JP3060901B2 - インナカム式燃料噴射ポンプ - Google Patents

インナカム式燃料噴射ポンプ

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JP3060901B2
JP3060901B2 JP16200795A JP16200795A JP3060901B2 JP 3060901 B2 JP3060901 B2 JP 3060901B2 JP 16200795 A JP16200795 A JP 16200795A JP 16200795 A JP16200795 A JP 16200795A JP 3060901 B2 JP3060901 B2 JP 3060901B2
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インナカム式燃料噴射
ポンプに係り、特にディーゼル機関の燃料噴射ポンプに
好適なインナカム式燃料噴射ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ディーゼル機関の燃料噴射ポ
ンプとして、例えば特開昭61−96168号公報に開
示される如きインナカム式燃料噴射ポンプが知られてい
る。ここで、インナカム式燃料ポンプとは、ハウジング
に固定したインナカムの内周に、機関の1/2の回転速
度で回転するロータを設け、またロータの径方向に摺動
自在に嵌挿されたプランジャを、ローラ及びローラシュ
ーを介してインナカム内周に形成されたカム面で押圧し
てなる燃料噴射ポンプである。
【0003】すなわち、ハウジングに対してロータが回
転すると、ロータに嵌挿されたプランジャは、インナカ
ム内周に設けられたカムのリフト変化に追従して往復運
動を行う。この際、ロータの中央、すなわちプランジャ
の内側に形成されたポンプ室の燃料圧力は、プランジャ
がロータの中心に向けて往動する際に昇圧される。そし
て、この燃料圧力の昇圧は、インナカム内面に設けられ
たカムの位置に対応して、ロータの回転角が所定回転角
に達した際に生ずる。
【0004】従って、その燃料圧力をディーゼル機関を
構成する各気筒に適当に分配することとすれば、各気筒
で圧縮行程が行われる際に高圧燃料を供給することがで
き、燃料噴射ポンプとして必要な機能を実現することが
できる。ところで、かかる機能を具体的に実現するため
には、プランジャがロータの外周に向けて復動する際に
ポンプ室に燃料を吸入する燃料吸入通路と、プランジャ
がロータの中心に向けて往動する際にポンプ室から燃料
を吐出させる燃料吐出通路とを設ける必要がある。
【0005】また、かかる燃料噴射ポンプにおいて、ポ
ンプ室に連通して漏出通路を設けてその導通を制御した
場合、漏出通路を遮断した場合にのみポンプ室の圧力が
昇圧することとなり、積極的に燃料噴射時期を制御する
ことが可能となる。このため、インナカム式燃料噴射ポ
ンプを実現するにあたっては、上述した燃料吸入通路及
び燃料吐出通路と共に、燃料漏出通路を設けることが好
適である。
【0006】これに対して、上記公報記載のインナカム
式燃料噴射ポンプは、ロータの長手方向に、ポンプ室か
らその先端に貫通する貫通通路を設け、この貫通通路か
ら分岐して燃料吸入通路、燃料吐出通路、及び燃料漏出
通路を設けることにより、上記各通路の実現を図ってい
る。
【0007】つまり、ロータの外周には、それぞれ燃料
吸入通路、燃料吐出通路、及び燃料漏出通路の開口部が
開口し、シリンダ側に、それぞれ特定の回転角でのみこ
れらの開口部に連通する燃料供給ポート、燃料吐出ポー
ト、及び燃料漏出ポートを設けた場合、適切に燃料の吸
入、吐出、漏出を図ることができる。
【0008】従って、上記公報記載のインナカム式燃料
噴射ポンプによれば、ディーゼル機関に対して、適切
に、かつ良好な制御精度の下に、高圧燃料を供給するこ
とができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のイ
ンナカム式燃料噴射装置の如く、ポンプ室からロータ先
端に貫通して貫通路を設けた場合、ロータ先端部には貫
通路の開口を塞ぐ盲栓が必要となる。つまり、上記貫通
路のロータ先端側開口部は、機能上不要な開口部であ
り、かかる開口部を設けることなく所望の経路を実現す
ることができれば、盲栓は不要である。
【0010】また、プランジャの動作により燃料圧力の
昇圧を図る構成においては、プランジャの変位に伴うポ
ンプ室内体積変化量が大きいほど燃料の昇圧に有利であ
り、一方、ポンプ室及びこれに通じる空間の体積が小さ
いほど、燃料の昇圧には有利である。
【0011】これに対して上記従来の装置は、貫通路の
一部に燃料の流通経路としては不要な空間を有してお
り、また、燃料吸入通路、燃料吐出通路、及び燃料漏出
通路をそれぞれ独立に備えているため、燃料噴射時の昇
圧特性を確保するうえでは可能な限り小さいことが好ま
しいデッドボリュームが、比較的大きく形成される構成
である。
【0012】この意味で、上記従来のインナカム式燃料
噴射装置は、構成部品点数の削減に対する要請、及び燃
料通路内のデッドボリュームの省体積化の要請に反する
ものであり、必ずしもコスト上、及び性能上の最適化が
実現できていないという問題を有するものであった。
【0013】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、ポンプ室に連通する燃料吸入通路と燃料吐出通
路の一部を共通化して設けることにより、上記の課題を
解決するインナカム式燃料噴射ポンプを提供することを
目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、内部にポンプ室を備えると共に、外周
上の所定位置に前記ポンプ室と連通する燃料吸入口、及
び燃料吐出口を備えるロータと、嵌挿された前記ロータ
を回動可能に保持すると共に、少なくとも該ロータの回
転角が燃料吸入行程となる所定回転角である場合に前記
ロータの燃料吸入口と連通する燃料供給ポートと、該ロ
ータの回転角が燃料吐出行程となる所定回転角である場
合に前記ロータの燃料吐出口と連通する燃料流出ポート
とを備えるシリンダと、を具備したインナカム式燃料噴
射ポンプであって、前記ロータが、前記燃料吸入口と前
記燃料吐出口とを連通する第1の燃料通路と、前記燃料
吸入口と前記燃料吐出口の何れか一方の側からのみ前記
ポンプ室へ向けて形成され、該燃料吸入口と該燃料吐出
口の何れか一方と前記ポンプ室とを連通する第2の燃料
通路と、を備え、記燃料吸入口及び前記燃料吐出口
は、前記第1の燃料通路と前記第2の燃料通路とを介し
て前記ポンプ室に連通することを特徴とするインナカム
式燃料噴射ポンプにより達成される。
【0015】また、上記の目的は、請求項2に示す如
く、上記請求項1記載のインナカム式燃料噴射ポンプに
おいて、前記第1の通路、及び前記第2の通路は、それ
ぞれ前記燃料吸入口と前記燃料吐出口とを結ぶ直線上、
及び前記燃料吸入口と該燃料吐出口の何れか一方と前記
ポンプ室とを結ぶ直線上に設けられたインナカム式燃料
噴射ポンプによっても達成される。
【0016】更に、上記の目的を達成するにあたり、請
求項3に示す如く、内部にポンプ室を備えると共に、外
周上の所定位置に前記ポンプ室と連通する燃料吸入口、
及び燃料吐出口を備えるロータと、嵌挿された前記ロー
タを回動可能に保持すると共に、少なくとも該ロータの
回転角が燃料吸入行程となる所定回転角である場合に前
記ロータの燃料吸入口と連通する燃料供給ポートと、該
ロータの回転角が燃料吐出行程となる所定回転角である
場合に前記ロータの燃料吐出口と連通する燃料流出ポー
トとを備えるシリンダと、を具備したインナカム式燃料
噴射ポンプであって、前記ロータが、前記燃料吐出口に
連通する環状溝をその外周に備えると共に、前記シリン
ダが、該環状溝に連通する燃料漏出通路を備えるものに
おいて、前記環状溝近傍のロータ径を、他部位に比して
小径としたインナカム式燃料噴射ポンプも有効である。
【0017】
【作用】請求項1記載の発明において、前記シリンダに
対する前記ロータの回転角が燃料吸入を行うべき所定回
転角となった場合、前記ポンプ室が前記燃料吸入口を介
して前記燃料供給ポートと連通し、該ポンプ室に燃料が
吸入される。
【0018】また、前記シリンダに対する前記ロータの
回転角が燃料噴射を行うべき所定回転角となった場合、
前記ポンプ室が前記燃料吐出口を介して前記燃料流出口
に連通する。この場合、前記燃料吸入口と前記燃料供給
ポートとは遮断されており、前記ポンプ室で発生する燃
料圧力は、前記燃料吐出口からのみ開放され、高圧の燃
料噴射が実現される。
【0019】ところで、本発明においては、前記第1の
燃料通路が前記燃料吸入口と前記燃料吐出口とを連通
し、前記第2の燃料通路が前記燃料吸入口と前記燃料吐
出口の何れか一方を前記燃料ポンプに連通する構成であ
ることから、該第2の燃料通路は、燃料を吸入する際の
経路としても、燃料を噴射する際の経路としても使用さ
れる。
【0020】このため、本発明においては、前記ポンプ
室に対して、燃料の供給と噴射とを行う上で真に必要な
空間のみが連通していることになり、ポンプ室の昇圧能
力に対して高い圧送効率を得ることができ、インナカム
式燃料噴射ポンプとして優れた昇圧特性が実現される。
更に、本発明において、第2の燃料通路は、燃料吸入口
と燃料吐出口の何れか一方の側からのみポンプ室へ向け
て形成されている。この場合、燃料吸入口と燃料吐出口
とを結ぶ経路、および、燃料吸入口または燃料吐出口と
ポンプ室とを結ぶ経路の他には、何ら燃料通路が存在し
ない。このため、本発明によれば、密閉性を確保するた
めの盲栓を用いることなく、高い圧送効率を確保するこ
とができる。従って、本発明によれば、部品点数の削減
および圧送効率の改善に関して優れた効果を得ることが
できる。
【0021】また、請求項2記載の発明においては、前
記第1の燃料通路、及び前記第2の燃料通路が、それぞ
れ前記ポンプ室、前記燃料吸入口、及び前記燃料吐出口
を連通する最短経路上に設けられる。このため、前記ポ
ンプ室に連通して設けられる空間の体積が必要最小限の
体積となり、ポンプ室における燃料昇圧能力に対して、
インナカム式燃料噴射ポンプとして高い圧送効率が得ら
れる。
【0022】更に、請求項3記載の発明において、前記
ロータは、前記吐出口に連通して前記環状溝を備えてい
る。また、前記シリンダは、該環状溝に連通する燃料漏
出通路を備えている。従って、前記燃料吐出口は、常に
前記燃料漏出通路と連通した状態となり、該燃料漏出通
路が遮断されていない限り、その燃料圧力は昇圧しな
い。すなわち、前記環状溝、及び前記燃料漏出通路は、
本発明に係るインナカム式燃料噴射ポンプの高精度な燃
料噴射時期制御を実現可能ならしめている。
【0023】ところで、前記環状溝は、前記ポンプ室に
対して常時連通する空間であり、高い圧送効率をを確保
する観点からは、その体積が大きいほど不利である。一
方、燃料噴射時期を制御する上での高い自由度を確保す
る観点からは、前記燃料噴射口と前記燃料漏出通路との
連通を常に維持しておくことが望ましく、従って前記環
状溝は前記ロータの全周に渡って設けることが望まし
い。
【0024】これに対して、前記ロータは、前記環状溝
近傍におけるロータ径が他の部位に比して小径に設けら
れている。このため、前記環状溝の体積は比較的小さく
抑制され、前記ロータの全周にわたる環状溝を設けたに
も関わらず、高い圧送効率のもと、優れた昇圧特性が確
保される。
【0025】
【実施例】図1は、本発明の一実施例であるインナカム
式燃料噴射ポンプ10の全体構成を表す正面断面図を示
す。同図においてハウジング11は、燃料噴射ポンプ1
0の本体であり、その内部には、燃料噴射ポンプ10の
各機能部品を収納し、かつ燃料が充填される燃料室12
を備えている。
【0026】また、ハウジング11には、それぞれ燃料
室12の所定位置に連通するオーバーフローバルブ2
0、スピルバルブ30、燃料還流バルブ40、アキュム
レータ50、及びコンスタントプレッシャバルブ60が
配設されている。オーバーフローバルブ20は、燃料室
12内が過剰圧力となるのを防止するバルブであり、ボ
ール弁22、及びスプリング24からなる逆止弁を備
え、燃料室12内に燃料が過剰供給された場合に、その
過剰分を燃料タンクに還流させる。尚、本実施例におい
ては、その開弁圧を0.8kg/cm2程度に設定している。
【0027】スピルバルブ30は、電磁コイル31の発
する電磁力により弁体32を開閉させる電磁弁であり、
後述する燃料還流バルブ40及び燃料吸入ギャラリ17
と、後述する燃料漏出通路103との導通を制御する。
このスピルバルブ30の弁体32は、スプリング33に
よって上方に向けて付勢されると共に、その上端は、電
磁コイル31の発する電磁力を伝達するロッド34、及
びスプリング35に付勢されるストッパ36に規制され
ている。
【0028】一方、弁体32とその弁座37は、弁体3
2が弁座37に着座している場合、すなわちスピルバル
ブ30が閉弁している場合には、弁体32の側面にのみ
油圧が作用し、また、弁体32が弁座37から離座して
いる場合、すなわちスピルバルブ30が開弁している場
合には、弁体32の先端面にも油圧が作用するように構
成されている。
【0029】すなわち、電磁コイル31が電磁力を発生
し、ロッド34が弁体32を押圧すると、弁体32に
は、ロッド34の推力、及びスプリング35の付勢力が
閉弁方向に作用し、その結果スプリング33の付勢力に
抗って弁体32が変位してスピルバルブ30が閉弁状態
となる。
【0030】そして、ロッド34の推力が消滅すると、
スプリング33の付勢力がスプリング35の付勢力に抗
って弁体32を開弁方向に変位せしめ、スピルバルブ3
0が開弁状態となる。この際、弁体32の先端には、弁
体32を開弁方向に押圧する油圧が作用するため、その
油圧が高圧であるほどスピルバルブ30において大きな
開弁度が確保されることになる。
【0031】燃料還流バルブ40は、スピルバルブ30
開弁時において燃料漏出通路から漏出された燃料を適当
に減圧して燃料タンクに還流させるべく設けられたバル
ブであり、上述したオーバーフローバルブ20と同様
に、ボール弁42、及びスプリング44からなる逆止弁
で構成されている。
【0032】また、アキュムレータ50は、燃料吸入ギ
ャラリ17内における燃料圧力の脈動を吸収すべく配設
されたものであり、燃料吸入ギャラリ17に連通する燃
料室の圧力変動に応じて変位するピストン52、及びピ
ストン52を付勢するスプリング54を備えている。
【0033】コンスタントプレッシャバルブ60は、後
述するハウジング11内の燃料流出ポート102と、内
燃機関の各気筒に設けられた燃料噴射バルブとの間に設
けられるバルブであり、燃料流出ポート102の内圧が
所定圧力を越えて高圧となると、燃料噴射バルブに向け
てその圧力で燃料を流通させ、かつ燃料流出ポート10
2の内圧が所定圧力以下となっても、燃料噴射バルブ側
の圧力を所定圧力に保つ機能を有している。
【0034】また、ハウジング11の燃料室12には、
内燃機関のクランクシャフトの1/2の回転速度で回転
する駆動軸70、この駆動軸70の回転力を駆動源とし
て燃料のフィードを行うベーン式燃料フィードポンプ
(以下、単にフィードポンプと称す)80、駆動軸70
と共に回転するロータ90、ロータ90の細径部が嵌挿
されるシリンダ100、及びロータ90の太径部の外周
を取り囲むカムリング110が組み込まれている。
【0035】駆動軸70は、ハウジング11の端部付近
に配設されるブッシュ13、及びハウジング11内部に
配設される回転軸受け14により、ハウジング11に対
して回転可能に保持されている。ここで、ブッシュ13
には、摺動抵抗の軽減を図るべく燃料を給油することと
