JP4036701B2 - 成形内装材及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、形状安定性に優れた軽量の車両用成形天井材、成形ドアトリム、リヤパッケージトレイ、トノボード、車両用フロア材等の成形内装材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、熱成形可能な硬質フォーム等からなる基材層の両面に、この基材層を補強、強化するためのガラス繊維層等の補強層を形成し、この補強層の両面に表皮層と裏面層とを設けた車両用成形天井材等の成形内装材が知られている。
【0003】
これら成形内装材の製造方法としては、補強用シートもしくは基材層に熱硬化性樹脂を塗布したものを用意し、これに表皮と裏面紙とを重ね、加熱したプレス成形型で加圧成形するホットプレス方法が知られている。なお、透過性を防止するために、表皮と補強層との間にフィルムを挿入することも知られている。このような成形内装材の例としては、例えば、特開平08−246315号公報、特開平09−277415号公報及び特開平10−000716号公報等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最近では、レジャーカーやワンボックス車等において、天井にオーバーヘッドコンソールを設けたものが見受けられる。例えば、図3に示すような車両の成形天井21では、オーバーヘッドコンソールを設ける開口部23とその両側のサンバイザーを設ける部分22とで、図4に示すように、上下方向に大きく変形した形状に成形する必要がある。そして、オーバーヘッドコンソールを設ける開口部23では極度の伸びを要求されるため、矢印aで示すように、成形天井21の肉厚が薄くなり、剛性が不足するとともに所定の形状を得にくい。なお、図3中、符号Fで示す矢印は車両のフロント側であることを示す。
【0005】
また、図5に示すようなスライディングルーフの開口部25付近でも、上記と同様に成形天井21の肉厚が薄くなり、成形天井21を車体に取り付ける際の剛性が不足して成形天井21に折れ曲りが生じ、それに伴って表皮層に皺や損傷等を生じることがあった。
【0006】
そこで、オーバーヘッドコンソール部の剛性不足を補うために、一般的には、予めオーバーヘッドコンソールの周辺形状に沿った形の樹脂製補強構造体を用意しておき、成形天井の成形後に該当部分の裏面にこの樹脂製補強構造体を接着剤で貼り付けている。
【0007】
また、スライディングルーフ部の剛性不足を補うために、一般的には、剛性が不足する部分の形状に成形した鉄板や樹脂板を用意し、鉄板や樹脂板に接着剤を塗布して成形型にセットして成形と同時に接着したり、あるいは成形天井の成形後に接着剤で貼り合せるなどの手法を行っている。
【0008】
しかし、これらの従来技術では、強度が不足する部分を補強するために、鉄板や樹脂材等をその補強部分に対応する形状に予め作成する必要がある。その上、接着剤を塗布して成形型にセットしたり、後から貼り付けたりすることが必要なために工程が煩雑となっていた。また、部品コストや製造コストが高かった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明では、上記従来技術の問題点を考慮し、必要部分の補強を確保できると同時に、補強部材を容易に製造でき、必要部分にセットできるようにすることを目的とする。特に、補強部材を別途成形して用意するのではなく、成形型内で成形天井材等の成形と同時に補強部材を成形・接合できるようにすることを特徴とする。
【0010】
具体的には、請求項1の発明は、硬質発泡体からなる基材層と、該基材層の両側に接合された補強層と、該両補強層の外側にそれぞれ接合された表皮層及び裏面層とを備えた成形内装材であって、上記補強層は、ガラス繊維、サイザル繊維、麻、ケナフ、竹繊維、木質繊維、サボテン繊維、サトウキビ繊維の少なくとも1種からなる補強材シートに熱硬化性接着剤が塗布されて形成された層であり、上記補強層と裏面層との間に、熱硬化性樹脂からなる接着剤を含漬した紙材層が配置されている構成である。
