JPH06179059A - 溶鋼表面保温剤 - Google Patents
溶鋼表面保温剤Info
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- JPH06179059A JPH06179059A JP4352195A JP35219592A JPH06179059A JP H06179059 A JPH06179059 A JP H06179059A JP 4352195 A JP4352195 A JP 4352195A JP 35219592 A JP35219592 A JP 35219592A JP H06179059 A JPH06179059 A JP H06179059A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、空気酸化と保温剤の反応に起因す
る溶鋼汚染を確実に防止し、その上で耐火物の損傷や溶
損がない保温剤を提供することを目的とするものであ
る。 【構成】 CaOとAl2O3の含有率をCaO/Al2
O3で0.5〜2.0とし、且つMgO含有率を30〜
60重量%、SiO2 含有率を10重量%以下にした粉
体混合物に、MgO含有率が60重量%を超える中空の
焼結体を外掛で5〜70重量%含有させたことを特徴と
する溶鋼表面保温剤。
る溶鋼汚染を確実に防止し、その上で耐火物の損傷や溶
損がない保温剤を提供することを目的とするものであ
る。 【構成】 CaOとAl2O3の含有率をCaO/Al2
O3で0.5〜2.0とし、且つMgO含有率を30〜
60重量%、SiO2 含有率を10重量%以下にした粉
体混合物に、MgO含有率が60重量%を超える中空の
焼結体を外掛で5〜70重量%含有させたことを特徴と
する溶鋼表面保温剤。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は連続鋳造用タンディッシ
ュや取鍋などにより溶鋼を移送、又は精錬処理を行なう
際に、断熱・保温あるいは空気酸化防止を目的として溶
鋼表面を被覆する溶鋼表面保温剤に関するものである。
ュや取鍋などにより溶鋼を移送、又は精錬処理を行なう
際に、断熱・保温あるいは空気酸化防止を目的として溶
鋼表面を被覆する溶鋼表面保温剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造用タンディッシュや取鍋などに
より溶鋼を移送、又は精錬処理を行なう際、保温剤を用
いて溶鋼表面を被覆し溶鋼からの熱放散と外気の侵入を
防止している。従来から保温剤としては、籾殻を蒸し焼
きにした焼籾が主に用いられ、その主成分とSiO2と
Cである。SiO2は熱伝導率が低く保温効果に、Cは
酸素をCOガスに変えるため酸素の遮断効果に優れてい
る。このため、焼籾は保温効果及び空気遮断効果を有
し、しかも安価であることを特徴とする保温剤である。
しかしながら、加工性向上の目的から鋼板中のC濃度を
極力低下させた、例えばC濃度が50ppm以下の極低
炭素鋼において、保温剤中のC成分が溶鋼中にピックア
ップし鋼材の特性を低下させる欠点が知られている。ま
た、保温剤中のSiO2 成分は溶鋼中のAlと反応しA
l2O3系の介在物を生成するため、表面欠陥を増大させ
るといった問題も生じる。従来、焼籾のこれらの欠点を
解決するため、C及びSiO2 成分の少ない保温剤とし
て、例えば特公平3−48152号公報に記載されてい
るように、MgO系の保温剤が使用されている。また、
MgO自体は熱伝導率が高いため、これに断熱性を付与
した発泡MgOの製造方法についても種々検討され、特
公昭48−7485号公報等に記載されている。
より溶鋼を移送、又は精錬処理を行なう際、保温剤を用
いて溶鋼表面を被覆し溶鋼からの熱放散と外気の侵入を
防止している。従来から保温剤としては、籾殻を蒸し焼
きにした焼籾が主に用いられ、その主成分とSiO2と
Cである。SiO2は熱伝導率が低く保温効果に、Cは
酸素をCOガスに変えるため酸素の遮断効果に優れてい
る。このため、焼籾は保温効果及び空気遮断効果を有
し、しかも安価であることを特徴とする保温剤である。
しかしながら、加工性向上の目的から鋼板中のC濃度を
極力低下させた、例えばC濃度が50ppm以下の極低
