JP3072644U - 木造建築の屋根下地構造およびその屋根下地材 - Google Patents
木造建築の屋根下地構造およびその屋根下地材Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本考案は、瓦桟で雨水が溜まることなく排水
される木造建築の屋根下地構造と、この屋根下地構造を
構成するための下地材とを提供する。 【解決手段】 下地材1の上面に、屋根の傾斜方向に沿
って連続した溝2を形成する。溝2に橋を渡した状態で
瓦桟6を固定し、溝2内を堰き止めない。上部下地材1
aの下端部に凹条3を形成し、下部下地材1b上端に凸
条4を形成し、これらを嵌合して継合する。上面端部3
を底面端部32より僅かに長く形成する。凸条4の突出
長を凹条3の深さより僅かに短く形成する。凸条4は凹
条3に底付きしない。上面端部31が下部下地材1b上
端に密着する一方、底面端部32と下部下地材1b上端
との間に間隙5を形成する。両方の下地材の上面におい
て隙間なく継合され、ここからの雨漏りは防止される。
される木造建築の屋根下地構造と、この屋根下地構造を
構成するための下地材とを提供する。 【解決手段】 下地材1の上面に、屋根の傾斜方向に沿
って連続した溝2を形成する。溝2に橋を渡した状態で
瓦桟6を固定し、溝2内を堰き止めない。上部下地材1
aの下端部に凹条3を形成し、下部下地材1b上端に凸
条4を形成し、これらを嵌合して継合する。上面端部3
を底面端部32より僅かに長く形成する。凸条4の突出
長を凹条3の深さより僅かに短く形成する。凸条4は凹
条3に底付きしない。上面端部31が下部下地材1b上
端に密着する一方、底面端部32と下部下地材1b上端
との間に間隙5を形成する。両方の下地材の上面におい
て隙間なく継合され、ここからの雨漏りは防止される。
Description
【0001】
本考案は、木造建築の家屋等の屋根を主に仕上材としての瓦で葺くにあたって の下地構造およびその下地構造に使用される屋根下地材に関するものである。
【0002】
従来の木造建築において、その屋根の仕上を瓦葺きにするにあたっては、構造 建材である柱や母屋、棟木といった屋根組の上に、屋根の傾斜方向で垂木を打ち つけ、その上一面に野地板を張り、更にその上に防水シートなどを貼り付け、そ の上に瓦を固定して屋根を仕上げている。瓦を固定するにあたっては、野地板の 上に屋根の傾斜方向に対して直角且つ水平に配置した瓦桟に、瓦の上端部分を固 定して水平方向で配列し、徐々に上部へと葺き上げて行く。
【0003】 ところが、何らかの理由で瓦から雨漏りが生じた場合、野地板表面に流れ出た 雨水はその傾斜面に沿って流れ落ちようとするが、瓦桟が堤防となって雨水が溜 まることになり、それが野地板の裏側ににじみ出て、室内への雨漏りになりかね ない。
【0004】
したがって、本考案においては、この瓦桟で雨水が溜まることなく排水される 木造建築の屋根下地構造と、この屋根下地構造を構成するための下地材とを提供 することを目的としている。
【0005】
本考案は、傾斜している屋根の下地材の上面に、傾斜方向に対して略直角な方 向で瓦桟を固定し、該瓦桟の上に瓦を葺く木造建築の屋根下地構造において、前 記下地材の上面に屋根傾斜方向に沿った溝を形成し、該溝と前記瓦桟底面との間 に空間が形成されるようにしたものである。
【0006】 また、この木造建築の屋根下地構造に使用される下地材であって、少なくとも 2枚の該屋根下地材を屋根の傾斜方向で継合するための継合手段を有し、該継合 手段が、上側に位置する上部下地材の下端面にその幅方向で凹条を形成し、下側 に位置する下部下地材の上端面にその幅方向で凸条を形成し、前記凹条と該凸条 とを嵌合させることにより継合するものであり、これらを嵌合させた際に上面側 では前記上部下地材と前記下部下地材とが密着する一方、底面側では前記上部下 地材と前記下部下地材との間に間隙が形成されるようにしたものである。
【0007】 さらに、この木造建築の屋根下地構造に使用される下地材であって、それぞれ の下地材の木目年輪の外側が上面となるように、この面に溝を形成したものであ る。
【0008】
本考案においては、母屋、棟木といった屋根組の上に傾斜面を形成するための 下地材として、その長手方向が傾斜方向と一致するように配置できる厚手の下地 材を使用するもので、その下地材の上面に長手方向の極浅い溝を形成して、この 溝に橋をかけるような形で瓦桟を固定したものである。これによりこの溝は瓦桟 に堰き止められることが無く、瓦の下に漏れ出た雨水はこの溝をスムーズに流れ 落ちることになり、室内に雨漏りを生じさせることが無い。
