定となり、出力画像のかぶりの原因となる。
【0063】
なお、二成分現像剤として使用するためには、あらかじめ、キャリアとトナーを混合しておく必要がある。
【0064】
キャリアとトナーの混合比率は、キャリアやトナーの比重や粒径によって多少変更する必要があるが、多くの場合、キャリアに対して、トナーは2.0〜15.0wt%の範囲に設定するのが好ましい。トナー混合比率が2.0wt%以下の場合は現像領域に搬送されるトナー量が不十分となり、出力画像濃度が不足する。また、トナー混合比率が15.0wt%以上の場合は、キャリアに対しトナーの量が過剰となり、トナーが十分にキャリアと接触できず、トナー帯電量が不安定となり、出力画像のかぶりの原因となる。
【0065】
また、磁性キャリアとトナーの混合に際しては、従来より公知の混合機を用いることができるが、その際に現像剤に加わるストレスが小さいもののほうが好ましい。具体的にはヘンシェルミキサーなどの撹拌型よりもV型混合機、Wコーン混合機、ロッキングミキサーなどの自転型の混合機のほうが良好な結果を得られる。
【0066】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を示す。なお、本発明は以下に示す実施態様に限定されるものではない。
【0067】
〔I〕接触現像法への適用例
《キャリアの作成》
原料の磁鉄鉱に酸化珪素微粒子を必要量添加した後、粉砕して水に混合し、スラリーを作成する。そのスラリーをスプレードライヤーにて噴霧、造粒した後、焼結、解砕、分級の工程を経てコア材を製造した。なお、粒径は噴霧、造粒工程の条件および分級の条件にて調整し、焼結はH2ガス雰囲気下で約1200℃にて行った。
【0068】
その後、樹脂被覆を行って、本発明の実施例に使用したキャリアとした。実施例に使用したキャリアのコア材および被覆樹脂の特性一覧を表1、2に示す。
【0069】
なお、樹脂の被覆には、乾燥加熱空気により流動化させたコア材に樹脂溶液をスプレー噴霧、乾燥する方法を用いた。また、本発明の実施例および比較例に使用したコア材と被覆樹脂の組み合わせ、および樹脂被覆率は表3に示した。
【0070】
《トナーの作成》
本発明を実施するにあたって使用したトナーは、以下の方法で作成した。しかし、本発明は、このトナー作成法には特に限定されない。
【0071】
ポリエステル樹脂に対し、離型剤としてカルナバワックス2wt%、着色剤としてカーボンブラック12wt%を混合し、2軸混練機にて溶融混練を行なった。
【0072】
その後冷却、粗砕工程を経て、微粉砕、風力分級を行い、体積平均粒径が7.5μmの着色粒子を得た。さらにその後、流動化剤として、着色粒子に対して疎水性シリカ微粒子を0.5wt%外添混合し、本発明の実施例および比較例に用いるトナーとした。
【0073】
《現像剤の調製》
キャリア1692gとトナー108gをV型混合機に投入し、10分間混合してトナー濃度6.0wt%の本発明の実施に使用する現像剤とした。
【0074】
《評価》
前述の現像剤を、接触現像法を用いた複写機U-Bix5082(Konica製)に投入し、10万枚複写を行い、現像剤の性能を以下の基準で評価した。また、評価の結果を表4に示す。なお、本複写機の現像条件は以下の通りである。
【0075】
評価環境: NN環境(20℃/50%RH)
感光体表面電位: +850V
DCバイアス: +200V
感光体−現像スリーブ間距離(Dsd): 600μm
現像スリーブ: アルミニウム製、直径55mmφ
現像スリーブ移動線速: 792mm/s
感光体移動線速: 440mm/s
現像磁極の位置: 現像剤搬送上流側+5°
本実施例に使用した現像器の構造の概略を図3(搬送磁極(700Gauss)21、搬送磁極(750Gauss)22、搬送磁極(1000Gauss)23、搬送磁極(750Gauss)24、搬送磁極(600Gauss)25、感光体26、現像剤27、現像スリーブ28、撹拌スクリュー29)に示す。
【0076】
(画像濃度)
原稿濃度1.30のベタ画像を複写し、その出力画像の白紙に対する相対反射濃度を測定した。なお、濃度測定にはマクベス濃度計(Macbeth製)を使用し、画像濃度1.30以上は良好であると判断した。また、評価は複写1枚目と10万枚目の2度行った。
【0077】
(解像度)
細線画像を複写し、その出力画像の1mm幅当たりに再現された細線の本数を評価した。なお、再現細線本数が多いほど解像度が高く、良好な画像であると判断した。また、評価は複写10万枚目の画像について行った。
【0078】
(かぶり)
複写10万枚を行った後、白紙原稿を複写し、その出力画像の白紙に対する相対反射濃度を測定した。なお、濃度測定にはマクベス濃度計を使用し、画像濃度0.005以下は良好であると判断した。
【0079】
(キャリア付着)
複写10万枚を行った後、A3サイズの白紙原稿を複写し、出力画像の観察を行った。その出力画像上に見られた付着キャリア粒子の個数を、拡大鏡を使用して目視により測定し、付着したキャリア粒子がA3紙一枚当たり2個以下のものは良好と判断した。
【0080】
(樹脂被覆層の剥離)
複写10万枚を行った後、現像機内からキャリアをサンプリングし、SEMにより任意の100個のキャリアについて表面観察を行った。キャリア表面に樹脂被覆層の破損や剥離が観察されたキャリア粒子の個数により評価を行い、異常の見られるキャリア粒子の個数が100個あたり2個以下のものは良好と判断した。
【0081】
(現像剤の帯電量)
帯電量の測定は、NN環境下(20℃、50%RH)において、ブローオフ粉体帯電量測定装置TB−200(東芝ケミカル(株)製)により測定した。なお、測定は複写1枚目と10万枚目の2度行い、両者の帯電量の差が少ないほど良好であると判断した。
【0082】
実施例1
体積平均粒径45μmの球形マグネタイト粒子(珪素含有量1000ppm、飽和磁化90emu/g、残留磁気110Gauss)をコア材とし、その表面をシクロヘキシルメタクリレート/メチルメタクリレート共重合樹脂(共重合比50/50、ガラス転移点112℃、数平均分子量6万)で被覆したキャリアからなる現像剤を作成し、性能評価を行った。その結果、初期から高い画像濃度と解像力を維持し、かぶりのない高品位な画像を終始得ることができた。
【0083】
実施例2
コア材として体積平均粒径60μmの球形マグネタイト粒子(珪素含有量200ppm、飽和磁化80emu/g、残留磁気60Gauss)を使用し、被覆用樹脂としてシクロヘキシルメタクリレート/メチルメタクリレート共重合樹脂(共重合比70/30、ガラス転移点113℃、数平均分子量10万)を使用したキャリアからなる現像剤を作成し、性能評価を行った。その結果、初期から高い画像濃度と解像力を維持し、かぶりのない高品位な画像を終始得ることができた。
【0084】
実施例3
コア材として体積平均粒径35μmの球形マグネタイト粒子(珪素含有量2500ppm、飽和磁化70emu/g、残留磁気140Gauss)を使用し、被覆用樹脂としてシクロヘキシルメタクリレート/メチルメタクリレート共重合樹脂(共重合比30/70、ガラス転移点110℃、数平均分子量3万)を使用したキャリアからなる現像剤を作成し、性能評価を行った。その結果、初期から高い画像濃度と解像力を維持し、かぶりのない高品位な画像を終始得ることができた。
【0085】
実施例4
被覆用樹脂としてメチルメタクリレート樹脂(ガラス転移点108℃、数平均分子量12万)を使用した以外は実施例1と同様のキャリアからなる現像剤を作成し、性能評価を行った。その結果、初期から高い画像濃度と解像力を維持し、高品位な画像を終始得ることができた。
【0086】
実施例5
被覆用樹脂としてメチルメタクリレート/スチレン共重合樹脂(共重合比75/25、ガラス転移点109℃、数平均分子量8万)を使用した以外は実施例2と同様のキャリアからなる現像剤を作成し、性能評価を行った。その結果、初期から高い画像濃度と解像力を維持し、高品位な画像を終始得ることができた。
【0087】
実施例6
被覆用樹脂としてメチルメタクリレート/ブチルメタクリレート共重合樹脂(共重合比40/60、ガラス転移点65℃、数平均分子量5万)を使用した以外は実施例3と同様のキャリアからなる現像剤を作成し、性能評価を行った。その結果、初期から高い画像濃度と解像力を維持し、高品位な画像を終始得ることができた。