炭素鋼において、保温剤中のC成分が溶鋼中にピックア
ップし鋼材の特性を低下させる欠点が知られている。ま
た、保温剤中のSiO2 成分は溶鋼中のAlと反応しA
l2O3系の介在物を生成するため、表面欠陥を増大させ
るといった問題も生じる。従来、焼籾のこれらの欠点を
解決するため、C及びSiO2 成分の少ない保温剤とし
て、例えば特公平3−48152号公報に記載されてい
るように、MgO系の保温剤が使用されている。また、
MgO自体は熱伝導率が高いため、これに断熱性を付与
した発泡MgOの製造方法についても種々検討され、特
公昭48−7485号公報等に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、MgO
を主成分とする保温剤は融点が高く、使用温度では主に
固相であるため、溶鋼表面の均一な被覆状態が得られ
ず、外気と溶鋼との反応によりAl2O3系介在物を生成
する。また、タンディッシュではモールド内への溶鋼供
給を制御するためにストッパーを使用しているが、Mg
O系保温剤は粒子間で焼結が進み強固なスラグ層を形成
するためストッパー制御が困難となり、激しい場合には
ストッパーの折損に到る。これに対し、MgOの一部を
SiO2 に置き換え融点を下げる方法が考えられるが、
この場合溶鋼中AlによりSiO2 の還元が起こる。こ
れらの問題を鑑み、本発明は、空気酸化と保温剤の反応
に起因する溶鋼汚染を確実に防止し、その上で耐火物の
損傷や溶損がない保温剤を提供することを目的とするも
のである。
を主成分とする保温剤は融点が高く、使用温度では主に
固相であるため、溶鋼表面の均一な被覆状態が得られ
ず、外気と溶鋼との反応によりAl2O3系介在物を生成
する。また、タンディッシュではモールド内への溶鋼供
給を制御するためにストッパーを使用しているが、Mg
O系保温剤は粒子間で焼結が進み強固なスラグ層を形成
するためストッパー制御が困難となり、激しい場合には
ストッパーの折損に到る。これに対し、MgOの一部を
SiO2 に置き換え融点を下げる方法が考えられるが、
この場合溶鋼中AlによりSiO2 の還元が起こる。こ
れらの問題を鑑み、本発明は、空気酸化と保温剤の反応
に起因する溶鋼汚染を確実に防止し、その上で耐火物の
損傷や溶損がない保温剤を提供することを目的とするも
のである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、CaOとAl
2O3の含有率をCaO/Al2O3で0.5〜2.0と
し、且つMgO含有率を30〜60重量%、SiO2 含
有率を10重量%以下にした粉体混合物に、MgO含有
率が60重量%を超える中空の焼結体を外掛で5〜70
重量%含有させたことを特徴とする溶鋼表面保温剤に関
するものである。
2O3の含有率をCaO/Al2O3で0.5〜2.0と
し、且つMgO含有率を30〜60重量%、SiO2 含
有率を10重量%以下にした粉体混合物に、MgO含有
率が60重量%を超える中空の焼結体を外掛で5〜70
重量%含有させたことを特徴とする溶鋼表面保温剤に関
するものである。
【0005】
【作用】溶鋼表面を被覆する保温剤として満足すべき条
件は、空気酸化と保温剤の反応に起因する溶鋼汚染を確
実に防止し、その上で耐火物の損傷や溶損がないことで
ある。発明者等はこれら基本条件を満足すべく保温剤の
検討を進めてきた結果、空気酸化を抑制するためには保
温剤の液相化が、保温剤と溶鋼の反応を防止するために
は低SiO2 化が有効であることを見いだした。すなわ
ち、保温剤の融点を下げ液相を生成することは溶鋼表面
の被覆状態を均一化し、保温剤自体の空気酸化防止能を
高める。また、保温剤中のSiO2 は(1)式により溶
鋼中のAlと反応するため、保温剤の低SiO2 化はA
l2O3系介在物の生成防止に効果を有する。 3SiO2+4Al=2Al2O3+3Si (1)
件は、空気酸化と保温剤の反応に起因する溶鋼汚染を確
実に防止し、その上で耐火物の損傷や溶損がないことで
ある。発明者等はこれら基本条件を満足すべく保温剤の
検討を進めてきた結果、空気酸化を抑制するためには保
温剤の液相化が、保温剤と溶鋼の反応を防止するために
は低SiO2 化が有効であることを見いだした。すなわ
ち、保温剤の融点を下げ液相を生成することは溶鋼表面
の被覆状態を均一化し、保温剤自体の空気酸化防止能を
高める。また、保温剤中のSiO2 は(1)式により溶
鋼中のAlと反応するため、保温剤の低SiO2 化はA
l2O3系介在物の生成防止に効果を有する。 3SiO2+4Al=2Al2O3+3Si (1)
【0006】これらの点を考慮して、液相化と低SiO
2 化を満足する保温剤について検討を重ねた結果、Ca
OとAl2O3の含有率をCaO/Al2O3で0.5〜
2.0の範囲とし、SiO2 含有率を10重量%以下に
することが最適であることを見出した。なお、CaO/
Al2O3を0.5〜2.0の範囲にしたのは、図1に示
すように保温剤の軟化点がタンディッシュにおける溶鋼
温度以下となり、液相化するためである。
2 化を満足する保温剤について検討を重ねた結果、Ca
OとAl2O3の含有率をCaO/Al2O3で0.5〜
2.0の範囲とし、SiO2 含有率を10重量%以下に
することが最適であることを見出した。なお、CaO/
Al2O3を0.5〜2.0の範囲にしたのは、図1に示
すように保温剤の軟化点がタンディッシュにおける溶鋼
温度以下となり、液相化するためである。
【0007】また、SiO2 含有率を10重量%以下に
したのは、図2に示すように保温剤中SiO2 と溶鋼中
Alの反応速度が急激に遅くなり、工業的に問題となる
レベル以下に反応を抑えることができるためである。し
かし、CaO/Al2O3が0.5〜2.0、SiO2 含
有率が10重量%以下の粉体混合物をタンディッシュ保
温剤として使用した場合、ストッパー耐火物の溶損が急
激に進行し、長時間の使用に耐えない。この点に関して
は、前述した成分の粉体混合物にMgOを添加し、使用
時に固相化しない範囲で融点を上げ、ストッパー耐火物
の溶損防止を図った。
したのは、図2に示すように保温剤中SiO2 と溶鋼中
Alの反応速度が急激に遅くなり、工業的に問題となる
レベル以下に反応を抑えることができるためである。し
かし、CaO/Al2O3が0.5〜2.0、SiO2 含
有率が10重量%以下の粉体混合物をタンディッシュ保
温剤として使用した場合、ストッパー耐火物の溶損が急
激に進行し、長時間の使用に耐えない。この点に関して
は、前述した成分の粉体混合物にMgOを添加し、使用
時に固相化しない範囲で融点を上げ、ストッパー耐火物
の溶損防止を図った。
【0008】その結果を図3に示す。図から明らかなよ
うに、ストッパー耐火物の溶損はMgOを30重量%以
上添加することにより工業的に使用可能なまでに抑制で
きる。しかし、溶鋼温度でMgO含有率が60重量%を
超えると、保温剤中の液相は極めて少なくなる。その結
果、保温剤は溶鋼表面を均一に覆わず、外気の侵入によ
りAl2O3系の介在物を生成する。したがって、粉体混
合物中への最適MgO含有率は30〜60重量%であ
る。
うに、ストッパー耐火物の溶損はMgOを30重量%以
上添加することにより工業的に使用可能なまでに抑制で
きる。しかし、溶鋼温度でMgO含有率が60重量%を
超えると、保温剤中の液相は極めて少なくなる。その結
果、保温剤は溶鋼表面を均一に覆わず、外気の侵入によ
りAl2O3系の介在物を生成する。したがって、粉体混
合物中への最適MgO含有率は30〜60重量%であ
る。
【0009】以上に示した粉体混合物を保温剤として使
用することにより空気酸化と保温剤の反応に起因する溶
鋼汚染及び耐火物の溶損を確実に抑制できるが、保温剤
の液相化に伴い保温機能が低下する。このため、上記成
分の粉体混合物を保温剤として使用する場合、転炉やR
Hの処理温度を高めタンディッシュ内の温度低下を補償
する必要がある。しかし、処理温度を高めると転炉、R
H及び鍋の耐火物寿命が短くなることが予想される。そ
こで、本発明者らは溶鋼温度低下の問題をも同時に解消
できる保温剤の研究を重ねた結果、前述した粉体混合物
に中空のマグネシア焼結体を含有させることが有効であ
ることを見いだした。
用することにより空気酸化と保温剤の反応に起因する溶
鋼汚染及び耐火物の溶損を確実に抑制できるが、保温剤
の液相化に伴い保温機能が低下する。このため、上記成
分の粉体混合物を保温剤として使用する場合、転炉やR
Hの処理温度を高めタンディッシュ内の温度低下を補償
する必要がある。しかし、処理温度を高めると転炉、R
H及び鍋の耐火物寿命が短くなることが予想される。そ
こで、本発明者らは溶鋼温度低下の問題をも同時に解消
できる保温剤の研究を重ねた結果、前述した粉体混合物
に中空のマグネシア焼結体を含有させることが有効であ
ることを見いだした。
【0010】前述の粉体混合物に中空のマグネシア焼結
体を含有させた場合、図4に示したように粉体混合物は
液相化し下部へ、見掛け比重が小さい中空のマグネシア
焼結体1は液相2の上部に集まる。その結果、タンディ
ッシュ5内の保温剤4は2層構造となり、溶鋼3と接す
る下部の液相2は溶鋼3表面を均一に被覆し空気酸化防
止機能を高め、さらに上部の中空マグネシア焼結体1は
保温効果を高める。ここで、中空のマグネシア焼結体が
液相化すれば保温機能を高める効果を失うため、液相率
が極めて小さいことが必要となる。このためには、液相
の生成を図った粉体混合物とは逆に中空マグネシア焼結
体のMgO含有率を60重量%より多くすれば良い。
体を含有させた場合、図4に示したように粉体混合物は
液相化し下部へ、見掛け比重が小さい中空のマグネシア
焼結体1は液相2の上部に集まる。その結果、タンディ
ッシュ5内の保温剤4は2層構造となり、溶鋼3と接す
る下部の液相2は溶鋼3表面を均一に被覆し空気酸化防
止機能を高め、さらに上部の中空マグネシア焼結体1は
保温効果を高める。ここで、中空のマグネシア焼結体が
液相化すれば保温機能を高める効果を失うため、液相率
が極めて小さいことが必要となる。このためには、液相
の生成を図った粉体混合物とは逆に中空マグネシア焼結
体のMgO含有率を60重量%より多くすれば良い。
【0011】しかし、中空マグネシア焼結体のMgO含
有率が90重量%を超えると保温剤の価格が上昇するた
め、コスト面から好ましい上限のMgO含有率は90重
量%程度である。また、中空マグネシア焼結体の外掛含
有率が5重量%未満では中空体が保温剤表面を覆わない
ため保温機能は向上せず、70重量%を超えると中空マ
グネシア焼結体同士の焼結が急速に進み強固な固相を形
成するためストッパー制御が困難となる。したがって、
最適な中空マグネシア焼結体の外掛含有率は5〜70重
量%である。保温剤の基本的成分は以上に述べた通りで
あるが、本発明品の機能を低下させない範囲で、CaC
l2、CaF2等の他成分の添加も可能である。
有率が90重量%を超えると保温剤の価格が上昇するた
め、コスト面から好ましい上限のMgO含有率は90重
量%程度である。また、中空マグネシア焼結体の外掛含
有率が5重量%未満では中空体が保温剤表面を覆わない
ため保温機能は向上せず、70重量%を超えると中空マ
グネシア焼結体同士の焼結が急速に進み強固な固相を形
成するためストッパー制御が困難となる。したがって、
最適な中空マグネシア焼結体の外掛含有率は5〜70重
量%である。保温剤の基本的成分は以上に述べた通りで
あるが、本発明品の機能を低下させない範囲で、CaC
l2、CaF2等の他成分の添加も可能である。
【0012】以上に示したように、本発明の保温剤を用
いることにより空気酸化と保温剤の反応に起因する溶鋼
汚染を確実に防止でき、その上で耐火物の損傷や溶損が
なく、十分な保温機能を有する溶鋼保温剤を提供でき
る。
いることにより空気酸化と保温剤の反応に起因する溶鋼
汚染を確実に防止でき、その上で耐火物の損傷や溶損が
なく、十分な保温機能を有する溶鋼保温剤を提供でき
る。
【0013】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明
について説明する。表1に示す成分の保温剤400kg
を容量60tonのタンディッシュに添加し、低炭アル
ミキルド鋼を400分間鋳造した。本発明の実施例及び
比較例とも、鋳造寸法は厚み245mm×幅1500m
mで、8500mm長さに切断して1コイル単位とし
た。このスラブを常法により熱間圧延、冷間圧延し、最
終的に厚み0.7mm×幅1500mmコイルの冷延鋼
板とした。保温剤の空気遮断効果及び反応防止効果はタ
ンディッシュ入側と出側の全酸素量の上昇量及び冷延鋼
板に発生した表面欠陥の発生個数により評価した。ま
た、耐火物の溶損については使用後ストッパーの溶損量
を測定し、鋳造時間から溶損速度を算出した。なお、鋳
