JP3076914B2 - 繊維強化セラミックス複合材料の製造方法 - Google Patents

繊維強化セラミックス複合材料の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、繊維強化セラミックス複合材料の製造法の
関する。
(従来の技術) 繊維強化セラミックス複合材料は、炭素繊維あるいは
セラミックス繊維などの耐熱繊維を用いてマトリックス
となるセラミックスを強化した材料である。繊維強化セ
ラミックス複合材料は、破壊靭性値が高いのが特徴であ
り、脆性的な破壊挙動を示すモノリシックなセラミック
スの欠点を補う材料であるため、比強度、耐熱性の要求
されるエンジン部品などへの利用が期待されている。
現在行なわれている繊維強化セラミックス複合材料の
製造法は、繊維織物の中へ化学気相蒸着によりセラミッ
クスを沈積させるCVI(chemical Vapor Infiltration)
法あるいは繊維のトウに有機金属ポリマー含浸しこれを
熱処理する前駆体含浸法などが中心である。
(発明が解決しようとする課題) しかしながらCVI法の場合にはきわめて長い処理時間
を要するため、製造コストがかかっており、また前駆体
含浸法の場合には耐酸化性が不十分であるという問題が
あった。
本発者らは、前記問題点を解決し、簡便かつ高性能な
繊維強化セラミックス複合材料の製造プロセスを研究し
た結果、本発明の完成に至った。
(課題を解決するための手段) すなわち本発明は有機金属化合物を構成成分に含有す
る炭化物セラミックス前駆体を、耐熱繊維束に含浸して
熱処理することによりフリーカーボンを含む一次成形体
とし、次いで耐熱性炭化物を形成し得る元素の化合物を
該フリーカーボンと反応させ、該一次成形体の表面ある
いは表面及びその内層部の一部を炭化物とすることを特
徴とする繊維強化セラミックス複合材料の製造法、およ
び該繊維強化セラミックス複合材料の表面にセラミック
スあるいはセラミックスと炭素の両者より成る被膜を気
相分解法により形成させることを特徴とする繊維強化セ
ラミックス複合材料の製造法に関する。
以下、本発明による繊維強化セラミックス複合材料の
製造法について詳述する。
本発明において使用される炭化物セラミックス前駆体
は有機金属化合物を含有することを本質とする。
本発明でいう有機金属化合物とは、炭化物セラミック
スの前駆体となるものを示し、具体的には例えばポリカ
ルボシランおよびその誘導体、ポリシラスチレン、ポリ
シラザン、金属アルコキシド、アルキルメタル等が挙げ
られ、軟化点が通常−50〜400℃、好ましくは0〜350℃
のものが望ましい。該有機金属化合物は、モノマー、オ
リゴマー、ポリマー状の各状態を適宜選択して用いるこ
とができるが、通常は数平均分子量が200から20,000、
好ましくは、1,000から10,000、軟化点が通常60〜400℃
のポリマー状のものを用いると、作業成が良好であり好
ましい。
本発明でいう耐熱繊維とは炭素繊維およびセラミック
ス繊維を示す。
炭素繊維としては例えばピッチ系、ポリアクリロニト
リル系(PAN系)あるいはレーヨン系等の種々の炭素繊
維を用いることができるが、特にピッチ系炭素繊維を使
用することが好ましく、さらに光学異方性ピッチから製
造したピッチ系炭素繊維が最も好ましい。
該ピッチ系炭素繊維を製造する方法としては、例えば
軟化点100〜400℃好ましくは150〜350℃を有する石炭系
あるいは石油形のピッチのうち、光学的に等方性なピッ
チあるいは異方性のピッチ、特に好ましくは光学異方性
相の含有量が60〜100vol%である光学異方性ピッチを用
い、まず上記ピッチを公知の方法で溶融紡糸してピッチ
繊維とした後、酸化性ガス雰囲気下、通常50〜400℃、
好ましくは100〜350℃で不融化処理を行い、次いで不活
性ガス雰囲気下、通常800〜3,000℃で炭化処理を行い炭
