JP3058846B2 - 小型の巻上・牽引機 - Google Patents

小型の巻上・牽引機

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JP3058846B2
JP3058846B2 JP09199605A JP19960597A JP3058846B2 JP 3058846 B2 JP3058846 B2 JP 3058846B2 JP 09199605 A JP09199605 A JP 09199605A JP 19960597 A JP19960597 A JP 19960597A JP 3058846 B2 JP3058846 B2 JP 3058846B2
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儀雄 上野
栄吉 小林
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    • B66HOISTING; LIFTING; HAULING
    • B66DCAPSTANS; WINCHES; TACKLES, e.g. PULLEY BLOCKS; HOISTS
    • B66D3/00Portable or mobile lifting or hauling appliances
    • B66D3/12Chain or like hand-operated tackles with or without power transmission gearing between operating member and lifting rope, chain or cable
    • B66D3/14Chain or like hand-operated tackles with or without power transmission gearing between operating member and lifting rope, chain or cable lever operated

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Hand Tools For Fitting Together And Separating, Or Other Hand Tools (AREA)
  • Braking Arrangements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、小型の巻上・牽引
機、詳しくは、荷物の昇降や、荷締め、ロープなどの緊
張などに用いることができる、小形軽量の巻上・牽引機
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、荷物の昇降や、荷締め、ロープな
どの緊張などに用いることができる、小形の巻上・牽引
機としては、たとえば、実開昭63−60575号公報
に記載され、かつ、図22に示されるものが知られてい
る。図22において、本体1には、ロードシーブ2が挿
嵌されるロードシーブ収容部3と、一端側がロードシー
ブ収容部3に連通し、他端側が外部に開放され、ロード
シーブ2に巻装されるロードチェンを導通するためのチ
ェン導通路4とが一体に形成されている。そして、ロー
ドシーブ収容部3に、ロードシーブ2を回転自由に支持
するとともに、該ロードシーブ2の軸方向一側外方に、
このロードシーブ2の径より大径としたラチェットホイ
ール5を設けている。また、該ラチェットホイール5の
軸方向外方には、6角形状の外面をもつハンドル嵌合部
6を設けており、さらに、本体1には、ラチェットホイ
ール5と噛み合う逆転防止爪7を設けている。
【0003】そして、ハンドル嵌合部7にメガネレンチ
8などの治具を脱着自由に嵌合させて、この治具を回転
操作することにより、ロードシーブ2を回転駆動させ、
該ロードシーブ2に巻装されるロードチェンの巻上げ、
巻下げを行うようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の構成で
は、治具を回転操作させることにより、ロードチェンの
巻上げ、巻下げ操作を行うため、操作が煩雑となる。
【0005】一方、往復動操作が可能な、ラチェットレ
ンチなどをハンドル嵌合部6に嵌合させて、ロードチェ
ンの巻上げ、巻下げ操作を行うことも考えられる。しか
し、たとえば、作業時において、ロードチェンの負荷側
の長さが長い場合には、逆転防止爪7のラチェットホイ
ール5への噛み合いを外して、ロードシーブ2の回転を
自由とした上で、ロードチェンの逆負荷側を引張り、負
荷側のロードチェンを予め緊張状態として作業の迅速化
を図っているが、ラチェットレンチを使用した場合に
は、ハンドル嵌合部6に嵌合するラチェットレンチがそ
のままロードシーブ2と共回りをするため、円滑な作業
を阻害する虞がある。
【0006】本発明の目的は、上記した問題点を解決す
るためになされたものであり、巻上・牽引機の操作レバ
ーをユニット化して装置の小形化を図れながら、円滑な
操作を確保して、作業性の向上を図ることができる、小
型の巻上・牽引機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、フックをもつ本体と、前
記本体に回転自由に支持されるロードシーブと、前記ロ
ードシーブを駆動する駆動軸と、前記駆動軸に相対回転
不能に結合される従動部材と、前記駆動軸に相対回転可
能に結合される駆動部材と、前記駆動軸に相対回転可能
に結合される逆転防止ギヤと、前記本体に設けられ、前
記逆転防止ギヤに噛み合う逆転防止爪と、前記駆動部材
を駆動する操作レバーとを備える小型の巻上・牽引機に
おいて、前記駆動部材には、非円形外周部を設けるとと
もに、前記操作レバーは、1対の側板と、1対の前記側
板間の外周を覆う枠体とを備え、前記枠体の内方には、
前記非円形外周部に相対回転不能に嵌合する非円形嵌合
孔をもち、外周部に伝動歯をもつラチェットホイール
と、前記ラチェットホイールの伝動歯に、正方向および
逆方向に噛み合う送り爪と、前記送り爪を前記伝動歯側
に付勢するばねとが内装されており、前記送り爪の両側
端部には、送り爪を切り換えるための切換操作部が形成
されるとともに、前記枠体には、前記ばねを収容するた
めのばね収容部と、前記切換操作部を外部に露出させる
ための切換孔とが一体に形成されており、前記ばねが、
前記ばね収容部に収容されるとともに、前記送り爪が、
1対の前記側板間において、揺動可能に枢支され、前記
ばねの付勢力によって、正方向噛合位置、逆方向噛合位
置、および遊転位置のいずれかの位置で保持できるよう
にされるとともに、前記送り爪の前記切換操作部が、切
換孔から外部に露出されていることを特徴としている。
【0008】このような構成によれば、操作レバーは、
該操作レバーの非円形嵌合孔を、駆動部材の非円形外周
部に嵌合することにより、容易に操作レバーの組付けを
行うことができ、操作レバーをユニット化して、装置の
小形化を図ることができる。
【0009】また、操作レバーの往復動操作により巻上
げ、巻下げを行うことができ、さらに、作業時におい
て、ロードチェンの負荷側の長さが長い場合に、逆転防
止爪の逆転防止ギヤへの噛み合いを外して、ロードシー
ブの回転を自由とした上で、ロードチェンの逆負荷側を
引張り、負荷側のロードチェンを予め緊張状態として作
業の迅速化を図ろうとする場合にも、送り爪を遊転位置
に位置させることにより、操作レバーがロードシーブと
共回りをすることがなく、円滑な作業を確保することが
でき、作業性の向上を図ることができる。
【0010】また、操作レバーを、簡易な構成で実現で
き、しかも、枠体には、ばね収容部と切換孔とが一体に
形成されているので、部品点数を少なくでき、簡易かつ
低コストで製造することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施形態を示
す小型の巻上・牽引機を示す正面図であり、また、図2
は、図1におけるA−A線断面図である。この小型の巻
上・牽引機は、定格負荷150Kgで、自重が700
g、上下長さ68mm,左右幅42mm、厚さ20mm
の小形の立方体からなり、片手で把持できる小形軽量の
本体11に、ロードシーブ12、メカニカルブレーキ1
3、操作レバー14および本体11を吊り下げるフック
15がそれぞれ取付けられている。
【0012】図3は操作レバーを取り外した状態を示す
斜視図、図4は本体の正面図、図5は本体の背面図、図
6は図4におけるB−B線断面図、図7は図4における
C−C線断面図、図8は本体の下面図、図9は図8にお
けるD−D線断面図である。これら、図3ないし図9を
用いて本体11を説明する。
【0013】本体11は、主としてアルミニウム合金を
用いアルミダイキャストにより成形されており、図4な
いし図9に示すように、本体11の厚さ方向に貫通し、
ロードシーブ12が挿嵌されるロードシーブ収容部16
と、一端側がロードシーブ収容部16に連通し、他端側
が外部に開放され、ロードシーブ12に巻装されるロー
ドチェン17を導通するためのチェン導通路18および
19と、フック15の取付部20とを一体に形成してい
る。ロードシーブ収容部16、チェン導通路18および
19およびフック15の取付部20を、本体11に一体
に形成することにより、これらを格別に設けるための部
品を要せず、コストの低減を図ることができ、また、装
置の小形化を図ることができる。また、このような本体
11は、アルミダイキャストにより容易に成形できるた
め、装置の軽量化が可能となり、また、片手で把持する
に適した形状、大きさにすることが可能となり、巻上
げ、巻下げ時の操作性を向上することができる。
【0014】また、本体11には、ロードシーブ収容部
16に連続して、ロードシーブ収容部16を外方に開放
する開放部21が形成されており、開放部21の幅方向
両側と、ロードシーブ収容部16の内周面には、ロード
チェン17の縦リンクを案内するリンク導通溝23が連
続して形成されている。ロードシーブ収容部16に連続
して、ロードシーブ収容部16を外方に開放する開放部
21を形成したので、本体11をアルミダイキャストに
より成形する場合に、成形型を簡単にでき、製造コスト
を低減することができる。
【0015】そして、開放部21には、ロードチェン1
7が導通されるチェン導通路18および19がその両側
に形成されるように、ロードシーブ12へ巻装されるロ
ードチェン17の出入りを案内するチェン案内体22が
設けらている。このチェン案内体22によりロードチェ
ン17をチェン導通路18および19に良好に案内で
き、ロードシーブ12の円滑な駆動操作を確保すること
ができる。
【0016】図10はチェン案内体22の正面図、図1
1はチェン案内体22の下面図である。図8ないし図1
1を用いてチェン案内体22を説明する。
【0017】図8ないし図11に示すように、このチェ
ン案内体22は、その幅方向両側に、開放部21の幅方
向両側に設けるリンク導通溝23に対向するリンク導通
溝24および25が形成されており、このチェン案内体
22を、開放部21における開放端部に結合することに
より、チェン導通路18および19に十字状規制孔が形
成されるようにしている。また、チェン案内体22に
は、その上部に、ロードシーブ12からロードチェン1
7を良好に離脱させるためのチェン巻き込み防止片26
を突設することともに、1対の嵌合突起27および28
を設けており、また、本体11における開放部21の厚
さ方向内面には、嵌合溝29および30を設けて、嵌合
突起27および28を、嵌合溝29および30に嵌合
し、固定ピン31の挿通により、チェン案内体22を本
体11に結合している。
【0018】そして、図8に示すように、本体11のチ
ェン導通路18および19における外方への開放端部
で、本体11の厚さ方向両側には、1対の縦溝部32お
よび33をそれぞれ形成するとともに、チェン案内体2
2の外側端部にも、1対の縦溝部32および33に直交
する横溝部34を、リンク導通溝24および25間に連
続するように設けている。
【0019】なお、本体11の開放端部における、本体
11の幅方向両側には、図8に点線で示したように1対
の縦溝部32および33に直交し、横溝部34に対向す
る外側横溝部35を設けてもよい。
【0020】図12および図13に示すように、ロード
チェン17のチェン36が縺れた状態で、チェン導通路
18に進入しようとした場合に、位置ずれしたロードチ
ェン17のチェン37が、1対の縦溝部32および33
の一方、または図示していないが、横溝部34に介入し
て、このリンク37に続く後続リンク38の進入前端部
が、縦溝部32および33の一方または横溝部34の溝
間に係止され、そして、ロードシーブ12の駆動でチェ
ン37は、ロードシーブ12側、つまり、図12および
図13の矢印87方向に引き込まれるから、この引込み
力により、後続リンク38の係止点39を支点を中心に
位置ずれしたリンク37が図12および図13の矢印4
0方向に回転して点線のように修正されながら、チェン
導通路18に案内される。したがって、この1対の縦溝
部32および33および横溝部34とにより、ロードチ
ェン17の縺れを解消することができる。また、1対の
縦溝部32および33および横溝部34は、本体11の
開放側端部に設けるので、ロードチェン17の縺れを解
消するための格別な部材を設ける必要がなく、装置の小
形化、軽量化、低コスト化を図ることができる。
【0021】また、図1、図4ないし図7に示すよう
に、本体11に形成されるフック15の取付部20は、
本体11の上部において、ロードシーブ収容部16と隔
離された位置に、本体11の厚さ方向を貫通する貫通部
75と、貫通部75の天井壁77に形成され、本体11
の上壁面と貫通部75の天井壁面とを連通する挿通孔7
8とを有している。一方、フック15の下端部には、フ
ック15を本体11に取付けるための取付軸部79が形
成されており、この取付軸部79の軸端部には、ねじ部
が設けられている。そして、挿通孔78にフック15の
取付軸部79を挿通して、その挿通した軸端部のねじ部
に、貫通部75から挿入される固定部材としてのナット
80を螺着し、割形ピン81で固定することにより、フ
ック15を本体11に回転自由に支持している。このよ
うにしてフック15を本体11に支持すれば、本体11
の貫通部75において、フック15を支持するので、本
体11の強度を低下させることなく、簡易な構成でフッ
ク15の支持が可能となり、これにより、小形化、軽量
化、低コスト化を図ることができる。
【0022】図14は、ロードシーブ12の正面図であ
る。図14に示すように、本体11のロードシーブ収容
部16に収容されるロードシーブ12は、外周にチェン
係合溝41を設けるとともに、そのチェン係合溝41の
両側に、1対の軸部43および44を設け、一方の軸部
44の外方には駆動軸45を一体に形成している。ロー
ドシーブ12に駆動軸45を一体に設けることにより、
部品点数を少なくできてコストの低減を図ることができ
る。
【0023】また、図2、図4ないし図6に示すよう
に、本体11には、該本体11の厚さ方向において、ロ
ードシーブ収容部16の両側に連続して、ロードシーブ
12の軸部43および44を回転可能に支持する軸孔4
2を設けている。そして、図2に示すように、ロードシ
ーブ12をロードシーブ収容部16に挿嵌し、図には現
れていないが、チェン導通路18および19の一方から
リンク導通溝23にロードチェン17を導通させて、ロ
ードシーブ12に巻装することにより、ロードチェン1
7を介して、ロードシーブ12は、本体11に保持され
る。したがって、ロードシーブ12を本体11に保持す
るための格別な部品を要せず、構造を簡単にでき、軽量
化、低コスト化を図ることができる。
【0024】また、図14に示すように、駆動軸45
は、円形軸部46と、ねじ軸部47とを備え、円形軸部
46の基部に、駆動軸45と相対回転不能の円板状の従
動部材48を一体に突設するとともに、ねじ軸部47の
軸端部には、ねじ孔50を設けている。そして、円形軸
部46における従動部材48の外側に逆転防止ギヤ53
を、駆動軸45に対し相対回転可能に支持するととも
に、この逆転防止ギヤ53の外側に、円板状のライニン
グ板54を、逆転防止ギヤ53と同様に、駆動軸45に
対し相対回転可能に支持している。
【0025】そして、図2に示すように、ライニング板
54の外側であって、駆動軸45のねじ軸部47に、フ
ランジ56をもつ駆動部材55を螺着し、その外側に
は、抜止体として、ねじ軸部47よりも大径のワッシャ
52を、ボルト51のねじ孔50への螺着により固定し
ている。
【0026】また、図4および図5に示すように、本体
11の側壁の上方部には、本体11を厚さ方向に貫通す
る軸孔72が形成されており、図7に示すように、この
軸孔72に、本体11の一側から、6角頭部をもった段
付ボルトからなる爪軸60を挿通し、その挿通側軸端部
をナット73で締め込むことにより、爪軸60を本体1
1に固定している。また、本体11のナット締め込み側
には、ナット73の受座74を凹入状に設けて、ナット
73が本体11のナット締め込み側側面から突出しない
ようにしている。そして、図2および図7に示すよう
に、この爪軸60には、操作部57をもつ逆転防止爪5
9が、本体11の側壁とこの逆転防止爪59との間に介
装される爪ばね58により、逆転防止ギヤ53に向かっ
て付勢されながら支持されている。
【0027】このように構成された、従動部材48、逆
転防止ギヤ53、ライニング板54、駆動部材55およ
び逆転防止爪59により、メカニカルブレーキ13が構
成されている。
【0028】なお、以上の構成において、従動部材48
は、駆動軸45と一体に形成し、逆転防止ギヤ53およ
びライニング板54を円形軸部46に支持したが、従動
部材48を別途形成して駆動軸45にセレーション結合
などにより相対回転不能に結合し、この従動部材48の
筒状ボス部に逆転防止ギヤ53およびライニング板54
を支持してもよい。また、ライニング板54は、逆転防
止ギヤ53と駆動部材55のフランジ56との間にのみ
介装したが、逆転防止ギヤ53と従動部材48との間に
もう1つ介装してもよい。
【0029】また、図3に示すように、駆動部材55
は、そのボス部に、非円形外周部としての6角形の外周
部61が設けられており、この外周部61に、次に説明
する操作レバー14のラチェットホイール62を挿嵌で
きるようにしている。
【0030】図15は、操作レバー14の内部構造を示
した斜視図である。図1、図2および図15を用いて、
操作レバー14を説明する。
【0031】操作レバー14は、1対の側板88および
89と、1対の側板88および89間の外周を覆う枠体
90とを備え、この枠体90の内方に、ラチェットホイ
ール62と、ラチェットホイール62に噛合する送り爪
65と、送り爪65をラチェットホイール62側に付勢
するばね71と、送り爪62とばね71との間に介装さ
れるボール70とを内装している。
【0032】ラチェットホイール62は、その中心部に
駆動部材55の外周部61に相対回転不能に嵌合する非
円形嵌合孔としての12角形の嵌合孔63と、その外周
部に伝動歯64とを備えている。そして、伝動歯64に
対して正方向および逆方向に噛み合うことができる送り
爪65が、ラチェットホイール62の径方向外方に配置
されている。この送り爪65は、ラチェットホイール6
2を正方向(巻上方向)に回転させるときのみ伝動歯6
4に噛合して、操作レバー14の駆動を駆動部材55に
伝達する正方向噛合突起66と、ラチェットホイール6
2を逆方向(巻下方向)に回転させるときのみ伝動歯6
4に噛合して、操作レバー14の駆動を駆動部材55に
伝達する逆方向噛合突起67と、正方向および逆方向に
噛合しない遊転位置に位置させるための遊転溝68とを
備え、また、その両側端部には、送り爪65を切り換え
るための切換操作部91が形成されている。また、この
送り爪65のラチェットホイール62に対する反対側に
は、ボール70とばね71とが配置されている。
【0033】そして、1対の側板88および89は、枠
体90の肉抜き部92を貫通する複数の止めピン93に
より、枠体90を挟んで固定されており、ラチェットホ
イール62は、止めピン93の締めつけとともに、1対
の側板88および89間に介装される状態で回転可能に
支持される。また、送り爪65は、複数の止めピン93
のうち、1つの止めピン94により、1対の側板88お
よび89間において、揺動可能に枢支される。また、枠
体90には、その内方に、ばね71を収容するためのば
ね収容部95と、その両側方に、送り爪65の切換操作
部91を外部に露出させるための切換孔96および97
とが一体に形成されており、ばね71は、ばね収容部9
5に収容されるとともに、送り爪65の切換操作部91
は、切換孔96および97から外部に露出されるように
組付けられている。
【0034】そして、送り爪65と一体に形成された正
方向噛合突起66、逆方向噛合突起67および遊転溝部
68と、ボール70とばね71とにより切換手段69が
構成され、送り爪65の切換操作部91を操作すること
で、この送り爪65を、伝動歯64に対し正方向に噛み
合う正方向噛合位置と、逆方向に噛み合う逆方向噛合位
置と、正方向および逆方向に噛合しない遊転位置とに、
切り換え可能としている。このような構成によれば、切
換手段69を備えた操作レバー14を、簡易な構成で実
現でき、しかも、枠体90には、ばね収容部95と切換
孔96および97とが一体に形成されているので、部品
点数を少なくでき、簡易かつ低コストで製造することが
できる。
【0035】また、この操作レバー14の駆動部材55
への組付は、ラチェットホイール62の嵌合孔63を駆
動部材55の外周部63に嵌合するだけよく、操作レバ
ー14を駆動部材55に容易に支持でき、したがって、
操作ハンドル14を小形でユニット化できるので、その
組付性を向上できながら、全体を小形化でき、また、低
コストを実現できる。なお、本実施形態では、図1およ
び図2に示すように、操作レバー14を挿嵌した上で、
前述した、抜け止め体としてのワッシャ52をボルト5
1のねじ孔50への螺着により固定している。このよう
にすれば、操作レバー14が駆動部材55から不用意に
外れることを防止できる。
【0036】次に、送り爪65が正方向噛合位置、逆方
向噛合位置および遊転位置に位置した状態を、図1、図
16および図17を用いて説明する。
【0037】図1は、送り爪65が正方向噛合位置に位
置している状態を示しており、図1において、左側に露
出する切換操作部91を、矢印98で示す方向に手で押
すことにより、送り爪65の正方向噛合突起66をラチ
ェットホイール62の伝動歯64に噛合させて、送り爪
65を正方向噛合位置に位置させ、そしてこの状態は、
ボール70を介してばね71の付勢により保持されるの
である。また、図16は、送り爪65が逆方向噛合位置
に位置している状態を示しており、図16において、右
側に露出する切換操作部91を、矢印99で示す方向に
手で押すことにより、送り爪65の逆方向噛合突起67
をラチェットホイール62の伝動歯64に噛合させて、
送り爪65を逆方向噛合位置に位置させ、そしてこの状
態は、ボール70を介してばね71の付勢により保持さ
れるのである。さらに、図17は、送り爪65が遊転位
置に位置している状態を示しており、図17において、
切換操作部91により、送り爪65を、正方向噛合位置
と逆方向噛合位置との途中位置に位置させて、正方向噛
合突起66および逆方向噛合突起67のいずれもが、ラ
チェットホイール62の伝動歯64に噛合しないように
して、そしてこの状態を、遊転溝68へ受け入れられる
ボール70を介して、ばね71の付勢により保持するの
である。
【0038】また、図3および図4に示すように、本体
11の側壁には、逆転防止ギヤ53の外周に位置し、こ
の逆転防止ギヤ53より軸方向外方に突出して、逆転防
止ギヤ53の外周を覆う円弧状の第1ガード体82を、
本体11と一体に設けている。第1ガード体82を設け
ることにより、本体11を手で把持する場合にも、把持
する手をこの第1ガード体82の側壁面で受け止めて、
逆転防止ギヤ53に手が触れることを回避でき、よっ
て、良好に手で把持できながら、ロードシーブの円滑な
駆動操作を行うことができる。
【0039】また、本体11の側壁において、逆転防止
爪59の外側の位置には、この逆転防止爪59より軸方
向外方に突出する第2ガード体83が設けられている。
この第2ガード体83は、図1に示すように、2分割さ
れ、その中間部に爪ばね58の一方のばね足を係止して
いる。なお、爪ばね58の他方のばね足は、逆転防止爪
59における操作部57の内側に係止させており、爪ば
ね58のコイル部は、逆転防止爪59のボス部に巻き付
けられて外部に露出するが、各ばね足の先端は何れも本
体11の外面に突出しないように構成されている。この
第2ガード体83を設けることにより、本体11を手で
把持する場合にも、把持する手をこの第2ガード体83
の側壁面で受け止めて、逆転防止爪59に手が触れるこ
とを回避でき、よって、良好に手で把持できながら、逆
転防止爪59が逆転防止ギヤ53に対して不用意に外れ
ることを防止できる。
【0040】次に以上のように構成される小型の巻上・
牽引機の作用について説明する。
【0041】この小型の巻上・牽引機は、小形軽量であ
り、しかもメカニカルブレーキ13を備えているから、
荷物の昇降、荷締め、ロープの緊張などの作業に手軽に
用いることができる。たとえば、荷締めに用いる場合に
は、フック15を、荷物を掛け渡したロープやベルトな
どの荷締部材に引っ掛け、また、ロードチェン17の負
荷側に設ける下フック84を、トラックの荷台フックな
どの固定側部材に、直接、または別部材を介して間接的
に引っ掛けて、切換操作部91を手で操作することによ
り、送り爪65を正方向噛合位置に位置させた上で、操
作レバー14を往復動作することにより、負荷側のロー
ドチェン17を牽引し荷物の荷締めを行うことができ
る。このとき、作業の開始時に、ロードチェン17の負
荷側の長さがあまりに長い場合には、逆転防止爪59の
操作部57を操作して、逆転防止爪59の逆転防止ギヤ
53への噛み合いを外して、ロードシーブ12の回転を
自由とした上で、ロードチェン17の逆負荷側を引張
り、負荷側のロードチェン17を予め緊張状態として作
業の迅速化を図ろうとする場合にも、切換操作部91を
手で操作して、送り爪65を遊転位置に位置させること
により、操作レバー14がロードシーブ12と共回りを
することがなく、円滑な作業を確保することができ、作
業性の向上を図ることができる。
【0042】また、荷締めを解除する場合には、切換操
作部91を手で操作して、送り爪65を逆方向噛合位置
に位置させた上で、操作レバー14を往復動作すること
により、負荷側のロードチェン17を緩めて、荷締めを
解除することができる。この場合、メカニカルブレーキ
13の作用・不作用により荷締めを徐々に行うことがで
き、一挙に解除されることによる荷崩れを防止できる。
【0043】また、操作レバー14の操作時、本体11
を握って行えるから、操作レバー14の操作を安定よく
行え、その操作性を向上できる。また、前述したよう
に、第1ガード体82および第2ガード体83により逆
転防止ギヤ53および逆転防止爪59が、手に触れるこ
とを回避できるから、操作を円滑に行える。
【0044】また、本実施形態では、本体11を複数の
分割体、たとえば、第1分割体101および第2分割体
102から構成してもよい。図19は第1分割体101
の正面図、図20は第2分割体102の正面図、図21
は、第1分割体101と第2分割体102とを組付ける
状態を示す説明図である。これら図19ないし図21を
用いて、第1分割体101と第2分割体102とで本体
11を構成する構成について説明する。
【0045】図19ないし図21において、第1分割体
101および第2分割体102は、本体11を、厚さ方
向途中で、この厚さ方向に対して実質的に直交する方向
に分割した2つの半割体からなり、第1ガード体82お
よび第2ガード体83が形成されている側の半割体が、
第1分割体101を構成し、爪軸60に螺着されるナッ
ト73の凹入状の受座74が形成されている側の半割体
が、第2分割体102を構成している。図19におい
て、第1分割体101は、その左側側端部の上下部およ
び右側側端部の下部に、それぞれ膨出部103、104
および105を一体に形成して、この膨出部103、1
04および105に、ボルト106、107および10
8を挿通するための挿通孔109、110および111
をそれぞれ形成している。また、図20において、第2
分割体102は、その右側側端部の上下部および左側側
端部の下部に、それぞれ膨出部112、113および1
14を一体に形成して、この膨出部112、113およ
び114に、ボルト106、107および108を挿通
するための挿通孔115、116および117をそれぞ
れ形成している。そして、図21に示すように、第1分
割体101の背面と第2分割体102の背面とを接合
し、第1分割体101の膨出部103、104および1
05と、第2分割体102の膨出部112、113およ
び114とを重合させて、重合された各挿通部109お
よび115、110および116、および111および
117に、それぞれボルト106、107および108
を挿通し、ナット118、119および120で螺締す
ることにより、第1分割体101および第2分割体10
2から本体11を構成するのである。このように、第1
分割体101および第2分割体102から本体11を構
成することで、本体11の成形をより容易化することが
できる。また、フック15の取付けに際しては、その取
付軸部79の軸端部にナット80を螺着させて、割形ピ
ン81で固定するようにしたが、第1分割体101およ
び第2分割体102から本体11を構成する場合には、
たとえば、フック15の取付軸部79の軸端部を一体に
膨出させておき、第1分割体101および第2分割体1
02を接合する際に、取付軸部79を挟み込むのみで容
易に取付けることができる等、本体11への各部品の組
付けを容易化することができる。
【0046】なお、第1分割体101の膨出部103、
104および105には、ボルト106、107および
108の受座121、122および123がそれぞれ凹
入状に形成されており、また、第2分割体101の膨出
部112、113および114には、ナット118、1
19および120の受座124、125および126が
それぞれ凹入状に形成されている。これら受座121、
122、123、124、125および126を形成す
ることで、ボルト106、107および108、および
ナット118、119および120が、それぞれ膨出部
103、104、105、112、113および114
の上面から突出しないようして、本体11を良好に把持
できるようにしている。
【0047】なお、本実施形態においては、第1分割体
101および第2分割体102を、本体11の厚さ方向
途中で、この厚さ方向に対して実質的に直交する方向に
分割した2つの半割体から構成したが、2つの半割体で
なくとも、たとえば、本体11を2つ以上に分割した分
割体から構成してもよく、また、任意の形状に分割され
ていてもよい。また、膨出部103、104、105、
112、113および114は、第1分割体101およ
び第2分割体102のそれぞれについて、3箇所に形成
したが、たとえば、4箇所以上形成してもよく、その部
位は特に限定されない。
【0048】また、本実施形態では、本体11の開放部
21にチェン案内体22を挿嵌固定し、チェン導通路1
8および19を形成したが、チェン案内体22を設ける
ことなく、チェン導通路18および19を一体に形成し
てもよい。
【0049】さらに、本実施形態では、ボルト51を、
駆動軸45のねじ軸部47にねじ孔50を設けて、ねじ
孔50にボルト51を螺着したが、図19に示すよう
に、ナット85を用い、駆動軸45におけるねじ軸部4
7の軸端部に小径の結合ねじ軸部86を設けて、この結
合ねじ軸部86にナット85を螺着してもよい。いずれ
の場合でも、ワッシャ52をねじ軸部47の軸端面に当
接させて結合するのであるが、ワッシャ52と駆動部材
55との間には、メカニカルブレーキ13の解除ができ
るように隙間を設けている。
【0050】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1に記載の発
明によれば、操作レバーは、該操作レバーの非円形嵌合
孔を、駆動部材の非円形外周部に嵌合することにより、
容易に操作レバーの組付けを行うことができ、操作レバ
ーをユニット化して、装置の小形化を図ることができ
る。また、操作レバーの往復動操作により巻上げ、巻下
げを行うことができ、さらに、作業時において、ロード
チェンの負荷側の長さが長い場合に、逆転防止爪の逆転
防止ギヤへの噛み合いを外して、ロードシーブの回転を
自由とした上で、ロードチェンの逆負荷側を引張り、負
荷側のロードチェンを予め緊張状態として作業の迅速化
を図ろうとする場合にも、送り爪を遊転位置に位置させ
ることにより、操作レバーがロードシーブと共回りをす
ることがなく、円滑な作業を確保することができ、作業
性の向上を図ることができる。
【0051】また、操作レバーを、簡易な構成で実現で
き、しかも、枠体には、ばね収容部と切換孔とが一体に
形成されているので、部品点数を少なくでき、簡易かつ
低コストで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す小型の巻上・牽引機
を示す正面図である。
【図2】図1におけるA−A線断面図である。
【図3】図1の小型の巻上・牽引機の操作レバーを取り
外した状態を示す斜視図である。
【図4】図1の小型の巻上・牽引機の本体の正面図であ
る。
【図5】図1の小型の巻上・牽引機の本体の背面図であ
る。
【図6】図4におけるB−B線断面図である。
【図7】図4におけるC−C線断面図である。
【図8】図1の小型の巻上・牽引機の本体の下面図であ
る。
【図9】図8におけるD−D線断面図である。
【図10】チェン案内体の正面図である。
【図11】チェン案内体の下面図である。
【図12】チェン導通路に進入しようとするロードチェ
ンの縺れ状態の一例を示す説明図である。
【図13】チェン導通路に進入しようとするロードチェ
ンの縺れ状態の他例を示す説明図である。
【図14】ロードシーブの正面図である。
【図15】操作レバー14の内部構造を示した斜視図で
ある。
【図16】送り爪65が逆方向噛合位置に位置している
状態を示す要部説明図である。
【図17】送り爪65が遊転位置に位置している状態を
示す要部説明図である。
【図18】駆動軸の軸端部構造の他例を示す要部断面図
である。
【図19】第1分割体の正面図である。
【図20】第2分割体の正面図である。
【図21】第1分割体と第2分割体とを組付ける状態を
示す説明図である。
【図22】従来例の小型の巻上・牽引機を示す側面図で
ある。
【符号の説明】
11 本体 12 ロードシーブ 14 操作レバー 15 フック 45 駆動軸 48 従動部材 53 逆転防止ギヤ 55 駆動部材 59 逆転防止爪 61 外周部 62 ラチェットホイール 63 嵌合孔 64 伝動歯 65 送り爪 71 ばね 88,89 側板 90 枠体 91 切換操作部 95 ばね収容部 96,97 切換孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−300296(JP,A) 特開 平8−26679(JP,A) 特開 昭61−267694(JP,A) 特開 平7−252092(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B66D 3/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フックをもつ本体と、前記本体に回転自
    由に支持されるロードシーブと、前記ロードシーブを駆
    動する駆動軸と、前記駆動軸に相対回転不能に結合され
    る従動部材と、前記駆動軸に相対回転可能に結合される
    駆動部材と、前記駆動軸に相対回転可能に結合される逆
    転防止ギヤと、前記本体に設けられ、前記逆転防止ギヤ
    に噛み合う逆転防止爪と、前記駆動部材を駆動する操作
    レバーとを備える小型の巻上・牽引機において、 前記駆動部材には、非円形外周部を設けるとともに、 前記操作レバーは、1対の側板と、1対の前記側板間の
    外周を覆う枠体とを備え、 前記枠体の内方には、前記非円形外周部に相対回転不能
    に嵌合する非円形嵌合孔をもち、外周部に伝動歯をもつ
    ラチェットホイールと、前記ラチェットホイールの伝動
    歯に、正方向および逆方向に噛み合う送り爪と、前記送
    り爪を前記伝動歯側に付勢するばねとが内装されてお
    り、 前記送り爪の両側端部には、送り爪を切り換えるための
    切換操作部が形成されるとともに、 前記枠体には、前記ばねを収容するためのばね収容部
    と、前記切換操作部を外部に露出させるための切換孔と
    が一体に形成されており、 前記ばねが、前記ばね収容部に収容されるとともに、 前記送り爪が、1対の前記側板間において、揺動可能に
    枢支され、前記ばねの付勢力によって、正方向噛合位
    置、逆方向噛合位置、および遊転位置のいずれかの位置
    で保持できるようにされるとともに、前記送り爪の前記
    切換操作部が、切換孔から外部に露出されていることを
    特徴とする、小型の巻上・牽引機。
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