JP3059319B2 - テープローディング機構 - Google Patents

テープローディング機構

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JP3059319B2
JP3059319B2 JP5168768A JP16876893A JP3059319B2 JP 3059319 B2 JP3059319 B2 JP 3059319B2 JP 5168768 A JP5168768 A JP 5168768A JP 16876893 A JP16876893 A JP 16876893A JP 3059319 B2 JP3059319 B2 JP 3059319B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録再生装置におい
て、カセットケースから磁気テープを引き出して回転ド
ラムヘッドに巻き付けるテープローディング機構に関す
る。
【0002】
【従来の技術】磁気記録再生装置のうち磁気テープを使
用するものとして、所謂、8ミリビデオがある。この8
ミリビデオにおいて、スライドシャーシは磁気テープが
巻かれたカセットケースを収納保持することができる。
そして、スライドシャーシは内蔵された昇降機構により
ビデオ本体から外方に突出してカセットケースの出し入
れを行うイジェクト位置に移動可能であると共にビデオ
本体内でスライド機構によりプレイ位置に移動可能とな
っており、このプレイ位置でカセットケース内の磁気テ
ープを引出して走行させ、記録あるいは再生を行うこと
ができるようになっている。
【0003】従って、この8ミリビデオの装置内には磁
気テープをカセットケース内から引き出して回転ヘッド
ドラムに巻き付けるテープローディング機構が装着され
ている。このテープローディング機構はスライドシャー
シがプレイ位置に移動するのに伴って作動してテープロ
ーディングを行うものであり、回転ヘッドドラムの両側
に少なくとも一対のガイドポストを移動自在に設け、ロ
ーディング時にこのガイドポストがカセットケース内の
磁気テープを引出して回転ヘッドドラムに所定角度巻き
付けるようになっている。
【0004】このようなテープローディング機構の一例
を図26に示す。同図に示すテープローディング機構
は、傾斜した回転ヘッドドラム01に対して磁気テープ
02を所定角度斜めに巻き付けるように構成されたもの
である(特開平4−143956号)。即ち、カセット
ケース05に供給リール03及び巻取リール04が回転
自在に収納されると共にカセットケース05の開口した
開口凹部05aには回転ヘッドドラム01が挿入されて
いる。回転ヘッドドラム01は、カセット側に傾斜して
配置される。
【0005】ここで、供給リール03と回転ヘッドドラ
ム01との間には複数のガイドポスト06,07,0
8,011及びガイドローラ09,010が配置される
一方、回転ヘッドドラム01と巻取リール04との間に
は複数のガイドポスト012,014,015及びガイ
ドローラ013が配置されている。これらのうちガイド
ポスト010及びガイドローラ011は、回転ヘッドド
ラム01の入側において移動自在となっており、また、
これらのうちガイドポスト012及びガイドローラ01
3は、回転ヘッドドラム01の出側において、移動自在
となっている。
【0006】従って、ガイドポスト010及びガイドロ
ーラ011、ガイドポスト012及びガイドローラ01
3は、ローディング時においては、供給リール03と巻
取リール04の近傍位置から、図中に示すように、回転
ヘッドドラム01の近傍位置へ磁気テープ02を案内し
つつ移動することになる。
【0007】ここで、回転ヘッドドラム01の直前位置
におけるガイドローラ010及びガイドポスト011
は、回転ヘッドドラム01に対して磁気テープ02を斜
めに巻き付けるため、その直後位置のガイドローラ01
3及びガイドポスト012に対して高い位置に移動す
る。
【0008】従って、供給リール03から繰り出される
磁気テープ02は、これらのガイドポスト06〜011
及びガイドローラ010により左右に折り曲げられると
共に上下に振られて回転ヘッドドラム01に斜めに巻き
付けらる。そして、回転ヘッドドラム01から送り出さ
れた磁気テープ02は、ガイドポスト012〜015及
びガイドローラ012により左右に折り曲げられると共
に上下に振られて巻取リール04に巻き取られる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したテープローデ
ィング機構においては、磁気テープ02が垂直に巻掛け
られる位置においてはガイドポストまたはガイドローラ
が使用され、また、磁気テープ02が斜めに巻掛けられ
る位置においてはガイドポストが使用されている。
【0010】これは、ガイドポストは、磁気テープ02
に転動して接触するガイドローラに比較して、磁気テー
プ02に対する摩擦抵抗が大きいのでなるべく使用した
くないが、ガイドローラに対して磁気テープを斜めに巻
掛けると、軸方向の運動成分が生じるため、磁気テープ
を斜めに巻掛ける個所においては、ガイドローラを使用
できないためである。しかし、上述したテープローディ
ング機構において、例えば、ガイドポスト08のよう
に、磁気テープ02の裏面ではなく、磁性面に接触して
いるため、磁気テープの磁性面が、ガイドポストとの摩
擦により損傷を受ける問題があった。更に、塗布型メタ
ルテープや蒸着型メタルテープでは、表面状態の相違に
より、テープの走行が安定しないという問題もあった。
【0011】また、傾斜した回転ヘッドドラムに対し
て、磁気テープを巻き付け、小径な回転ヘッドドラムを
使用している8mmビデオにおいては、磁気テープを複
雑に折り曲げて案内しているので、磁気テープの磁性面
に対してガイドポストを接触させる配置が一般的であっ
た。本発明は、上記従来技術を鑑みて成されたものであ
り、回転ヘッドドラムがカセット側に傾斜した磁気記録
再生装置において、磁気テープの磁性面に対する損傷を
最小限とすることができるテープローディング機構を提
供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成する本
発明の構成はカセット内に収納された供給リール及び巻
取リールと該カセット側へ傾斜した回転ヘッドドラム間
近傍に複数の回転しないガイドポスト及び回転可能なガ
イドローラを配置すると共にローディング時において、
上記ガイドポスト及びガイドローラのうちガイドベース
上に設けたガイドポスト及びガイドローラを上記回転ヘ
ッドドラムの入側及び出側にそれぞれ移動させることに
より、前記カセット内から前記磁気テープを引き出して
前記回転ヘッドドラムに斜めに巻き付けるテープローデ
ィング機構において、前記ガイドポストは、いずれも前
記磁気テープの裏面に接触するように配置され、前記回
転ヘッドドラムの出側に設けられる前記ガイドベースは
1個であり、前記回転ヘッドドラムの出側に設けられる
前記ガイドベースには2個の傾斜したガイドポスト及び
1個のガイドローラが設けられることを特徴とする。
【0013】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0014】図1に本発明の一実施例に係るテープロー
ディング機構が装備された8ミリビデオにおけるイジェ
クト状態を表すスライドシャーシの平面視、図2にロー
ディング状態を表すスライドシャーシの平面視、図3に
テープ走行状態を表すスライドシャーシの平面視、図4
に8ミリビデオにおけるイジェクト状態を表すベースシ
ャーシの平面視、図5にローディング状態を表すベース
シャーシの平面視、図6にテープ走行状態を表すベース
シャーシの平面視、図7にテープローディング機構を表
す平面視、図8にローディング作動状態を表す概略、図
9にカセットホルダーの斜視、図10にカセットホルダ
ーの平面視、図11にカセットホルダーの右側面視、図
12にカセットホルダーの左側面視、図13及び図14
にカセット収納状態を表すカセットホルダーの左右側面
視、図15にカセットホルダーの正面視、図16及び図
17にカセットケースと回転ヘッドドラムとの位置関係
を表す作用説明を示す。
【0015】本実施例にあっては、テープローディング
機構を備えた磁気記録再生装置として8ミリビデオを用
いて説明する。そして、この8ミリビデオはカセットホ
ルダーが昇降機構によりビデオ本体から外方に突出する
ことができると共に、スライドシャーシに支持されてビ
デオ本体のベースシャーシに対してプレイ位置までスラ
イドできるようになっている。なお、本実施例におい
て、前方あるいは前部とはカセットケースをカセットホ
ルダーに挿入する側とし、後方あるいは後部とはその反
対とする。
【0016】まず、図9乃至図17に基づいてこのカセ
ットホルダー及びその昇降機構等について説明する。な
お、図9乃至図17にあってはスライドシャーシに装着
されている磁気テープの駆動に関する各種部材は省略し
てある。
【0017】図9に示すように、磁気テープ1は箱状の
カセットケース2内に供給リール3及び巻取リール4に
巻かれた状態で収納されている。そして、前部の蓋5が
上方に開口することで磁気テープ1が露出し、ローディ
ングが可能となっている。図9乃至図12に示すよう
に、カセットホルダー11は前後が開口した箱型形状を
なし、前部(図11において左方)の開口からカセット
ケース2を挿入することができ、後部(図11において
右方)には挿入されたカセットケース2の位置を規制す
るためのストッパ12が形成されている。また、カセッ
トホルダー11の両側下部にはカセットケース2を支持
する支持部13,14が形成されている。一方、スライ
ドシャーシ15は上部が開口した箱型形状をなし、カセ
ットホルダー11は左右両側に設けられた昇降機構1
6,17によって昇降自在に支持されている。
【0018】一方の昇降機構16は、図11に詳細に示
すように、中間部が連結軸18によってX状に連結され
た一対のアーム19,20からなり、各アーム19,2
0の前端部が枢軸21,22によりカセットホルダー1
1及びスライドシャーシ15に連結され、後端部が長孔
23,24及び支持軸25,26によりスライドシャー
シ15及びカセットホルダー11に連結されている。そ
して、一対のアーム19,20の間にはスプリング27
が張設されており、アーム19,20が起立する方向に
付勢している。
【0019】他方の昇降機構17は、図12に詳細に示
すように、中間部が連結軸28によってX状に連結され
た一対のアーム29,30からなり、各アーム29,3
0の前端部が枢軸31,32によりカセットホルダー1
1及びスライドシャーシ15に連結され、後端部が長孔
33,34及び支持軸35,36によりスライドシャー
シ15及びカセットホルダー11に連結されている。そ
して、一対のアーム29,30の間にはスプリング37
が張設されており、アーム29,30が起立する方向に
付勢している。
【0020】従って、カセットホルダー11は図11乃
至図14に示すように、昇降機構16のアーム19,2
0及び昇降機構17のアーム29,30の起倒によって
略水平状態を保って昇降することができるようになって
いる。
【0021】カセットホルダー11には左右の昇降機構
16,17を略同一速度で作動、即ち、昇降機構16,
17を同期させる同期機構が設けられている。図9及び
図11、図12に示すように、昇降機構16,17の一
方のアーム20,30にはその後端部上側に沿ってそれ
ぞれラック38,39が形成されており、カセットホル
ダー11にはその側部にこの各ラック38,39と噛み
合うピニオン40,41が回転自在に取付けられ、この
ピニオン40,41は連結ロッド42によって一体に回
転するように連結されている。
【0022】従って、昇降機構16,17によるカセッ
トホルダー11の水平昇降時、各アーム20,30が回
動するとラック38,39を介してピニオン40,41
がそれぞれ回転させられるが、このピニオン40,41
は連結ロッド42によって連結されているので、互いに
同期して回転して左右の昇降機構16,17は略同一速
度で作動することとなり、カセットホルダー11はその
昇降時にねじれたり、斜めになったりすることがない。
そして、昇降機構16,17において、アーム20,3
0の後端部側、即ち、ラック38,39が形成されてい
る側が長孔24,34及び支持軸26,36によりカセ
ットホルダー11に連結されているので、ラック38,
39は回動と共にスライド移動しながらピニオン40,
41を増速回転させることとなり、昇降機構16,17
の左右の同期が確実となる。
【0023】また、前述したように、左右の昇降機構1
6,17において、各アーム19,20及びアーム2
9,30にはスプリング27,37が張設されており、
カセットホルダー11の上昇はこのスプリング27,3
7の付勢力により行われるが、その付勢力によってカセ
ットホルダー11に衝撃力や振動が発生する。そのた
め、この昇降機構16,17にはカセットホルダー11
昇降時の衝撃及び振動を軽減して緩やかに作動させるた
めのダンパ機構43が設けられている。
【0024】即ち、図12に示すように、スライドシャ
ーシ15において、昇降機構17側の側部後方には上部
にラック44が形成されたスライド部材45が前後(図
12において左右)に移動自在に支持され、一端がアー
ム29の後端に連結されている。また、スライドシャー
シ15の側部にはラック44と噛み合うピニオン46が
回転自在に取付けられ、このピニオン46にはオイルダ
ンパ47が装着されている。
【0025】従って、昇降機構17によるカセットホル
ダー11の上昇時にスプリング37の付勢力によってア
ーム29,30は起立する方向に回動する。このとき、
アーム29は後端部がスライド部材45と共に前方に移
動し、このスライド部材45のラック44を介してピニ
オン46を回転させるが、オイルダンパ47の作用によ
ってこのピニオン46の回転が緩やかとなり、カセット
ホルダー11昇降時の衝撃及び振動を軽減して緩やかに
作動させることができる。
【0026】更に、一方の昇降機構17には各アーム2
9,30を傾倒状態、即ち、カセットホルダー11を下
降状態で保持するロック機構48が設けられている。図
12に示すように、スライドシャーシ15において、昇
降機構17側の側部には軸49によってフック50が回
転自在に取付けられると共にスライドシャーシ15との
間に張設されたスプリング51によって反時計回り方向
に付勢されている。また、フック50に隣接して軸52
によって規制板53が回転自在に取付けられると共にス
プリング54によって反時計回り方向に付勢され、且
つ、先端部がフック50に当接することで、このフック
50をスプリング51の付勢力に抗して回動させて解除
位置(図12に示す位置)に保持している。一方、アー
ム30には下方への延設部が一体に形成されてこの延設
部に係止ピン55が固定されている。また、フック50
には下部に突出部56が一体に形成され、スライドシャ
ーシ15をスライド自在に支持する後述するベースシャ
ーシ71には解除レバー105が形成されている。
【0027】従って、図12に示すカセットホルダー1
1を上昇位置(アーム29,30を起立位置)から下降
させると、アーム29,30が傾倒すると共に係止ピン
55が下降する。すると、この係止ピン55が規制板5
3に当接してスプリング54の付勢力に抗して押し下
げ、この規制板53により解除位置に保持されていたフ
ック50はスプリング51の付勢力によって反時計回り
方向に回動する。よって、図14に示すように、フック
50が係止ピン55に係合してアーム30の起立が阻止
され、カセットホルダー11は下降位置(アーム29,
30を傾倒位置)にて拘束される。一方、ベースシャー
シ71の解除レバー105にフック50の突出部56が
当接すると、このフック50はスプリング51の付勢力
に抗して反時計回り方向に回動して係止ピン55との係
合が解除される。すると、アーム29,30はスプリン
グ37の付勢力によって起立し、カセットホルダー11
が上昇する。
【0028】なお、図11及び図12において、57,
58は昇降機構16,17の各アームアーム19,20
及び29,30の傾倒状態、即ち、カセットホルダー1
1の下降状態を検出する検出スイッチである。
【0029】また、図10及び図15に示すように、本
実施例のカセットホルダー11にはテーププロテクタ6
1が設けられている。カセットホルダー11(カセット
ケース2)の下降時にこの移動に伴ってカセットケース
2の蓋5が開くが、このときに静電気によって磁気テー
プ1が蓋5の裏側に付着してしまうことがあり、この場
合、磁気テープ1は回転ヘッドドラムを乗り上げて反対
側にもっていかれてしまい、適正にローディングされな
くなってしまう。テーププロテクタ61は磁気テープ1
の回転ヘッドドラムに対する乗り上げを防止するもので
ある。
【0030】即ち、カセットホルダー11には昇降機構
17側の側部後方に枢軸62によって回動部材63が取
付けられており、この回動部材63の外周部には2つの
突片64,65が一体に形成され、一方の突片64には
昇降機構17のアーム29の後端部が当接可能となって
いる。この回動部材63に隣接してL字形状をなす作動
部材66が軸67によって回動自在に支持され、この作
動部材66の下方に延びる一端は回動部材63の一方の
突片65と当接可能であり、水平に延びる他端には長孔
68が形成されている。また、カセットホルダー11の
