JP2007331673A - 車両用成形内装材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明では、裏面層側の補強層と裏面材との間、又は裏面材側の補強層と基材層との間に、軽量であって、必要部分の補強を十分に確保できる補強部材を設けたものを得ることを目的とする。
【解決手段】硬質発泡体からなる基材層11と、該基材層11の両側に接合された補強層12と、該両補強層12の外側にそれぞれ接合された表皮層13と裏面層14とからなる成形内装材であって、上記補強層12と裏面層14との間、又は補強層12と基材層11との間に熱硬化性樹脂と不織布の混在シート10、20を所定幅で配設する。
【選択図】図1

Description

本発明は、形状安定性に優れた軽量の車両用成形天井材、成形ドアトリム、リヤパッケージトレイ、トノボード、車両用フロア材等の車両用成形内装材及びその製造方法に関する。
従来より、車両用成形内装材としては、例えば、成形天井材を成形するものとして硬質ウレタン等を芯材として、その両側に補強層を設け、両補強層の外側にそれぞれ表皮層、裏面層を設けたものが知られている。この場合、補強層としては、芯材の補強と表皮/裏面との接着強度を得るために樹脂製接着剤を塗布(含浸)させたガラスマット等を芯材の両側にサンドイッチ状に設けたものが多い。また、表皮層としては、不織布、織布、編物、プラスチックシート等が用いられている。例えば、硬質ウレタン発泡層を芯材とし、この芯材の両面にガラス繊維層を形成し、このガラス繊維層の両面に表皮層と裏面層とを設け、表皮布として不織布、織布、プラスチックシートと、その内側にアクリル系発泡層をラミネートした車両用成形天井材が知られている(特許文献1)。
また、最近では成形天井の剛性を高くすることが強く求められている。例えば、レジャーカーやワンボックス車等において、天井が大きく膨らんだ形状にしたものが見受けられる。その天井の車両前方側で車幅方向中央部にオーバーヘッドコンソールを設けたものも見受けられる。例えば、図4に示すような車両の成形天井21では、オーバーヘッドコンソールを設ける開口部23とその両側のサンバイザーを設ける部分22とで、図5に示すように、上下方向に大きく変形した形状に成形する必要がある。そして、オーバーヘッドコンソールを設ける開口部23では極度の伸びを要求されるため、矢印aで示すように、成形天井21の肉厚が薄くなり、剛性が不足するとともに所定の形状を得にくい。なお、図4中、符号Fで示す矢印は車両のフロント側であることを示す。
そこで、オーバーヘッドコンソール部等の大きく変形する部分の剛性不足を補うために、一般的には、予めオーバーヘッドコンソール等の周辺形状に沿った形の樹脂製補強構造体を用意しておき、成形天井の成形後に該当部分の裏面にこの樹脂製補強構造体を接着剤で貼り付けている。
また、スライディングルーフ部の剛性不足を補うために、一般的には、剛性が不足する部分の形状に成形した鉄板や樹脂板を用意し、鉄板や樹脂板に接着剤を塗布して成形型にセットして成形と同時に接着したり、あるいは成形天井の成形後に接着剤で貼り合せるなどの手法を行っている。
しかし、これらの従来技術では、成形天井の強度が不足する部分を部分的に補強するために、鉄板や樹脂材等をその補強部分に対応する形状に予め作成する必要がある。その上、接着剤を塗布して成形型にセットしたり、後から貼り付けたりすることが必要なために工程が煩雑となっていた。また、部品コストや製造コストが高かった。
その対策として、必要部分の補強を確保できると同時に、補強部材を別途成形して用意するのではなく、成形型内の必要部分にセットして、成形天井材等の成形と同時に補強部材を成形・接合できるようにしたものが知られている(特許文献2)。特許文献2では、図4及び図6に示すように、ウレタン基材25の両側にガラス繊維層26が重ねられ、一方のガラス繊維層26の外側に表皮層27が重ねられ、他方のガラス繊維層26の外側に裏面材層28が重ねられるものであって、オーバーヘッドコンソールの周辺形状を補強するために、オーバーヘッドコンソールを設ける開口部23の周辺形状に沿った形で該ガラス繊維層26と裏面材層28との間に、イソシアネート接着剤を含む補強紙24を配置するようにしている。
