JP3257263B2 - 高清浄度溶鋼の製造方法 - Google Patents

高清浄度溶鋼の製造方法

Info

Publication number
JP3257263B2
JP3257263B2 JP18486294A JP18486294A JP3257263B2 JP 3257263 B2 JP3257263 B2 JP 3257263B2 JP 18486294 A JP18486294 A JP 18486294A JP 18486294 A JP18486294 A JP 18486294A JP 3257263 B2 JP3257263 B2 JP 3257263B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slag
molten steel
tundish
ladle
sio
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP18486294A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0849011A (ja
Inventor
昌宏 前田
雅保 木村
紘一 江波戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP18486294A priority Critical patent/JP3257263B2/ja
Publication of JPH0849011A publication Critical patent/JPH0849011A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3257263B2 publication Critical patent/JP3257263B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

Landscapes

  • Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高清浄度溶鋼の製造方法
に関し、詳細にはタンディッシュを熱間で繰り返し使用
する連続鋳造法において、上記タンディッシュ内で溶鋼
中に含有されるAl23 やSiO2 等の非金属介在物
の量を低減する高清浄度溶鋼の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造を行うにあたっては、図1に示
す様に、取鍋1からタンディッシュ2に溶鋼4が供給さ
れ、上記タンディッシュ2からタンディッシュノズル1
0を介して鋳型3に溶鋼4が注入される。従って連続鋳
造法によって非金属介在物の少ない高清浄度鋼を得るに
は、タンディッシュ2内の溶鋼4に含まれる非金属介在
物を低減することが不可欠であり、上記非金属介在物の
捕捉・吸収を目的として、例えば低融点化合物のCaO
・Al23 を主成分とする塩基性フラックスが添加さ
れ、タンディッシュ内の溶鋼上にスラグを形成して、上
記非金属介在物を捕捉し非金属介在物の含有量を低減さ
せている。しかしながら、十分な清浄度は得られていな
い。
【0003】尚、連続鋳造法においては、タンディッシ
ュから鋳型への溶鋼注入がとぎれることのない様に、取
鍋は数回にわたり交換されてタンディッシュへ断続的に
溶鋼が供給されるものであるが、この取鍋交換の前後に
あたって、取鍋からタンディッシュへの溶鋼注入初期及
び末期に上記非金属介在物が増加する傾向にある。
【0004】即ち、取鍋交換直前の取鍋内溶鋼が少なく
なった状態でのタンディッシュ内への溶鋼注入において
は、取鍋内の溶鋼上のスラグ5がタンディッシュ内に流
入することにより、FeOやMnO等の低級酸化物を多
く含有している上記スラグ5(以下酸化性スラグという
ことがある)が、タンディッシュ内の溶鋼中のAlやS
i等を酸化して、Al23 やSiO2 等の非金属介在
物が生成されるのである。
【0005】また取鍋を交換した後では、取鍋からの溶
鋼注入流によってタンディッシュ内スラグがタンディッ
シュ内溶鋼の中にたたき込まれ、上記非金属介在物が生
成され易くなっていたのである。尚、上記非金属介在物
は溶鋼より比重が小さく、タンディッシュ内の溶鋼中を
浮上しスラグに捕捉されて分離できるが、取鍋の交換作
業中の鋳造進行によってタンディッシュ内の溶鋼量は減
少していることから、取鍋交換後の溶鋼注入初期の溶鋼
はタンディッシュ内に滞留する時間は短くなり、上記非
金属介在物は溶鋼内を浮上する間がなく鋳型内に持ち込
まれてしまいやすい。
【0006】従って取鍋内の上記酸化性スラグが、溶鋼
中の非金属介在物量の増加の原因であるとの観点から、
取鍋内のスラグがタンディッシュ内に流出し始めるより
かなり早めのタイミングをはかって取鍋からの溶鋼注入
を終了する方法も考えられるが、取鍋の残留溶鋼が多く
なることはロスが大きい。また取鍋の溶鋼注入ノズルに
スラグ検知センサーを配設し、スラグの流出を極力抑制
しつつ取鍋内溶鋼を少しでも多くタンディッシュ内に注
入する方法も提案されているが、スラグの流出を完全に
防止できるものではなく、前記酸化性スラグの影響を免
れない。
【0007】そこで取鍋の上記酸化性スラグに金属Al
と石灰を投入して上記酸化性スラグを取鍋内で還元する
方法も考えられるが、取鍋内の多量のスラグを改質する
には相当量の金属Alと石灰を必要とすることから、製
造費用が上昇して好ましくない。
【0008】さらに、特開昭63−220951号公報
