JP3052736B2 - 光学装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、光学装置に関し、より
詳しくは、光学装置における光ビームが通過するハウジ
ングケースの窓孔箇所の光透過性カバー板の取付け構造
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から、レーザプリンタ、複写機、フ
ァクシミリ装置等の電子写真式画像形成装置等に適用す
る走査光学装置は、実開平２−６４９５９号公報に開示
されているように、上面解放箱型のハウジングケース内
に、その底面に取付けられたモータにて回転する偏向器
としての平面視六角形状等の回転多面鏡と、ｆθレンズ
等の走査光学系としてのレンズ群が固定されて設けら
れ、光源としての半導体レーザ素子とコリメートレンズ
からなるレーザユニットが、ハウジングケースの一側壁
面に取付けられており、レーザユニットから発射された
光ビームは、画像データに応じて変調されて回転多面鏡
に照射され、ここで反射された光ビームはｆθレンズ等
のレンズ群を介してハウジングケースの一側に穿設され
た窓孔を通り、回転する感光体ドラムの表面に集光（結
像）するように構成することが知られている。

【０００３】この場合、上記公報に記載の走査光学装置
では、感光体ドラム等からトナーや埃が入らぬように、
レンズと兼用する光透過性合成樹脂製のカバー板を窓孔
に対してワンタッチで装着するため、合成樹脂製カバー
板に、複数のスナップフイット突起を一体的に形成し、
ハウジングケース側には、前記複数のスナップフイット
突起が係合する係止孔を形成する構成が開示されてい
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記走
査光学装置では、複雑なスナップフイット突起をカバー
板と一体的に形成するため、成形金型を別途必要とし、
製造コストが高くなる。しかも、カバー板等の材料は合
成樹脂材に限られるという問題がある。さらに、前記ス
ナップフイット突起とハウジングケース側の係止孔とに
よる係合の場合、カバー板が細長い時には、その長手方
向に沿って多数のスナップフイット突起を設けなけれ
ば、当該カバー板の長手方向中途部がハウジングケース
の表面から浮き上がってしまい、その隙間からトナーや
埃がハウジングケース内に侵入し易いから別途シール材
を介挿する必要があるという問題があった。

【０００５】本発明は、これらの技術的課題を解決すべ
くなされたものであって、製造コストを低減でき、且
つ、ハウジングケース内にトナーや埃が侵入し難い光学
装置を提供することを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項１記載の発明の光学装置は、ハウジングケー
スに、光ビームが通過する窓孔と、該窓孔を覆う光透過
性のカバー板を備えてなる光学装置であって、前記ハウ
ジングケースの表面には、窓孔より外周位置に、前記表
面に対して係止面が鋭角状に突出する係止爪ブロックを
ハウジングケースと一体的に形成し、該係止爪ブロック
の係止面にてカバー板の一側縁における外側角部に当接
させる一方、前記係止爪ブロックと対峙する側には、前
記カバー板の他側縁における外側角部をハウジングケー
スの表面に向かって押圧するための弾性係止片をハウジ
ングケースと一体的に形成したものである。

【０００７】請求項２記載の光学装置は、請求項１記載
の発明において、前記ハウジングケースの表面には、前
記カバー板の長手方向両端部を当該カバー板の長手方向
中途部より外向きに湾曲させるための規制部を形成した
ものである。

【０００８】請求項３記載の光学装置は、請求項２に記
載の発明において、前記ハウジングケースにおける前記
窓孔部外周の表面を、前記カバー板の長手方向に沿って
その中途部が外向き突出するように凸湾曲形成したもの
である。

【０００９】

【実施例】次に、本発明を具体化した実施例について説
明する。図１は画像形成装置としてのレーザビーム式プ
リンタ１の概略側断面図、図２は走査光学装置の側断面
図である。本実施例のプリンタ１における本体ケース２
の一側上側に給紙部としての給紙カセット３を着脱自在
に装着し、給紙ローラ４と分離パッド５とにより、給紙
カセット３内に積層された被記録媒体としての用紙Ｐが
一枚ずつに分離されて給送ローラ対６を介して画像形成
ユニット９に送られる。

