JP3069754B2 - 鋼管の酸洗装置 - Google Patents

鋼管の酸洗装置

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JP3069754B2 JP3333150A JP33315091A JP3069754B2 JP 3069754 B2 JP3069754 B2 JP 3069754B2 JP 3333150 A JP3333150 A JP 3333150A JP 33315091 A JP33315091 A JP 33315091A JP 3069754 B2 JP3069754 B2 JP 3069754B2
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昭夫 荒木
隆志 吉田
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ガルバテックス株式会社
株式会社大倉製作所
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鋼管の酸洗装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】鋼管などの表面を処理する場合、処理に
先立って表面の酸洗を行う。図6は従来の鋼管酸洗装置
の平面図、図7は側面一部断面図、図8は吊下げ具と耐
酸スリングとの取り合いを示す正面図で、図中1は建
屋、2は酸洗槽、3は天井走行クレーン、4a、4bは
一対の吊下げ具、5a、5bはフック、6は耐酸スリン
グ、7は鋼管である。
【0003】図にみるように、建屋1の床面に多数個の
酸洗槽2を配設し、酸洗槽2内には10数パーセントの
塩酸を貯留する。酸洗に当っては、クレーン3の吊下げ
具4a、bのフック5a、bに、複数個の鋼管7を収納
した耐酸スリング6の両端を取付け、クレーン3により
酸洗槽2上に運び、耐酸スリング6を酸洗槽2内に浸漬
させる。なお一対の吊下げ具4a、bはそれぞれが交互
に上下動するように構成されており、酸洗中吊下げ具4
a、bのそれぞれを交互に上下動させて鋼管7を耐酸ス
リング内で回転させ、耐酸スリング6内の鋼管7表面の
酸洗が十分に行われるようにする。該操作を漬替えと称
する。酸洗を完了した鋼管7は、クレーンにより、耐酸
スリング6に収納されたまま次工程へ運ばれる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記従来の酸
洗装置においては、クレーン2の吊下げ具4a、bのフ
ック5a、bに、耐酸スリング6の両端を取付ける作業
はすべて人力により行われていた。しかし耐酸スリング
6の取付け作業は、かなり体力を要する作業であり、環
境の必ずしも良好とは言えない現場作業でもあるので、
従来よりその改善が要望されていた。
【0005】本発明は従来の酸洗装置における上記課題
を解消するためになされたもので、クレーン2の吊下げ
具4a、bへの耐酸スリングの取付け作業を合理化する
とともに、鋼管の酸洗操作全般の合理化を計った酸洗装
置を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る鋼管の酸洗
装置は、下記の構成からなるものである。すなわち、運
転室を備えた建屋内に多数個の酸洗槽を配設し、複数個
の鋼管を収納する耐酸スリングを、天井走行クレーンに
より、上記各酸洗槽へ装入し取出しあるいは次工程へ輸
送するように構成した鋼管の酸洗装置であって、天井走
行クレーンに、2本の吊りビームにそれぞれ着脱自在に
係着してこれら吊りビームを水平状態に平行保持すると
ともに独立して昇降可能な複数の吊下げ具を設けたこ
と、各吊りビームには、それぞれ耐酸スリングの両端部
を着脱自在に繋着して吊下支持する吊下手段を設けたこ
と、酸洗槽の長手両端部には、各吊りビームの下限位置
を規定するための吊りビーム受け台を配設したこと、運
転室には、各酸洗槽の酸洗条件を設定し操作状況を指示
する操作盤を設けたこと、建屋内には、操作盤と連動し
て各酸洗槽への操作状況を指示する指示器を設けたこ
と、を特徴とするものである。
【0007】
【作用】運転室の操作員は、酸洗すべき鋼管の表面状態
などよりみて操作盤を操作して酸洗条件を設定するとと
もに、各酸洗槽の操作状況を指示する。酸洗装置建屋の
指示器は上記操作盤に連動して各酸洗槽の操作状況を指
示する。クレーンの運転手は、該指示器の指示に従い、
例えばクレーンを鋼管を収納した耐酸スリング上に走行
させ、ついで一対の吊下げ具を降下させ、該吊下げ具を
