JP3062777B2 - 自動車の車速制御装置 - Google Patents

自動車の車速制御装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両が走行する道路の
地図を出力する地図情報出力手段と、地図上における車
両の現在位置を出力する現在位置検出手段とを備えた所
謂ナビゲーションシステムを利用し、車両の走行速度を
予め適切な値に制御することにより道路のコーナー等を
適正に通過するための自動車の車速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ナビゲーションシステムを利用した走行
情報表示装置として、例えば特開昭60−89298号
公報に記載されたものが公知である。
【0003】上記走行情報表示装置は、車両の現在位置
と道路のコーナーの曲り具合とに基づいて、現在の車速
では通過できないコーナーを車両の進行方向の一定区間
に亘って検出するとともに、前記コーナーを適正に通過
し得る適正車速を演算し、この適正車速を気象条件、車
両重量、乗車員数等の車両状態に応じて補正するように
なっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の技術は、車速が車両の進行方向の一定の区間(即ち演
算区間)に存在するコーナーを通過し得る適正車速を越
えた場合に警報を発しているため、車両の現在位置と前
記コーナーとの距離の大小に関わらず一律に警報が発せ
られることになり、ドライバーに必ずしも的確な情報を
与えることができなかった。また、前記演算区間の長さ
が固定されているため、車速が小さく且つ路面がスリッ
プし難い場合には演算区間が過大になり、逆に車速が大
きく且つ路面がスリップし易い場合には演算区間が過小
になる可能性があった。
【0005】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、車両がその走行経路に存在するコーナーを通過でき
るように一層精密な情報を与え、車速をより適切に制御
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に,本発明は,車両が走行する道路の地図を出力する地
図情報出力手段と,地図上における車両の現在位置を出
力する現在位置検出手段と,車速を検出する車速検出手
段と,車両が走行する道路の路面状態を検出する路面状
態検出手段と,車速を調整する車速調整手段と,この車
速調整手段を作動させる制御手段とを備えてなり,前記
制御手段は,車両がコーナーを適正な車速で通過するた
めに必要な減速度の基準となる基準減速度を路面状態検
出手段の出力に基づいて求める基準減速度演算手段と,
路面状態検出手段,地図情報出力手段及び現在位置検出
手段の出力に基づいて車両が道路のコーナーを通過し得
る通過適正車速を求める通過適正車速演算手段と,通過
適正車速演算手段及び車速検出手段の出力に基づいて前
記コーナーを通過するために必要な車両の減速度を演算
する減速度演算手段と,基準減速度演算手段及び減速度
演算手段の出力を比較して減速度演算手段で求めた減速
度が基準減速度演算手段で求めた基準減速度を越えた場
合に前記車速調整手段を作動させる判断手段とを備えた
ことを第1の特徴とする。
【0007】また本発明は前述の第1の特徴に加えて、
減速度演算手段で求めた減速度が、基準減速度演算手段
で求めた前記基準減速度よりも小さい基準減速度を越え
た場合に警報手段を作動させることを第2の特徴とす
る。
【0008】また本発明は前述の第1の特徴に加えて、
基準減速度演算手段及び車速検出手段の出力に基づいて
地図上の演算区間を決定することを第3の特徴とする。
【0009】また本発明は前述の第1の特徴に加えて、
基準減速度演算手段がドライバー状態に応じて基準減速
度を補正可能であることを第4の特徴とする。
【0010】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。
【0011】図1〜図10は本発明の一実施例を示すも
ので、図1は自動車の車速制御装置の全体構成を示すブ
ロック図、図2は制御部のブロック図、図3は車速制御
装置の作用を示すメインルーチンのフローチャート、図
4は図3のステップS3のサブルーチンのフローチャー
ト、図5は設定最大旋回加速度α0 と設定最大減速度β
0 の関係を示す概念図、図6は図3のステップS8のサ
ブルーチンのフローチャート、図7は道路の曲率半径R
を求める手法の説明図、図8は減速度βpを求める手法
の説明図、図9は作用の説明図、図10は作用の説明図
である。
【0012】図1において、Nは自動車用ナビゲーショ
ンシステムであって、その内部に周知の慣性航法装置
1、ICカードやCD−ROMを用いた地図情報出力手
段2及び後述の種々の演算を行う制御部3を備える。慣
性航法装置1は、衛星通信装置4或いは近接通信装置5
からの自車位置情報、道路情報、交通情報等に加えて車
速検出手段6及びヨーレート検出手段7からの信号を受
け、これと前記地図情報出力手段2からの地図データと
に基づいて、自車の現在位置や目的地までの経路を演算
し、これをマンマシンインターフェイス8を介してCR
T9に表示するものである。路面状態検出手段10は、
前記衛星通信装置4や近接通信装置5からのデータある
いはそれまでの車両の運動状態を表す車両運動状態デー
タ等から、路面の摩擦係数がどのような状態にあるかを
判断する。そして、前記制御部3は、地図情報出力手段
2からの地図データ、路面状態検出手段10からの路面
状態データ及び前記車速検出手段6からの車速信号に基
づき、リアルタイムに後述の種々の演算を行うものであ
る。
【0013】Cは車速調整装置であって、その内部に画
像作成手段11、警報手段12及び車速調整手段13を
備える。画像作成手段11は例えばヘッドアップディス
プレイよりなり、コーナーの曲率半径やそのコーナーの
通過可能速度等を表示する。警報手段12はブザーやチ
ャイム等の音響手段よりなり、ドライバーに走行速度を
減速するように警報を発する。車速調整手段13はブレ
ーキ装置やオートクルーズ装置等からなり、コーナーを
通過し得るように車両の走行速度を調整する。
【0014】図2に示すように、ナビゲーションシステ
ムNの制御部3は、基準減速度演算手段M1 、通過適正
車速演算手段M2 、減速度演算手段M3 、及び判断手段
4を備える。基準減速度演算手段M1 は、路面状態検
出手段10の出力に基づいて車両の基準減速度(β0
β1 ,β2 )を、通過適正車速演算手段M2 は、路面状
態検出手段10、地図情報出力手段2及び慣性航法装置
1の出力に基づいて車両が道路のコーナーを通過し得る
通過適正車速Vpを、減速度演算手段M3 は通過適正車
速演算手段M2 及び車速検出手段6の出力に基づいてコ
ーナーを通過するために必要な車両の減速度βpをそれ
ぞれ演算するものである。そして、減速度演算手段M3
で求めた減速度βpが基準減速度演算手段M1 で求めた
基準減速度β1 ,β2 を越えた場合に、判断手段M4
車速調整装置Cが作動させるようになっている。
【0015】次に、前記構成を備えた自動車の車速制御
装置の作用を、図3のフローチャートに基づいて説明す
る。
【0016】先ず、プログラムが実行される前に、ナビ
ゲーションシステムNによって地図上における自車の位
置と目的地までの走行経路が検索され、これがCRT9
に表示される。続いて、慣性航法装置1で得られた自車
の現在位置座標O(X0 ,Y 0 )が制御部3に入力され
るとともに(ステップS1)、車速検出手段6で検出し
た車速がV0 が制御部3に入力され(ステップS2)、
更に路面状態検出手段10により路面状態即ち路面の摩
擦係数が検出される(ステップS3)。
【0017】ステップS3の内容を、そのサブルーチン
である図4のフローチャートの基づいて説明する。
【0018】先ず、路面が濡れているか否かが判断され
(ステップS31)、その答がNOであって路面が乾い
ている場合には、路面状態係数K=K1 が選択される
(ステップS32)。前記ステップS31の答がYES
