JP2604391Y2 - コンシールド型ドアクローザを備えた自動閉扉装置のストッパ付ガイドレール - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、断面Ｃ型の溝形材より
なり溝内にストッパを備えていてドア上枠またはドアに
埋め込まれるストッパ付ガイドレールであって、ガイド
レールがドアまたはドア上枠に埋め込まれるコンシール
ド型ドアクローザの出力軸に枢着されたアームの他端に
枢着されたスライド体であるローラを溝内に案内し、ス
トッパがドアを所要角度に全開したときにローラを当接
停止するようになっている，コンシールド型ドアクロー
ザを備えた自動閉扉装置のストッパ付ガイドレールに関
する。

【０００２】

【従来の技術】図２（ａ），（ｂ）は、従来のコンシー
ルド型ドアクローザを用いたドアの自動閉扉装置を示
す。該ドアの自動閉扉装置は、断面Ｃ型の溝形材のガイ
ドレール１の溝内にストッパ２を備えてなるストッパ付
ガイドレールＧがドア上枠Ｗ（またはドア）に埋め込ま
れ、コンシールド型ドアクローザＫがドアＤ（またはド
ア上枠）に埋め込まれ、コンシールド型ドアクローザＫ
の出力軸に枢着されたアームＡの他端に枢着されたスラ
イド体であるローラＲをガイドレール１の溝内に案内し
かつドアＤを所要角度に全開したときに矢印の方向に転
動するローラＲをストッパ２で当接停止するようになっ
ている。ガイドレール１は、ドア枠Ｗのガイドレール用
凹部に収容されタッピンネジ３により固定されている。
ストッパ２は、図２（ｂ）に示すようにガイドレール１
の溝内の正面壁に固定位置の変更が可能にＬ形止め具２
ａが小ねじ２ｂで止められているか、図２（ｃ）に示す
ようにガイドレール１の溝内の正面壁に固定位置の変更
ができないように小ねじ２ｂで止められていて、該Ｌ形
止め具２ａの垂直面部より張設された「く」の字形に屈
曲した一対のばね板２ｃ，２ｃがローラＲを受け入れて
挟持するようになっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかるに、ドアＤの全
開したときにローラＲがストッパ２を押圧する力を、ガ
イドレール１の正面壁にＬ形止め具２ａを止めている小
ねじ２ｂで受けるため、該小ねじ２ｂが弛まないように
該小ねじ２ｂをかなり強く締め付けており、かつばね座
金２ｄを必要としている。ドアＤの全開角度を変更に合
わせてストッパ２の固定位置を変更する場合に、小ねじ
２ｂの取外し再取付けが難しく該ストッパ２の固定位置
が面倒であった。小ねじ２ｂの取外しが難しい理由は、
小ねじ２ｂをかなり強く締め付けているからで、取り外
しに際して小ねじ２ｂのヘッドの十字孔等の係止凹部を
ねじ回し（ドライバー）の先で潰してしまうことが多い
ためであり、また、小ねじの再取付けが難しい理由は、
小ねじ２ｂのヘッドがガイドレール１の溝の奥に位置し
ていることと、ばね座金２ｄを必要としていてばね座金
２ｄが小ねじ２ｂから外れてしまうためである。従っ
て、ドアＤの全開角度の変更に伴うストッパ２の固定位
置の変更は、作業が面倒であった。また、小ねじ２ｂや
ばね座金２ｄを取り外してしまうために紛失してしまう
虞れがあったとともに、ガイドレール１にタッピングを
必要としていたのでそれだけ製作コストが高く付いてい
た。