素繊維とする方法をあげることができる。該酸化性ガス
としては例えば空気、酸素、酸化窒素、酸化いおう、ハ
ロゲンあるいはこれらの混合物が挙げられる。
またセラミックス繊維としては例えばSiC,TiCなどの
炭化物セラミックス、Al2O3などの酸化物セラミック
ス、Si3N4などの窒化物セラミックスあるいはこれらの
混合物等から成る繊維を用いることができる。また炭素
繊維の表面に前記セラミックスを被覆したものあるいは
炭素繊維表面を前記セラミックスにより改質したものも
用いることができる。
本発明においては上記耐熱性繊維は、長繊維または短
繊維を通常500〜25,000本の繊維束とした形で用いられ
る。該繊維束は一方向積層物、2次元織物、3次元織
物、マット状成形物、フェルト状成形物、あるいはこれ
らの成形物や織物を積層した耐熱性繊維束の形態で用い
られる。
本発明において耐熱繊維束と炭化物セラミックス前駆
体を用いて繊維強化セラミックス複合材料を製造する方
法を以下に述べる。
まず耐熱繊維束に炭化物セラミックス前駆体を含浸さ
せる。
該含浸は、炭化物セラミックス前駆体を減圧下で加熱
・溶融することにより行われる。含浸の条件は、使用す
る炭化物セラミックス前駆体の性質に応じて適宜選択で
きるが、好ましくは減圧下で含浸した後にN2等の不活性
ガス雰囲気下で加圧することが望ましい。
また、含浸時の粘度を下げる目的で、例えば芳香族炭
化水素、ピリジン、キノリン等の溶剤、あるいはTHF、
ジオキサン等のエーテル類で希釈することもできる。
次いで常圧下または加圧下で熱処理することにより炭
化物セラミックス前駆体がセラミックス化され、フリー
カーボンを含む一次成形体が得られる。
該熱処理はAr、He、Xe、Rn、N2等の不活性ガス中、好
ましくはArガス中で、通常400〜2,000℃、好ましくは50
0〜1,400℃の温度で行われる。
該熱処理の方法としては、例えば常圧の不活性ガス中
で加熱する方法、 不活性ガスにより通常50〜10,000kg/cm2に等方加圧し、
通常400〜2,000℃に加熱する方法、およびホットプレス
などにより通常10〜500kg/cm2の一軸加圧をしながら、
通常400〜2,000℃に加熱する方法、さらにはHIP(熱間
静水圧加圧)装置を用いて熱処理する方法等が挙げられ
る。
HIP装置における加圧熱処理の条件は、不活性ガスに
より通常50〜10,000kg/cm2、好ましくは200〜2,000kg/c
m2に加圧し、通常100〜3,000℃、好ましくは400〜2,000
℃において実施することができる。圧媒ガスとしては上
記不活性ガスが使用できるが、通常はArが使用される。
該熱処理は必要に応じて2回以上行うことや、異なる
種類の熱処理を組み合わせて2回以上行うこともでき
る。
さらには緻密な一次成形体を得る目的で含浸と熱処理
のサイクルを必要に応じて2回以上行うこともできる。
一次成形体中の耐熱繊維の含有率は、目的に応じて適
宜選択できるが、通常5〜75%、好ましくは10〜70%で
ある。
かくして得られた一次成形体に含まれるセラミックス
の性質を使用目的等に応じて制御する目的で、さらに減
圧下、または上記不活性ガス中の常圧下あるいは加圧下
での熱処理をおこなうことができる。
具体的には通常10-3mmHg以上760mmHg未満、好ましく
は0.1〜500mmHgの減圧下、または上記不活性ガス中、好
ましくはArガス中で、常圧もしくは通常50〜10,000kg/c
m2に加圧し、通常400〜3,000℃、好ましくは1,000〜2,3
00℃に加熱すればよい。加圧方法としては例えば前述の
一軸加圧、等方加圧もしくはHIP等を用いることができ
る。
本発明においては、上記のようにして得たフリーカー
ボンを含む一次成形体の表面に耐熱性炭化物を形成し得
る元素の化合物を反応させて、該一次成形体の表面ある
いは表面およびその内層部の一部を炭化物とする。
