JP3066676B2 - ストレートナにおける圧下量調整装置 - Google Patents

ストレートナにおける圧下量調整装置

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JP3066676B2
JP3066676B2 JP4127253A JP12725392A JP3066676B2 JP 3066676 B2 JP3066676 B2 JP 3066676B2 JP 4127253 A JP4127253 A JP 4127253A JP 12725392 A JP12725392 A JP 12725392A JP 3066676 B2 JP3066676 B2 JP 3066676B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、上下のワークロール群
でコイル材の歪を矯正するストレートナの圧下量調整装
置に係り、例えばプレス機械で加工されるコイル材の歪
を矯正するための装置に利用できるものである。
【0002】
【背景技術】プレス加工されるコイル材の送りライン中
にはコイル材の歪を矯正するためのストレートナが配置
され、このストレートナに通板されてからコイル材はプ
レス機械に送られる。ストレートナは上下のワークロー
ル群を備え、下ワークロール群に対し上ワークロール群
は千鳥状に配設され、この上ワークロール群はワークロ
ールフレームに取付けられている。上ワークロール群を
ワークロールフレームにより下ワークロール群側に圧下
させながら、これらの上下ワークロール群の間にコイル
材を通板することにより、コイル材の歪の矯正が行われ
る。
【0003】歪を矯正してコイル材を平坦とするために
は、下ワークロール群に対する上ワークロール群のコイ
ル材入口側圧下量とコイル材出口側圧下量とをコイル材
の板厚に応じて変化させなければならないため、従来で
は、ワークロールフレームのコイル材送り方向両端部に
コイル材入口側圧下量調整機構、コイル材出口側圧下量
調整機構を設け、これらの調整機構により上ワークロー
ル群の圧下量を調整するようにしていた。また、プレス
機械のスライドの上下動と同調してプレス機械の金型に
間欠的に送られるコイル材は、加工直前において、コイ
ル材に形成されたパイロット孔にプレス機械のパイロッ
トピンが挿入されることによりコイル材送り方向等に位
置決めされるため、この時には上下ワークロール群によ
るコイル材のクランプを解除する必要があり、このた
め、従来ではワークロールフレームにはレリース用シリ
ンダが接続され、このシリンダでワークロールフレーム
を上昇させることにより上ワークロール群を下ワークロ
ール群からレリースさせるようになっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来のス
トレートナにはコイル材入口側圧下量調整機構とコイル
材出口側圧下量調整機構とが設けられていたため、各種
板厚のコイル材についてこれらのコイル材を平坦とする
ために必要な塑性変形率を正確に得られるという利点を
有していたが、その反面、上ローラ群の圧下量をコイル
材入口側とコイル材出口側の両方で調整しなければなら
ず、この圧下量調整作業が面倒であったという問題があ
った。また、ストレートナにはコイル材入口側とコイル
材出口側の両方に以上の圧下量調整機構を設けなければ
ならないとともに、前記レリース用シリンダ等によるレ
リース機構も設けなければならないため、構造が複雑に
なり、製造コストが高くなるという問題があった。
【0005】本発明の目的は、上ワークロール群の圧下
量調整作業を容易に行え、作業性の向上を図ることがで
きるとともに、構造の簡単化を達成できるようになるス
トレートナにおける圧下量調整装置を提供するところに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、下ワークロー
ル群と、この下ワークロール群に対し千鳥状にワークロ
ールフレームに配設された上ワークロール群とを備え、
前記ワークロールフレームの下方への移動により前記上
ワークロール群を前記上下ワークロール群の間に通板さ
れるコイル板に圧下してこのコイル材の歪を矯正するス
トレートナにおいて、前記ワークロールフレームを1個
の支点軸を中心に上下に揺動自在とし、かつ、L字状の
レバーは角部に設けられた支点軸を中心に回動自在に設
けられ、前記レバーは一端をシリンダのピストンロッド
と連結するとともに、他端に設けられたローラが前記ワ
ークロールフレームに設けられた欠部と係合することで
連結機構を形成し、該連結機構を介して前記ワークロー
ルフレームとシリンダのピストンロッドを連結してこの
ピストンロッドの伸縮動で前記ワークロールフレームを
前記支点軸を中心に上下に揺動可能とするとともに、前
記シリンダに、前記ワークロールフレームを下方へ揺動
させる前記ピストンロッドの一方の移動方向への移動量
を調整可能とする調整機構を設け、前記調整機構は、前
記シリンダの後端部に挿入された調整ねじと、該調整ね
じに螺合するロックナットを具備したことを特徴とする
ストレートナにおける圧下量調整装置である。
【0007】
【作用】シリンダのピストンロッドを一方の移動方向へ
移動させると、ワークロールフレームは支点軸を中心に
下方へ揺動し、下ワークロール群に対する上ワークロー
ル群の圧下量が変化する。ピストンロッドのこの方向へ
の移動量は前記調整機構により調整可能となっているた
め、この調整機構によって上ワークロール群の圧下量を
コイル材の板厚に対応させて変えることができる。上ワ
ークロール群の圧下はワークロールフレームを一個の支
点軸を中心に下方へ揺動させることによって行われるた
め、コイル材入口側圧下量とコイル材出口側圧下量との
関係は一元的に決まってしまうが、使用されるコイル材
の板厚の平均値に対応して支点軸の位置を適宜に設定す
ることにより、各種板厚のコイル材を平坦とするための
塑性変形率を得られる。シリンダのピストンロッドを前
述とは逆方向へ移動させると、ワークロールフレームは
支点軸を中心に上方へ揺動し、これにより上ワークロー
ル群は下ワークロール群からレリースする。従って、一
個のシリンダにより上ワークロール群の圧下作業とレリ
ース作業を行えることになり、構造の簡単化を達成でき
る。
【0008】
【実施例】以下に本発明の一実施例を添付図面に基づい
て説明する。図1は、プレス機械に供給されるコイル材
1の送りライン中に配置された本実施例に係るストレー
トナを示す。このストレートナの機体2にはロール3A
〜3Dよりなる下ワークロール群3が設けられ、その上
には、ロール3A〜3Dに対し千鳥状に配設されたロー
ル4A〜4Cよりなる上ワークロール群4が設けられて
いる。この上ワークロール群4はワークロールフレーム
5に取付られており、ワークロールフレーム5はコイル
材1の送り方向後端部(コイル材出口側端部)の支点軸
6を中心に上下に揺動自在となっている。
【0009】機体2の上部にはブラケット7によりシリ
ンダ8が軸9を中心に上下揺動自在に取付けられ、この
シリンダ8のピストンロッド10の先端にはL字状のレ
バー11の一端が軸12で連結されている。このレバー
11は軸13を中心に回動自在であり、レバー11の他
端にはローラ14が設けられている。ローラ14は、ワ
ークロールフレーム5のコイル材送り方向前端部(コイ
ル材入口側端部)に形成された長溝状の欠部15に係合
している。
【0010】このため、シリンダ8のピストンロッド1
0が矢印A,Bで示す通り伸縮動すると、レバー11の
軸13を中心とした回動によりワークロールフレーム5
は支点軸6を中心に上下に揺動するようになっている。
レバー11及びローラ14は、ピストンロッド10とワ
ークロールフレーム5とを連結する連結機構16を構成
している。
【0011】図2の通り、シリンダ8の後端部8Aには
前端がシリンダ8内部まで延びている調整ねじ17が挿
通され、この調整ねじ17はロックナット18を弛めて
回転操作することにより、シリンダ8内部への突出量を
調整できるようになっている。このため、ワークロール
フレーム5を支点軸6を中心に上方へ揺動させるピスト
ンロッド10のB方向への移動は、シリンダ8のピスト
ン19が前側ストロークエンド20に当接することによ
って規制されるのに対し、ワークロールフレーム5を支
点軸6を中心に下方へ揺動させるピストンロッド10の
A方向への移動は、ピストン19が調整ねじ17の先端
に当接することによって規制されることになり、調整ね
じ17の回転操作でその先端のシリンダ8内への突出量
を調整することにより、ワークロールフレーム5の支点
軸6を中心とした下方への揺動量を変化させることがで
きるようになっている。このため、調整ねじ17および
ロックナット18により、ピストンロッド10のA方向
への移動量、すなわち、ワークロールフレーム5の支点
軸6を中心とした下方への揺動量を調整するための調整
機構21が構成されている。
【0012】ストレートナのコイル材入口部分には上下
のロール22A,22Bよりなるピンチロール22が設
けられ、上ロール22Aはシリンダ23で上下動するス
ライダ24に取付けられ、スライダ24の上下動でピン
ンチロール22はコイル材1をクランプ、アンクランプ
する。ストレートナのコイル材出口部分には上下のロー
ル25A,25Bよりなるフィードロール25が設けら
上ロール25Aはシリンダ26で上下動するスライ
ダ27に取付けられ、スライダ27の上下動でフィード
ロール25はコイル材1をクランプ、アンクランプす
る。
【0013】図1の通り、下ワークロール群3およびフ
ィードロール25の下ロール25Bはスプロケット2
8,29、チェーン30等による伝動機構31を介して
回転駆動体32に接続されており、この回転駆動体32
がモータ等の駆動源で回転することにより下ワークロー
ル群3及び下ロール25Bは回転し、この回転は、コイ
ル材1を加工するプレス機械のスライドの上下動と同調
した間欠回転である。
【0014】次に作用について説明する。コイル材1の
先端がストレートナに通板される時には、ピンチロール
22、フィードロール25はアンクランプしており、ま
た、上ワークロール群4はピストンロッド10のB方向
への移動によるワークロールフレーム5の上方への揺動
によって下ワークロール群3からレリースしている。コ
イル材1の先端がピンチロール22を通過するとピンチ
ロール22はクランプし、この先端は上下のワークロー
ル群3,4の間およびフィードロール25を通過し、プ
レス機械まで送られる。この後、ピンチロール24はア
ンクランプし、また、フィードロール25はクランプ
し、上ワークロール群4はピストンロッド10のA方向
への移動によるワークロールフレーム5の下方への揺動
により下ワークロール群3側に圧下される。
【0015】次いで、プレス機械のスライドの上下動と
同調して前述の通り下ワークロール群3およびフィード
ロール5の下ロール25Bが間欠回転し、これによりコ
イル材1はプレス機械の金型に間欠送りされて加工され
る。このとき、プレス機械に送られるコイル材1は上ワ
ークロール群4の圧下作用によって歪が矯正され、平坦
となってプレス機械に供給される。
【0016】プレス機械のスライドが下死点に達してコ
イル材を加工する直前において、コイル材1に形成され
ているパイロット孔にプレス機械に設けられているテー
パー状のパイロットピンが挿入され、これによりコイル
材1がコイル材送り方向等に位置修正されて正確な位置
にプレス加工されるようになっており、このため、プレ
ス機械のスライドが下死点に達する直前において、フィ
ードロール25の上ロール25Aはシリンダ26でコイ
ル材1からアンクランプするとともに、上ワークロール
群4はピストンロッド10のB方向への移動によりコイ
ル材1からレリース(アンクランプ)するようになって
いる。以上のコイル材1のクランプ、アンクランプとコ
イル材1の間欠送りとが繰り返される。
【0017】以上において、板厚が異なるコイル材1を
プレス機械に供給する場合には、このコイル材1の歪を
矯正して平坦とするためには、上ワークロール群4の圧
下量を変えなければならない。本実施例では、シリンダ
8に設けられている調整ねじ17の先端のシリンダ8内
への突出量を調整すると、ピストン19の後側ストロー
クエンド位置が変化するため、上ワークロール群4を圧
下させるピストンロッド10のA方向への移動量が変化
することになり、調整ねじ17の回転操作によるその先
端の突出量調整によって上ワークロール群4の圧下量を
コイル材1の板厚に応じたものに調整でき、これによ
り、プレス機械のスライドの上下動と同調してA,B方
向にピストンロッド10が往復動することによって上ワ
ークロール群4がコイル材1に対しクランプ、レリース
を繰り返している時におけるクランプ時において、間欠
送りされるコイル材1の歪を適正に矯正できることにな
る。
【0018】なお、ワークロールフレーム5は1個の支
点軸6を中心に上下に揺動するため、調整ねじ17で上
ワークロール群4の圧下量を変化させると、上ワークロ
ール群のコイル材入口側圧下量とコイル材出口側圧下量
とが一元的な関係で変化し、これらの圧下量の関係を任
意に変えられず、各種板厚のコイル材について塑性変形
率を同一にすることはできないが、使用されることが予
想されるコイル材の板厚の平均値に基づいて支点軸6の
位置を適宜に設定することにより、これらのコイル材の
塑性変形率の差を小さくし、これによりコイル材を充分
プレス加工できるまで歪を矯正できる。
【0019】以上説明した本実施例によれば、コイル材
1の板厚に応じて上ワークロール群4の圧下量を調整す
る作業はシリンダ4に設けられた調整ねじ17を回転操
作するだけでよく、このため、この作業が容易となり、
作業性が向上する。
【0020】図3は別実施例に係るストレートナを示
す。この図3では、前記実施例における部材と同じまた
は対応する部材には同一符号を付している。この実施例
では、上ワークロール群4が取付けられているワークロ
ールフレーム5′はフィードロール25の下ロール25
Bの中心軸33を中心に上下に揺動するようになってお
り、したがって、中心軸33がワークロールフレーム
5′の支点軸となっている。このため、ワークロールフ
レーム5′の支点軸をストレートナの機体2に別途設け
る必要がなくなる。また、この実施例では、ピンチロー
ル22の上ロール22Aはシリンダ23′で軸34を中
心に揺動するレバー35の先端に設けられており、この
ため、ピンチロール22のクランプ、アンクランプ量を
大きくできるようになっている。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、上ワークロール群の圧
下量調整作業を容易に行えるようになり、このため作業
性が向上し、また、構造の簡単化を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るストレートナを示す正
断面図である。
【図2】図1の要部拡大図で、作動状態を示した図であ
る。
【図3】別実施例に係るストレートナを示す図1と同様
の図である。
【符号の説明】
1 コイル材 3 下ワークロール群 4 上ワークロール群 5,5′ ワークロールフレーム 6,33 支点軸 8 シリンダ 10 ピストンロッド 16 連結機構 17 調整ねじ 19 ピストン 21 調整機構 22 ピンチロール 25 フィードロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−242106(JP,A) 実開 平4−54690(JP,U) 特公 昭59−50413(JP,B2) 実公 昭45−3565(JP,Y1) 実公 昭50−11796(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21D 1/05

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下ワークロール群と、この下ワークロール
    群に対し千鳥状にワークロールフレームに配設された上
    ワークロール群とを備え、前記ワークロールフレームの
    下方への移動により前記上ワークロール群を前記上下ワ
    ークロール群の間に通板されるコイル板に圧下してこの
    コイル材の歪を矯正するストレートナにおいて、前記ワ
    ークロールフレームを1個の支点軸を中心に上下に揺動
    自在とし、かつ、L字状のレバーは角部に設けられた支
    点軸を中心に回動自在に設けられ、前記レバーは一端を
    シリンダのピストンロッドと連結するとともに、他端に
    設けられたローラが前記ワークロールフレームに設けら
    れた欠部と係合することで連結機構を形成し、該連結機
    構を介して前記ワークロールフレームとシリンダのピス
    トンロッドを連結してこのピストンロッドの伸縮動で前
    記ワークロールフレームを前記支点軸を中心に上下に揺
    動可能とするとともに、前記シリンダに、前記ワークロ
    ールフレームを下方へ揺動させる前記ピストンロッドの
    一方の移動方向への移動量を調整可能とする調整機構を
    設け、前記調整機構は、前記シリンダの後端部に挿入さ
    れた調整ねじと、該調整ねじに螺合するロックナットを
    具備したことを特徴とするストレートナにおける圧下量
    調整装置。
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