JP3056178U - 切削用工具組立体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 切削用ヘッドを適切に保持する。 【解決手段】 切削用ヘッドが相互作用する連結用部材
の手段により工具ホルダーに解放可能に保持された切削
用工具組立体であり、連結用部材の一方は他方の連結用
部材の凹所内に差し込まれ、前記一方の連結用部材の半
径方向に延びている受けウイングが他方の連結用部材の
連続した支持ウイングの間をそれぞれ通過し、一方の連
結用部材の回転が受けウイングの支持ウイングに対する
受けと着座とをもたらし、これにより前記切削用ヘッド
と前記工具ホルダーとの間の保持連結を行う切削用工具
である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は交換式の切削用ヘッドを有する形式の切削用工具組立体に関する。

【０００２】

【従来技術及びその課題】

かかる切削用工具組立体、特に切削用ヘッドがネジの把持により工具ホルダー に交換可能に保持されるものは長く知られている。かかる公知の組立体の操作の 大部分は、通常、切削用ヘッドの取外し又は交換の際に、これが、切削用ヘッド を保持しつつ同時にネジを緩め、外し、更に把持用ネジを差し込むことを含むの で困難に遭遇することがしばしばである。更に、多くの形式の切削用工具では、 把持用ネジは、使用時に切削用ヘッドに加わる回転力負荷の相当な部分を吸収す るように要求されることが非常に多い。

【０００３】 これらの問題は、小型切削用工具の場合、特に重要である。かかる小型切削用 工具は、一般に、例えば旋削、フライス削り、溝削り、穴空けなどのような内面 及び外面の機械加工に使用される。これら工具では、一般に、細長い前部シャン ク部分は比較的小直径（例えば６ないし１４mm）の中空シャンクにより構成され る。

【０００４】 一般に、切削用ヘッドはシャンクの前方部分の最先端に取外し可能にネジ止め される。かかる工具は、例えば国際特願ＷＯ ９４／２３８７４号に明らかにさ れる。

【０００５】 かかる配列では、連結用ネジは、前部シャンク部分の切削用ヘッドのネジ取付 けにより生ずる軸方向の予備負荷の結果として生ずる回転力負荷に耐えなければ ならない。更に、切削用ヘッドの寸法の減少とともに、より小さい連結用ネジを 使用しなければならず、これは回転力の増加及びネジの剪断の危険が伴う。加え て、かかる小さいネジの使用は同様に小さい回転用のキーを必要とする。かかる 小さいキーでは、事実上、加え得る締付け力が非常に限定されるであろう。かか る小さいキーは破損及び摩耗もまた受け易い。

【０００６】 切削用ヘッドの交換及び取付けは、非常に小型であり得るネジの取扱いを含み 、このネジは、非常に小さい切削用ヘッド及び締付け用キーの場合と同様に落と し易く紛失し易い。

【０００７】 ＤＥ３４０２５４７号において、切削用ヘッドが前部工具軸にネジ連結される ように連続するが、切削用ヘッドの下面に半径方向に形成されたリブが前部軸の 隣接面に半径方向に形成された溝の中に組み合うため、このリブと溝との配列が 回転力を取り上げ、いうまでもなくこれが連結用ネジの応力を減らす切削用工具 を作ることが提案された。それにもかかわらず、かかる連結用ネジ、特に小型ネ ジの使用は、上に引用された不利益を受ける。

【０００８】 ＤＥ ４０２６６５１号に明らかにされた切削用工具の別の実施例においては 、切削用ヘッドは、細長い引張り棒を介して工具ホルダーに取り付けられ、この 引張り棒は前部軸部分を通って後部軸部分の中空域の中に伸び、かつ軸に関する 回転に対して効果的にキー止めされる。引張り棒は後部軸部分に置かれた把持用 機構と連結され、そして前部軸部分に対して切削用ヘッドを保持するため、或い はこれから離すためにここから接近可能である。この場合、トルク力は軸の前端 に近い比較的狭い引張り棒により取り上げられるが、一方、切削用ヘッドの保持 と解放とは比較的複雑な把持用機構の方法による。

【０００９】 工具ホルダーへの切削用ヘッドの連結及び取外しにおける上述の難点及び欠点 を大きく減らす新規かつ改良された切削工具組立体を提供することが本考案の目 的である。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

本考案により、工具ホルダーにより解放可能に保持される切削用ヘッドを備え た切削用工具組立体であって、前記工具ホルダー及び前記切削用ヘッドに相互作 用している連結用部材が設けられ、その一方は開口端部凹所内に形成され、工具 ホルダーの連結用部材は複数の半径方向に延びている受けウイングを有し、そし て切削用ヘッドの連結用部材は間隔を空けて離され周囲方向に置かれ半径方向に 向けられた支持ウイングを有し、前記受けウイングが連続した支持ウイングの間 をそれぞれ通過するようにして連結用部材の一方を他方の連結用部材内に挿入し そして前記受けウイングが前記支持ウイングを受けかつこの上にあり、これによ り前記切削用ヘッドと前記工具ホルダーとの間の保持連結をもたらすように前記 一方の連結用部材を回転させることにより、前記工具ホルダーへの前記切削用ヘ ッドの保持用連結が行われような配列である切削用工具組立体が提供される。

【００１１】 好ましくは、変位手段はネジで作動されかつ前記連結用部材において作動する ように前記工具ホルダーにネジ止めされ、これにより前記手段の反対向き両方向 のネジの回転が前記反対向き両方向に向けられた軸方向変位を生ずる。

【００１２】 本考案により、かつ小型切削用工具を含んだ切削用工具組立体の好ましい実施 例により、小型切削用工具は一体に形成された後部及び前部の中空シャンク部分 を備え、前部シャンク部分は細長くかつ後部シャンク部分の半径寸法より実質的 に小さい半径寸法のものであり、切削用ヘッドは解放可能に中心に置かれかつ前 記前部シャンク部分の自由端に関する回転に対してキー止めされ、細長い引張り 棒は、その一方の端部において前記切削用ヘッドと連結しかつその他方の端部に おいて前記後部シャンク部分の軸方向で前記引張り棒と共に同方向に変位可能で あるように前記後部シャンク部分内に摺動可能に置かれたボデーに強固に固定さ れるように前記前部シャンク部分を通って延び、そして反対向き両方向の前記手 段のネジの回転がそれぞれ前記切削用ヘッドを前記前部シャンク部品に把持し及 びこれから解放するようにそれぞれ前記ボデーを前記切削用ヘッドに近づけ及び 遠ざけるためにネジ作動用手段が前記変位可能なボデー上に乗るように前記後部 シャンク部分内に取り付けられる。

【００１３】 好ましくは、切削用ヘッドを前部シャンク部分から解放するようにボデーを切 削用ヘッドの方にバネで押すためにバネ強制手段が設けられ、前記ネジ作動手段 は、ネジの内向きの回転がボデーに前記切削用工具から離れるような変位を与え かつバネの強制力に対抗するように前記ボデー上に乗っている内側端部を持った ネジを備える。

【００１４】 本考案の更なる実施例により、軸方向の変位可能なボデーに横方向に延びてい る凹所が形成され、この凹所は凹所から横方向で間隔を空けて離れた位置に置か れる傾斜している従動カム面を有し、ネジ作動用手段は、凹所を通って延びてい てかつ横方向で間隔を空けて離れたその位置にカム従動面に関してそれぞれが摺 動関係にある両側の傾斜面が形成された細長いカム部材を備え、ネジ作動用手段 は、カムとカム従動面の併置された対の相対的な摺動変位、従ってボデー部材の 切削用ヘッドから離れ及びこれに近寄る変位を生ずるような凹所内における内向 き及び外向きに変位が可能なネジである。

【００１５】 後者の実施例により、カム従動面は、それぞれ前記凹所内に含まれる横方向で 離された１対の円錐状凹所を定め、カム面は、それぞれカム部材の横方向で間隔 を空けて離された１対の円錐状面により構成される。

【００１６】 本考案による小型切削用工具においては、切削用ヘッドが前部シャンク部分に キー止めされるということは、総ての回転力がこの前部シャンク部分により取り 上げられ中間のネジ結合には全くよらないことを意味する。更に、切削用ヘッド の前部シャンク部分への効果的な把持及びこれからの解放を確保するための全機 構は後部シャンク部分の容易に接近できる位置に置かれ、そして、圧縮バネの影 響によるか又はカム面上のカム従動部材の相対運動のため、簡単なネジ運動によ り、一方の方向では前部軸部分に対する切削用ヘッドの効果的な把持が得られ、 他方、反対方向のネジの回転では切削用工具の前部軸部分からの解放が確保され る。引張り棒上の切削用ヘッドの保持はバヨネット形連結具によるため、切削用 工具の引張り棒からの解放は、小寸法のネジを緩めること及び締めることを含む 問題なしに、単純な回転運動により行うことができる。