には、タンディッシュを熱間で繰り返し使用することが
可能な連続鋳造設備が開示されている。通常の連続鋳造
法によれば、鋳造終了後のタンディッシュは一旦冷却さ
れた後にタンディッシュ内壁に付着した残鋼滓を除去し
た上で、再使用されるが、上記方法によれば連続鋳造後
にスラグを排出すれば、タンディッシュを冷却せずにそ
のまま熱間で繰り返し使用することができる。しかしな
がら、タンディッシュを熱間で繰り返し使用する場合に
は上記酸化性スラグを取鍋で還元したとしても、鋳造初
期の段階で多量の非金属介在物が鋳型に流出してしまう
という問題が指摘されていた。
【0009】このように連続鋳造法ではタンディッシュ
内で十分に高清浄度である溶鋼を製造することが難し
く、特にタンディッシュを熱間で繰り返し使用する連続
鋳造法においては、鋳造初期における非金属介在物含有
量が増加し、製品の内部不良や表面疵の原因となり、さ
らにはタンディッシュノズルの閉塞などの操業トラブル
を招いている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に着
目してなされたものであって、タンディッシュを熱間で
繰り返し使用する連続鋳造法においても、溶鋼をタンデ
ィッシュ内で清浄化できる高清浄度溶鋼の製造方法を提
供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明に係る高清浄度溶鋼の製造方法とは、タンディッシュ
を熱間で繰り返し使用する連続鋳造法において、金属A
l粒子を主体とするスラグ脱酸剤及び粉末状フラックス
を上記タンディッシュ内に添加することによって、上記
タンディッシュ内の溶鋼上のスラグ組成中のT・Fe及
びMnOをいずれも1%(重量%の意味、以下同じ)以
下とすることを要旨とするものである。尚、上記金属A
l粒子の直径は、5mm以下であることが好ましく、ま
た前記粉末状フラックスは、CaO,MgO,SiO
2 ,Al23 を含み、下記式(1)、(2) を満足すること
が推奨される。 (CaO+MgO)/SiO2 ≧10 … (1) Al23 ≦5% … (2)
【0012】
【作用】本発明者らはタンディッシュを熱間で繰り返し
使用する連続鋳造法において、鋳造開始直後に特に非金
属介在物が混入する理由について調べた。その結果、連
続鋳造終了後のスラグ排出時に、タンディッシュから排
滓部に排出しきれずに残ったスラグ(以下、残鋼滓とい
う)には、前記酸化性スラグと同様、FeOやMnO等
の低級酸化物が多く含まれており、次のチャージの取鍋
から注入される溶鋼が上記残鋼滓と接触することによっ
て溶鋼中のAlやSi等が上記低級酸化物と反応して酸
化され、Al23 やSiO2 といった非金属介在物を
生成してしまうことを見出した。特に、鋳造開始時に
は、上記残鋼滓に含まれる低級酸化物と溶鋼中のAlや
Si等が反応して非金属介在物が生成しやすく、しかも
溶鋼中を浮上してスラグに捕捉されるだけの滞留時間も
なく鋳型に流し込まれるので非金属介在物の含有量が多
くなるものと考えられる。
【0013】さらにタンディッシュ内の溶鋼上に、上記
残鋼滓の影響でFeOやMnO等の低級酸化物を多く含
むスラグ層が形成されると、鋳造開始時や取鍋交換時で
はない定常鋳造中であっても溶鋼中のAlやSi成分が
酸化されて、Al23 やSiO2 等の非金属介在物を
生成する。
【0014】本発明に係る高清浄度溶鋼の製造方法によ
れば、金属Al粒子を主体とするスラグ脱酸剤が、上記
残鋼滓の低級酸化物を還元し、タンディッシュ内の溶鋼
上のスラグ組成中のT・Fe及びMnOをいずれも1%
以下とすることによって、非金属介在物の生成を可及的
に防止できる。しかも上記スラグ脱酸剤と同時に添加す
る粉末状フラックスがスラグを形成して、溶鋼中の非金
属介在物を捕捉するのである。
【0015】本発明は、上記スラグ脱酸剤と粉末状フラ
ックスをタンディッシュに添加する時期を限定するもの
ではないが、タンディッシュを熱間で繰り返し使用する
連続鋳造法においては、鋳造開始時の非金属介在物の生
成が問題となるので、上記スラグ脱酸剤と粉末状フラッ
クスを、取鍋の溶鋼注入ノズルの直下にあたるタンディ
ッシュ内に予め添加しておくことが望ましい。この様
に、予め添加することによって、溶鋼をタンディッシュ
内に注入する際の撹拌力により、残鋼滓との反応を促進
し、速やかに溶鋼を汚染しないスラグを形成することが
できる。
【0016】さらに連続鋳造を開始するにあたっては、
取鍋からタンディッシュに溶鋼を注入した際に溶鋼中に
拡散した非金属介在物を浮上させ、溶鋼上のスラグに十
分に捕捉・吸収させることを目的として、連続鋳造を開
始する前に所定量の溶鋼をタンディッシュ内で保持する
ことが推奨される。タンディッシュ内スラグ中の上記低
級酸化物の含有量としては、T・Fe及びMnOがいず
れも1%以下であれば、溶鋼中のAlやSiが前記低級
酸化物と反応して、Al23 やSiO2 等の非金属介
在物が生成するのを十分抑制することができる。
【0017】尚、本発明はタンディッシュ内におけるス
ラグの組成を限定するものではないが、上記T・Fe及
びMnOのいずれも1%以下とすることの他、CaO,
SiO2 ,Al23 ,MgOを以下の範囲とすること
が推奨される。 CaO :20〜60% SiO2 : 5〜20% Al23 :20〜50% MgO : 0〜15% 上記範囲が好ましい理由は、以下の通りである。
【0018】即ち、一般的にスラグの脱酸反応を促進す
る為には、スラグは固体よりも液体状態であることが望
ましく、図5に示す様に、CaO−Al23 −SiO
2 系スラグにおいては、領域Aの組成(Gehlenite,Anor
thite,Pseudowollastonite,Tridymite )であればタン
ディッシュ内の溶鋼温度が1550℃で十分に溶融状態
となるからである。
【0019】但し、図6に示す様に、SiO2 の高い領
域(CaO/SiO2 <1)ではSiO2 の活量が高く
なり、下記反応式によりSiO2 の解離が下記の如く進
行し、溶鋼に対して酸化源となる。 SiO2Si+2 従って、図5における領域Bの組成(Gehlenite )とす
ることによって、スラグを溶融状態に保持し、溶鋼に対
しても酸化源とならないので好ましい。
【0020】またタンディッシュに用いられる耐火物に
はMgO系耐火物が汎用されており、MgO系タンディ
ッシュの場合には溶損によってMgOがスラグ中に混入
する。図7に示したAl23 が35%である場合のC
aO−Al23 −SiO2−MgO系状態図から明ら
かな通り、MgO含有量が15%を超えると融点が約1
600℃以上の高融点のスラグとなってしまうので、ス
ラグ中のMgO量はできるだけ少ない方が好ましく、1
0%以下がより好ましい。
【0021】本発明において用いられる上記スラグ脱酸
剤に含有される金属Al粒子としては、タンディッシュ
内スラグに含有される低級酸化物との反応性を高める上
で、粒径の小さい粉末が望ましい。上記粒径の上限とし
ては、一般的にタンディッシュ内スラグ層の厚みが約1
0mmであり、金属Al粒子の直径が10mm以上にな
ると、溶鋼中に溶け込み易く、スラグ中の低級酸化物と
の反応効率が低下して好ましくない。従って、上記金属
Al粒子の直径は5mm以下が望ましく、2mm以下が
より望ましい。
【0022】さらに本発明においてスラグ脱酸剤と共に
タンディッシュ内に添加される粉末状フラックスとして
は、CaOを主成分とする一般的な粉末状フラックスを
用いることできる。上記CaOは、残鋼滓の影響で生成
したAl23 と反応し、低融点化合物であるCaO・
Al23 となり、溶鋼中を浮上し溶鋼上のスラグに吸
収されるので、CaOは40%以上含有させることが好
ましく、50%以上がより好ましい。従って、連続鋳造
を開始するにあたって取鍋からタンディッシュに溶鋼を
注入した際に、上記粉末状フラックスは溶鋼との接触に
よって速やかに溶融し、溶鋼上にスラグ層を形成し、非
金属介在物を捕捉・吸収するものである。
【0023】尚本発明は上記粉末状フラックスの成分組
成を限定するものではなく、CaOを主成分として、溶
鋼との接触により速やかに溶融し、溶鋼上に塩基性のス
ラグ層を形成するものであればよいが、CaO,Mg
O,SiO2 ,Al23 ,CaF2 を含み、下記式
(1)、(2) を満足する粉末状フラックスであることが望ま
しい。 (CaO+MgO)/SiO2 ≧10 … (1) Al23 ≦5% … (2)
【0024】即ち、上記(1) 式を満足する高塩基度のフ
ラックスを用いることによって、スラグを低粘性とする
ことができ、しかもスラグ中のSiO2 を低減して溶鋼
の再酸化を防止することができる。また、上記(2) 式を
満足してAl23 を5%以下にすることで、タンディ
ッシュ内で生成したAl23 の吸収能を高め、溶鋼を
清浄化すると共に、スラグ中のAl23 濃度が過剰に
増加することを防ぎ、溶融点の上昇を抑えることができ
る。尚CaF2 にはスラグの軟化温度を下げる効果があ
るので、フラックス中に5%以上含有させることが好ま
しく、10%以上含有させるとより好ましい。
【0025】また本発明は、金属Al粒子と粉末状フラ
ックスの量や配合比率を限定するものではなく、製造プ
ロセスや溶鋼成分等に応じて適宜設定すればよい。例え
ばタンディッシュ内の残鋼滓量が多い場合には、スラグ
中のT・Feが高くなるので、金属Al粒子の投入量も
多くなる。金属Al粒子投入量が多くなれば、Al23
生成量も多くなるので、それに応じてフラックス中の
Al23 量を少なくすることが好ましい。
【0026】尚本発明に係る高清浄度溶鋼の製造方法に
おいては、上記スラグ脱酸剤とスラグとの反応及びスラ
グと溶鋼との反応を促進させることを目的としてタンデ
ィッシュ内の溶鋼をN2 やAr等の不活性なガスにより
攪拌する方法が推奨される。本発明はガスにより攪拌す
る方法について限定するものではないが、例えば図1に
示す様にタンディッシュ2の底部に設けられたポーラス
ノズル7よりガスを吹込む溶湯攪拌法の他、インジェク
ション法等が例示できる。
【0027】また取鍋には、その溶鋼注入ノズル部にス
ラグ検知センサーを配設することが推奨され、該スラグ
検知センサーの作用によって、取鍋内に溶鋼を必要以上
に残すことなく、酸化性スラグのタンディッシュへの流
出を最小限にし、しかもスラグ流出量のばらつきを抑制
することができる。たとえ取鍋内の酸化性スラグがタン
ディッシュ内に流出したとしても、本発明に係るスラグ
脱酸剤を、取鍋からの溶鋼注入終了と同時にタンディッ
シュ内のスラグ上へ添加すれば、酸化性スラグを還元し
て非金属介在物の生成を抑制できる。さらに溶鋼を注入
する際の攪拌力によって、先に添加したスラグ脱酸剤と
酸性スラグの反応を促進し、速やかに溶鋼を汚染しない
スラグが形成できる。
【0028】以上の様に、本発明に係る高清浄度溶鋼の
製造方法によれば、鋳造の開始時や取鍋の交換時にタン
ディッシュ内のスラグを十分に還元して、鋳造中におけ
るスラグから溶鋼への酸素供給を極力制限し、非金属介
在物が非常に少なく清浄度の高い鋼が得られるものであ
る。
【0029】
【実施例】従来例1 表1に組成を示す溶鋼を、転炉−RH脱ガス工程で溶製
し、タンディッシュを熱間で繰り返し使用する連続鋳造
機で鋳造した。
【0030】
【表1】
【0031】尚、転炉から出鋼する際には脱酸処理を行
なわず、取鍋内のスラグ上へ金属Alを1kg/T・S
及び石灰2kg/T・Sを添加して取鍋内スラグを改質
した。改質後のスラグ組成を表2に示す。次に、熱間で
繰り返し使用され残鋼滓が付着しているタンディッシュ
に、取鍋から溶鋼を注入し、タンディッシュ内へフラッ
クス(CaO=50%,Al2 3 =40%,CaF2
=10%)150kgを添加した。上記フラックスを添
加した溶鋼をタンディッシュ内で5分間保持した後、連
続鋳造を開始した。
【0032】鋳造開始直後のタンディッシュ内スラグの
組成と鋳造開始10分経過後のタンディッシュ内スラグ
の組成を表2に併記する。尚、取鍋とタンディッシュは
図1に示す様に耐火物製シールパイプ8で連結し、パイ
プ内部にArガスを吹き込むことによって溶鋼の酸化を
防止した。また鋳造中は、タンディッシュの底部に設け
られたポーラスノズル7から、Arガスを20Nl/m
inで常時吹き込んだ。
【0033】上記取鍋からタンディッシュへの溶鋼注入
が終了した時には、取鍋ノズルに配設されたスラグ検知
器によりスラグの流出を検知して注入を終了させ、その
3分後に次の取鍋による溶鋼注入を開始した。尚取鍋交
換時には、フラックスは添加しなかった。次の取鍋の溶
鋼注入開始直後のタンディッシュ内スラグ組成を表2に
示す。
【0034】
【表2】
【0035】実施例1 下記の項目以外は従来例1と同様に行った。 鋳造開始前に、従来例で用いたフラックスに代え
て、本発明に係るスラグ脱酸剤である5mm以下の金属
Al粒子30kgと、フラックス(CaO=60%,M
gO=20%,CaF2 =20%)100kgを用い、
これを取鍋の溶鋼注入ノズルの直下にあたるタンディッ
シュ内に投入した。 取鍋注入終了直後には、本発明に係るスラグ脱酸剤
である5mm以下の金属Al粒子5kgと、フラックス
(CaO=60%,MgO=20%,CaF2=20
%)10kgを取鍋の溶鋼注入ノズルの直下にあたるタ
ンディッシュ内スラグ上へ投入した。
【0036】従来例と同様、各段階でのスラグ組成を前
記表2に併記する。表2の結果から、本発明に係る高清
浄度溶鋼の製造方法によれば、タンディッシュ内におけ
るT・Fe及びMnO量を共に1%以下に制御できるこ
とが分かる。
【0037】従来例2 従来例1で行った取鍋内スラグの改質処理を省略した以
外は従来例1と同様に鋳造して試験用鋳片を得た。取鍋
内スラグ,鋳造開始直後のタンディッシュ内スラグ及び
取鍋交換後のタンディッシュ内スラグの夫々の成分組成
を表3に示す。
【0038】
【表3】
【0039】実施例2 実施例1で行った取鍋内スラグの改質処理を省略した以
外は実施例1と同様に鋳造して試験用鋳片を得た。但
し、取鍋注入終了直後にタンディッシュに添加する本発
明に係るスラグ脱酸剤の金属Al粒子は15kg、フラ
ックスは20kgとした。取鍋内スラグ,鋳造開始直後
のタンディッシュ内スラグ及び取鍋交換後のタンディッ
シュ内スラグの夫々の成分組成を前記表3に併記する。
【0040】表3の結果から、本発明の製造方法によれ
ば、取鍋内でスラグ改質を行わなくてもタンディッシュ
内におけるスラグのT・Fe及びMnO量を1%以下に
制御できることが分かる。更に上記従来例1、2と実施
例1、2で得られた鋳片について超音波測定法により、
非金属介在物の面積率を調べた。結果は図2〜4に示
す。
【0041】本発明の製造方法によれば、特に従来方法
で問題となった連続鋳造開始時の非金属介在物の混入が
ない。しかも、取鍋スラグの改質を行わなくとも、取鍋
注入終了直後にタンディシュに添加するスラグ脱酸剤及
びフラックスを増量することによって取鍋スラグの改質
を行った場合と同様の高清浄度な鋳造材が得られる。
【0042】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されているの
で、タンディッシュを熱間で繰り返し用いる連続鋳造法
において、清浄度の高い鋳造材を製造できる高清浄度溶
鋼の製造方法が提供できることとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】連続鋳造設備の一部を示す概略説明図である。
【図2】従来方法により得られた鋳片の介在物面積率を
示すグラフである。
【図3】本発明に係る製造方法により得られた鋳片の介
在物面積率を示すグラフである。
【図4】本発明に係る製造方法により得られた鋳片の介
在物面積率を示すグラフである。
【図5】CaO−Al23 −SiO2 三元系スラグの
融点を示す図である。
【図6】CaO−Al23 −SiO2 三元系スラグに
おけるSiO2 の活量を示す図である。
【図7】Al23 35%におけるCaO−Al23
−SiO2 −MgO系スラグの融点を示す図である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−245717(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21C 7/00 C21C 7/04 C21C 7/06 C21C 7/076

