JP3066872U - インナ―パッド付き箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インナーパッドを身箱または蓋に対し組み合
わせる際に両者の位置決めが常に的確になされ、インナ
ーパッドの位置決定に時間を要することなく、迅速な箱
または蓋とインナーパッドとの組み立て作業がなし得る
ようにしたものである。 【解決手段】 箱体の向き合った１組の壁面または該壁
面と接する前記インナーパッドＣの端面のいずれか一方
に、該壁面とインナーパッドとが接する面に対して直角
方向に突き出てインナーパッドの箱からの脱出を防止す
る位置決め片４０を設け、他方に前記位置決め片が嵌ま
り込む切除部１０を設けると共に、前記位置決め片４０
と該位置決め片が嵌まり込む切除部１０は、それぞれを
箱体の中心線Ｘから偏った位置に配設して、インナーパ
ッドの箱体に対する逆転配置を不可能にするべく形成さ
れていることを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、インナーパッド付き包装箱に関する。特に身と蓋とからなる被せ箱 形式の包装箱において、身と蓋の一方または双方に、商品の固定と緩衝のために インナーパッドを設けてなる包装箱に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来から液体洗剤、化粧品、薬品、あるいは食料品等の詰め合わせセットを収 容する箱として、身箱と蓋とからなる図１に示すような被せ箱形式の包装箱が広 く使用されている。この種の包装箱は、箱に重厚さと強さを与えるために、箱の 側壁を２重構造にしたダブルウオールカートンが利用されていた。

【０００３】 また商品の展示効果を高めるために、身箱Ｂの高さｈを蓋Ａの高さＨより低く し、インナーパッドを身箱にはめ込んで、身箱から商品が大きく露出するように 底上げして収容されていた。 さらにまた、蓋Ａの内側にも商品の固定と緩衝のために、図２のようにインナ ーパッドＣをセットし、運搬時に身箱に収納した商品が脱出したり、移動したり 、流通時の衝撃によって商品が損傷をうけることがないような対策がとられてい た。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかるに図示のようなインナーパッドＣを身箱または蓋Ａにセットする際に、 インナーパッドの向きを左右逆に取り付けると、内容物である商品の天地とイン ナーパッドの天地とが合わなくなり、商品固定用凹みＤに商品をはめこむことが できない。 そこで、インナーパッドを身箱または蓋に対してセットする際に、誤った取り 付け方をしないようにする必要がある。そのため、位置決めを正確にするために インナーパッドの位置決定に時間を要し、身箱または蓋とインナーパッドとのセ ット組み立て作業が迅速になし得ないという欠点を有している。

【０００５】 ここにおいて本考案の目的は、インナーパッドを身箱または蓋に対し組み合わ せる際に両者の位置決めが常に的確になされ、インナーパッドの位置決定に時間 を要することなく、迅速な箱または蓋とパッドとの組み立て作業がなし得るよう にしたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために、請求項１の考案は、箱体の４側壁の内側に、商 品固定用インナーパッドをはめ込んで商品を固定する包装箱において、 前記箱体の向き合った１組の壁面または該壁面と接する前記インナーパッドの 端面のいずれか一方に、該壁面とインナーパッドとが接する面に対して直角方向 に突き出てインナーパッドの箱からの脱出を防止する位置決め片を設け、他方に 前記位置決め片が嵌まり込む切除部を設けると共に、前記位置決め片と該位置決 め片が嵌まり込む切除部は、それぞれを箱体の中心線から偏った位置に配設して 、インナーパッドの箱体に対する逆転配置を不可能にするべく形成されているこ とを特徴とするインナーパッド付き包装箱である。

【０００７】 請求項２の考案は、蓋と身箱とからなる被せ箱において、前記身箱内にはめ込 まれた商品固定用インナーパッドの端面に、身箱内壁面とインナーパッドとが接 する面に対して直角方向に突き出てインナーパッドの箱からの脱出を防止する位 置決め片を設ける一方、身箱内壁面に前記位置決め片が嵌まり込む穴または凹部 を設け、さらに前記位置決め片と該位置決め片が嵌まりこむ穴または凹部は、そ れぞれを被せ箱の中心線から偏った位置に配設して、インナーパッドの身箱に対 する逆転配置を不可能にするべく形成されていることを特徴とするインナーパッ ド付き箱である。