後部において、その中心から昇降機構17側(図15に
おいて右側)に所定量寄った位置に枢軸69によりテー
ププロテクタ61の一端が回動自在に取付けられてお
り、このテーププロテクタ61の枢軸69から他端側に
寄った位置に連結ピン70が固定され、この連結ピン7
0は作動部材66の長孔68に係合している。
【0031】従って、カセットケース2が保持されたカ
セットホルダー11が上昇位置にあるとき、図15及び
図16に示すように、カセットケース2の蓋5は閉じて
おり、一方、テーププロテクタ61は所定角度θで下方
を向き、このテーププロテクタ61の先端部はベースシ
ャーシ71に装着された回転ヘッドドラム112の外周
辺であって径方向のほぼ中心に位置している。
【0032】この状態からカセットホルダー11が下降
すると、図15及び図17に示すように、図示しない解
除機構によりカセットケース2の蓋5が開けられ、磁気
テープ1が露出する。一方、昇降機構17のアーム2
9,30は傾倒し、このアーム29の後端部が回動部材
63の突片64に当接してこれを図15において反時計
回り方向に除々に回転させていく。すると、回動部材6
3の突片65が作動部材66の一端に当接して他端を作
動(上昇)させ、カセットホルダー11の下降に伴って
テーププロテクタ61を上昇回動させる。このテーププ
ロテクタ61の上昇動作はカセットケース2の蓋5の開
扉動作に対して遅れて行われ、且つ、テーププロテクタ
61はカセットケース2から露出した磁気テープ1が回
転ヘッドドラム112の外周面に対向する直前に上昇が
終了する。
【0033】次に、図1乃至図8に基づいてスライドシ
ャーシの駆動機構並びにテープローディング機構、磁気
テープ走行機構等について説明する。なお、図1乃至図
6にあってはスライドシャーシに装着されているカセッ
トホルダーに関する各種部材は省略してある。
【0034】図1及び図4に示すように、ベースシャー
シ71は四角い板状をなして図示しない8ミリビデオ本
体内に固定されており、4方に支持ピン72,73,7
4,75が立設されている。一方、スライドシャーシ1
5には各側部に前後方向(図4において上下方向)に沿
うスライド孔76,77,78,79が形成されてい
る。そして、ベースシャーシ71の各支持ピン72,7
3,74,75にスライドシャーシ15の各スライド孔
76,77,78,79が係合することで、スライドシ
ャーシ15はベースシャーシ71に対して前後方向に移
動することができるようになっている。
【0035】このベースシャーシ71上にはスライドシ
ャーシ15の駆動機構が装備されている。即ち、図4に
示すように、ベースシャーシ71の後部側方には駆動ギ
ア80を有する駆動モータ81が装着されており、この
駆動ギア80は隣接する第1連結ギア82と噛み合って
いる。そして、第1連結ギア82と同軸一体の第2連結
ギア83は隣接する第3連結ギア84と噛み合い、この
第3連結ギア84と同軸一体の第4連結ギア85は隣接
する第5連結ギア86と噛み合い、第5連結ギア86は
第6連結ギア87と噛み合い、この第6連結ギア87は
カムギア88と噛み合っている。そして、このカムギア
88の上面部には第1のカム溝89が形成されている一
方、下面部には第2のカム溝90が形成されている。
【0036】また、ベースシャーシ71にはカムギア8
8に隣接した位置に駆動アーム91の基端部が枢軸(支
持ピン)73によって回動自在に取付けられ、先端部に
は連結軸92が固結されている。一方、スライドシャー
シ15には連結溝93が形成された支持ブラケット94
が取付けられており、この連結溝93に駆動アーム91
の連結軸92が係合している。そして、駆動アーム91
の中間部にはカム軸95が固定されており、このカム軸
95はカムギア88の第1のカム溝89に係合してい
る。
【0037】従って、駆動モータ81が駆動することに
より、その駆動力が駆動ギア80及び第1連結ギア8
2、第2連結ギア83、第3連結ギア84、第4連結ギ
ア85、第5連結ギア86、第6連結ギア87、カムギ
ア88に伝達され、このカムギア88を回転することが
できる。そして、このカムギア88が回転すると、第1
のカム溝89によりカム軸93を介して駆動アーム91
が枢軸73を中心として回動し、連結軸92及び連結溝
95(支持ブラケット94)を介してスライドシャーシ
15をベースシャーシ71に沿って移動することができ
るようになっている。
【0038】また、ベースシャーシ71にはカムギア8
8に隣接し、且つ、駆動アーム91とは反対側の位置に
連結リンク96の一端部が枢軸97によって回動自在に
取付けられている。この連結リンク96はL字形状をな
し、他端部にはカム軸98が固結され、このカム軸98
はカムギア88の第2のカム溝90に係合している。そ
して、連結リンク96の中間部には連結レバー99の一
端が連結ピン100によって連結され、連結レバー99
の他端は連結ピン101によって作動レバー102に連
結されている。この作動レバー102は一端が枢軸10
3によって回動自在に取付けられており、後述するが、
ピンチローラ159(ピンチアーム161)及びラチェ
ットブレーキレバー184の作動を制御するものであ
る。
【0039】なお、カムギア88にはロック制御ギア1
04が噛み合っており、このロック制御ギア104は解
除レバー105とカム係合している。従って、ロック制
御ギア104の回転角度によって解除レバー105を解
除位置と非解除位置とに作動させることができ、前述し
たカセットホルダー11におけるロック機構48のフッ
ク50の突出部56に接触あるいは非接触し、フック5
0の係合解除を制御することができる。
【0040】ここで磁気テープ1のテープローディング
機構について説明する。図1及び図4、図7に示すよう
に、カムギア88には中間ギア107,108が順次噛
み合い、更に、第1駆動ギア109及び第2駆動ギア1
10が噛み合っている。一方、ベースシャーシ71上に
はその略中央部にドラムベース111を介して回転ヘッ
ドドラム112が取付けられている。また、ベースシャ
ーシ71上にはこのドラムベース111に密着してリン
グホルダー113が取付けられており、このリングホル
ダー113の下面には2枚の第1リングギア114及び
第2リングギア115が上下に重なり合った状態で回転
自在に支持され、第1リングギア114には第1駆動ギ
ア109が、第2リングギア115には第2駆動ギア1
10がそれぞれ噛み合っている。なお、カムギア88、
中間ギア107は図示しないが一部欠歯ギアとなってお
り、第1及び第2リングギア114,115のローディ
ング開始前及び完了以降におけるカムギア88及び駆動
源側の伝達ギア群、ロック制御ギア104の回動を許容
している。
【0041】従って、駆動モータ81が駆動することに
より、その駆動力が駆動ギア80及び各連結ギア82,
83,84,85,86,87,カムギア88、第1駆
動ギア109、第2駆動ギア110に伝達され、この第
1駆動ギア109及び第2駆動ギア110はそれぞれ異
なる方向に回転する。そして、この第1駆動ギア109
及び第2駆動ギア110とそれぞれ噛み合う第1リング
ギア114及び第2リングギア115が互いにそれぞれ
異なる方向に回転することができるようになっている。
【0042】ドラムベース111とリングホルダー11
3の両者にわたり、回転ヘッドドラム112を中心とす
るその各側方(図7において左方及び右方)位置にはロ
ーディングガイド溝116,117が形成されている。
一方のローディング溝116は、水平に形成されている
のに対し、他方のローディング溝217は水平から上向
きに傾斜している。尚、ここにいう“水平”とは、カセ
ットケース2に対して水平の意味である。従来では、回
転ヘッドドラム112に対して磁気テープ1を斜めに巻
き付ける為、一方のローディング溝116を水平から下
向きに傾斜させる必要があったが、本実施例では、後述
するようにガイドベース118に2個のガイドポスト1
22,123を設けたので、そのような傾斜を設ける必
要がなく、製造が容易となる。
【0043】一方のローディングガイド溝116は一端
が二股状をなし、第1ガイドベース118が一対のガイ
ドピン119,120を介して移動自在に装着されてお
り、この第1ガイドベース118上にはガイドローラ1
21とガイドポスト123が垂直に立設され、ガイドポ
スト122が傾斜して立設されている。また、ドラムベ
ース111及びリングホルダー113にはローディング
ガイド溝116に沿うガイド部125が形成され、第1
ガイドベース118にはガイド部125に案内されるガ
イドピン126が固着されている。また、ローディング
溝116の終端近傍位置には、第1ガイドベース118
と当接して、その位置を規制する位置決めピン209が
立設されている。この位置決めピン209に第1ガイド
ベース118が当接した位置において、この第1ガイド
ベース118に立設されたガイドポスト123、ガイド
ローラ121は、回転ヘッドドラム112に対して平行
ではなく、僅かにあおる方向に傾斜して、回転ヘッドド
ラム112に設けられた図示しないリードに対して磁気
テープ1を押し付けている。
【0044】一方、図20,図22に示すように、第1
ガイドベース118は連結レバー124によって第1リ
ングギア114に連結されている。即ち、第1リングギ
ア114には二個の長孔114a,114bが設けられ
ると共にこれらの長孔114a,114bにピンを介し
て第1スライドプレート207が半径方向に摺動自在に
装着され、この第1スライドプレート207と第1ガイ
ドベース118とが連結レバー124により連結されて
いる。更に、第1スライドプレート207と第1リング
ギア114には、半径方向の付勢力を得るためのバネ2
08が介装されている。この為、ローディングガイド溝
116の終端位置において、第1ガイドベース118が
位置決めピン209に当接すると、第1リングギア11
4と第1スライドプレート207が摺動してバネ208
が伸長し、その付勢力により、位置決めピン209に第
1ガイドベース118が当接した状態が強固に維持され
ることになる。この結果、第1ガイドベース118に設
けられるガイドローラ121、ガイドポスト122,1
23の微妙な角度が正確に維持されることになる。
【0045】また、他方のローディングガイド溝117
には第2ガイドベース127が一対のガイドピン12
8,129を介して移動自在に装着されており、この第
2ガイドベース127にはガイドローラ130とガイド
ポスト131がそれぞれ垂直に立設されている。また、
図18に示すように、ローディング溝117の終端近傍
位置には、第2ガイドベース127と当接して、その位
置を規制する位置決めピン212が立設されている。こ
の位置決めピン212に第2ガイドベース127が当接
した位置において、この第2ガイドベース127に立設
されたガイドポスト131、ガイドローラ130は、図
19に示すように、回転ヘッド112に対して平行では
なく、僅かにあおる方向に傾斜して、回転ヘッド112
に設けられた図示しないリードに対して、磁気テープ1
を押し付けている。
【0046】一方、図20、図21に示すように、第2
ガイドベース127は連結レバー132によって第2リ
ングギア115に連結されている。即ち、第2リングギ
ア115には二個の長孔115a,115bが設けられ
ると共にこれらの長孔115a,115bにピンを介し
て第2スライドプレート210が半径方向に摺動自在に
装着され、この第2スライドプレート210と第2ガイ
ドベース127とが連結レバー132により連結されて
いる。更に、第2スライドプレート210と第2リング
ギア115には、半径方向の付勢力を得るためのバネ2
11が介装されている。この為、ローディングガイド溝
117の終端位置において、第2ガイドベース127が
位置決めピン212に当接すると、第2リングギア11
5と第2スライドプレート210が摺動してバネ211
が伸長し、その付勢力により、位置決めピン212に第
1ガイドベース118が当接した状態が強固に維持され
ることになる。この結果、第2ガイドベース127に設
けられるガイドローラ130、ガイドポスト131の微
妙な角度が正確に維持されることになる。なお、リング
ホルダー113にはローディングガイド溝117に隣接
してインピーダンスローラ133が装着されている。
【0047】従って、第1リングギア114及び第2リ
ングギア115がそれぞれ反対方向に回転すると、第1
ガイドベース118は連結レバー124を介して駆動力
が伝達されることでローディングガイド溝116に沿っ
て移動することができる。このとき、ガイドピン126
がガイド部125に案内されるため、ローディングガイ
ド溝116の一端において、ガイドピン119,120
は2股状の溝のそれぞれに振り分けられる。また、第2
ガイドベース127は連結レバー132を介して駆動力
が伝達されることでローディングガイド溝117に沿っ
て移動することができる。
【0048】そして、ローディングガイド溝116,1
17の終端にそれぞれ第1、第2ガイドベース118,
127が移動して位置決めピン209,212に当接
し、その状態がバネ208,211により維持される状
態においては、第1、第2ガイドベース118,127
上のガイドポスト123及びガイドローラ121、ガイ
ドポスト131及びガイドローラ130が回転ヘッドド
ラム212の入側出側に位置すると共に回転ヘッドドラ
ム112に対して僅かに傾くので、図23に模式的に示
すように、回転ヘッドドラム112の入出射時において
磁気テープ1に仰角φが設けられることになり、これに
より回転ヘッドドラム212のリード212aに対して
磁気テープ1が押し付けられ、磁気テープ1は上下動が
抑えられると共に安定して走行することになる。ここ
で、ガイドベース118,127の傾斜としては、磁気
テープ1の走行安定を十分に図れる程度とすべきであ
り、例えば、1°以下の角度が選ばれる。また、第2ガ
イドベース118上には2個のガイドポスト122,1
23を設けたので、磁気テープ1の方向を大きく変化さ
せることができるので、テープパスの短縮化が図れると
共に回転ヘッドドラム112の出側においてその他のガ
イドベースを設ける必要がなくなった。更に、安定した
走行が得られるならば、第2ガイドベース127上のガ
イドポスト131を省略しても良い。
【0049】次に、磁気テープ走行機構について説明す
る。図4に示すように、ベースシャーシ71の後部側方
にはキャプスタン(軸)134及びキャプスタンギア1
35を有するキャプスタンモータ136が装着されてお
り、このキャプスタンギア135は隣接するギアプーリ
137が噛み合っている。一方、スライドシャーシ15
には供給リール3側のターンテーブル138と巻取リー
ル4側のターンテーブル139がそれぞれ所定の位置に
回転自在に装着されている。供給リール3側のターンテ
ーブル138及び巻取リール4側のターンテーブル13
9には外周部にそれぞれギア部140,141が形成さ
れている。そして、ベースシャーシ71にはターンテー
ブル138,139の間に位置してギアプーリ142が
取付けられ、ギアプーリ137との間にベルト143が
掛け回されると共に、ギアプーリ142の回転軸144
はスライドシャーシ15の長孔145を貫通している。
更に、回転軸144にはスライドシャーシ15の上部で
ブラケット146が枢着され、このブラケット146に
はギアプーリ142と噛み合うアイドルギア147が装
着されている。なお、ブラケット146とアイドルギア
147の間には回動フリクションを発生させる図示しな
いクラッチ部材が設けられている。
【0050】従って、キャプスタンモータ136が駆動
すると、キャプスタンギア135が回転し、その回転力
はギアプーリ137及びベルト143、ギアプーリ14
2、アイドルギア147に伝達される。このとき、伝達
された回転力がギアプーリ142を時計回り方向の回転
力であれば、アイドルギア147(ブラケット146)
を図1において回転軸144を中心として右方向に移動
して巻取リール側のターンテーブル139のギア部14
1に噛み合わせると共に、アイドルギア147を介して
ターンテーブル139を時計回り方向(磁気テープ1の
送り方向)に回転させることができる。また、伝達され
た回転力がギアプーリ142を反時計回り方向の回転力
であれば、アイドルギア147(ブラケット146)を
図1において回転軸144を中心として左方向に移動し
て供給リール側のターンテーブル138のギア部140
に噛み合わせると共に、アイドルギア147を介してタ
ーンテーブル138を反時計回り方向(磁気テープ1の
巻戻方向)に回転させることができる。なお、前述のク
ラッチ部材はアイドルギア147の移動力を発生させる
ものである。
【0051】図1に示すように、スライドシャーシ15
の一側部(図1において左部)にはローディング時に磁
気テープ1をガイドするガイドローラ148及びガイド
ポスト149が移動自在に設けられている。即ち、スラ
イドシャーシ15には2つのリンク150,151の中
間部が枢軸152,153によって枢支されることで回
動自在に取付けられており、各リンク150,151の
一端部は係合ピン154,155がガイド孔156を貫
通してベースシャーシ71に形成されたガイド溝15
7,158に係合し、他端部にはそれぞれガイドローラ
148、ガイドポスト149が取付けられている。従っ
て、スライドシャーシ15が後方(図1において上方)
に移動すると、係合ピン154,155がガイド溝15
7,158によってその移動が規制され、各リンク15
0,151がそれぞれ反時計回り方向に回動する。この
各リンク150,151が所定量回動すると、係合ピン
154,155が各ガイド溝157,158に沿って移
動することで、各リンク150,151の他端に設けら
れたガイドローラ148及びガイドポスト149が所定
の軌跡を経て所定の位置に移動することができる。
【0052】また、図1に示すように、スライドシャー
シ15の他側部(図1において右部)にはローディング
時に磁気テープ1をガイドすると共に磁気テープ1の走
行時にキャプスタン134との間でこの磁気テープ1を
ガイドするピンチローラ159とガイドローラ160が
移動自在に設けられている。即ち、スライドシャーシ1
5には一端部にピンチローラ159が装着されたピンチ
アーム161が枢軸162によって回転自在に取付られ
ると共に第1及び第2ガイドピン163,164が装着
された支持アーム165が同じく枢軸162によって回
転自在に取付けられている。そして、各アーム161,
165との間にはスプリング166が張設されており、
ピンチアーム161を図1において反時計回り方向に、
支持アーム165を時計回り方向にそれぞれ引き合うよ
うに付勢している。また、支持アーム165の第1及び
第2ガイドピン163,164はそれぞれスライドシャ
ーシ15に形成された弧状をなす第1及び第2ガイド溝
167,168に係合すると共に支持アーム165とス
ライドシャーシ15との間にはスプリング169が張設
されており、支持アーム165を図1において反時計回
り方向に付勢している。
【0053】一方、ベースシャーシ71には第2ガイド
ピン164の移動を規制する規制部170が形成されて
いる。また、このベースシャーシ71には、前述したよ
うに、作動レバー102が枢軸103によって回動自在
に取付けられており、この作動レバー102には係合溝
171が形成されている。また、スライドシャーシ15
にはピンチアーム161に隣接してガイドアーム172
が枢軸173によって回転自在に取付けられると共にス
プリング174によって図1において反時計回り方向に
付勢されている。
【0054】従って、スライドシャーシ15が後方(図
1において上方)に移動すると、支持アーム165の第
2ガイドピン164が規制部170によってその移動が
規制され、支持アーム165及びピンチアーム161が
時計回り方向に回動する。支持アーム165が所定量回
動すると、第2ガイドピン164が規制部170を外れ
てその移動規制が解除され、第1及び第2ガイドピン1
63,164はそれぞれガイド溝167,168に沿っ
て移動し、第1ガイドピン163が作動レバー102の
係合溝171に嵌入する。このとき、図4に示すよう
に、カムギア88の第2のカム溝90によって連結リン
ク96及び連結レバー99を介して作動レバー102を
図4において反時計回り方向に回動することで、係合溝
171及び第1ガイドピン163を介して支持アーム1
65及びピンチアーム161を時計回り方向に回動す
る。このようにしてピンチローラ159は所定の軌跡を
経てキャプスタン134に当接した位置に移動すること
ができる。
【0055】また、このピンチローラ159の移動の際
に、ガイドアーム172も時計回りに回動することがで
きる。
【0056】ここで、巻取リール4側及び供給リール3
側に設けられる各種のブレーキ機構について説明する。
図1に示すように、巻取リール4側にはローディング時
に磁気テープ1の引出し方向(図1において反時計回り
方向)への巻取リール4の回転を規制するラチェットブ
レーキ181が設けられている。即ち、巻取リール側の
ターンテーブル139には外周部にラチェット182が
形成される一方、スライドシャーシ15にはこのラチェ
ット182に係止する係止爪183を有するラチェット
ブレーキレバー184が枢軸185によって回動自在に
取付けれると共に図示しない付勢部材により回動フリク
ションが与えられている。
【0057】また、ラチェットブレーキレバー184に
は係合ピン187が固定される一方、ベースシャーシ7
1にはラチェットブレーキレバー184に隣接する位置
に操作レバー188が枢軸(支持ピン)75によって回
動自在に支持されると共にこの操作レバー188には係
合ピン187に係合可能な係合片189が一体に形成さ
れている。そして、操作レバー188には操作ピン19
0が固定される一方、ベースシャーシ71に枢着された
作動レバー102にはこの操作ピン190が挿入される
操作溝191が形成されている。更に、この作動レバー
102にはラチェットブレーキレバー184の係合ピン
187に直接係合可能な係合片192が一体に形成され
ている。
【0058】従って、磁気テープ1のローディング時に
ラチェットブレーキレバー184はそれ以前のローディ
ング、アンローディング動作によって係止爪183が巻
取リール側のターンテーブル139のラチェット182
に係止された状態で保持されており、巻取リール4にお
けるローディング時の磁気テープ1の引出し方向(図1
において反時計回り方向)への回転が阻止される。この
とき、作動レバー102を枢軸103を中心として反時
計回り方向に回転させると、操作溝191及び操作ピン
190を介して操作レバー188が図1において時計回
り方向に回転する。すると、係合片189が係合ピン1
87を押してラチェットブレーキレバー184を図1に
おいて反時計回り方向に回転することで、係止爪183
によるラチェット182への係止が解除されてターンテ
ーブル139の拘束が解除され、巻取リール4は磁気テ
ープ1の引き出し方向に回転可能となる。
【0059】また、ローディング終了後には、作動レバ
ー102を枢軸103を中心として反時計回り方向に回
動させると、前述と同様に、係合片192が係合ピン1
87を押してラチェットブレーキレバー184を回動す
ることで、ターンテーブル139の拘束が解除されて巻
取リール4は回転可能となる。
【0060】一方、図1に示すように、供給リール3側
には磁気テープ1のローディング時に磁気テープ供給リ
ール3の慣性力による磁気テープ供給方向への回転を規
制するソフトブレーキ193及び、ローディング完了時
に同様に磁気テープ供給方向へ回転を規制するラチェッ
トブレーキ194が設けられている。即ち、供給リール
側のターンテーブル138の外周部にはバンドブレーキ
195が掛け回されており、このバンドブレーキ195
の一端は支持部材196によってスライドシャーシ15
に固結される一方、他端はリンク150に連結されてい
る。ソフトブレーキレバー197は枢軸198によって
スライドシャーシ15に回動自在に取付けられると共に
その先端部にはターンテーブル138の外周部に圧接す
る圧接部材199が装着されている。
【0061】一方、ラチェットブレーキレバー200は
同じく枢軸198によってスライドシャーシ15に回動
自在に取付けられると共にその先端部にはターンテーブ
ル138のギア部140に係止する係止爪201が一体
に形成されている。そして、ソフトブレーキレバー19
7とラチェットブレーキレバー200との間にはスプリ
ング202が張設され、ソフトブレーキレバー197は
図1において時計回り方向に、即ち、圧接部材199が
ターンテーブル138の外周部にに圧接する方向に、ラ
チェットブレーキレバー200は反時計回り方向に、即
ち、係止爪201がターンテーブル138のギア部14
0に係止する方向にそれぞれ付勢されている。
【0062】また、ソフトブレーキレバー197及びラ
チェットブレーキレバー200にはそれぞれカムピン2
03,204が固定されている。一方、駆動アーム91
には各レバー197,200を作動制御する制御部とし
てのカム面205が形成されると共に、カムギア88に
はレバー200を作動制御するカム溝206が形成され
ている。
【0063】従って、磁気テープ1のローディング時に
ソフトブレーキレバー197はスプリング202の付勢
力によって時計回り方向に付勢されることで、圧接部材
199が供給リール側のターンテーブル138に圧接
し、磁気テープ供給リール3の慣性力による磁気テープ
供給方向(図1において時計回り方向)への回転が阻止
される。また、ラチェットブレーキレバー200は駆動
アーム91のカム面205がカムピン204に当接する
ことでその位置に保持され、係止爪201は供給リール
側のターンテーブル138のギア部140に係止せず、
供給リール4におけるローディング時の回転が阻止され
ることはない。
【0064】この状態からスライドシャーシ15を後方
(図1において上方)に移動させると共にローディング
を行うと、駆動アーム91が図1において反時計回り方
向に回動し、そのカム面205によりカムピン203を
介してソフトブレーキレバー197をスプリング202
の付勢力に抗して反時計回り方向に回動させる。する
と、圧接部材199によるターンテーブル138への圧
接が解除され、供給リール3の回転規制が解除される。
一方、この作動と共に駆動アーム91のカム面205に
よるカムピン204の保持が解除され、ラチェットブレ
ーキレバー184はスプリング202の付勢力によって
係止爪201がターンテーブル139のギア部140に
係止することで、ローディング完了時に供給リール3の
磁気テープ供給方向への回転が阻止される。また、ロー
ディング完了後は、カムギア88を更に回転すると、カ
ム溝206によりカムピン204を介してラチェットブ
レーキレバー184を回動させることで、係止爪201
によるギア部140への係止が解除され、供給リール3
の回転規制が解除される。
【0065】以下、上述した8ミリビデオにおけるカセ
ット2の収納、及び磁気テープ1のローディング並びに
走行駆動等についてその作動の流れを説明する。
【0066】カセットケース2を8ミリビデオ本体内に
装着する場合、図9に示すように、上昇位置にあるカセ
ットホルダー11内に前方からカセットケース2を挿入
する。そして、図11及び図12に示すイジェクト(上
昇)位置からこのカセットホルダー11を上部から押し
下げると、昇降機構16,17の各アーム19,20及
び29,30が傾倒し、カセットケース2を収納したカ
セットホルダー11は下降位置に移動する。このとき、
カセットホルダー11(カセットケース2)は水平状態
を保って下降することができ、左右の昇降機構16,1
7におけるアーム20,30の動作がラック38,39
及びピニオン40,41を介して連結ロッド42により
互いに連動することで、この左右の昇降機構16,17
は同期して作動することとなり、カセットホルダー11
はその下降時にねじれたり、斜めになったりすることが
防止される。
【0067】図13および図15に示すように、カセッ
トホルダー11が下降すると、このカセットホルダー1
1は下降位置でロック機構48により拘束される。即
ち、昇降機構17のアーム29,30が傾倒すると係止
ピン55が共に下降し、この係止ピン55にフック50
が係合する。従って、アーム30の起立が阻止され、カ
セットホルダー11は下降位置にて拘束されることとな
る。そして、カセットホルダー11の下降位置への移動
を検出スイッチ57または58が検出すると、この検出
スイッチ57または58は駆動モータ等を制御する図示
しないマイクロコンピュータにその情報を与え、マイク
ロコンピュータはモータドライブ回路を介して駆動モー
タ81を駆動し、カセットホルダー11が支持されたス
ライドベース15は移動を開始する。
【0068】また、カセットホルダー11が上昇位置に
あるとき、図15及び図16に示すように、カセットケ
ース2の蓋5は閉じており、テーププロテクタ61はそ
の先端部が回転ヘッドドラム112の外周辺であって径
方向のほぼ中心に位置している。そして、カセットホル
ダー11が下降すると、図15及び図17に示すよう
に、カセットケース2の蓋5が開けられて磁気テープ1
が露出し、一方、カセットホルダー11の下降に伴って
テーププロテクタ61を上昇回動させる。このとき、テ
ーププロテクタ61の上昇動作はカセットケース2の蓋
5の開扉動作から遅れて行われ、カセットケース2から
露出した磁気テープ1が回転ヘッドドラム112の外周
面に対向するカセットホルダー11の下降位置では、テ
ーププロテクタ61は水平をなす位置に上昇する。
【0069】従って、カセットホルダー11(カセット
ケース2)が下降する際に、カセットケース2の蓋5の
開扉に伴って静電気により磁気テープ1がこの蓋5の裏
側に付着しても、磁気テープ1と回転ヘッドドラム11
2との間にはテーププロテクタ61が位置しているの
で、磁気テープ1が回転ヘッドドラム112を乗り上げ
ることが防止される。
【0070】カセットホルダー11が完全に下降位置へ
移動してロック機構48によりその位置に拘束される
と、駆動モータ81が駆動してカセットホルダー11が
支持されたスライドベース15をスライドさせる。即
ち、図1及び図4に示すように、駆動モータ81が駆動
すると、その駆動力が駆動ギア80及び各連結ギア8
2,83,84,85,86,87を介してカムギア8
8に伝達され、このカムギア88が回転する。すると、
カムギア88の第1のカム溝89によりカム軸95を介
して駆動アーム91を同図において反時計回り方向に回
動させ、図2及び図5に示すように、スライドシャーシ
15と共にカセットホルダー11がベースシャーシ71
に沿って後方(同図において上方)に移動し、所定の位
置で停止する。
【0071】この駆動モータ81によるスライドシャー
シ15のスライド移動と共に磁気テープ1のローディン
グが行われる。即ち、図1及び図4に示すスライドシャ
ーシ15のイジェクト(下降)位置は磁気テープ1のア
ンローディング状態であり、この状態からスライドシャ
ーシ15をスライド移動させると共に磁気テープ1を引
き出してローディングを行うことで、図2及び図5に示
す磁気テープ1のローディング状態とする。
【0072】図2及び図5に示すように、駆動モータ8
1を駆動すると、前述したように、カムギア88が回転
し、その駆動力は第1駆動ギア109及び第2駆動ギア
110に伝達され、第1リングギア114及び第2リン
グギア115が互いに異なる方向、即ち、第1リングギ
ア114は同図において反時計回り方向に、第2リング
ギア115は時計回り方向にそれぞれ回転する。する
と、図7に示すように、第1ガイドベース118はロー
ディングガイド溝116に沿って移動する一方、第2ガ
イドベース127はローディングガイド溝117に沿っ
て移動する。
【0073】このとき、第1ガイドベース118はロー
ディングガイド溝116の終端部において若干回動す
る。即ち、図8に示すように、第1ガイドベース118
はガイドピン119,120がローディングガイド溝1
16に案内されながら、且つ、ガイドピン126がガイ
ド部125に案内されながら移動する。そして、第1ガ
イドベース118がローディングガイド溝116の終端
部に移動してきたときに、ガイドピン126がガイド部
125に拘束されているためにガイドピン119,12
0はローディングガイド溝116の2股部分のそれぞれ
に振り分けられて移動する。
【0074】従って、カセットケース2内の磁気テープ
1は第1ガイドベース118のガイドローラ121及び
ガイドポスト122,123と第2ガイドベース127
のガイドローラ130及びガイドポスト131によって
引き出されて回転ヘッドドラム112の外周面に摺接さ
れる。
【0075】また、磁気テープ1は第1及び第2ガイド
ベース118,127の移動によるローディングと共
に、回転ヘッドドラム112の両側において複数のガイ
ドローラあるいはガイドポストによってもローディング
が行われる。図1及び図2に示すように、スライドシャ
ーシ15の一側部において、このスライドシャーシ15
が後方に移動すると、各リンク150,151のピン1
54,155がガイド溝157,158によって移動す
ると共に各リンク150,151がそれぞれ回動する。
すると、各リンク150,151のガイドローラ148
及びガイドポスト149が移動して磁気テープ1を引き
出す。
【0076】更に、スライドシャーシ15の他側部にお
いて、スライドシャーシ15が後方に移動すると、支持
アーム165の第2ガイドピン164が規制部170に
より移動規制されて支持アーム165及びピンチアーム
161が回動する。そして、支持アーム165が所定量
回動すると、第2ガイドピン164が規制部170を外
れて第1及び第2ガイドピン163,164はガイド溝
167,168に沿って移動し、第1ガイドピン163
が作動レバー102の係合溝171に嵌入する。このよ
うにしてピンチローラ159が移動して磁気テープ1を
引き出す。また、このピンチローラ159の移動の際
に、ガイドアーム172が回動してガイドローラ160
が磁気テープ1をガイドする。
【0077】このような磁気テープ1のローディング時
に磁気テープ1が巻かれているカセットケース2の供給
リール3及び巻取リール4には各種のブレーキ181,
193,194が作用している。
【0078】磁気テープ1のローディング時に、図1に
示すように、巻取リール4側のラチェットブレーキレバ
ー184はそれ以前のローディング、アンローディング
動作によって係止爪183が巻取リール側のターンテー
ブル139のラチェット182に係止された状態に保持
されており、巻取リール4におけるローディング時の磁
気テープ1の引出し方向(図1において反時計回り方
向)への回転が阻止される。従って、ローディング時に
磁気テープ1は巻取リール4からは引き出されず、巻取
リール4に巻き取られた記録済みの磁気テープ1に再び
記録してしまうのが防止される。
【0079】ところで、カセットホルダー11に挿入さ
れたカセットケース2内の磁気テープ1が全て巻取リー
ル4に巻かれて供給リール3に巻かれている磁気テープ
1がない場合には、ローディングを行うことができず、
磁気テープ1が切断してしまう。この場合、図示しない
検出器によってこれを検出し、図1に示す状態から作動
レバー102を枢軸103を中心として反時計回り方向
に回転させることで、操作レバー188を時計回り方向
に回転させる。すると、係合片189が係合ピン187
を押してラチェットブレーキレバー184を反時計回り
方向に回転することで、係止爪183によるラチェット
182への係止が解除されてターンテーブル139の拘
束が解除され、巻取リール4は磁気テープ1の引き出し
方向に回転可能となる。
【0080】また、磁気テープ1のローディング時に、
図1に示すように、ソフトブレーキレバー197はスプ
リング202の付勢力によって圧接部材199が供給リ
ール側のターンテーブル138に圧接することで、供給
リール3の慣性力による磁気テープ供給方向への回転を
阻止する。そして、ローディングが完了すると、図2に
示すように、駆動アーム91のカム面205がカムピン
203を介してソフトブレーキレバー197を回動さ
せ、圧接部材199によるターンテーブル138への圧
接が解除されて供給リール3の回転規制が解除される。
【0081】一方、磁気テープ1のローディング時に、
図1に示すように、ラチェットブレーキレバー200は
駆動アーム91のカム面205がカムピン204に当接
することでその位置に保持され、係止爪201はターン
テーブル138のギア部140に係止せず、供給リール
3の回転は阻止されない。そして、ローディングが完了
すると、図2に示すように、駆動アーム91のカム面2
05によるカムピン204の保持が解除され、ラチェッ
トブレーキレバー200はスプリング202によって係
止爪201がターンテーブル138のギア部140に係
止することで、供給リール3は磁気テープ供給方向への
回転が阻止される。
【0082】以上のように、磁気テープ1は各ガイドロ
ーラ121,130,148,160及びガイドポスト
122,123,131,149、ピンチローラ159
によってカセットケース2内から引き出されて所定の軌
跡にローディングされることとなる。なお、図2及び図
5に示す磁気テープ1のローディング状態は、8ミリビ
デオにおけるストップの状態である。
【0083】この状態から操作者がプレイボタンを押す
と、駆動モータ81が再び駆動し、図3及び図6に示す
ように、カムギア88が回転して第2のカム溝90によ
って連結リンク96及び連結レバー99を介して作動レ
バー102を図5において反時計回り方向に回動する。
すると、作動レバー102の係合溝171及び第1ガイ
ドピン163を介して支持アーム165及びピンチアー
ム161を時計回り方向に回動する。従って、ピンチロ
ーラ159はキャプスタン134に当接してこのキャプ
スタン134と共に磁気テープ1を挟んだ位置に移動し
て駆動モータ81が停止する。
【0084】また、前述したように、作動レバー102
が回動すると、係合片192が係合ピン187を押して
ラチェットブレーキレバー184を回動することで、タ
ーンテーブル139の拘束が解除されて巻取リール4は
回転可能となる。更に、カムギア88が回転すると、カ
ム溝206によりカムピン204を介してラチェットブ
レーキレバー184を回動させることで、係止爪201
によるギア部140への係止が解除され、供給リール3
の回転規制が解除される。
【0085】このように供給リール3及び巻取リール4
の回転規制が解除されると、巻取リール4が駆動回転し
て磁気テープを走行することができる。即ち、図3に示
すように、キャプスタンモータ136を駆動すると、キ
ャプスタンギア135が回転してその回転力がギアプー
リ137及びベルト143を介してギアプーリ142に
伝達され、このギアプーリ142が同図において時計回
り方向に回転する。すると、アイドルギア147が同図
において反時計回り方向に回転すると共にブラケット1
46が回転軸144を中心として右方向に回動し、アイ
ドルギア147が巻取リール側のターンテーブル139
のギア部141に噛み合う。従って、アイドルギア14
7の回転力がターンテーブル139に伝達され、このタ
ーンテーブル139が時計回り方向に回転する。する
と、巻取リール4が同様の方向に回転して磁気テープ1
は送り方向に走行する。そして、磁気テープ1が走行す
るのに伴って記録あるいは再生を行うことができる。
【0086】磁気テープ1の記録あるいは再生が終了
し、磁気テープ1の走行中に操作者がストップボタンを
押すと、キャプスタンモータ136が停止して巻取リー
ル4の回転が停止すると共に、駆動モータ81が前述と
は逆に回転してピンチローラ159はキャプスタン13
4から退避し、図2及び図5に示す状態となる。また、
ラチェットブレーキ181は巻取リール4を拘束して回
転を阻止し、ラチェットブレーキ194は供給リール4
を拘束して回転を阻止する。
【0087】そして、磁気テープ1の停止時に操作者が
イジェクトボタンを押すと、駆動モータ81が逆回転し
て磁気テープ1のローディングが解除されてカセットケ
ース2内に戻されると共にスライドシャーシ15が前方
(図2及び図5において下方)にスライドし、図1及び
図4に示すアンローディング状態となる。
【0088】スライドシャーシ15が図1及び図4に示
すイジェクト位置(アンローディング状態)に移動する
と、図13及び図14に示すように、ベースシャーシ7
1の解除レバー105にフック50の突出部56が当接
し、このフック50がスプリング51の付勢力に抗して
反時計回り方向に回動することで係止ピン55との係合
が解除される。すると、昇降機構17のアーム29,3
0はスプリング37の付勢力によって起立し、また、昇
降機構16のアーム19,20もスプリング27の付勢
力によって起立し、カセットホルダー11が上昇する。
【0089】この昇降機構16,17によるカセットホ
ルダー11の上昇時に、このカセットホルダー11はス
プリング27,37の付勢力によって上昇するが、アー
ム29の起立時にその後端部がスライド部材45と共に
前方に移動してラック44を介してピニオン46を回転
させることで、オイルダンパ47の作用によってこのピ
ニオン46の回転が緩やかとなり、カセットホルダー1
1の昇降時における衝撃及び振動が軽減されて緩やかに
作動する。
【0090】そして、カセットホルダー11が上昇した
後、カセットホルダー11内からカセットケース2を取
り出すことができる。
【0091】ここで、磁気テープ1の走行軌跡は、図2
4に示すように、カセットケース2内から引き出された
磁気テープ1がガイドローラ148及びガイドポスト1
49、インピーダンスローラ133、ガイドローラ13
0、ガイドポスト131を介して回転ヘッドドラム11
2の外周面に摺接され、ガイドポスト122,123、
ガイドローラ121、キャプスタン134(ピンチロー
ラ159)、ガイドローラ160を経て、再び、カセッ
トケース2内に入り込むものとなる。この時の磁気テー
プ1の上下方向の移動量を展開して図25(a)に示
す。
【0092】図25(a)に示すように、磁気テープ1
は、ガイドポスト149により、図中で下向きに一旦振
られた後、ガイドローラ133により、図中で上向きに
方向転換し、そして、ガイドローラ130により、図中
略水平に案内され、ガイドポスト131により図中やや
下向きとなって、回転ヘッドドラム112の入口に到達
して、回転ヘッドドラム112に巻き付き始める。磁気
テープは、ガイドローラ130の位置で、カセットケー
ス2内における位置から最大距離5.9mm図中で上方
へ案内されている。尚、図中では、高さ方向に若干誇張
して描いている。
【0093】ドラム入口の位置は、図中に示すように、
カセットケース2内における位置から図中で上側の位置
であり、磁気テープ1は、回転ヘッドドラム112に巻
き付きながら、徐々にその位置を下降させ、そして、上
向きに反転して、ドラム出口へ至る。更に、ドラム出口
より出た磁気テープは、ガイドポスト123,122、
ガイドローラ121によりカセットケース2内における
位置と略等しい高さとなり、しかも、カセットケース2
に対して略平行に導かれる。つまり、ガイドベース11
8上の二つのガイドポスト123,122は、ドラム出
口において、磁気テープ1をカセット内における状態と
同様な状態にするためそれぞれ異なる方向へ傾斜してい
るのである。尚、回転ヘッドドラム112において、最
低位置は、カセットケース2内における位置より、3.
5mm下方の位置である。
【0094】一方、比較例として、図26に示した従来
のテープローディング機構における磁気テープの上下方
向の移動量を展開して図25(b)に示す。図25
(a)(b)を比較すると明らかなように、磁気テープ
1の上下の移動量は、両者とも同様であるが、テープパ
スの長さは、本実施例の方が短縮し小型化に寄与してい
ることが判る。更に、図24に示すように、ガイドポス
ト122,123,131,149,148は、何れも
磁気テープ1の磁性面ではなく、その裏面に接触するよ
うに配置されていることが判る。
【0095】これは、本実施例では、ドラム入側におい
て、磁気テープ1を、ドラム入側の位置と反対側の下方
へ一旦振った後に、回転ヘッドドラム112へ案内する
ようにガイドポスト149、ガイドローラ133,13
0,ガイドポスト131を配置し、そして、ドラム出側
のガイドベース118に二本のガイドポスト122,1
23を傾斜して設ける等してガイドポスト、ガイドロー
ラを合理的に配置した為である。具体的には、表1に示
すように、ガイドポスト149,ガイドローラ133,
130、ガイドポスト131,123,122を所定の
方向へ微妙な角度傾けて配置したものである。
【0096】
【表1】 尚、表1において、傾きの方向は、図2に示すx−y軸
における方向であり、また、傾きの大きさは、x、y軸
の双方に対して垂直方向、つまり、カセットケース2に
対して垂直方向を基準としている。
【0097】ここで、図27における配置において重要
なのは、次の点である。 本実施例は、いわゆる8ミリVTRの標準ドラムを前
提としていること 回転ヘッドドラム112の傾き方向が、略カセット方
向であること 回転ヘッドドラム112のテープ巻付け角の略中間位
置が、カセットケース2に対向していること 磁気テープは、回転ヘッドドラム112の入側位置
で、つまり、巻き付き始める位置では、カセット内にお
ける位置よりも高く、カセットに対向する位置では、カ
セット内における位置よりも低いこと 回転ヘッドドラム112の傾き角は、リード角度
(4.9度)より大きいこと、特に、リード角の約2倍
としていること 回転ヘッドドラム112の入側直前に設けられるガイ
ドポスト131は、磁気テープ1に対する角度が0°、
つまり、直角であること
【0098】このように、本発明では、上記〜に示
す条件を充たすようにテープローディング機構における
ガイドポスト、ガイドローラを合理的に配置している
為、テープパスの短縮化が図れると共に磁気テープ1の
磁性面の損傷を防止し、画像品質の向上を図ることがで
きる。尚、図27に示す数値は、本発明の一例としての
目安を示すものであり、特にこれに限定するものではな
い。
【0099】
【発明の効果】以上、実施例を挙げて詳細に説明したよ
うに本発明のテープローディング機構によれば、カセッ
ト側へ傾斜した回転ヘッドドラムを有すると共にガイド
ベース上に設けたガイドポスト及びガイドローラを回転
ヘッドドラムの入側及び出側にそれぞれ移動させること
により、カセット内から磁気テープを引き出して回転ヘ
ッドドラムに斜めに巻き付ける磁気記録再生装置におい
て、回転ヘッドドラムの入側で磁気テープが斜めに巻き
付け始められる位置と反対方向へ磁気テープを一旦振る
ためのガイドポストを配置し、磁気テープをカセット内
における位置を基準として、回転ヘッドドラムに巻き付
き始める位置と、回転ヘッドドラムに巻き付いてカセッ
トに対向する位置とが異なる方向に位置させ、回転ヘッ
ドドラムの入側直前に設けられるガイドポストを、磁気
テープに対して垂直とする等の合理的な配置により、ガ
イドポストを磁気テープの磁性面ではなく、その裏面に
接触させるようにすることがでた。これにより、磁気テ
ープの磁性面の損傷を最小限に抑え、画像品質の劣化を
防止することが可能となると共に、テープパスを短縮し
て、機構の小型軽量化にも寄与するものである。特に、
回転ヘッドドラムの出側に設けられるガイドベースを1
個とし、2個の傾斜したガイドポスト及び1個のガイド
ローラを設け、ローディング時にカセットに対して水平
方向に移動させるようにしたので、テープ走行を安定化
しつつ、ローディング機構を簡略化することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るリールブレーキの駆動
機構が装備された8ミリビデオにおけるイジェクト状態
を表すスライドシャーシの平面図である。
【図2】ローディング状態を表すスライドシャーシの平
面図である。
【図3】テープ走行状態を表すスライドシャーシの平面
図である。
【図4】8ミリビデオにおけるイジェクト状態を表すベ
ースシャーシの平面図である。
【図5】ローディング状態を表すベースシャーシの平面
図である。
【図6】テープ走行状態を表すベースシャーシの平面図
である。
【図7】テープローディング機構を表す平面図である。
【図8】ローディング作動状態を表す概略図である。
【図9】カセットホルダーの斜視図である。
【図10】カセットホルダーの平面図である。
【図11】カセットホルダーの右側面図である。
【図12】カセットホルダーの左側面図である。
【図13】カセット収納状態を表すカセットホルダーの
右側面図である。
【図14】カセット収納状態を表すカセットホルダーの
左側面図である。
【図15】カセットホルダーの正面図である。
【図16】カセットケースと回転ヘッドドラムとの位置
関係を表す作用説明図である。
【図17】カセットケースと回転ヘッドドラムとの位置
関係を表す作用説明図である。
【図18】第2ガイドベースと位置決めピンとの配置を
示す説明図である。
【図19】第2ガイドベース上に垂直に立設されたガイ
ドポスト、ガイドローラの説明図である。
【図20】第1、第2ガイドベース上に立設された複数
のガイドポスト、ガイドローラの説明図である。
【図21】第2ガイドベースと第2リングギアとの接続
を示す説明図である。
【図22】第1ガイドベースと第1リングギアとの接続
を示す説明図である。
【図23】回転ヘッドドラムの入出射時において磁気テ
ープに生じる仰角φを示す説明図である。
【図24】本実施例における磁気テープのテープパスを
示す説明図である。
【図25】同図(a)は、本実施例の磁気テープの上下
の移動量を示す展開図、同図(b)は従来の磁気テープ
の上下の移動量を示す説明図である。
【図26】従来のテープローディング機構の構造図であ
る。
【符号の説明】
1 磁気テープ 2 カセットケース 3 供給リール 4 巻取リール 11 カセットホルダー 15 スライドシャーシ 16,17 昇降機構 48 ロック機構 71 ベースシャーシ 81 駆動モータ 88 カムギア 89,90 カム溝 91 駆動アーム 102 作動レバー 112 回転ヘッドドラム 136 キャプスタンモータ 138,139 ターンテーブル 140,141 ギア部 159 ピンチローラ 193 ソフトブレーキ 194 ラチェットブレーキ 197 ソフトブレーキレバー 200 ラチェットブレーキレバー 202 スプリング 203,204 カムピン 205 カム面 206 カム溝 207 第1スライドプレート 208 バネ 209 位置決めピン 210 第2スライドプレート 211 バネ 212 位置決めピン φ 仰角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 15/665 G11B 15/61

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カセット内に収納された供給リール及び
    巻取リールと該カセット側へ傾斜した回転ヘッドドラム
    間近傍に複数の回転しないガイドポスト及び回転可能な
    ガイドローラを配置すると共にローディング時におい
    て、上記ガイドポスト及びガイドローラのうちガイドベ
    ース上に設けたガイドポスト及びガイドローラを上記回
    転ヘッドドラムの入側及び出側にそれぞれ移動させるこ
    とにより、前記カセット内から前記磁気テープを引き出
    して前記回転ヘッドドラムに斜めに巻き付けるテープロ
    ーディング機構において、前記ガイドポストは、いずれ
    も前記磁気テープの裏面に接触するように配置され、前
    記回転ヘッドドラムの出側に設けられる前記ガイドベー
    スは1個であり、前記回転ヘッドドラムの出側に設けら
    れる前記ガイドベースには2個の傾斜したガイドポスト
    及び1個のガイドローラが設けられることを特徴とする
    テープローディング機構。
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