特開2001−301539号公報 特開2004−066629号公報
特許文献1に示すものでは、ポリウレタン発泡層の両側にガラス繊維補強層を設け、ガラス繊維補強層の外側にそれぞれ表皮層と裏面層とを有するものであって、更にガラス繊維補強層と表皮層との間に不織布或いはガラスマットからなる吸音性能向上材を配設したものが開示されている。不織布層をガラス繊維補強層と表皮層との間に配設することで、吸音性能を向上できるようにしているが、成形天井としての補強強度が不足する不具合を有する。
特許文献2に示すものでは、熱可塑性樹脂からなる接着剤を含浸した補強紙材層をガラス繊維補強層と離面層との間に配設することによって、補強を必要とする箇所の成形強度を向上するようにしている。しかし、補強紙では、強度が十分でなく、更に強度アップしたものの開発が望まれている。更に、オーバーヘッドコンソール部の周囲やサンルーフの周囲等のように、成形天井に部分的に補強紙層を配設するために、正確に位置決めして配置することが負担になると共に、成形面の形状によっては補強紙の破れやシワが発生し製品の商品性を著しく損なうことがある。
その補強強度を向上する対策として、補強紙の代わりに、補強を必要とする部分に熱可塑性樹脂からなる接着剤を含浸したガラス繊維補強層を設けることが考えられる。しかし、ガラス繊維を設けると重量が重くなり、コスト高となる。また、ガラス繊維層の凹凸が目立ちシワが発生しやすい不具合を有する。
そのために、補強紙でもなく、ガラス繊維でもない補強構造としたものの開発が強く望まれている。
本発明では、上記従来技術の問題点を考慮し、補強紙でもなく、ガラス繊維でもない補強材について、各種の材料を研究しテストしてみた。特に、軽量であって、必要部分の補強を十分に確保できる補強構造を設けたものを得るものを追求して、各種の材料を研究しテストしてみた。
その結果、通常ではガラス繊維、植物繊維、カーボン繊維等の繊維体を補強部材とするのであるが、本発明では、発想を変換して、通常は接着剤として補強繊維等に含浸されているイソシアネート系等の熱可塑性樹脂を成型時の熱で硬化させてシート材として使用できないかと考えた。そのために、この熱硬化性樹脂を保持するための素材について、各種の素材を実験研究した。
その結果、上記熱可塑性樹脂と不織布とを混在させて混在シート状に形成し、この混在シートを成形すると補強効果を有するシートとすることができることを見いだした。特に、上記熱可塑性樹脂が不織布繊維の間に入り込んで両者が混在する形となり、上記熱可塑性樹脂シートに不織布が補強繊維として充填されたようになっており、この構造によって、補強効果が得られるものができたと思われる。
特に、上記混在シートとしたものを裏面層側の補強層と裏面層との間、又は裏面層側の補強層と基材層との間に配置して一緒に成形すれば、高剛性な成形内装材が得られることを見いだした。即ち、従来では不織布は吸音材やクッション材として成形天井に使用されているが、発明者らは、この不織布を従来のような使用形態ではなく、不織布と熱可塑性樹脂と混在させてシート状にして、成形することによって、高剛性な混在シート材として使用することとしたものである。
更に、成形天井であって、不織布と熱可塑性樹脂とが混在する混在シート層を車体の前後方向に均一幅の帯状に設けるようにすることによって、さらに補強機能を向上できるようにしたことを特徴とする。
具体的には、請求項1の発明は、硬質ウレタン発泡体からなる基材層と、該基材層の一方側に接合された第1補強層と、該第1補強層の外側に接合された表皮層と、該基材層の他方側に接合された第2補強層と、該第2補強層の外側に接合された裏面層とからなる車両用成形内装材であって、該第2補強層と該裏面層との間、又は該第2補強層と該基材層との間に、熱硬化性樹脂と不織布層との混在シート層が配置されている構成である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の車両用成形内装材において、該熱硬化性樹脂がイソシアネート系樹脂である構成である。
