JP3074243B2 - 蝶番装置 - Google Patents

蝶番装置

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JP3074243B2
JP3074243B2 JP06246898A JP24689894A JP3074243B2 JP 3074243 B2 JP3074243 B2 JP 3074243B2 JP 06246898 A JP06246898 A JP 06246898A JP 24689894 A JP24689894 A JP 24689894A JP 3074243 B2 JP3074243 B2 JP 3074243B2
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幸正 池田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は扉をその本体に対して
開閉可能に取り付けるための蝶番装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】洗面化
粧台やシステムキッチン等の各種キャビネットにおい
て、観音開き形式の扉をキャビネット本体に対して開閉
可能に取り付けるための蝶番装置が多く用いられてい
る。
【0003】図9は従来用いられている蝶番装置の一例
を示したものである。図において100はキャビネット
102における扉104をキャビネット本体に開閉可能
に取り付けるための蝶番装置であって、キャビネット本
体の開口上部又は下部周辺の前面に取り付けられる板状
の第一金具106と、扉104の上端又は下端コーナー
部裏面に取り付けられる板状の第二金具108とを備え
ており、それぞれが孔110,112,114において
ビス116によりキャビネット本体又は扉104に固定
されるようになっている。ここで孔112は左右方向の
長孔とされている。
【0004】第一金具106には、略水平且つ斜め前方
に延出する延出片部117が一体に形成されており、そ
の先端部において第二金具108に回転可能に連結され
ている。
【0005】この蝶番装置100においては、第二金具
108を扉104に固定した状態で、孔112を通じビ
ス116をキャビネット本体にねじ込んで第一金具10
6をキャビネット本体に仮止めし、その状態で第一金具
106、つまり蝶番装置100全体の位置を左右方向に
微調節して最終位置を定め、その後に孔110よりビス
116をキャビネット本体にねじ込んで蝶番装置100
をキャビネット本体に最終固定する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこの蝶番
装置100の場合、一旦これを固定してしまった後、具
体的には第一金具106をキャビネット本体に固定して
しまった後は、ビス116をキャビネット本体から抜い
て第一金具106をキャビネット本体から外さない限
り、キャビネット本体と扉104との相対位置を調節す
ることができない不具合があった。
【0007】蝶番装置100の位置を適正位置に定めて
これをキャビネット本体に固定した場合であっても、そ
の後の配管の施工等によって図9(B)に示しているよ
うに扉104が若干傾いて取り付いてしまったり、或い
は扉104と104との間に隙間を生じてしまったりす
ることが往々にして生ずるが、この場合扉104の取付
位置を最適位置とするためには、一旦ビス116を抜い
て再調整することが必要となるのであり、その調整作業
が甚だ面倒であるばかりでなく、再度のビス116のね
じ込み位置が元のビス116のねじ込み位置に近い場
合、ビス116のねじ込みを良好に行えない場合も生ず
るなどの問題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願の発明はこのような
課題を解決するためになされたものである。而して本願
の発明は、扉を本体に対して開閉可能に取り付けるため
の蝶番装置であって、(イ)該本体の開口の上部又は下
部周辺の前面に固定される板状の固定片部及びこれより
略水平且つ前方に延出する板状の延出片部から成る第一
部材と、(ロ)前記扉の上端又は下端コーナー部裏面に
取り付けられる板状の第二部材と、(ハ)該第二部材の
上端部又は下端部に水平方向に回動可能に連結され、前
記延出片部に重ねられて締結される、略水平且つ左右方
向に延びるスライド片と、(ニ)該スライド片を板厚方
向に貫通する挿通孔と、(ホ)該延出片部に且つその板
厚方向に形成された雌ねじ孔と、(ヘ)該挿通孔を挿通
して該雌ねじ孔にねじ込まれ、それらスライド片と第一
部材とを直接締結するねじ具とを有し、且つ該挿通孔は
該スライド片の延びる左右方向に長孔形状とされてい
て、該ねじ具による該スライド片の前記第一部材への締
結位置が左右方向に調節可能とされていることを特徴と
する(請求項1)。
【0009】本願の別の発明は、請求項1の蝶番装置に
おいて、前記スライド片又は延出片部の一方且つ該延出
片部又はスライド片に対向する側の面に凹凸状の複数の
係合歯が左右方向に沿って連設されるとともに、他方
に、前記ねじ具による締付力に基づいて該係合歯に係合
し、それらスライド片と延出片部との左右方向の相対位
置を規定する爪が形成されていることを特徴とする(請
求項2)。
【0010】本願の更に別の発明は、請求項1又は2の
蝶番装置において、前記延出片部の前記スライド片側に
左右方向の案内溝が形成され、該案内溝に該スライド片
が摺動可能に嵌合されていることを特徴とする(請求項
3)。
【0011】本願の更に別の発明は、請求項2又は3の
蝶番装置において、前記爪として、前記延出片部の右側
又は左側端部において右又は左方向に突出し且つ前記ス
ライド片側に傾斜する弾性爪が形成される一方、該スラ
イド片の対応する位置に前記係合歯が設けられているこ
とを特徴とする(請求項4)。
【0012】本願の更に別の発明は、請求項2又は3の
蝶番装置において、前記係合歯及び爪が、左右の2つの
前記挿通孔及び雌ねじ孔の間の位置において形成されて
いることを特徴とする(請求項5)。
【0013】本願の更に別の発明は、請求項5の蝶番装
置において、前記スライド片又は延出片部に貫通の開口
を形成するとともに、該開口の周縁部を隆起させること
によって前記爪を形成したことを特徴とする(請求項
6)。
【0014】本願の更に別の発明は、請求項1,2,
3,4,5又は6の蝶番装置において、前記ねじ具が前
記挿通孔より大径の頭部を有し、該頭部裏面が前記スラ
イド片における前記延出片部とは反対側の面上に着座さ
せられる形態とされていることを特徴とする(請求項
7)。
【0015】本願の更に別の発明は、請求項1,2,
3,4,5,6又は7の蝶番装置において、前記第一部
材の側に、左右方向に所定長さの貫通の切欠が形成され
る一方、前記スライド片の側に、該切欠内に係入する該
切欠よりも左右方向長さの短い係入突片が形成されてお
り、該切欠の左右方向端と該係入突片との当接作用に基
づいて、前記スライド片と前記延出片部との左右方向の
相対移動端が規定されているとともに、相対移動範囲内
でそれらスライド片及び延出片の挿通孔及び雌ねじ孔が
合致するように前記切欠,係入突片の左右方向長さ,位
置が定められていることを特徴とする(請求項8)。
【0016】
【作用及び発明の効果】以上のように本発明は、第二部
材にスライド片を回動可能に連結してこれを第一部材の
延出片部に重ね、そしてスライド片に形成した長孔形状
の挿通孔において、第一部材の雌ねじ孔へのねじ具のね
じ込みによって、スライド片と第一部材とを直接締結す
るようにしたものである。
【0017】本発明においては、スライド片が第一部材
に対して直接締結される。即ちキャビネット本体に対し
てはビス止めされないのであり、しかもスライド片は長
孔形状の挿通孔によって第一部材に対する締結位置が左
右方向に調節可能とされている。
【0018】従って本発明によれば、第一部材をキャビ
ネット本体から外さなくても扉の取付位置の調整が可能
であり、これにより蝶番ないし扉の取付作業及び取付位
置の調整作業が著しく簡単となる。尚、上記雌ねじ孔は
延出片部を板厚方向に貫通する貫通孔とすることができ
る。
【0019】請求項2の発明は、スライド片又は延出片
部の一方に凹凸状の係合歯を複数形成する一方、他方に
爪を設けてそれらを係合させることにより、スライド片
と第一部材との左右方向の相対位置を規定するようにな
したもので、本発明によればねじ具を軽く締め付けるだ
けでスライド片の位置ずれを防止することができ、従っ
てねじ具を強く締め付け過ぎてねじが潰れたり、工具の
係合溝が潰れたりするといった不都合を解消することが
できる。
【0020】請求項3の発明は、第一部材における延出
片部の側に案内溝を形成して、そこにスライド片を摺動
可能に嵌合するように成したもので、本発明によればそ
の案内溝の作用によってスライド片の移動を円滑に案内
できるとともに、その案内作用に基づいてスライド片の
がたつきを防止することができる。
【0021】請求項4の発明は、第一部材における延出
片部の端部に弾性係合爪を設け、この弾性係合爪をスラ
イド片における対応位置に形成した係合歯に係合させる
ようにしたもので、本発明によれば、弾性爪を係合歯に
対して弾性変形状態で係合させることができ、安定した
係合力を得ることができる利点がある。
【0022】請求項5の発明は、前記係合歯及び係合爪
を左右2つの前記挿通孔及び雌ねじ孔の間の位置におい
て形成したもので、本発明によればスライド片と延出片
部とを良好に密着させることができる利点が得られる。
【0023】即ち、上記のように弾性係合爪を延出片部
の左右方向端部に形成する一方、スライド片の対応する
位置に係合歯を形成した場合、ねじ具を締め付けた場合
においてそれら延出片部とスライド片との良好な密着が
阻害される恐れがあるが、本発明に従って係合歯及び爪
を左右2つの挿通孔及び雌ねじ孔の間の位置に形成した
場合、係合歯及び爪の両側の位置においてスライド片と
延出片部とがねじ具によって互いに締め付けられること
となるため、それらスライド片と延出片部とが良好に密
着させられ、ひいては扉のがたつきが良好に防止される
効果が得られる。
【0024】請求項6の発明は、前記スライド片又は延
出片部に貫通の開口を形成し、その周縁部を部分的に隆
起させることによって前記爪を形成するように成したも
ので、本発明によれば爪の突出量を少なく抑えることが
可能であり、これによりスライド片と延出片部との密着
性を良好なものとすることができる。
【0025】請求項7の発明は、上記ねじ具の頭部を前
記挿通孔よりも大径として、その頭部裏面をスライド片
における延出片部とは反対側の面上に着座させるように
なしたもので、本発明によれば延出片部に形成した雌ね
じ孔とねじ具における雄ねじ軸部とを全体的に完全ねじ
部において螺合させることができ、従って実質的螺合長
を一定以上に長く確保することができ、これによりスラ
イド片を延出片部に対してねじ具によりしっかりと締結
できる利点が得られる。
【0026】請求項8の発明は、スライド片の延出片部
に対する相対移動可能な移動範囲を、スライド片に形成
した挿通孔と延出片部に形成した雌ねじ孔とが常に合致
した状態となるように、それらの移動端を規定する切欠
及び係入突片を設けるように成したもので、本発明によ
れば、スライド片と延出片部とをねじ具にて締結するに
当ってそのねじ具を挿通孔に挿通した上雌ねじ孔にねじ
込む際のねじ込み作業が容易となり、ひいては蝶番装置
の取付作業性が向上する利点が得られる。尚、上記請求
項1〜8の発明において、前記スライド片又は第一部材
に開側又は閉側の回動端を規定するストッパ爪を形成す
ることができる。
【0027】
【実施例】次に本発明の実施例を図面に基づいて詳しく
説明する。図3において、10は洗面化粧台,キッチン
カウンター等の下部に配設される木製のキャビネットで
あって、前面に観音開き形式の扉12を有しており、そ
れらが蝶番装置14A,14Bによってキャビネット本
体16に開閉可能に取り付けられている。
【0028】尚、図中右側の扉12取付けのための蝶番
装置14A,14Bはその取付位置が開口の上部周辺と
下部周辺とであること、上下対称形状であることを除い
て全体の構成は同様であり、また図中右側の扉12取付
用の蝶番装置14A,14Bと左側の扉12取付用の蝶
番装置とは左右対称形状であることを除いて同様の構成
であるので、以下上側の蝶番装置14Aについて説明す
る。
【0029】この蝶番装置14Aは、図1に示している
ようにキャビネット本体16に固定される第一部材とし
ての第一金具18と、扉12に固定される第二部材とし
ての第二金具20と、スライド片としてのスライド金具
22とから成っている。
【0030】第一金具18は、上下に延びる板状の固定
片部23を有しており、この固定片部23が取付孔24
においてビス等の止具によりキャビネット本体16の開
口上部周辺の前面に固定される。
【0031】第一金具18は、固定片部23の上端より
前方に延出する延出片部26を一体に備えている。延出
片部26の前端には下向きの曲げ片28が形成されてお
り、この曲げ片28によって延出片部26の下面(内
面)側に左右方向の案内溝30が形成されている。
【0032】延出片部26には、また、左右方向に所定
間隔をおいた2個所において延出片部26を板厚方向に
貫通する雌ねじ孔32が形成されており、更に図中右端
には若干右下りに突出する弾性爪34、即ち右方向に突
出し且つスライド金具22側に下向きに傾斜する形態の
弾性爪34が一体に形成されている。
【0033】前記第二金具20は板状の部材であって上
下方向に延びており、取付孔36において扉12の上端
コーナー部裏面に固定される。スライド金具22もまた
板状の部材であって、扉12の上端面の上側において水
平方向に配置されている。このスライド金具22は左右
方向に延びており、図中右端部において第二金具20の
上端部に形成された水平方向前方への曲げ片38に対
し、軸40を介して水平回動可能に連結されている。
【0034】尚スライド金具22には、その一部を水平
方向に延出するとともに下向きに曲げた形態のストッパ
爪42が形成されている。このストッパ爪42は、水平
方向の上記曲げ片38の外周縁に当接して、扉12と一
体に回動する第一金具18の閉方向の回動端を規定す
る。
【0035】一方曲げ片38の側には、図2(B)に示
しているようにストッパ爪42の前端面(図1中前端
面,図2(B)中後端面)に当接する水平方向のストッ
パ爪43が突設されており、このストッパ爪43とスト
ッパ爪42との当接に基づいて、扉12と一体に回動す
る第一金具18の開方向の回動端が規定されるようにな
っている。
【0036】スライド金具22には、上記雌ねじ孔32
に対応する位置において、これを板厚方向に貫通する、
左右方向に長い一対の長孔(挿通孔)44が形成されて
おり、この長孔44においてねじ具46により第一金具
18の延出片部26に締結固定されるようになってい
る。
【0037】ここで一対の長孔44は、それらの中心の
ピッチ(間隔)が上記雌ねじ孔32の中心のピッチ(間
隔)と同一となるように設けられている。
【0038】尚、図1,図2(A)に示しているように
ねじ具46は頭部が皿形とされており、その裏面がテー
パ面50とされている。一方、長孔44の内周面はねじ
具46の頭部裏面のテーパ面50に対応した凹形状のテ
ーパ面52とされていて、ねじ具46を締め込んだと
き、ねじ具46の頭部裏面がこのテーパ面52に着座さ
れ且つ頭部下面がスライド金具22の下面と略面一とな
るようにされている。
【0039】このスライド金具22には、上記爪34に
対応する位置において凹凸状の係合歯48が左右方向に
沿って複数連設されており、この係合歯48に対して爪
34が弾性的に係合させられるようになっている
((C)参照)。
【0040】次に本例の蝶番装置14Aの作用を、キャ
ビネット本体16に扉12を取り付ける手順とともに説
明する。本例においては、第二金具20を扉12の上端
コーナー部裏面に取付孔36を通じビス等で固定し、ま
た第一金具18を取付孔24を通じてキャビネット本体
16の開口の上部周辺の前面所定位置にビス等で固定す
る。
【0041】このとき又は予め第一金具18の案内溝3
0にスライド金具22を嵌入させた状態においてねじ具
46を長孔44に挿通及び雌ねじ孔32にねじ込む。そ
の際爪34と係合歯48とが弾性的に係合し、所定位置
にロックされる。
【0042】さて上記操作において扉12の取付位置が
キャビネット本体16及び隣接する左側の扉12に対し
て斜めになっていたり、扉12間に隙間が生じたりした
とき、或いは扉12の取付け後において配管等の施工に
より同じような状態が生じたときには、ねじ具46を爪
34と係合歯48の係合が外れるまで緩め、スライド金
具22を左右にスライドさせて最適位置で再びねじ具4
6を強く締め付けて爪34と係合歯48を再び係合さ
せ、スライド金具22を第一金具18に固定すればよ
い。
【0043】本例において、スライド金具22は第一金
具18に対して締結され、キャビネット本体16には直
接締結されない。而してスライド金具22は長孔44に
おいて第一金具18に対する締結位置を左右方向に調節
できるため、扉12の取付作業及び取付位置の調整が著
しく簡単となる。
【0044】また爪34と係合歯48が弾性的に係合す
るようになっているため、ねじ具46を軽く締め付ける
だけでスライド金具22の位置ずれを防止することがで
き、従ってねじ具46を強く締め付け過ぎて、ねじが潰
れたり工具の係合溝が潰れたりするといった不都合を生
じない。
【0045】図4ないし図8は本発明の他の実施例の蝶
番装置53を示したものである。先ず図4,図5におい
て54,56,58はそれぞれ第一金具,スライド金
具,第二金具である。第一金具54には、固定片部23
に一対の円形の取付孔24とそれらの間において左右方
向の長孔形態の取付孔25が設けられている。長孔形態
の取付孔25は、第一金具54をキャビネット本体16
に仮止めする際に用いられる。
【0046】この第一金具54には、図7(イ)及び図
8(イ)に明らかに示しているように固定片部23とこ
れに対して直角を成す延出片部26との境界部分に、こ
れを貫通する切欠60が左右方向に形成されている。
【0047】また延出片部26の下面(内面)には、図
7に示しているように複数の凹凸状の係合歯62
((ロ)参照)が、一対の雌ねじ孔32の間の位置にお
いて左右方向に連設されている。
【0048】上記スライド金具56には、前記第一の実
施例と同様に一対の長孔64が左右方向に所定距離隔て
た2個所において且つ上記第一金具54における雌ねじ
孔32と対応する位置において設けられている。但し本
実施例における長孔64は、図6に明らかに示している
ようにその内周面全体がスライド金具56の板厚方向と
平行な面とされている。即ち上記第一実施例の長孔44
におけるようなテーパ面52は本実施例においては形成
されていない。
【0049】スライド金具56は、これら長孔64にお
いてねじ具66により第一金具54の延出片部26に締
結される。ここでねじ具66は、頭部68が長孔64の
径、具体的には幅方向の寸法よりも大きくされており、
図6に示しているように頭部68裏面がスライド金具5
6の下面に着座させられるようになっている。即ちねじ
具66における雄ねじ軸部全体が、長孔64及び雌ねじ
孔32内に位置するようにされている。
【0050】図7(イ)に示しているように、スライド
金具56にはその後端部において係入突片69が後方に
突出状に一体に設けられており、この係入突片69が上
記切欠60内に遊嵌状態に係入させられている。尚、係
入突片69の左右方向長さは、切欠60における左右方
向長さよりも短くされている。
【0051】これら係入突片69及び切欠60は、かか
る係入突片69と切欠60における左右方向の端面との
当接作用に基づいてスライド金具56の、延出片部26
に対する左右方向の相対移動端を規定するもので、この
例ではそれら左右の移動端の間の全移動範囲において、
前記長孔64と雌ねじ孔32とが常に合致した状態とな
るように、それら係入突片69及び切欠60の形状及び
左右方向長さ等が定められている。
【0052】スライド金具56の上面、即ち延出片部2
6に対向する側の面には、図7(ロ)に明らかに示して
いるように爪70が上向きに突出する状態で、且つ前記
一対の雌ねじ孔32及び長孔64の間の位置において設
けられている。この爪70は、スライド金具56に設け
た貫通の開口72の左右方向縁部を上側に一部隆起させ
て形成したもので、鋭利な突起状を成している。
【0053】本例では、ねじ具66の頭部68を長孔6
4よりも大径として、図6に示しているようにその頭部
68裏面をスライド金具56の下面に着座させるように
しており、従って本例によれば延出片部26に形成した
雌ねじ孔32とねじ具66における雄ねじ軸部との完全
ねじ部同士の螺合長さを一定以上に長く確保することが
できる。これによりスライド金具56を延出片部26に
対してねじ具66により強固に締結できる。
【0054】また係合歯62及び爪70を、一対の長孔
64及び雌ねじ孔32の間の位置に形成しているため、
本例によればスライド金具56と延出片部26とを良好
に密着させることができる利点が得られる。つまり係合
歯62及び爪70の両側の位置においてスライド金具5
6と延出片部26とがねじ具66によって互いに締め付
けられることとなるため、それらスライド金具56と延
出片部26とが良好に密着させられ、これにより扉12
のがたつきが良好に防止される効果が得られる。
【0055】更にスライド金具56に貫通の開口72を
形成し、その周縁部を部分的に隆起させることによって
鋭利な突起状の爪70を形成するようにしたもので、本
例によれば爪70の突出量を少なく抑えることが可能で
あり、これによりスライド金具56と延出片部26との
密着性を良好なものとすることができる。
【0056】本例では、また、切欠60と係入突片69
とを設けてそれらの当接作用によりスライド金具56に
形成した長孔64と延出片部26に形成した雌ねじ孔3
2とが常に合致するようにしており、従って本例によれ
ばスライド金具56と延出片部26とをねじ具66にて
締結するに際して、ねじ込み作業が容易となり、ひいて
は蝶番装置53の取付作業性が良好となる利点が得られ
る。
【0057】以上本発明の実施例を詳述したがこれはあ
くまで一例示であり、本発明はその主旨を逸脱しない範
囲において様々な変更を加えた形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である蝶番装置の分解斜視図
である。
【図2】図1の蝶番装置の正面構成及び平面構成を示す
図である。
【図3】同実施例の蝶番装置を用いて扉をキャビネット
本体に取り付けた状態の図である。
【図4】本発明の他の実施例である蝶番装置の分解斜視
図である。
【図5】図4の蝶番装置の正面構成,平面構成及び側面
構成を示す図である。
【図6】図4の蝶番装置におけるねじ具の締付状態を示
す要部断面図である。
【図7】図4の蝶番装置の作用を説明するための分解斜
視図及び要部拡大断面図である。
【図8】図4の蝶番装置の第一金具の切欠とスライド金
具の係入突片との作用説明図である。
【図9】従来用いられている蝶番装置の一例を示した図
である。
【符号の説明】
10 キャビネット 12 扉 14A,14B,53 蝶番装置 16 キャビネット本体 18,54 第一金具 20,58 第二金具 22,56 スライド金具 30 案内溝 34,70 爪 42,43 ストッパ爪 44,64 長孔(挿通孔) 46,66 ねじ具 48,62 係合歯 60 切欠 69 係入突片 72 開口

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 扉を本体に対して開閉可能に取り付ける
    ための蝶番装置であって (イ)該本体の開口の上部又は下部周辺の前面に固定さ
    れる板状の固定片部及びこれより略水平且つ前方に延出
    する板状の延出片部から成る第一部材と、(ロ)前記扉
    の上端又は下端コーナー部裏面に取り付けられる板状の
    第二部材と、(ハ)該第二部材の上端部又は下端部に水
    平方向に回動可能に連結され、前記延出片部に重ねられ
    て締結される、略水平且つ左右方向に延びるスライド片
    と、(ニ)該スライド片を板厚方向に貫通する挿通孔
    と、(ホ)該延出片部に且つその板厚方向に形成された
    雌ねじ孔と、(ヘ)該挿通孔を挿通して該雌ねじ孔にね
    じ込まれ、それらスライド片と第一部材とを直接締結す
    るねじ具とを有し、且つ該挿通孔は該スライド片の延び
    る左右方向に長孔形状とされていて、該ねじ具による該
    スライド片の前記第一部材への締結位置が左右方向に調
    節可能とされていることを特徴とする蝶番装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の蝶番装置において、前記スラ
    イド片又は延出片部の一方且つ該延出片部又はスライド
    片に対向する側の面に凹凸状の複数の係合歯が左右方向
    に沿って連設されるとともに、他方に、前記ねじ具によ
    る締付力に基づいて該係合歯に係合し、それらスライド
    片と延出片部との左右方向の相対位置を規定する爪が形
    成されていることを特徴とする蝶番装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の蝶番装置において、前
    記延出片部の前記スライド片側に左右方向の案内溝が形
    成され、該案内溝に該スライド片が摺動可能に嵌合され
    ていることを特徴とする蝶番装置。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3の蝶番装置において、前
    記爪として、前記延出片部の右側又は左側端部において
    右又は左方向に突出し且つ前記スライド片側に傾斜する
    弾性爪が形成される一方、該スライド片の対応する位置
    に前記係合歯が設けられていることを特徴とする蝶番装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項2又は3の蝶番装置において、前
    記係合歯及び爪が、左右の2つの前記挿通孔及び雌ねじ
    孔の間の位置において形成されていることを特徴とする
    蝶番装置。
  6. 【請求項6】 請求項5の蝶番装置において、前記スラ
    イド片又は延出片部に貫通の開口を形成するとともに、
    該開口の周縁部を隆起させることによって前記爪を形成
    したことを特徴とする蝶番装置。
  7. 【請求項7】 請求項1,2,3,4,5又は6の蝶番
    装置において、前記ねじ具が前記挿通孔より大径の頭部
    を有し、該頭部裏面が前記スライド片における前記延出
    片部とは反対側の面上に着座させられる形態とされてい
    ることを特徴とする蝶番装置。
  8. 【請求項8】 請求項1,2,3,4,5,6又は7の
    蝶番装置において、前記第一部材の側に、左右方向に所
    定長さの貫通の切欠が形成される一方、前記スライド片
    の側に、該切欠内に係入する該切欠よりも左右方向長さ
    の短い係入突片が形成されており、該切欠の左右方向端
    と該係入突片との当接作用に基づいて、前記スライド片
    と前記延出片部との左右方向の相対移動端が規定されて
    いるとともに、相対移動範囲内でそれらスライド片及び
    延出片の挿通孔及び雌ねじ孔が合致するように前記切
    欠,係入突片の左右方向長さ,位置が定められているこ
    とを特徴とする蝶番装置。
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