JPH10310361A - 吊りフック自動掛け外し装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 吊りフックによる鋼管等の荷役作業におい
て、吊り降ろし時に荷役材の端部に係止されていた吊り
フックを、作業員を要せず自動的に掛け外し、要員を合
理化すると共にクレーンの稼働効率を向上させる。 【解決手段】 荷役材の端部を係止する吊りフック１
と、吊りフック１に軸着された吊りシャックル４と、吊
りフック１に軸着された押し出しプレート５および押し
出しプレート作動板８と、吊りシャックル４をその軸着
部を中心として一定方向に引張るシャックル引張り機構
と、吊りシャックル３の回動を押し出しプレート５に伝
達する歯車機構とからなっており、押し出しプレート５
を押し出しプレート作動板８に連結するための連結ピン
１２が押し出しプレート５に取付けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、クレーン等から
のワイヤーロープに取り付けられた吊りフックに鋼管等
の荷役材を係止し、吊り上げ吊り降ろしを行う荷役作業
において、吊り降ろし時に、荷役材の端部に係止されて
いる吊りフックを自動的に取り外すための、吊りフック
の自動掛け外し装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】クレーン等からのワイヤーロープに取り
付けられた吊りフックを、鋼管等の荷役材の端部に係止
し、吊り上げ吊り降ろしを行う荷役作業において、吊り
降ろし時における荷役材の端部に係止された吊りフック
の掛け外しは、従来、複数名の作業員によって手作業に
より行われていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述したように、荷役
材である鋼管等に対する吊りフックの掛け外し作業は、
従来、複数名の作業員による手作業によって行われてい
たために、作業に時間を要する上、危険を伴い、各種サ
イズの多量の鋼管等を荷役するために、フックの掛け替
え頻度が増大する折から、クレーンの稼働能率の低下を
招いていた。

【０００４】上述した問題を解決するために、例えば、
特開昭６３−１７１７９１号公報には、吊りフックの掛
け外しを自動的に行う装置（以下、先行技術という）が
提案されている。図１１は先行技術の概略正面図であっ
て、図面に示すように、先行技術の吊り具は、釣鉤具２
０を垂設した頂部梁２１と、頂部梁２１の上面に設けら
れたスライドレール２２と、スライドレール２２上に対
設した着脱スタンド２３、２３と、着脱スタンド２３、
２３を拡開する駆動機構２４と、一方の着脱スタンド２
３に取付けた着脱ピン２５と、他方の着脱スタンド２３
に設けた着脱孔と、着脱スタンド２３、２３の垂直部に
設けられた誘導板２６とからなっており、着脱スタンド
２３、２３の誘導板２６間にフックを挿入し、これを相
互に寄る方向に動かしてフックを回動させ、着脱ピン２
５によりフックを係止させる構造である。このように、
先行技術は、構造が複雑であり実用的な装置ではない。

【０００５】従って、この発明の目的は、上述した問題
を解決し、クレーン等からのワイヤーロープに取り付け
られた吊りフックによって鋼管等の荷役材を係止し、吊
り上げ吊り降ろしを行う荷役作業において、吊り降ろし
時に、荷役材の端部に係止された吊りフックを、作業員
を要せず自動的に掛け外すことができ、クレーンの能率
向上および要員の合理化を図ることができる吊りフック
の自動掛け外し装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１に記載の発明の
吊りフック自動掛け外し装置は、荷役材の端部を係止す
る吊りフックと、前記吊りフックの上部に回動可能に軸
着された吊りシャックルと、前記吊りフックの上部に軸
着された、前記吊りフックを押し出し前記荷役材から掛
け外す押し出しプレートおよび押し出しプレート作動板
と、前記吊りシャックルをその軸着部を中心として一定
方向に引張るシャックル引張り機構と、前記吊りシャッ
クルの回動を前記押し出しプレートに伝達する歯車機構
とからなっており、前記押し出しプレートには、連結ピ
ンが前記押し出しプレートから出没可能に取り付けら
れ、そして、前記押し出しプレート作動板には、前記連
結ピンの挿入孔が設けられ、前記押し出しプレートの前
記連結ピンを押し出しプレート作動板の前記挿入孔に挿
入することによって、前記押し出しプレートと前記押し
出しプレート作動板とが連結されるようになっており、
荷役材の吊り降ろし時において、前記シャックル引張り
機構による前記吊りシャックルの回動を、前記歯車機構
によって前記押し出しプレート作動板を介し前記押し出
しプレートに伝達し、前記押し出しプレートを回動させ
て、前記吊りフックに係止されている荷役材の端部に当
接させることにより、前記荷役材の端部に係止されてい
る前記吊りフックを掛け外すことに特徴を有するもので
ある。