【００１７】

【好ましい実施例の詳細な説明】

本考案をより良く理解するため、及びこれをどのように実行できるかを示すた めに、本考案による小型切削用工具が付属図面を参照し例示により説明されるで あろう。

【００１８】 図面の図１、２及び３に見られるように、例えば内面の機械加工用に設計され た小型切削用工具はシャンク１を備え、このシャンクは、中空円筒状の後部シャ ンク部分１Ｂと一体に形成された筒状の前部シャンク部分１Ａを有し、前部シャ ンク部分１Ａは半径方向寸法が後部シャンク部分１Ｂよりかなり小さいのもであ る。

【００１９】 図面の図２、３、４及び５より明らかに見られるように、半径方向に伸びてい る切れ刃３を有する切削用ヘッド２は、その底面に半径方向で分配された３個の ドーム状のキー突起４が形成され、これら突起は前部シャンク部分１Ａに形成さ れた３個の対応するドーム状の半径方向に分配されたキー用凹所５内に適合し、 従って、切削用ヘッド２が前部シャンク部分１Ａの端部上に適合したときに、こ れは前部シャンク部分１Ａに関して同一中心となり、かつ両者間の相対回転はキ ー止めされる。

【００２０】 切削用ヘッド２は、切れ刃３及びキー用の突起４に加えて、端部の開口した凹 所６Ａを定めている本質的に円筒状のボデー６を備え、この凹所の内壁には、間 隔を空けて離され周囲方向に置かれ半径方向内向きの多数の支持ウイング７が形 成される。

【００２１】 細長い引張り棒８は、その一方の端部に連結用部材が形成され、この部材は間 隔を空けて離され半径方向に伸びている対応組の受けウイング９を有し、これら 受けウイングはボデー部分６に形成された円筒状凹所の内径より小さい円の上に あり、かつ各ウイングは支持ウイング７間に容易に導入できるような大きさの外 周を持つ。

【００２２】 細長い引張り棒８は、受けウイング９に隣接した実質的に円筒状の第１の部分 １０、中央の細長いネジ部分１１、及び実質的に多角形断面の端末部分１２を備 える。

【００２３】 細長くて軸方向に変位可能なボデー部材１５に、引張り棒８をねじ込み得る貫 通ネジ穴１６が形成され、更に両側の１対の円柱状の面１７と両側の１対の実質 的に平らな側面１９が形成される。

【００２４】 ボデー部材１５の前端の面２０には半径方向に延びている溝２１が形成される 。溝２１は、実質的に平らな底面又はその他を有するＶ字形断面であることが有 利である。かかる形状は、切削中における望ましくないネジの緩みの防止に特に 有用である。

【００２５】 シャンク１には、前部シャンク部分１Ａを後部シャンク部分１Ｂから分離する 中間部分２２が設けられ、この中間部分２２にネジ穴２２Ａが形成され、この中 に調整可能なネジ２３をねじ込むことができる。

【００２６】 この組立体には、更に圧縮バネ２４が設けられ、これは引張り棒８の端末部分 １２上、及びこの実施例においては穴２６を経て後部シャンク部分１Ｂ内に差し 込み得る二股クリップ２５により構成されてバネを圧縮状態に保持するように働 く受けの上に取り付けられる。

【００２７】 図３に見られるように、切削用工具の最初の組立は以下のように行われる。

【００２８】 引張り棒８がその端末部分１２を前部シャンク部分１Ａの開口端部に通してシ ャンク１内に導かれる。ボデー部材１５が後部シャンク部分１Ｂの開口端部を通 してその内に導かれる。そこで、引張り棒は、その端末部分１２がボデー部分の ネジ穴１６から突き出すまでこのネジ穴にねじ込まれる。同時に、穴２２Ａを通 してネジ２３が、その先端が溝２１内に置かれるように導かれ、これによりボデ ー部分１５の回転及びボデー部材１５の前部シャンク部分１Ａの前端部分に向か う移動可能性を限定する。後部シャンク部分１Ｂ内に差し込まれたバネ２４が圧 縮状態に維持され、このとき、クリップ２５が穴２６を通して後部シャンク部分 １Ｂ内に差し込まれ、引張り棒８の端末部分１２上をつかみ、バネ２４をその圧 縮状態に維持する。好ましくは、溝２１が穴２２Ａと向かい合いに置かれる位置 へのボデー部材１５の回転、及びクリップ２５の挿入以前のバネ２４の圧縮は専 用のプロング状のキー（図示せず）を使用して行われる。

