JP3060856B2 - 内燃機関用点火装置 - Google Patents

内燃機関用点火装置

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JP3060856B2 JP6252201A JP25220194A JP3060856B2 JP 3060856 B2 JP3060856 B2 JP 3060856B2 JP 6252201 A JP6252201 A JP 6252201A JP 25220194 A JP25220194 A JP 25220194A JP 3060856 B2 JP3060856 B2 JP 3060856B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フライホイール磁石発
電機を電源として用いる内燃機関用点火装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関用点火装置は、点火電源と、点
火電源からエネルギーを得て機関の点火位置で点火用の
高電圧を発生する点火電圧発生部と、内燃機関の点火位
置を決定するための信号を点火回路に与える点火信号発
生手段とにより構成される。
【0003】点火信号発生手段としては、内燃機関の所
定の回転角度位置でパルス状の信号を発生する信号発電
機が多く用いられており、機関にフライホイール磁石発
電機が取り付けられる場合には、該信号発電機が磁石発
電機に内蔵されることが多い。
【0004】磁石発電機に内蔵される信号発電機は、多
くの場合、フライホイール磁石回転子の回転軸取り付け
用ボス部の外周に形成されたリラクタと、フライホイー
ル磁石回転子の内側で該リラクタにより生じさせられる
磁束変化を検出してパルス状の信号を出力する信号発電
子とにより構成される。信号発電子は、例えば、リラク
タに対向する磁極部を先端に有する鉄心と、該鉄心に巻
回された信号コイルと、該鉄心に磁気結合された永久磁
石とにより構成される。信号コイルには、リラクタが鉄
心の磁極部に対向し始める際、及び該対向を終える際に
それぞれ鉄心内で生じる磁束変化により、極性が異なる
パルス状の信号が誘起する。この種の信号発電機では、
内燃機関の点火位置で信号コイルが一方の極性の信号を
誘起するように、信号発電子の取り付け位置が設定さ
れ、該一方の極性の信号が点火信号として、直接、また
は波形整形回路を通してパルス整形されて点火電圧発生
部の信号入力端子に供給される。
【0005】点火電圧制御部は、コンデンサ放電式の点
火回路や、磁石発電機内に設けられた点火電源用コイル
を電源とした電流遮断形の点火回路、あるいはバッテリ
を電源とした電流遮断形の点火回路と、必要に応じて設
けられる点火位置制御装置とにより構成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、信号発
電機を磁石発電機に内蔵した場合には、磁石回転子の磁
石界磁から生じる漏洩磁束により信号発電子にノイズ信
号が誘起するのを避けられない。このノイズ信号が点火
電圧発生部に与えられると、点火位置以外の位置で誤点
火が生じるおそれがある。
【0007】信号発電機が発生するノイズ信号による誤
動作を防止する機能を持たせた内燃機関用点火装置とし
て、信号発電機の出力端子と点火電圧発生部の信号入力
端子との間にバイアス用コンデンサを挿入するととも
に、該コンデンサに並列に放電用抵抗を接続して、バイ
アス用コンデンサと放電用抵抗とによりノイズ阻止用の
バイアス回路を構成したものがある。この点火装置で
は、信号発電機が発生する信号によりバイアス用コンデ
ンサが充電され、該コンデンサの電荷は放電用抵抗を通
して一定の時定数で放電させられる。この点火装置にお
いては、信号発電機が点火位置を決定するための信号を
発生したときにバイアス用コンデンサの両端に所定レベ
ルの電圧が残留しているように、バイアス用コンデンサ
の放電時定数が設定されており、信号発電機が発生する
ノイズ信号がバイアス用コンデンサの残留電圧よりも低
いときに、該ノイズ信号がバイアス回路により阻止され
るようになっている。
【0008】磁石回転子の磁極数が比較的少ない場合に
は、信号発電機と点火電圧発生部との間に上記のような
バイアス回路を挿入することにより、ノイズ信号による
誤点火を防止することができる。
【0009】しかしながら、磁石回転子が多極(例えば
6極以上)に構成される場合には、磁石界磁からの漏洩
磁束が多いため、機関の高速回転時に信号コイルに誘起
するノイズ信号のレベルが大きくなり、上記のようなバ
イアス回路を設けただけでは、ノイズ信号による誤点火
を防ぎきれないという問題があった。
【0010】本発明の目的は、多極のフライホイール磁
石発電機内に設けた信号発電機を用いて点火信号を得る
ようにした内燃機関用点火装置において、ノイズ信号に
よる誤点火を防止することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、内燃機関の回
転軸に取り付けられるボス部を底壁部の中央に有するほ
ぼカップ状のフライホイールの周壁部の内周に多極の磁
石界磁を形成し、前記ボス部の外周にリラクタを形成し
たフライホイール磁石回転子と、前記フライホイール磁
石回転子の内側で前記リラクタにより生じさせられる磁
束変化を検出して内燃機関の点火位置を定めるための信
号を発生する信号発電子と、前記信号発電子の出力信号
を入力として内燃機関の点火位置で点火用の高電圧を出
力する点火回路とを備えた内燃機関用点火装置に係わる
ものである。
【0012】本発明においては、磁石回転子の磁極に対
向する位置に該磁石回転子の回転方向に位置をずらした