であって路面が濡れている場合には、その路面が積雪状
態にあるか否かが判断され(ステップS33)、その答
がNOであって単に雨によって路面が濡れている場合に
は路面状態係数K=K2が選択される(ステップS3
4)。前記ステップS33の答がYESであって積雪状
態である場合には、更に路面が凍結しているか否かが判
断され(ステップS35)、その答がNOであって凍結
していない場合には路面状態係数K=K3 が選択される
(ステップS36)。一方、前記ステップS35の答が
YESであって路面が凍結している場合には、路面状態
係数K=K4 が選択される(ステップS37)。
【0019】上記各路面状態係数K(K1 〜K4 )は路
面の摩擦係数に対応するもので、その大きさはK1 (ド
ライ)>K2 (ウエット)>K3 (積雪)>K4 (凍
結)の順となる。
【0020】図3のフローチャートに戻り、車両がコー
ナーを通過する際にタイヤが担持し得る最大横力、即ち
横加速度に対応する設定最大旋回加速度α0 が、 α0 =k0 ×K×g …(1) に基づいて演算される(ステップS4)。ここでk0
係数(0<k0 <1)、Kは前記路面状態係数、gは重
力加速度である。
【0021】続いて、車両がコーナーを通過するための
減速度の基準となる設定最大減速度β0 が、 β0 ={(K×g)2 −α0 2 1/2 =(1−k0 2 1/2 ×K×g …(2) に基づいて演算される(ステップS5)。
【0022】図5に示されるように、タイヤのグリップ
限界を示す円の半径はベクトルK×gの絶対値に対応し
ており、前記設定最大旋回加速度α0 及び前記設定最大
減速度β0 はベクトルK×gの横方向成分と前後方向成
分に対応する。従って、路面状態係数K(K1 〜K4
の値が小さい程、即ち路面がスリップし易い状態にある
程設定最大減速度β0 の値は小さくなる。
【0023】次に、前記設定最大減速度β0 に所定の係
数k1 ,k2 (0<k2 <k1 <1)を乗算することに
より、設定減速度β1 及び設定減速度β2 を算出する
(ステップS6)。設定減速度β1 、設定減速度β2
び設定最大減速度β0 は、β2<β1 <β0 の大小関係
にあり、設定最大減速度β0 は車両が減速できる最大値
に対応し、設定減速度β1 は車両の減速度がその値を越
えそうになると前記車速調整手段13を作動させるしき
い値となり、また設定減速度β2 は車両の減速度がその
値を越えそうになると前記警報手段12を作動させるし
きい値となる。
【0024】次に、その時の車速V0 と前記設定減速度
β2 とに基づいて演算区間Sが、 S=V0 2 /2β2 …(3) によって演算される(ステップS7)。演算区間Sは、
車速V0 で走行中の車両が設定減速度β2 で減速した場
合、停止するまでに要する走行距離に対応するものであ
り、この演算区間Sの範囲に存在するコーナーを車両が
通過できるように制御部3が所定の演算を実行する。
【0025】次に、車速V0 で走行する車両が現在の位
置から所定のコーナーまでの減速区間Spを走行する間
に適正速度Vpまで減速度するために必要な減速度βp
を算出する(ステップS8)。
【0026】ステップS8の内容を、そのサブルーチン
である図6のフローチャート及び図7、図8の説明図に
基づいて説明する。
【0027】先ず、S0 の値を初期値0に設定するとと
もに(ステップS81)、車両の現在位置O(X0 ,Y
0 )に最も近い最初のノードの座標P(Xp,Yp)を
読み込む(ステップS82)。次に、車両の現在位置O
と前記ノードPまでの距離OPを前記P0 (=0)に加
算することにより距離Spを演算する(ステップS8
3)。ここで、距離OPは図8における距離Aに対応し
ている。続いて、前記距離Spが演算区間Sよりも小さ
いか否かを判断し(ステップS84)、その答がYES
であって距離Spが演算区間Sよりも小さい場合には前
記ノードPに対応する適正速度Vpを、 Vp=Df ×(α0 ×R)1/2 …(4) に基づいて演算する(ステップS85)。適正速度Vp
は、ノードPにおける車速がその値以下であれば該ノー
ドPを通過できる値であって、α0 は前記設定最大旋回
加速度α0 であり、Rは後述の(10)式で与えられる
コーナーの曲率半径である。また、Df はドライバー状
態、すなわちドライバーの疲労度や運転技量等によって
決められる係数である(0<Df <1)。
【0028】ここで、前記適正速度Vpを求める手法を
説明する。
【0029】図7において、車両の走行経路上の近接し
た3点a(Xa ,Ya ),b(Xb,Yb ),c
(Xc ,Yc )を取り、曲率中心o点からの前記走行経
路上の3点a,b,cまでの距離(曲率半径)をRと
し、a点とb点間の距離をL1 、b点とc点間の距離を
2 、c点とa点間の距離をL3 とすると、線分abと
線分bcの成す各θの余弦は、 cosθ= {(Xb −Xa )×(Xc −Xb )+(Yb −Ya )×(Yc −Yb )} /(L1 ×L2 ) …(5) で表され、また sinθは、 sinθ=(1− cos2 θ)1/2 …(6) で与えられる。
【0030】また、 距離L1 ,L2 ,L3 はそれぞ
れ、 L1 ={(Xb −Xa 2 +(Yb −Ya 2 1/2 …(7) L2 ={(Xc −Xb 2 +(Yc −Yb 2 1/2 …(8) L3 ={(Xc −Xa 2 +(Yc −Ya 2 1/2 …(9) で与えられる。
【0031】一方、三角形oacについて、L3 =2R
sinθから、 R=L3 /2 sinθ …(10) が成り立ち、結局曲率半径Rは、前記(5)〜(9)
式、即ち前記3点a(Xa,Ya ),b(Xb
b ),c(Xc ,Yc )の座標から求められる。而し
て前記(4)式の曲率半径Rに(10)式の値を代入す
ることにより適正速度Vpが求められる。
【0032】次に、最初のノードPに対応する減速度β
pが、 βp=(V0 2 −Vp2 )/2Sp …(11) に基づいて演算される(ステップS86)。ここで、減
速度βpは、車速V0 の車両が距離Spの区間で適正速
度Vpまで減速するのに必要な減速度に対応する。
【0033】上述のようにして最初のノードPに対応す
る減速度βpが求められると、前記S0 を求めた距離S
pで置き換えるとともに、最初のノードであったP点を
O点に置き換える(ステップ87)。
【0034】上述のようにしてステップ82〜ステップ
87の第1回目のループが完了すると、再びステップ8
2に戻って第2回目のループが実行される。即ち、ステ
ップ83で次のノードPの座標が読み込まれ、ステップ
83で第1回目のループで求めたOP(図8における距
離Aに対応)に新たに求めたOP(図8における距離B
に対応)を加算することによりSp(図8における距離
A+Bに対応)を求める。そしてステップ84で前記S
pが演算区間Sに達していなければ、ステップ85で前
記2番目のノードPに対応する減速度βpを演算し、ス
テップ87で新たなSp(=A+B)をS0 に置き換え
るとともに、ノードであったP点をO点に置き換える。
【0035】上記ループはステップ84で距離Spが演
算区間Sを越えるまで繰り返され、その度に車両の現在
位置Oからの距離SpがA、A+B、A+B+C、A+
B+C+D…のように異なる複数のノードPにおける減
速度βpが演算される。
【0036】さて、ステップ84で距離Spが演算区間
Sを越えて、演算区間S内にある全てのノードPにおけ
る減速度βpが演算されると、再び図3のフローチャー
トに戻り、各ノードPに対応して求めた減速度βpの内
の最大のもの、即ち減速条件が最も厳しいものとステッ
プS6で求めた設定減速度β2 が比較される(ステップ
S9)。その答がYESであって減速度βpMAX が設定
減速度β2 未満の場合には、そのままの状態で車両が演
算区間S内にあるコーナーを充分に通過可能であると判
断され、P点がO点に置き換えられてステップ1に復帰
する(ステップS10)。
【0037】一方、前記ステップS9の答がNOであっ
て減速度βpMAX が設定減速度β2以上となった場合に
