JP3054897B2 - タンディッシュ内溶鋼の清浄化方法 - Google Patents
タンディッシュ内溶鋼の清浄化方法Info
- Publication number
- JP3054897B2 JP3054897B2 JP4356474A JP35647492A JP3054897B2 JP 3054897 B2 JP3054897 B2 JP 3054897B2 JP 4356474 A JP4356474 A JP 4356474A JP 35647492 A JP35647492 A JP 35647492A JP 3054897 B2 JP3054897 B2 JP 3054897B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tundish
- molten steel
- inclusions
- ladle
- injection
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Continuous Casting (AREA)
Description
取鍋からタンディッシュに溶鋼の注入を開始する際、鋳
造初期の溶鋼汚染を防止すると共に、介在物除去速度を
速めることによりタンディッシュ内溶鋼の清浄化を図る
方法に関するものである。
は取鍋と鋳型間に位置し、操業、品質上最も重要な役割
を果たす部分の一つである。
節、溶鋼貯蔵、介在物の分離除去等である。特に、介在
物除去の機能は、近年の鋼材品質厳格化に伴い極めて重
要な機能となっている。
注入する際、空気酸化による溶鋼汚染の問題が生じるた
め、タンディッシュにおける介在物除去機能が十分に発
揮されていないのが現状である。
汚染防止を目的として種々の方法が検討され、実用化さ
れている。
載されているように、耐火ボード蓋で覆われたタンディ
ッシュ内に不活性ガスを吹き込むことにより、注入溶鋼
の空気酸化防止が図られている。
は、取鍋から溶鋼を注入する際のタンディッシュ内の湯
面上昇速度を限定することにより空気酸化を抑制する方
法、特開昭61―38749号公報では、取鍋からタン
ディッシュに溶鋼を移送する取鍋ロングノズルからCa
系合金或はCa系フラックスを添加することにより溶鋼
中の介在物を効率的に除去する方法が提案され、或程度
の効果を発揮している。
ィッシュを耐火ボード蓋で覆い不活性ガスでシールする
方法については、タンディッシュや耐火ボード自体が高
温で変形するため、空気酸化を防止できる程度までタン
ディッシュ内の酸素分圧を低減することはできない。
た気泡は非常に微細であるため、反応界面積が大きくな
り、空気酸化速度は定常時の注入流に比べて格段に速
い。
ュ内の湯面上昇速度を限定する方法は、空気酸化を幾分
抑制する効果があるものの十分な汚染防止対策にはなっ
ていない。
或はCa系フラックスを添加する方法は、介在物除去速
度を速める効果を有するものの、浮上した介在物が再び
注入流により巻き込まれるため、十分な溶鋼清浄性を確
保するには至っていない。
ド蓋等の大がかりな設備を必要とせず、簡便な方法で最
も激しい鋳込初期の溶鋼汚染を確実に防止し、さらにタ
ンディッシュにおける介在物除去機能をも向上させるタ
ンディッシュ内溶鋼の清浄化方法を提示することを目的
とするものである。
において、取鍋からタンディッシュに溶鋼を注入する
際、溶融性保温剤をタンディッシュに入れ置きし、ある
いは溶鋼注入開始時にタンディッシュ内へ供給すると共
に、Caを添加することを特徴とするタンディッシュ内
溶鋼の清浄化方法である。
を開始すると、取鍋ロングノズルが湯面下に浸漬される
まで、注入流は雰囲気中の酸素を多量に巻き込むため、
溶鋼中には(1)式の反応で示される空気酸化に起因す
る多数の介在物が生成する。
中に巻き込まれるため、その酸化速度は定常注入時の酸
化速度やスラグとの反応速度に比べて極めて速く、タン
ディッシュにおける溶鋼汚染の最大の原因となってい
る。
空気酸化を抑制すると共に、生成した介在物及び取鍋か
ら持ち込まれた介在物の浮上分離を促進する方法につい
て種々の検討を行った結果、溶融性保温剤を供給すると
共に、Caを添加することにより解決できることを見い
だした。
の図である。予めタンディッシュ1に溶融性保温剤2を
入れ置きし、取鍋3からタンディッシュ1に溶鋼4の注
入を開始する際、ワイヤー添加装置5を用いてCa含有
ワイヤー6をタンディッシュ1内の溶鋼注入点付近に添
加する。CaはAlに比べて活性であり、酸素と反応し
易い成分である。
入時に巻き込まれた酸素と(2)式により反応し、
(1)式の反応に起因するAl2O3系介在物の生成を抑
制する。
aOは取鍋から持ち込まれたAl2O3系介在物と(3)
式により反応し、低融点の介在物を生成する。
了するため、Ca添加は介在物の凝集合体を促進し、浮
上分離速度を速める効果を有する。
合、浮上した介在物は湯面近傍で滞留し、再巻き込みを
生じるため介在物濃度の到達値は改善されない。
温剤が液相化し介在物吸収能が高くなるため、介在物濃
度の到達値を従来より低下させ清浄性を高めることが可
能となる。
ぼ実験により求めた結果である。
(介在物濃度)の減少速度を速める効果を、溶融性保温
剤の使用は全酸素量(介在物濃度)の到達値を下げる効
果を持つ。
併用することにより、注入初期の空気巻き込みによる溶
鋼汚染を確実に防止し、さらにタンディッシュにおける
介在物除去機能をも向上できる。
た状態にて添加すれば良い。Caの適性な添加量は一概
に規定できるものではなく、注入流の空気巻き込み量及
び取鍋から持ち込まれた介在物量に応じて調整する必要
があるが、その決定方法の概略はタンディッシュ内の溶
鋼注入点付近における全酸素量の経時変化を評価し、こ
れに相当するCa量を歩留りを考慮して添加すれば良
い。
―Alワイヤー、Ca―Siワイヤー等を用いることが
有効であり、ワイヤーの種類の選択は成分上問題となら
ないものを使用し、鋼種に応じて変更する必要がある。
低く介在物吸収能に優れたものが有効であるが、低粘性
の溶融性保温剤はタンディッシュ耐火物を激しく溶損す
るため、耐火物溶損が問題とならない範囲で低粘性化を
図る必要がある。
が多く含有されている場合、溶鋼中のAlと反応し介在
物を生成するため保温剤からの溶鋼汚染が生じる。
をできるだけ少なくすることが有効である。
l2O3、CaO+Al2O3+MgO等のものが好都合で
ある。
ように溶鋼注入を開始する以前に入れ置きする方法以外
に、溶鋼注入開始時にCaと同時添加する方法でも同様
の効果が得られる。
について説明する。
1400℃の溶融性保温剤を容量50tのタンディッシ
ュ内に予め入れ置きした。
%、Mn:0.25%、P:0.02%、S:0.01
%、Al:0.035%、温度1550℃(タンディッ
シュ内)の溶鋼250tを取鍋からタンディッシュ内に
注入を開始すると共に、Ca:50%、Al:20%、
Fe:30%のCa―Alワイヤー(7mmφ)をタン
ディッシュ注入点付近に添加した。
シュ内に溶鋼が充満し、注入初期の空気巻き込みが終了
するまでの溶鋼50tに対して2kg/minで、それ
以降の溶鋼に対しては700g/minとした。
素量は注入初期から常に安定して20ppmを確保で
き、溶鋼汚染は確実に防止できた。
保温剤を容量50tのタンディッシュ内に予め入れ置き
した。
%、Mn:0.25%、P:0.02%、S:0.01
%、Al:0.035%、温度1550℃(タンディッ
シュ内)の溶鋼250tを取鍋からタンディッシュ内に
注入を開始し、Ca含有ワイヤーの添加は行わなかっ
た。
素量は140ppmから60ppmまで徐々に低下した
が、その後全酸素量の減少は停滞し最終到達値は60p
pmであった。
びその後の介在物除去機能の向上は見られず、圧延後の
成品には表面欠陥が発生した。
保温剤を容量50tのタンディッシュ内に入れ置きし
た。
%、Mn:0.25%、P:0.02%、S:0.01
%、Al:0.035%、温度1550℃(タンディッ
シュ内)の溶鋼250tを取鍋からタンディッシュ内に
注入を開始すると共に、Ca:50%、Al:20%、
Fe:30%のCa―Alワイヤー(7mmφ)をタン
ディッシュ注入点付近に添加した。
シュ内に溶鋼が充満し、注入初期の空気巻き込みが終了
するまでの溶鋼50tに対して2kg/minで、それ
以降の溶鋼に対しては700g/minとした。
素量は注入初期から250t注入終了まで60ppm一
定で、鋳造初期の溶鋼汚染防止機能は得られたものの、
介在物除去機能は向上しなかった。このため、圧延後の
成品には表面欠陥が発生した。
内溶鋼の清浄化方法によれば、大がかりな設備を必要と
せず、最も激しい鋳込初期の溶鋼汚染を確実に防止し、
さらにタンディッシュにおける介在物除去機能をも向上
できるため、鋳片の品質は極めて向上する。
説明するための図。
保温剤使用の効果を示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 鋼の連続鋳造において、取鍋からタンデ
ィッシュに溶鋼を注入する際、溶融性保温剤をタンディ
ッシュに入れ置きし、あるいは溶鋼注入開始時にタンデ
ィッシュ内へ供給すると共に、Caを添加することを特
徴とするタンディッシュ内溶鋼の清浄化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4356474A JP3054897B2 (ja) | 1992-12-22 | 1992-12-22 | タンディッシュ内溶鋼の清浄化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4356474A JP3054897B2 (ja) | 1992-12-22 | 1992-12-22 | タンディッシュ内溶鋼の清浄化方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06190516A JPH06190516A (ja) | 1994-07-12 |
JP3054897B2 true JP3054897B2 (ja) | 2000-06-19 |
Family
ID=18449199
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4356474A Expired - Fee Related JP3054897B2 (ja) | 1992-12-22 | 1992-12-22 | タンディッシュ内溶鋼の清浄化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3054897B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AUPN176495A0 (en) * | 1995-03-15 | 1995-04-13 | Bhp Steel (Jla) Pty Limited | Casting of metal |
AUPN937696A0 (en) * | 1996-04-19 | 1996-05-16 | Bhp Steel (Jla) Pty Limited | Casting steel strip |
CN1319677C (zh) * | 2003-05-09 | 2007-06-06 | 宝钢集团上海第一钢铁有限公司 | 一种用于金属液体中合金加入的装置 |
-
1992
- 1992-12-22 JP JP4356474A patent/JP3054897B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06190516A (ja) | 1994-07-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US3459537A (en) | Continuously cast steel slabs and method of making same | |
US3208117A (en) | Casting method | |
JP3054897B2 (ja) | タンディッシュ内溶鋼の清浄化方法 | |
JP3317258B2 (ja) | 高Mn丸断面鋳片の連続鋳造用モールドパウダ | |
JP3282105B2 (ja) | タンディッシュ内溶鋼の清浄化方法 | |
US3410681A (en) | Composition for the treatment of steel | |
JP2896198B2 (ja) | 耐水素誘起割れ性の優れた鋼の鋳造方法 | |
JP3103465B2 (ja) | 溶鋼表面保温剤 | |
JPH0751814A (ja) | タンディッシュ内溶鋼の清浄化方法 | |
JP3348988B2 (ja) | タンディッシュ内溶鋼の清浄化方法 | |
JPH10193050A (ja) | 溶融金属の連続鋳造方法 | |
JPH06179059A (ja) | 溶鋼表面保温剤 | |
JPH084883B2 (ja) | タンデイッシュ内注入初期溶鋼の空気酸化防止方法 | |
JP3660811B2 (ja) | 鋼線用線材およびその製造方法 | |
JP3532097B2 (ja) | 清浄性の優れた連続鋳造鋳片の製造方法 | |
JP3494132B2 (ja) | アルミキルド鋼の連続鋳造方法 | |
JPH07224317A (ja) | 高清浄度鋼の製造方法 | |
JPH0985403A (ja) | 連続鋳造開始用モールドパウダー | |
JP3089380B2 (ja) | Ti含有鋼の製造方法 | |
JP3474451B2 (ja) | 極軟鋼連続鋳造ビレットの製造方法 | |
JP3510088B2 (ja) | ビレット連続鋳造材の製造方法 | |
JP3257263B2 (ja) | 高清浄度溶鋼の製造方法 | |
JP2002263808A (ja) | タンディッシュ内溶鋼の清浄化方法 | |
JPH0413453A (ja) | 鋳造用フラックスとそのフラックスを用いたLa含有鋼の鋳造方法 | |
JPH07124741A (ja) | 溶鋼表面保温剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20000315 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080414 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090414 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090414 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100414 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110414 Year of fee payment: 11 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |