JP3069113U - 補強部材付き木質繊維板成形品 - Google Patents
補強部材付き木質繊維板成形品Info
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- JP3069113U JP3069113U JP1999008863U JP886399U JP3069113U JP 3069113 U JP3069113 U JP 3069113U JP 1999008863 U JP1999008863 U JP 1999008863U JP 886399 U JP886399 U JP 886399U JP 3069113 U JP3069113 U JP 3069113U
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- fiber board
- wood fiber
- reinforcing member
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 自動車などの内装品として、木質繊維板単体
よりも強度や粘りが大きい木質繊維板成形品が得られる
ようにする。 【解決手段】 あらかじめ、木質繊維板基材12となる
加工前の平板状の素材及びレジン材14、14となるべ
きレジン原反は、平板状の素材の深絞り加工されたとき
に曲面となる部位及びその周辺を裏側から覆うようにレ
ジン原反が重ね合わされた状態で、熱圧加工により、互
いに接着・一体化された木質繊維板基材12及びレジン
材14となると共に、深絞り部を有するバックボード形
状に成形される。次に、このバックボード10素材に所
定数の取付用の穴22、22、22、22が後加工され
て完成部材とされる。穴22は、それぞれ木質繊維板基
材12とレジン材14とを貫通するように、かつ深絞り
曲面部に近い部位に形成されている。
よりも強度や粘りが大きい木質繊維板成形品が得られる
ようにする。 【解決手段】 あらかじめ、木質繊維板基材12となる
加工前の平板状の素材及びレジン材14、14となるべ
きレジン原反は、平板状の素材の深絞り加工されたとき
に曲面となる部位及びその周辺を裏側から覆うようにレ
ジン原反が重ね合わされた状態で、熱圧加工により、互
いに接着・一体化された木質繊維板基材12及びレジン
材14となると共に、深絞り部を有するバックボード形
状に成形される。次に、このバックボード10素材に所
定数の取付用の穴22、22、22、22が後加工され
て完成部材とされる。穴22は、それぞれ木質繊維板基
材12とレジン材14とを貫通するように、かつ深絞り
曲面部に近い部位に形成されている。
Description
【0001】
本考案は、自動車用内装部材(例えば前部座席や後部座席のシートバック背面 のバックボード)などとして用いられる木質繊維板成形品、特に補強部材付き木 質繊維板成形品に関するものである。本明細書において木質繊維板とは、ハード ボード、ベニヤ板及び硬質紙をいうものとする。
【0002】
例えば、自動車の前部座席のシートバック背面のバックボードには、所定の剛 性、振動・衝撃吸収性、熱帯地方・寒冷地方の高・低温や砂漠地帯・多雨地帯の 乾・湿のような過酷な雰囲気にも耐える耐侯性などが要求されるので、これらの 要求性能を具備したハードボードなどの木質繊維板が使用される。ハードボード は、間伐材、製材時の端材、廃木材などの木材繊維をばらばらに砕いたものに、 のこぎり屑、かんな屑などを混ぜ、フェノール樹脂などの木質系接着剤で板状・ 柱状などの形状に固めたもので、構造用材料として用いられるものである。 このような木質繊維板によってシートバック背面のバックボードを製造する場 合は、まず、平板状の木質繊維板素材を、熱圧加工により所定の凹凸面を有する 立体形状に成形し、必要に応じて相手部材に取り付けるための穴などの後加工を して完成部材とするのが一般的である。
【0003】
しかしながら、上記のような従来の木質繊維板には、木質繊維のチップを加圧 加工した素材のために、深絞り成形のように絞り比率がある一定値よりも大きい 絞り成形を行うと、深絞り曲面部に割れが生じることがあり、また、深絞り曲面 部近傍に穴あけなどの後加工をする場合に、この後加工部を起点とする割れが生 じることがあるという問題点がある。 この問題を解決するために、素材として木質繊維板を用いる代わりに、いわゆ るレジン材(本明細書では、古着などの繊維を綿状に裁断し、熱硬化性樹脂のよ うな接着用樹脂を含浸させた熱圧成形用の素材をいうものとする)のみを用いる ことが考えられる。レジン材は、材質的に木質繊維板よりも粘りがあるので、大 きい絞り比率で深絞り成形しても割れにくいという利点はあるが、木質繊維板と 比較して価格が高いという難点がある。また、熱圧成形後に形を整えるための不 要部切断加工が必要となるので、製造に手間がかかるという問題点がある。さら にレジン材は、熱圧成形により賦形する際に接着用樹脂が軟化した状態において 容易に変形するので、冷却・離型までの時間を長くとる必要があるため生産性が 低く、寸法精度も低いという難点がある。 本考案は、このような課題を解決することを目的としている。
【0004】
本考案は、あらかじめ木質繊維板の所定部位に、必要に応じて選択した材質製 の補強部材を局部的に重ね合せておき、これに必要な加工(一体化及び成形)を 行って補強部材付き木質繊維板成形品とすることにより、上記課題を解決する。 すなわち、本考案における請求項1記載の補強部材付き木質繊維板成形品(10 )は、平板状の木質繊維板基材(12)と、これのあらかじめ設定した所定部位 に重ね合わせた状態で配置された補強部材(14)とよりなり、熱圧成形によっ て、これ等が一体的に接着されると共に所定形状に深絞り成形されるように構成 されており、上記木質繊維板基材(12)の上記所定部位は、上記成形によって 形成されるべき深絞り曲面部(16a)及びその近傍を含む範囲に設定されてい ることを特徴としている。 また、請求項2記載のものは、上記補強部材は、古着などの繊維を綿状に裁断 し、接着用樹脂を含浸させてなるレジン材(14)製のものであることを特徴と している。 なお、かっこ内の符号は、実施の形態の対応する部材を示す。
【0005】
木質繊維板基材のあらかじめ設定した所定部位に補強部材を重ね合わせた状態 で、熱圧成形加工により、これらを一体化すると共に所定形状に深絞りされた複 合成形材とすることで、深絞り曲面部が補強部材によって補強されたことになる ので、曲げに強いものとなり、深絞り曲面部に割れが発生することを防止でき、 また深絞り曲面部近傍に、穴あけなどの後加工をする場合であっても、木質繊維 板基材に割れが発生することを防止できる。 補強部材は、木質繊維板基材の必要部分にのみ使用するだけでよく、レジン材 のような価格の高い材料を使用する場合でも、全体として、それほど価格が上昇 するようなことはない。また、補強部材が高温で軟化するような材質のものであ っても、木質繊維板基材が補強部材の変形を防止するので、離型後の変形防止の ために金型内で長時間にわたり冷却固化させる必要もなく、生産性を阻害するよ うなことはない。 したがって、本考案の補強部材付き木質繊維板成形品によれば、成形加工の際 に従来よりも大きい絞り比率で深絞り加工することが可能となるだけでなく、応 力集中の発生しやすい部位に後加工を行う場合であっても、補強部材によって後 加工部が補強されるので、木質繊維板基材部の割れが防止でき、製品の歩留まり を高くすることができる。また、従来困難だった複雑な形状の部材でも、歩留ま りよく、しかも安価に製造することができる。 請求項2記載のように構成した場合は、深絞り成形の際に木質繊維板部に割れ が発生するのを、粘り性の大きいレジン材によって、いっそう効果的に防止する ことができる。
【0006】
(第1の実施の形態) 図1に本考案の対象となるバックボードを有する車両用シート1の全体斜視図 を示す。バックボード10は、車両用シート1の背当て(シートバック)の背面 側に装着されている。図2にバックボード10部分を拡大して示し、図3に図2 のA−A線に沿う断面図を示す。 図2において、バックボード(補強部材付き木質繊維板成形品)10は、バッ クボード基材(木質繊維板基材)12と、これに裏張りされたレジン材(補強部 材)14とから構成されている。レジン材14は、上述のように、古着などの繊 維を綿状に裁断し、接着用樹脂(熱硬化性樹脂が好ましい)を含浸させたもので あり、これ単体でも、熱圧加工で金型に合わせた形状に固化させることにより所 定の形状に成形可能なものである。 あらかじめ、バックボード基材12となる加工前の平板状の素材、及びレジン 材14、14となるレジン原反は、図3に示すように、成形されるべき深絞り曲 面部16a、16a及びこれらの中間に後加工されるべき穴22を含む周辺部位 を、平板状の素材の裏側(図中上面側)から覆うようにレジン原反がそれぞれ重 ね合わされた状態で、所定形状の金型を用いて熱圧加工される。