JP3348988B2 - タンディッシュ内溶鋼の清浄化方法 - Google Patents

タンディッシュ内溶鋼の清浄化方法

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JP3348988B2 JP20302094A JP20302094A JP3348988B2 JP 3348988 B2 JP3348988 B2 JP 3348988B2 JP 20302094 A JP20302094 A JP 20302094A JP 20302094 A JP20302094 A JP 20302094A JP 3348988 B2 JP3348988 B2 JP 3348988B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼の連続鋳造において
取鍋からタンディッシュ内に溶鋼の注入を開始する際、
急激な溶鋼の空気酸化を防止し、タンディッシュ内溶鋼
の清浄化を図る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鋼の連続鋳造において、タンディッシュ
は取鍋と鋳型間に位置し、操業、品質上最も重要な役割
を果たす部分の一つである。
【0003】その機能は、鋳型内への溶鋼供給量の調
節、溶鋼貯蔵、介在物の分離除去等である。特に、介在
物除去の機能は、近年の鋼材品質厳格化に伴い極めて重
要な機能となっている。
【0004】しかし、取鍋からタンディッシュに溶鋼を
注入する際、空気酸化による溶鋼汚染の問題が生じるた
め、タンディッシュにおける介在物除去効果が十分に発
揮されていないのが現状である。
【0005】このため、タンディッシュ内における溶鋼
汚染防止を目的として種々の方法が検討され、実用化さ
れている。例えば、特開昭59―1055号公報に記載
されているように、耐火ボード蓋で覆われたタンディッ
シュ内に不活性ガスを吹き込むことにより、注入溶鋼の
空気酸化防止が図られている。
【0006】また、特開昭60―261651号公報で
は、取鍋から溶鋼を注入する際のタンディッシュ内の湯
面上昇速度を限定することにより空気酸化を抑制する方
法が提案され、或程度の効果を発揮している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、タンデ
ィッシュを耐火ボード蓋で覆い不活性ガスでシールする
方法については、タンディッシュや耐火ボード自体が高
温で変形するため、空気酸化を防止できる程度までタン
ディッシュ内の酸素分圧を低減することはできない。
【0008】また、鋳込初期は注入流による攪拌エネル
ギーが大きいため、反応界面積が増大し、空気酸化速度
は定常時に比べて格段に速い。
【0009】このため、鋳込初期においてタンディッシ
ュ内の湯面上昇速度を限定する方法は、空気酸化を幾分
抑制する効果があるものの十分な汚染防止対策にはなっ
ていない。
【0010】これらの問題鑑み、本発明は、耐火ボー
ド蓋等の大がかりな設備を必要とせず、簡便な方法で最
も激しい鋳込初期の溶鋼汚染をすみやかに低減し、さら
にタンディッシュにおける介在物除去効果をも向上させ
るタンディッシュ内溶鋼の清浄化方法を提示することを
目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、取鍋からタン
ディッシュに溶鋼を注入する際、注入点のタンディッシ
ュ側壁に設けたポーラスプラグから溶鋼中および雰囲気
中に同時に不活性ガスを吹き込むことを特徴とするタン
ディッシュ内溶鋼の清浄化方法に関するものである。
【0012】
【作用】一般に、取鍋からタンディッシュ内に溶鋼を注
入する際、取鍋ロングノズルが湯面下に浸漬されるまで
は注入流の攪拌エネルギーが非常に大きいため、鋳込初
期は溶鋼表面積が増大し、(1)式の反応で示される空
気酸化に起因して多数の介在物が生成する。
【0013】
【化1】 4Al(溶鋼中)+3O2(空気中)=2Al23(介在物) (1)
【0014】このように、鋳込初期の空気酸化速度は定
常状態のそれに比べて極めて速く、タンディッシュにお
ける溶鋼汚染の最大の原因となっている。
【0015】そこで、本発明者らは、この鋳込初期の空
気酸化を防止すると共に、取鍋から持ち込まれた介在物
の浮上分離を促進する方法について種々の検討を行った
結果、注入点のタンディッシュ側壁から不活性ガスを吹
き込むことが有効であることを見いだした。
【0016】図1は本発明を説明するための図、図2は
従来のタンディッシュシール方法を説明するための図で
ある。
【0017】取鍋1から溶鋼2をロングノズル6を通し
てタンディッシュ3内に注入する際、注入点のタンディ
ッシュ側壁に設けたポーラスプラグ4から不活性ガス5
を吹き込むと、溶鋼2中および雰囲気中に同時に不活性
ガス5を供給することができる。
【0018】溶鋼表面7より下部から溶鋼2中に吹き込
まれた不活性ガス5―1は、溶鋼2中で介在物の浮上分
離を促進すると共に、溶鋼2中から雰囲気中に移行する
ことにより溶鋼表面7の酸素濃度を低下させ、空気酸化
を抑制する。
【0019】一方、溶鋼表面7より上部から雰囲気中に
吹き込まれた不活性ガス5―2は溶鋼表面をカーテン状
に覆い、雰囲気から溶鋼表面をシールする効果を有す
る。
【0020】従来の空気酸化防止はタンディッシュを耐
火ボード蓋10で覆い、上部ノズル8から溶鋼表面7に
不活性ガス5を吹き付ける方法で行われているが、本方
法では周囲の酸素9を巻き込み、溶鋼表面7に吹き付け
ることになるため、溶鋼2の空気酸化を促進する結果と
なる。
【0021】しかし、本発明によれば、タンディッシュ
側壁の溶鋼表面より上部から雰囲気中に吹き込まれた不
活性ガス5―2は溶鋼表面7を水平に流れるため、雰囲
気からの酸素9巻き込みがなく、タンディッシュ3内の
酸素濃度が高い状態でも十分空気酸化を防止できる。
【0022】一方、タンディッシュ底部から不活性ガス
を吹き込み、溶鋼表面の酸素濃度を下げることにより空
気酸化を防止する方法も考えられる。
【0023】この場合不活性ガスは全量溶鋼中に吹き込
まれるため、タンディッシュ側壁からのガス吹き込みに
比べて、溶鋼表面に供給される攪拌エネルギーは大きく
なる。
【0024】さらに、溶鋼静圧の高いタンディッシュ底
部で生成した気泡は浮上中に膨張するため、この膨張エ
ネルギーを考慮すると、溶鋼表面に供給される攪拌エネ
ルギーはさらに増加する。
【0025】その結果、タンディッシュ底部からの不活
性ガス吹き込みでは、雰囲気中の酸素濃度を低下させる
効果よりも、溶鋼表面積を増加させる効果が大きくな
り、溶鋼の空気酸化速度はかえって速くなる。
【0026】以上に述べたように、タンディッシュ側壁
からの不活性ガス吹き込みは、溶鋼表面に供給される攪
拌エネルギーを最小限にし溶鋼表面積の増大を抑え、且
つ溶鋼表面の酸素濃度を低減できるため、タンディッシ
ュ注入点の空気酸化を効率的に防止できる方法である。
【0027】タンディッシュ側壁における不活性ガス吹
き込み用ポーラスプラグの幅は、取鍋からタンディッシ
ュに溶鋼を注入するロングノズルの外径以上が良く、好
ましくは注入溶鋼流の影響によりロングノズルと同心円
状に盛り上がった溶鋼表面の直径以上とする。
【0028】タンディッシュ側壁からの不活性ガス吹き
込みは、必ずしも両方の側壁から実施する必要はなく、
一方から実施しても良い。この不活性ガスは微細である
ほど介在物浮上に効果があり、10mmφ以下の気泡と
して吹き込むことが好ましい。
【0029】また、不活性ガスの吹き込み流量は5〜1
00Nl/min程度が好ましい。すなわち、5Nl/
min未満では溶鋼表面のシール効果が不十分であり、
また100Nl/min超では溶鋼のボイングが激しく
溶鋼表面積が大きくなり過ぎ、この場合も十分な酸化防
止効果は得られない。
【0030】さらに、鋳込み初期の最も溶鋼汚染が激し
い場合だけでなく、鋳造全域に渡って本発明を適用する
ことは十分可能であり、全体の鋳片品質を向上させるた
めにも有効な方法である。
【0031】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明
について説明する。
【0032】
【実施例1】図1に示す容量50tのタンディッシュ3
(深さ1.0×幅2.0×長さ8.0m)には、その側
壁に不活性ガス供給管に接続されたガス吹き込み用ポー
ラスプラグ4が設けられている。
【0033】ここで使用したポーラスプラグ4の幅は、
ロングノズル6外径(200mm)の2倍とした。
【0034】成分C:50ppm、Si:0.015
%、Mn:0.25%、P:0.02%、S:0.01
%、Al:0.035%、温度1550℃(タンディッ
シュ内)の溶鋼250tを取鍋1からタンディッシュ3
内に25t/minで注入を開始すると共に、タンディ
ッシュ側壁の2個のポーラスプラグ(アルミナ製)4か
ら初期気泡径10mmφのArガス5を各々25Nl/
minずつ吹き込んだ。
【0035】タンディッシュ1内に溶鋼4が充満した
後、溶鋼注入量を8t/minまで絞ると共に、鋳型に
鋳造を開始した。この時、タンディッシュ出側の溶鋼中
全酸素量は注入初期から一定値を示し、安定して全酸素
量20ppmを確保できた。
【0036】これにより、溶鋼汚染は確実に防止でき、
圧延後の成品には表面欠陥は全く発生しなかった。
【0037】
【実施例2】図1に示すタンディッシュ3を用いて操業
した例であり、該タンディッシュ3は実施例1と同一の
寸法を有するもので、不活性ガス吹き込みはタンディッ
シュ側壁の一方に設けた400mm幅のガス吹き込み用
ポーラスプラグ4から行った。
【0038】成分C:50ppm、Si:0.015
%、Mn:0.25%、P:0.02%、S:0.01
%、Al:0.035%、温度1550℃(タンディッ
シュ内)の溶鋼250tを取鍋1からタンディッシュ3
内に25t/minで注入を開始すると同時に、タンデ
ィッシュ側壁の一方にあるポーラスプラグ(アルミナ
製)4から初期気泡径10mmφのArガス5を70N
l/minで吹き込んだ。
【0039】タンディッシュ1内に溶鋼2が充満した
後、溶鋼注入量を8t/minまで絞ると共に、鋳型に
鋳造を開始した。この時、タンディッシュ出側の溶鋼中
全酸素量は注入初期から一定値を示し、安定して全酸素
量19ppmを確保できた。
【0040】これにより、溶鋼汚染は確実に防止でき、
圧延後の成品には表面欠陥は全く発生しなかった。
【0041】
【比較例1】図2のタンディッシュ3を用いて操業した
例であり、該タンディッシュ3は実施例1と同一の寸法
を有するもので、タンディッシュ上部は耐火ボード蓋1
0で覆った。
【0042】タンディッシュ上部に設けたノズル8から
Arガス5を1000Nl/minで吹き付け、成分
C:50ppm、Si:0.015%、Mn:0.25
%、P:0.02%、S:0.01%、Al:0.03
5%、温度1550℃(タンディッシュ内)の溶鋼25
0tを取鍋1からタンディッシュ3内に25t/min
で注入を開始した。
【0043】タンディッシュ3に溶鋼2が充満した後、
溶鋼注入量を8t/minまで絞ると共に、鋳型に鋳造
を開始した。
【0044】注入初期から溶鋼中全酸素量は80ppm
あり、その後徐々に低下したが、最終到達値は50pp
mであった。このため、注入初期の溶鋼汚染防止機能及
びその後の介在物除去効果の向上は見られず、圧延後の
成品には表面欠陥が発生した。
【0045】
【発明の効果】以上のごとく、本発明のタンディッシュ
内溶鋼の清浄化方法によれば、大がかりな設備を必要と
せず、最も激しい鋳込初期の溶鋼汚染をすみやかに低減
し、さらにタンディッシュにおける介在物除去効果をも
向上できるため、鋳片の品質は極めて向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を説明するための図。
【図2】従来のタンディッシュシール方法を説明するた
めの図。
【符号の説明】
1 取鍋 2 溶鋼 3 タンディッシュ 4 タンディッシュ側壁のポーラスプラグ 5 Arガス 5―1 溶鋼表面より下部から溶鋼中に吹き込んだAr
ガス 5―2 溶鋼表面より上部から雰囲気中に吹き込んだA
rガス 6 ロングノズル 7 溶鋼表面 8 ノズル 9 酸素 10 耐火ボード蓋
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/11 B22D 11/106 B22D 11/117

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 取鍋からタンディッシュに溶鋼を注入す
    る際、注入点のタンディッシュ側壁に設けたポーラスプ
    ラグから溶鋼中および雰囲気中に同時に不活性ガスを吹
    き込むことを特徴とするタンディッシュ内溶鋼の清浄化
    方法。
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KR101022068B1 (ko) * 2006-03-30 2011-03-17 가부시키가이샤 고베 세이코쇼 신선성과 피로 특성이 우수한 고탄소강 선재용 강의 제조 방법

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