【０００４】本考案は、上述した点に鑑み案出したもの
で、ドアの全開角度を変更したい場合に、ガイドレール
を取り外すことなく、ストッパの固定位置の変更を簡単
迅速に行うことができ、かつストッパにドアを所要角度
に全開する度にローラの押圧力が作用してもストッパの
固定が弛むことがなくまた位置ずれがないように改善さ
れ、しかも製作コストを低減できる，コンシールド型ド
アクローザを備えた自動閉扉装置のストッパ付ガイドレ
ールを提供すること目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案は、上記の課題を
解決するための手段として、ドア上枠ＷまたはドアＤの
いずれか一方に埋め込まれる断面Ｃ型の溝形材よりなる
ガイドレール１と、該ガイドレール１の溝内に設けられ
たストッパ２とからなるストッパ付ガイドレールＧであ
って、前記ストッパ２が、ドア上枠ＷまたはドアＤのい
ずれか他方に埋め込まれたコンシールド型ドアクローザ
Ｋの出力軸と固定されたアームＡの他端に枢着されガイ
ドレール１の溝内にガイドされるローラＲをドアＤが全
開したときに当接停止するようにかつ位置調整自在にね
じ固定されたストッパ付ガイドレールＧにおいて、前記
ガイドレール１は、溝内の正面に所要間隔で係止用凹部
１ａ，１ａが設けられ、前記ストッパ２は、Ｌ形金具２
ｅにストッパゴム２ｆを載せて小ねじ２ｇが該ストッパ
ゴム２ｆに挿入されさらにＬ形金具２ｅに設けられたね
じ孔２ｅ”’にねじ込まれ、該小ねじ２ｇの先端が前記
ガイドレール１に設けられた所望箇所の係止用凹部１ａ
に突っ張るとともに、Ｌ形金具２ｅの側面部２ｅ’の端
部２ｅ”が前記ガイドレール１の溝の両縁部内面を突っ
張ってガイドレール１の溝内に固定され、ストッパゴム
２ｆが前記ローラＲを当接停止するように前記ローラＲ
に対向し、かつＬ形金具２ｅの側面部２ｅ’がストッパ
ゴム２ｆの前記ローラＲと反対に位置してストッパゴム
２ｆの前記ローラＲによるストッパゴム２ｆへの押圧力
を受けるようになっていることを特徴とするコンシール
ド型ドアクローザを備えた自動閉扉装置のストッパ付ガ
イドレールを提供するものである。

【０００６】

【作用】ストッパ２は、小ねじ２ｇの先端が係止用凹部
１ａに突っ張るとともにＬ形金具２ｅの側面部２ｅ’の
端部２ｅ”がガイドレール１の溝の両縁部内面を突っ張
り、ガイドレール１に対する固定が行われる。ストッパ
ゴム２ｆが、小ねじ２ｇの弛み止めの役目を果すので、
ストッパ２がガイドレール１に対して確実に固定され
る。ストッパゴム２ｆはローラＲを緩衝停止する。Ｌ形
金具２ｅは、ローラＲを緩衝停止するストッパゴム２ｆ
の変形を小さく抑える役目も果たす。ストッパ２の固定
位置を変更するには、該小ねじ２ｇを緩める方向に２〜
３回転ねじ回すだけで良い。ドアＤを所望の全開角度に
開き、その状態で小ねじ２ｇの先端が係止用凹部１ａに
突っ張るように、ストッパ２をローラＲに所要位置に最
接近させ、小ねじ２ｇをねじ締めすれば、ストッパ２を
ガイドレール１に確実に固定できる。

【０００７】

【実施例】以下、本考案のコンシールド型ドアクローザ
を備えた自動閉扉装置のストッパ付ガイドレールの実施
例を図１（ａ），（ｂ），（ｃ）を参照して説明する。
この実施例のストッパ付ガイドレールＧは、ドア上枠Ｗ
のドアＤとの対向面に形成されたガイドレール用凹部に
収容されタッピンネジ３で固定される断面Ｃ型の溝形材
よりなるガイドレール１と、該ガイドレール１の溝内に
位置変更可能にねじ固定されたストッパ２とからなる。
ガイドレール１は、ドア上枠ＷのドアＤとの対向面に埋
め込まれたコンシールド型ドアクローザＫの出力軸と固
定されたアームＡの他端に枢着されたスライド体である
ローラＲを溝内に嵌合してガイドするようになってい
る。ストッパ２は、ドアＤを所要角度に全開したときに
ガイドレール１の溝内を摺動する前記ローラＲを当接停
止する役目を果たす。

【０００８】ガイドレール１は、溝内の正面に所要間隔
で皿ザグリ形状の係止用凹部１ａ，１ａが設けられてい
る。ストッパ２は、Ｌ形金具２ｅにストッパゴム２ｆを
載せて小ねじ（皿小ねじ）２ｇが該ストッパゴム２ｆに
挿入されさらにＬ形金具２ｅに設けられたねじ孔２
ｅ”’にねじ込まれて、該小ねじ２ｇの先端が前記ガイ
ドレール１に設けられた所望箇所の係止用凹部１ａに突
っ張るとともに、ストッパゴム２ｆとＬ形金具２ｅの側
面部２ｅ’の端部２ｅ”が前記ガイドレール１の溝の両
縁部内面を突っ張り、もってガイドレール１の溝内に固
定されている。ストッパ２は、ストッパゴム２ｆが前記
ローラＲを当接停止するようにローラＲに対向し、かつ
Ｌ形金具２ｅの側面部２ｅ’がストッパゴム２ｆに関し
ローラＲと反対側に位置してストッパゴム２ｆに密着し
ローラＲの押圧力でストッパゴム２ｆが変形するのを小
さく抑えるようになっている。

【０００９】次に、上記構成の実施例の作用を説明す
る。小ねじ２ｇの先端が係止用凹部１ａに突っ張り、ス
トッパゴム２ｆとＬ形金具２ｅの側面部２ｅ’の端部２
ｅ”がガイドレール１の溝の両縁部内面を突っ張り、ス
トッパゴム２ｆが、小ねじ２ｇとＬ形金具２ｅとの螺合
の弛み止めの役目を果し小ねじ２ｇが係止用凹部１ａを
突っ張る状態が維持されるので、ストッパ２にローラＲ
による押圧力が繰り返し作用しても、該ストッパ２がガ
イドレール１の溝内に位置ずれしないように確実に固定
される。ストッパゴム２ｆはローラＲと当接しローラＲ
を緩衝停止する。Ｌ形金具２ｅは、ストッパゴム２ｆの
変形を小さく抑えてストッパゴム２ｆが小ねじ２ｇで引
き裂かれてしまうことを回避する役目も果たす。ドアＤ
の全開角度を変更に合わせてストッパ２の固定位置を変
更するには、該小ねじ２ｇを緩める方向に２〜３回転ね
じ回すだけで、小ねじ２ｇを係止用凹部１ａから離脱で
き、該ストッパ２のスライドが可能となる。そこで、ド
アＤを所望の全開角度に開き、その状態で小ねじ２ｇの
先端が係止用凹部１ａに突っ張るように、ストッパ２を
ローラＲに最接近させ、小ねじ２ｇをねじ締めすること
により、小ねじ２ｇの先端で係止用凹部１ａに突っ張る
とともに、ストッパゴム２ｆとＬ形金具２ｅの側面部２
ｅ’の端部２ｅ”とでガイドレール１の溝の両縁部内面
を突っ張って該ストッパ２をガイドレール１の溝内に固
定する。すると、該位置変更したストッパ２にローラＲ
が当接する位置は、僅かにずれることになるが、ドアＤ
は前記所望の全開角度に近似して全開することができ
る。

【００１０】上記実施例によれば、ストッパ付ガイドレ
ールＧがドア上枠ＷのドアＤとの対向面に埋め込まれる
とともに、コンシールド型ドアクローザＫがドア上枠Ｗ
のドアＤとの対向面に埋め込まれている場合を示してい
るが、本考案は、ストッパ付ガイドレールＧがドアＤの
ドア上枠Ｗとの対向面に埋め込まれ、コンシールド型ド
アクローザＫがドアＤのドア上枠Ｗとの対向面に埋め込
まれている場合も含まれる。

【００１１】

【考案の効果】以上説明してきたように、本考案のコン
シールド型ドアクローザを備えた自動閉扉装置のストッ
パ付ガイドレールによれば、小ねじの先端が係止用凹部
に突っ張るとともにＬ形金具の側面部の端部がガイドレ
ールの溝の両縁部内面を突っ張ることにより、ストッパ
のガイドレールに対する固定が行われ、ドアの全開角度
を変更したい場合は、小ねじを緩める方向に２〜３回転
ねじ回すだけで、ストッパのスライドが可能となり、ド
アを所望の全開角度に開き、小ねじが係止用凹部に対応
するようにストッパをローラに最接近させ、小ねじをね
じ締めすればストッパを固定でき、もってガイドレール
を取り外すことなく、ドアの全開停止角度を変更でき、
ストッパの固定位置の変更を簡単迅速に行うことがで
き、さらにストッパゴムが、小ねじとＬ形金具との螺合
の弛み止めの役目を果し小ねじが係止用凹部を突っ張る
状態が維持されるので、ストッパがガイドレールの溝内
に確実に固定されストッパにドアを所要角度に全開する
度にローラの押圧力が作用してもストッパの固定が弛む
ことがなくまた位置ずれが生じない。また本考案は、ガ
イドレールに従来のタッピングに変えて係止用凹部を設
ければ良いので製作コストを低減でき、またばね座金を
必要としないことも、コストを低減につながりストッパ
の固定位置の変更を簡単迅速に行えることにつながり、
ガイドレールをドア上枠に取り付ける場合において従来
のように小ねじやばね座金を床に落として紛失してしま
うということを回避できる。さらに本考案は、小ねじを
一個使用してストッパを固定しているので、従来のよう
に小ねじを二個使用してねじ止めする場合とは異なり、
ガイドレールに設ける係止用凹部のピッチを任意の大き
さにとることができ、ひいてはドアの全開角度を従来よ
りも細かく設定することができるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）は本考案の実施例に係るコンシールド型
ドアクローザを備えた自動閉扉装置のストッパ付ガイド
レールの正面図、（ｂ）は（ａ）におけるＩｂ−Ｉｂ矢
視図、（ｃ）は要部拡大断面図。

【図２】（ａ）は従来のコンシールド型ドアクローザを
備えた自動閉扉装置のストッパ付ガイドレールの正面
図、（ｂ）は（ａ）におけるＩＩｂ−ＩＩｂ矢視図、
（ｃ）はストッパの別の止め方を示す断面図。

【符号の説明】 Ｗ ・・・ドア上枠、 Ｄ ・・・ドア、 Ｇ ・・・ストッパ付ガイドレール、 Ｋ ・・・コンシールド型ドアクローザ、 Ａ ・・・アーム、 １ ・・・ガイドレール、 １ａ ・・・係止用凹部、 ２ ・・・ストッパ、 ２ｅ ・・・Ｌ形金具、２ｅ’ ・・側面部、 ２ｅ” ・・Ｌ形金具の側面部の端部、２ｅ”’・・ねじ孔、 ２ｆ ・・・ストッパゴム、 ２ｇ ・・・小ねじ、

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ドア上枠またはドアのいずれか一方に埋
   め込まれる断面Ｃ型の溝形材よりなるガイドレールと、
   該ガイドレールの溝内に設けられたストッパとからなる
   ストッパ付ガイドレールであって、前記ストッパが、ド
   ア上枠またはドアのいずれか他方に埋め込まれたコンシ
   ールド型ドアクローザの出力軸と固定されたアームの他
   端に枢着されガイドレールの溝内にガイドされるローラ
   をドアが全開したときに当接停止するようにかつ位置調
   整自在にねじ固定されたストッパ付ガイドレールにおい
   て、前記ガイドレールは、溝内の正面に所要間隔で係止
   用凹部が設けられ、前記ストッパは、Ｌ形金具にストッ
   パゴムを戴せて小ねじが該ストッパゴムに挿入されさら
   にＬ形金具に設けられたねじ孔にねじ込まれ、該小ねじ
   の先端が前記ガイドレールに設けられた所望箇所の係止
   用凹部に突っ張るとともに、Ｌ形金具の側面部の端部が
   前記ガイドレールの溝の両縁部内面を突っ張ってガイド
   レールの溝内に固定され、ストッパゴムが前記ローラを
   当接停止するように前記ローラに対向し、かつＬ形金具
   の側面部がストッパゴムの前記ローラと反対に位置して
   ストッパゴムの前記ローラによるストッパゴムヘの押圧
   力を受けるようになっていることを特徴とするコンシー
   ルド型ドアクローザを備えた自動閉扉装置のストッパ付
   ガイドレール。