JP3075575B2 - 熱可塑性ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性ポリエステル樹脂組成物

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JP3075575B2 JP5461091A JP5461091A JP3075575B2 JP 3075575 B2 JP3075575 B2 JP 3075575B2 JP 5461091 A JP5461091 A JP 5461091A JP 5461091 A JP5461091 A JP 5461091A JP 3075575 B2 JP3075575 B2 JP 3075575B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性ポリエステル樹
脂組成物に関し、詳しくは、タルク、ポリオキシエチレ
ンエーテル化合物及び特定のフェノール系抗酸化剤を添
加することにより、成形性に優れ、また、熱安定性、機
械的特性の良好な熱可塑性ポリエステル樹脂組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエス
テル樹脂は、強度が大きく、また、耐熱性、耐候性等も
比較的優れているので、各種成型品として広く用いられ
ている。
【0003】これらの熱可塑性ポリエステル樹脂は比較
的優れた耐熱性を有しているが、加熱溶融時から冷却し
た場合に結晶化し難いため金型内に長時間滞留させる必
要があり、成形性という観点からは満足できるものでは
なく、また、成型品中に非結晶化部分が存在するため
に、表面の平滑性が損なわれたり、強度、熱変形温度等
の機械的特性が低下する傾向があった。
【0004】このため、熱可塑性ポリエステル樹脂の結
晶化速度を大きくし、成型性を改善するために、カルボ
ン酸のアルカリ金属塩、アクリル酸共重合体のアルカリ
金属塩、タルク、硫酸バリウム等の無機物等の造核剤が
用いられていたが、造核剤の単独使用による効果は未だ
満足しえるものではなく、ポリエステル系、ポリエーテ
ル系等の可塑化効果を有する化合物を併用することが提
案されており、例えば、特公昭47−3027号公報に
はタルクとポリエーテル化合物を併用することが提案さ
れ、特開昭55−157647号公報には低分子量のオ
リゴエステル化合物を造核剤と併用して用いることが提
案され、特開昭57−145145号公報にはカルボン
酸のアルカリ金属塩またはアクリル酸共重合体のアルカ
リ金属塩とポリエーテル化合物を併用することが提案さ
れ、特公平2−53462号公報にはアクリル酸共重合
体のアルカリ金属塩とポリエーテル化合物を併用するこ
とが提案されている。
【0005】また、熱可塑性ポリエステル樹脂は、溶融
温度が高いため成型時に高温に加熱されるばかりでな
く、高い熱変形温度を有する特徴を利用して高温に曝さ
れる用途に用いられることが多いが、このような加熱に
より熱酸化劣化を受け、機械的特性が低下するという欠
点があった。
【0006】このため、特公平2−53461号公報に
はアクリル酸共重合体のアルカリ金属塩とポリエーテル
化合物の組み合わせに更にフェノール系抗酸化剤及び/
または有機ホスファイト系抗酸化剤を併用することが提
案されているが、このような組み合わせによる効果は実
用上まだまだ不満足なものでしかなく、成形性及び物性
を更に改良しえる組み合わせを見出すことが強く望まれ
ていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
課題を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、タルクとポ
リオキシエチレンジアルキルエーテルとの組み合わせ
に、特定のフェノール系抗酸化剤を併用することによ
り、熱可塑性ポリエステル樹脂の成型性を改善し、か
つ、加熱による物性の低下を防止しえることを見出し、
本発明に到達した。
【0008】即ち、本発明は熱可塑性ポリエステル樹脂
100重量部に対し、(a)タルク0.01〜5重量
部、(b)次の一般式(I)で表されるポリオキシエチ
レンエーテル化合物0.01〜10重量部及び次の一般
式(II)で表されるフェノール系抗酸化剤の少なくとも
一種0.01〜5重量部を添加してなる熱可塑性ポリエ
ステル樹脂組成物を提供するものである。
【0009】R(OCH2CH2)nO-R (I) (式中、Rは炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、n
は5〜200を示す。)
【0010】
【化2】
【0011】以下、上記要旨をもってなる本発明につい
てさらに詳細に説明する。
【0012】本発明で用いられる熱可塑性ポリエステル
樹脂とは、酸成分としてテレフタル酸またはそのエステ
ル形成性誘導体を用い、グリコール成分として炭素原子
数2〜10のグリコールまたはそのエステル形成性誘導
体を用いて得られる線状飽和ポリエステルであり、例え
ば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサ
メチレンテレフタレート、ポリ(シクロヘキサン−1,
4−ジメチレン)テレフタレート、ポリネオペンチレン
テレフタレート等があげられ、また、これらの相互のブ
レンド物、例えば、ポリエチレンテレフタレートとポリ
ブチレンテレフタレートとのポリマーアロイであっても
よい。
【0013】また、本発明で用いられる熱可塑性ポリエ
ステル樹脂は、テレフタル酸及び/またはグリコールの
一部を他の共重合成分、例えば、イソフタル酸、フタル
酸、テトラブロムフタル酸、テトラブロムテレフタル
酸、メチルイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフ
タレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン
酸、3,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジ
フェノキシエタンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン
酸;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン
酸、デカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸
等の脂肪族または脂環式ジカルボン酸;ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレン
グリコール等のボリオキシアルキレングリコール;ハイ
ドロキノン、レゾルシン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン等のビスフェノール;ビスフェノール類に
エチレンオキシドを付加させたエーテルジオール;ヒド
ロキシ安息香酸、ヒドロキシエトキシ安息香酸等のオキ
シカルボン酸等で置き換えたものであっても良く、これ
らの共重合成分の割合は、テレフタル酸及び/またはグ
リコール成分の約20モル%以下、特に10%以下であ
ることが好ましい。
【0014】更に、これらの熱可塑性ポリエステルに
は、分岐成分、例えば、トリカルバリル酸、トリメシン
酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の3価または4
価カルボン酸及び/またはグリセリン、トリメチロール
プロパン、ペンタエリトリット等の多価アルコールを1
モル%以下、より好ましくは0.5モル%以下を共重合
させても良い。
【0015】上記の熱可塑性ポリエステルは、例えば、
溶液重合反応またはこれと固相重合反応を組み合わせた
方法等の通常の製造方法によって製造することができ、
市販品を用いることができる。
【0016】さらに、本発明の熱可塑性ポリエステル樹
脂には、熱収縮性の改良、衝撃強度の向上等を目的とし
て少割合の他の熱可塑性樹脂を配合しても良く、かかる
他の熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/4−
メチルペンテン共重合体、エチレン/ブテン−1共重合
体、エチレン/グリシジルメタクリレート共重合体、エ
チレン/酢酸ビニル/グリシジルメタクリレート共重合
体及びこれらの無水マレイン酸変性物、ポリカーボネー
ト、ポリ〔ポリエチレングリコール/エチレングリコー
ルまたはブチレングリコール/(テレまたはイソ)フタ
レート〕等があげられる。
【0017】本発明で用いられるタルクは、天然に産す
るケイ酸マグネシウムを主体とする鉱物であり、通常市
販されているものをそのまま用いることができるが、特
に、平均粒径10ミクロン以下のものが好ましい。タル
クの添加量は、熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部
に対して0.01〜5重量部であり、特に、0.05〜
3重量部が好ましい。
【0018】本発明で用いられる上記一般式(I)で表
されるポリオキシエチレンエーテル化合物としては、例
えば、ポリオキシエチレンジメチルエール、ポリオキシ
エチレンジエチルエール、ポリオキシエチレンジプロピ
ルエール、ポリオキシエチレンジブチルエールがあげら
れ、重合度nは5〜200から選択されるが、特に、n
が10〜100のもの(分子量約500〜4000)が
好ましい。これらのポリオキシエチレンエーテル化合物
の添加量は、熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部に
対して0.1〜20重量部であり、特に、1〜10重量
部が好ましい。
【0019】また、本発明で用いられる上記一般式(I
I)で表されるフェノール系抗酸化剤としては、3−
(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオン酸または3−(3−第三ブチル−4−ヒドロキ
シ−5−メチルフェニル)プロピオン酸と1価ないし4
価のアルコールのエステル化合物があげられる。この上
記一般式(II)で表されるフェノール系抗酸化剤の具体
例としては、例えば、ステアリル−3−(3,5−ジ第
三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、
チオジエチレングリコールビス〔3−(3,5−ジ第三
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、
1,6−ヘキサメチレンビス〔3−(3,5−ジ第三ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、
1,3,5−トリス〔3−(3,5−ジ第三ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕イ
ソシアヌレート、テトラキス〔メチレン−3−(3,5
−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート〕メタン、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−
{3−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル
フェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,
8,10−テトラオキサスピロ〔5. 5〕ウンデカン、
トリエチレングリコールビス〔3−(3−第三ブチル−
4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネー
ト〕等があげられる。これらのフェノール系抗酸化剤の
なかでも、特に、テトラキス〔メチレン−3−(3,5
−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート〕メタンがその効果が大きく好ましい。これらのフ
ェノール系抗酸化剤の添加量は、熱可塑性ポリエステル
樹脂100重量部に対して0.01〜5重量部であり、
特に、0.03〜3重量部が好ましい。
【0020】また、本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂
組成物には、通常用いられる他の添加剤、例えば、無機
充填剤、ホスファイト系またはホスホナイト系抗酸化
剤、チオエーテル系抗酸化剤、その他の造核剤、難燃
剤、離型剤、滑剤、紫外線吸収剤、エポキシ化合物、着
色剤、帯電防止剤、発泡剤等配合することもできる。
【0021】無機充填剤は熱可塑性ポリエステル樹脂の
補強剤あるいは電気的、熱的およびその他の特性改質剤
として配合されるものであるが、本発明はこのような無
機充填剤が配合された場合にも有効である。
【0022】熱可塑性ポリエステル樹脂に用いられる無
機充填剤としては、例えば、ガラス繊維、アスベスト、
炭素繊維、チタン酸カリウム繊維、スチール繊維、セラ
ミックス繊維、ボロンウィスカー繊維等の繊維状物、石
綿、マイカ、シリカ、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、
ガラスフレーク、クレー、ウォラストナイト等の粉状、
粒状あるいは板状の無機充填剤があげられる。
【0023】これらの無機充填剤のうち、特に、ガラス
繊維を用いるときには、機械的強度や耐熱性が大幅に向
上され、また、成型収縮率も著しく減少するという効果
が得られるので好ましい。
【0024】ガラス繊維としては、一般に樹脂の強化用
に使用されるものであれば特に限定されず、例えば、長
繊維タイプ(ガラスロービング)や短繊維状のチョップ
ドストランド、ミルドファイバーなどを用いることがで
きる。また、ガラス繊維は、集束剤(例えばポリ酢酸ビ
ニル、ポリエステル集束剤等)、カップリング剤(例え
ばシラン化合物、ボラン化合物等)、その他の表面処理
剤で処理されていても良い。更にまた、熱可塑性樹脂、
熱硬化性樹脂等で被覆されていても良い。長繊維タイプ
のガラス繊維は、通常、樹脂とのブレンド前あるいはブ
レンド後に所望の長さに切断されて用いられる。
【0025】これらの無機充填剤の使用量は、熱可塑性
ポリエステル樹脂100重量部に対して通常10〜10
0重量部である。
【0026】ホスファイト系またはホスホナイト系抗酸
化剤としては、例えば、トリスノニルフェニルホスファ
イト、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスフ
ァイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニル
ホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、テ
トラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホ
スファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三
ブチルフェニル)オクチルホスファイト、テトラ(C1
2〜15アルキル)−ビスフェノールAジホスファイ
ト、テトラ(トリデシル)−4,4’−n−ブチリデン
ビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール) ジホス
ファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス
(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニ
ル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ
第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、
9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフ
ェナンスレン−10−オキサイド等があげられる。
【0027】チオエーテル系抗酸化剤としては、例え
ば、チオジプロピオン酸ジラウリル、ジミリスチル、ジ
ステアリル等のジアルキルチオジプロピオネート類及び
ペンタエリスリトールテトラ(β−ドデシルメルカプト
プロピオネート)等のポリオールのβ−アルキルメルカ
プトプロピオン酸エステル類があげられる。
【0028】
【実施例】以下、実施例をもって本発明を更に詳細に説
明する。しかしながら、本発明は以下の実施例によって
制限を受けるものではない。
【0029】実施例1 固有粘度が0.72のポリエチレンテレフタレート10
0重量部に対し、タルク0.5重量部、テトラキス〔メ
チレン−3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート〕メタン0.3重量部及び表
1に示す試料化合物5重量部を配合し、V型ブレンダー
中で5分間均一に混合した。この混合物を110℃で1
2時間乾燥した後、ローター温度265℃、ヘッド温度
245℃で押出加工してリボン状の配合物を得た。この
配合物をDSC装置にとり、10℃/分の昇温速度で2
70℃まで加熱し、270℃で5分間保持した後10℃
/分の降温速度で冷却し、降温時の結晶化温度を測定し
た。降温時の結晶化温度が高い程、結晶性が良好で成形
性が良いことを示す。
【0030】また、この配合物を260℃で射出成形し
て板状の成型品を作り、その表面の平滑性を目視により
観察した。その結果を次の表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】実施例2 固有粘度1.34のポリエチレンテレフタレート100
重量部に対し、繊維長3mmのチョップドストランドガラ
ス繊維43重量部、ポリエチレングリコールジメチルエ
ーテル(平均分子量1000)4重量部、テトラキス
〔メチレン−3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート〕メタン0.3重量部及
び表2に示す量の造核剤を配合し、V型ブレンダー中で
5分間均一に混合した。この混合物を140℃で5時間
乾燥した後、280℃で押出加工してペレット状の配合
物を得た。この配合物をシリンダー温度280℃、金型
温度110℃の条件で射出成形して、ASTM−1号ダ
ンベルを作成し、アイゾッド衝撃値及び引張強度を測定
した。また、このダンベル試験片を160℃のオーブン
に入れ、500時間経過後のアイゾッド衝撃値及び引張
強度も測定した。その結果を次の表2に示す。
【0033】
【表2】
【0034】実施例3 固有粘度1.34のポリエチレンテレフタレート100
重量部に対し、繊維長3mmのチョップドストランドガラ
ス繊維43重量部、ポリエチレングリコールジメチルエ
ーテル(平均分子量1000)4重量部、タルク0.5
重量部及びフェノール系抗酸化剤(表3)0.3重量部
を配合し、V型ブレンダー中で5分間均一に混合した。
この混合物を140℃で5時間乾燥した後、280℃で
押出加工してペレット状の配合物を得た。この配合物を
シリンダー温度280℃、金型温度110℃の条件で射
出成形して、ASTM−1号ダンベルを作成し、アイゾ
ッド衝撃値及び引張強度を測定した。また、このダンベ
ル試験片を160℃のオーブンに入れ、500時間経過
後のアイゾッド衝撃値及び引張強度も測定した。その結
果を次の表3に示す。
【0035】
【表3】
【0036】実施例4 固有粘度が0.75のポリブチレンテレフタレート10
0重量部に、長さ6mmのチョップドストランドガラス繊
維30重量部、ガラスフレーク(48メッシュ)30重
量部、デカブロモジフェニルエーテル15重量部、三酸
化アンチモン10重量部、ポリカーボネート樹脂12重
量部、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ第三ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタ
ン0.1重量部、タルク1.0重量部及び表4に示す試
料化合物8重量部を添加し、ブレンダーで均一に混合し
た。この混合物を押出加工してペレットを作成し、次い
でこのペレットを用い、シリンダー温度250℃で射出
成形して、ASTM−1号ダンベルを作成した。また、
260℃に設定した成型機のシリンダー内に樹脂を30
分間滞留させた後射出成形して得たダンベル試験片の引
張強度を測定し、未滞留試験片の引張強度と比較し、そ
の結果を引張強度保持率として求めた。その結果を表4
に示す。
【0037】
【表4】
【0038】
【発明の効果】上記各実施例の結果から明らかな如く、
本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物は結晶性が良
好で成型加工性に優れることが明らかである。また、本
発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物は熱安定性に優
れており、本発明の組成物から製造された成型品を長時
間加熱した後の物性の低下が極めて少なく、苛酷な条件
下で使用される成型品を得るのに適していることも明ら
かである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−42644(JP,A) 特開 昭62−290751(JP,A) 特開 昭60−124650(JP,A) 特開 昭58−67748(JP,A) 特公 昭47−3027(JP,B1) 特表 平2−500033(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 67/00 - 67/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部
    に対し、(a)タルク0.01〜5重量部、(b)次の
    一般式(I)で表されるポリオキシエチレンエーテル化
    合物0.01〜10重量部及び次の一般式(II)で表さ
    れるフェノール系抗酸化剤の少なくとも一種0.01〜
    5重量部を添加してなる熱可塑性ポリエステル樹脂組成
    物。 R(OCH2CH2)nO-R (I) (式中、Rは炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、n
    は5〜200を示す。) 【化1】
  2. 【請求項2】 フェノール系抗酸化剤がテトラキス〔メ
    チレン−3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ
    フェニル)プロピオネート〕メタンである請求項1記載
    の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
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