請求項3の発明は、請求項2に記載の車両用成形内装材において、該混在シート層の不織布が10g/m2〜100g/m2であり、イソシアネート系樹脂が不織布の80重量%〜120重量%である構成である。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用成形内装材において、車両用成形内装材が成形天井であり、該混在シート層が、該成形天井の車両前後方向両側面部に車両前後端部間に跨って帯状に設けられている構成である。
請求項5の発明は、請求項に4記載の車両用成形内装材において、該帯状の該混在シート層が車幅方向に均一幅で設けられている構成である。
請求項6の発明は、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用成形内装材において、車両用成形内装材が成形天井であり、該混在シート層が、車幅方向中央部に車両前後端部間に跨って車幅方向に均一幅の帯状で設けられている構成である。
請求項7の発明は、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用成形内装材において、車両用成形内装材が成形天井であり、該混在シート層が、該成形天井全面に設けられている構成である。
請求項8の発明は、請求項1ないし7いずれか1つに記載の車両用成形内装材において、該第1補強層及び第2補強層がガラス繊維層からなる構成である。
請求項9の発明は、硬質ウレタン発泡体からなるシート状基材層の一方側に第1補強層を接着剤を介して積層し、次いで上記第1補強層の外側に表皮層を配置すると共に、シート状基材層の他方側に第2補強層を接着剤を介して積層し、次いで該第2補強層の外側に、熱硬化性樹脂と不織布との混在シート層を積層し、さらに上記混在シート層の外側に裏面材を積層し、しかる後、この積層体を成形型内に配設して加熱加圧により一体成形する構成である。
請求項10の発明は、硬質ウレタン発泡体からなるシート状基材層の一方側に第1補強層を接着剤を介して積層し、次いで上記第1補強層の外側に表皮層を配置すると共に、次いで、シート基材層の他方側に熱硬化性樹脂と不織布との混在シート層を積層し、該混在シート層の外側に第2補強層を接着剤を介して積層し、さらに裏面材を積層し、しかる後、この積層体を成形型内に配設して加熱加圧により一体成形する構成である。
請求項1によれば、軽量の補強でありながら、混在シート層を成形した際に安定して形状を維持できると共に、成形内装材の必要部分の補強を十分に確保でき、また、混在シート層と補強層との接合強度も確保できる。
請求項2によれば、イソシアネート系樹脂の硬化により、混在シート層を成形した際に、安定して形状を維持でき、剛性を向上できる。特に、イソシアネート樹脂に対して不織布が混在するので、高剛性な混在シート層が所定形状に成形されると共に、ガラス繊維にイソシアネートを含浸したものに比較して極めて表面が滑らかであり、表面にシワが出ない。
請求項3の発明によれば、該不織布層に入り込んだイソシアネート樹脂が溢れ出ることなく、高剛性な成形強度を確保できる。
請求項4の発明によれば、成形天井の両側が前後方向に帯状に高剛性に成形されるので、凹凸の大きな成形天井であっても、安定した形状に成形でき、剛性を確保できる。成形型内で成形内装材の成形と同時に、補強層の成形・接合を行うことができ、成形内装材の剛性を向上できるとともに生産性に優れ、低コストを図れる。
請求項5の発明によれば、成形天井の長さに応じた長さで混在シート層をセットでき、基材層、補強層と重ねて混在シート層を一緒に成形できるので、混在シート層のための特別な成形工数を必要としないので、成形工数を低減できる。