状態で配置されて、磁石回転子により与えられる磁束が
一方の極性から他方の極性のピークに向かって変化する
過程、及び他方の極性から一方の極性のピークに向かっ
て変化する過程でそれぞれレベルが変化する矩形波信号
を出力する第1及び第2の磁気検出素子と、第1及び第
2の磁気検出素子の出力を入力として両磁気検出素子の
一方の出力が高レベルの状態にあり他方の出力が低レベ
ルの状態にある期間のみ点火許可信号を出力する点火許
可信号発生回路と、信号発電子の出力信号が入力される
点火電圧発生部の信号入力端子間に対して並列に接続さ
れて、点火許可信号が発生しているときに遮断状態を保
って点火電圧発生部に点火信号が与えられるのを許容
し、点火許可信号が発生していない期間は導通し得る状
態を保って信号発電子の出力信号を点火電圧発生部から
側路する信号側路用スイッチとを設ける。そして、信号
発電機が点火位置を定めるための信号を発生したときに
点火許可信号が発生しているように、上記第1及び第2
の磁気検出素子を配置する位置を設定しておく。
【0013】本発明において、点火電圧発生部は、内燃
機関の点火位置で点火信号が与えられたときに点火コイ
ルの一次電流に急激な変化を生じさせて該点火コイルの
二次コイルに点火用の高電圧を発生させる点火回路を備
えたものであればよく、この点火電圧発生部を構成する
点火回路としては、コンデンサ放電式の点火回路や電流
遮断型の点火回路等、任意の形式の点火回路を用いるこ
とができる。また点火回路の外に点火位置制御装置を備
えて、内燃機関の点火位置を回転数などに応じて制御す
るようにした点火電圧発生部が用いられる場合にも本発
明を適用することができる。
【0014】点火電圧発生部が点火位置制御装置を持た
ない場合には、信号発電子が発生する信号が点火信号
(点火位置で点火回路をトリガするための信号)として
用いられて、該点火信号が発生したときに点火電圧発生
部が点火用の高電圧を発生する。点火電圧発生部が点火
位置制御装置を備えている場合、該点火位置制御装置
は、信号発電子の出力信号から機関の回転角度情報と回
転数情報とを得て点火位置を演算し、演算した点火位置
で点火回路に点火信号を与える。
【0015】従って本発明において「点火位置を定める
ための信号」は、点火回路をトリガする点火信号として
用いる信号と、点火位置制御装置に回転角度情報及び回
転数情報を与える信号との双方を包含する。
【0016】
【作用】上記のように、磁石発電機内に位置をずらして
配置した第1及び第2の磁気検出素子によりフライホイ
ール磁石回転子の磁石界磁から生じる磁束を検出して該
第1及び第2の磁気検出素子からそれぞれ矩形波信号を
発生させ、両矩形波信号の一方が高レベルになり、他方
が低レベルになっている期間点火許可信号を発生させ
て、該点火許可信号が発生している間だけ点火位置を定
めるための信号が点火電圧発生部に与えられるのを許容
するようにすると、信号発電子が発生する大部分のノイ
ズ信号が点火電圧発生部に与えられるのを阻止すること
ができるため、過大なノイズ信号が点火位置を定めるた
めの信号として認識される確率を少なくすることがで
き、ノイズ信号による誤点火を防止して信頼性を高める
ことができる。
【0017】
【実施例】図1及び図2は本発明の実施例で用いるフラ
イホイール磁石発電機を示したもので、この発電機は、
フライホイール磁石回転子1と固定子2とからなってい
る。
【0018】フライホイール磁石回転子1は、カップ状
に形成された鉄製のフライホイール100と、該フライ
ホイールの周壁部100aの内周に固定された12個の
永久磁石M1 〜M12とからなり、磁石M1 〜M12は回転
子の周方向にN極とS極とが交互に並ぶように回転子の
径方向に着磁されている。磁石M1 〜M12により12極
の磁石界磁が構成されている。
【0019】フライホイールの底壁部100bの中央部
には回転軸取り付け用のボス部100cが設けられ、該
ボス部100cが図示しない内燃機関のクランク軸に取
り付けられる。ボス部100cの外周には、ほぼ180
度の円弧角を有する大径部と小径部とが形成されてい
て、該大径部によりリラクタRが構成されている。この
フライホイール磁石回転子1は、内燃機関により駆動さ
れて図示の矢印CW方向に回転する。
【0020】固定子2は、環状の継鉄部200aの外周
から12個の突極部A1 〜A12を放射状に突出させた固
定子鉄心200と、固定子鉄心の突極部A1 〜A12にそ
れぞれ巻回された発電コイルW1 〜W12とからなってい
る。これらの発電コイルの内、突極部A1 に巻回された
発電コイルW1 は点火電源用の発電コイルで、この発電
コイルは線径が細いコイル導体を用いて他の発電コイル
よりも多数回巻回されている。他の発電コイルW2 〜W
12は、点灯負荷や、バッテリ充電回路等を駆動するため
に用いられる。
【0021】固定子2は、図示しない内燃機関のケース
等に設けられた固定子台板上に取り付けられ、固定子鉄
心の継鉄部200aに設けられた取り付け孔200a1に
挿入されたボルトにより該固定子台板に固定される。こ
のように固定子を機関に取り付けた状態では、固定子鉄
心の突極部A1 〜A12の先端の磁極部が磁石回転子1の
磁極に所定のギャップを介して対向し、固定子鉄心の継
鉄部200aが回転子のボス部100cを同心的に取り
囲む。
【0022】磁石回転子のボス部100cと継鉄部20
0aとの間に形成された空間には、3つの信号発電子S
G1 〜SG3 が120度の角度間隔で配置され、これら
の信号発電子は、固定子台板上に固定子2とともに固定
されている。
【0023】信号発電子SG1 〜SG3 はそれぞれ、リ
ラクタRに対向する磁極部を先端に有する鉄心C1 〜C
3 と、鉄心C1 〜C3 にそれぞれ磁気結合された図示し
ない永久磁石と、鉄心C1 〜C3 にそれぞれ巻回された
信号コイルWs1〜Ws3とを備え、鉄心C1 〜C3 の先端
の磁極部が放射方向からボス部100cの外周に対向さ
せられている。
【0024】上記信号発電子SG1 〜SG3 の信号コイ
ルWs1〜Ws3には、リラクタRがそれぞれの信号発電子
の磁極部に対向し始める際及び該対向を終える際にそれ
ぞれ鉄心C1 〜C3 中で発生する磁束変化により、極性
が異なるパルス状の信号Vs1及びVs2が誘起する。これ
らの信号は多気筒内燃機関の異なる気筒の点火位置を定
めるための信号として用いられる。
【0025】また固定子台板上には、固定子の発電コイ
ルW10とW11との間に位置させて、磁石回転子1の磁石
界磁から生じる磁束を検出する第1及び第2の磁気検出
素子H1 及びH2 が配置されている。これらの磁気検出
素子H1 及びH2 は、磁石回転子の回転方向にわずかに
位置をずらした状態で配置されていて、磁石回転子1に
より与えられる磁束が一方の極性から他方の極性のピー
クに向かって変化する過程、及び他方の極性から一方の
極性のピークに向かって変化する過程でそれぞれレベル
が変化する矩形波信号Vq1及びVq2をわずかな位相差を
もたせて出力する。図示の例では、第1の磁気検出素子
H1 が第2の磁気検出素子H2 よりも位相が進んだ位置
に配置され、第1の矩形波信号Vq1が第2の矩形波信号
Vq2よりも一定の角度だけ位相が進んだ位置で発生す
る。第1及び第2の磁気検出素子H1 及びH2 として
は、ホールICを用いるのが適当である。
【0026】図3は1気筒の内燃機関を点火するものと
して本実施例の電気的構成を概略的に示したもので、同
図において3は点火電圧発生部、4は信号発生部であ
る。点火電圧発生部3は、一次コイルLp 及び二次コイ
ルLs を有する点火コイルIGと、点火コイルIGの一
次側に設けられて点火電源用コイルW1 によりダイオー
ドDi を通して一方の極性に充電される点火エネルギー
蓄積用コンデンサCi と、ゲートに点火信号Vi が与え
られたときに導通してコンデンサCi の電荷を点火コイ
ルIGの一次コイルLp に放電させる放電制御用スイッ
チとしてのサイリスタSi とからなっている。この例で
は、点火電源用コイルW1 の一端が接地され、該点火電
源用コイルW1 の非接地側の端子にダイオードD1 のア
ノードが接続され、該ダイオードDi のカソードと接地
間にコンデンサCi が接続されている。コンデンサCi
の非接地側端子にサイリスタSi のアノードが接続さ
れ、サイリスタSi のカソードと接地間に点火コイルI
Gの一次コイルLp が接続されている。サイリスタSi
のゲートカソード間に抵抗Ri が接続され、サイリスタ
Si のゲートと接地間に信号コイルWs1が接続されてい
る。この例では、サイリスタSi と抵抗Ri と点火コイ
ルIGとにより点火主回路3Aが構成され、ダイオード
Di とコンデンサCi とにより点火電源部3Bが構成さ
れている。
【0027】上記の点火電圧発生部3を構成する回路
は、コンデンサ放電式の回路として周知のものである。
即ち、点火電源用コイルW1 が図示の矢印方向の正の半
サイクルの電圧を誘起すると、該電圧によりダイオード
Di を通してコンデンサCi が図示の極性に充電され
る。サイリスタSi のゲートに点火信号Vi が与えられ
ると、該サイリスタSi が導通するため、コンデンサC
i の電荷がサイリスタSiと点火コイルIGの一次コイ
ルLp とを通して放電する。この放電により点火コイル
の鉄心中で大きな磁束変化が生じるため、二次コイルL
s に点火用の高電圧が誘起し、該高電圧が点火プラグP
に印加される。これにより点火プラグPに火花が生じ、
機関が点火される。
【0028】信号発生部4は、信号発電子SG1 と第1
及び第2の磁気検出素子H1 及びH2 と点火許可信号発
生回路5と信号側路用スイッチ6とからなっている。
【0029】図4は、図3の点火装置の各部の信号波形
及び磁気検出素子が検出する磁束波形を機関の回転角θ
に対して示したものである。磁石回転子1が回転する
と、磁気検出素子H1 が検出する磁束Φが図4(A)に
示すように変化する。第1の磁気検出素子H1 は、図4
(B)に示したように、磁束Φが一方の極性から他方の
極性のピークに向かって変化する過程で所定のレベル−
Φt を超えたときに低レベルから高レベルに変化し、磁
束Φが他方の極性から一方の極性のピークに向かって変
化する過程で所定のレベルΦt を超えたときに高レベル
から低レベルに変化する第1の矩形波信号Vq1を出力す
る。また第2の磁気検出素子H2 は、同様に磁束の変化
を検出して、図4(C)に示したように第1の矩形波信
号Vq1に対して僅かに位相が遅れた第2の矩形波信号V
q2を出力する。
【0030】第1の磁気検出素子H1 が出力する第1の
矩形波信号Vq1及び第2の磁気検出素子H2 が出力する
第2の矩形波信号Vq2は点火許可信号発生回路5に入力
され、該点火許可信号発生回路から得られる点火許可信
号が信号側路用スイッチ6に与えられている。
【0031】点火許可信号発生回路5は、第1及び第2
の磁気検出素子の出力Vq1及びVq2を入力として、両磁
気検出素子の一方の出力Vq1またはVq2が高レベルの状
態にあり他方の出力Vq2またはVq1が低レベルの状態に
ある期間のみ点火許可信号Va を出力する。この点火許
可信号Va は、例えば図4(D)に示した通りで、この
例では、点火許可信号発生回路5の出力端子の電位が低
レベルになっている状態を点火許可信号が発生している
状態とし、該出力端子の電位が高レベルになっている状
態を点火許可信号が発生していない状態としている。
【0032】信号側路用スイッチ6は、点火電圧発生部
3の信号入力端子間(サイリスタSi のゲートと接地
間)に並列に接続されていて、点火許可信号Va が発生
しているときにのみ遮断状態を保って信号発電子から点
火電圧発生部3の信号入力端子に信号発電子の出力信号
が供給されるのを許容し、点火許可信号Va が発生して
いないときには導通し得る状態を保って、信号発電子の
出力信号を点火電圧発生部3の信号入力端子から側路す
る。
【0033】図4(E)は、上記信号側路用スイッチの
オンオフ動作を示しており、該信号側路用スイッチは、
点火許可信号Va が発生しているときにのみオフ状態を
保って、点火電圧発生部3に点火信号Vi が与えられる
のを許容する。
【0034】そして本実施例においては、信号コイルW
s1が信号Vs1及びVs2[図4(F)参照]を発生すると
きに点火許可信号Va が発生しているように、第1及び
第2の磁気検出素子H1 及びH2 をそれぞれ配置する位
置が設定されている。図3に示した例では、信号コイル
Ws1が発生する信号Vs1及びVs2の内、正極性の信号V
s1が点火信号として点火電圧発生部3に供給される。
【0035】上記のように構成すると、信号発電子が点
火位置を定めるための信号を発生したときには必ず点火
許可信号が発生して、点火位置を定めるための信号が点
火電圧発生部に与えられるのを許容するため、点火動作
は支障なく行なわれる。
【0036】また各点火許可信号が発生している僅かな
期間だけ信号発電子の出力信号が点火電圧発生部に与え
られるのが許容されるため、信号発電子から点火電圧発
生部にノイズ信号が与えられる確率を少なくすることが
できる。従って、第1及び第2の矩形波信号Vq1及びV
q2の位相差を十分に小さくして、点火許可信号Va のパ
ルス幅を、信号Vi を点火電圧発生部に与えるために必
要最小限の大きさに制限しておくことにより、点火位置
以外の位置で点火動作が行われるのを確実に防ぐことが
できる。
【0037】図5は、図1及び図2に示した磁石発電機
を用いて6気筒内燃機関を点火する点火装置を構成した
実施例を示したもので、この例では、6個の点火主回路
3A1〜3A6がそれぞれ内燃機関の第1ないし第6の気筒
に対して設けられている。点火主回路3A1〜3A6はそれ
ぞれ、点火コイルIG1 〜IG6 とサイリスタSi1〜S
i6と抵抗Ri1〜Ri6とにより、図3に示した点火主回路
3Aと全く同様に構成され、これらの点火主回路が発生
する点火用の高電圧が第1ないし第6の気筒にそれぞれ
取り付けられた点火プラグP1 〜P6 に印加されてい
る。
【0038】点火電源部3Bは、2つの点火エネルギ蓄
積用コンデンサCia及びCibを備え、コンデンサCiaの
非接地側端子は、カソードを該コンデンサCia側に向け
たダイオードDiaを通して点火電源用コイルW1 の一端
に接続されている。またコンデンサCibの非接地側端子
はカソードを該コンデンサCib側に向けたダイオードD
ibを通して点火電源用コイルW1 の他端に接続されてい
る。点火電源用コイルW1 の一端と接地間及び他端と接
地間にそれぞれアノードを接地側に向けたダイオードD
1b及びD1aが接続されている。この例では、コンデンサ
Cia及びCibと、ダイオードDia及びDibと、ダイオー
ドD1a及びD1bとにより点火回路の電源部3Bが構成さ
れている。
【0039】点火エネルギ蓄積用コンデンサCiaは、点
火電源用コイルW1 が発生する図示の実線矢印方向の正
の半サイクルの出力により、ダイオードDiaとダイオー
ドD1aとを通して図示の極性に充電される。この点火エ
ネルギ蓄積用コンデンサCiaは第1の気筒ないし第3の
気筒に対して共通に設けられたもので、第1ないし第3
の気筒用の点火主回路3A1〜3A3のサイリスタSi1〜S
i3のアノードがコンデンサCiaの非接地側端子に共通に
接続されている。
【0040】また点火エネルギ蓄積用コンデンサCib
は、点火電源用コイルW1 が発生する図示の破線矢印方
向の負の半サイクルの出力により、ダイオードDibとダ
イオードD1bとを通して図示の極性に充電される。この
点火エネルギ蓄積用コンデンサCibは第4の気筒ないし
第6の気筒に対して共通に設けられたもので、第4ない
し第6の気筒用の点火主回路3A4〜3A6のサイリスタS
i4〜Si6のアノードがコンデンサCiaの非接地側端子に
共通に接続されている。
【0041】信号発電子SG1 〜SG3 にそれぞれ設け
られた信号コイルWs1〜Ws3の一端はそれぞれダイオー
ドD21〜D23を通して点火主回路3A1〜3A3のサイリス
タSi1〜Si3のゲートに接続され、信号コイルWs1〜W
s3の他端はそれぞれダイオードD24〜D26を通して点火
主回路3A4〜3A6のサイリスタSi4〜Si6のゲートに接
続されている。また信号コイルWs1〜Ws3の一端と接地
間にそれぞれアノードを接地側に向けたダイオードD31
〜D33が接続され、信号コイルWs3,Ws1及びWs2の他
端と接地間にそれぞれアノードを接地側に向けたダイオ
ードD34,D35及びD36が接続されている。
【0042】点火許可信号発生回路5は、エミッタが接
地されたNPNトランジスタTR1からなる反転回路5
aと、ナンド回路5bとを備えている。トランジスタT
R1のベースは抵抗R1 を通して第1の磁気検出素子
(ホールIC)H1 の出力端子に接続され、コレクタは
抵抗R2 を通して図示しない直流電源の正極側出力端子
に接続されるとともに、抵抗R3 を通してナンド回路5
bの一方の入力端子に接続されている。また第2の磁気
検出素子H2 の出力端子は抵抗R4 を通してナンド回路
5bの他方の入力端子に接続されている。
【0043】信号側路用スイッチ6は、エミッタが接地
されたNPNトランジスタTR2 からなり、点火主回路
3A1〜3A6のサイリスタSi1〜Si6のゲートにそれぞれ
アノードが接続されたダイオードD51〜D56のカソード
がトランジスタTR2 のコレクタに共通接続されてい
る。即ち、トランジスタTR2 からなる信号側路用スイ
ッチ6は、ダイオードD51〜D56を通して点火回路の点
火信号入力端子間(サイリスタSi1〜Si6のゲート接地
間)に対して並列に接続されている。
【0044】図5の実施例の各部の電圧波形及び磁気検
出素子が検出する磁束波形を図6に示してある。図6
(A)は一方の点火エネルギ蓄積用コンデンサCiaの両
端の電圧Vcaを示したもので、コンデンサCiaは、点火
電源用コイルW1 が順次発生する2山の正の半サイクル
の電圧で充電されてその両端の電圧が上昇し、第1気
筒、第2気筒、及び第3気筒のそれぞれの点火位置θi
1,θi2,及びθi3で点火動作が行なわれる際に放電さ
せられてその両端の電圧が零になる。なお実際には、コ
ンデンサCiaが放電したときに生じる振動により、コン
デンサCiaの両端の電圧に振動波形が現れるが、この振
動波形の図示は省略されている。また点火エネルギ蓄積
用コンデンサCibの両端の電圧波形の図示も省略されて
いる。
【0045】図6(H),(J)及び(I)に示したよ
うに、信号コイルWs1,WS2及びWs3はそれぞれリラク
タRが信号発電子SG1 ,SG2 及びSG3 の磁極部に
対向し始める際に正極性の信号Vs11 ,Vs12 及びVs1
3 を発生し、該対向を終える際に負極性の信号Vs21 ,
Vs22 及びVs23 を発生する。
【0046】この例では、角度θi1の位置で信号コイル
Ws1から正極性の信号Vs11 がダイオードD21を通して
サイリスタSi1のゲートに与えられたときに第1気筒の
点火が行われ、角度θi2及びθi3の位置で信号コイルW
s2及びWs3から正極性の信号Vs12 及びVs13 がそれぞ
れダイオードD22及びD23を通してサイリスタSi2及び
Si3のゲートに与えられたときに第2気筒及び第3気筒
の点火が行われる。また角度θi4の位置で信号コイルW
s3から負極性の信号Vs23 がダイオードD24を通してサ
イリスタSi4のゲートに与えられたときに第4気筒の点
火が行われ、角度θi5及びθi6の位置で信号コイルWs1
及びWs2からそれぞれ負極性の信号Vs21 及びVs22 が
ダイオードD25及びD26を通してサイリスタSi5及びS
i6のゲートに与えられたときにそれぞれ第5気筒及び第
6気筒の点火が行われる。
【0047】第1の磁気検出素子H1 は図6(B)に示
すような磁束Φの波形を検出して同図(C)に示したよ
うな第1の矩形波信号Vq1を出力し、第2の磁気検出素
子H2 は磁束Φよりも僅かに位相が遅れた磁束を検出し
て図6(D)に示すような第2の矩形波信号Vq2を出力
する。第1の矩形波信号Vq1が高レベルになっている期
間トランジスタTR1 が導通し、該矩形波信号が低レベ
ルになっている期間トランジスタTR1 が遮断状態にな
るため、該トランジスタのコレクタには図6(E)に示
したように第1の矩形波信号Vq1を反転させた波形の矩
形波信号Vq1´が得られる。この矩形波信号Vq1´は、
矩形波信号Vq2とともにNAND回路からなる信号出力
回路5bに入力される。信号出力回路5bは、2つの入
力信号Vq1´及びVq2がともに高レベルになっている期
間その出力端子の電位が低レベルの状態(点火許可信号
が発生した状態)を保持し、その他の期間は出力端子の
電位が高レベルの状態を保持する。信号出力回路5bの
出力端子の電位が高レベルの状態(点火許可信号が発生
していない状態)にあるときにはトランジスタTR2 に
ベース電流が与えられるため、該トランジスタTR2 が
導通して、信号コイルWs1〜Ws3の出力を点火主回路3
A1 〜3A6 から側路する。また信号出力回路5bの出
力端子の電位が低レベルになっているとき(点火許可信
号Va が発生しているとき)には、図6(G)に示すよ
うにトランジスタTR2 が遮断状態に保持されるため、
信号コイルWs1〜Ws3から点火主回路3A1 〜3A6 に
支障なく点火信号が与えられる。従って、信号コイルW
s1〜Ws3がそれぞれ正規の信号を発生したときにのみ点
火主回路3A1 〜3A6 に点火信号が与えられ、信号コ
イルWs1〜Ws3が発生するノイズ信号によって点火主回
路3A1 〜3A6 に点火信号が与えられることはない。
【0048】図5に示した例では、信号コイルWs1〜W
s3と、ダイオードD21〜D26と、ダイオードD31〜D36
と、ダイオードD51〜D56と、第1及び第2の磁気検出
素子H1 及びH2 と、点火許可信号発生回路5と、信号
側路用スイッチ6とにより、信号発生部4が構成されて
いる。
【0049】上記の実施例では、点火許可信号発生回路
5を反転回路とNAND回路とにより構成したが、この
点火許可信号発生回路は、矩形波信号Vq1及びVq2の内
の一方が高レベルの状態にあり、他方が低レベル(また
は零レベル)の状態にある期間点火許可信号を発生する
ものであればよく、上記実施例の構成に限定されない。
例えば図7に示したように、図5に示した点火許可信号
発生回路のNAND回路をOR回路で置き換えて該OR
回路により信号出力回路5cを構成した回路でもよい。
【0050】図7の点火許可信号発生回路5は、第1の
矩形波信号Vq1を反転させた信号Vq1´及び第2の矩形
波信号Vq2の少なくとも一方が高レベルになっている期
間高レベルの状態を保持し、矩形波信号Vq1´及びVq2
の双方が低レベルのときに低レベルの状態(点火許可信
号が発生した状態)を保持する信号を出力する。
【0051】上記の各実施例では、点火許可信号Va を
低レベルの信号としたが、信号側路用スイッチ6の構成
によっては、該点火許可信号を高レベルの信号としても
よい。
【0052】上記の実施例では、点火電圧発生部3を構
成する点火回路としてコンデンサ放電式の回路を用いた
が、電流遮断形の点火回路を用いることもできる。図9
はその一例を示したもので、この例では点火電源用コイ
ルW1 の両端に一次電流制御用スイッチとしてのトラン
ジスタTRi のコレクタエミッタ間回路が並列に接続さ
れている。トランジスタTRi のベースコレクタ間には
抵抗Rb が接続され、トランジスタTRi のベースエミ
ッタ間に遮断制御用スイッチとしてのサイリスタThiが
接続されている。点火電源用コイルW1 の両端には点火
コイルIGの一次コイルが並列に接続され、点火コイル
の二次コイルの両端に点火プラグPが接続されている。
【0053】図9に示した点火回路では、点火電源用コ
イルW1 が図示の実線矢印方向の電圧を誘起したときに
トランジスタTRi にベース電流が流れて該トランジス
タが導通し、点火電源用コイルW1 からトランジスタT
Ri のコレクタエミッタ間を通して電流が流れる。サイ
リスタThiのゲートに点火信号が与えられると、該サイ
リスタThiが導通するためトランジスタTRi が遮断状
態になり、点火電源用コイルW1 に高い電圧が誘起す
る。この電圧が点火コイルIGにより更に昇圧されて該
点火コイルの二次コイルから点火用の高電圧が出力され
る。
【0054】図9の例では、点火電源用コイルW1 が点
火コイルIGと別個に設けられているが、点火コイルI
Gを磁石発電機の電機子に設けて、該点火コイルIGの
一次コイルを点火電源用コイルとして用いる場合もあ
る。その場合の点火回路は図9の回路からコイルW1 を
除去した回路になる。また図9の回路においては、遮断
制御用スイッチとしてサイリスタThiを用いているが、
このスイッチとしてトランジスタを用いる場合もある。
【0055】更に、図10に示すように、バッテリBを
電源とした電流遮断形の点火回路を用いる場合にも本発
明を適用できる。図10において、10a,10bはそ
れぞれ信号コイルWs1が発生する正極性信号Vs1及びV
s2をパルス波形に整形する波形整形回路、11は波形整
形回路10a,10bからそれぞれ与えられるパルス信
号によりセット及びリセットされて矩形波状の制御信号
Vi を出力するフリップフロップ回路、TRi はコレク
タエミッタ間回路が点火コイルIGの一次コイルに対し
て直列に接続された一次電流制御用スイッチとしてのト
ランジスタ、Bは点火コイルIGの一次コイルとトラン
ジスタTRi のコレクタエミッタ間回路との直列回路の
両端に接続されたバッテリである。
【0056】図10に示した点火装置では、制御信号V
i が発生したときにトランジスタTRi が導通してバッ
テリから点火コイルIGの一次コイルに一次電流を流
す。信号Vs2が発生して制御信号Vi が零になるとトラ
ンジスタTRi が遮断状態になるため、一次電流が遮断
され、点火動作が行われる。この場合は、信号Vs2が点
火信号となる。
【0057】上記の各実施例では、信号コイルの出力を
直接点火信号としているが、信号コイルが出力する正極
性信号及び負極性信号から得た回転角度情報及び回転速
度度情報に基づいて点火位置を演算して、演算された点
火位置で点火信号を発生させるようにした点火位置制御
装置が点火電圧発生部に設けられる場合にも、本発明を
適用することができる。
【0058】上記の実施例では、第1及び第2の磁気検
出素子H1 及びH2 を近接した位置に並べて配置した
が、本発明においては、両磁気検出素子が僅かな位相差
を持った矩形波信号Vq1及びVq2を発生して、一方の矩
形波信号が高レベルの状態にあり、他方の矩形波信号が
低レベルの状態にあるときに発生する点火許可信号が信
号発電子の正規の信号の発生位置で発生するようになっ
ていればよく、第1及び第2の磁気検出素子は必ずしも
近接した位置に並んでいなくなもよい。
【0059】以上、本発明の好ましい実施例につき説明
したが、本明細書に開示した発明の主な態様を挙げると
下記の通りである。
【0060】(1) 多極のフライホイール磁石回転子
と固定子とを備えたフライホイール磁石発電機と、前記
フライホイール磁石回転子の回転軸取り付け用ボス部の
外周に形成されたリラクタと、前記リラクタにより与え
られる磁束変化を検出して内燃機関の点火位置を定める
ための信号を発生する信号発電子とを有する信号発電機
と、前記点火位置を定めるための信号を入力として内燃
機関の点火位置で点火用の高電圧を出力する点火電圧発
生部とを備えた内燃機関用点火装置において、前記磁石
回転子の磁極に対向する位置に該磁石回転子の回転方向
に位置をずらした状態で配置されて、前記磁石回転子に
より与えられる磁束が一方の極性から他方の極性のピー
クに向かって変化する過程、及び他方の極性から一方の
極性のピークに向かって変化する過程でそれぞれレベル
が変化する第1及び第2の矩形波信号を出力する第1及
び第2の磁気検出素子と、前記第1及び第2の矩形波信
号を入力として両矩形波信号の一方が高レベルの状態に
あり他方が低レベルの状態にある期間のみ点火許可信号
を出力する点火許可信号発生回路と、前記信号発電子の
出力信号が入力される点火電圧発生部の信号入力端子間
に対して並列に接続されて、前記点火許可信号が発生し
ているときに遮断状態を保って前記点火電圧発生部に信
号発電子の出力信号が与えられるのを許容し、前記点火
許可信号が発生していない期間は導通し得る状態を保っ
て前記信号発電子の出力信号を前記点火電圧発生部から
側路する信号側路用スイッチとを具備し、前記信号発電
機が点火位置を定めるための信号を発生したときに前記
点火許可信号が発生しているように、前記第1及び第2
の磁気検出素子を配置する位置が設定されていることを
特徴とする内燃機関用点火装置。
【0061】(2) 多極のフライホイール磁石回転子
と少なくとも点火電源用コイルを有する固定子とからな
るフライホイール磁石発電機と、前記フライホイール磁
石回転子の回転軸取り付け用ボス部の外周に形成された
リラクタと、前記リラクタにより与えられる磁束変化を
検出して点火位置を定めるための信号を発生する信号発
電子とを有する信号発電機と、前記点火電源用コイルを
電源とし、前記点火位置を定める信号を入力として内燃
機関の点火位置で点火用の高電圧を出力する点火電圧発
生部とを備えた内燃機関用点火装置において、前記磁石
回転子の磁極に対向する位置に該磁石回転子の回転方向
に位置をずらした状態で配置されて、前記磁石回転子に
より与えられる磁束が一方の極性から他方の極性のピー
クに向かって変化する過程、及び他方の極性から一方の
極性のピークに向かって変化する過程でそれぞれレベル
が変化する第1及び第2の矩形波信号を出力する第1及
び第2の磁気検出素子と、前記第1及び第2の矩形波信
号を入力として両矩形波信号の一方が高レベルの状態に
あり他方が低レベルの状態にある期間のみ点火許可信号
を出力する点火許可信号発生回路と、前記信号発電子の
出力信号が入力される点火電圧発生部の信号入力端子間
に対して並列に接続されて、前記点火許可信号が発生し
ているときに遮断状態を保って前記点火電圧発生部に信
号発電子の出力信号が与えられるのを許容し、前記点火
許可信号が発生していない期間は導通し得る状態を保っ
て前記信号発電子の出力信号を前記点火電圧発生部から
側路する信号側路用スイッチとを具備し、前記信号発電
機が点火信号を発生したときに前記点火許可信号が発生
するように、前記第1及び第2の磁気検出素子を配置す
る位置が設定されていることを特徴とする内燃機関用点
火装置。
【0062】(3) カップ状に形成されて底壁部の中
央に設けられたボス部が内燃機関の回転軸に取り付けら
れるフライホイールと該フライホイールの内周に取り付
けられた永久磁石とを有して該永久磁石により等角度間
隔で並ぶ2n極(nは2以上の整数)の磁石界磁を構成
したフライホイール磁石回転子と、環状の継鉄部の外周
から前記磁石界磁に対向する磁極部を先端に有する複数
の突極部を放射状に突出させた固定子鉄心と該固定子鉄
心の突極部に巻回された発電コイルとを有して少なくと
も1つの突極部に巻回された発電コイルを点火電源用コ
イルとした固定子とを備えたフライホイール磁石発電機
と、前記継鉄部の内側で回転する前記フライホイールの
ボス部の外周に設けられたリラクタと、前記ボス部と継
鉄部との間に配置されて前記リラクタにより与えられる
磁束変化を検出して内燃機関の点火位置を定めるための
信号を発生する信号発電子とを有する信号発電機と、前
記点火電源用コイルを電源とし、前記点火位置を定める
ための信号を入力として内燃機関の点火位置で点火用の
高電圧を発生する点火回路とを備えた内燃機関用点火装
置において、前記磁石回転子の磁極に対向する位置に該
磁石回転子の回転方向に位置をずらした状態で配置され
て、前記磁石回転子により与えられる磁束が一方の極性
から他方の極性のピークに向かって変化する過程、及び
他方の極性から一方の極性のピークに向かって変化する
過程でそれぞれレベルが変化する第1及び第2の矩形波
信号を出力する第1及び第2の磁気検出素子と、前記第
1及び第2の矩形波信号を入力として両矩形波信号の一
方が高レベルの状態にあり他方が低レベルの状態にある
期間のみ点火許可信号を出力する点火許可信号発生回路
と、前記信号発電子の出力信号が入力される点火電圧発
生部の信号入力端子間に対して並列に接続されて、前記
点火許可信号が発生しているときに遮断状態を保って前
記点火電圧発生部に信号発電子の出力信号が与えられる
のを許容し、前記点火許可信号が発生していない期間は
導通し得る状態を保って前記信号発電子の出力信号を前
記点火電圧発生部から側路する信号側路用スイッチとを
具備し、前記信号発電機が点火信号を発生したときに前
記点火許可信号が発生するように、前記第1及び第2の
磁気検出素子を配置する位置が設定されていることを特
徴とする内燃機関用点火装置。
【0063】(4) 前記第1及び第2の磁気検出素子
は、前記固定子鉄心の隣り合ういずれか2つの突極部間
に形成された間隙内に配置されている上記3項に記載の
内燃機関用点火装置。
【0064】(5) 前記第1及び第2の磁気検出素子
はホールICからなっている上記1項、2項、3項また
は4項に記載の内燃機関用点火装置。
【0065】(6) 前記点火電圧発生部は、点火コイ
ルと、前記点火コイルの一次側に設けられて前記点火電
源用コイルの出力により一方の極性に充電される点火エ
ネルギ蓄積用コンデンサと、導通したときに前記コンデ
ンサの電荷を点火コイルの一次コイルに放電させるよう
に設けられた放電用スイッチとを備えたコンデンサ放電
式の点火回路を備えている上記1項、2項、3項、4項
または5項のいずれかに記載の内燃機関用点火装置。
【0066】(7) 前記点火電圧発生部は、点火電源
用コイルの両端に並列に接続されて点火電源用コイルが
一方の極性の半サイクルの電圧を誘起したときに導通し
て該点火電源用コイルに短絡電流を流す電流制御用スイ
ッチと、点火信号が与えられたときに導通して前記電流
制御用スイッチを遮断状態にするように設けられた遮断
制御用スイッチとを備え、前記電流制御用スイッチが遮
断状態になったときに前記点火電源用コイルに誘起する
電圧を昇圧して点火用の高電圧を出力する電流遮断形の
点火回路を備えていることを特徴とする上記1項、2
項、3項、4項または5項のいずれかに記載の内燃機関
用点火装置。
【0067】(8) 前記点火許可信号発生回路は、第
1の矩形波信号及び第2の矩形波信号の一方を反転させ
る反転回路と、前記第1の矩形波信号及び第2の矩形波
信号の他方と前記反転回路の出力とがともに高レベルの
状態にある期間前記点火許可信号を出力する信号出力回
路とからなっている上記1項、2項、3項、4項、5
項、6項または7項のいずれかに記載の内燃機関用点火
装置。
【0068】(9) 前記点火許可信号発生回路は、第
1の矩形波信号及び第2の矩形波信号の一方を反転させ
る反転回路と、第1の矩形波信号及び第2の矩形波信号
の他方と前記反転回路の出力とがともに低レベルのとき
に前記点火許可信号を出力する信号出力回路とからなっ
ている上記1項、2項、3項、4項、5項、6項または
7項のいずれかに記載の内燃機関用点火装置。
【0069】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、磁石発
電機内に位置をずらして配置した第1及び第2の磁気検
出素子によりフライホイール磁石回転子の磁石界磁から
生じる磁束を検出して該第1及び第2の磁気検出素子か
らそれぞれ矩形波信号を発生させ、両矩形波信号の一方
が高レベルになり、他方が低レベルになっている期間点
火許可信号を発生させて、該点火許可信号が発生してい
る間だけ信号発電子の出力信号が点火電圧発生部に与え
られるのを許容するようにしたので、信号発電子が発生
する大部分のノイズ信号が点火電圧発生部に与えられる
のを阻止して、過大なノイズ信号が点火位置を定めるた
めの信号として認識される確率を少なくすることがで
き、ノイズ信号による誤点火を防止して信頼性を高める
ことができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で用いる磁石発電機の構成を示
した正面図である。
【図2】図1の磁石発電機の半部の縦断面図である。
【図3】本発明の実施例の電気的構成を示した回路図で
ある。
【図4】図3の各部の信号波形と磁気検出素子が検出す
る磁束波形とを示した波形図である。
【図5】本発明の他の実施例を示した回路図である。
【図6】図5の各部の信号波形と磁気検出素子が検出す
る磁束波形とを示した波形図である。
【図7】本発明で用いる点火許可信号発生回路の変形例
を示した回路図である。
【図8】図7の各部の信号波形を示した波形図である。
【図9】本発明で用いる点火電圧発生部の他の構成例を
示した回路図である。
【図10】本発明で用いる点火電圧発生部の更に他の構
成例を示した回路図である。
【符号の説明】
1 フライホイール磁石回転子 100 フライホイール 100c ボス部 R リラクタ M1 〜M12 磁石 W1 点火電源用コイル W2 〜W12 発電コイル 2 固定子 200 固定子鉄心 3 点火電圧発生部 4 信号発生部 5 点火許可信号発生回路 6 信号側路用スイッチ H1 第1の磁気検出素子 H2 第2の磁気検出素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02P 7/067 303 F02P 7/067 301 F02P 1/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の回転軸に取り付けられるボス
    部を底壁部の中央に有するほぼカップ状のフライホイー
    ルの周壁部の内周に多極の磁石界磁を形成し、前記ボス
    部の外周にリラクタを形成したフライホイール磁石回転
    子と、前記フライホイール磁石回転子の内側で前記リラ
    クタにより生じさせられる磁束変化を検出して内燃機関
    の点火位置を定めるための信号を出力する信号発電子
    と、前記信号発電子の出力信号を入力として内燃機関の
    点火位置で点火用の高電圧を出力する点火電圧発生部と
    を備えた内燃機関用点火装置において、 前記磁石回転子の磁極に対向する位置に該磁石回転子の
    回転方向に位置をずらした状態で配置されて、前記磁石
    回転子により与えられる磁束が一方の極性から他方の極
    性のピークに向かって変化する過程、及び他方の極性か
    ら一方の極性のピークに向かって変化する過程でそれぞ
    れレベルが変化する矩形波信号を出力する第1及び第2
    の磁気検出素子と、 前記第1及び第2の磁気検出素子の出力を入力として両
    磁気検出素子の一方の出力が高レベルの状態にあり他方
    の出力が低レベルの状態にある期間のみ点火許可信号を
    出力する点火許可信号発生回路と、 前記信号発電子の出力信号が入力される点火電圧発生部
    の信号入力端子間に対して並列に接続されて、前記点火
    許可信号が発生しているときに遮断状態を保って前記点
    火電圧発生部に信号発電子の出力信号が与えられるのを
    許容し、前記点火許可信号が発生していない期間は導通
    し得る状態を保って前記信号発電子の出力信号を前記点
    火電圧発生部から側路する信号側路用スイッチとを具備
    し、 前記信号発電機が点火位置を定めるための信号を発生し
    たときに前記点火許可信号が発生しているように、前記
    第1及び第2の磁気検出素子を配置する位置が設定され
    ていることを特徴とする内燃機関用点火装置。
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