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンディッシュを熱間で繰り返し使用す
    る連続鋳造法において、金属Al粒子を主体とするスラ
    グ脱酸剤及び粉末状フラックスを上記タンディッシュ内
    に添加することによって、上記タンディッシュ内の溶鋼
    上のスラグ組成中のT・Fe及びMnOをいずれも1重
    量%以下とすることを特徴とする高清浄度溶鋼の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 上記金属Al粒子の直径が5mm以下で
    ある請求項1に記載の高清浄度溶鋼の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記粉末状フラックスがCaO,Mg
    O,SiO2 ,Al23 を含み、下記式(1)、(2) を満
    足する請求項1または2に記載の高清浄度溶鋼の製造方
    法。 (CaO+MgO)/SiO2 ≧10 … (1) Al23 ≦5重量% … (2)
JP18486294A 1994-08-05 1994-08-05 高清浄度溶鋼の製造方法 Expired - Fee Related JP3257263B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18486294A JP3257263B2 (ja) 1994-08-05 1994-08-05 高清浄度溶鋼の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18486294A JP3257263B2 (ja) 1994-08-05 1994-08-05 高清浄度溶鋼の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0849011A JPH0849011A (ja) 1996-02-20
JP3257263B2 true JP3257263B2 (ja) 2002-02-18

Family

ID=16160614

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18486294A Expired - Fee Related JP3257263B2 (ja) 1994-08-05 1994-08-05 高清浄度溶鋼の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3257263B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20230173189A (ko) 2021-06-22 2023-12-26 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 용강의 처리 방법 및 강의 제조 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0849011A (ja) 1996-02-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5772339B2 (ja) 取鍋内スラグの再利用方法
EP0265038B1 (en) Method of making steel
JP3257263B2 (ja) 高清浄度溶鋼の製造方法
JP2006104531A (ja) Ti含有ステンレス鋼の製造方法
JP4055260B2 (ja) 溶鋼の二次精錬方法
JP2018104805A (ja) 溶鋼の昇温方法
JPH06218504A (ja) タンディッシュ精錬法
JP4301112B2 (ja) タンディッシュを熱間繰り返し使用する連続鋳造方法
JPS62227025A (ja) 溶銑の予備処理方法
JP3813902B2 (ja) タンディッシュの連続使用方法
JP3054897B2 (ja) タンディッシュ内溶鋼の清浄化方法
JP2003166014A (ja) 低炭素、高マンガン鋼の溶製方法
JPH1043845A (ja) 溶融金属の連続鋳造方法
JP4477971B2 (ja) 低炭素鋼板、低炭素鋼鋳片およびその製造方法
TWI638895B (zh) Method for suppressing slag foaming
JP2001049330A (ja) 清浄性に優れた極低炭素鋼の製造方法
JPH0225966B2 (ja)
JPH0693324A (ja) アーク炉精錬における還元性スラグの処理方法
KR100961326B1 (ko) 고융점 개재물의 조성제어용 플럭스 코어드 와이어 및 이를이용한 노즐 막힘 방지 방법
SU1057554A1 (ru) Способ производства стали
JPH0361725B2 (ja)
JPH10298629A (ja) 清浄度の高い極低炭素鋼の溶製方法
JPH03183722A (ja) 高清浄度鋼の製造方法
JPS603966A (ja) 溶融金属容器内の浮遊スラグの処理法
KR20240044256A (ko) 고망간강 주조용 턴디시 플럭스 및 이를 이용한 고망간강 주조 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20011106

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071207

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081207

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091207

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091207

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101207

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101207

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111207

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121207

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131207

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees