JP3058615B2 - ウエハ検出装置 - Google Patents

ウエハ検出装置

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JP3058615B2 JP10099546A JP9954698A JP3058615B2 JP 3058615 B2 JP3058615 B2 JP 3058615B2 JP 10099546 A JP10099546 A JP 10099546A JP 9954698 A JP9954698 A JP 9954698A JP 3058615 B2 JP3058615 B2 JP 3058615B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウエハキャリアに
収納されたウエハの有無及びその収納状態を検出するウ
エハ検出装置に関する。
【0002】
【関連する背景技術】シリコンウエハの製造において
は、洗浄、熱処理、CVD、フォトレジスト等の多種類
の工程を経なければならず、これらの工程間でウエハを
容器に入れて搬送する必要がある。そして、シリコンウ
エハやガラスウエハを多数収納するに当たって、ウエハ
キャリアという収納容器が一般的に使用されている。こ
のウエハキャリアは、筐体内壁に複数の段部(ラック)
が形成され、この段部の夫々にウエハを挿入してウエハ
を所定間隔隔てて対向した状態で多数積層収納するもの
である。そして、ウエハキャリア内に収納されたウエハ
の枚数又は収納位置を検出する手段としては、くし形マ
ッピングセンサを利用した検出手段や、透過形光電スイ
ッチを移動させながら検出する検出手段が用いられてい
る。
【0003】くし形マッピングセンサとは、複数の反射
型光電センサをくし歯状に配列したものであり、これを
利用した検出手段は、くし歯状に配列されたセンサを所
定間隔で対向して収納されたウエハの間隙に挿入し、セ
ンサ投光素子から投光した検出光がウエハによって反射
されたか否かを受光素子で検知してウエハの有無を判断
するものである一方、透過形光電スイッチを移動させな
がらウエハの有無を検出する検出手段は、例えば、特開
平6−85042号公報に開示されているように、透過
形光電スイッチをウエハキャリアの両端に対向配置さ
せ、このセンサをウエハキャリアに対して相対的に上下
動させ、光電スイッチの受光量が一定の閾値を超えたか
否かにより、ウエハキャリア内のウエハの有無を検出し
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】くし形マッピングセン
サを利用したウエハの有無検出では、図10に示すよう
に、センサのくし部をウエハ同士の間隙に挿入するだけ
でウエハの収納枚数や収納場所を一度に検出できるが、
ウエハをウエハキャリア内に完全に密封収納した状態で
は、検出時にセンサとウエハキャリアが干渉してしま
い、この検出作業を行うことができない。即ち、ウエハ
キャリアの外部からはくし形マッピングセンサによって
ウエハの有無を検出することはできず、キャリアの蓋を
開けるなど、必ずウエハキャリアの一部を開放してその
開放部からウエハ同士の間隙にくし形センサを挿入する
必要がある。
【0005】このような検出方法ではウエハの密封状態
を確保できず、ウエハの製造工程において清浄度(クリ
ーン度)を高レベルで維持できないことになり、ウエハ
の歩留まりに悪影響を及ぼす。又、ウエハ周縁部からの
反射光によりウエハの有無を検出しているので、ウエハ
がキャリア内に2枚重ねの状態で収納されていても、単
にウエハが存在することのみを検出し、ウエハが2枚重
ねの状態で収納されていることを検出できない。更に、
ウエハがキャリア内に斜めに収納された状態にあって
も、単にウエハが存在することだけを検出し、ウエハの
斜め収納状態を検出することもできない。同様に、ウエ
ハに反りが生じていても、単にウエハが存在することだ
けを検出し、ウエハが反っていることを検出することは
できない。
【0006】更に、ウエハが斜め挿入された状態で収納
されていると、検出時にマッピングセンサのくし部がウ
エハの周縁部に接触してウエハを傷付けたり、破損した
りすることがある。更に又、マッピングセンサ自体の構
造は非常に複雑であり価格が高く、マッピングセンサに
複数配設した光電素子の何れかが検出不能になっただけ
で、ウエハの有無を適正に検出できなくなるので、高価
なセンサをその都度交換しなければならないという欠点
を有する。
【0007】一方、透過形光電スイッチを移動させなが
ら検出する検出手段は、ウエハキャリアの外部からウエ
ハに向かって検出光を投光し、これをキャリア外部の受
光部で受光することができるので、ウエハの有無検出時
にウエハキャリアを開放する必要がない。即ち、ウエハ
をウエハキャリアに密封した状態のままウエハの有無を
検出できるので、ウエハの清浄度を維持することができ
る。しかし、この検出手段は、単に光電センサの受光量
が一定の閾値を超えた場合にのみウエハ有りと判断して
いるだけなので、ウエハキャリアの外部から検出する場
合、キャリア表面に付いたキズやパーディングラインを
ウエハとして誤って検出してしまうことがある。
【0008】同様に、受光量が一定の閾値を超えたか否
かにより判断するのでは、ウエハが斜め挿入で収納され
ていたり、2枚重ね状態で収納されていたりしても、単
にウエハ有りと判断するだけで、このような収納状態の
異常を判断することはできない。又、ウエハ自体にそり
があっても、単にウエハ有りと判断するだけで、収納さ
れたウエハがそっているという状態まで判断できない。
【0009】本発明の目的は、ウエハキャリアに収納さ
れたウエハの有無を判断するだけでなく、キャリア内の
ウエハの収納状態をも判断するウエハ検出装置を提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成すべ
く、本発明に係るウエハ検出装置は、ウエハキャリアに
収納されたウエハに検出光を投光する投光手段と、上記
投光手段によって投光された検出光を検出する受光手段
と、上記ウエハの外周面を横切るように上記投光手段及
び上記受光手段をキャリアに対して相対的に移動させ、
その検出位置情報を出力する移動手段と、上記検出位置
情報と上記受光手段によって得られた受光量の変化
基づいて求められるピーク近傍の幅に基づき、上記ウエ
ハの収納状態を判断する判断手段とを有することを特徴
としている。
【0011】従来のようにくし形マッピングセンサを用
いることなくウエハキャリア内のウエハの有無を検出で
きるので、検出時にウエハにキズを付けたり破損させた
りすることがない。又、従来のくし形マッピングセンサ
に較べて使用する投受光素子数が極端に少ないので、検
出部の故障等を生じる可能性が少なく、信頼性のあるウ
エハ検出を行うことができる。
【0012】又、従来の透過形光電センサを用いた検出
手段のように、受光量が単に所定の閾値を超えたか否か
でウエハの有無だけを判断しているのではなく、受光量
の変化に基づいて求められるピーク近傍の幅を利用し
て判断しているので、ウエハの有無のみならず、キャリ
ア内のウエハの収納状態まで判断することができる。本
発明の請求項2に係るウエハ検出装置は、受光量の変化
に基づいて求められるピーク近傍は、上記投受光手段
が透過検出型なら受光量変化の微分値がマイナスからゼ
ロに変化した点より始まる微分値=ゼロの範囲、反射検
出型なら受光量変化の微分値がプラスからゼロに変化し
た点より始まる微分値=ゼロの範囲に基づいて判断する
ことを特徴としている。
【0013】ピーク近傍をこのような範囲に基づいて判
断することで、ウエハの収納状態を確実に検出すること
ができる。本発明の請求項3に係るウエハ検出装置は、
投光手段及び受光手段が、ウエハキャリアを通して検出
光を投受光することを特徴としている。ウエハをウエハ
キャリアに密封収納した状態でウエハの有無及び収納状
態を検出できるので、ウエハの清浄度を維持することが
できる。
【0014】本発明の請求項4に係るウエハ検出装置
は、基準となるウエハキャリアの、ウエハが収納されて
いない所定位置に検出光を投光し、この受光量を検出し
て基準受光量とし、ウエハ収納状態を判断すべきウエハ
キャリアの上記所定位置に対応する位置に検出光を投光
し、この受光量を上記基準受光量と比較して受光補正量
を算出する補正手段を有することを特徴としている。
【0015】受光量の補正を行ってからウエハ検出を行
うので、ウエハキャリアの種類や経時変化の影響を受け
ずにウエハの有無及び収納状態を常に正確に検出するこ
とができる。本発明の請求項5に係るウエハ検出装置
は、ウエハ検出位置の、ウエハを収納すべき範囲内に上
記受光量の変化に基づいて求められるピーク近傍が存
在し、且つそのピーク近傍が所定の閾値を超え且つ所定
の幅を超えていない場合にウエハが正しく収納されてい
ると判断する機能を有することを特徴としている。
【0016】ウエハを収納すべき範囲内に受光量の変化
に基づいて求められるピーク近傍が存在し、且つその
ピーク近傍が所定の閾値を超えているので、ウエハを収
納すべき範囲内にウエハが存在すると判断し、且つピー
ク近傍が所定の幅を超えていないので、ウエハキャリア
のウエハ収納位置にウエハが正しく収納されていると判
断することができる。
【0017】本発明の請求項6に係るウエハ検出装置
は、ウエハ検出位置の、ウエハを収納すべき範囲内に上
記受光量の変化に基づいて求められるピーク近傍が存
在し、且つそのピーク近傍が所定の閾値を超え且つ所定
の幅を超えている場合にウエハ2枚重ね又はウエハの反
りと判断する機能を有することを特徴としている。ウエ
ハを収納すべき範囲内に上記受光量の変化に基づいて
求められるピーク近傍が存在し、且つそのピーク近傍が
所定の閾値を超えているので、ウエハを収納すべき範囲
内にウエハが存在すると判断し、且つピーク近傍が所定
の幅を超えているので、収納されたウエハが2枚重ね状
態で収納されているか、又は、1枚であっても反りが生
じていると判断することができる。
【0018】本発明の請求項7に係るウエハ検出装置
は、ウエハ検出位置の、ウエハを収納すべき範囲外に上
記受光量の変化に基づいて求められるピーク近傍が存
在し、且つそのピーク近傍が所定の閾値を超えた場合に
ウエハ斜め収納等のウエハの収納異常と判断する機能を
有することを特徴としている。ウエハ収納部を超えた広
範囲に亘って検出光を遮るウエハが存在すると判断し、
ウエハが斜めに収納されている等の収納異常状態にある
と判断することができる。
【0019】本発明の請求項8に係るウエハ検出装置
は、ウエハ検出位置の、ウエハを収納すべき範囲外に上
記受光量の変化に基づいて求められるピーク近傍が存
在し、且つそのピーク近傍が所定値を超えない場合にウ
エハキャリアのキズ又はパーティングラインが存在する
と判断する機能を有することを特徴としている。ウエハ
の収納部以外に検出光を散乱させるものが存在し、これ
はウエハ程、検出光を散乱させるものではないと判断
し、ウエハキャリアの傷又はパーティングラインとみな
してこれを無視する。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面及びフローチャートを
参照して、本発明に係るウエハ検出装置について説明す
る。本発明に係るウエハ検出装置10の1つの実施の形
態は、図1に示すように、ウエハ1に対して検出光を投
受光する光電センサ11と、この光電センサ11をウエ
ハキャリア30に沿って移動させる移動手段12と、こ
の移動手段12によって移動した光電センサ11の各位
置毎の受光状態から、キャリア内のウエハ1の収納状態
を判断するセンサコントローラ20等とから構成されて
いる。
【0021】光電センサ11は、透過光検出タイプのも
のであり、投光部(投光手段)11a、受光部(受光手
段)11b、センサ本体11c、及びこれらに接続さ
れ、光又は電気を伝える接続手段11f等とから構成さ
れている。投光部11aと受光部11bはウエハキャリ
ア30の両側に対向配置されている。ウエハキャリア3
0の対向する内壁にはウエハ収納用の段部が所定間隔で
形成されており、例えば、300mmのウエハ1が複数枚
(例えば、13枚又は25枚)、夫々段部に係合して所
定間隔隔てて積層収納されている。ウエハキャリア30
は検出光を透過する材質でできており、投光部11aに
よって投光された検出光がウエハ1を透過して受光部1
1bで受光される場合は、受光量が減少し、投光部11
aによって投光された検出光がウエハ1で遮られずに直
接受光部11bで受光される場合は、受光量が減少しな
いようになっている。その一方、ウエハキャリア30に
キズやパーティングラインがある場合、この部分を検出
光が透過すると、検出光の一部が散乱して受光量が若干
減少する。
【0022】投光部11aと受光部11bは、センサス
ライドブロック12aを介してボールネジ12bに軸方
向に移動可能に取り付けられ、ボールネジ12bの端部
に設けられたパルスモータ12mによってウエハキャリ
ア30の側部に沿って(図中、上下方向に)移動するよ
うになっている。尚、ウエハキャリア30は図示しない
保持手段によって定位置に保持できるようになってい
る。又、パルスモータ12mには、パルス発生器24か
ら駆動パルスが送られると共に、受光部11bの検出位
置情報を逐次、後述するCPU21cに送るようになっ
ている。
【0023】光電センサ本体11cは、センサコントロ
ーラ20に電気的に接続されており、パルスモータ12
mは、モータ駆動用ドライバ12dを介してセンサコン
トローラ20に電気的に接続されている。又、センサコ
ントローラ20は、装置コントローラ40とも電気的に
接続されている。更に、モータ駆動用ドライバ12dと
装置コントローラ40とは、電気的に接続されている。
【0024】センサコントローラ20は、CPU21c
とメモリ21mとから構成されてウエハ1の有無及び収
納状態を判断する判断手段21と、判断手段21とセン
サ本体11cとの間に介在するA/Dコンバータ22
と、装置コントローラ40と判断手段21との間に介在
するS/P変換器23と、モータ駆動用ドライバ12d
と判断手段21との間に介在するパルス発生器24等と
から構成される。
【0025】次に、以上のように構成されたウエハ検出
装置10を用いたウエハの有無及び収納状態の検出につ
いて、図2から図5に示すフローチャートに基づき説明
する。ウエハの有無及び収納状態を検出するに当たり、
まず最初にパルスモータ12mを駆動し、光電センサ1
1の投光部11aと受光部11bをウエハキャリア30
に沿って移動させるとともに、移動中にセンサ11が投
受光を行い、各移動位置における受光量を検出する(ス
テップ10)。そして、検出されたアナログ光電出力を
A/Dコンバータ22によってA/D変換してその受光量
データを各検出位置データ毎に判断手段21に取り込
む。続いて、この各位置毎の受光量データをノイズ除去
するために平滑化処理を行う(ステップ11)。このノ
イズ除去の方法としては、CPU21cの内部でS/W
フィルタをかけて平滑化処理を行うが、光電センサ本体
11cの内部でH/Wフィルタをかけても良い。この平
滑化処理によって、図6の一点鎖線で示すように、各検
出位置毎の受光量の検出データが得られる。
【0026】次に、受光量の自動補正を行う(ステップ
12)。この補正は、ウエハキャリアの種類及び経時変
化に起因するウエハキャリアの検出光透過状態の変化を
吸収するために行う。具体的には、事前に選定した基準
ウエハキャリアの、検出光がウエハを透過しない所定の
位置(これを、以下「原点」とする。)の受光量を予め
測定しておき、これを受光量基準値としてメモリ21m
に記憶しておく。そして、ウエハの有無及び収納状態を
検出すべきウエハキャリア30の原点における受光量と
上述の基準となる受光量を比較し、この偏差を補正量と
する。図6において、この補正量はxに相当する。そし
て、ステップ11で得られた各検出位置毎の受光量をこ
の補正量を用いて修正演算する。尚、この受光量補正
は、単純なシフト(加減算)だけで行っても良く、キャ
リアの透過率自体が基準キャリアと異なる場合は、比例
計算として乗算も検討しても良い。又、受光量基準値の
測定は、1回だけ行えば良く、その後のウエハ検出毎に
この受光量基準値を用いるようにする。この修正動作に
よって、図6の実線で示す補正後の受光量データが得ら
れる。
【0027】このように光電センサ11の位置データ毎
の受光量データに対し、ノイズ除去及び受光量補正を行
った受光量データの一例を図7に示す。この受光量デー
タに基づき、以下の手順でウエハの有無及び収納状態の
判別を行う。図7に示す受光量データの曲線の傾きをC
PU21cによって計算し、受光量変化の微分値が零と
なる範囲をピーク近傍として求める(ステップ13)。
尚、微分値がほぼ零となる微少な範囲もピーク近傍に含
めても良い。
【0028】ここで、受光量変化の微分値が零となる範
囲とは、本実施形態の場合、即ち、投受光手段が透過検
出型センサの場合、図7に示す受光量変化を表す図の谷
底の部分をいい、投受光手段が、本実施形態と異なり反
射検出型センサの場合、受光量変化を表す図の頂上部と
なる。従って、受光量の1次微分が零となる範囲であっ
て、2次微分が零となる範囲ではない。
【0029】又、上述の微分値を計算するに当たって、
ノイズ除去のための平滑化処理を同時に行っても良い。
上述の微分計算によって、図7においては3つのピーク
近傍が求まることが分かる。ここで検出されたピーク近
傍には、ウエハ近傍のピーク近傍とパーディングライン
を含むキズ等のピーク近傍も含まれる。そして、ウエハ
の有無判別に当たっては、ステップ13で算出したピー
ク近傍の中からパーディングラインを含むウエハキャリ
アのキズ等に起因するピーク近傍を除外する必要があ
る。これらの除外すべきピーク近傍は、本来ウエハを収
納すべき近傍にある場合と近傍外にある場合とが想定さ
れ、以下に示す手順でこれらの双方とも除外する。
【0030】まず最初にウエハ収納部近傍外にピーク近
傍があるか否かを判断する(ステップ14)。尚、光電
センサ11の受光部は、パルスモータ12mによってボ
ールねじ12bに沿って所定の速度で移動しながら検出
光を受光しており、光電センサ11の位置情報はパルス
発生器24がCPU21cに逐次送っているので、図7
に示すように、センサ11の検出位置がウエハ収納部近
傍の範囲であるかウエハ収納部近傍の範囲外であるかを
容易に判断することができる。
【0031】ウエハ収納部近傍外にピーク近傍がある場
合は、このピーク近傍が所定の閾値を超えているか否か
を判断する(ステップ30)。尚、この所定の閾値は、
ウエハキャリア30の種類、ウエハ等についての実験結
果から予め規定された値であり、透過型光電センサ11
の場合、最大のキズと想定されるパーディングラインの
受光量より若干下回った値となる。受光量が所定の閾値
を超えている場合、即ち、図7に示す受光量が閾値を下
回っている場合は、本来ウエハが収納されるべきでない
位置に検出光を遮る何らかの障害物があると判断し、こ
のような状態が最も起こりやすいウエハ斜め挿入等の収
納異常がこの部分に最も近いウエハ収納部で生じている
と判断する(ステップ31)。一方、受光量が所定の閾
値を超えていない場合、即ち、受光量が図7に示す閾値
を下回っていない場合は、ウエハやその他の障害物によ
る遮光でなく、単に、ウエハキャリア30のキズやパー
ディングラインによって検出光の一部が散乱して受光量
が低下したに過ぎないと判断し、ウエハの収納状態には
異常がないとしてこれを無視する(ステップ32)。
尚、図7において、所定の閾値は、最大のキズと想定さ
れるパーディングラインの受光量より若干下に設けてあ
る。
【0032】ウエハ収納部近傍外に存在する全てのピー
ク近傍について上述のステップ30〜ステップ32を行
ったか否かを判断し(ステップ33)、行われていない
場合はこれを繰り返す。続いて、ウエハ収納部近傍にピ
ーク近傍が有るか否かを判断し(ステップ15)、ピー
ク近傍が無い場合は、ウエハキャリアのウエハ収納部に
ウエハ未収納と判断して(ステップ16)、ウエハ有無
の検出を終了する(ステップ17)。
【0033】ピーク近傍がウエハ収納部近傍内に有る場
合は、このピーク近傍が所定の閾値を超えているか否か
を判断し(ステップ20)、超えていない場合は、ウエ
ハによる検出光の遮光が生じていないとし、その収納部
にウエハ無しと判断する(ステップ21)。従って、こ
の範囲内にウエハが収納されておらず、且つこの範囲内
にウエハキャリア30にキズやパーティングライン等が
あっても、ステップ32と同様にこれを無視することが
できる。
【0034】続いて、ピーク近傍の幅が一定の幅以内か
否かを判断し(ステップ22)、一定の幅を超えている
ときは、その収納部にウエハが2枚重ね状態で収納され
ているか又はそりの生じたウエハが収納されていると判
断する(ステップ23)。具体的には、図8及び図9に
示すように、受光量データの傾きがゼロになるピーク近
傍の終点Nenと始点Nstとの差Nen−Nstがウエハ1枚
分の板厚を超えているが、ウエハ近傍の範囲内にある場
合を判別する。
【0035】従って、一定の幅とは、ウエハ1枚分の板
厚のみを含む幅として予め設定しておく。この幅を超え
た場合は、ウエハの斜め収納ほど検出光が遮光されない
が、本来のウエハ1枚の板厚を超えて検出光が遮光され
ているので、このような状態を最も生じ易いウエハが2
枚重ねで収納されているか、そりのあるウエハが収納さ
れていると判断する。
【0036】ピーク近傍の幅が一定の幅以内であると判
断したときは、その収納部にウエハが適正に収納されて
いるとする(ステップ24)。以上のステップ20〜ス
テップ24までをウエハ収納部近傍内の全てのピーク近
傍について行い、ウエハ収納の有無及び収納状態の判断
を終了する(ステップ26)。そして、センサコントロ
ーラ20で得られたこの検出結果は、装置コントローラ
40に出力される。
【0037】尚、上述の検出ルーチンは、ウエハ収納の
有無及び収納状態の判断を行う手順の一例を示したもの
であり、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内に
おいて別の検出ルーチンが考えられることは言うまでも
ない。従って、ウエハ収納部近傍の範囲内にピーク近傍
が存在するか否かを判断して上述のステップ20〜ステ
ップ25までを行い、その後、ウエハ収納部近傍の範囲
外にピーク近傍が存在し、上述のステップ30〜ステッ
プ33までを行っても良い。
【0038】又、本発明の被検出物は、半導体のウエハ
に限定されず、カセットに収納されたハードディスクや
CD(コンパクトディスク)等の有無及び収納状態を検
出するのにも利用できる。更に又、本発明に係る上述の
実施形態は、透過形光電センサを用いたが、反射形光電
センサを用いてその反射光の微分値からピーク近傍を求
め、このピーク近傍の状態に基づき、収納状態を判断す
るようにしても良い。この場合、検出光が被検出物を検
出すると受光量が増大するので、図7と異なり、受光量
の変化の頂上部付近をピーク近傍とする。ウエハの外周
面が滑らかであれば、このような反射形光電センサを用
いても十分に反射光を検出することができので、本発明
の効果と同様の効果を得ることができる。
【0039】又、上述の実施形態と異なり、光電センサ
11を固定し、ウエハキャリア30を移動させるように
しても良い。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るウエ
ハ検出装置は、ウエハキャリアに収納されたウエハに検
出光を投光する投光手段と、上記投光手段によって投光
された検出光を検出する受光手段と、上記ウエハの外周
面を横切るように上記投光手段及び上記受光手段をキャ
リアに対して相対的に移動させ、その検出位置情報を出
力する検出位置情報と上記受光手段によって得られた受
光量の変化に基づいて求められるピーク近傍の幅に基
づき、上記ウエハの収納状態を判断する判断手段とを有
することを特徴としている。
【0041】従来のようにくし形マッピングセンサを用
いることなくウエハキャリア内のウエハの有無を検出で
きるので、検出時にウエハにキズを付けたり破損させた
りすることがない。特に、ウエハ単価が高い300mmウ
エハの検出に非常に効果がある。又、従来のくし形マッ
ピングセンサに較べて使用する投受光素子数が極端に少
ないので、検出部の故障等を生じる可能性が少なく、信
頼性のあるウエハ検出を行うことができる。
【0042】又、従来の透過形光電センサを用いた検出
手段のように、受光量が単に所定の閾値を超えたか否か
でウエハの有無だけを判断しているのではなく、受光量
の変化に基づいて求められるピーク近傍の幅を利用し
て判断しているので、ウエハの有無のみならず、キャリ
ア内のウエハの収納状態まで判断することができる。本
発明の請求項2に係るウエハ検出装置は、受光量の変化
に基づいて求められるピーク近傍は、上記投受光手段
が透過検出型なら受光量変化の微分値がマイナスからゼ
ロに変化した点より始まる微分値=ゼロの範囲、反射検
出型なら受光量変化の微分値がプラスからゼロに変化し
た点より始まる微分値=ゼロの範囲に基づいて判断する
ことを特徴としている。
【0043】ピーク近傍をこのような範囲に基づいて判
断することで、ウエハの収納状態を確実に検出すること
ができる。本発明の請求項3に係るウエハ検出装置は、
投光手段及び上記受光手段が、ウエハキャリアを通して
検出光を投受光することを特徴としている。ウエハをウ
エハキャリアに密封して収納した状態でウエハの清浄度
を維持しながら、ウエハの有無及び収納状態を検出でき
る。
【0044】又、ウエハ密封型キャリアに付いたキズ、
パーディングラインやキャリアの透過率変化等の影響を
受けることなく、ウエハ検出を行うことができる。本発
明の請求項4に係るウエハ検出装置は、基準となるウエ
ハキャリアの、ウエハが収納されていない所定位置に検
出光を投光し、この受光量を検出して基準受光量とし、
ウエハ収納状態を判断すべきウエハキャリアの上記所定
位置に対応する位置に検出光を投光し、この受光量を上
記基準受光量と比較して受光補正量を算出する補正手段
を有することを特徴としている。
【0045】受光量の補正を行ってからウエハ検出を行
うので、ウエハキャリアの種類や経時変化の影響を受け
ずにウエハの有無及び収納状態を常に正確に検出するこ
とができる。本発明の請求項5に係るウエハ検出装置
は、ウエハ検出位置の、ウエハを収納すべき範囲内に上
記受光量の変化に基づいて求められるピーク近傍が存
在し、且つそのピーク近傍が所定の閾値を超え且つ所定
の幅を超えていない場合にウエハが正しく収納されてい
ると判断する機能を有することを特徴としている。
【0046】ウエハを収納すべき範囲内に受光量の変化
に基づいて求められるピーク近傍が存在し、且つその
ピーク近傍が所定の閾値を超えているので、ウエハを収
納すべき範囲内にウエハが存在すると判断し、且つピー
ク近傍が所定の幅を超えていないので、ウエハキャリア
のウエハ収納位置にウエハが正しく収納されていると判
断することができる。
【0047】本発明の請求項6に係るウエハ検出装置
は、ウエハ検出位置の、ウエハを収納すべき範囲内に上
記受光量の変化に基づいて求められるピーク近傍が存
在し、且つそのピーク近傍が所定の閾値を超え且つ所定
の幅を超えている場合にウエハ2枚重ね又はウエハの反
りと判断する機能を有することを特徴としている。ウエ
ハを収納すべき範囲内に上記受光量の変化に基づいて
求められるピーク近傍が存在し、且つそのピーク近傍が
所定の閾値を超えているので、ウエハを収納すべき範囲
内にウエハが存在すると判断し、且つピーク近傍が所定
の幅を超えているので、収納されたウエハが2枚重ね状
態で収納されているか、又は、1枚であっても反りが生
じていると判断することができる。
【0048】本発明の請求項7に係るウエハ検出装置
は、ウエハ検出位置の、ウエハを収納すべき範囲外に上
記受光量の変化に基づいて求められるピーク近傍が存
在し、且つそのピーク近傍が所定の閾値を超えた場合に
ウエハの斜め収納等のウエハの収納異常と判断する機能
を有することを特徴としている。ウエハ収納部を超えた
広範囲に亘って検出光を遮るものが存在すると判断し、
ウエハが斜めに収納されている等の収納異常状態にある
と判断することができ、その後のウエハの破損等を防止
できる。
【0049】本発明の請求項8に係るウエハ検出装置
は、ウエハ検出位置の、ウエハを収納すべき範囲外に上
記受光量の変化に基づいて求められるピーク近傍が存
在し、且つそのピーク近傍が所定値を超えない場合にウ
エハキャリアのキズ又はパーティングラインが存在する
と判断する機能を有することを特徴としている。ウエハ
の収納部以外に検出光を散乱させるものが存在し、これ
はウエハ程、検出光を散乱させるものではないと判断
し、ウエハキャリアの傷又はパーティングラインとみな
してこれを無視することができ、ウエハの誤検出を防止
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るウエハ検出装置を示す概略構成図
である。
【図2】本発明に係るウエハの有無及び収納状態を検出
するための手順を示すフローチャートの一部である。
【図3】図2のフローチャートに続くフローチャートを
示す図である。
【図4】図2のフローチャートに続くフローチャートを
示す図である。
【図5】図4のフローチャートに続く残余のフローチャ
ートを示す図である。
【図6】本発明に係るウエハ検出装置の受光量の補正を
説明するための図である。
【図7】本発明に係るウエハ検出装置のウエハの有無及
び収納状態の判断を説明するための図である。
【図8】本発明に係るウエハ検出装置のウエハ収納位置
近傍での収納の判断を説明するための図である。
【図9】そりの生じたウエハがウエハキャリアに収納さ
れた状態を示す図である。
【図10】従来のくし形マッピングセンサを利用したウ
エハ検出の状態を示す図である。
【符号の説明】
1 ウエハ 10 ウエハ検出装置 11 光電センサ 11a 投光部 11b 受光部 12 移動手段 20 センサコントローラ 21 判断手段 21c CPU 21m メモリ 30 ウエハキャリア

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウエハキャリアに収納されたウエハに検
    出光を投光する投光手段と、 上記投光手段によって投光された検出光を検出する受光
    手段と、 上記ウエハの外周面を横切るように上記投光手段及び上
    記受光手段をウエハキャリアに対して相対的に移動さ
    せ、且つその検出位置情報を出力する移動手段と、 上記検出位置情報と上記受光手段によって得られた受光
    量の変化に基づいて求められるピーク近傍の幅に基づ
    き、上記ウエハの収納状態を判断する判断手段とを有す
    ることを特徴とするウエハ検出装置。
  2. 【請求項2】 上記受光量の変化に基づいて求められ
    るピーク近傍は、上記投受光手段が透過検出型なら受光
    量変化の微分値がマイナスからゼロに変化した点より始
    まる微分値=ゼロの範囲、反射検出型なら受光量変化の
    微分値がプラスからゼロに変化した点より始まる微分値
    =ゼロの範囲に基づいて判断することを特徴とする、請
    求項1に記載のウエハ検出装置。
  3. 【請求項3】 上記投光手段及び上記受光手段は、ウエ
    ハキャリアを通してウエハに検出光を投受光することを
    特徴とする、請求項1に記載のウエハ検出装置。
  4. 【請求項4】 上記判断手段は、基準となるウエハキャ
    リアの、ウエハが収納されていない所定位置に検出光を
    投光し、この受光量を検出して基準受光量とし、ウエハ
    収納状態を判断すべきウエハキャリアの、上記所定位置
    に対応する位置に検出光を投光し、この受光量を上記基
    準受光量と比較して受光補正量を算出する補正手段を有
    することを特徴とする、請求項1に記載のウエハ検出装
    置。
  5. 【請求項5】 上記判断手段は、上記検出位置の、ウエ
    ハを収納すべき範囲内に上記受光量の変化に基づいて
    求められるピーク近傍が存在し、且つそのピーク近傍が
    所定の閾値を超え且つ所定の幅を超えていない場合にウ
    エハが正しく収納されていると判断する機能を有するこ
    とを特徴とする、請求項1に記載のウエハ検出装置。
  6. 【請求項6】 上記判断手段は、上記検出位置の、ウエ
    ハを収納すべき範囲内に上記受光量の変化に基づいて
    求められるピーク近傍が存在し、且つそのピーク近傍が
    所定の閾値を超え且つ所定の幅を超えている場合にウエ
    ハ2枚重ね又はウエハの反りと判断する機能を有するこ
    とを特徴とする、請求項1に記載のウエハ検出装置。
  7. 【請求項7】 上記判断手段は、上記検出位置の、ウエ
    ハを収納すべき範囲外に上記受光量の変化に基づいて
    求められるピーク近傍が存在し、且つそのピーク近傍が
    所定の閾値を超えた場合にウエハ斜め収納等のウエハの
    収納異常と判断する機能を有することを特徴とする、請
    求項1に記載のウエハ検出装置。
  8. 【請求項8】 上記判断手段は、上記検出位置の、ウエ
    ハを収納すべき範囲外に上記受光量の変化に基づいて
    求められるピーク近傍が存在し、且つそのピーク近傍が
    所定値を超えない場合にウエハキャリアの傷又はパーテ
    ィングラインが存在すると判断する機能を有することを
    特徴とする、請求項3に記載のウエハ検出装置。
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