【００１０】画像形成ユニット９は、感光体としての回
転する感光体ドラム７と転写手段としての転写ローラ８
と、前記給紙カセット３側に近い位置のトナーカートリ
ッジ１０や現像ローラ１１等からなる現像装置ユニット
１２と、感光体ドラム７下面側の帯電装置１３、クリー
ニング装置１４等を１つのキットとしてケース内に収納
して単一ユニットを構成している。

【００１１】画像形成ユニット９の排出側には、加熱ロ
ーラ１６と押圧ローラ１５とからなる定着装置１７が配
置されている。画像形成ユニット９の下方には、前記感
光体ドラム７の下面に向かってレーザ光を走査するため
の走査光学装置としてのスキャナユニット１８は、その
下向き解放状のハウジングケース３０の天板３０ａを上
側にして本体ケース２におけるメインフレーム２ａの平
板部２ｂの上面に着脱自在に装着されている。

【００１２】そして、帯電装置１３にて予め帯電させた
感光体ドラム７の表面に、図示しないホストコンピュー
タ等の外部機器から伝送された画像データに応じて、後
述するスキャナユニット１８から出射されたレーザ光を
照射して、感光体ドラム７の表面に静電潜像を形成し、
次いで、現像ローラ１１を回転して帯電させた粉体状の
トナーの供給により前記潜像を可視像化するという現像
を実行した後、この感光体ドラム７と転写ローラ８との
間の転写部位に供給された用紙Ｐに前記トナー像を転写
し、次に、定着装置１７における加熱ローラ１６と押圧
ローラ１５との間を通過して、前記転写されたトナー像
に熱及び圧力を付加して用紙Ｐにトナー像を定着させ
る。その後、排紙ローラ対６２を介して排紙トレイ６３
に排紙されるものである。

【００１３】なお、前記メインフレーム２ａの下方側に
は、制御基板６０，帯電装置１３や転写ローラ８に高電
圧を印加するための高電圧基板６１が配置されている。
次に、スキャナユニット１８の構成について、図２〜図
５を参照しながら説明する。図３は図２の III−III 線
矢視図であって、下向き解放箱型のハウジングケース３
０の内部を観察した下面図であり、図４は図２のIV−IV
線矢視図であって、ハウジングケース３０を下向きにし
て（天板３０ａを上にして）見た上面図である。

【００１４】スキャナユニット１８における、レーザ発
光部ユニット２０、偏向器としての回転多面鏡２７、ｆ
θレンズ２１、シリンドリカルレンズ２２、折り返し鏡
２３、書き出し信号（ＢＤ）用鏡２５、書き出し信号
（ＢＤ）検出センサ２６等からなる構成部品が、下向き
解放箱型のハウジングケース３０内にてその天板３０ａ
の内面（下面）に固定されて構成されている。

【００１５】そして、前記レンズ群及び折り返し鏡２３
を介して感光体ドラム７に向かって照射される光ビーム
が通過する窓孔３４の外面を覆うためのガラス板、ある
いは透明合成樹脂板材料からなる光透過性のカバー板２
４は、前記天板３０ａの上面（外面）側にて後述する手
段により着脱自在に固定されている。なお、光源として
の半導体レーザとコリメートレンズ（共に図示せず）を
ブロック体２８に内蔵したレーザ発光部ユニット２０
は、感光体ドラム７から遠い側の一側に配置されて前記
天板３０ａの下面にねじ止め固定されている。ブロック
体２８の背面には印刷配線板２９が取付けられている。

【００１６】前記天板３０ａの内面に固定された駆動モ
ータ３１にて略水平方向に回転する６面鏡等の回転多面
鏡２７は、この鏡面に向かって前記レーザ発光部ユニッ
ト２０から入射される光ビームの光軸が感光体ドラム７
の回転軸線と略平行状になるように配置されている。前
記回転多面鏡２７の鏡面にて反射された光ビームは、両
端部を各々板ばね製の取付け金具３２ａ，３２ｂ、３３
ａ，３３ｂを介して天板３０ａの取付けスリット（図示
せず）に固定されたｆθレンズ２１及びシリンドリカル
レンズ２２を経て、折り返し鏡２３で感光体ドラム７の
下面方向に反射される。ハウジングケース３０の天板３
０ａには、前記感光体ドラム７の下面に近い部分に感光
体ドラム７の軸線と平行状に長い窓孔３４が穿設されて
おり、その窓孔３４を覆う前記カバー板２４を通して、
前記偏向された光ビームが感光体ドラム７の下側表面に
当該感光体ドラム７の軸線方向に沿って走査されるもの
である。

【００１７】なお、前記ｆθレンズ２１は、このレンズ
２１の光軸から感光体ドラム７表面の結像スポットまで
の距離が、偏向器である回転多面鏡２７の反射面で反射
された主光線とｆθレンズ２１の光軸とのなす偏向角θ
に比例するという特性を有するものである。折り返し鏡
２３の長手方向一側端近傍には、同じく板ばね（図示せ
ず）にて固定されたＢＤ（Beam Detector)ミラー２５が
配置されており、前記レーザ発光部ユニット２０から発
射された光ビームのうちの感光体ドラム７の水平方向へ
の書き出し位置を検出するための書き出し位置信号（Ｂ
Ｄ信号）を、前記回転多面鏡２７、ｆθレンズ２１、シ
リンドリカルレンズ２２、ＢＤミラー２５、スリット体
３５、集光レンズ３６の経路を経てＢＤ検出センサ２６
に入力されるようにするものである。なお、ＢＤ検出セ
ンサ２６に入力された信号を処理してレーザ発光部ユニ
ット２０を駆動するためのレーザ駆動基板（印刷配線
板）３７は天板３０ａの内面から下向きに突出するリブ
の端面に当接させて、ねじ３８にて固定されている。

【００１８】次に、前記カバー板２４を装着する手段の
構成の第１実施例について、図６〜図１０を参照しなが
ら詳述する。前記窓孔３４は、短ガラス繊維を混入させ
たガラス強化プラスチック製のハウジングケース３０の
天板３０ａにおける前部側（感光体ドラム７に近い側）
の傾斜部５０において、ハウジングケース３０の周囲側
壁３０ｂよりも外側にはみ出さない範囲で感光体ドラム
７の軸線に沿うような左右長手に穿設されている。そし
て、前記傾斜部５０から上向きに突出する左右長手リブ
５１から、左右一対の係止爪ブロック５２，５２を、そ
の係止面（下面）が傾斜部５０の表面に対して略６０度
等の角度θ１の鋭角状にして一体的に突設させ（図９参
照）、該各係止爪ブロック５２の係止面にて、前記傾斜
部５０の表面に添設させたカバー板２４の長手方向一側
縁における外側角部（傾斜部５０の表面から離れた側の
角部）に当接させる。

【００１９】また、前記左右両係止爪ブロック５２，５
２と各々相対峙（相対向）する位置には、周囲側壁３０
ｂの外面に、側面視略Ｕ字状の弾性係止片５３，５３の
基端５３ａ側を固定して設ける（図６〜図８参照）。こ
のとき、各弾性係止片５３の自由端５３ｂ側の外面が前
記カバー板２４の前記長手一側縁と平行な長手方向他側
縁における外側角部を傾斜部５０の表面に向かって弾性
的に押圧するように、自由端５３ｂを傾斜部５０の表面
に対して略６０度等の角度θ２の鋭角状に延びているよ
うに形成するものである（図９参照）。

【００２０】この構成により、傾斜部５０の外面（表
面）に、細長いカバー板２４を、窓孔３４が覆われるよ
うに配置して、左右両側の弾性係止片５３，５３の両自
由端５３ｂ，５３ｂを指にて基端５３ａ，５３ａに接近
するように弾性に抗して湾曲させ、この両両自由端５３
ｂ，５３ｂと係止爪ブロック５２，５２との間にカバー
板２４を嵌入したのち当該自由端５３ｂ，５３ｂから指
を放せば、この各弾性係止片５３の自由端５３ｂがカバ
ー板２４の長手方向他側縁の外側角部を押圧することに
より、当該カバー板２４をその幅方向に押圧する力が作
用し、従って、カバー板２４における長手方向一側縁の
外側角部が前記各係止爪ブロック５２の下面側である係
止面に当接するように押圧するから、カバー板２４が傾
斜部５０の表面から離れないように装着できるのであ
る。

【００２１】なお、図７及び図８に示すように、前記傾
斜部５０の左右両側端には、カバー板２４が長手方向に
ずれ動き脱落するのを防止するためのストッパー片５
４，５４が一体的に成形されており、且つ、ハウジング
ケース３０の射出成形時に、前記相対向する位置の係止
爪ブロック５２及び弾性係止片５３を一体的に成形する
ため、前記各傾斜部５０の端部とストッパー片５４との
間には、型抜き空間５５ａ，５５ｂが形成されている。

【００２２】さらに、前記傾斜部５０の左右両端部表面
には、前記カバー板２４の長手方向両端部を当該カバー
板２４の長手方向中途部より外向きに湾曲させ、結果と
してカバー板２４の内面を傾斜部５０の表面に対して隙
間なく密接させるための規制部を形成する。その第１実
施例は、図１０に示すように、前記相対向する位置の係
止爪ブロック５２及び弾性係止片５３によるカバー板２
４の幅方向における両外側角部の押圧箇所よりも、スト
ッパー片５４，５４に近い側の傾斜部５０の表面を、各
ストッパー片５４に近づくにつれて、傾斜部５０の長手
方向（左右中途部）の表面の高さ位置よりも高い位置と
なるような傾斜状の規制部５６，５６を設けるものであ
る。

【００２３】このように構成すれば、カバー板２４はそ
の長手方向の両端部が中途部より高い位置で支持された
状態のもとで、その両端部よりも前記中途部寄り部位を
係止爪ブロック５２及び弾性係止片５３にて傾斜部５０
の表面に押しつける力が作用するから、カバー板２４は
それ自身の弾性変形により、その長手方向中途部が傾斜
部５０の表面に押しつけられるように図１０において下
向き凸状に湾曲し、結果として、カバー板２４は傾斜部
５０の表面に対していずれの箇所も隙間のないように添
設できるのである。

【００２４】図１１は、第２実施例を示し、前記相対向
する位置の係止爪ブロック５２及び弾性係止片５３によ
るカバー板２４の幅方向両外側角部の押圧箇所よりも、
ストッパー片５４，５４に近い側の傾斜部５０の表面
に、突条状または突起状の規制部５７，５７を設けるの
である。このように構成しても、前記第１実施例と同様
の作用・効果を奏する。

【００２５】図１２は第３実施例を示し、前記傾斜部５
０の窓孔３４より外周の表面を、前記カバー板２４の長
手方向に沿ってその中途部が外向き突出するように図１
２の上方向に凸湾曲形成するものである。この構成によ
れば、前記図１０の第１実施例及び図１１の第２実施例
とは逆に、カバー板２４の両端部が係止爪ブロック５２
及び弾性係止片５３にて傾斜部５０の表面に押しつけら
れる力が作用するから、カバー板２４はそれ自身の弾性
変形により、その長手方向中途部が傾斜部５０の表面に
押しつけられるように図１２において上向き凸状に湾曲
し、結果としてカバー板２４は傾斜部５０の表面に対し
ていずれの箇所も隙間のないように添設できるのであ
る。

【００２６】図１３に示す第４実施例は、ハウジングケ
ース３０の左右両周囲側壁３０ｂ，３０ｂの外面に、前
記各実施例と同じく側面視Ｕ字状の弾性係止片５３，５
３を設ける一方、細長い窓孔３４より外周側の傾斜部５
０の外面（表面）であって、窓孔３４の長手方向中途部
に、傾斜部５０の表面に対して係止面が鋭角状に突出す
る一つの係止爪ブロック５８を形成するものである。

【００２７】この構成によっても、左右一対の弾性係止
片５３，５３における自由端５３ｂ，５３ｂがカバー板
２４を幅方向に押圧することにより、当該カバー板２４
の長手方向一側縁の外側角部が係止爪ブロック５８にお
ける係止面に当接して外れ不能に押圧されることにな
る。いずれにしても、係止爪ブロック５２，５８及び弾
性係止片５３は、合成樹脂製のハウジングケース３０の
成形時に一体的に成形することができるから、別部品と
してカバー板２４と共に係止爪等を成形するのに比べ
て、製造コストは廉価となる。また、カバー板２４は光
透過性があればガラスでも合成樹脂のいずれでも良く、
材料の制限が無くなるから、これによっても製造コスト
を低減させることができる。

【００２８】そして、この走査光学装置としてのスキャ
ナユニット１８をプリンタ１に対して組み立てるには、
予め前後一対のタイバー４０，４１をハウジングケース
３０の天板３０ａの上面（外面）にねじ４２，４３，４
４，４５にて仮止めし、このハウジングケース３０を裏
返して、その天板３０ａの内面が上向くように配置して
（図３参照）、この天板３０ａの内面に前記各構成部品
や、印刷配線板３７を固定する。

【００２９】次いで、前記一対のタイバー４０，４１を
所定の性能検査用治具上に設置し、レーザ発光部ユニッ
ト２０から発射される光ビームの強さを設定し、次い
で、ｆθレンズ２１、シリンドリカルレンズ２２等の固
定姿勢等を検査し、さらに、前記ＢＤ信号がＢＤ検出セ
ンサ２６にて受光されるように、スリット体３５の位置
を調節したのち接着剤にてスリット体３５を固定する。

【００３０】しかる後、このハウジングケース３０の周
囲側壁３０ｂの自由端縁にわたって合成樹脂製のスポン
ジ材等のシール材４６を置き、このハウジングケース３
０を下向きにして（天板３０ａを上にして）（図４及び
図５参照）、合成樹脂製の本体ケース２におけるメイン
フレーム２ａの平板部２ｂの上面に載置し、前記一対の
タイバー４０，４１の両端をメインフレーム２ａの段部
２ｃ等の所定箇所にねじ４７，４８にて固定するもので
ある。

【００３１】このように構成すれば、走査光学装置の各
構成部品である、レーザ発光部ユニット２０、回転多面
鏡２７、ｆθレンズ２１等の光学系は全て下面解放箱型
のハウジングケース３０で上から覆われ、光ビームが通
過する窓孔３４は、前記係止爪ブロック５２や５８と弾
性係止片５３とにより傾斜部５０の表面に密接させられ
たカバー板２４にて覆われ、しかも、ハウジングケース
３０の周囲側壁３０ｂの下端縁とメインフレーム２ａの
平板部２ｂ上面との間にシール材４６を介挿して固定し
たものであるから、従来のような上向き解放箱型のハウ
ジングケースの上面に別体の蓋を装着する手間を省くこ
とができるものでありながら、ハウジングケース３０の
上方から漏れ出したトナーがハウジングケース３０の内
部に侵入することを完全に防止でき、ハウジングケース
３０内の走査光学装置の各構成部品を汚すことがない。