これにより、平 板状の素材及びレジン原反とは互いに接着されて一体化されると共に、深絞り部 16、16を有するバックボード10の素材が成形される。 次に、このバックボード10の素材は4つの穴22、22、22、22が図2 に示すような位置にそれぞれ後加工され、完成品のバックボード10とされる。 穴22は、それぞれ深絞り曲面部16aに近い部位に位置するように設計されて いる。したがって、本考案のように構成すると、穴22は、それぞれバックボー ド基材12とレジン材14とを貫通するようになる。 なお、バックボード10は、穴22を挿通する足部を有する樹脂クリップ24 によって車両用シート1の背当て部背面に固定されるようになっている。
【0007】 次に、この第1の実施の形態の作用を説明する。この実施形態においては、後 加工による穴あけ位置は、深絞り曲面部16aに近い箇所とされているので、従 来のようにハードボード単体では穴あけの際に応力集中により穴22の面を起点 とする割れが発生しやすいが、本考案のものでは、バックボード基材12が、粘 り性の大きいレジン材14によって裏打ち補強されているので、バックボード1 0の穴あけ時に割れの発生が防止される。 したがって、後加工時に、大きい応力集中が生じるような場合であっても、従 来よりも割れ発生が少なく、歩留まりよく製造することができる。 また、熱圧成形時に、絞り比率が従来よりも大きくて割れ発生が心配されるよ うな場合であっても、従来よりも割れ発生が少なく、歩留まりよく成形を行うこ とができる。
【0008】 (第2の実施の形態) 図4に一般的な補強部材付き木質繊維板成形品30を示す。この第2の実施の 形態においては、木質繊維板基材31に深絞り曲面部31aが3つあり、それぞ れの深絞り曲面部31aのうち曲率半径の大きい面(大きい引張力が作用する面 )側にそれぞれレジン材14が重ね合わされた状態(曲率半径の小さい面31b 側にレジン材14が配置されていない状態)で、熱圧成形が行われ、一体化され て図示のような補強部材付き木質繊維板成形品30とされるようになっている。 この第2の実施の形態は、補強部材(レジン材14、14、14)が成形品3 0の両面側に配置されることになるが、成形品30全体が、例えば布地ですっぽ りと覆われて、成形品30の外表面の美観が問題とされないような場合に好適で ある。
【0009】 上記各実施の形態の説明においては、補強部材としてレジン材14を用いるも のとしたが、これに限定されるわけではなく、要求される補強部材の強度などの 条件に応じて、別の材質のものを用いることができる。 例えば材料の粘り強度があまり大きくなくてもよい場合には、適宜な厚さのプ ラスチックフィルム又はこれよりも厚手のプラスチックシートを補強部材として 木質繊維板基材12(又は31)の必要部位に重ね合わせておき、熱圧成形時に 一体化することができる。これにより、レジン材よりも安価なプラスチック材製 の補強部材によって、木質繊維板基材12、31を補強することができる。 また、単体の木質繊維板と比較して部分的に剛性を高めることが要求されるよ うな場合には、対応部分に木質繊維板基材12とは別の木質繊維板材製の補強部 材を用いるようにしてもよい。すなわち、木質繊維板基材12と、同じ木質繊維 板製の補強部材とを重ね合わせた状態で熱圧成形することによって補強部材付き 木質繊維板成形品を製造することもできる。これにより、成形品全体を板厚の大 きい木質繊維板単体で形成する場合と比較して、強度を必要とする部分だけ板厚 の大きいものにすることができるので、成形品の軽量化、及び価格の低減を図る ことができる。
【0010】 なお、上記第1の実施の形態の説明においては、自動車用内装部材としてのシ ートバック背面のバックボード10に本考案を適用するものとしたが、これに限 るものではなく、例えば自動車用インストルーメントパネルなどに本考案を適用 することができる。 さらに、第2の実施の形態の説明において述べたように、自動車用内装部材以 外の構造部材(例えば鉄道車両や航空機の内装部材など)に本考案を適用するこ ともできる。
【0011】 また、上記第1の実施の形態の説明においては、深絞り成形品の深絞り曲面部 16a近傍に穴22を後加工するものとしたが、これに限るものではなく、例え ば、従来の木質繊維板単体では不可能な深絞り比率の絞り成形を必要とするもの に、本考案を適用することができる。
【0012】
以上説明してきたように、本考案によると、木質繊維板単体では強度や粘りが 不足するような用途に対して、好適な補強部材付き木質繊維板成形品を提供する ことができる。 補強部材は、補強を必要とする部位に部分的に使用するだけなので、価格の高 い材料を使用する場合でも、全体としてはそれほど価格が上昇するようなことは ない。また、高温で軟化するような材質の補強部材を使用しても、木質繊維板基 材部が補強部材の変形を防止するので、木質繊維板単体を熱圧成形する場合と比 べて、金型内での冷却時間は、ほとんど変わらないで済み、生産性を阻害するよ うなことはない。 したがって、従来よりも深絞り比率の大きい成形加工が可能になるばかりでな く、深絞り曲面部に近い部位に穴あけ加工などの後加工をする場合でも、割れの 発生を従来よりも少なくすることができ、また、従来困難だった複雑な形状の部 材でも、製品の歩留まりを良くすることができるので、従来、成形困難であった ような深絞り形状のものでも、容易に、しかも安価に製造することができる。 請求項2記載のように構成した場合は、深絞り成形の際に木質繊維板部に割れ が発生するのを、粘り性の大きいレジン材によって、いっそう効果的に防止する ことができる。
【図1】本考案の第1の実施形態のバックボードを有す
る車両シートの全体斜視図である。
る車両シートの全体斜視図である。
【図2】図1のバックボード部分のみを取出して示す拡
大斜視図である。
大斜視図である。
【図3】図2のA−A線に沿う拡大部分断面図である。
【図4】本考案の第2の実施形態の補強部材付き木質繊
維板成形品の部分断面図である。
維板成形品の部分断面図である。
10 バックボード(補強部材付き木質繊維板成形品) 12 木質繊維板基材 14 レジン材(補強部材) 16 深絞り部 16a 深絞り曲面部 22 穴 30 補強部材付き木質繊維板成形品 31 木質繊維板基材 31a 深絞り曲面部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 照井 満 神奈川県横浜市神奈川区西寺尾2丁目11番 16号 新和木工株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 平板状の木質繊維板基材(12)と、こ
れのあらかじめ設定した所定部位に重ね合わせた状態で
配置された補強部材(14)とよりなり、熱圧成形によ
って、これ等が一体的に接着されると共に所定形状に深
絞り成形されるように構成されており、上記木質繊維板
基材(12)の上記所定部位は、上記成形によって形成
されるべき深絞り曲面部(16a)及びその近傍を含む
範囲に設定されていることを特徴とする補強部材付き木
質繊維板成形品。 - 【請求項2】 上記補強部材は、古着などの繊維を綿状
に裁断し、接着用樹脂を含浸させてなるレジン材(1
4)製のものであることを特徴とする請求項1記載の補
強部材付き木質繊維板成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1999008863U JP3069113U (ja) | 1999-11-19 | 1999-11-19 | 補強部材付き木質繊維板成形品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1999008863U JP3069113U (ja) | 1999-11-19 | 1999-11-19 | 補強部材付き木質繊維板成形品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3069113U true JP3069113U (ja) | 2000-06-06 |
Family
ID=43202588
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1999008863U Expired - Lifetime JP3069113U (ja) | 1999-11-19 | 1999-11-19 | 補強部材付き木質繊維板成形品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3069113U (ja) |
-
1999
- 1999-11-19 JP JP1999008863U patent/JP3069113U/ja not_active Expired - Lifetime
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