請求項6の発明によれば、オーバーヘッドコンソール周辺やランプ周辺等を含む中央部分を確実に補強できる。
請求項7の発明によれば、成形天井全体の剛性を高めることができ、サンルーフ周り、サンバイザー周り等の凹凸に対して、別に補強材をセットする必要が無く、成形工数を低減できる。上記周りを高強度に成形でき、成形性に優れる。
請求項8の発明によれば、成形性に優れ、高い生産性で補強できる。
請求項9、10の発明によれば、成形型内で成形内装材の成形と同時に、混在シート層の成形・接合を行うことができるので、製造工程を低減できて生産性に優れる。
本発明では、成形内装材を成形天井材として使用する際には、基材層であるウレタンフォームはシート状であってよく、その厚さは、3〜10mmのものが使用される。混在シート層10は、不織布の目付が10g/m2〜100g/m2であり、特に20g/m2〜60g/m2が好ましい。不織布に対して、イソシアネート系樹脂が不織布の80重量%〜120重量%とすることが好ましい。特に、通常接着剤としてイソシアネート樹脂をガラス繊維等に塗布する際には、ガラス繊維の4分の1程度をガラス樹脂の表面に塗布するのみであるが、本発明では、ガラス繊維等の補強材の接着剤としてイソシアネート樹脂を用いるのではなく、イソシアネート樹脂と不織布が混在する混在シートとするものであるから、上記範囲とすることが好ましく、特にイソシアネート樹脂を不織布と同量程度とすることが好ましい。
不織布及びイソシアネート樹脂とも、少なすぎると混在シートしても剛性に欠けることとなり、多すぎると成型性が劣化すると共に重量増加・コストアップになるので、上記範囲とすることが好ましい。
本発明の第1補強層および第2補強層としては、一般的に使用されているガラス繊維のほかに、植物繊維を使用することができる。特に、補強層が植物繊維からなるものでは、成形時の剛性が高く、植物繊維が吸湿して伸縮又は剛性低下を招いても、成形品としての変形を許容範囲内に抑制でき、且つ使用後に焼却処分する際には、有害成分を発生することがなく、公害問題を起こす恐れがない。
その植物繊維としては、セルロースを主体とした植物を分岐切断または粉砕したものであって、麻、ケナフ、サイザル繊維、竹繊維、木質繊維、サトウキビ繊維が挙げられる。
木質繊維は木から得られる。木としては、杉、松、けやき、ひのき、ひば、桜、ポプラ、樅などが挙げられる。特にサイザル繊維が生産性、コスト等から好ましい。植物繊維は、ウレタンフォーム層の上下に、60〜300g/m2、例えば100〜200g/m2に補強材として均一に分布されるようにすることが好ましい。
植物繊維は直径1.0mm以下(例えば0.2〜0.8mm)且つ長さ10〜100mm(例えば30〜50mm)の間に寸法調整されたものが好ましい。この場合、繊維断面の短い長さのほうの長さを直径とした。この直径が1.0mmを超す繊維を補強材として使用すると、成形品表面に繊維の凹凸が現れ外観を著しく損なう。これらの繊維は簡単な設備で10〜100mmの長さに切断できる。長さが10mm以下では要求される補強効果が得られず、逆に繊維が長すぎると、互いに絡まって均一にフォーム上に分散できない。
自動車天井材のような大きな面積の成型品にも比較的簡単にかつ均一に散布でき、かつ十分な補強効果を得る為には10〜100mmの寸法が好ましい。
表面装飾用表皮としては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド系の織布または不織布、ビニールレザーが挙げられる。
製造方法としては、第1補強材及び第2補強層であるガラス繊維層にイソシアネート系接着剤を塗布した補強材シートを用意し、ウレタンフォームの両面に積層し、次いで、補強材シートの一方(第1補強材)の外側に表皮材を積層するとともに、他方(第2補強材)の外側にイソシアネート系樹脂と不織布との混在シートを積層し、その後、混在シート層の外側に裏面材を積層し、しかる後、この積層体を加熱した成形型内に配置して加熱加圧により一体成形する。