【００３２】なお、半導体レーザや各レンズ、ミラーな
どの光学部品が経年に伴って位置ズレなどを起こして走
査光学装置としての動作に支障をきたすことがある。こ
のような場合は、不良の光学部品のみ交換することも可
能であるが、その交換時には光学部品の取付精度が要求
されるため、通常は走査光学装置のユニットごと交換し
ている。このとき、予めハウジングケース３０の天板３
０ａ上面に複数のタイバー４０，４１を取付けしておけ
ば、これらのタイバー４０，４１をメインフレーム２ａ
の適宜箇所に少ない数のねじにて固定するだけでハウジ
ングケース３０を取付けすることができ、取付け作業を
簡単化することができるという顕著な効果を奏するので
ある。

【００３３】他の実施例として、ハウジングケース３０
の周囲側壁の一側外側にレーザ発光部ユニット２０を固
定するようにしても良いことはいうまでもない。また、
前記窓孔３４がハウジングケース３０の周囲側壁３０ｂ
に穿設されている場合にも、その箇所を覆うためのカバ
ー板２４を、ハウジングケース３０の成形時に一体的に
成形可能な前記係止爪ブロック５２や基板５７と弾性係
止片５３とにより周囲側壁３０ｂの表面に密接すること
ができるし、カバー板２４をハウジングケース３０の内
部に配置する場合にも本発明を適用できることはいうま
でもない。

【００３４】さらに、本発明は、ファクシミリや複写機
等の電子写真式画像形成装置における走査光学装置、そ
の他の画像処理等に使用される光学装置にも適用できる
ことはいうまでもない。この場合、前記光透過性のカバ
ー板２４が平面視矩形または正方形など長さが短いもの
を使用するときには、一つの係止爪ブロック５２と一つ
の弾性係止片５３との組により、カバー板２４をハウジ
ングケース３０に対して着脱自在に装着できることはい
うまでもない。

【００３５】

【発明の作用・効果】以上に説明したように、本発明の
光学装置は、ハウジングケースに、光ビームが通過する
窓孔と、該窓孔を覆う光透過性のカバー板を備えてなる
光学装置であって、前記ハウジングケースの表面には、
窓孔より外周位置に、前記表面に対して係止面が鋭角状
に突出する係止爪ブロックをハウジングケースと一体的
に形成し、該係止爪ブロックの係止面にてカバー板の一
側縁における外側角部に当接させる一方、前記係止爪ブ
ロックと対峙する側には、前記カバー板の他側縁におけ
る外側角部をハウジングケースの表面に向かって押圧す
るための弾性係止片をハウジングケースと一体的に形成
したものである。

【００３６】従って、係止爪ブロック及び弾性係止片は
ハウジングケースと一体的に形成されているので、別部
品としてカバー板と共に係止爪ブロック等を成形するの
に比 べて、製造コストは廉価になる。また、係止爪ブロ
ック及び弾性係止片をカバー板と一体で成形する必要が
ないので、カバー板は光透過性があればガラスでも合成
樹脂のいずれでも良く、材料の制限が無くなるから、こ
れによっても製造コストを低減させることができるとい
う効果を奏する。そして、ハウジングケースの表面に対
して鋭角状に突出した係止爪ブロックの係止面がカバー
板の一側縁における外側角部に当接し、前記係止爪ブロ
ックと対峙する側の弾性係止片が、前記カバー板の他側
縁における外側角部をハウジングケースの表面に向かっ
て押圧するので、カバー体を広い表面で押すことなく、
しかも、両押圧方向（押圧ベクトル）を交叉させること
で少ない箇所で確実にカバー板をハウジングケースの表
面に密着させることができ、ハウジングケース内への埃
等の進入を防止できるという効果を奏する。

【００３７】さらに、請求項２記載の発明は、請求項１
記載の光学装置において、前記ハウジングケースの表面
には、前記カバー板の長手方向両端部を当該カバー板の
長手方向中途部より外向きに湾曲させるための規制部を
形成したものであるから、細長いカバー板を、その左右
両端部寄り部位の規制部でいわゆる２点支持させ、それ
より長手方向中央寄り部位を係止爪ブロックと弾性係止
片の組にて前記支持反力の作用方向と反対方向に押圧す
ることで、カバー板を、その長手方向中途部側がハウジ
ングケースの表面に密接するように弾性的に湾曲させる
ことができる。

【００３８】従って、本発明によれば、カバー板とハウ
ジングケース表面との間にシール材を介挿させることな
く簡単な構造でハウジングケースにおける窓孔を介して
埃等が侵入しなくなると言う効果を奏する。同様に、請
求項３記載の発明は、請求項２記載の光学装置におい
て、前記ハウジングケースにおける前記窓孔部外周の表
面を、前記カバー板の長手方向に沿ってその中途部が外
向き突出するように凸湾曲形成したものであるから、細
長いカバー板を、その左右両端部寄り部位で係止爪ブロ
ックと弾性係止片の組にて押圧力を加えると、カバー板
はそれ自身の弾性変形力により、ハウジングケースの表
面に沿うように湾曲変形して密接できることになる。従
って、本発明によっても、カバー板とハウジングケース
表面との間にシール材を介挿させることなく簡単な構造
でハウジングケースにおける窓孔を介して埃等が侵入し
なくなると言う効果を奏する。

【００３９】従って、以上全ての発明によれば、組立作
業を簡単化しつつ、且つ製造コストを低減できる光学装
置を提供することができるという効果を奏するのであ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】レーザプリンタの概略側断面図である。

【図２】走査光学装置の側断面図である。

【図３】図２の III−III 線矢視図である。

【図４】図２のIV−IV線矢視図である。

【図５】図４のＶ−Ｖ線矢視断面図である。

【図６】図４のVI−VI線矢視断面図である。

【図７】第１実施例の係止爪ブロックと弾性係止片とを
示す斜視図である。

【図８】第１実施例の要部平面図である。

【図９】図７のIX−IX線矢視拡大断面図である。

【図１０】図８のＸ−Ｘ線矢視断面図である。

【図１１】第２実施例の断面図である。

【図１２】第３実施例の断面図である。

【図１３】第４実施例の平面図である。

【符号の説明】

１ プリンタ ２ 本体ケース ７ 感光体ドラム ９ 画像形成ユニット １８ スキャナユニット ２０ レーザ発光部ユニット ２１ ｆθレンズ ２２ シリンドリカルレンズ ２３ 折り返し鏡 ２４ カバー板 ２５ 書き出し信号用鏡 ２６ ＢＤ検出センサ ２７ 回転多面鏡 ３０ ハウジングケース ３０ａ 天板 ３０ｂ 周囲側壁 ３４ 窓孔 ５０ 傾斜部 ５２，５８ 係止爪ブロック ５３ 弾性係止片 ５６，５７ 規制部

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ハウジングケースに、光ビームが通過す
   る窓孔と、該窓孔を覆う光透過性のカバー板を備えてな
   る光学装置において、 前記ハウジングケースの表面には、窓孔より外周位置
   に、前記表面に対して係止面が鋭角状に突出する係止爪
   ブロックをハウジングケースと一体的に形成し、該係止
   爪ブロックの係止面にてカバー板の一側縁における外側
   角部に当接させる一方、前記係止爪ブロックと対峙する
   側には、前記カバー板の他側縁における外側角部をハウ
   ジングケースの表面に向かって押圧するための弾性係止
   片をハウジングケースと一体的に形成したことを特徴と
   する光学装置。
2. 【請求項２】 前記ハウジングケースの表面には、前記
   カバー板の長手方向両端部を当該カバー板の長手方向中
   途部より外向きに湾曲させるための規制部を形成したこ
   とを特徴とする請求項１記載の光学装置。
3. 【請求項３】 前記ハウジングケースにおける前記窓孔
   部外周の表面を、前記カバー板の長手方向に沿ってその
   中途部が外向き突出するように凸湾曲形成したことを特
   徴とする請求項２記載の光学装置。