該反応は、一次成形体を製造する際に炭化物セラミッ
クス前組体をセラミックス化したものに含有されるフリ
ーカーボンまたは耐熱繊維に用いられるセラミックス繊
維あるいは炭素繊維に含有される炭素と、耐熱性炭化物
を形成し得る元素の化合物が接触し、耐熱性炭化物を生
成するものである。
該耐熱性炭化物としては例えばSiC、ZrC、TiC、HfC、
B4C、NbC、WC等があげられ、特にSiC、ZrC、TiC、HfCが
好ましい。そしてこれらの耐熱性炭化物を形成させるた
めの化合物としては、Si、Zr、Ti、Hf、B、Nb、W等の
元素の金属蒸気、ハロゲン化物、水素化物、有機金属化
合物等が挙げられ、例えば、SiCを形成させるにはSiCl4
CH3SiCl3、(CH32SiCl2、SiH4などが、ZrCにはZrC
l4、TiCにはTiCl4、HfCにはHfCl4などが使用できる。
該反応は水素の共存下で行なうのが好適である。共存
させる水素の量は、反応時の温度、ガス供給量、繊維
量、炉の構造などに対応して任意に決定できるが、例え
ば炭化物を形成し得る元素の化合物の量の5倍容量以
下、好ましくは0.1〜5倍容量であることが望ましい。
また該反応は常圧または減圧で行うのが好ましく、通
常は0.1〜760mmHg、好ましくは10〜760mmHg、さらに好
ましくは50〜760mmHgが適している。
さらにまた、反応雰囲気中には希釈のために、Ar、H
e、Xe、Rn、N2、CO2あるいはその他の不活性ガスを混合
することもでき、好ましくArを用いるのが望ましい。
該反応の温度は通常800〜1,700℃、好ましくは1,000
〜1,500℃が望ましい。800℃未満のときは充分な厚さの
炭化物被膜が得られず、1,700℃を越えると均一かつ緻
密な炭化物被膜が得られない。
該反応において一次成形体を加熱する方法は特に限定
されず、例えば直接通電して加熱する方法、誘導電流に
より加熱する方法、あるいは外部から加熱する方法など
が挙げられる。
該反応の時間は任意に決定できるが、通常1分から1,
000時間、好ましくは10分〜100時間程度である。
一次成形体の表面あるいは表面およびその内層部の一
部を炭化物とする場合、該炭化物の厚みは目的によって
任意に決定されるが、通常は0.1〜500μm、好ましくは
0.5〜200μmである。
該炭化物の膜厚が一定量を越える際には、炭化物生成
に伴なう一次成形体の強度低下が想定され好ましくない
が、耐熱繊維にピッチ系の高弾性炭素繊維などを用いる
ことにより充分な強度を確保することもできる。
また、該炭化物の安定化を図るためにさらに熱処理工
程を行うことができる。
該熱処理工程は、前記不活性ガス中あるいは減圧下
で、通常1,000〜3,000℃、好ましくは1,200〜3,000℃さ
らには炭化物形成反応温度と同程度の温度、あるいは炭
化物形成反応温度より高い温度で実施されるのが望まし
い。熱処理時間1分〜10時間でよく、加熱方法は特に限
定されない。
該熱処理工程の雰囲気は不活性ガス中あるいは減圧下
で行う。不活性ガスとして例えばAr、He、N2等が使用で
き、また減圧としては、10-3mmHg以上760mmHg未満、好
ましくは0.1〜500mmHgが適している。
本発明においてはさらに、炭化物の表面に気相分解に
よりセラミックスあるいはセラミックスと炭素の両者の
皮膜を沈積することもできる。
この被膜沈積は通常CVD(Chemical Vapor Depositio
n)と呼ばれ、例えば熱CVD、プラズマCVD、光CVDなどの
公知の手段を用いることができる。
該セラミックスとしては、炭化物、窒化物、ホウ酸あ
るいは酸化物等から選ばれる少なくとも1種のセラミッ
クスがあり、具体的には例えばSiC、ZrC、TiC、HfC、B4
C、NbC、VC、TiB2、BN、Si3N4などが挙げられ、特にSi
C、ZrC、TiC、HfCが好ましい。またこれらのセラミック