【００２９】 この状態において、圧縮バネ２４により外向きに押されるボデー部材１５と引 張り棒８とにより、半径方向の受けウイング９は、前部シャンク部分１ａの終端 部分より先に突き出す。切削用ヘッド２は、引張り棒８の連結用端部９が凹所６ Ａを通過しかつ受けウイング９が隣接支持ウイング７間を通過した位置に置かれ る。次いで、キー用の突起４がキー用の凹所５に入るまで切削用ヘッド２が回さ れれ、この位置において、切削用ヘッド２は、支持ウイング７上への受けウイン グ９のバヨネット形式の取付けにより、引抜けに対して保持される。

【００３０】 ネジ２３がボデー部材１５の溝２１の面に押し付けられるように内向きにねじ 込まれると、ボデー部材は圧縮バネ２４による強制力に対抗して切削用ヘッド２ から離れる方向に動かされ、これにより引張り棒８を内向きに同方向に引っ張り 、切削用ヘッド２を前部シャンク部分１Ａの端末の縁に押し付けて効果的に把持 し、前部シャンク部分１Ａの溝５における切削用ヘッド２の突起４の相互組合い が切削用ヘッド２を回転に対して効果的にキー止めする。

【００３１】 この方法では、切削作業中に切削用ヘッド２にかかる回転力は殆ど引張り棒８ に伝達され、代わりに、より質量の大きい前部シャンク部分１Ａにより取り上げ られる。

【００３２】 切削用ヘッド２を交換することが必要なときは、ネジ２３をわずかに緩めるこ とが総てであり、これによりボデー部材１５を圧縮バネ２４の影響下で切削用ヘ ッド２の方向に僅かに移動できるように解放し、そこで、切削用ヘッド２は前部 シャンク部分１ａの溝付き端部から離れるように動かされ、そして単に回転させ ることにより容易に解放し、引張り棒８から外すことができる。切削用ヘッドの この変位は、シャンクからネジ２３を外す必要なしに片手を使って行うことがで きる。これは、両手作業及び完全に外された小さい固定用ネジの紛失に対する防 護の必要性を要求する従来の工具と比べて明らかに明確な利点である。

【００３３】 軸方向で変位可能なボデー部材１５の両側に実質的に平らな側面１９の対を設 けることにより、後部シャンク部分１Ｂを通る冷却液の、平らな側面１９と後部 シャンク部分１Ｂとの間の領域における通過を許す。冷却液は前部シャンク部分 １Ａを通って切削用ヘッド２に送られる。

【００３４】 図６ないし１０に示される実施例においては、切削用工具は、中空の円筒状後 部シャンク部分３１Ｂと一体でかつ同軸に形成された筒状の前部シャンク部分３ １Ａを有するシャンク３１を備え、前部シャンク部分３１Ａは、その半径方向寸 法が後部シャンク部分３１Ｂのものよりかなり小さいものである。後部シャンク 部分３１Ｂの円筒状の壁の直径方向反対側の部分を通って穴３２Ａと３２Ｂとが 延び、これらは後部シャンク部分３１Ｂの円筒の内側の中空領域３３と連通して いる。穴３２Ａには雌ネジが設けられる。

【００３５】 細長く実質的に円筒状のボデー部材３４がシャンク３１の領域３３内で軸方向 に摺動可能であり、かつ前部シャンク部分３１Ａに最寄りのその端部において細 長い引張り棒３５と一体に組み合わせられる。この引張り棒は、先行図面を参照 し説明された引張り棒８と形状及び機能の点で同等である。

【００３６】 ボデー部材３４には横断方向の貫通穴３６が形成され、この穴は１対の反対方 向に傾斜しているカム従動面３７Ａと３７Ｂとを有し、これらは貫通穴３６を定 めている面の一部を形成する。

【００３７】 本質的に、かつ例えば図面の図１０に最も明らかに見られるように、貫通穴３ ６は中央部分３６Ａ及び偽円錐部分３６Ｂと３６Ｃよりなり、これら偽円錐部分 は中央部分３６Ａに関して本質的に対称的に配置され、更に面３７Ａ及び３７Ｂ は偽円錐状の凹所３６Ｂ及び３６Ｃを部分的に定めている。

【００３８】 ネジ作動手段３８は、円錐状テーパー部分４１を介して中央部分３９と一体に 形成された上方ネジ部分４０を有する円柱状の中央部分３９、及び円錐状テーパ ー部分４３を介して中央部分３９と一体に形成された下方ネジ部分４２を備える 。

【００３９】 図面の図６ないし１０に最も明らかに見られるように、ネジ作動手段３８は後 部シャンク部分３１Ｂ内に置かれ、上方ネジ部分４０はネジ穴３２Ａ内にネジで 組み合わせられ、下方円柱状部分４２は穴３２Ｂ内で摺動できるように取り付け られる。中央部分３９は貫通穴３６の中央部分３６Ａ内に置かれ、（カム面を構 成している）円錐状テーパー部分４１の円錐面は傾斜しているカム従動面３７Ａ に当たり、（カム面を構成している）円錐状テーパー部分４３の円錐面は傾斜し ているカム従動面３７Ｂに当たる。

【００４０】 ネジ作動用手段３８が図面の図７に示された位置に外向きにねじられると、円 錐状テーパー部分４３のカム従動面がカム面３７Ｂに当たり、ボデー部材３４に 左向きの運動を与え、従って切削用ヘッド２を前部シャンク部分１Ａの隣接面か ら移動させる（この図には示されない）。

【００４１】 しかし、ネジ作動用手段が図８に示された位置に内向きにねじられたときは、 円錐状テーパー部分４１のカム従動面が傾斜カム面３７Ａに当たり、ボデー部材 ３４を右に動かし、従って引張り棒３５を右方に動かし、切削用ヘッドを前部シ ャンク部分１Ａの隣接面に押し付けて有効に把持する。

【００４２】 図面の図９に示された別の実施例においては、軸方向に変位可能なボデー４４ とネジ調整部材４５との基本構造は図６、７、８及び１０を参照して先に説明さ れたものと同じであるが、この場合は、変位可能なボデー４４の横方向の穴４６ 及びネジ調整部材４５の両者は、工具の長手方向軸線に関して鋭角に配置される 。この利点は、調整用ネジ部材４５を回転させ、従ってボデー４４を移動させる ための接近がより容易にできることである。更に、この実施例においては、ネジ 調整部材４５はボデー４４に、より大きい力を与え、より大きいその軸方向変位 を生ずる。

【００４３】 構造、組立方法及びネジ調整手段３８の後部シャンク部分３１Ｂ内への挿入、 特にボデー部材３４を通しての挿入をより詳細に説明するために図面の図１０を 参照することとする。

【００４４】 図１０に見られるように、ネジ調整手段３８は、本質的に２個の分離した構成 部品３８Ａと３８Ｂとから形成され、第１の構成部品３８Ａは上方ネジ部分４０ 、円錐状テーパー部分４１及び中央部分３９よりなり、これには、上方部分５１ Ａと下方部分５１Ｂとを有する割れた連結用ピン５１が一体に付属し、下方部分 ５１Ｂは上方部分５１Ａと比べて半径方向寸法が僅かに大きくかつショルダー５ １Ｃを経て上方部分に移行する。

【００４５】 第２の構成部品３８Ｂは下方円筒状部分４２とテーパー部分４３とよりなり、 上方部分５２Ａと下方部分５２Ｂとよりなる中央穴を持ち、下方部分５２Ｂは部 分５２Ａよりも大きい半径方向寸法のものであり、部分５２Ａの軸方向の長さは 連結用ピン５１の部分５１Ａの軸方向長さ以下である。

【００４６】 組み立てるために、軸方向変位可能なボデー部材３４は、貫通穴３６が後部シ ャンク部分３１Ｂに形成された直径方向両側の穴３２Ａ及び３２Ｂに向かい合っ た状態で後部シャンク部分３１Ｂの領域３３（図６参照）内に置かれる。ネジ調 整用構成部品３８Ａを、穴３２Ａを通し更に横断方向の穴３６を通して後部シャ ンク部分３１Ｂ内に導き、そしてその連結用ピン５１を第２のネジ作動用構成部 品３８Ｂ内の定位置に嵌め込む。しかし、ネジ作動用手段３８を組み立てるため に別の相当手段を使用し得ることは明らかである。