は、警報手段12が作動してドライバーに減速を指示す
る(ステップS11)。警報手段12はブザーやチャイ
ムから構成されるもので、減速度βpMAX が設定減速度
β1 を越えた度合に応じてブザーの音量を増加させた
り、チャイムの発音間隔を狭める等の手段でドライバー
に警報が発せられる。
【0038】また、ステップS9で減速度βpMAX が設
定減速度β2 以上となった場合には、更に減速度βp
MAX がステップS6で求めた設定減速度β1 と比較され
る(ステップS12)。その答がYESであって減速度
βpMAX が設定減速度β2 以上の場合には、警報手段1
2に加えてブレーキ装置やオートクルーズ装置から構成
される車速調整手段13が作動し(ステップS13)、
これにより現在の車速V 0 が適正速度Vpになるまで減
速され、P点がO点に置き換えられてステップ1に復帰
する(ステップS14)。
【0039】上記作用を図9及び図10に基づいて更に
説明する。
【0040】演算区間S内に例えば適正速度Vp=30
km/hのノードeがあり、車両が車速V0 =50km
/hでノードa,b,c,dを通って前記ノードeに接
近する場合を考える。図9(A)及び図10(A)に示
す従来例では、車両の現在位置とノードeの距離の大小
に関わらず、現在の車速が適正速度30km/hを越え
ていれば警報が発せられ、ドライバーが例えばノードd
の手前でブレーキを操作して車速が30km/hまで低
下したときに警報が解除される。
【0041】一方、図9(B)及び図10(B)に示す
本発明では、車両の現在位置とノードeまでの距離Sa
〜Sdが考慮され、その距離Sa〜Sdを走行する間に
現在の車速50km/hから適正速度30km/hまで
減速するための減速度βa〜βdがそれぞれ演算され
る。そして前記演算した減速度βa〜βdがコーナーの
曲率や路面状態を考慮した設定減速度β1 及び設定減速
度β2 と比較され、その結果に応じて警報或いは減速が
行われる。従って、通過すべきコーナーの状態と実際の
車両の走行状態とを適切に考慮して、車速をより適切に
制御することができる。
【0042】ところで、市街地には図11に示すような
クランク路、交差点、分岐点等が多く存在するが、この
ような急激なコーナー部では前述の図7の手法による曲
率半径の計算を正確に行うことができないため、その場
所での正確な適正速度を求めるのが困難である。また一
般道と高速道とでは曲率半径が同一であっても適正速度
は自ずから異なっており、更に山岳道においては、車速
が増加し易く制動が効き難い下り坂と、その逆の上り坂
とで適正速度が異なってくる。そこで以下の実施例で
は、市街地、高速道、山岳道等において前述の通常制御
と異なる制御が行われる。
【0043】即ち、図12のフローチャートにおいて、
ステップS101で地図情報に基づいて車両が市街地に
進入したと判断され、更にステップS102,S103
で車両が交差点を直進すると判断された場合には、ステ
ップS104で予め設定された直進走行の適正速度V1
が読み込まれる。そしてステップS105で前記適正速
度V1 と現在の車速V0 とが比較され、現在の車速V0
が適正速度V1 を上回っている場合にはステップS10
6で警報手段12が作動する。
【0044】一方、ステップS102,S103,S1
07で車両が交差点を右折すると判断された場合には、
ステップS108で予め設定された右折の場合の適正速
度V 2 が読み込まれるとともに、車両が交差点を左折す
ると判断された場合には、ステップS109で予め設定
された左折の場合の適正速度V3 が読み込まれる。ま
た、ステップS102,S110で車両が交差角90°
以下の分岐点又はクランク路を通過すると判断された場
合には、ステップS111で対応する適正速度V 4 が読
み込まれる。而して、ステップS112で前記適正速度
2 ,V3 ,V4に基づいて前述した図3のフローチャ
ートに基づく通常制御が行われる。尚、ステップS10
2,S110で車両が交差点でも分岐点でもクランク路
でもない通常路を走行すると判断された場合にはステッ
プS112で通常の適正速度Vpに基づいて前述した通
常制御が行われる。
【0045】ステップS101,S113で車両が山岳
路に進入したと判断されると、ステップS114で地図
情報に基づいて上り坂か下り坂かの傾斜方向および勾配
の大きさが読み込まれ、ステップS115で補正された
山岳路の適正速度V5 が算出される。またステップS1
01,S113,S116で車両が高速道に進入したと
判断されると、ステップS117で補正された高速路の
適正速度V6 が算出される。そして、前記ステップS1
12で前記各適正速度V5 ,V6 に基づいて前述した通
常制御が行われる。尚、ステップS101,S113,
S116で車両が市街地でも山岳路でも高速路でもない
通常路を走行すると判断された場合には、ステップS1
12で通常の適正速度Vpに基づいて前述した通常制御
が行われる。
【0046】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は前記実施例に限定されるものでなく、種々の小設計
変更を行うことが可能である。
【0047】
【発明の効果】以上のように本発明の第1の特徴によれ
ば,車両がコーナーを適正な車速で通過するために必要
な減速度の基準となる基準減速度を路面状態検出手段の
出力に基づいてめる基準減速度演算手段と,路面状態
検出手段,地図情報出力手段及び現在位置検出手段の出
力に基づいて車両が道路のコーナーを通過し得る通過適
正車速を求める通過適正車速演算手段と,通過適正車速
演算手段及び車速検出手段の出力に基づいて前記コーナ
ーを通過するために必要な車両の減速度を演算する減速
度演算手段とを設け,減速度演算手段で求めた減速度が
基準減速度演算手段で求めた基準減速度を越えた場合に
判断手段が車速調整手段を作動させようにしたので,
車両がコーナーを確実に通過し得るように路面状態,現
在の車速,車両の現在位置とコーナーとの距離,コーナ
ーの曲率半径等を考慮して的確な減速を行わせることが
できる。即ち,路面状態検出手段,地図情報出力手段及
び現在位置検出手段の出力に基づき求めた適正車速と実
車速との単なる比較に応じて車速調整を行うのではなく
て,その適正車速及び実車速に基づいてコーナーを適正
な車速で通過するために必要な車両の減速度を演算し,
その減速度が,路面状態に基づいて求めた前記基準減速
度を越えた場合に車速調整を行うようにしているので,
コーナー通過時にタイヤの路面に対する必要なグリップ
力を確保しながら減速を的確に行うことができ,従っ
て,タイヤのスリップを効果的に回避しつつ適正な車速
でコーナーを無理なく通過することができる。
【0048】また本発明の第2の特徴によれば、減速度
演算手段で求めた減速度が基準減速度演算手段で求めた
前記基準減速度よりも小さい基準減速度を越えた場合に
警報手段を作動させているので、車速調整手段を作動さ
せる前段階として警報手段を作動させてドライバーに注
意を促し、コーナーの通過を一層適正に行わせることが
できる。
【0049】また本発明の第3の特徴によれば、基準減
速度演算手段及び車速検出手段の出力に基づいて地図上
の演算区間を決定しているので、路面状態と車速の大小
に応じてコーナーを通過するために必要な減速度を演算
する演算区間の長さが変更される。これにより、車両の
走行状態に応じた必要充分な演算を行わせて演算処理時
間を短縮することができる。
【0050】また本発明の第4の特徴によれば、基準減
速度演算手段がドライバー状態に応じて基準減速度を補
正可能であるので、ドライバーの技量等に応じた適切な
車速調整を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車の車速制御装置の全体構成を示すブロッ
ク図
【図2】制御部のブロック図
【図3】車速制御装置の作用を示すメインルーチンのフ
ローチャート
【図4】図3のステップS3のサブルーチンのフローチ
ャート
【図5】設定最大旋回加速度α0 と設定最大減速度β0
の関係を示す概念図
【図6】図3のステップS8のサブルーチンのフローチ
ャート
【図7】道路の曲率半径Rを求める手法の説明図
【図8】減速度βpを求める手法の説明図
【図9】作用の説明図
【図10】作用の説明図
【図11】市街地における道路の説明図
【図12】市街地、高速道、山岳道等における制御のフ
ローチャート
【符号の説明】
1 慣性航法装置(現在位置検出手段) 2 地図情報出力手段 3 制御部(制御手段) 6 車速検出手段 10 路面状態検出手段 12 警報手段 13 車速調整手段 K 路面状態係数(路面状態) M1 基準減速度演算手段 M2 通過適正車速演算手段 M3 減速度演算手段 M4 判断手段 S 演算区間 V0 車速 Vp 適正車速 β0 ,β1 ,β2 基準減速度 βp 減速度
フロントページの続き (72)発明者 宮地 康弘 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 紙谷 博之 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 平4−236699(JP,A) 特開 平4−15799(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G08G 1/09 G01C 21/10 G08G 1/0969

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両が走行する道路の地図を出力する地
    図情報出力手段(2)と,地図上における車両の現在位
    置を出力する現在位置検出手段(1)と,車速(V0
    を検出する車速検出手段(6)と,車両が走行する道路
    の路面状態(K)を検出する路面状態検出手段(10)
    と,車速(V0 )を調整する車速調整手段(13)と,
    この車速調整手段(13)を作動させる制御手段(3)
    とを備えてなり, 前記制御手段(3)は,車両がコーナーを適正な車速で
    通過するために必要な減速度の基準となる基準減速度
    (β 0 ,β 1 ,β 2 )を路面状態検出手段(10)の出
    力に基づいて求める基準減速度演算手段(M1 )と,路
    面状態検出手段(10),地図情報出力手段(2)及び
    現在位置検出手段(1)の出力に基づいて車両が道路の
    コーナーを通過し得る通過適正車速(Vp)を求める通
    過適正車速演算手段(M2 )と,通過適正車速演算手段
    (M2 )及び車速検出手段(6)の出力に基づいて前記
    コーナーを通過するために必要な車両の減速度(βp)
    を演算する減速度演算手段(M3 )と,基準減速度演算
    手段(M1 )及び減速度演算手段(M3 )の出力を比較
    して減速度演算手段(M3 )で求めた減速度(βp)が
    基準減速度演算手段(M1 )で求めた基準減速度
    (β1 )を越えた場合に前記車速調整手段(13)を作
    動させる判断手段(M4 )とを備えたことを特徴とす
    る,自動車の車速制御装置。
  2. 【請求項2】 減速度演算手段(M3 )で求めた減速度
    (βp)が、基準減速度演算手段(M1 )で求めた前記
    基準減速度(β1 )よりも小さい基準減速度(β2 )を
    越えた場合に警報手段(12)を作動させることを特徴
    とする、請求項1記載の自動車の車速制御装置。
  3. 【請求項3】 基準減速度演算手段(M1 )及び車速検
    出手段(6)の出力に基づいて地図上の演算区間(S)
    を決定することを特徴とする、請求項1記載の自動車の
    車速制御装置。
  4. 【請求項4】 基準減速度演算手段(M1 )がドライバ
    ー状態に応じて基準減速度(β1 ,β2 )を補正可能で
    あることを特徴とする、請求項1記載の自動車の車速制
    御装置。
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