JPH08177672A - インナカム式燃料噴射ポンプ - Google Patents
インナカム式燃料噴射ポンプInfo
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- JPH08177672A JPH08177672A JP32055094A JP32055094A JPH08177672A JP H08177672 A JPH08177672 A JP H08177672A JP 32055094 A JP32055094 A JP 32055094A JP 32055094 A JP32055094 A JP 32055094A JP H08177672 A JPH08177672 A JP H08177672A
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- spill
- fuel injection
- pressure
- chamber
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 インナカム式燃料噴射ポンプにおいて、高圧
化によるエンジン出力、排気エミッション上のメリット
を犠牲にすることなく、制御不可能領域を無くす方向に
改良する。 【構成】 ポンプハウジングに高圧室圧力をスピルする
ためのスピル弁71を設けたインナカム式燃料噴射ポン
プにおいて、さらに、分配ロータ55内にスプリング室
9を設けると共に、高圧室60からスプリング室9を横
切る様にスピル通路83,90,82を形成し、スプリ
ング室9内に、スピル通路83,90,82を開閉する
フリーピストン状弁体8を収納し、フリーピストン状弁
体8の背圧側の油溜室89とスピル弁71の低圧ポート
20とを連通させる。また、フリーピストン状弁体8の
中程に環状溝85を設け、油溜室89の圧力を高めてフ
リーピストン状弁体8を移動させたときに環状溝85が
スピル通路83,90,82に一致するように構成す
る。
化によるエンジン出力、排気エミッション上のメリット
を犠牲にすることなく、制御不可能領域を無くす方向に
改良する。 【構成】 ポンプハウジングに高圧室圧力をスピルする
ためのスピル弁71を設けたインナカム式燃料噴射ポン
プにおいて、さらに、分配ロータ55内にスプリング室
9を設けると共に、高圧室60からスプリング室9を横
切る様にスピル通路83,90,82を形成し、スプリ
ング室9内に、スピル通路83,90,82を開閉する
フリーピストン状弁体8を収納し、フリーピストン状弁
体8の背圧側の油溜室89とスピル弁71の低圧ポート
20とを連通させる。また、フリーピストン状弁体8の
中程に環状溝85を設け、油溜室89の圧力を高めてフ
リーピストン状弁体8を移動させたときに環状溝85が
スピル通路83,90,82に一致するように構成す
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インナカム式燃料噴射
ポンプに係り、特に、電子制御式のスピル機構を有する
インナカム式燃料噴射ポンプに関する。
ポンプに係り、特に、電子制御式のスピル機構を有する
インナカム式燃料噴射ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電子制御式スピル機構を有するイ
ンナカム圧送式の分配型燃料噴射ポンプの一例を図6に
示す。この燃料噴射ポンプにおいて、ドライブシャフト
52は図示しないエンジンによって駆動され、エンジン
回転数に同期して回転運動を行う。また、ドライブシャ
フト52には、ベーン式燃料フィードポンプ53及びシ
グナルロータ54が固定されている。さらに、ドライブ
シャフト52は図示しないカップリングを介してシリン
ダ62内を回転する分配ロータ55に連結される。この
分配ロータ55の内部に半径方向に形成された複数個の
シリンダには、それぞれプランジャ56が半径方向に摺
動可能に挿入されている。
ンナカム圧送式の分配型燃料噴射ポンプの一例を図6に
示す。この燃料噴射ポンプにおいて、ドライブシャフト
52は図示しないエンジンによって駆動され、エンジン
回転数に同期して回転運動を行う。また、ドライブシャ
フト52には、ベーン式燃料フィードポンプ53及びシ
グナルロータ54が固定されている。さらに、ドライブ
シャフト52は図示しないカップリングを介してシリン
ダ62内を回転する分配ロータ55に連結される。この
分配ロータ55の内部に半径方向に形成された複数個の
シリンダには、それぞれプランジャ56が半径方向に摺
動可能に挿入されている。
【0003】プランジャ56は、ドライブシャフト52
が回転してローラ58とカムリング59とのカム山の結
合状態を変化させることにより、ローラシュー57を介
して高圧室60に対して往復動する。そして、このプラ
ンジャ56による圧縮行程において、燃料が噴射ノズル
69へと圧送される。
が回転してローラ58とカムリング59とのカム山の結
合状態を変化させることにより、ローラシュー57を介
して高圧室60に対して往復動する。そして、このプラ
ンジャ56による圧縮行程において、燃料が噴射ノズル
69へと圧送される。
【0004】一方、制御系としては、回転数センサ61
がシグナルロータ54の外周面に対向するように取り付
けられている。シグナルロータ54には、所定角(例え
ば、5゜)毎に凸状歯が複数個配置され、回転数センサ
61はその凸状歯との電磁誘導により機関回転数に応じ
たNEパルスを制御装置80へ出力する。そして、燃料
噴射ポンプ51のハウジング65には、高圧室60の圧
力を制御するスピル弁71が設けられており、制御装置
80にてこのスピル弁71を開閉制御することにより、
燃料噴射ポンプ51の燃料噴射開始時期、噴射量、噴射
率が制御されるようになっている。
がシグナルロータ54の外周面に対向するように取り付
けられている。シグナルロータ54には、所定角(例え
ば、5゜)毎に凸状歯が複数個配置され、回転数センサ
61はその凸状歯との電磁誘導により機関回転数に応じ
たNEパルスを制御装置80へ出力する。そして、燃料
噴射ポンプ51のハウジング65には、高圧室60の圧
力を制御するスピル弁71が設けられており、制御装置
80にてこのスピル弁71を開閉制御することにより、
燃料噴射ポンプ51の燃料噴射開始時期、噴射量、噴射
率が制御されるようになっている。
【0005】この様な構成の燃料噴射ポンプ以外にも、
図7に示すように、インナカム式の燃料噴射ポンプにお
いて、スピルポート101に設けたフリーピストン10
2を圧電駆動子103により移動させて燃料噴射の終了
時期を制御するようにしたものもある(例えば、特開昭
58−53645号公報)。
図7に示すように、インナカム式の燃料噴射ポンプにお
いて、スピルポート101に設けたフリーピストン10
2を圧電駆動子103により移動させて燃料噴射の終了
時期を制御するようにしたものもある(例えば、特開昭
58−53645号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この様な電子制御式の
スピル機構を有するインナカム式燃料噴射ポンプは、高
圧力を発生できる反面、スピル通路が長くなる傾向にあ
り、スピル弁やフリーピストンが開状態に制御されてい
るにもかかわらず燃料が噴射され続けてしまう制御不可
能領域が存在するという問題が生じている。
スピル機構を有するインナカム式燃料噴射ポンプは、高
圧力を発生できる反面、スピル通路が長くなる傾向にあ
り、スピル弁やフリーピストンが開状態に制御されてい
るにもかかわらず燃料が噴射され続けてしまう制御不可
能領域が存在するという問題が生じている。
【0007】一方、こうした問題は、高圧性能を犠牲に
すれば解決するのであるが、それでは、エンジン出力、
排気エミッション上のメリットを生かすことができな
い。そこで、本発明は、高圧化によるエンジン出力、排
気エミッション上のメリットを犠牲にすることなく、制
御不可能領域を無くす方向に改良することを目的とす
る。
すれば解決するのであるが、それでは、エンジン出力、
排気エミッション上のメリットを生かすことができな
い。そこで、本発明は、高圧化によるエンジン出力、排
気エミッション上のメリットを犠牲にすることなく、制
御不可能領域を無くす方向に改良することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】本発明の
インナカム式燃料噴射ポンプは、分配ロータ内に弁体収
納室を設けると共に、高圧室から該弁体収納室を横切る
様にスピル通路を形成し、前記弁体収納室内に、前記ス
ピル通路を開閉するフリーピストン状弁体を収納し、該
弁体の背圧側の圧力を制御する背圧制御手段を設けたこ
とを特徴とする。
インナカム式燃料噴射ポンプは、分配ロータ内に弁体収
納室を設けると共に、高圧室から該弁体収納室を横切る
様にスピル通路を形成し、前記弁体収納室内に、前記ス
ピル通路を開閉するフリーピストン状弁体を収納し、該
弁体の背圧側の圧力を制御する背圧制御手段を設けたこ
とを特徴とする。
【0009】このインナカム式燃料噴射ポンプによれ
ば、まず、ロータ内に収納した弁体によってスピル通路
を開閉する様にしたので、即座に高圧室の燃料圧を低下
せしめることができ、燃料噴射切れがよい。しかも、ス
ピル通路は弁体収納室を横切る様に形成されているの
で、弁体には高圧室圧力による開弁方向の力が作用しな
い。よって、燃料噴射中に弁体が移動されるようなこと
がなく、良好なシール性が確保され、良好な燃料噴射を
確保することができる。このことにより、小型の弁体で
よいことになり、ロータ内に収納できたともいうことが
できる。
ば、まず、ロータ内に収納した弁体によってスピル通路
を開閉する様にしたので、即座に高圧室の燃料圧を低下
せしめることができ、燃料噴射切れがよい。しかも、ス
ピル通路は弁体収納室を横切る様に形成されているの
で、弁体には高圧室圧力による開弁方向の力が作用しな
い。よって、燃料噴射中に弁体が移動されるようなこと
がなく、良好なシール性が確保され、良好な燃料噴射を
確保することができる。このことにより、小型の弁体で
よいことになり、ロータ内に収納できたともいうことが
できる。
【0010】また、本発明のインナカム式燃料噴射ポン
プは、ポンプハウジングに高圧室圧力をスピルするため
の電気式スピル弁を設けたインナカム式燃料噴射ポンプ
において、さらに、分配ロータ内に弁体収納室を設ける
と共に、高圧室から該弁体収納室を横切る様にスピル通
路を形成し、前記弁体収納室内に、前記スピル通路を開
閉するフリーピストン状弁体を収納し、該弁体の背圧側
と前記電気式スピル弁のスピル側とを連通させたことを
特徴とするインナカム式燃料噴射ポンプとして構成して
もよい。
プは、ポンプハウジングに高圧室圧力をスピルするため
の電気式スピル弁を設けたインナカム式燃料噴射ポンプ
において、さらに、分配ロータ内に弁体収納室を設ける
と共に、高圧室から該弁体収納室を横切る様にスピル通
路を形成し、前記弁体収納室内に、前記スピル通路を開
閉するフリーピストン状弁体を収納し、該弁体の背圧側
と前記電気式スピル弁のスピル側とを連通させたことを
特徴とするインナカム式燃料噴射ポンプとして構成して
もよい。
【0011】この様に構成した場合には、最初に説明し
た構成による作用・効果に加えて、スピル通路が2系統
となり、一層のスピル性向上が望める。これらのインナ
カム式燃料噴射ポンプにおいて、前記弁体の中程外周に
環状溝を設け、前記背圧室の圧力を高めて弁体を移動さ
せたときに前記環状溝がスピル通路に一致するように構
成することができる。
た構成による作用・効果に加えて、スピル通路が2系統
となり、一層のスピル性向上が望める。これらのインナ
カム式燃料噴射ポンプにおいて、前記弁体の中程外周に
環状溝を設け、前記背圧室の圧力を高めて弁体を移動さ
せたときに前記環状溝がスピル通路に一致するように構
成することができる。
【0012】この様に構成すると、このフリーピストン
状弁体によるスピル時に、背圧室とスピル通路とが明確
に区画された状態とすることができる。よって、弁体の
背圧室圧力が変動し難く、弁体を開弁状態に維持し易
い。この結果、瞬間的な弁体の移動と、その後の安定し
た開弁状態とが維持できる。従って、瞬間的なスピル応
答性だけでなく、安定したスピル性能を発揮することに
よっても、燃料噴射切れを一層向上させることとなる。
状弁体によるスピル時に、背圧室とスピル通路とが明確
に区画された状態とすることができる。よって、弁体の
背圧室圧力が変動し難く、弁体を開弁状態に維持し易
い。この結果、瞬間的な弁体の移動と、その後の安定し
た開弁状態とが維持できる。従って、瞬間的なスピル応
答性だけでなく、安定したスピル性能を発揮することに
よっても、燃料噴射切れを一層向上させることとなる。
【0013】
【実施例】次に、実施例を説明する。実施例の装置も燃
料圧送のためのインナカム機構の基本的構造について
は、図6として説明した従来例とほぼ同様であるので、
これの説明は省略し、要部についてだけ説明する。
料圧送のためのインナカム機構の基本的構造について
は、図6として説明した従来例とほぼ同様であるので、
これの説明は省略し、要部についてだけ説明する。
【0014】図1は本実施例の要部となる圧送部分のみ
の拡大図である。図中、ロータ55、プランジャ56、
ローラシュー57、ローラ58、カムリング59、高圧
室60、シリンダ62、噴射ノズル69及びスピル弁7
1は図5のそれらと対応する部品である。
の拡大図である。図中、ロータ55、プランジャ56、
ローラシュー57、ローラ58、カムリング59、高圧
室60、シリンダ62、噴射ノズル69及びスピル弁7
1は図5のそれらと対応する部品である。
【0015】シリンダ62には、2ヶの吸入ポート1、
気筒数分のデリバリポート2、1本の補助スピルポート
3、1本のメインスピルポート4及び1本の背圧導入ポ
ート72を放射状に設ける。ここで、補助スピルポート
3は、吸入ポート1に合流している。
気筒数分のデリバリポート2、1本の補助スピルポート
3、1本のメインスピルポート4及び1本の背圧導入ポ
ート72を放射状に設ける。ここで、補助スピルポート
3は、吸入ポート1に合流している。
【0016】一方、ロータ55には、高圧室60からロ
ータ中央軸上に伸びる中央ポート5を設け、中央ポート
5から吸入ポート1に連通する気筒数分の吸入ポート6
及び1本のデリバリポート7を設ける。また、中央軸上
には、フリーピストン状弁体8を収納するシリンダ部8
1を設け、そのシリンダ部81には低圧ポート82と短
絡ポート83と背圧ポート84が開口する。
ータ中央軸上に伸びる中央ポート5を設け、中央ポート
5から吸入ポート1に連通する気筒数分の吸入ポート6
及び1本のデリバリポート7を設ける。また、中央軸上
には、フリーピストン状弁体8を収納するシリンダ部8
1を設け、そのシリンダ部81には低圧ポート82と短
絡ポート83と背圧ポート84が開口する。
【0017】低圧ポート82は、その一端がスプリング
14を収納するスプリング室(弁体収納室)9に開口
し、もう一端が所定角度で補助スピルポート3と連通で
きる様に形成されている。短絡ポート83は、その一端
がデリバリポート7に連通し、もう一端がフリーピスト
ン状弁体8の環状溝85に常時連通するように形成され
ている。背圧ポート84は、外周の環状溝86を介し
て、背圧導入ポート72に連通されている。さらに、ロ
ータ中央部にはデリバリポート7に連通し、かつメイン
スピルポート4に連通できる環状溝87を形成する。
14を収納するスプリング室(弁体収納室)9に開口
し、もう一端が所定角度で補助スピルポート3と連通で
きる様に形成されている。短絡ポート83は、その一端
がデリバリポート7に連通し、もう一端がフリーピスト
ン状弁体8の環状溝85に常時連通するように形成され
ている。背圧ポート84は、外周の環状溝86を介し
て、背圧導入ポート72に連通されている。さらに、ロ
ータ中央部にはデリバリポート7に連通し、かつメイン
スピルポート4に連通できる環状溝87を形成する。
【0018】フリーピストン状弁体8は、初期状態にお
いて、スプリング14により図示右方に押圧され、栓ネ
ジ13に設けたストッパ部88に当接されている。スト
ッパ部88の周囲は、背圧ポート84と連通する油溜室
89とされている。また、スプリング室9の周囲に、フ
リーピストン状弁体8の左行時のみ環状溝85と連通す
る溝部90を設けている。
いて、スプリング14により図示右方に押圧され、栓ネ
ジ13に設けたストッパ部88に当接されている。スト
ッパ部88の周囲は、背圧ポート84と連通する油溜室
89とされている。また、スプリング室9の周囲に、フ
リーピストン状弁体8の左行時のみ環状溝85と連通す
る溝部90を設けている。
【0019】スピル弁71は、ソレノイド式で、通電時
に弁体19が環状溝17と低圧ポート18とを遮断し、
OFF時は連通する様に構成されている。低圧ポート1
8の下流には流量制御弁91が設けられている。また、
弁体19の下方の低圧ポート20は背圧導入ポート72
に連通している。
に弁体19が環状溝17と低圧ポート18とを遮断し、
OFF時は連通する様に構成されている。低圧ポート1
8の下流には流量制御弁91が設けられている。また、
弁体19の下方の低圧ポート20は背圧導入ポート72
に連通している。
【0020】次に、図1〜図4に従って作動を説明す
る。図1は図4のA時期に該当する。図2はB時期、図
3はC時期に該当する。吸入行程時期であるA時期で
は、吸入燃料はシリンダ62の吸入ポート1及びロータ
55の吸入ポート6を通り、中央ポート5から高圧室6
0に流入する。この時スピル弁71はOFFであるから
弁体19は開状態(環状溝17と低圧ポート20が連通
した状態)である。
る。図1は図4のA時期に該当する。図2はB時期、図
3はC時期に該当する。吸入行程時期であるA時期で
は、吸入燃料はシリンダ62の吸入ポート1及びロータ
55の吸入ポート6を通り、中央ポート5から高圧室6
0に流入する。この時スピル弁71はOFFであるから
弁体19は開状態(環状溝17と低圧ポート20が連通
した状態)である。
【0021】このとき、スプリング室9及び油溜り室8
9はともに燃料フィード圧となっているから、フリーピ
ストン状弁体8は、スプリング14の力で図1の如く右
端のストッパ部88に当接している。この状態におい
て、プランジャ56がポンプの回転により、カム59の
プロフィルに従って中心方向に移動し、圧送を開始する
直前にスピル弁71を通電し、弁体19を閉とする。
9はともに燃料フィード圧となっているから、フリーピ
ストン状弁体8は、スプリング14の力で図1の如く右
端のストッパ部88に当接している。この状態におい
て、プランジャ56がポンプの回転により、カム59の
プロフィルに従って中心方向に移動し、圧送を開始する
直前にスピル弁71を通電し、弁体19を閉とする。
【0022】この状態において、ロータ55が回転し、
シリンダ62側の吸入ポート1とロータ55側の吸入ポ
ート6が遮断され、圧送行程が開始する。この圧送行程
中のB時期での動作状態を図2に示す。高圧室60の圧
力が上昇するとフリーピストン状弁体8の環状溝85
内、スピル弁71の環状溝17内も同様に圧力上昇す
る。ロータ55の回転によって、ロータ55のデリバリ
ポート7とシリンダ62のデリバリポート2が連通し、
高圧室60内の圧力が噴射ノズル69の開弁圧力以上に
達すると噴射が開始する。
シリンダ62側の吸入ポート1とロータ55側の吸入ポ
ート6が遮断され、圧送行程が開始する。この圧送行程
中のB時期での動作状態を図2に示す。高圧室60の圧
力が上昇するとフリーピストン状弁体8の環状溝85
内、スピル弁71の環状溝17内も同様に圧力上昇す
る。ロータ55の回転によって、ロータ55のデリバリ
ポート7とシリンダ62のデリバリポート2が連通し、
高圧室60内の圧力が噴射ノズル69の開弁圧力以上に
達すると噴射が開始する。
【0023】その後、噴射を停止すべきタイミングにな
ったときスピル弁71をOFFし、弁体19を開状態に
する。この時期に該当するのが図4のCである。弁体1
9を開状態にすると弁体19下部にメインスピルポート
4から高圧が吐出され、低圧ポート18側へ解放され
る。これと同時に、この時の圧力が背圧導入ポート72
から油溜室89に作用し、スプリング14の付勢力を上
回ることでフリーピストン状弁体8は一気に図示左方に
移動し、環状溝85と溝部90とが連通し、低圧ポート
82及び補助スピルポート3を介して高圧は即座に吸入
ポート1に解放される。これにより、燃料圧力が噴射ノ
ズル69の開弁圧を下回り、噴射が停止する。この時、
フリーピストン状弁体8が高圧室60に近いため、より
高速に圧力低下させることができ噴射切れも良好とな
る。噴射が停止し、油溜室89の圧力が低圧になるとフ
リーピストン状弁体8はスプリング14の付勢力で元の
位置へ戻り、再び環状溝85と溝部90を遮断状態と
し、次の噴射行程に備える。
ったときスピル弁71をOFFし、弁体19を開状態に
する。この時期に該当するのが図4のCである。弁体1
9を開状態にすると弁体19下部にメインスピルポート
4から高圧が吐出され、低圧ポート18側へ解放され
る。これと同時に、この時の圧力が背圧導入ポート72
から油溜室89に作用し、スプリング14の付勢力を上
回ることでフリーピストン状弁体8は一気に図示左方に
移動し、環状溝85と溝部90とが連通し、低圧ポート
82及び補助スピルポート3を介して高圧は即座に吸入
ポート1に解放される。これにより、燃料圧力が噴射ノ
ズル69の開弁圧を下回り、噴射が停止する。この時、
フリーピストン状弁体8が高圧室60に近いため、より
高速に圧力低下させることができ噴射切れも良好とな
る。噴射が停止し、油溜室89の圧力が低圧になるとフ
リーピストン状弁体8はスプリング14の付勢力で元の
位置へ戻り、再び環状溝85と溝部90を遮断状態と
し、次の噴射行程に備える。
【0024】流量制御弁91は、スピル時の低圧ポート
内圧力が急激にダウンしない様に、即ち、油溜室89に
適性な圧力が作用する様に設けるもので、開弁圧力は1
0〜20kgf/cm2にするのが良い。この様に、本実施例
によれば、まず、ロータ55内に収納したフリーピスト
ン状弁体8によってスピル通路83,90,92を開閉
する様にしたので、即座に高圧室60の燃料圧を低下せ
しめることができ、燃料噴射切れがよい。しかも、スピ
ル通路83,90,92はスプリング室9を横切る様に
形成されているので、フリーピストン状弁体8には高圧
室圧力による開弁方向の力が作用しない。よって、燃料
噴射中にフリーピストン状弁体8が移動されるようなこ
とがなく、良好なシール性が確保され、良好な燃料噴射
を確保することができる。また、スピル通路が2系統と
なっているので、非常に高いスピル性が期待できる。
内圧力が急激にダウンしない様に、即ち、油溜室89に
適性な圧力が作用する様に設けるもので、開弁圧力は1
0〜20kgf/cm2にするのが良い。この様に、本実施例
によれば、まず、ロータ55内に収納したフリーピスト
ン状弁体8によってスピル通路83,90,92を開閉
する様にしたので、即座に高圧室60の燃料圧を低下せ
しめることができ、燃料噴射切れがよい。しかも、スピ
ル通路83,90,92はスプリング室9を横切る様に
形成されているので、フリーピストン状弁体8には高圧
室圧力による開弁方向の力が作用しない。よって、燃料
噴射中にフリーピストン状弁体8が移動されるようなこ
とがなく、良好なシール性が確保され、良好な燃料噴射
を確保することができる。また、スピル通路が2系統と
なっているので、非常に高いスピル性が期待できる。
【0025】また、実施例では、弁体中程の環状溝85
を介してスピルさせる構成を採用したので、このフリー
ピストン状弁体8によるスピル時に、油溜室89とスピ
ル通路83,90,82とが明確に区画された状態とす
ることができる。よって、フリーピストン状弁体8の油
溜室89の圧力が変動し難く、フリーピストン状弁体8
を開弁状態に維持し易い。この結果、瞬間的なフリーピ
ストン状弁体8の移動と、その後の安定した開弁状態と
が維持できる。従って、瞬間的なスピル応答性だけでな
く、安定したスピル性能を発揮することによって、燃料
噴射切れを一層向上させることとなる。
を介してスピルさせる構成を採用したので、このフリー
ピストン状弁体8によるスピル時に、油溜室89とスピ
ル通路83,90,82とが明確に区画された状態とす
ることができる。よって、フリーピストン状弁体8の油
溜室89の圧力が変動し難く、フリーピストン状弁体8
を開弁状態に維持し易い。この結果、瞬間的なフリーピ
ストン状弁体8の移動と、その後の安定した開弁状態と
が維持できる。従って、瞬間的なスピル応答性だけでな
く、安定したスピル性能を発揮することによって、燃料
噴射切れを一層向上させることとなる。
【0026】これは、本発明の実施例としては、例え
ば、図5に例示する様な環状溝のないフリーピストン状
弁体8’による構成も考えられるのであるが、このとき
には開弁状態になると油溜室89とスピル通路82,9
0,83とが連通してしまい油溜室89の圧力が変動し
易くなるので、フリーピストン状弁体8の位置が変化し
易くなる。これに比べると、上述の実施例の方が一層燃
料噴射切れを高めることができるのである。
ば、図5に例示する様な環状溝のないフリーピストン状
弁体8’による構成も考えられるのであるが、このとき
には開弁状態になると油溜室89とスピル通路82,9
0,83とが連通してしまい油溜室89の圧力が変動し
易くなるので、フリーピストン状弁体8の位置が変化し
易くなる。これに比べると、上述の実施例の方が一層燃
料噴射切れを高めることができるのである。
【0027】以上、本発明の一実施例について説明した
が、本発明はこの実施例に限定されることなく、種々な
る態様を採ることができる。
が、本発明はこの実施例に限定されることなく、種々な
る態様を採ることができる。
【図1】 実施例の要部の断面図である。
【図2】 実施例の要部の断面図である。
【図3】 実施例の要部の断面図である。
【図4】 実施例に関するタイミングチャートである。
【図5】 変形例の要部の断面図である。
【図6】 従来の燃料噴射ポンプの構成を示す断面図で
ある。
ある。
【図7】 従来の燃料噴射ポンプの構成を示す断面図で
ある。
ある。
1・・・吸入ポート、2・・・デリバリポート、3・・
・補助スピルポート、4・・・メインスピルポート、5
・・・中央ポート、6・・・吸入ポート、7・・・デリ
バリポート、8・・・フリーピストン状弁体、9・・・
スプリング室、53・・・ベーン式燃料フィードポン
プ、55・・・分配ロータ、60・・・高圧室、62・
・・シリンダ、69・・・噴射ノズル、71・・・スピ
ル弁、80・・・制御装置、81・・・シリンダ部、8
2・・・低圧ポート、83・・・短絡ポート、85・・
・環状溝、89・・・油溜室、90・・・溝部。
・補助スピルポート、4・・・メインスピルポート、5
・・・中央ポート、6・・・吸入ポート、7・・・デリ
バリポート、8・・・フリーピストン状弁体、9・・・
スプリング室、53・・・ベーン式燃料フィードポン
プ、55・・・分配ロータ、60・・・高圧室、62・
・・シリンダ、69・・・噴射ノズル、71・・・スピ
ル弁、80・・・制御装置、81・・・シリンダ部、8
2・・・低圧ポート、83・・・短絡ポート、85・・
・環状溝、89・・・油溜室、90・・・溝部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永谷 康一 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 分配ロータ内に弁体収納室を設けると共
に、高圧室から該弁体収納室を横切る様にスピル通路を
形成し、 前記弁体収納室内に、前記スピル通路を開閉するフリー
ピストン状弁体を収納し、 該弁体の背圧側の圧力を制御する背圧制御手段を設けた
ことを特徴とするインナカム式燃料噴射ポンプ。 - 【請求項2】 ポンプハウジングに高圧室圧力をスピル
するための電気式スピル弁を設けたインナカム式燃料噴
射ポンプにおいて、 さらに、分配ロータ内に弁体収納室を設けると共に、高
圧室から該弁体収納室を横切る様にスピル通路を形成
し、 前記弁体収納室内に、前記スピル通路を開閉するフリー
ピストン状弁体を収納し、 該弁体の背圧側と前記電気式スピル弁のスピル側とを連
通させたことを特徴とするインナカム式燃料噴射ポン
プ。 - 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載のインナカム
式燃料噴射ポンプにおいて、前記弁体の中程外周に環状
溝を設け、前記背圧室の圧力を高めて弁体を移動させた
ときに前記環状溝がスピル通路に一致するように構成し
たことを特徴とするインナカム式燃料噴射ポンプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32055094A JPH08177672A (ja) | 1994-12-22 | 1994-12-22 | インナカム式燃料噴射ポンプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32055094A JPH08177672A (ja) | 1994-12-22 | 1994-12-22 | インナカム式燃料噴射ポンプ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08177672A true JPH08177672A (ja) | 1996-07-12 |
Family
ID=18122686
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32055094A Pending JPH08177672A (ja) | 1994-12-22 | 1994-12-22 | インナカム式燃料噴射ポンプ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08177672A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108167099A (zh) * | 2017-10-26 | 2018-06-15 | 绍兴市雅克汽配有限公司 | 一种高压分配泵头 |
-
1994
- 1994-12-22 JP JP32055094A patent/JPH08177672A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108167099A (zh) * | 2017-10-26 | 2018-06-15 | 绍兴市雅克汽配有限公司 | 一种高压分配泵头 |
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