【0009】 また、このような下地構造を構成する下地材であって、その長さが傾斜面より 短い物を使用する場合は、複数の下地材を継合しなくてはならないため、その継 合部分における水浸透防止手段を有する下地材を使用する必要がある。その水浸 透防止手段の詳述は下記実施例でそれぞれ示すが、上面の密着を得るために底面 では間隙を形成されるようにしたことや、継合部分における溝に段差を設けるよ うにしたものである。
【0010】
【実施例】 図1は屋根の下地構造を誇張して示した一部切断部分斜視図、図2は図1のA −A線における部分側面断面図、図3は下地材の端面を示す側面図である。尚、 各図においては、本実施例の下地構造が明瞭に理解できるようにそれぞれの構成 が一部強調された形で描かれており、各構成要件の相対的寸法が本考案の構成を 限定するものではない。
【0011】 図1に示すように、下地材1は母屋や棟木といった屋根組(図示せず)の上に 屋根の傾斜方向で配置され、複数の下地材1は互いに密着して連結されている。 それぞれの下地材の上面には、その傾斜方向に沿って連続した溝2が形成されて いる。この上に瓦(図示せず)を葺くにあたっては、瓦桟6を水平方向に釘付け し、その上に瓦の上端部を固定していく。この瓦桟6は単なる角材であるため、 溝2に対しては橋を渡した状態となり、溝2内を堰き止めるものではない。
【0012】 したがって、万が一にでも瓦の間から雨水が漏れても、その雨水は溝2を通っ て排水される。瓦桟6が下地材1と密着した部分はあるものの、ここに溜まろう とする水は、いずれ溝2へ流れて排水される。
【0013】 次に、この下地材1の長さが屋根の傾斜面の長さより短い場合は、複数の下地 材1を長手方向で継合して使用しなくてはならない。それに当たっては、その継 合部分が雨水の排水方向と交差するため、この継合部分における防水構造がなさ れる必要がある。 本実施例で示す防水構造としては、図2に示すように、上側に位置する上部下 地材1aと下側に位置する下部下地材1bとを継合するために、上部下地材1a の下端部にはその幅方向で凹条3が形成され(図1参照)、一方、下部下地材1 b上端にはその幅方向で凸条4が形成され、これらを嵌合させることにより上部 下地材1aと下部下地材1bとが継合される。
【0014】 上部下地材1aの上面端部31は底面端部32より僅かに長く形成され、また 、凸条4の突出長は凹条3の深さより僅かに短く形成されている。したがって、 凸条4を凹条3に嵌合させることにより、凸条4は凹条3に底付きすることがな く、しかも上面端部31が下部下地材1b上端に密着する一方、底面端部32と 下部下地材1b上端との間には間隙5が形成される。これにより、両方の下地材 の上面において隙間なく継合されるため、ここからの雨漏りは防止される。
【0015】 さらに、下部下地材1bの溝2bの上端部分は僅かに深く傾斜して形成されて いる。したがって、上部下地材1aと継合した場合、溝2aより僅かに段差が形 成され、ここで流れが堰きとめられたり逆行したりすることは無く、スムーズに 流れて排水される。
【0016】 また、木材は、乾燥した際の性質として木目の年輪の外側へ反る傾向が見られ る。したがって、本考案のように傾斜面に沿って屋根下地材を使用した場合、年 輪の外側を下面にすると、屋根が僅かに山なりに反って軒が垂れた状態となる。 そうした場合はその上に葺いた瓦同士の密着がゆるくなり、隙間が生じる可能性 が出てきて、その結果雨漏りの危険がある。
【0017】 これを防止するために、図3に示すように木材を下地材1に適用するにあたっ ては、その年輪11の外側が上面になるように使用する。そのため、溝2はこの 年輪11の外側に形成される。これにより、木材の乾燥によって下地材が反った 場合は、屋根は谷状に反ることから瓦同士の接合部分は締まることとなり、さら に雨漏りの危険はなくなる。
【0018】 尚、本考案における下地材としては厚手の一枚板を適用できることから、従来 の垂木に野地板を打ち付けた屋根の構造と比較すると、頑強な構造とすることが できる。例えば比較試験によると、45mm角の垂木に対して、厚さ30mmの 下地材を使用した場合は、曲げにおいて約5倍、撓みに対しては約3倍程度の強 度が得られることが示されている。また、このような厚手の一枚板を使用するこ とから断熱性も非常に高く、断熱材を使用しない屋根構造とすることも可能であ る。
【0019】
本考案は上記のように構成したので、次に示した効果を得られる。 (1)万が一、瓦の間から雨水が浸透した場合であっても、その雨水は下地材上面 の溝を通って流れ、瓦桟に堰き止められることは無い。したがって、室内へ雨漏 りすることを防止できる。 (2)屋根の傾斜方向で複数の下地材を継合して本考案の屋根下地構造を構成しな くてはいけない場合であっても、継合部分の水浸透対策がなされているため、雨 水がここから浸透することを防止できる。
【図1】屋根の下地構造を誇張して示した一部切断部分
斜視図である。
斜視図である。
【図2】図1のA−A線における部分側面断面図であ
る。
る。
【図3】下地材の端面を示す側面図である。
1………下地材 1a……上部下地材 1b……下部下地材 2………溝 2b……溝 2a……溝 3………凹条 31……上面端部 32……底面端部 4………凸条 5………間隙 6………瓦桟 11……年輪
Claims (5)
- 【請求項1】 傾斜している屋根の下地材の上面に、傾
斜方向に対して略直角な方向で瓦桟を固定し、該瓦桟の
上に瓦を葺く木造建築の屋根下地構造において、前記下
地材の上面に屋根傾斜方向に沿った溝を形成し、該溝と
前記瓦桟底面との間に空間が形成されるように設けたこ
とを特徴とする木造建築の屋根下地構造。 - 【請求項2】 請求項1記載の木造建築の屋根下地構造
に使用される下地材であって、少なくとも2枚の該屋根
下地材を屋根の傾斜方向で継合するための継合手段を有
し、該継合手段が、上側に位置する上部下地材の下端面
にその幅方向で凹条を形成し、下側に位置する下部下地
材の上端面にその幅方向で凸条を形成し、前記凹条と該
凸条とを嵌合させることにより継合するものであり、こ
れらを嵌合させた際に上面側では前記上部下地材と前記
下部下地材とが密着する一方、底面側では前記上部下地
材と前記下部下地材との間に間隙が形成されるように設
けたことを特徴とする木造建築の屋根下地材。 - 【請求項3】 凸条の突出長が、凹条の深さより短く形
成されたことを特徴とする請求項2記載の木造建築の屋
根下地材。 - 【請求項4】 下側下地材の上面に形成された溝の上端
部の深さが、上側下地材の上面に形成された溝の下端部
の深さより深く形成されたことを特徴とする請求項2記
載の木造建築の屋根下地材。 - 【請求項5】 請求項1記載の木造建築の屋根下地構造
に使用される下地材であって、それぞれの下地材の木目
年輪の外側が上面となるように、この面に溝を形成した
ことを特徴とする木造建築の屋根下地材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000002554U JP3072644U (ja) | 2000-04-19 | 2000-04-19 | 木造建築の屋根下地構造およびその屋根下地材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000002554U JP3072644U (ja) | 2000-04-19 | 2000-04-19 | 木造建築の屋根下地構造およびその屋根下地材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3072644U true JP3072644U (ja) | 2000-10-24 |
Family
ID=43205914
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000002554U Expired - Lifetime JP3072644U (ja) | 2000-04-19 | 2000-04-19 | 木造建築の屋根下地構造およびその屋根下地材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3072644U (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017193937A (ja) * | 2016-04-20 | 2017-10-26 | Ecohouse株式会社 | 屋根用断熱板 eco断ルーフ |
JP2019124018A (ja) * | 2018-01-15 | 2019-07-25 | German House株式会社 | 屋根用断熱板 |
-
2000
- 2000-04-19 JP JP2000002554U patent/JP3072644U/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017193937A (ja) * | 2016-04-20 | 2017-10-26 | Ecohouse株式会社 | 屋根用断熱板 eco断ルーフ |
JP2019124018A (ja) * | 2018-01-15 | 2019-07-25 | German House株式会社 | 屋根用断熱板 |
JP7174944B2 (ja) | 2018-01-15 | 2022-11-18 | German House株式会社 | 屋根用断熱板 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |