JP3058596U - 立体搬送用チェーンおよびそれを用いた立体搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 搬送装置と，簡易電車や方向変換機能を有す
る移動装置を組み合わせることなく、これら装置の駆動
源および制御装置等の装置数を削減して安価にし、設置
スペースを縮小し、狭い場所でも容易に曲線搬送でき、
中間待機ワークを削減して生産効率を向上し、生産ライ
ンを自由自在にレイアウトできるようにする。 【解決手段】 離れた位置に設置されたワーク受台間に
わたって、立体搬送用チェーン１４を用いて箱体，軸等
のワークを三次元方向に搬送する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、離れた位置に設置されたワーク受台間にわたって、箱体，軸等のワ ークを三次元方向に搬送する立体搬送用チェーンおよびそれを用いた立体搬送装 置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の搬送用チェーン１は、図７（Ａ），（Ｂ）に示すように、対向した二枚 の平板２間に二個の筒状の支持体３を並設し、平板２，支持体３からなる複数個 の連結体４を連結リンク５，ピン６等により連結して無端状態にし、この状態で 両端のスプロケット７ａ，７ｂに巻回されている。

【０００３】 また、従来のリフトアンドキャリー方式による搬送装置は、例えば図８（Ａ） ，（Ｂ）に示すように、離れた位置に二台のワーク受台８ａ，８ｂが配置され、 両ワーク受台８ａ，８ｂの中間に中間仮置台９が設置され、両ワーク受台８ａ， ８ｂおよび中間仮置台９にはそれぞれ受部８ｃおよび仮置部９ａが形成されてい る。また、中間仮置台９の下方には搬送用チェーン１が設けられ、搬送用チェー ン１の一方のスプロケット７ａに駆動手段（図示せず）が連結され、搬送用チェ ーン１にＴ字形状のフレーム１０が設けられている。このフレーム１０は、鉛直 方向の支持板１０ａと，水平方向の受板１０ｂとからなり、支持板１０ａの端部 が搬送用チェーン１に連結され、受板１０ｂの両端部にはワークＷを受け渡しす る受け部１０ｃが形成されている。

【０００４】 つぎに動作について説明する。図８（Ａ）の実線の状態は停止状態を示し、ワ ークＷがワーク受台８ａの受部８ｃに載置され、フレーム１０が一方のスプロケ ット７ａ側に位置し、フレーム１０の支持板１０ａがワーク受台８ａ，中間仮置 台９の中間に位置し、受板１０ｂの両受け部１０ｃがそれぞれ一方のワーク受台 ８ａと中間仮置台９の近傍に位置している。

【０００５】 この状態から、搬送用チェーン１の１回転駆動に伴って、フレーム１０の受板 １０ｂが楕円軌跡を描いて１往復移動する。ワークＷは、受板１０ｂが１往復移 動する間に、一方のワーク受台８ａから中間仮置台９に搬送される。 すなわち、駆動手段を駆動して搬送用チェーン１を駆動すると、搬送用チェー ン１の回転駆動に伴って、フレーム１０の支持板１０ａがスプロケット７ａの周 面に沿って移動する。この際、ワーク受台８ａのワークＷが受板１０ｂの一方の 受け部１０ｃに載せ換えられる。 そして、フレーム１０が他方のスプロケット７ｂ側に移動し、受板１０ｂの両 受け部１０ｃがそれぞれ中間仮置台９と他方のワーク受台８ｂの近傍に位置し、 さらなる搬送用チェーン１の回転駆動により、フレーム１０の支持板１０ａがス プロケット７ａの周面に沿って移動する際、受板１０ｂの一方の受け部１０ｃに 載置されたワークＷが中間仮置台９の仮置部９ａに載せ換えられ、その後、フレ ーム１０は図８（Ａ）の実線の状態に戻る。 なお、図８（Ａ）の鎖線矢印は、搬送用チェーン１の１回転駆動による受板１ ０ｂの一方の受け部１０ｃの楕円軌跡である。

【０００６】 つぎに、図８（Ｂ）の鎖線矢印に示すように、再度の搬送用チェーン１の１回 転駆動に伴って、受板１０ｂの他方の受部１０ｃが楕円軌跡を描いて１往復移動 する。この間に、中間仮置台９に載置されたワークＷは、他方のワーク受台８ｂ に搬送される。 すなわち、再度の搬送用チェーン１の回転駆動により、フレーム１０がスプロ ケット７ａからスプロケット７ｂ側に移動し、中間仮置台９の仮置部９ａに載置 されたワークＷが受板１０ｂの他方の受け部１０ｃに載せ換えられ、さらなる搬 送用チェーン１の回転駆動により、図８（Ｂ）の実線に示すように、フレーム１ ０がスプロケット７ｂの周面を移動する際、受板１０ｂの他方の受け部１０ｃに 載置されたワークＷが他方のワーク受台８ｂの受部８ｃに載せ換えられる。

【０００７】 しかしながら、前記両ワーク受台８ａ，８ｂ間においてワークＷを搬送する場 合、実際には、前記搬送装置と，簡易電車や方向変換機能を有する移動装置を組 み合わせて搬送している。 例えば、一方のワーク受台８ａに載置されたワークＷを、前記搬送装置を用い て簡易電車に搭載された搬送装置に載せ換え、簡易電車を前記移動装置まで移動 し、簡易電車の搬送装置から移動装置の搬送装置に載せ換え、移動装置を他方の ワーク受台８ｂまで移動し、方向変換してワーク受台８ｂにワークＷを載せ換え ている。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

上述したように、ワークＷを搬送する場合、リフトアンドキャリー方式の搬送 装置と，簡易電車や方向変換機能を有する移動装置を組み合わせているため、こ れら装置の駆動源および制御装置等も別途必要になるため、コスト高になるとと もに、設置スペースも大きくなり、狭い場所での搬送が非常に困難になり、生産 ラインのレイアウトが制限されるという問題がある。 しかも、中間待機ワークが多くなり、両ワーク受台８ａ，８ｂ間の搬送に多大 の時間を要し、生産効率が低下するという問題がある。

【０００９】 本考案は、前記の点に留意して成されたものであり、その目的は、搬送装置と ，簡易電車や方向変換機能を有する移動装置を組み合わせることなく、これら装 置の駆動源および制御装置等の装置数を削減して安価にし、設置スペースを縮小 し、狭い場所でも容易に曲線搬送でき、中間待機ワークを削減して生産効率を向 上し、生産ラインを自由自在にレイアウトできる立体搬送用チェーンおよびそれ を用いた立体搬送装置を提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

前記課題を解決するために、本考案の立体搬送用チェーンは、対向した二枚の 平板間に二個の支持体を並設し、一方の支持体の両端部には，互いの軸心が直交 した横ローラおよび縦ローラをそれぞれ設け、他方の支持体の両端部には，前記 両ローラを前記一方の支持体とは逆に取り付け、前記平板，前記支持体，前記両 ローラからなる複数個の連結体を連結リンクにより連結し、前記各連結体にワー クを支持するための支持手段を設けたものである。 したがって、両平板間に並設した一方の支持体に横ローラおよび縦ローラを取 り付け、他方の支持体に，前記両ローラを前記一方の支持体とは逆に取り付け、 平板，支持体，両ローラからなる複数個の連結体を連結リンクにより連結したた め、立体搬送用チェーンを３次元方向に回動することができる。 このため、狭い場所でも容易に曲線搬送できるとともに、中間待機ワークなし で、ワークを連続して搬送することができ、生産効率を大幅に向上することがで きる。 また、他方の支持体には、一方の支持体の両ローラとは逆に取り付けられてい るため、両支持体の縦ローラにより各連結体に設けられた支持手段を安定した状 態で支持することができ、重量物でも搬送することができる。

【００１１】 また、請求項２記載の立体搬送装置は、離れた位置に設置されたワーク受台間 にわたって、前記立体搬送用チェーンを用いて箱体，軸物等のワークを三次元方 向に搬送するようにしたものである。 したがって、立体搬送用チェーンを用いて箱体，軸物等のワークを三次元方向 に搬送するようにしたため、搬送装置と，簡易電車や方向変換機能を有する移動 装置を組み合わせる必要がなく、これら装置の駆動源および制御装置等の装置数 を削減することができ、安価になる。 しかも、生産ラインを自由自在にレイアウトすることができ、狭い場所での設 置，通路確保を容易に行うことができる。

【００１２】

【考案の実施の形態】

実施の形態につき図１〜図６を参照して説明する。

【００１３】 まず、立体搬送装置１１の構成を示した図１において、１２は装置１１におけ る樋状のフレームであり、第一直線部Ｙ₁ ，立ち上がり湾曲部Ｕ，立ち上がり傾 斜部ＵＫ，第一縦方向湾曲部Ｚ₁ ，第二直線部Ｙ₂ ，立ち下がり湾曲部Ｄ，立ち 下がり傾斜部ＤＫ，第二縦方向湾曲部Ｚ₂ ，第三直線部Ｙ₃ ，横方向湾曲部Ｘ， 第四直線部Ｙ₄ が３次元方向に連接されてなり、第一直線部Ｙ₁ に二本の短尺の 支柱１３ａが設けられ、立ち上がり傾斜部ＵＫおよび立ち下がり傾斜部ＤＫに長 尺の支柱１３ｂが設けられ、第三直線部Ｙ₃ ，横方向湾曲部Ｘおよび第四直線部 Ｙ₄ にそれぞれ短尺の支柱１３ａが設けられ、フレーム１２が各支柱１３ａ，１ ３ｂにより支持され、このフレーム１２に立体搬送用チェーン１４が回動自在に 設けられ、第一直線部Ｙ₁ に立体搬送用チェーン１４の従動装置１５が、第四直 線部Ｙ₄ に駆動装置１６がそれぞれ配設され、両直線部Ｙ₁ ，Ｙ₄ の近傍にそれ ぞれワーク受台（図示せず）が配置される。 なお、床面Ｇと，立ち上がり湾曲部Ｕ，立ち上がり傾斜部ＵＫ，第一縦方向湾 曲部Ｚ₁ ，第二直線部Ｙ₂ ，立ち下がり湾曲部Ｄ，立ち下がり傾斜部ＤＫ，第二 縦方向湾曲部Ｚ₂ とからなる空間は作業者の通路Ｔを示す。

【００１４】 つぎに、立体搬送用チェーン１４の構成を示した図２および図３において、図 ７と同一符号は同一もしくは相当するものを示し、異なる点はつぎのとおりであ る。１７はＬ字形状の取付片であり、両平板２の側縁部の中央に一体に形成され 、その先端部１７ａが外側方向に折曲され、両先端部１７ａの上面に支持板１８ の両側が固着され、平板２，取付片１７，支持体３および支持板１８から連結体 １９が構成されている。なお、前記支持板１８にはワーク、例えば箱体，軸物に 応じて支持手段（図示せず）が設けられる。２０は連結リンク５の一端部の両側 に折曲して形成された二枚の支持片であり、隣接する各連結体１９の両側に連結 リンク５の支持片２０が交互に位置するように、各連結体１９間に連結リンク５ が橋架されている。２１は水平方向の軸であり、連結リンク５，平板２，支持体 ３，平板２，連結リンク５を貫通し、軸２１の突出した端部にそれぞれ縦ローラ ２２が設けられている。そして、縦ローラ２２は、軸２１の端部に挿通された平 座金２１ａと，軸２１の端部を貫通したピン２１ｂとにより固定されている。２ ３は連結リンク５の両支持片２０を貫通した垂直方向の軸であり、この軸２３に 横ローラ２４が設けられている。なお、図３（Ａ）に示すように、他方の支持体 ３の前記両ローラ２２，２４は、一方の支持体３の前記両ローラ２２，２４とは 逆に取り付けられ、支持板１８の両側を同一直線上に位置しない二個の縦ローラ ２２が支持している。

【００１５】 つぎに、立体搬送装置１１における立体搬送用チェーン１４の実装状態の構成 を示した図４〜図６において、２５は装置１１のフレーム１２内に設けられた二 本のレール本体であり、基板２５ａと，基板２５ａの両側縁部に立設された縦レ ール２５ｂと，両縦レール２５ｂの端部に内側方向に折曲された横レール２５ｃ とからなり、両縦レール２５ｂに各連結体１９の二個の横ローラ２４が摺接し、 基板２５ａの両側および横レール２５ｃに各連結体１９の二個の縦ローラ２２が 摺接し、レール本体２５に立体搬送用チェーン１４が回動自在に設けられている 。２６は前記駆動装置１６に連結されたスプロケットであり、スプロケット２６ のギヤ２６ａが立体搬送用チェーン１４の各支持体３間に歯合している。そして 、前記駆動装置１６と同様に、従動装置１５にもスプロケット（図示せず）が連 結されており、駆動装置１６のスプロケット２６および従動装置１５のスプロケ ットに立体搬送用チェーン１４が巻回されている。なお、前記レール本体２５は 駆動装置１６および従動装置１５の部分を除いては、図５に示すように、二本の レール本体２５の基板２５ａが接合され、立体搬送用チェーン１４が両レール本 体２５に沿って３次元方向に回動する。

【００１６】 そして、駆動装置１６を駆動すると、駆動装置１６のスプロケット２６を介し て立体搬送用チェーン１４が回動し、ワークを、中間待機ワークなしで、一方の ワーク受台から他方のワーク受台に連続して搬送できるとともに、生産効率が大 幅に向上する。

【００１７】 なお、前記形態の立体搬送用チェーン１４は、取付片１７が平板２に、支持片 ２０が連結リンク５にそれぞれ一体に形成されているため、立体搬送用チェーン １４の量産効果は大きい。

【００１８】 また、立体搬送用チェーン１４における各連結体１９の支持板１８の両側を同 一直線上に位置しない二個の横ローラ２４が支持しているため、安定した支持が 得られ、重量物でも搬送することができる。

【００１９】 さらに、立体搬送用チェーン１４がレール本体２５に沿って３次元方向に回動 するため、従来のように、搬送装置と，簡易電車や方向変換機能を有する移動装 置を組み合わせる必要がなく、これら装置数を削減でき、設置スペースを縮小で き、これにより、生産ラインを自由自在にレイアウトでき、容易に通路を確保す ることもできる。

【００２０】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の立体搬送用チェーンは、二枚の平板間に並設し た一方の支持体に横ローラおよび縦ローラを取り付け、他方の支持体に，前記両 ローラを前記一方の支持体とは逆に取り付け、平板，支持体，両ローラからなる 複数個の連結体を連結リンクにより連結したため、立体搬送用チェーンを３次元 方向に回動することができる。 しかも、従来、実現されなかった曲線搬送を実現することができるとともに、 中間待機ワークなしで、ワークを連続して搬送することができ、生産効率を大幅 に向上することができる。 また、各連結体に設けられた支持手段は、一方の支持体の縦ローラと，一方の 支持体の縦ローラとは同一直線上に位置しない他方の支持体の縦ローラとにより 支持されているため、重量物でも安定した状態で搬送することができる。

【００２１】 また、請求項２記載の立体搬送装置は、立体搬送用チェーンを用いて箱体，軸 物等のワークを三次元方向に搬送するようにしたため、搬送装置と，簡易電車や 方向変換機能を有する移動装置を組み合わせる必要がなく、これら装置の駆動源 および制御装置等の装置数を削減することができ、安価になる。 しかも、生産ラインを自由自在にレイアウトすることができ、狭い場所での設 置，通路確保が容易になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】立体搬送装置の斜視図である。

【図２】（Ａ）は図１の立体搬送用チェーンの平面図，
（Ｂ）は図２（Ａ）の正面図，（Ｃ）は図２（Ａ）の側
面図である。

【図３】（Ａ）は図２（Ａ）の底面図，（Ｂ）は図２
（Ｃ）のＡ−Ａ線断面図，（Ｃ）は図２（Ｂ）のＢ−Ｂ
線断面図である。

【図４】図１の立体搬送用チェーンの駆動部分の正面図
である。

【図５】図４のＣ−Ｃ線断面図である。

【図６】図４の立体搬送用チェーンの一部切断斜視図で
ある。

【図７】（Ａ）は従来例の搬送用チェーンの正面図，
（Ｂ）は図７（Ａ）の一部の斜視図である。

【図８】（Ａ）は従来例のリフトアンドキャリー方式に
よる搬送装置の概略構成図，（Ｂ）は図８（Ａ）の他の
状態の概略構成図である。

【符号の説明】

２…平板、３…支持体、５…連結リンク、１１…立体搬
送装置、１４…立体搬送用チェーン、２２…縦ローラ、
２４…横ローラ。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 対向した二枚の平板間に二個の支持体を
   並設し、 一方の支持体の両端部には，互いの軸心が直交した横ロ
   ーラおよび縦ローラをそれぞれ設け、 他方の支持体の両端部には，前記両ローラを前記一方の
   支持体とは逆に取り付け、 前記平板，前記支持体，前記両ローラからなる複数個の
   連結体を連結リンクにより連結し、 前記各連結体にワークを支持するための支持手段を設け
   たことを特徴とする立体搬送用チェーン。
2. 【請求項２】 離れた位置に設置されたワーク受台間に
   わたって、請求項１記載の立体搬送用チェーンを用いて
   箱体，軸等のワークを三次元方向に搬送するように構成
   したことを特徴とする立体搬送装置。