【０００８】 請求項３の考案は、蓋と身箱とからなる被せ箱において、前記蓋内にはめ込ま れた商品固定用インナーパッドの端面に、蓋の内壁面とインナーパッドとが接す る面に対して直角方向に突き出てインナーパッドの蓋からの脱出を防止する位置 決め片を設ける一方、蓋の内壁面に前記位置決め片が嵌まり込む穴または凹部を 設け、さらに前記位置決め片と該位置決め片が嵌まりこむ穴または凹部は、それ ぞれを被せ箱の中心線から偏った位置に配設して、インナーパッドの蓋に対する 逆転配置を不可能にするべく形成されていることを特徴とするインナーパッド付 き箱である。

【０００９】 請求項４の考案は、蓋と身箱の双方が共に側壁の４面が外側板と内側板とによ り２重壁構造となるように組立られたダブルウオールカートンであって、前記蓋 あるいは身箱の少なく一方に、商品固定用インナーパッドがはめ込まれていると 共に、前記蓋あるいは身箱において向き合った１組の２重壁または該２重壁と接 する前記インナーパッドの端面のいずれか一方に、該２重壁とインナーパッドと が接する面に対して直角方向に突き出てインナーパッドの前記蓋あるいは身箱か らの脱出を防止する位置決め片を設け、他方に前記位置決め片が嵌まり込む穴ま たは凹部を設けると共に、前記位置決め片と該位置決め片が嵌まり込む穴または 凹部は、それぞれを身箱の中心線から偏った位置に配設して、インナーパッドの 箱体に対する逆転配置を不可能にするべく形成されていることを特徴とするイン ナーパッド付き包装箱である。

【００１０】 請求項５の考案は、前記インナーパッドに、商品をはめ込む凹部と、取り外し 用摘み穴が設けられている請求項１ないし４記載の包装箱である。

【００１１】 なお、本明細書において壁面の設ける切除部とは、壁面に設ける穴や切り欠き 、または凹部を意味する。またダブルウオールカートンとは、外側板と内側板と を連設してなる２重壁構造をもったカートンや、外側板と内側板との間に縁板を 有した額縁タイプの２重壁構造をもったカートンを意味している。

【００１２】

【考案の実施の形態】

本考案の実施の一形態を図面により具体的に説明する。 図１は、石鹸などのギフト用商品を収容した被せ箱形式の包装箱の分解斜視図 であり、図２はその蓋Ａを裏返してみた図である。 図２において、符号Ｃが本考案でいうインナーパッドであり、俗に「枕」とか「 蓋枕」と呼ばれている。インナーパッドの端面には、蓋の内壁面とインナーパッ ドとが接する面に対して直角方向に突き出てインナーパッドの蓋からの脱出を防 止する位置決め片４０を設けたものである。 図３は蓋Ａの内部から、インナーパッドＣを取り外して状態を示した斜視図で ある。

【００１３】 なお図４は本実施の形態におけるインナーパッドを装着する蓋Ａの展開図、図 ５はインナーパッドの展開図である。蓋は、表面にオフセット印刷をした一例と して坪量４００ｇ／ｍ^２のコートボール紙を用いて打ち抜き形成されている。ま たインナーパッドも同様な素材を用いて形成することを可とする。

【００１４】 蓋Ａは、図４の展開図に示すように、ブランクシート２０の中央に矩形の天板 １を区画して、その矩形状天板１の相対する２辺（短辺側）に、両側にフラップ ３ａ，３ａを有する外側板２と、両側に係止片６ａを有する内側板４を順次形成 する。また、他方の相対する２辺（長辺側）に、両側にフラップ３ｂ，３ｂを有 する外側板７と、両側に前記係止片６ａがはまり込んで係合する切り欠き６ｂを 有する内側板８を順次形成する。なお、符号５は前記内側板４の外側に連設した 端縁板である。 符号１０は、短辺側の内側板４に形成した後記する位置決め片が嵌まり込む切 除部であり、この位置決め片が嵌まり込む切除部は、それぞれを箱体の中心線Ｘ から偏った位置に配設されている。 ところで、符号１１はフラップ３ａと３ｂとの間に形成した、４５度の角度を 有した折り目線である。また、１２は内側板８の両側に付設した連結用フラップ である。