【０００７】請求項２に記載の発明は、請求項１に記載
の装置において、前記歯車機構が、前記吊りシャックル
の下部の、水平軸による吊りフックとの軸着部に取り付
けられたシャックル歯車と、前記押し出しプレート作動
板の、前記押し出しプレートとの軸着部に取り付けられ
た押し出しプレート歯車と、前記シャックル歯車および
前記押し出しプレート歯車に歯合する中間歯車とからな
っていることに特徴を有するものである。

【０００８】請求項３に記載の発明は、請求項１に記載
の装置において、前記シャックル引張り機構が、前記吊
りシャックルと前記吊りフックとの間に取り付けられた
スプリングからなっていることに特徴を有するものであ
る。

【０００９】

【発明の実施の形態】次に、この発明の装置を図面を参
照しながら説明する。図１は、この発明の装置の一実施
態様を示す正面図、図２はそのＡ視側面図である。図面
に示すように、この発明の装置は、吊り上げるべき鋼管
等のような荷役材ａの端部に係止される吊りフック１
と、吊りフック１の上部に固定された水平軸２に回動可
能に軸着された、クレーン等からのワイヤーロープの下
端に取り付けられる逆Ｕ字状の吊りシャックル４と、吊
りフック１の上部に水平軸３によって回動可能に軸着さ
れた押し出しプレート５と、同じく吊りフック１の上部
に水平軸３によって回動可能に軸着された押し出しプレ
ート作動板８と、押し出しプレート５と押し出しプレー
ト作動板８とを着脱自在に連結する連結ピン１２と、吊
りシャックル４を水平軸２を中心として一定方向に引っ
張るシャックル引張り機構としてのコイルスプリング６
と、吊りシャックル４の回動を押し出しプレート５に伝
達する歯車機構とからなっている。

【００１０】歯車機構は、吊りシャックル４の下部の、
水平軸２による吊りフック１との軸着部に取り付けられ
たシャックル歯車１０と、押し出しプレート作動板８
の、押し出しプレート５との軸着部に取り付けられた押
し出しプレート歯車１１と、シャックル歯車１０および
押し出しプレート歯車１１に歯合する中間歯車９とから
なっている。

【００１１】図３に押し出しプレートの正面図で、図４
にその側面図で、図５に図４のＡ部詳細図で示すよう
に、押し出しプレート５の上部には、押し出しプレート
５の内側にある押し出しプレート作動板８に向けた連結
ピン１２が設けられており、一方、押し出しプレート作
動板８には、押し出しプレート５の移動軌跡に沿った位
置に、連結ピン１２の挿入孔１３が設けられている。１
６は、連結ピン１２の先端に固定されたスプリング１４
を有する取付け軸である。

【００１２】従って、押し出しプレート５を回動し、押
し出しプレート５に取り付けられた連結ピン１２を、押
し出しプレート作動板８に形成された挿入孔１３に挿入
することによって、押し出しプレート５と押し出しプレ
ート作動板８とは一体的に連結される。

【００１３】シャックル引張り機構としてのコイルスプ
リング６の一端は、図１に示すように吊りフック１の上
部に取付け金具７により固定され、そして、その他端は
吊りシャックル４に取付け金具金具７′により固定され
ており、このようなコイルスプリング６の張力によっ
て、吊りシャックル４は、図１に実線で示すＸ位置に引
張られている。従って、吊りシャックル４を図１の２点
鎖線で示すＹ位置に回動させると、コイルスプリング６
の弾力によって、吊りシャックル４に元の位置Ｘに復帰
しようとする力が発生する。

【００１４】次に、この発明の装置の作動を、図６〜図
１０に基づいて説明する。先ず、図６に示すように、作
業者が押し出しプレート作動板８の挿入孔１３に挿入さ
れていた連結ピン１２を引き上げて、押し出しプレート
５を回転フリーの状態となした後、図７に示すように、
押し出しプレート５を反時計回りに回動させた上、吊り
フック１を鋼管等の荷役材ａの端部に係止する。

【００１５】この状態で荷役材ａを吊り上げると、図８
に示すように、吊りシャックル４は、コイルスプリング
６の弾力に抗して、図面上、左方向の位置Ｙに回動す
る。これと共に、シャックル歯車１０および中間歯車９
を介し、押し出しプレート歯車１１は矢印に示す方向に
回転する。その結果、押し出しプレート５は矢印に示す
反時計廻りに回動し、押し出しプレート５にスプリング
１４によって取り付けられている連結ピン１２が、押し
出しプレート作動板８の挿入孔１３に挿入されて、押し
出しプレート５と押し出しプレート作動板８とが一体化
される。

【００１６】このようにして荷役材ａを運搬し、所定位
置に吊り降ろすと、図９に示すように、荷役材ａを吊り
上げていたワイヤロープが緩み、ワイヤロープが取り付
けられた吊りシャックル４は、コイルスプリング６の弾
力によって、図面上、右方向の位置Ｘに時計回りに回動
する。

【００１７】その結果、シャックル歯車１０および中間
歯車９を介し押し出しプレート歯車１１は矢印に示す方
向に回転し、押し出しプレート歯車１１が取り付けられ
ている押し出しプレート作動板８および押し出しプレー
ト作動板８に連結ピン１２によって連結されている押し
出しプレート５は、矢印に示す時計回りに回動して、図
１０に示すように荷役材ａの端部に当接する。従って、
その反力によって、荷役材ａの端部に係止されている吊
りフック１は荷役材１４から離脱する。

【００１８】

【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
クレーン等からのワイヤーロープに取り付けられた吊り
フックによって鋼管等の荷役材を係止し、吊り上げ吊り
降ろしを行う荷役作業において、吊り降ろし時に、荷役
材の端部に係止された吊りフックを、作業員を要せず自
動的に掛け外すことができ、クレーンの能率向上および
要員の合理化を図ることができる、工業上有用な効果が
もたらされる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の装置の一実施態様を示す正面図であ
る。

【図２】図１のＡ矢視図である。

【図３】押し出しプレートの正面図である。

【図４】図３の側面図である。

【図５】図４のＡ部詳細図である。

【図６】この発明の装置の作動を示す作業開始時の状態
を示す説明図である。

【図７】この発明の装置の作動を示す荷役材の吊上げ前
の状態を示す説明図である。

【図８】この発明の装置の作動を示す荷役材の吊上げ時
の状態を示す説明図である。

【図９】この発明の装置の作動を示す荷役材の吊降ろし
時の状態を示す説明図である。

【図１０】この発明の装置の作動を示す荷役材の吊降ろ
し後の状態を示す説明図である

【図１１】先行技術の概略正面図である。

【符号の説明】

ａ 荷役材 １ 吊りフック ２ 水平軸 ３ 水平軸 ４ 吊りシャックル ５ 押し出しプレート ６ コイルスプリング ７ 取付け金具 ８ 押し出しプレート作動板 ９ 中間歯車 10 シャックル歯車 11 押し出しプレート歯車 12 連結ピン 13 挿入孔 14 スプリング 15 フレーム 16 取付け軸

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 荷役材の端部を係止する吊りフックと、
   前記吊りフックの上部に回動可能に軸着された吊りシャ
   ックルと、前記吊りフックの上部に軸着された、前記吊
   りフックを前記荷役材から掛け外す押し出しプレートお
   よび押し出しプレート作動板と、前記吊りシャックルを
   その軸着部を中心として一定方向に引張るシャックル引
   張り機構と、前記吊りシャックルの回動を前記押し出し
   プレートに伝達する歯車機構とからなっており、 前記押し出しプレートには、連結ピンが前記押し出しプ
   レートから出没可能に取り付けられ、そして、前記押し
   出しプレート作動板には、前記連結ピンの挿入孔が設け
   られ、前記押し出しプレートの前記連結ピンを前記押し
   出しプレート作動板の前記挿入孔に挿入することによっ
   て、前記押し出しプレートと前記押し出しプレート作動
   板とが連結されるようになっており、 荷役材の吊り降ろし時において、前記シャックル引張り
   機構による前記吊りシャックルの回動を、前記歯車機構
   によって前記押し出しプレート作動板を介し前記押し出
   しプレートに伝達し、前記押し出しプレートを回動させ
   て、前記吊りフックに係止されている荷役材の端部に当
   接させ、前記荷役材の端部に係止されている前記吊りフ
   ックを掛け外すことを特徴とする、吊りフック自動掛け
   外し装置。
2. 【請求項２】 前記歯車機構は、前記吊りシャックルの
   下部の、水平軸による吊りフックとの軸着部に取り付け
   られたシャックル歯車と、前記押し出しプレート作動板
   の、前記押し出しプレートとの軸着部に取り付けられた
   押し出しプレート歯車と、前記シャックル歯車および前
   記押し出しプレート歯車に歯合する中間歯車とからなっ
   ている、請求項１に記載の装置。
3. 【請求項３】 前記シャックル引張り機構は、前記吊り
   シャックルと前記吊りフックとの間に取り付けられたス
   プリングからなっている、請求項１または２に記載の装
   置。