【００４７】 図面の図６ないし１０を参照し説明された手段は、切削用ヘッドを組み合わせ られた引張り棒に固定する方法とは無関係に、切削用ヘッドを前部シャンク部分 の隣接面と把持連結をさせ、及びこの連結を外すように選択的に移動させるため に使用することができる。

【００４８】 図示実施例に関してここに例示により特に説明された本考案は、内面及び外面 側の機械加工用の小型切削用工具に等しく応用できるであろう。

【００４９】 例示の方法でここに説明された切削用工具の総ては、変位配列の設備、特に工 具ホルダー内の切削用ヘッドの有効な解放可能な連結及び把持に大きく関連する 設備を、例えば工具構成要素の管理された限定された変位を行うために別の種類 の工具における使用に容易に適合させることができる。

【００５０】 本考案の実施態様は以下のとおりである。

【００５１】 １．工具ホルダーにより解放可能に保持される切削用ヘッドを備えた切削用工 具組立体であって、前記工具ホルダー及び前記切削用ヘッドに相互作用している 連結用部材が設けられ、その一方は開口端部凹所内に形成され、工具ホルダーの 連結用部材は複数の半径方向に延びている受けウイングを有し、そして切削用ヘ ッドの連結用部材は間隔を空けて離され周囲方向に置かれ半径方向に向けられた 支持ウイングを有し、前記受けウイングが連続した支持ウイングの間をそれぞれ 通過するようにして連結用部材の一方を他方の連結用部材内に挿入しそして前記 受けウイングが前記支持ウイングを受けかつこの上にあり、これにより前記切削 用ヘッドと前記工具ホルダーとの間の保持連結をもたらすように前記一方の連結 用部材を回転させることにより、前記工具ホルダーへの前記切削用ヘッドの保持 用連結が行われような配列である切削用工具組立体。

【００５２】 ２．工具ホルダーの連結用部材が工具ホルダーに関して軸方向で変位可能であ るように工具ホルダー内に取り付けられ、更に前記切削用ヘッドを前記工具ホル ダーに把持しかつこれから解放するように工具ホルダーの前記連結用部材を軸方 向反対向きの両方向に変位させるための変位用手段が設けられる実施態様１によ る切削用工具組立体。

【００５３】 ３．前記開口端部の凹所が切削用ヘッドの連結用部材に形成される実施態様１ 又は２による切削用工具組立体。

【００５４】 ４．前記変位用手段が前記連結用部材に作用するように前記工具ホルダー内に ネジ止めされたネジ部材により構成され、これにより前記ネジ部材の反対向きの 両方向の回転が前記反対向きの両方向の軸方向変位を生ずる先行実施態様のいず れかによる切削用工具組立体。

【００５５】 ５．小型切削用工具を構成していてかつ一体に形成された後部及び前部の中空 シャンク部分を備え、前部シャンク部分は細長くかつ後部シャンク部分の内径寸 法より実質的に小さい内径寸法のものであり、前記切削用ヘッドは解放可能に中 心に置かれかつ前記前部シャンク部分の自由端に関する回転に対してキー止めさ れ、前記連結用部材は、その一方の端部において前記切削用ヘッドにバヨネット 形式で連結するために前記前部シャンク部分を通って延びていてかつ前記後部シ ャンク部分の軸方向で前記引張り棒と共に同方向に変位可能であるようにその他 方の端部において前記後部シャンク部分内に摺動可能に置かれた変位可能なボデ ーに強固に固定された細長い引張り棒により構成され、前記変位用手段は前記変 位可能なボデー上に支持されるように前記切削用ヘッドの中間部分にネジ止めさ れたネジ部材により構成され、このため、反対向きの両方向の前記ネジ部材のネ ジ手段の回転がそれぞれ前記切削用ヘッドを前記前部シャンク部品に把持し及び これから解放するようにそれぞれ前記切削用ヘッドに近づき及び遠ざかる前記変 位可能部材の変位を生ずる先行実施態様のいずれかによる切削用工具組立体。

