JP3216384B2 - 鋼の連続鋳造における介在物の除去方法 - Google Patents

鋼の連続鋳造における介在物の除去方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼の連続鋳造におい
て、溶鋼中の介在物を除去する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】溶鋼中にはAl2 3 等の介在物が含ま
れており、この介在物が鋳片に混入するのを防ぐため、
従来から多くの試みがなされてきた。とくに介在物が連
続鋳造のモールド内に持ち込まれると、鋳片に捕捉され
てしまう可能性が高くなるので、溶鋼が鋳型に注入され
るよりも前の段階で、介在物をできるだけ低減しておく
必要がある。このためタンディッシュ内の溶鋼につい
て、いくつかの、介在物低減の試みがなされてきた。
【0003】その一つは、溶鋼と介在物の比重差を利用
して介在物を浮上分離する方法である。しかし単に介在
物が自然に浮上するのを待つだけでは充分な効果は得ら
れない。そこでタンディッシュ中にガスを吹き込み、生
成した気泡によって、介在物の浮上を促進する方法が開
発された。その一つは、例えば特開昭59−6313号
公報に記載されているような、タンディッシュ底部にガ
ス吹き込み用ノズルを配置して、該ノズルからガスを溶
鋼中に吹き込む方法である。またこの他に、材料とプロ
セス、vol.1 1988,1161にはタンディッ
シュ上部から溶鋼中に回転ノズルを浸漬し、ガスを吹き
込む方法も提案されている。これらの方法は、いずれも
タンディッシュ内の溶鋼中に吹き込んだ気泡が、溶鋼中
の介在物を捕捉して、溶鋼と介在物の比重差による浮上
速度よりも速い速度で浮上させる効果と、気泡の浮上に
より、溶鋼自体の流動が介在物の浮上に有利な方向にな
る効果とによって、介在物の浮上分離を促進しようとす
るものである。
【0004】しかし、これらの方法は、ガス気泡が通過
した領域では効果があるが、吹き込み方法の制約上、タ
ンディッシュ内の全ての溶鋼にガス気泡が通過させるの
は困難で、従ってガス吹き込みの効果は十分とはいえな
かった。またいずれもそのための設備の設置、運用する
ために、経費がかかり作業面での負担も大きいという問
題点もあった。
【0005】このような問題点を解決する手段として、
取鍋からタンディッシュ内に溶鋼を注入する注入ノズル
からガスを吹き込み、落下中の溶鋼にガス気泡を混入さ
せる方法が開発された。この方法では、取鍋からタンデ
ィッシュに流出する溶鋼のほぼ全量にガス気泡を混入さ
せることができる。これらの技術については特開昭50
−128624号公報、特開昭57−177914号公
報に開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし前記公報等で開
示されている内容は注入中の溶鋼にガスを吹き込むこと
は開示されているが、その最適条件は示されていない。
【0007】注入ノズルを介して注入する場合、通常、
取鍋からの溶鋼注入流は流量制御のために取鍋直下に設
けたスライディングノズルで絞られており、そのため、
それ以降の注入ノズルの内部は負圧になっており、ベル
ヌイの方程式で推算するとほぼ真空状態になっていると
考えられる。そして注入ノズルの上部の内側は必ずしも
溶鋼によって充填されてはおらず、空隙が存在している
可能性が高い。この様な状態の注入ノズルにガスを吹き
込んだ場合には、ガスは溶鋼注入流の中に微細気泡とし
て混入せず、注入ノズル壁と溶鋼注入流との間にガスが
溜まり、このガスが周期的に溶鋼流によって押し出され
て、粗大な気泡を形成する。気泡の径が大きすぎたり、
ガスの吹き込み量が多すぎたりすると、タンデッシュ内
の溶鋼中を上昇した気泡が、タンデッシュ内溶鋼の表面
付近を攪拌して、かえって溶鋼表面付近に浮かんでいる
介在物を溶鋼中に巻き込んだり、通常はスラグで覆われ
ている溶鋼表面を露出させて溶鋼を酸化させてしまう。
【0008】本発明者等は上記した問題点を解消し介在
物浮上に最適の吹き込み条件を見出すために種々考察研
究した結果、本発明を完成するに至ったものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の鋼の連続鋳造に
おける介在物の除去方法は、溶鋼を取鍋からタンディッ
シュへ注入ノズルを介して注入する際、注入中の溶鋼に
注入ノズルから不活性ガスを吹き込み、溶鋼中に不活性
ガス気泡を混入させた状態でタンディッシュ内に注入す
る介在物除去方法において、注入ノズルのタンディッシ
ュの湯面よりも上方1.4m以内の位置の一部分を
(1)式で定義される透過率が10-9〜7×10-11 cm
2 のポーラス煉瓦で構成し、該ポーラス煉瓦を介して、
溶鋼1トン当たり0.5〜50リットルの不活性ガスを
吹き込むことを特徴とする。
【0010】 q=( k・S・△P) /( η・L) ・・・・・・(1) q:透過ガス流量(cm3 /sec) k:ポーラス煉瓦の透過率(cm2 ) S:ガス透過面積(cm2 ) △P:注入用ノズル内と吹き込みガスの差圧(dyn/
cm2 ) η:吹き込みガスの粘度(dyn・sec/cm2 ) L:ポーラス煉瓦の厚さ(cm)
【0011】
【作用】発明者等の検討によれば、注入ノズルでのガス
吹き込みに最適なポーラス煉瓦の透過率は10-9〜7×
10-11 cm2 である。透過率が10-9よりも大きいと、
ポーラス煉瓦内の気孔の大きい部分から優先的にガスが
流れやすく、生成するガス気泡が大きくなったり、溶鋼
中のガス気泡が偏在したりして、十分な介在物浮上促進
効果がえられない。また、透過率が7×10-11cm2より
も小さいと、ガス透過に対する抵抗が大きく、必要なガ
ス気泡を吹き込むことができない。
【0012】溶鋼中への最適ガス吹き込み量は、通過溶
鋼1トン当たり0.5〜50リットルである。0.5リ
ットル/トンよりも少ないと、生成するガス気泡の量が
少なく、実質的に介在物浮上分離効果はない。しかし5
0リットル/トンよりもガス量が多いと、ガス気泡の合
体が発生しやすくなり、ガス気泡の粗大化により介在物
捕捉効果は低下し、またタンディッシュ溶鋼表面の露出
などが起こりやすくなる。
【0013】また、注入用ノズルのタンディッシュの湯
面高さよりも上方1.4m以内の位置の一部をポーラス
煉瓦で構成し、そこをガス吹き込み位置とすることによ
り、吹き込んだガスが確実に微細気泡となって溶鋼中に
混入される。タンディッシュ湯面からポーラス煉瓦設置
位置までの距離が1.4m以内であれば、ノズル内部が
負圧になっても、ノズル内部は落下する溶鋼によって完
全に充填されているので、ガスを容易に溶鋼中に混入さ
せることができる。
【0014】
【実施例】本発明の一実施例を図面を用いて説明する。
図1は本発明の一実施例を示す概念図である。図2は、
本実施例における取鍋の注入ノズルの構成を示す断面図
である。図において、1は取鍋、2は注入ノズル、3は
タンディッシュ、4は溶鋼、5は連続鋳造用鋳型、6は
ポーラス煉瓦、7はアルゴンガス配管、8はガス流路で
ある。溶鋼は取鍋1から注入ノズル2によって、タンデ
ィッシュ3内に注入され、更にタンディッシュ3から浸
漬ノズル9により鋳型5内に注入され、鋳型5内及びそ
の下部の図示されない二次冷却帯において、外周部から
内部に向かって凝固し鋳片が形成される。本実施例では
不活性ガスとしてアルゴンガスを用い、注入ノズル2の
タンディッシュ3の湯面からの距離Hが1.2m上方の
1部をポーラス煉瓦6で構成し、注入ノズル2の上部に
取り付けたアルゴンガス配管7から、注入ノズル2の内
部に形成されたガス流路8を経て、20(リットル/溶
鋼トン)のアルゴンガスを流した。ポーラス煉瓦の透過
率は1.2×10-10 cm2 であった
【0015】C:0.15%、Si:0.30%、M
n:0.7%、P:0.02%、S:0.015%の組
成の炭素鋼の溶鋼を第1図に示す装置で鋳造した。取鍋
1の溶鋼量は250トン、タンディッシュ3の容量は5
0トン、鋳造ストランドは2本、鋳造された鋳片の寸法
は220mm×1600mmである。取鍋1内、鋳型5
内と鋳片から試料を採取し、酸素分析及び介在物調査を
行った。その結果取鍋1内の溶鋼の全酸素量は30pp
mであるのに、本発明実施後の鋳型5内の溶鋼の全酸素
量は12ppmであり、従って本発明により全酸素量で
18ppmに相当する介在物がタンディッシュ3内で浮
上分離した。また鋳片のアルミナ系介在物個数は、本発
明を実施しない場合の70%に減少した。
【0016】本発明は特に、タンディッシュでの溶鋼滞
留時間が短く、かつ鋳型内での介在物浮上が期待しにく
い高速鋳造(鋳造速度が2m/分以上)での、鋳片の介
在物除去に多大の効果を発揮する。
【0017】
【発明の効果】本発明により、タンディッシュにおいて
溶鋼中のアルミナ系介在物を効果的に浮上分離除去する
ことができ、品質的に優れた連続鋳造鋳片を製造するこ
とが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す概念図である。
【図2】本発明の実施例における取鍋の注入ノズルの構
成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 取鍋 2 注入ノズル 3 タンディッシュ 4 溶鋼 5 連続鋳造用鋳型 6 ポーラス煉瓦 7 アルゴンガス配管 8 ノズル内部のガス流路 9 浸漬ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西町 龍三 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−177914(JP,A) 特開 平2−187239(JP,A) 特開 昭50−128624(JP,A) 特開 平2−182359(JP,A) 特開 昭63−13648(JP,A) 特開 平2−37947(JP,A) 特開 昭59−169977(JP,A) 特開 平2−121756(JP,A) 特開 昭59−6313(JP,A) 特開 昭49−41226(JP,A) 特開 昭61−255751(JP,A) 特開 昭63−206422(JP,A) 実開 平3−126273(JP,U) 実開 昭63−25255(JP,U) 実開 昭63−11159(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/10 360 C21C 7/00 C21C 7/072 B22D 11/11 B22D 11/117

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 取鍋からタンディッシュへ注入ノズルを
    介して注入する際、注入中の溶鋼に注入ノズルから不活
    性ガスを吹き込み、溶鋼中に不活性ガス気泡を混入させ
    た状態でタンディッシュ内に注入する介在物除去方法に
    おいて、注入ノズルのタンディッシュの湯面よりも上方
    1.4m以内の位置の一部分を(1)式で定義される透
    過率が10-9〜7×10-11 cm2 のポーラス煉瓦で構成
    し、該ポーラス煉瓦を介して、溶鋼1トン当たり0.5
    〜50リットルの不活性ガスを吹き込むことを特徴とす
    る鋼の連続鋳造における介在物の除去方法。 q=( k・S・△P) /( η・L) ・・・・・(1) q:透過ガス流量(cm3 /sec) k:ポーラス煉瓦の透過率(cm2) S:ガス透過面積(cm2) △P:注入用ノズル内と吹き込みガスの差圧(dyn/
    cm2) η:吹き込みガスの粘度(dyn・sec/cm2) L:ポーラス煉瓦の厚さ(cm)
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