或いは、上記混在シートを第2補強材とウレタンフォームとの間に介在させて、第2補強材の上に裏面材を積層し、この積層体を加熱した成形型内に配置して加熱加圧により一体成形する。
また、ウレタンフォームの両面に、イソシアネート系接着剤を塗布(例えば、スプレー塗布)し、補強材用ガラス繊維を両面に散布して、一方に表皮材を積層し、他方にイソシアネート系樹脂と不織布との混在シートを積層し、さらに裏面材を積層したものを、加熱した成形型に配置して加熱加圧により硬化させ、成形型から成形品を取り出すようにしてもよい。
なお、ウレタンフォームの片面に、イソシアネート系接着剤を塗布(例えば、スプレー塗布)し、その上に補強材用ガラス繊維を散布して、さらに表皮材を積層し、ウレタンフォームの他面にイソシアネート系樹脂と不織布との混在シートを積層し、その上にイソシアネート系接着剤を塗布(例えば、スプレー塗布)してその上に補強材用ガラス繊維を散布し、さらに裏面材を積層したものを、加熱した成形型に配置して加熱加圧により硬化させ、成形型から成形品を取り出すようにしてもよい。
本発明では、イソシアネート系樹脂と不織布との混在シートは第2補強層と裏面層の間、又は第2補強層とウレタンフォーム層の間に配置されていることが必須である。
その理由を以下に述べる。
上記混在シートを第1補強層と表皮層間に配置した場合、イソシアネート量が少しでも多いと表面側にはみ出る恐れがあり、少ないとシートとしての機能が得られない。その上、混在シート内には空隙が殆どなくなることになり、吸音性能が低下する。
それに対して、混在シート層は第2補強層と裏面層の間、又は第2補強層とウレタンフォーム層の間に配置した場合には、イソシアネート量の管理が容易であり、表面側の見栄えを悪く恐れがない。特に、イソシアネート樹脂と不織布とが混在する混在シートであり、成型時の剛性は確保されるが、空隙が殆どないシートとなる。しかし、裏面サイドでは、吸音性能にほとんど寄与しないサイドであり、空隙が殆どないシートであっても問題とはならない。
以下、本発明の実施形態1に基づいて、本発明を具体的に説明する。
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1に係わる成形天井の部分図を示す。図2は、図1の実施形態1に使用する成形天井材の積層状態を説明する図である。なお、図1中、符号Fで示す矢印は車両のフロント側であることを示す。
成形天井1のフロント側の両側には、サンバイザー用の凹部2(片方のみ図示)が形成され、その中間位置にオーバーヘッドコンソール用の開口部3が形成されている。この部分の断面は、従来技術の図5と同様に、通常の平面から大きく窪んで形成されている。4は、両側部に設けられるアシストグリップの位置を示し、5はルームランプの位置を示す。
本発明では、このような成形天井の全体の剛性不足を補うために、図1に示すように、成形天井の両側部に、所定の幅で、混在シート層10を配置している。
この部分の断面は、図2に示すように、発泡ウレタンからなる基材層11の両側に、ガラス繊維や植物繊維からなる補強層12が配置され、その外側一方には表皮層13を配置し、他方には、混在シート層10・裏面層14を配置した構造である。混在シート層10は、ほぼ同量のイソシアネート樹脂と不織布との混在シートであり、成型天井1の両側に均等の所定幅で配置される。混在シート層10は、成形天井の成形型で基材等と共に成形される際に、所定の剛性を有するシート材として形成される。成形天井の両サイドを所定の高剛性に成形することで、オーバーヘッドコンソールやサンバイザーなどの開口や凹みがあっても、成形天井としても剛性を確保できるものである。
混在シート層10は、不織布の目付が10g/m2〜100g/m2であり、特に20g/m2〜60g/m2が好ましい。不織布に対して、イソシアネート系樹脂が不織布の80重量%〜120重量%とすることが好ましい。特に、上記不織布が分散するイソシアネート樹脂とするためには、イソシアネート系樹脂の量は、成形型内で不織布層から僅かに染み出る程度が好ましく、不織布の80重量%〜120重量%、特に略同量となっていることが好ましい。特に、イソシアネート量が少ないとシートとしての剛性が不足し、多いと発泡ウレタン側や裏面側にはみ出て形状の見栄えを悪くすることがあるので、上記範囲とすることが好ましい。
次に、本発明に係る成形内装材としての成形天井材の製造方法を説明する。
単位面積重量180g/m2の連続気泡を有する熱成形可能な硬質ウレタンフォームシート(1200mm×1600mm×厚さ5.5mm)を用意する。直径0.5mm以下、長さ30〜50mmのガラス繊維を約100g/m2の目付で均一に散布し、バインダ−で互いに接着した補強材を用意した。補強材にはイソシアネート系接着剤を塗布する。そして、イソシアネート樹脂:目付け25g/m2、不織布:目付け25g/m2のイソシアネート樹脂と不織布との混在シートを用意する。この混在シートは成型天井の全面ではなく、図1に示すように両サイドに設けるものであり、300mmの均等幅のものを用意する。
さらに、トリコット製表皮材及び裏面材を用意する。上記のように用意した各素材を、成形型内に表皮材−補強材−発泡ウレタンフォームシート−補強材−混在シート−裏面材の順で配置されるように積層する。成形型内で加圧成形するとともに、互いを接着させる。成形接着後、成形品を成形型から取り出し、幅:1200mm×1600mm、そして天井を形成する全ての材料を含めた総厚が7.5mmとなった成形天井を製造した。
これら成形品の剛性を比較した結果、従来のものに比較して飛躍的に剛性が向上した。
特に、ガラス繊維で成形天井の両側を上記実施形態1(混在シート)の場合と同レベルの剛性で補強するためには、ガラス繊維:130g/m2、接着剤:40g/m2を必要とした。このガラス繊維の場合に比較して、本発明では補強材の重量を大幅に低減できた。
上記実施形態1において、オーバーヘッドコンソール等が設けられる車幅方向中央部分の剛性を強化する場合には、この中央部分に一定幅の帯状で混在シート層を設けるように追加しても良い。或いは、補強が上記中央部分のみで良い場合には、実施形態1において混在シートを車幅方向両端部の代わりに中央部分に設けるようにしても良い。
(実施形態2)
次に、図3に基づいて、実施形態2を説明する。
実施形態1と異なる箇所のみ説明し、同じ箇所の説明は省略する。実施形態2では、混在シート層20を成形天井1の全面に設けたものである。この場合には、オーバーヘッドコンソールの開口部があっても、またサンルーフ用の開口部があっても、これらの周りの剛性を高くできるので、従来技術のような紙補強を設けなくても良い。更には、全面に混在シートを設けることによって、成型天井全体の剛性が従来に比較して向上するので、従来と同レベルの剛性で良い場合には、補強材として裏面材サイドに使用する第2補強材のガラス繊維量を少なくすることも可能となる。
なお、実施形態1及び実施形態2において、混在シート層10、20をガラス繊維層12と裏面紙14との間に配置したが、この位置でなく、ガラス繊維層12と基材層11との間に配置しても同様な剛性アップが得られ、本発明に含まれるものである。
(実施形態3)
上記実施形態1及び2では、補強材として良く使われているガラス繊維のもので成形天井を作成した。ただし、ガラス繊維を用いたものでは、製品成形時の成形端末の処分作業において、飛散すると作業環境を悪化する可能性がある。
それに対して、サイザル繊維等の植物繊維では、取り扱いが容易であり、この問題を有していないので、この素材を採用する動きの研究が各種検討されている。
従って、ガラス繊維に代えてサイザル繊維を用いた補強層についても、上記と同様に混在シート層を使用して成形天井を作成した。ただし、サイザル繊維は自然繊維であるために、ガラス繊維に比較して強度が劣るので、混在シート層を成形天井のほぼ全体にわたって設けた。
この実施形態3においても、高剛性な成形天井を得られた。
本発明の成形内装材は、自動車用成形内装材、例えば自動車用成形天井材、成形ドアトリム、リヤパッケージトレイ、フロア材等に使用できる。
本発明の実施形態1に係わり、自動車の成形天井の部分図を示す。 図1に使用する成形天井材の積層状態を説明する図である。 本発明の実施形態2に係わり、図1と同様な図を示す。 従来の成形天井の部分図を示す。 図4のA−A断面図を示す。 図4に使用する成形天井材の積層状態を説明する図である。
符号の説明
1 成形天井
10 混在シート層
11 基材層
12 補強層
13 表皮層
14 裏面層
20 混在シート層

Claims (10)

  1. 硬質ウレタン発泡体からなる基材層と、
    該基材層の一方側に接合された第1補強層と、
    該第1補強層の外側に接合された表皮層と、
    該基材層の他方側に接合された第2補強層と、
    該第2補強層の外側に接合された裏面層とからなる車両用成形内装材であって、
    該第2補強層と該裏面層との間、又は該第2補強層と該基材層との間に、熱硬化性樹脂と不織布層との混在シート層が配置されていることを特徴とする車両用成形内装材。
  2. 請求項1に記載の車両用成形内装材において、
    該熱硬化性樹脂がイソシアネート系樹脂であることを特徴とする車両用成形内装材。
  3. 請求項2に記載の車両用成形内装材において、
    該混在シート層の不織布が10g/m2〜100g/m2であり、イソシアネート系樹脂が不織布の80重量%〜120重量%であることを特徴とする車両用成形内装材。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用成形内装材において、
    車両用成形内装材が成形天井であり、該混在シート層が、該成形天井の車両前後方向両側面部に車両前後端部間に跨って帯状に設けられていることを特徴とする車両用成形内装材。
  5. 請求項4に記載の車両用成形内装材において、
    該帯状の該混在シート層が車幅方向に均一幅で設けられていることを特徴とする車両用成形内装材。
  6. 請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用成形内装材において、
    車両用成形内装材が成形天井であり、該混在シート層が、車幅方向中央部に車両前後端部間に跨って車幅方向に均一幅の帯状で設けられていることを特徴とする車両用成形内装材。
  7. 請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用成形内装材において、
    車両用成形内装材が成形天井であり、該混在シート層が、該成形天井全面に設けられていることを特徴とする車両用成形内装材。
  8. 請求項1ないし7いずれか1つに記載の車両用成形内装材において、
    該第1補強層及び第2補強層がガラス繊維層からなることを特徴とする車両用成形内装材。
  9. 硬質ウレタン発泡体からなるシート状基材層の一方側に第1補強層を接着剤を介して積層し、次いで上記第1補強層の外側に表皮層を配置すると共に、シート状基材層の他方側に第2補強層を接着剤を介して積層し、次いで該第2補強層の外側に、熱硬化性樹脂と不織布との混在シート層を積層し、さらに上記混在シート層の外側に裏面材を積層し、しかる後、この積層体を成形型内に配設して加熱加圧により一体成形することを特徴とする車両用成形内装材の製造方法。
  10. 硬質ウレタン発泡体からなるシート状基材層の一方側に第1補強層を接着剤を介して積層し、次いで上記第1補強層の外側に表皮層を配置すると共に、次いで、シート基材層の他方側に熱硬化性樹脂と不織布との混在シート層を積層し、該混在シート層の外側に第2補強層を接着剤を介して積層し、さらに裏面材を積層し、しかる後、この積層体を成形型内に配設して加熱加圧により一体成形することを特徴とする車両用成形内装材の製造方法。
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