【0011】
請求項2の発明は、硬質発泡体からなる基材層と、該基材層の両側に接合された補強層と、該両補強層の外側にそれぞれ接合された表皮層及び裏面層とを備えた成形内装材であって、上記補強層は、ガラス繊維、サイザル繊維、麻、ケナフ、竹繊維、木質繊維、サボテン繊維、サトウキビ繊維の少なくとも1種からなる繊維を、熱硬化性接着剤が両面に塗布された基材層の両面に散布して形成された層であり、上記補強層と裏面層との間に、熱硬化性樹脂からなる接着剤を含漬した紙材層が配置されている構成である。
【0012】
請求項1,2の構成では、成形型内で成形内装材の成形と同時に、補強層の成形・接合を行うことができるので、製造工程が容易であり、低コストで製造できる。また、補強層が、ガラス繊維、サイザル繊維、麻、ケナフ、竹繊維、木質繊維、サボテン繊維、サトウキビ繊維の少なくとも1種からなるので、自然の素材であって焼却処分時に有害成分が発生せず、また、低コストで入手できる。特に、補強層がサイザル繊維からなる場合、このサイザル繊維は、既にロープや麻袋等の原料として使用されている材料であり、容易に且つ低コストで入手できる。また、車両用の成形天井等のように多量に使用する際にも、安定した品質で所定量確保でき、好適である。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の成形内装材において、熱硬化性樹脂がイソシアネート系樹脂であるので、イソシアネート系樹脂の硬化により、紙材層を成形した際に、安定して形状を維持でき、剛性を向上できる。また、紙材層と補強層との接合強度も確保できる。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の成形内装材において、紙材層が0.1mm〜3.0mmの厚さであるので、紙材層を成形した際に、安定して形状を維持でき、剛性を向上できる。
【0015】
請求項5の発明は、請求項4に記載の成形内装材において、紙材層が0.2mm〜2.0mmの厚さであるので、紙材層を成形した際に、更に安定して形状を維持でき、剛性を向上できる。
【0016】
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の成形内装材において、成形内装材が成形天井材であって、紙材層が、天井に配設されるオーバーヘッドコンソール部の周辺付近に配置されているので、この周辺付近の剛性不足を補強でき、折れ曲り等の不具合を低減できる。
【0017】
請求項7の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の成形内装材において、成形内装材が成形天井材であって、紙材層が、開閉式のサンルーフを備えた車両の該サンルーフ部の周辺付近に配置されているので、この周辺付近の剛性不足を補強でき、折れ曲り等の不具合を低減できる。
【0018】
請求項8の発明は、硬質発泡体からなるシート状基材の両側に、ガラス繊維、サイザル繊維、麻、ケナフ、竹繊維、木質繊維、サボテン繊維、サトウキビ繊維の少なくとも1種 からなる補強材シートに熱硬化性接着剤が塗布された補強材を上記熱硬化性接着剤を介して積層し、次いで、上記補強材の一方側に表皮材を配置するとともに、他方側に熱硬化性樹脂からなる接着剤を含浸した紙材を積層し、その後、上記紙材の外側に裏面材を積層し、しかる後、この積層体を成形型内に配置して加熱加圧により一体成形する構成である。
【0019】
請求項9の発明は、熱硬化性接着剤が両面に塗布された硬質発泡体からなるシート状基材の両面に、ガラス繊維、サイザル繊維、麻、ケナフ、竹繊維、木質繊維、サボテン繊維、サトウキビ繊維の少なくとも1種からなる繊維を散布し、次いで、上記補強材の一方側に表皮材を配置するとともに、他方側に熱硬化性樹脂からなる接着剤を含浸した紙材を積層し、その後、上記紙材の外側に裏面材を積層し、しかる後、この積層体を成形型内に配置して加熱加圧により一体成形する構成である。
【0020】
請求項8,9の成形内装材の製造方法によれば、紙材層を成形内装材の成形と同時成形できるので、製造工程を低減できて生産性に優れる。
【0021】
本発明に使用する紙材としては、再生紙、馬糞紙、良質紙、硬質紙等の各種紙材が使用可能である。本発明での紙材は、含有されるイソシアネート系接着剤が硬化した際に必要な強度を得るために、所定の厚さが必要である。但し、再生紙、良質紙等紙の紙質によって本来持っている強度が異なる。その上、成形天井材として用いる場合においては、成形天井材の形状や大きさ、オーバーヘッドコンソールの有無とその形状・大きさ、サンルーフの有無とその形状・大きさにより、要求剛性に差がある。また、紙材層の厚さは、厚すぎると成形しにくなり、薄すぎると成形後の剛性不足になる。従って、紙材層の厚さは、0.1mm〜3.0mmが好ましく、特に紙材層が0.2mm〜2.0mmの厚さであることがより好ましい。
【0022】
また、上記紙材に含浸されるイソシアネート系接着剤の量は、成形型内で紙材層から僅かに染み出て、この紙材層を補強層に接合できる程度でよく、紙材の片面に刷毛で塗布したものでよい。特にイソシアネート量が多いと成形時にはみ出て、成形型内に溢れ離型性を悪くする。また、イソシアネート量が多いと発泡ウレタン側や表皮側にはみ出て表面形状の見栄えを悪くすることがあるので、好ましくない。
【0023】
本発明の成形内装材は、自動車用成形内装材、例えば自動車用成形天井材、成形ドアトリム、リヤパッケージトレイ、フロア材等に使用できる。自動車に限らず、他の乗物にも適用可能である。成形天井材として使用する際には、ウレタンフォームからできている層の厚さは、3〜10mm、植物繊維と熱硬化性接着剤からできている層の厚さは、0.2〜2mmのものが使用される。
【0024】
本発明の補強層としては、ガラス繊維のほかに、植物繊維を使用することができる。その植物繊維としては、セルロースを主体とした植物を分岐切断または粉砕したものであって、麻、ケナフ、サイザル繊維、竹繊維、木質繊維、サトウキビ繊維、サボテン繊維が挙げられる。木質繊維は木から得られる。木としては、杉、松、けやき、ひのき、ひば、桜、ポプラ、樅などが挙げられる。特にサイザル繊維が生産性、コスト等から好ましい。植物繊維は、ウレタンフォーム層の上下に、60〜300g/m2、例えば100〜200g/m2に補強材として均一に分布されるようにすることが好ましい。
【0025】
植物繊維は直径1.0mm以下(例えば0.2〜0.8mm)且つ長さ10〜100mm(例えば30〜50mm)の間に寸法調整されたものが好ましい。この場合、繊維断面の短い長さのほうの長さを直径とした。この直径が1.0mmを超す繊維を補強材として使用すると、成形品表面に繊維の凹凸が現れ外観を著しく損なう。これらの繊維は簡単な設備で10〜100mmの長さに切断できる。長さが10mm以下では要求される補強効果が得られず、逆に繊維が長すぎると、互いに絡まって均一にフォーム上に分散できない。自動車天井材のような大きな面積の成形品にも比較的簡単にかつ均一に散布でき、かつ十分な補強効果を得る為には10〜100mmの寸法が好ましい。
【0026】
基材層は硬質ウレタンフォームが好ましい。ウレタンフォームは、シート状であってよく、その厚さは用途によって異なるが、成形天井の場合には通常3〜10mmのものが使用される。熱硬化性接着剤は、芳香族ポリイソシアネート、水、触媒、必要に応じてポリオールからなる接着剤である。熱硬化性接着剤としては、上記特開2001−047544号公報に記載されたものや、通常に使用されている接着剤が使用できる。熱硬化性接着剤の量は、100g/m2の補強層用のマット材に対して、10〜150g/m2の接着剤、好ましくは15〜70g/m2の接着剤を塗布して使用される。更に、好ましくは、15〜40g/m2である。15g/m2以下、特に10g/m2以下では、接着剤の量が不十分であり、150g/m2以上になると接着剤が多すぎて、取り扱いが難しくなる。特に40g/m2以下であれば、余分な接着剤のはみ出しが無く、取り扱いが容易であり、接着剤はみ出し防止用のフイルムを設けなくても良いメリットを有する。