【００５６】 ６．前記変位可能ボデーを前記切削用ヘッドに向かってバネで押して前記切削 用ヘッドを前記前部シャンク部分から解放するためにバネ強制手段が設けられ、 前記ネジ部材は、前記ネジ部材の内向き方向のネジの回転が前記変位可能ボデー を前記切削用端部から離れるように変位させかつバネの強制に対抗するように前 記変位可能ボデー上に乗っている内側端部を有する先行実施態様のいずれかによ る切削用工具組立体。

【００５７】 ７．前記変位可能なボデーの前端部に溝部分が形成され、この中に前記ネジ部 材の内側端部が適合する実施態様６による切削用工具組立体。

【００５８】 ８．前記変位可能ボデーが前記ボデーを変位可能に越えて突き出す前記引張り 棒にネジ止めされ、前記引張り棒の突出部分に圧縮バネが取り付けられかつその 一方の端部は前記ボデー上に乗りその他方の端部は前記後部シャンク部分に関し て固定された受け部材上に乗る実施態様６又は７による切削用工具組立体。

【００５９】 ９．前記受け部材が、前記突出部分と組み合うように前記後部シャンク部分内 に横断方向で差し込み得るクリップにより構成される実施態様８による切削用工 具組立体。

【００６０】 １０．前記変位可能ボデーに横方向に延びている凹所が形成され、前記凹所は これから横方向で間隔を空けて離れた位置に置かれる傾斜している従動カム面を 有し、更に前記ネジ部材には、前記凹所を通って延びていて、かつ横方向で間隔 を空けて離れたその位置に、前記カム従動面とそれぞれが摺動関係にある両側の 傾斜カム面が形成されている細長いカム手段が設けられ、前記ネジ部材は、カム とカム従動面の併置された対の相対的な摺動変位、従って変位可能ボデーの切削 用ヘッドから離れ及びこれに近寄る変位を与えるように、前記凹所内で内向き及 び外向きに変位可能なネジである実施態様５による切削用工具組立体。

【００６１】 １１．前記カム従動面は、それぞれ前記凹所内に含まれる横方向で間隔を空け て離された１対の円錐状凹所を定め、前記カム面は、それぞれ前記カム部材の横 方向で間隔を空けて離された１対の円錐状面により構成される実施態様１０によ る切削用工具組立体。

【００６２】 １２．前記円錐状の面の一方が、カム部材の残りの部分に解放可能に組み合わ せることのできる取外し可能なカム部材要素に形成される実施態様１０又は１１ による切削用工具組立体。

【００６３】 １３．前記カム部材の一方の端部に、ネジが前記後部シャンク部分の雌ネジ穴 と組み合うようにネジが形成される実施態様１０、１１、又は１２のいずれかに よる切削用工具組立体。

【００６４】 １４．前記キー止め及び中心合わせを確保するために、前記切削用ヘッド及び 前部シャンク部分の隣接面に、それぞれ相互に組み合う凹所と突起の手段が形成 される実施態様５ないし１３のいずれかによる切削用工具組立体。

【００６５】 １５．ケーシング、前記ケーシング内に摺動可能に置かれ軸方向で変位可能な ボデー、前記ボデーに連結された変位部材、前記ボデーに形成され横方向に延び ている凹所であって、前記凹所から横方向に間隔を空けて離された位置に置かれ た傾斜カム従動面を有する前記凹所、及び前記凹所を通って延びている細長いカ ム部材であって、横方向に間隔を空けて離されたその位置に、前記カム従動面に 関してそれぞれ摺動関係にある傾斜カム、及びボデー部材を逆向きに両方向で移 動させるために前記カム部材を凹所内に及び凹所外に選択的に変位させる手段が 形成されているカム部材を備えた変位機構。

【００６６】 １６．前記カム従動面は、それぞれ前記凹所内に含まれる１対の横方向で間隔 を空けて離された円錐状凹所を定め、そして前記カム面は、それぞれ前記カム部 材の１対の横方向で間隔を空けて離された円錐状面により構成される実施態様１ ５による変位機構。

【００６７】 １７．前記円錐状面の一方が、カム部材の残りの部分に解放可能に組み合わせ ることのできる取外し可能なカム部材要素に形成される実施態様１５又は１６に よる変位機構。

【００６８】 １８．前記カム部材の一方の端部部分に、前記ケーシングの端の雌ネジ穴とネ ジで組み合うようにネジが形成される実施態様１５、１６又は１７による変位機 構。

【００６９】 １９．前記ケーシングが実質的に円筒状である実施態様１６ないし１８のいず れかによる変位機構。

【図面の簡単な説明】

【図１】組み立てられた小型切削用工具である本考案に
よる切削用工具組立体の第１の形式の斜視図である。

【図２】図１に示された組立体の部分的に長手方向断面
にされた斜視図である。

【図３】図１及び２に示された組立体の分解図である。

【図４】先行図面に示された工具組立体のシャンクの斜
視図である。

【図５】図１ないし３に示された工具組立体に組み入れ
られた切削用ヘッドの下からの斜視図である。

【図６】小型切削用工具を構成している本考案による切
削用工具組立体の変更した形式の一部の長手方向断面に
された斜視図である。

【図７】図６に示された切削用工具の部分の長手方向断
面にされた側面図である。

【図８】右に変位されたときの図示されたその軸方向変
位可能なボデーを有する図７に示されたものと対応する
図面である。

【図９】切削用工具を構成している本考案による切削用
工具組立体の更に別の変更形式の部分の長手方向断面図
である。

【図１０】図６に示された切削用工具組立体の部分的に
長手方向断面にされた分解側面図である。

【符号の説明】

１ シャンク １Ａ シャンク部分 ６ ボデー ９ ウイング １２ 端末部分 ２１ 溝 ２６ 穴

─────────────────────────────────────────────────────

【手続補正書】

【提出日】平成１０年８月２０日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】実用新案登録請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】 工具ホルダーにより解放可能に保持され
る切削用ヘッドを備えた切削用工具組立体であって、前
記工具ホルダー及び前記切削用ヘッドに相互作用してい
る連結用部材が設けられ、その一方は開口端部凹所内に
形成され、工具ホルダーの連結用部材は複数の半径方向
に延びている受けウイングを有し、そして切削用ヘッド
の連結用部材は間隔を空けて離され周囲方向に置かれ半
径方向に向けられた支持ウイングを有し、前記受けウイ
ングが連続した支持ウイングの間をそれぞれ通過するよ
うにして連結用部材の一方を他方の連結用部材内に挿入
しそして前記受けウイングが前記支持ウイングを受けか
つこの上にあり、これにより前記切削用ヘッドと前記工
具ホルダーとの間の保持連結をもたらすように前記一方
の連結用部材を回転させることにより、前記工具ホルダ
ーへの前記切削用ヘッドの保持用連結が行われような配
列である切削用工具組立体。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 工具ホルダーにより解放可能に保持され
   る切削用ヘッドを備えた切削用工具組立体であって、前
   記工具ホルダー及び前記切削用ヘッドに相互作用してい
   る連結用部材が設けられ、その一方は開口端部凹所内に
   形成され、工具ホルダーの連結用部材は複数の半径方向
   に延びている受けウイングを有し、そして切削用ヘッド
   の連結用部材は間隔を空けて離され周囲方向に置かれ半
   径方向に向けられた支持ウイングを有し、前記受けウイ
   ングが連続した支持ウイングの間をそれぞれ通過するよ
   うにして連結用部材の一方を他方の連結用部材内に挿入
   しそして前記受けウイングが前記支持ウイングを受けか
   つこの上にあり、これにより前記切削用ヘッドと前記工
   具ホルダーとの間の保持連結をもたらすように前記一方
   の連結用部材を回転させることにより、前記工具ホルダ
   ーへの前記切削用ヘッドの保持用連結が行われような配
   列である切削用工具組立体。
2. 【請求項２】 ケーシング、前記ケーシング内に摺動可
   能に置かれ軸方向で変位可能なボデー、前記ボデーに連
   結された変位部材、前記ボデーに形成され横方向に延び
   ている凹所であって、前記凹所から横方向に間隔を空け
   て離された位置に置かれた傾斜カム従動面を有する凹
   所、及び前記凹所を通って延びている細長いカム部材で
   あって、横方向に間隔を空けて離されたその位置に、前
   記カム従動面に関してそれぞれ摺動関係にある傾斜カ
   ム、及びボデー部材を逆向きに両方向で移動させるため
   に前記カム部材を凹所内に及び凹所外に選択的に変位さ
   せる手段が形成されているカム部材を備えた変位機構。