【００１５】 さて、図５は前記蓋Ａの内部に装着するインナーパッドＣの展開図であり、シ ート３０の中央に蓋側の天板１に対応する大きさの敷き板３１を形成し、その相 対する２辺（短辺側）に、両側にフラップ３３ａ，３３ａを有する外側板３２と 、両側に係止片３６ａを有する内側板３４を順次形成する。また、他方の相対す る２辺（長辺側）に、両側にフラップ３３ｂ，３３ｂを有する外側板３７と、両 側に前記係止片３６ａがはまり込んで係合する切り欠き３６ｂを有する内側板３ ８を順次形成する。符号３５は前記内側板４の外側に連設した端縁板である。

【００１６】 符号４０で示すものは、前記インナーパッドの位置決め片であり、敷き板３１ から相対する短辺側外側板３２に向かってほぼ直角に突出するように切線４１に より形成されている。４２は位置決め片に設ける折線である。なお、この位置決 め片４０は、蓋Ａの内側板４に形成した位置決め片が嵌まり込む切除部１０に対 応して設けられている。この位置決め片４０と位置決め片が嵌まり込む切除部１ ０は、インナーパッドの身箱に対する逆転配置を不可能にすべく、それぞれを箱 体の中心線Ｘから偏った位置に配設されている。符号４３は敷き板３１に商品を はめ込む凹部Ｄを形成するための折線である。また、符号４４は同じく切線であ り、４５は取り外し用摘み穴である。

【００１７】 上記ブランクシートから図２に示したように、蓋Ａを組み立てる場合は先ず、 長辺側の内側板８を外側板７の上に折り重ねた後、この内外両側板７，８を天板 １に対して垂直に立ち上げる。次に、両フラップ３ｂ，３ｂ間の折り目１１を介 して、その両フラップ３ｂ，３ｂを合掌させるように内側に折り曲げながら、短 辺側の外側板２を垂直に立ち上げ、かつ内側板４を外側板２の内側に来るように 折り曲げて、端縁板５を天板１に当接させ、また内側板４の両側に設けた前記係 止片６ａが隣接する内側板８の切り欠き６ｂ内にはまり込むようにする。

【００１８】 インナーパッドは、敷き板３１に対して先ず長辺側の外側板３７を垂直に折り 曲げ、しかる後内側板３８を外側板３７の内側に折り重ねる。次ぎに、敷き板３ １に対して短辺側の外側板３２を垂直に立ち上げ、かつ内側板４を外側板３２の 内側に来るように折り曲げて、さらに端縁板３５を敷き板３１の裏側に当接させ 、また内側板３４の両側に設けた前記係止片３６ａが隣接する内側板３８の切り 欠き３６ｂ内にはめ込んで図３のように組み立てる。

【００１９】 図３の状態から、取り外し用摘み穴４５によりインナーパッドＣを蓋Ａ内に押 し込むときは、インナーパッドＣ側の位置決め片４０と、蓋Ａの内側板４に形成 した位置決め片が嵌まり込む切除部１０とを合わせ、その切除部１０に位置決め 片４０をはめ込む。 このようにすると、蓋とインナーパッドの取付位置関係が正常であれば、イン ナーパッドの端面から突き出た位置決め片４０は、蓋の内壁面とインナーパッド とが接する面に対して直角方向に突き出て位置決め片と切除部１０とは嵌合する 。よって蓋を傾けたり、落としたり、裏返したとき、変形を伴う力や衝撃によっ て、インナーパッドの蓋からの脱出を防止するのであるが、蓋とインナーパッド の取付位置関係が不正常であれば、位置決め片と切除部とは嵌合しない。よって 、逆転配置が不可能になる。

【００２０】 なお、上記の実施の形態においては、蓋ＡにインナーパッドＣをはめ込んだ例 を示したが、身箱Ｂの方にインナーパッドをはめ込む場合にも、前記と同様にし て、インナーパッドの脱出と逆転配置を阻止する位置決め片と切除部とを設ける ことができるのである。

【００２１】

【考案の効果】

以上のべたように、本考案によれば、インナーパッドを身箱または蓋に対し組 み合わせる際に両者の位置決めが常に的確になされ、インナーパッドの位置決定 に時間を要することなく、迅速な箱または蓋とパッドとの組み立て作業がなし得 るものである。また蓋あるいは身箱を傾けたり、落としたり、裏返したとき、変 形を伴う力や衝撃によって、インナーパッドが脱出するのを防ぐことができる点 でもきわめて有用なものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本考案に係る蓋Ａと身箱Ｂとの組み合わ
せからなる被せ箱の斜視図である。