スと炭素とを同時に合成することもできる。
炭素を得るための熱分解ガスとしては炭化水素、好ま
しくは炭素数1〜6の炭化水素、具体的には例えばメタ
ン、天然ガス、プロパン、ベンゼンなどが用いられる。
また上記セラミックスを得るための熱分解ガスとして
は、Si、Zr、Ti、Hf、B、Nb、W等の元素のハロゲン化
物、水素化物、有機金属化合物等あるいはこれらと前記
炭化水素ガスや水素、不活性ガスとの混合物が挙げら
れ、例えば、SiCを形成させるにはSiCl4、CH3SiCl3
(CH32SiCl2、SiH4などが、ZrCにはZrCl4、TiCにはTi
Cl4、HfCにはHfCl4などが使用できる。上記被膜の厚さ
は目的によって任意に決定されるが、通常は1〜2,000
μm、好ましくは5〜1,000μmが望ましい。
(発明の効果) 本発明により、被膜のクラックや剥離が無く、耐酸化
性に優れた繊維強化セラミックス複合材料を製造するこ
とができる。
(実施例) 以下に実施例をあげ、本発明を具体的に説明するが、
本発明はこれら限定されるものではない。
実施例1 直径10μm(ミクロン)のピッチ系炭素繊維の2,000
本束の3次元織物に、ポリカルボシラン(分子量MN=2,
990、MW=4,990、軟化点232℃)を含浸し、アルゴン
中、1,000kg/cm2の等方加圧したにおいて、800℃で1時
間熱処理した。さらに上記のポリカルボシランを含浸し
熱処理を行うサイクルを、3回繰り返して一次成形体を
得た。
次いで該一次成形体を1,400℃に加熱し、SiCl4とH2
混合ガス(H2/SiCl4=0.25)を導入しながら常圧で60分
間保持した。
得られた繊維強化セラミックス複合材料をEPMAで観察
したところ材料中の遊離炭素および炭素繊維の表面にSi
Cの被膜の形成が認められた。また走査電子顕微鏡で観
察したところ、繊維強化セラミックス複合材料の表面に
クラック、剥離などは認められなかった。
また、得られた繊維強化セラミックス複合材料の耐酸
化成を調べるために、空気中、1,350℃で200時間保持し
たところ、重量変化は非常に小さかった。
実施例2 実施例1で得られた繊維強化セラミックス複合材料の
表面に、さらに圧力5Torrで、SiCl4、H2およびCH4の混
合ガス、温度1,400℃の条件で熱CVDにより5時間SiCを
沈積した。
得られたものを走査電子顕微鏡で観察したところ、表
面にクラック、剥離は認められなかった。
また、得られた繊維強化セラミックス複合材料の耐酸
化性を調べるために、空気中、1,350℃で200時間保持し
たところ、重量変化は非常に小さかった。
実施例3 直径10μm(ミクロン)のピッチ系炭素繊維の2,000
本束の2次元織物(平織)に、ポリシラスチレン(分子
量MN=3,080、MW=4,240、軟化点238℃、フェニル基含
有量43.3wt%)を含浸し、アルゴン中、常圧下におい
て、800℃で30分間熱処理した。さらに上記のポリシラ
スチレンを含浸し熱処理を行うサイクルを、3回繰り返
して一次成形体を得た。
次いで該一次成形体を1,400℃に加熱し、SiCl4とH2
混合ガス(H2/SiCl4=0.25)を導入しながら常圧で60分
間保持した。
得られた繊維強化セラミックス複合材料をEPMAで観察
したところ材料中の遊離炭素および炭素繊維の表面にSi
Cの被膜の形成が認められた。また走査電子顕微鏡で観
察したところ、繊維強化セラミックス複合材料の表面に
クラック、剥離などは認められなかった。
また、得られた繊維強化セラミックス複合材料の耐酸
化性を調べるために、空気中、1,350℃で200時間保持し
たところ、重量変化は非常に小さかった。
実施例4 実施例3で得られた繊維強化セラミックス複合材料の
表面に、さらに圧力5Torrで、CH3SiCl3とH2の混合ガ
ス、温度1,350℃の条件で熱CVDにより5時間SiCを沈積
した。
得られたものを走査電子顕微鏡で観察したところ、表
面にクラック、剥離は認められなかった。
また、得られた繊維強化セラミックス複合材料の耐酸
化性を調べるために、空気中、1,350℃で200時間保持し
たところ、重量変化は非常に小なかった。
実施例5 直径11μm(ミクロン)のセラミックス繊維(Si−C
−Ti−O系、宇部興産(株)製、チラノ繊維)の1,600
本束の3次元織物に、ポリシラスチレン(分子量MN=3,
080、MW=4,240、軟化点238℃、フェニル基含有量43.3w
t%)を含浸し、アルゴン中、常圧下において、800℃で
1時間熱処理した。さらに上記のポリシラスチレンを含
浸し熱処理を行うサイクルを、3回繰り返して一次成形
体を得た。
次いで該一次成形体を1400℃に加熱し、SiCl4とH2
混合ガス(H2/SiCl4=0.25)を導入しながら常圧で60分
間保持した。
得られた繊維強化セラミックス複合材料をEPMAで観察
したところ材料中の遊離炭素および表面にSiCの被膜の
形成が認められた。また走査電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、繊維強化セラミックス複合材料の表面にクラック、
剥離などは認められなかった。
また、得られた繊維強化セラミックス複合材料の耐酸
化性を調べるために、空気中、1,350℃で200時間保持し
たところ、重量変化は非常に小さかった。
実施例6 平均直径15μmのセラミックス繊維(SiC系、日本カ
ーボン(株)製、ニカロン)の800本束の平織物に、ポ
リシラスチレン(分子量MN=3,080、MW=4,240、軟化点
238℃、フェニル基含有量43.3wt%)を含浸し、アルゴ
ン中、常圧下において、800℃で1時間熱処理した。さ
らに上記のポリシラスチレンを含浸し熱処理を行うサイ
クルを、3回繰り返して一次成形体を得た。
次いで該一次成形体を1,400℃に加熱し、SiCl4とH2
混合ガス(H2/SiCl4=0.1)を導入しながら常圧で60分
間保持した。
得られた繊維強化セラミックス複合材料をEPMAで観察
したところ材料中の遊離炭素の表面にSiCの被膜の形成
が認められた。また走査電子顕微鏡で観察したところ、
繊維強化セラミックス複合材料の表面にクラック、剥離
などは認められなかった。
また、得られた繊維強化セラミックス複合材料の耐酸
化性を調べるために、空気中、1,350℃で200時間保持し
たところ、重量変化は非常に小さかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/52 C04B 35/565 C04B 35/80

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機金属化合物を構成成分として含む炭化
    物セラミックス前駆体を、耐熱繊維束に含浸して熱処理
    してフリーカーボンを含む一次成形体とし、次いで耐熱
    性炭化物を形成し得る元素の化合物を該フリーカーボン
    と反応させ、該一次成形体の表面あるいは表面及びその
    内層部の一部を炭化物とすることを特徴とする繊維強化
    セラミックス複合材料の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項第1項記載の繊維強化セラミックス
    複合材料を不活性雰囲気下で熱処理することを特徴とす
    る繊維強化セラミックス複合材料の製造法。
  3. 【請求項3】請求項第1項記載の繊維強化セラミックス
    複合材料の表面にセラミックスあるいはセラミックスと
    炭素の両者より成る被膜を気相分解法により形成させる
    ことを特徴とする繊維強化セラミックス複合材料の製造
    法。
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