造において使用したストッパー耐火物の材質はロウセキ
であった。保温機能については、タンディッシュ入側と
出側の温度低下により評価した。ここで、中空マグネシ
ア保温剤を添加しない液相保温剤では、タンディッシュ
入側・出側間で通常25℃程度の温度低下が生じてい
た。
について説明する。表1に示す成分の保温剤400kg
を容量60tonのタンディッシュに添加し、低炭アル
ミキルド鋼を400分間鋳造した。本発明の実施例及び
比較例とも、鋳造寸法は厚み245mm×幅1500m
mで、8500mm長さに切断して1コイル単位とし
た。このスラブを常法により熱間圧延、冷間圧延し、最
終的に厚み0.7mm×幅1500mmコイルの冷延鋼
板とした。保温剤の空気遮断効果及び反応防止効果はタ
ンディッシュ入側と出側の全酸素量の上昇量及び冷延鋼
板に発生した表面欠陥の発生個数により評価した。ま
た、耐火物の溶損については使用後ストッパーの溶損量
を測定し、鋳造時間から溶損速度を算出した。なお、鋳
造において使用したストッパー耐火物の材質はロウセキ
であった。保温機能については、タンディッシュ入側と
出側の温度低下により評価した。ここで、中空マグネシ
ア保温剤を添加しない液相保温剤では、タンディッシュ
入側・出側間で通常25℃程度の温度低下が生じてい
た。
【0014】
【表1】
【0015】表2に示す如く、実施例ではCaOとAl
2O3の含有率をCaO/Al2O3で0.5〜2.0と
し、且つMgO含有率を30〜60重量%、SiO2 含
有率を10重量%以下にした粉体混合物に、MgO含有
率が60重量%を超える中空の焼結体を外掛で5〜70
重量%含有させた保温剤を使用したことで、空気酸化と
保温剤の反応に起因する溶鋼汚染を防止できたため、タ
ンディッシュ入側・出側間の溶鋼全酸素量の上昇及び表
面欠陥の発生は全くなかった。また、ストッパー耐火物
の溶損速度も低下するため、連々鋳回数が増加する場合
にも十分使用に耐えうることが確認された。さらに、タ
ンディッシュ入側・出側の温度低下も抑制された。
2O3の含有率をCaO/Al2O3で0.5〜2.0と
し、且つMgO含有率を30〜60重量%、SiO2 含
有率を10重量%以下にした粉体混合物に、MgO含有
率が60重量%を超える中空の焼結体を外掛で5〜70
重量%含有させた保温剤を使用したことで、空気酸化と
保温剤の反応に起因する溶鋼汚染を防止できたため、タ
ンディッシュ入側・出側間の溶鋼全酸素量の上昇及び表
面欠陥の発生は全くなかった。また、ストッパー耐火物
の溶損速度も低下するため、連々鋳回数が増加する場合
にも十分使用に耐えうることが確認された。さらに、タ
ンディッシュ入側・出側の温度低下も抑制された。
【0016】これに対し、比較例1はMgO含有率が低
かったため、ストッパー耐火物の溶損を抑えることがで
きず、保温剤投入後350分で鋳造を停止した。比較例
2はMgO含有率が60重量%を超えたため、比較例3
と比較例4は CaO/Al2O3 が0.5〜2.0の範
囲外であったため、保温剤が固相となり十分な断気効果
が得られず、タンディッシュ入側・出側間の溶鋼全酸素
量が上昇し表面欠陥が発生した。比較例5は、中空マグ
ネシア焼結体の含有率が70重量%を超えたため、中空
マグネシア焼結体同士の焼結が進行し強固なスラグ層を
形成したため、ストッパー制御が困難となり鋳造開始後
250分で鋳造を停止した。さらに、SiO2含有率も
10重量%を超えていたため、溶鋼中Alとの反応によ
りAl2O3 系介在物が生成した。その結果、タンディ
ッシュ入側・出側間の溶鋼全酸素量が増大し、表面欠陥
が発生した。比較例6は中空マグネシア焼結体のMgO
含有率が60%未満であったため中空状態を保てず、比
較例7は保温剤中のマグネシア焼結体の含有率が5%未
満であったため中空焼結体が保温剤表面を覆わず保温機
能が低下し、その結果タンディッシュ入側・出側間の温
度低下は液相保温剤の場合と同様25℃であった。
かったため、ストッパー耐火物の溶損を抑えることがで
きず、保温剤投入後350分で鋳造を停止した。比較例
2はMgO含有率が60重量%を超えたため、比較例3
と比較例4は CaO/Al2O3 が0.5〜2.0の範
囲外であったため、保温剤が固相となり十分な断気効果
が得られず、タンディッシュ入側・出側間の溶鋼全酸素
量が上昇し表面欠陥が発生した。比較例5は、中空マグ
ネシア焼結体の含有率が70重量%を超えたため、中空
マグネシア焼結体同士の焼結が進行し強固なスラグ層を
形成したため、ストッパー制御が困難となり鋳造開始後
250分で鋳造を停止した。さらに、SiO2含有率も
10重量%を超えていたため、溶鋼中Alとの反応によ
りAl2O3 系介在物が生成した。その結果、タンディ
ッシュ入側・出側間の溶鋼全酸素量が増大し、表面欠陥
が発生した。比較例6は中空マグネシア焼結体のMgO
含有率が60%未満であったため中空状態を保てず、比
較例7は保温剤中のマグネシア焼結体の含有率が5%未
満であったため中空焼結体が保温剤表面を覆わず保温機
能が低下し、その結果タンディッシュ入側・出側間の温
度低下は液相保温剤の場合と同様25℃であった。
【0017】
【表2】
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の溶鋼保温
剤によれば溶鋼の汚染は全くなく、鋳片品質は極めて向
上する。また、耐火物の損傷や溶損もなく、且つ保温機
能も極めて高いため、操業面でも有効な保温剤を提供で
きる。
剤によれば溶鋼の汚染は全くなく、鋳片品質は極めて向
上する。また、耐火物の損傷や溶損もなく、且つ保温機
能も極めて高いため、操業面でも有効な保温剤を提供で
きる。
【図1】保温剤のCaO/Al2O3と融点の関係を示す
図である。
図である。
【図2】保温剤中のSiO2含有率とSiO2の活量の関
係を示す図である。
係を示す図である。
【図3】保温剤中のMgO添加量と溶損速度の関係を示
す図である。
す図である。
【図4】本発明保温剤の使用時の状態を説明する図であ
る。
る。
1 中空マグネシア焼結体 2 液相 3 溶鋼 4 保温剤 5 タンディッシュ
Claims (1)
- 【請求項1】 CaOとAl2O3の含有率をCaO/A
l2O3で0.5〜2.0とし、且つMgO含有率を30
〜60重量%、SiO2 含有率を10重量%以下にした
粉体混合物に、MgO含有率が60重量%を超える中空
の焼結体を外掛で5〜70重量%含有させたことを特徴
とする溶鋼表面保温剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4352195A JPH06179059A (ja) | 1992-12-10 | 1992-12-10 | 溶鋼表面保温剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4352195A JPH06179059A (ja) | 1992-12-10 | 1992-12-10 | 溶鋼表面保温剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06179059A true JPH06179059A (ja) | 1994-06-28 |
Family
ID=18422432
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4352195A Pending JPH06179059A (ja) | 1992-12-10 | 1992-12-10 | 溶鋼表面保温剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06179059A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1062313C (zh) * | 1996-06-24 | 2001-02-21 | 周光焰 | 绝热钢水保温剂 |
JP2003103347A (ja) * | 2001-09-27 | 2003-04-08 | Nippon Steel Corp | 溶鋼表面保温材とそれを用いた鋼の連続鋳造方法 |
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1992
- 1992-12-10 JP JP4352195A patent/JPH06179059A/ja active Pending
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