【0088】
実施例7
コア材として体積平均粒径65μmの球形マグネタイト粒子(珪素含有量1200ppm、飽和磁化95emu/g、残留磁気250Gauss)を使用した以外は実施例1と同様のキャリアからなる現像剤を作成し、性能評価を行った。その結果、初期から高い画像濃度と解像力を維持し、高品位な画像を終始得ることができた。
【0089】
実施例8
コア材として体積平均粒径45μmの球形マグネタイト粒子(珪素含有量300ppm、飽和磁化125emu/g、残留磁気190Gauss)を使用した以外は実施例2と同様のキャリアからなる現像剤を作成し、性能評価を行った。その結果、初期から高い画像濃度と解像力を維持し、高品位な画像を終始得ることができた。
【0090】
実施例9
コア材として体積平均粒径65μmの球形マグネタイト粒子(珪素含有量3500ppm、飽和磁化45emu/g、残留磁気120Gauss)を使用した以外は実施例3と同様のキャリアからなる現像剤を作成し、性能評価を行った。その結果、初期から高い画像濃度と解像力を維持し、高品位な画像を終始得ることができた。
【0091】
実施例10
実施例7において使用したコア材と、実施例4において使用した被覆用樹脂からなる現像剤を作成し、性能評価を行った。その結果、初期から高い画像濃度を維持し、高品位な画像を終始得ることができた。
【0092】
実施例11
実施例8において使用したコア材と、実施例5において使用した被覆用樹脂からなる現像剤を作成し、性能評価を行った。その結果、初期から高い画像濃度を維持し、高品位な画像を終始得ることができた。
【0093】
実施例12
実施例9において使用したコア材と、実施例6において使用した被覆用樹脂からなる現像剤を作成し、性能評価を行った。その結果、初期から高い画像濃度を維持し、高品位な画像を終始得ることができた。
【0094】
比較例1
コア材として体積平均粒径50μmの球形マグネタイト粒子(珪素含有量50ppm、飽和磁化85emu/g、残留磁気105Gauss)を使用した以外は実施例1と同様のキャリアからなる現像剤を作成し、性能評価を行った。その結果、出力画像上にかぶりが発生し、また、キャリア付着も見られた。
【0095】
比較例2
コア材として体積平均粒径45μmの球形マグネタイト粒子(珪素含有量8000ppm、飽和磁化65emu/g、残留磁気125Gauss)を使用した以外は実施例2と同様のキャリアからなる現像剤を作成し、性能評価を行った。その結果、出力画像上にかぶりが発生し、また、キャリア付着も見られた。
【0096】
比較例3
比較例1で使用したコア材を用いた以外は実施例4と同様のキャリアからなる現像剤を作成し、性能評価を行った。その結果、出力画像上にかぶりが発生し、また、キャリア付着も見られた。
【0097】
比較例4
比較例2で使用したコア材を用いた以外は実施例5と同様のキャリアからなる現像剤を作成し、性能評価を行った。その結果、出力画像上にかぶりが発生し、また、キャリア付着も見られた。
【0098】
比較例5
コア材として体積平均粒径65μmの球形マグネタイト粒子(珪素含有量7500ppm、飽和磁化35emu/g、残留磁気120Gauss)を使用した以外は実施例3と同様のキャリアからなる現像剤を作成し、性能評価を行った。その結果、出力画像上にかぶりが発生し、また、キャリア付着も見られた。
【0099】
比較例6
比較例5で使用したコア材を用いた以外は実施例6と同様のキャリアからなる現像剤を作成し、性能評価を行った。その結果、出力画像上にかぶりが発生し、また、キャリア付着も見られた。
【0100】
【表1】
【0101】
【表2】
【0102】
【表3】
【0103】
【表4】
【0104】
〔II〕非接触現像法への適用例
《キャリアの作成》
接触現像法への適用例と同様の手段でコア材を作成した。
【0105】
その後、樹脂被覆を行って、本発明の実施に使用したキャリアとした。実施に使用したキャリアの一覧を表5に示す。また、被覆樹脂には接触現像法の実施例に使用したものと同じ樹脂を用いた。
【0106】
なお、樹脂の被覆には、乾燥加熱空気により流動化させた磁性コア材に樹脂溶液をスプレー噴霧、乾燥する方法を用いた。本実施例に使用したコア材と樹脂の組み合わせは表6に示した。
【0107】
《トナーの作成》
本発明を実施するにあたって使用したトナーは、以下の方法で作成した。しかし、本発明は、このトナー作成法には特に限定されない。
【0108】
ポリエステル樹脂に対し、離型剤としてカルナバワックス2.0wt%、着色剤としてフタロシアニン顔料4.0wt%を混合し、2軸混練機にて溶融混練を行なった。
【0109】
その後冷却、粗砕工程を経て、微粉砕、風力分級を行い、体積平均粒径が7.5μmのシアン色の粉体を得た。さらにその後、流動化剤として、該粉体に対して疎水性シリカ微粒子を0.5wt%外添混合し、本発明の実施例に用いるシアントナーとした。
【0110】
《現像剤の調製》
キャリア460gとシアントナー40gをV型混合機に投入し、10分間混合してトナー濃度8.0wt%の本発明の実施に使用する現像剤とした。
【0111】
《評価》
前述の現像剤を、非接触現像法を用いたカラー複写機Konica9028(Konica製)に投入し、3万枚複写を行い、現像剤の性能を以下の基準で評価した。また、評価の結果を表7に示す。なお、現像器は、Konica9028に使用されている現像器を改造して使用した。現像条件は下記に示す通りである。現像器の構造については、図4(現像剤31、層圧規制部材32、現像スリーブ33、マグネットロール(700Gauss)34、ハウジング50、撹拌羽根36、感光体37、交番バイアス38、直流バイアス39)に概略を示す。
【0112】
評価環境: NN環境(20℃/50%RH)
感光体表面電位: −550V
DCバイアス: −250V
ACバイアス: Vp-p:−50〜−450V
感光体−現像スリーブ間距離(Dsd): 300μm
層厚規制線圧: 10gf/mm
層厚規制部材: SUS416(磁性ステンレス製)棒
、直径3mmφ
現像剤層厚: 200μm
現像スリーブ: アルミニウム製、直径20mmφ
現像スリーブ移動線速: 336mm/s
感光体移動線速: 140mm/s
(画像濃度)
原稿濃度1.30のベタ画像を複写し、その出力画像の白紙に対する相対反射濃度を測定した。なお、濃度測定にはマクベス濃度計(Macbeth製)にアンバーフィルタをかけて使用し、画像濃度1.40以上は良好であると判断した。また、評価は複写1枚目と3万枚目の2度行った。
【0113】
(ドット再現性)
80×50μmの格子模様(図5)を複写し、光学顕微鏡により出力画像の鮮鋭さ、すなわち非画像部へのトナーのチリ、黒色部の欠損の有無により評価した。なお、評価は複写1枚目と3万枚目の2度行った。
【0114】
(かぶり)
複写3万枚を行った後、白紙原稿を複写し、その出力画像の白紙に対する相対反射濃度を測定した。なお、濃度測定にはマクベス濃度計にアンバーフィルタをかけて使用し、画像濃度0.005以下は良好、0.010以下は実用上の問題はない、と判断した。
【0115】
(キャリア付着)
複写3万枚を行った後、A3サイズの白紙原稿を複写し、出力画像の観察を行った。その出力画像上に見られた付着キャリア粒子の個数を、拡大鏡を使用して目視により測定し、付着したキャリア粒子がA3紙一枚当たり2個以下のものは良好、5個以下のものは実用上の問題はない、と判断した。
【0116】
(樹脂被覆層の剥離)
複写3万枚を行った後、現像機内からキャリアをサンプリングし、SEMにより任意の100個のキャリアについて表面観察を行った。キャリア表面に樹脂被覆層の破損や剥離が観察されたキャリア粒子の個数により評価を行い、異常の見られるキャリア粒子の個数が100個あたり2個以下のものは良好、10個以下のものは実用上の問題はない、と判断した。
【0117】
(現像剤の帯電量)
帯電量の測定は、NN環境下(20℃、50%RH)において、ブローオフ粉体帯電量測定装置TB-200(東芝ケミカル(株)製)により測定した。なお、測定は複写1枚目と3万枚目の2度行い、両者の帯電量の差が少ないほど良好であると判断した。
【0118】
実施例13
体積平均粒径45μmの球形マグネタイト粒子(珪素含有量800ppm、飽和磁化40emu/g、残留磁気100Gauss)をコア材とし、その表面をシクロヘキシルメタクリレート/メチルメタクリレート共重合樹脂(共重合比50/50、ガラス転移点112℃、数平均分子量6万)で被覆したキャリアからなる現像剤を作成し、性能評価を行った。その結果、初期から高い画像濃度と解像力を維持し、かぶりのない高品位な画像を終始得ることができた。
【0119】
実施例14
コア材として体積平均粒径50μmの球形マグネタイト粒子(珪素含有量400ppm、飽和磁化35emu/g、残留磁気60Gauss)を使用し、被覆用樹脂としてシクロヘキシルメタクリレート/メチルメタクリレート共重合樹脂(共重合比70/30、ガラス転移点113℃、数平均分子量10万)を使用したキャリアからなる現像剤を作成し、性能評価を行った。その結果、初期から高い画像濃度と解像力を維持し、かぶりのない高品位な画像を終始得ることができた。
【0120】
実施例15
コア材として体積平均粒径45μmの球形マグネタイト粒子(珪素含有量2000ppm、飽和磁化50emu/g、残留磁気120Gauss)を使用し、被覆用樹脂としてシクロヘキシルメタクリレート/メチルメタクリレート共重合樹脂(共重合比30/70、ガラス転移点110℃、数平均分子量3万)を使用したキャリアからなる現像剤を作成し、性能評価を行った。その結果、初期から高い画像濃度と解像力を維持し、かぶりのない高品位な画像を終始得ることができた。
【0121】
実施例16
被覆用樹脂としてメチルメタクリレート樹脂(ガラス転移点108℃、数平均分子量12万)を使用した以外は実施例13と同様のキャリアからなる現像剤を作成し、性能評価を行った。その結果、初期から高い画像濃度と解像力を維持し、高品位な画像を終始得ることができた。
【0122】
実施例17
被覆用樹脂としてメチルメタクリレート/スチレン共重合樹脂(共重合比75/25、ガラス転移点109℃、数平均分子量8万)を使用した以外は実施例14と同様のキャリアからなる現像剤を作成し、性能評価を行った。その結果、初期から高い画像濃度と解像力を維持し、高品位な画像を終始得ることができた。
【0123】
実施例18
被覆用樹脂としてメチルメタクリレート/ブチルメタクリレート共重合樹脂(共重合比40/60、ガラス転移点65℃、数平均分子量5万)を使用した以外は実施例15と同様のキャリアからなる現像剤を作成し、性能評価を行った。その結果、初期から高い画像濃度と解像力を維持し、高品位な画像を終始得ることができた。
【0124】
実施例19
コア材として体積平均粒径60μmの球形マグネタイト粒子(珪素含有量1500ppm、飽和磁化40emu/g、残留磁気200Gauss)を使用した以外は実施例13と同様のキャリアからなる現像剤を作成し、性能評価を行った。その結果、初期から高い画像濃度と解像力を維持し、高品位な画像を終始得ることができた。
【0125】
実施例20
コア材として体積平均粒径45μmの球形マグネタイト粒子(珪素含有量500ppm、飽和磁化90emu/g、残留磁気180Gauss)を使用した以外は実施例14と同様のキャリアからなる現像剤を作成し、性能評価を行った。その結果、初期から高い画像濃度と解像力を維持し、高品位な画像を終始得ることができた。
【0126】
実施例21
コア材として体積平均粒径60μmの球形マグネタイト粒子(珪素含有量3600ppm、飽和磁化15emu/g、残留磁気150Gauss)を使用した以外は実施例15と同様のキャリアからなる現像剤を作成し、性能評価を行った。その結果、初期から高い画像濃度と解像力を維持し、高品位な画像を終始得ることができた。
【0127】
実施例22
実施例19において使用したコア材と、実施例16において使用した被覆用樹脂からなる現像剤を作成し、性能評価を行った。その結果、初期から高い画像濃度を維持し、高品位な画像を終始得ることができた。
【0128】
実施例23
実施例20において使用したコア材と、実施例17において使用した被覆用樹脂からなる現像剤を作成し、性能評価を行った。その結果、初期から高い画像濃度を維持し、高品位な画像を終始得ることができた。
【0129】
実施例24
実施例21において使用したコア材と、実施例18において使用した被覆用樹脂からなる現像剤を作成し、性能評価を行った。その結果、初期から高い画像濃度を維持し、高品位な画像を終始得ることができた。
【0130】
比較例7
コア材として体積平均粒径45μmの球形マグネタイト粒子(珪素含有量50ppm、飽和磁化40emu/g、残留磁気110Gauss)を使用した以外は実施例13と同様のキャリアからなる現像剤を作成し、性能評価を行った。その結果、出力画像上にかぶりが発生し、また、キャリア付着も見られた。
【0131】
比較例8
コア材として体積平均粒径40μmの球形マグネタイト粒子(珪素含有量7500ppm、飽和磁化55emu/g、残留磁気140Gauss)を使用した以外は実施例14と同様のキャリアからなる現像剤を作成し、性能評価を行った。その結果、出力画像上にかぶりが発生し、また、キャリア付着も見られた。
【0132】
比較例9
比較例7で使用したコア材を用いた以外は実施例16と同様のキャリアからなる現像剤を作成し、性能評価を行った。その結果、出力画像上にかぶりが発生し、また、キャリア付着も見られた。
【0133】
比較例10
比較例8で使用したコア材を用いた以外は実施例17と同様のキャリアからなる現像剤を作成し、性能評価を行った。その結果、出力画像上にかぶりが発生し、また、キャリア付着も見られた。
【0134】
比較例11
コア材として体積平均粒径60μmの球形マグネタイト粒子(珪素含有量7000ppm、飽和磁化25emu/g、残留磁気120Gauss)を使用した以外は実施例15と同様のキャリアからなる現像剤を作成し、性能評価を行った。その結果、出力画像上にかぶりが発生し、また、キャリア付着も見られた。
【0135】
比較例12
比較例11で使用したコア材を用いた以外は実施例18と同様のキャリアからなる現像剤を作成し、性能評価を行った。その結果、出力画像上にかぶりが発生し、また、キャリア付着も見られた。
【0136】
【表5】
【0137】
【表6】
【0138】
【表7】
【0139】
【発明の効果】
本発明により、キャリアのコア材表面と樹脂被覆層の高い接着性を確保し、かつ、均一な樹脂被覆層を形成することにより、キャリアの帯電付与能力、樹脂被覆層の機械強度を高いレベルで安定させ、長期に渡り、かぶりやキャリア付着がなく、濃度が高く均質で、かつ高い解像度をもつ出力画像を得ることができる静電荷像現像用キャリアを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気ヒステリシス曲線の一例を示す図である。
【図2】本発明に使用できる現像機の一例を示す縦断面図である。
【図3】実施例1〜12および比較例1〜6にて用いた現像機(接触現像法用)の構造の概略を示す縦断面図である。
【図4】実施例13〜24および比較例7〜12にて用いた現像機(非接触現像法用)の構造の概略を示す縦断面図である。
【図5】ドット再現性の評価に用いた格子模様を示す図である。
【符号の説明】
1 感光体
2 現像スリーブ
3 マグネットロール
Claims (3)
- コア材として、珪素元素を100ppm〜5000ppm含有した実質的に球形のマグネタイト磁性粒子を使用し、該コア材表面を樹脂被覆したことを特徴とする静電荷像現像用キャリア。(但し、コア材表面を架橋シリコーン樹脂で被覆した静電荷像現像用キャリアを除く。)
- 接触現像法に使用する二成分現像剤に用いるキャリアであり、該キャリアのコア材として10kOe印加時の飽和磁化が50〜120emu/gの範囲にある磁性粒子を使用した、請求項1に記載の静電荷像現像用キャリア。
- 非接触現像法に使用する二成分現像剤に用いるキャリアであり、該キャリアのコア材として10kOe印加時の飽和磁化が20〜80emu/gの範囲にある磁性粒子を使用した、請求項1に記載の静電荷像現像用キャリア。
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