吊りビームに係着させる。続いて耐酸スリングを酸洗槽
上に運び、吊下げ具を降下させて吊りビームを槽側部に
配設された吊りビーム受け台に載置するとともに、耐酸
スリングを酸洗槽中に挿入させ、吊下げ具と吊りビーム
との係着を外し、指示器の次の指示に応じてクレーンを
操作する。
【0008】
【実施例】
実施例1 図1は本発明の一実施例である吊りビームと吊りビーム
受け台との取合いを示す正面図と側面図、図3は天井走
行クレーンの吊下げ具の正面図である。図中、2は酸洗
槽、3は天井走行クレーン、4aは吊下げ具、10は吊
りビーム、10aはフック受け、10bはロッド、11
はブラケット、12はフック、13はフック、14は吊
りビーム受け台、14aは溝、15は梁である。
【0009】図1にみるように、吊りビーム10の下部
にはフック12を係着したブラケット11が装着されて
おり、耐酸スリング6の両端部をこのフック12に取付
けるように構成されている。また酸洗槽の側部に固着し
た梁15には、一対の吊りビーム受け台14が装着され
ている。なお吊りビーム受け台14は、酸洗槽の側部の
他、耐酸スリング6を載置する箇所に配設されている。
吊りビーム受け台14には、溝14aが形成されてお
り、吊りビーム10を吊りビーム受け台14に載置する
際、吊りビームの両端に固着されたロッド10bを吊り
ビーム受け台14の溝14aに嵌挿させ、吊りビーム1
0の載置位置を限定するように構成されている。さらに
クレーンの一対の吊下げ具4a、bの下部には、吊りビ
ーム10に装着されたフック受け10aに着脱自在に係
着するフック13が固着されている。
【0010】また酸洗装置建屋の壁には、各酸洗槽の操
作状況を示す指示器が、運転室には該指示器と連動する
操作盤が配設されている。図4は各酸洗槽ごとに配置さ
れた指示器の、図5は操作盤の構成図である。図4にお
いて、20は該酸洗槽への操作指示を表示するランプ
で、緑は酸洗槽中に鋼管を浸漬せよの指示を、黄は鋼管
を上下動させて漬替えせよの指示を、また赤は酸洗完了
の指示を表示するものである。また21は次工程の種類
を表示するランプで、大は大径鋼管向けを、小は小径鋼
管向けを示し、酸洗を完了した鋼管の輸送先を表示して
いる。クレーン運転手はこの指示器を見てクレーン3を
操作するのである。
【0011】図5に示す操作盤において、22は指示器
のランプ20と連動して緑、黄、赤に点灯するランプ、
23は指示器のランプ21と連動して大小いずれかに点
灯するランプ、24は操作の移行を示すランプ、また2
5は酸洗条件を示すランプである。酸洗条件は鋼管の酸
洗槽中の浸漬時間及び漬替え回数を組合わせて予め6条
件を設定してあり、設定ボタン26を押せば1〜6の数
字が表示ランプ25に表示される。酸洗条件を設定すれ
ば、後は操作盤に内蔵されたマイコンにより自動的に指
示器が機能する。例えば酸洗条件を5に設定し、操作盤
の緑のボタンを押せば指示器の緑のランプが点灯し、槽
中に鋼管を浸漬させ再度緑のボタンを押せば、浸漬時間
20分で漬替えを指示する黄色ランプが点灯する。さら
に漬替え操作後20分で完了の赤ランプが点灯するので
ある。
【0012】次に動作を説明する。まず運転室の操作員
は、鋼管の表面状態などから酸洗条件を1〜6のいずれ
かを選択し、操作盤の設定ボタン26を押して酸洗条件
を設定する。ついで酸洗装置の酸洗槽中から次に鋼管を
浸漬する槽を決め、操作盤の該槽の緑のボタン22を押
すと、指示器の緑のランプ20も点灯する。クレーンの
運転手は、指示器の点灯したランプを見て、クレーンを
耐酸スリング6上に走行し、吊下げ具4a、bを、フッ
ク13が吊りビームのフック受け10aに係着する位置
まで降下させ、ついでクレーンを走行させて、フック1
3を吊りビームのフック受け10aに係着させる。つい
で耐酸スリング6を吊下げて上記槽に運び、吊りビーム
10を吊りビーム受け台14に載置させると、耐酸スリ
ング6は槽内に装入させる。続いてフック13を吊りビ
ーム10のフック受け10aより外し、指示器の示す次
の操作に向かう。すなわちある槽の指示器の黄色ランプ
20が点灯しているときは、クレーンを該槽に走行させ
てフック13を吊りビームのフック受け10aに係着さ
せ、一対の吊下げ具4a、bを交互に上下動作させて漬
替えを行う。また赤ランプ20が点灯している場合は、
耐酸スリング6を槽から引上げ、大小を示すランプ21
の指示にしたがって耐酸スリング6を次工程に運ぶので
ある。
【0013】本発明に係る吊りビームにおいては、吊り
ビーム10にロッド10aを設け、吊りビーム受け台1
4に溝14aを形成し、吊りビーム10を吊りビーム受
け台14に載置したとき、その載置位置を正確に限定さ
せる。この結果クレーン3により吊りビーム10を操作
する際、吊りビーム10の位置が常に同じで、クレーン
の運転が容易となる。同じ意味で、クレーンの一対の吊
下げ具4a、bと吊りビーム10との係着装置も、フッ
ク13とフック受け10aとよりなる簡単な構成とした
ので、吊りビーム10の吊下げ具4a、bへの着脱を簡
単なクレーン操作で行うことができる。
【0014】もっとも上記係着装置は、吊下げ具4a、
bのフック13と吊りビームのフック受け10aとによ
る構成に限定するものでなく、他の方式による構成であ
ってもよい。また吊りビーム10の載置位置限定のため
の構成も、上記ロッド10aと溝14aとに限定するも
のでなく、例えばナイフエッジとそれに嵌合するテーパ
溝により構成してもよい。
【0015】
【発明の効果】本発明は鋼管の酸洗装置において、 天井
走行クレーンに、2本の吊りビームにそれぞれ着脱自在
に係着してこれら吊りビームを水平状態に平行保持する
とともに独立して昇降可能な複数の吊下げ具を設けたこ
と、 各吊りビームには、それぞれ耐酸スリングの両端部
を着脱自在に繋着して吊下支持する吊下手段を設けたこ
と、 酸洗槽の長手両端部には、各吊りビームの下限位置
を規定するための吊りビーム受け台を配設したこと、
転室には、各酸洗槽の酸洗条件を設定し操作状況を指示
する操作盤を設けたこと、 建屋内には、操作盤と連動し
て各酸洗槽への操作状況を指示する指示器を設けたこ
と、により、次に述べるような優れた効果を挙げること
となった。 (ア) 従来の1時間当り42tの処理量を、1時間当り
56tに上昇させることが可能となった。 (イ)従来は4人(クレーン運転手を含まず)の作業員
を必要としたが、3人ですむようになった。 (ウ)酸洗装置建屋内でのクレーンへの玉掛け作業がな
くなったので、危険かつ体力を要する作業がなくなっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である吊りビームと吊りビー
ム受け台との取合いを示す正面図である。
【図2】上記吊りビームと吊りビーム受け台との取合い
を示す側面図である。
【図3】本発明の一実施例である吊下げ具と吊りビーム
との係着装置の正面図である。
【図4】本発明の一実施例である指示器の平面図であ
る。
【図5】本発明の一実施例である操作盤の平面図であ
る。
【図6】従来の酸洗装置の平面図である。
【図7】従来の酸洗装置の側面図である。
【図8】従来の酸洗装置のクレーンの吊下げ具と耐酸ス
リングとの取合いを示す正面図である。
【符号の説明】
10……吊りビーム 10a…フック受け 10b…ロッド 11……ブラケット 12……フック 13……フック 14……吊りビーム受け台 14a…溝 15……梁 20……酸洗槽の操作状況を示す操作指示ランプ 21……次工程表示ランプ 22……酸洗槽の操作状況を示す操作指示ランプ 23……次工程表示ランプ 24……操作の移行を示すランプ 25……酸洗条件を示す表示ランプ 26……設定用ボタン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23G 3/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運転室を備えた建屋内に多数個の酸洗槽
    を配設し、複数個の鋼管を収納する耐酸スリングを、天
    井走行クレーンにより、上記各酸洗槽へ装入し取出しあ
    るいは次工程へ輸送するように構成した鋼管の酸洗装置
    であって、 上記天井走行クレーンに、2本の吊りビームにそれぞれ
    着脱自在に係着してこれら吊りビームを水平状態に平行
    保持するとともに独立して昇降可能な複数の吊下げ具を
    設けたこと、 上記各吊りビームには、それぞれ上記耐酸スリングの両
    端部を着脱自在に繋着して吊下支持する吊下手段を設け
    たこと、 上記酸洗槽の長手両端部には、上記各吊りビームの下限
    位置を規定するための吊りビーム受け台を配設したこ
    と、 上記運転室には、上記各酸洗槽の酸洗条件を設定し操作
    状況を指示する操作盤を設けたこと、 上記建屋内には、上記操作盤と連動して各酸洗槽への操
    作状況を指示する指示器を設けたこと、 を特徴とする鋼管の酸洗装置。
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