【0027】
必要に応じて、接着剤染み出し防止用フィルムを、補強層と表皮層の間に配置してもよい。表面装飾用表皮としては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド系の織布または不織布、ビニールレザーが挙げられる。
【0028】
製造方法としては、補強材に熱硬化性接着剤を塗布した補強材シートを用意し、ウレタンフォームの両面に積層し、次いで、補強材シートの一方の外側に表皮材を積層するとともに、他方の外側にイソシアネート系接着剤を含浸させた紙材を積層し、その後、紙材の外側に裏面材を積層し、しかる後、この積層体を加熱した成形型内に配置して加熱加圧により一体成形する。また、ウレタンフォームの両面に、熱硬化性接着剤を塗布(例えば、スプレー塗布)し、補強材用繊維を両面に散布し、一方に表皮材を積層し、他方にイソシアネート系接着剤を含浸させた紙材、裏面材を積層したものを、加熱した成形型に配置して加熱加圧により接着剤を硬化させ、成形型から成形品を取り出すようにしてもよい。
【0029】
本発明では、紙材は補強材と裏面材の間に配置されていることが必須である。その理由を以下に述べる。紙材を補強材とウレタンフォームとの間に配置すると、紙材に含有するイソシアネート系接着剤で補強材とウレタンフォームとを接合する必要があるが、紙材の存在により接合が十分に確保できない。そのために、紙材に含有するイソシアネートを多くすると、染み出て前に述べたように問題を発生する。また、紙材を補強材と表皮材間に配置した場合、イソシアネート量が少しでも多いと表面側にはみ出る恐れがあり、少ないと接着不良となる恐れがあるので、イソシアネート量の管理が厳しい。それに対して、補強材と裏面材間であれば、イソシアネート量の管理が容易であり、表面側の見栄えを悪く恐れがない。補強材と裏面材間に紙材を配置すると、成形後の剛性確保に必要なイソシアネート及び紙材を設けることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例を示し、本発明を具体的に説明する。図1は自動車の成形天井の部分図を示し、図2は図1に使用する成形天井材の積層状態を説明する図である。なお、図1中、符号Fで示す矢印は車両のフロント側であることを示す。
【0031】
成形天井1のフロント側の両側には、サンバイザー用の凹部2が形成され、その中間位置にオーバーヘッドコンソール用の開口部3が形成されている。この部分の断面は、従来技術の図4と同様に、通常の平面から大きく窪んで形成されている。本発明では、この部分の剛性不足を補うために、図1の斜線領域に紙材層10を配置している。この部分の断面は、図2に示すように、発泡ウレタンからなる基材層11の両側に、ガラス繊維や植物繊維からなる補強層12が配置され、その外側一方には表皮層13を配置し、他方には、紙材層10・裏面層14を配置した構造である。
【0032】
図1に示すように、成形天井1の断面形状が大きく変化するオーバーヘッドコンソール用開口部3の近辺に紙材層10を配設したので、剛性不足を補うことができる。
【0033】
次に、本発明に係る成形内装材としての成形天井材の製造方法を説明する。
【0034】
単位面積重量180g/m2の連続気泡を有する熱成形可能な硬質ウレタンフォームシート(1200mm×1600mm×厚さ5.5mm)を用意する。直径0.5mm以下、長さ30〜50mmのガラス繊維を約100g/m2の目付で均一に散布し、バインダ−で互いに接着した補強材を用意した。補強材にはイソシアネート系接着剤を塗布する。そして、両面にイソシアネート系接着剤を塗布した紙材を用意する。さらに、トリコット製表皮材及び裏面材を用意する。
【0035】
上記のように用意した各素材を、成形型内に表皮材−補強材−発泡ウレタンフォームシート−補強材−紙材−裏面材の順で配置されるように積層する。成形型内で加圧成形するとともに、互いを接着させる。成形接着後、成形品を成形型から取り出し、幅:1200mm×1600mm、そして天井を形成する全ての材料を含めた総厚が7.5mmとなった成形天井を製造した。
【0036】
上記紙材として、2mmの再生紙、1mmの良質紙、0.2mmの硬質紙を用意し、その両面にイソシアネート系接着剤を刷毛で軽く塗布した。これらの紙材を、図1に示すような位置に配置して、成形天井用の成形型で成形した。これら成形品の剛性を比較した結果、従来のものに比較して飛躍的に剛性が向上し、特に、開口部3付近の剛性が改善された。
【0037】
上記実施例では、補強材として良く使われているガラス繊維のもので成形天井を作成した。ただし、ガラス繊維を用いたものでは、製品成形時の成形端末の処分作業において、飛散すると作業環境を悪化する可能性がある。それに対して、サイザル繊維等の植物繊維では、取り扱いが容易であり、この問題を有していないので、この素材を採用する動きの研究が各種検討されている。従って、ガラス繊維に代えてサイザル繊維を用いた補強層についても、上記と同様に紙材を使用して成形天井を作成した。
【0038】
ただし、サイザル繊維は自然繊維であるために、ガラス繊維に比較して吸湿性があり、経年変化で吸湿して剛性が低下し、成形天井の一部が垂れ下がるなどの不具合を生じる可能性がある。そのために、本実施例では、紙材をオーバーヘッドコンソール用の開口部3付近だけでなく、成形天井のほぼ全体にわたって設けた。すると、オーバーヘッドコンソール用の開口部3付近の剛性を向上するだけでなく、成形天井1全体の剛性も向上でき、垂れ下がりの不具合も解消できた。
【0039】
なお、上記実施例では、紙材をオーバーヘッドコンソール用の開口部3の近辺だけに設けたが、他にも剛性が不足する箇所があれば、その箇所にも受けてもよい。また、成形天井1全体に設けてもよい。また、スライディングルーフ用開口部の周辺に設けてもよい。
【0040】
また、上記紙材での剛性改善を強く要求される部分には、特別に紙材を厚く設けることも可能であり、別の方法として、カーボン繊維などの補強繊維を追加してもよい。その際には、紙材と積層してもよいし、混合体としてもよい。
【0041】
紙材に含浸するイソシアネート系接着剤は、上記実施例のように紙材表面に刷毛塗りでもよく、また、ローラ塗り、ロールコータ、吹き付け等各種の含浸手段が適用できる。
【0042】
【発明の効果】
本発明では、硬質発泡体からなる基材層と、該基材層の両側に接合された補強層と、該両補強層の外側にそれぞれ接合された表皮層及び裏面層とを備えた成形内装材であって、上記補強層は、ガラス繊維、サイザル繊維、麻、ケナフ、竹繊維、木質繊維、サボテン繊維、サトウキビ繊維の少なくとも1種からなる補強材シートに熱硬化性接着剤が塗布されて形成された層であるか、又は、ガラス繊維、サイザル繊維、麻、ケナフ、竹繊維、木質繊維、サボテン繊維、サトウキビ繊維の少なくとも1種からなる繊維を、熱硬化性接着剤が両面に塗布された基材層の両面に散布して形成された層であり、上記補強層と裏面層との間に、熱硬化性樹脂からなる接着剤を含漬した紙材層が配設されている構成であるので、成形型内で成形内装材の成形と同時に、補強層の成形・接合を行うことができ、成形内装材の剛性を向上できるとともに生産性に優れ、低コストを図れる。
【0043】
特に、補強層が植物繊維からなるものでは、成形時の剛性が高く、植物繊維が吸湿して伸縮又は剛性低下を招いても、成形品としての変形を許容範囲内に抑制でき、且つ使用後に焼却処分する際には、有害成分を発生することがなく、公害問題を起こす恐れがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 自動車の成形天井の部分図を示す。
【図2】 図2は図1に使用する成形天井材の積層状態を説明する図である。
【図3】 従来の成形天井の部分図を示す。
【図4】 図3のA−A断面図を示す。
【図5】 従来の別の成形天井の部分図を示す。
【符号の説明】
1 成形天井
10 紙材層
11 基材層
12 補強層
13 表皮層
14 裏面層
Claims (9)
- 硬質発泡体からなる基材層と、
該基材層の両側に接合された補強層と、
該両補強層の外側にそれぞれ接合された表皮層及び裏面層とを備えた成形内装材であって、
上記補強層は、ガラス繊維、サイザル繊維、麻、ケナフ、竹繊維、木質繊維、サボテン繊維、サトウキビ繊維の少なくとも1種からなる補強材シートに熱硬化性接着剤が塗布されて形成された層であり、
上記補強層と裏面層との間に、熱硬化性樹脂からなる接着剤を含漬した紙材層が配置されていることを特徴とする成形内装材。 - 硬質発泡体からなる基材層と、
該基材層の両側に接合された補強層と、
該両補強層の外側にそれぞれ接合された表皮層及び裏面層とを備えた成形内装材であって、
上記補強層は、ガラス繊維、サイザル繊維、麻、ケナフ、竹繊維、木質繊維、サボテン繊維、サトウキビ繊維の少なくとも1種からなる繊維を、熱硬化性接着剤が両面に塗布された基材層の両面に散布して形成された層であり、
上記補強層と裏面層との間に、熱硬化性樹脂からなる接着剤を含漬した紙材層が配置されていることを特徴とする成形内装材。 - 請求項1又は2に記載の成形内装材において、
熱硬化性樹脂がイソシアネート系樹脂であることを特徴とする成形内装材。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載の成形内装材において、
紙材層が0.1mm〜3.0mmの厚さであることを特徴とする成形内装材。 - 請求項4に記載の成形内装材において、
紙材層が0.2mm〜2.0mmの厚さであることを特徴とする成形内装材。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載の成形内装材において、
成形内装材が成形天井材であって、紙材層が、天井に配設されるオーバーヘッドコンソール部の周辺付近に配置されていることを特徴とする成形内装材。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載の成形内装材において、
成形内装材が成形天井材であって、紙材層が、開閉式のサンルーフを備えた車両の該サンルーフ部の周辺付近に配置されていることを特徴とする成形内装材。 - 硬質発泡体からなるシート状基材の両側に、ガラス繊維、サイザル繊維、麻、ケナフ、竹繊維、木質繊維、サボテン繊維、サトウキビ繊維の少なくとも1種からなる補強材シートに熱硬化性接着剤が塗布された補強材を上記熱硬化性接着剤を介して積層し、
次いで、上記補強材の一方側に表皮材を配置するとともに、他方側に熱硬化性樹脂からなる接着剤を含浸した紙材を積層し、
その後、上記紙材の外側に裏面材を積層し、
しかる後、この積層体を成形型内に配置して加熱加圧により一体成形することを特徴とする成形内装材の製造方法。 - 熱硬化性接着剤が両面に塗布された硬質発泡体からなるシート状基材の両面に、ガラス繊維、サイザル繊維、麻、ケナフ、竹繊維、木質繊維、サボテン繊維、サトウキビ繊維の少なくとも1種からなる繊維を散布し、
次いで、上記補強材の一方側に表皮材を配置するとともに、他方側に熱硬化性樹脂からなる接着剤を含浸した紙材を積層し、
その後、上記紙材の外側に裏面材を積層し、
しかる後、この積層体を成形型内に配置して加熱加圧により一体成形することを特徴とする成形内装材の製造方法。
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