しており、その端部にオイルシール14を配設すると共
に、燃料インレット15とブッシュ13とを連通すべく
油路16を設けている。
【0036】ここで、駆動軸70には、その外周上に所
定間隔をあけて設けられた突起121を備えるパルサ1
20が嵌挿されており、一方、カムリング110には、
突起121の近接・離間をパルス信号に変換する回転角
センサ122が固定されている。
【0037】すなわち、本実施例の燃料噴射ポンプにお
いては、回転角センサ122が発するパスル数をカウン
トすることで、カムリング110に対する駆動軸70の
回転角、すなわちカムリング110に対するロータ90
の回転角を検出することが可能である。
【0038】フィードポンプ80は、ハウジング11に
固定される外壁81と、複数のベーン82を備える回転
子83とからなるベーン式ポンプである。すなわち、燃
料インレット15に連通して設けられた吸入口84から
吸い込まれた燃料は、回転子83の回転に伴ってベーン
82により昇圧され、所定位置に設けられた燃料吐出口
85から吐出される。
【0039】ロータ90は、本実施例の燃料噴射ポンプ
の要部であり、駆動軸70と係合した状態で、シリンダ
100内に回転可能に嵌挿されている。ここで、ロータ
90は、その太径部にポンプ室91を、また細径部に燃
料吸入口92と燃料吐出口93とを連通する第1の燃料
通路94、及び燃料吸入口92とポンプ室91とを連通
する第2の燃料通路95を有している。
【0040】また、ポンプ室91には、ロータ90の径
方向に摺動し得る複数のプランジャ(本実施例において
は4つ)96a〜96dが挿入されており、燃料吐出口
93には、軸方向にオフセットした位置においてロータ
90外周を取り巻いて設けられた環状溝97が連通され
ている。
【0041】一方、シリンダ100には、フィードポン
プ80の燃料吐出口85と外部配管を介して連通される
燃料吸入ギャラリ17とシリンダ100内周とを連通す
る燃料供給ポート(本実施例においては6つ)101-1
〜101-6と、一端がその外周において上述のコンスタ
ントプレッシャバルブ60に連通し、他端がシリンダ1
00の内周に開口する複数の燃料流出ポート(本実施例
においては6つ)102-1〜102-6が設けられてい
る。
【0042】ここで、各燃料吸入ポート101-1〜10
-6、及び各燃料流出ポート102 -1〜102-6は、そ
れぞれ内燃機関の各気筒(本実施例においては6気筒)
に対応して設けられたポートであり、ロータ90が内燃
機関の回転角に同期して回転する際に、内燃機関の回転
角に対応して燃料吸入ギャラリ17をロータ90の燃料
吸入口92に連通し、また特定気筒に配設されたコンス
タントプレッシャバルブ60に対して燃料吐出口93を
連通させる。
【0043】シリンダ100には、ロータ90に設けら
れた環状溝97と、スピルバルブ30とを連通する漏出
通路103が設けられている。ここで、環状溝97は、
上述の如くロータ90の全周に渡って設けられた溝であ
る。従って、環状溝97とスピルバルブ30とは、ロー
タ90の回転角に関わらず、常に連通した状態が形成さ
れる。
【0044】以下、図1中II−II断面に相当する図2を
参照して、ポンプ室91周辺の構成について説明する。
すなわち、本実施例の燃料噴射ポンプ10は、ロータ9
0に挿入された4つのプランジャ96a〜96dを、カ
ムリング110に設けたカムで駆動することで燃料の昇
圧を図るポンプである。
【0045】ここで、本実施例の燃料ポンプ10は、上
記の如く6気筒式内燃機関に対応したものであるため、
カムリング110には、図2に示すように等間隔で6つ
のカムが設けられており、また、4つのプランジャ96
a〜96dは、全てのプランジャ96a〜96dに同時
にリフトが生ずるようにその位置が設計されている。
【0046】また、各プランジャ96a〜96dの外周
には、カムリングによって与えられるカムリフトを、円
滑にプランジャ96a〜96dに伝達すべく、ローラシ
ュー98a〜98d、及びこのローラシュー98a〜9
8dに把持されるローラ99a〜99dが配設されてい
る。
【0047】従って、カムリング110の内部でロータ
90が回転すると、ロータ90が一周する間に、プラン
ジャ96a〜96dは6回の往復運動を行うこととな
り、その往復運動でポンプ室91内の燃料を昇圧するこ
ととすれば、ロータ90が1回転する間に、すなわち内
燃機関が2回転する間に、等回転角毎に6回の燃料昇圧
が図られることとなる。
【0048】この際、図1に示す燃料供給ポート101
-1〜101-6と燃料吸入口92とは、プランジャ96a
〜96dにカムリフトが与えられていない状況下で連通
する構成とされている。また、燃料流出ポート102-1
〜102-6と燃料吐出口93とは、プランジャ96a〜
96dにリフトが生ずる直前に連通する構成とされてい
る。
【0049】従って、ロータ90の回転に伴って、何れ
かの燃料供給ポート101-1〜101-6と燃料吸入口9
2とが連通すると、プランジャ96a〜96dには遠心
力とフィードポンプ80から供給される燃料圧力とが作
用し、ポンプ室91に燃料が吸入される。
【0050】そして、その後燃料供給ポート101-1
101-6と燃料吸入口92との連通が遮断され、次いで
燃料流出ポート102-1〜102-6と燃料吐出口93と
が連通した状態でプランジャ96a〜96dにリフトが
生ずると、スピルバルブ30が閉弁していることを前提
に、コンスタントプレッシャバルブ60に対して高圧の
燃料が供給されることになる。
【0051】ところで、プランジャ96a〜96dによ
る燃料の昇圧が行われる際に上述したスピルバルブ30
が開弁していると、ポンプ室91から圧送される燃料は
スピルバルブ30を介して燃料タンク等へ還流し、各気
筒に向けて高圧の燃料が供給されることがない。
【0052】すなわち、スピルバルブ30が存在しない
と仮定した場合、各気筒への燃料噴射時期は、カムリン
グ110に設けられたカムプロファイルによって一義的
に決定され、燃料噴射時期制御に関する自由度が著しく
失われた状態となる。これに対して、本実施例の如くス
ピルバルブ30を有する構成においては、ポンプ室91
において昇圧が開始されても、上記の如くスピルバルブ
30が開弁している限りは燃料噴射が行われず、この意
味で、スピルバルブ30を開弁状態から閉弁状態に切り
換える時期を制御することで燃料噴射開始時期を、その
後再びスピルバルブ30を開弁する時期を制御すること
で燃料噴射終了時期を、それぞれ精度よく制御すること
が可能である。
【0053】本実施例においてロータ90に環状溝97
を設け、シリンダ100に燃料漏出通路103を設け、
更に燃料漏出通路103の導通を制御するスピルバルブ
30を設けたのは、上述の如き燃料噴射時期制御を実現
するためである。この場合において、燃料噴射終了時期
を精度良く制御するためには、スピルバルブ30の開弁
時における漏出能力は高いほど有利である。これに対し
て、スピル弁30の弁体33のストローク量を大きく確
保し、又は弁体33の面積を拡大することは、スピルバ
ルブ30の大型化を招き、応答性を確保する点でも不利
益を生ずる。
【0054】上述の如く弁体33の上端を規制するスト
ッパ36をスプリング33で付勢することで、弁体33
開弁時における油圧が高圧であるほど大開度が得られる
構成としたのは、かかる要求に応えるためである。すな
わち本実施例のスピルバルブ30によれば、体格の大型
化、開閉弁時の応答性の悪化等を伴うことなく、燃料漏
出初期における高い漏出能力を確保することができ、優
れた燃料切れ特性を確保することができる。
【0055】ところで、スピルバルブ30を用いて高圧
燃料の漏出を図る場合、漏出時における燃料の慣性効果
により、ロータ90内に設けられた第1及び第2通路9
4、95の内圧が負圧化する場合がある。そして、これ
らの通路の内圧が負圧となると、プランジャ96a〜9
6dのストロークに対する燃料の圧送量の関係が変化
し、燃料噴射量の制御精度の悪化を伴う。
【0056】本実施例において、スピルバルブ30を介
して漏出される燃料の一部を燃料吸入ギャラリ17に還
流させ、かつ燃料吸入ギャラリ17に連通してアキュム
レータ50を設けているのは、かかる弊害を有効に除去
するためである。すなわち、本実施例の燃料噴射ポンプ
10においては、上記の如き構成を採用していることか
ら、燃料漏出時における慣性効果により過剰な燃料漏出
が行われたとしても、その一部が燃料吸入ギャラリ17
の内圧を昇圧させるべく作用し、更に漏出燃料が還流さ
れることによる内圧の脈動はアキュムレータ50によっ
て適切に吸収されるため、次回の燃料吸入時には十分な
量の燃料を安定して吸入することが可能である。
【0057】また、本実施例の燃料噴射ポンプ10は、
ハウジング11に対するカムリング110の固定角を可
変とするタイマ装置130を備えている。すなわち、カ
ムリング110は、ハウング11に対して回転可能に組
み付けられており、更に図2に示す如く、タイマピスト
ン131,132に挟持されるロッド133に固定され
ている。
【0058】ここで、タイマピストン131、132
は、タイマ装置130に、その内部を摺動可能に挿入さ
れたピストンであり、図2中、タイマピストン131の
右側にはフィードポンプ80の燃料吐出口85に連通す
る高圧室134が、タイマピストン132の左側にはフ
ィードポンプ80の燃料吸入口84に連通する低圧室1
35がそれぞれ形成されている。
【0059】また、低圧室135には、タイマピストン
132を図2中右方へ付勢するスプリング136が配設
され、高圧室134と低圧室135とは、図1に示す電
磁弁140により導通が制御される外部配管によって連
通されている。この場合、高圧室134と低圧室135
との差圧に応じてカムリング110が回転することとな
り、本実施例においては、電磁弁140の開閉弁をデュ
ーティー制御することで、所望の回転角に制御してい
る。
【0060】かかる構成とすることで、ロータ90の回
転角、すなわち内燃機関の回転角に対するプランジャ9
6a〜96dのリフト特性を変更することが可能であ
り、従って、燃料噴射時期制御に関する自由度を更に拡
大することが可能であり、制御性に優れた燃料噴射ポン
プが実現されることになる。
【0061】ところで、本実施例の燃料噴射ポンプ10
の如くプランジャ96a〜96dの往復動作によって燃
料の昇圧を図るポンプにおいては、プランジャ96a〜
96dの変位速度が速いほど高い圧送効率を得ることが
できる。しかしながらその変位速度を速めるためには、
リフト量が急変するカムを用いる必要があり、円滑な動
作を確保する意味で無制限に変位速度を高速化すること
はできない。
【0062】一方、燃料噴射ポンプ10の圧送効率を高
めるためには、燃料流出経路における圧力消費を抑制す
る意味で、ポンプ室91に連通する空間の総体積を小さ
くすることが有効であり、燃料噴射には不要な経路の体
積、すなわちデッドボリュームが大きいほど、燃料噴射
時における圧送効率の低下を招くことになる。
【0063】この意味で、インナカム式燃料噴射ポンプ
において円滑な動作を確保しつつ高い圧送効率を得るた
めには、可能な限りデッドボリュームを低減することが
上記要請に沿うことになる。本実施例の燃料噴射ポンプ
10は、かかる点に着目し、デッドボリュームの少ない
燃料通路形状を採用した点に特徴を有するものである。
以下、図3及び図4を参照して、燃料噴射ポンプ10の
具体的効果について説明する。
【0064】すなわち、インナカム式燃料噴射ポンプと
しての機能を実現する観点からすれば、ロータ90に
は、ポンプ室91に燃料を吸入するタイミングにおいて
シリンダの燃料供給ポートとポンプ室91とを連通する
吸入通路と、ポンプ室91が燃料を圧送するタイミング
においてシリンダの燃料流出ポートとポンプ室91とを
連通する吐出通路と、吐出通路の圧力を吐出通路103
に開放する漏出経路とを具備していれば十分である。
【0065】図3は、ロータ90に、上記条件に適合す
る燃料通路を形成したものの一例の構成図である。すな
わち、同図に示すロータ90には、ポンプ室91の左側
からポンプ室91を貫通して設けた主燃料通路150
と、主燃料通路150からそれぞれ燃料供給ポート10
1に、又は燃料漏出通路103に向けて分岐する分岐路
151,152と、特定の回転角においてのみ燃料流出
ポート102に連通する燃料吐出口153を備え、かつ
分岐路152に連通する環状溝154とが設けられてい
る。
【0066】この場合、ロータ90に適当な回転角が与
えられると、主燃料通路150及び分岐路151を介し
てポンプ室91が燃料供給ポートと連通することにな
り、燃料の吸入が実行可能である。また、ロータ90に
適当な回転角が与えられると、主燃料通路150、分岐
路152、環状溝154、及び燃料吐出口154を介し
てポンプ室91が燃料流出ポートと連通することにな
り、燃料の吐出が実行可能である。
【0067】そして、ロータ90の回転角に関わらず、
主燃料通路150及び環状溝153を介してポンプ室9
1が漏出通路103と連通しており、従って、スピルバ
ルブ30による適切な燃料噴射時期制御が可能である。
しかしながら、上記図3に示す構成は、上述したデッド
ボリュームの省体積化についての最適化が図られたもの
ではなく、あくまでも機能重視の構成である。更に、主
燃料経路150をポンプ室91を貫通して設けているた
め、所望の密封性を確保するために盲栓155を必要と
している。
【0068】これに対して、本実施例の燃料噴射ポンプ
10は、図4に示す如く(図1に同じ)燃料吸入口92
と燃料吐出口93とを第1の燃料通路94で連通するこ
とにより、第2の燃料通路95を燃料吸入経路と燃料吐
出経路とに共通に使用する構成としている。
【0069】この場合、燃料噴射時においてポンプ室9
1と燃料吐出ポート93とを結ぶ経路の他には、何ら燃
料通路が存在しないことになり、流通経路中のデッドボ
リュームが事実上排除された状態となる。また、その第
1及び第2の燃料通路が、共に直線的に設けられている
ため、機能上必要とされる燃料経路が、最小体積で実現
されることとなる。
【0070】更に、かかる構成とした場合、燃料吸入口
92側からポンプ室91へ向けて第2燃料通路95を形
成することとすれば、ポンプ室91裏面に盲栓155を
配設する必要もなくなる。この意味で、本実施例のロー
タ90に形成した第1及び第2の燃料通路は、部品点数
を削減し、かつ高圧送効率を実現するうえで理想的な形
状である。つまり、本実施例によれば、燃料圧送能力の
向上と共に、低コスト化をも実現することができるとい
う効果を享受することができる。
【0071】ところで、燃料噴射を行う際に不要な燃料
経路は、高い圧送効率を確保する観点からすればデッド
ボリュームであり、その存在が好ましくないことは前記
した通りであるが、かかる観点からすれば、上記図4
中、環状溝97、及び漏出通路103の体積は、圧送効
率向上を図るうえで好ましくないデッドボリュームであ
る。従って、その体積の減少を図ることができれば、更
に優れた圧送効率特性を確保することが可能である。以
下、図5を参照して、かかる点を考慮して設計したロー
タ60の構成について説明する。
【0072】図5は、本発明に係るインナカム式燃料噴
射ポンプに用いるロータの第2実施例の正面断面図を示
す。図5に示すロータ160は、燃料漏出通路103と
ポンプ室91とを連通するために環状溝161を設ける
部位近傍のロータ径を、他の部位に比べて小径化した構
成である。この場合、燃料漏出能力を損なうことなく環
状溝161によって形成されるデッドボリュームが省体
積化され、上述の優れた効果が実現されることになる。
【0073】このため、図5に示すロータ160を用い
て燃料噴射ポンプ10を構成した場合、上記図1(図
4)に示すロータ90を用いる場合に比べて更に優れた
燃料圧送効率を得ることができる。ところで、上記実施
例に示す燃料噴射ポンプ10は、ロータ90,161内
に設ける燃料通路(第1及び第2の燃料通路94,9
5)の省体積化を図ることに加え、シリンダ100、及
びハウジング11内に設ける燃料通路の省体積化をも図
っている。
【0074】すなわち、燃料噴射ポンプ10において
は、図1に示すように、各燃料供給ポート101-1〜1
01-6から、対応するコンスタントプレッシャバルブ6
0に至る燃料経路が、ほぼ直線状に設けられており、そ
の経路中における圧送効率低下をも最小限に抑える配慮
が払われている。
【0075】尚、本実施例の燃料噴射ポンプ10は、ロ
ータ90,160において、ポンプ室91と燃料吸入口
92とが近接する設計であるため、ポンプ室91と燃料
吸入口92とを結ぶ通路を第2の燃料通路95としてい
るが、これに限るものではなく、ポンプ室91と燃料吐
出口93とが近接する場合には、ポンプ室91と燃料吐
出口93とを結んで第2の燃料通路としてもよい。
【0076】図6は、本発明に係るインナカム式燃料噴
射ポンプに用いるロータの第3実施例の正面断面図を示
す。尚、図6において上記図4及び図5に示す構成部分
と同一の部分には、同一の符号を付してその説明を簡略
又は省略する。図6に示すロータ170は、シリンダ1
80の内部に嵌挿されている。シリンダ180には、上
述したシリンダ100と同様に、スピルバルブ30に連
通する燃料漏出通路103、及び各気筒のコンタントプ
レッシャバルブ60に連通する燃料流出ポート102が
設けられている。一方、ロータ170には、上述したロ
ータ90と同様にシリンダ180の燃料漏出通路103
に常時連通する環状溝97、及び所定の回転角で燃料流
出ポート102-1〜102-6に連通する燃料吐出口93
が設けられていると共に、燃料吐出口93とポンプ室9
1とを直線的に導通させる燃料通路172が設けられて
いる。本実施例は、シリンダ180に設けられた燃料漏
出通路103、及びロータ170に設けられた環状溝9
7が、燃料の漏出を図る通路として機能すると共に、燃
料をポンプ室91に導く通路としても機能する点に特徴
を有している。
【0077】すなわち、本実施例のインナカム式燃料噴
射ポンプ10は、上述の如く、プランジャ96a〜96
dによる燃料の圧送が開始された後、適当なタイミング
でスピルバルブ30を閉弁することにより燃料噴射を開
始し、その後適当なタイミングで再びスピルバルブ30
を開弁することにより燃料噴射の終了を図る。従って、
スピルバルブ30は、燃料噴射に備えてポンプ室91に
燃料を吸入する行程では常に開弁状態とされている。ス
ピルバルブ30は、上述の如く燃料漏出通路103と、
燃料吸入ギャラリ17とを導通又は遮断する弁機構であ
る。従って、スピルバルブ30が開弁状態とされている
場合、燃料漏出通路103と、燃料吸入ギャラリ17と
は導通状態となる。
【0078】ロータ170のポンプ室91は、燃料通路
172、燃料吐出口93、及び環状溝97を介して、常
に燃料漏出通路103に導通されている。従って、燃料
漏出通路103と燃料吸入ギャラリ17とが導通状態と
なれば、ポンプ室91も燃料吸入ギャラリ17と導通状
態となる。このため、本実施例の構成によれば、ロータ
170の内部でプランジャ96a〜96dが燃料吸入方
向に変位すると、その変位に応じて、燃料漏出通路10
3、環状溝97を経て、燃料がポンプ室91へ向けて流
入することになる。更に、その後、燃料の噴射時期に到
達すると、スピルバルブ30によって燃料漏出通路10
3が遮断され、適切にポンプ室91内での燃料の昇圧が
行われることになる。
【0079】このように、本実施例の構成によれば、シ
リンダ180に燃料供給ポートを設ける必要がないと共
に、ロータ170の内部に燃料吐出口93とポンプ室9
1とを直線的に連通する燃料通路172が設けられるだ
けであるため、燃料の流通経路中のデッドボリュームを
最小限に抑制することができる。更に、上記の構成は、
燃料吐出口93側からポンプ室91へ向けて燃料通路1
72を形成することにより、盲栓を用いることなく実現
することができる。この意味で、本実施例のロータ17
0は、部品点数の削減、及び圧送効率の改善に関して優
れた効果を有していることになる。
【0080】尚、上記図6に示すロータ170において
は、環状溝97が前記した燃料吸入口に、燃料吐出口9
3が、前記した燃料吐出口および第1の燃料通路に、燃
料通路172が前記した第2の燃料通路に、それぞれ相
当している。
【0081】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、前記第2の通路が燃料吸入経路、及び燃料噴射経路
として使用されることになり、前記第1の燃料通路と併
せて、必要な燃料通路のみが前記ポンプ室に連通する構
成を実現することができる。このため、本発明に係るイ
ンナカム式燃料噴射ポンプによれば、密閉性を確保する
ための盲栓を用いることなく、ポンプ室から燃料噴射口
に至る過程における燃料圧力の低下を抑制することがで
る。従って、本発明によれば、部品点数を削減しつ
、優れた昇圧特性の下、高圧の燃料噴射圧を確保する
ことができる。
【0082】また、請求項2記載の発明によれば、燃料
の供給及び噴射に必要な通路のみが前記ポンプ室に連通
されることに加え、連通される前記第1及び第2の通路
の最短化が図られることから、ポンプ室に連通される空
間について理想的な省体積化が実現される。このため、
本発明に係るインナカム式燃料噴射ポンプによれば、上
記請求項1記載の発明に比して、更に優れた昇圧特性を
得ることができる。
【0083】更に、請求項3記載の発明によれば、環状
溝近傍におけるロータ径を小径とすることで、比較的小
さな体積で、前記ロータの全周にわたる環状溝を形成す
ることができる。従って、本発明に係るインナカム式燃
料噴射ポンプによれば、前記ポンプ室に連通する空間の
体積をさほど増加させることなく、前記燃料吐出口を常
に前記燃料漏出通路に連通させる経路を形成することが
でき、高精度な燃料噴射時期制御の実現と、高い圧送効
率の確保とを両立することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のインナカム式燃料噴射ポン
プの全体構成を表す正面断面図である。
【図2】本実施例のインナカム式燃料噴射ポンプのポン
プ室周辺の構成を表す側面断面図である。
【図3】本実施例のインナカム式燃料噴射ポンプに用い
ることのできるロータの一例の正面断面図である。
【図4】本実施例のインナカム式燃料噴射ポンプで用い
るロータの第1実施例の正面断面図である。
【図5】本実施例のインナカム式燃料噴射ポンプで用い
るロータの第2実施例の正面断面図である。
【図6】本実施例のインナカム式燃料噴射ポンプで用い
るロータの第3実施例の正面断面図である。
【符号の説明】
10 燃料噴射ポンプ 20 オーバーフローバルブ 30 スピルバルブ 40 燃料還流バルブ 50 アキュムレータ 60 コンスタントプレッシャバルブ 70 駆動軸 80 フィードポンプ 90,160,170 ロータ 91 ポンプ室 92 燃料吸入口 93 燃料吐出口 94 第1の燃料通路 95 第2の燃料通路 96a〜96d プランジャ 97,161 環状溝 100 シリンダ 101-1〜101-6 燃料供給ポート 102-1〜102-6 燃料流出ポート 103 漏出通路 172 燃料通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−104963(JP,A) 実公 昭42−886(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02M 41/14

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部にポンプ室を備えると共に、外周上
    の所定位置に前記ポンプ室と連通する燃料吸入口、及び
    燃料吐出口を備えるロータと、 嵌挿された前記ロータを回動可能に保持すると共に、少
    なくとも該ロータの回転角が燃料吸入行程となる所定回
    転角である場合に前記ロータの燃料吸入口と連通する燃
    料供給ポートと、該ロータの回転角が燃料吐出行程とな
    る所定回転角である場合に前記ロータの燃料吐出口と連
    通する燃料流出ポートとを備えるシリンダと、 を具備したインナカム式燃料噴射ポンプであって、前記ロータが、前記燃料吸入口と前記燃料吐出口とを連
    通する第1の燃料通路と、 前記燃料吸入口と前記燃料吐出口の何れか一方の側から
    のみ前記ポンプ室へ向けて形成され、該燃料吸入口と該
    燃料吐出口の何れか一方と前記ポンプ室とを連通する第
    2の燃料通路と、を備え、記燃料吸入口及び前記燃料吐出口は、前記第1の燃料
    通路と前記第2の燃料通路とを介して前記ポンプ室に連
    通することを特徴とするインナカム式燃料噴射ポンプ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のインナカム式燃料噴射ポ
    ンプにおいて、 前記第1の通路、及び前記第2の通路は、それぞれ前記
    燃料吸入口と前記燃料吐出口とを結ぶ直線上、及び前記
    燃料吸入口と該燃料吐出口の何れか一方と前記ポンプ室
    とを結ぶ直線上に設けられたことを特徴とするインナカ
    ム式燃料噴射ポンプ。
  3. 【請求項3】 内部にポンプ室を備えると共に、外周上
    の所定位置に前記ポンプ室と連通する燃料吸入口、及び
    燃料吐出口を備えるロータと、 嵌挿された前記ロータを回動可能に保持すると共に、少
    なくとも該ロータの回転角が燃料吸入行程となる所定回
    転角である場合に前記ロータの燃料吸入口と連通する燃
    料吸入ポートと、該ロータの回転角が燃料吐出行程とな
    る所定回転角である場合に前記ロータの燃料吐出口と連
    通する燃料流出ポートとを備えるシリンダと、 を具備したインナカム式燃料噴射ポンプであって、 前記ロータが、前記燃料吐出口に連通する環状溝をその
    外周に備えると共に、前記シリンダが、該環状溝に連通
    する燃料漏出通路を備えるものにおいて、 前記環状溝近傍のロータ径を、他部位に比して小径とし
    たことを特徴とするインナカム式燃料噴射ポンプ。
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