【図２】図２は図１の蓋を裏返してみた図である。

【図３】図３は図２の蓋からインナーパッドを取り外し
た図である。

【図４】図４は蓋の展開図である。

【図５】図５は前記蓋Ａの内部に装着するインナーパッ
ドＣの展開図である。

【符号の説明】

Ａ 蓋 Ｂ 身箱 Ｃ インナーパッド Ｄ 商品固定用凹部 １ 天板 ２ 外側板 ３ａ フラップ ４ 内側板 ５ 端縁板 ６ａ 係止片 ６ｂ 切り欠き ７ 外側板 １０ 切除部 ２０，３０ ブランクシート ３１ 敷き板 ３２ 外側板 ３３ａ フラップ ３４ 内側板 ３５ 端縁板 ３７ 外側板 ３８ 内側板 ４０ 位置決め片

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 箱体の４側壁の内側に、商品固定用イン
   ナーパッドをはめ込んで商品を固定する包装箱におい
   て、 前記箱体の向き合った１組の壁面または該壁面と接する
   前記インナーパッドの端面のいずれか一方に、該壁面と
   インナーパッドとが接する面に対して直角方向に突き出
   てインナーパッドの箱からの脱出を防止する位置決め片
   を設け、他方に前記位置決め片が嵌まり込む切除部を設
   けると共に、前記位置決め片と該位置決め片が嵌まり込
   む切除部は、それぞれを箱体の中心線から偏った位置に
   配設して、インナーパッドの箱体に対する逆転配置を不
   可能にするべく形成されていることを特徴とするインナ
   ーパッド付き包装箱。
2. 【請求項２】 蓋と身箱とからなる被せ箱において、前
   記身箱内にはめ込まれた商品固定用インナーパッドの端
   面に、身箱内壁面とインナーパッドとが接する面に対し
   て直角方向に突き出てインナーパッドの箱からの脱出を
   防止する位置決め片を設ける一方、身箱内壁面に前記位
   置決め片が嵌まり込む穴または凹部を設け、さらに前記
   位置決め片と該位置決め片が嵌まりこむ穴または凹部
   は、それぞれを被せ箱の中心線から偏った位置に配設し
   て、インナーパッドの身箱に対する逆転配置を不可能に
   するべく形成されていることを特徴とするインナーパッ
   ド付き箱。
3. 【請求項３】 蓋と身箱とからなる被せ箱において、前
   記蓋内にはめ込まれた商品固定用インナーパッドの端面
   に、蓋の内壁面とインナーパッドとが接する面に対して
   直角方向に突き出てインナーパッドの蓋からの脱出を防
   止する位置決め片を設ける一方、蓋の内壁面に前記位置
   決め片が嵌まり込む穴または凹部を設け、さらに前記位
   置決め片と該位置決め片が嵌まりこむ穴または凹部は、
   それぞれを被せ箱の中心線から偏った位置に配設して、
   インナーパッドの蓋に対する逆転配置を不可能にするべ
   く形成されていることを特徴とするインナーパッド付き
   箱。
4. 【請求項４】 蓋と身箱の双方が共に側壁の４面が外側
   板と内側板とにより２重壁構造となるように組立られた
   ダブルウオールカートンであって、前記蓋あるいは身箱
   の少なく一方に、商品固定用インナーパッドがはめ込ま
   れていると共に、前記蓋あるいは身箱において向き合っ
   た１組の２重壁または該２重壁と接する前記インナーパ
   ッドの端面のいずれか一方に、該２重壁とインナーパッ
   ドとが接する面に対して直角方向に突き出てインナーパ
   ッドの前記蓋あるいは身箱からの脱出を防止する位置決
   め片を設け、他方に前記位置決め片が嵌まり込む穴また
   は凹部を設けると共に、前記位置決め片と該位置決め片
   が嵌まり込む穴または凹部は、それぞれを身箱の中心線
   から偏った位置に配設して、インナーパッドの箱体に対
   する逆転配置を不可能にするべく形成されていることを
   特徴とするインナーパッド付き包装箱。
5. 【請求項５】 前記インナーパッドには、商品をはめ込
   む凹部と、取り外し用摘み穴が設けられている請求項１
   ないし４記載の包装箱。