JP3074926B2 - 光学部品保持構造 - Google Patents

光学部品保持構造

Info

Publication number
JP3074926B2
JP3074926B2 JP10475592A JP10475592A JP3074926B2 JP 3074926 B2 JP3074926 B2 JP 3074926B2 JP 10475592 A JP10475592 A JP 10475592A JP 10475592 A JP10475592 A JP 10475592A JP 3074926 B2 JP3074926 B2 JP 3074926B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical component
cylindrical mirror
pressing
mirror
holding structure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP10475592A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05297261A (ja
Inventor
勝之 柳沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Fujifilm Business Innovation Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd, Fujifilm Business Innovation Corp filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP10475592A priority Critical patent/JP3074926B2/ja
Publication of JPH05297261A publication Critical patent/JPH05297261A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3074926B2 publication Critical patent/JP3074926B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Mounting And Adjusting Of Optical Elements (AREA)
  • Mechanical Optical Scanning Systems (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシリンドリカルミラー等
の光学部品を保持するための光学部品保持構造に係わ
り、詳細には例えばレーザプリンタの光学系に多く使用
されるシリンドリカルミラーのような細長い形状をした
光学部品を所定位置に保持するための光学部品保持構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】シリンドリカルミラーのようなある種の
光学部品は、高品位の画像を形成するためにレーザプリ
ンタ等の画像形成装置の所定位置に正確に位置決めされ
る必要がある。
【0003】図12は、このような光学部品が使用され
る画像形成装置の一例としてレーザプリンタの概要を表
わしたものである。このレーザプリンタ11は、ワーク
ステーションやコンピュータに代表されるプリンタ制御
装置12とケーブル13で接続されており、画像データ
の供給を受け、画像のプリントアウトを行うようになっ
ている。
【0004】このようなレーザプリンタ11の多くは一
定の速度で回転する感光体ドラム15を備えている。感
光体ドラム15の周囲には、ドラム表面を一様に帯電さ
せるためのチャージコロトロン16と、静電潜像の現像
を行う現像装置17と、現像によって得られたトナー像
を記録用紙18に転写するトランスファコロトロン19
と、転写後のドラム表面を除電するディスチャージコロ
トロン21と、ドラム表面に残留したトナーを除去する
ためのクリーニング装置22が備えられている。半導体
レーザ制御装置24は画像データに応じて半導体レーザ
25のオン・オフ制御(変調)を行うようになってい
る。半導体レーザ25から出力されるレーザビーム26
は、レンズ等からなる整形光学系27を経てポリゴンミ
ラー28に入射し、ここで反射された後、結像光学系2
9を経て感光体ドラム15上に結像するようになってい
る。
【0005】ポリゴンミラー28は、ポリゴンミラー駆
動モータ31によって高速回転しているので、これから
反射されたレーザビームは偏向され、チャージコロトロ
ン16と現像装置17の間のドラム表面をライン単位で
走査することになる。この結果として、感光体ドラム1
5の表面には画像データに対応した静電潜像が形成さ
れ、これが現像装置17によって現像されることにな
る。
【0006】半導体レーザ制御装置24は、このレーザ
プリンタ11の全体を制御するための装置制御部33に
よって制御される。このレーザプリンタ11の給紙系も
同様の制御を受ける。すなわち、カセットトレイ35に
収容された記録用紙18は、送りロール36によって1
枚ずつ送り出され、点線で示した経路を進行する。そし
て、まず感光体ドラム15とトランスファコロトロン1
9の間を通ってトナー像の転写を受け、1対のロールか
らなる定着装置37の間を通過して熱または圧力によっ
てトナー像の定着が行なわれる。このようにして得られ
た記録済みの記録用紙は排出ロール38から排出され、
排出トレイ39内に排出されるようになっている。
【0007】結像光学系29には、従来からfθレンズ
系が広く使用されている。fθレンズ系は、レーザビー
ム26を感光体ドラム15等の感光体に光スポットとし
て集光させる役割と、この光スポットを感光体表面で等
速で移動させるという2つの役割を持っている。このよ
うな結像光学系29はレーザビーム26の走査される面
と直交する面内において偏向点の位置と感光体上の位置
とがほぼ共役関係になるように構成されることが多く、
ポリゴンミラーの反射面の傾きを光学系で補正するため
の、いわゆる面倒れ補正光学系を構成している。
【0008】面倒れ補正光学系としては、従来からシリ
ンドリカルレンズやトーリック・レンズを用いたものが
知られている。しかしながら、シリンドリカルレンズを
使用した場合には良好な結像性能を得ることが困難であ
り、トーリック・レンズについてはその製造が非常に困
難であるという難点がある。そこで、シリンドリカルミ
ラーを用いた面倒れ補正光学系が多く採用されるに至っ
ている。
【0009】図13はこのような光学系の要部を表わし
たものである。この光学系ではポリゴンミラー28を反
射したレーザビームが第1のレンズ41と第2のレンズ
42を順に経た後、シリンドリカルミラー43に到達
し、ここで反射された後、感光体ドラム15等の走査面
の走査を行うようになっている。ここで第1のレンズ4
1と第2のレンズ42はfθレンズ系を構成している。
【0010】図14は、従来の光学系におけるシリンド
リカルミラーの保持構造の一例を表わしたものであり、
図15および図16は、図14に示したシリンドリカル
ミラーの保持構造を更に詳細に表わしたものである。図
15の方はミラー挿入口54側の保持構造を、また図1
6の方はミラー挿入口61側の保持構造をそれぞれ表わ
している。この保持構造では、1対の並設された固定プ
レート51、52の一方52側に回転支持プレート53
を回転自在に取りつけている。回転支持プレート53に
は、シリンドリカルミラー43のミラー挿入口54が開
設されている。ミラー挿入口54の縁部には、シリンド
リカルミラー43の反射面が2点支持される支持点5
6、57およびシリンドリカルミラー43の下側面が支
持される支持点58が形成されている。板バネ59はこ
れらの支持点56、57にシリンドリカルミラー43を
付勢している。他方の固定プレート51にもミラー挿入
口61が開設されている。ミラー挿入口61の縁部には
シリンドリカルミラー43の反射面が1点支持される支
持点62と、下側面が支持される支持点63が形成され
ており、板バネ64がこれらの支持点62にシリンドリ
カルミラー43を付勢するようになっている。シリンド
リカルミラー43は平面状のミラーと異なり鏡面がシリ
ンドリカルな形状となっているので母線の平行度を保つ
必要がある。そこで、シリンドリカルミラー43を下方
に押しつけその浮き上がりを防止するための板バネ65
(図15)、66(図16)が配置されている。
【0011】このような従来の保持構造では、回転支持
プレート53を適宜回転させるとシリンドリカルミラー
43の一端側(図で手前側)がこれに追従して回転す
る。また、シリンドリカルミラー43の他端側も支持点
62を回転支点として所定量回転し、これによってレー
ザビーム26に対する反射角の調整が行われる。
【0012】
【0013】ところで、図15に示した保持構造で回転
支持プレート53を点線から実線で示した位置に回転さ
せたとする。これにより、図16に示したようにシリン
ドリカルミラー43の他端側も点線で示す位置から実線
で示す位置に回転移動する。このとき、シリンドリカル
ミラー43の他端側の下側面が支持点63から量Δだけ
浮いてしまうと仮定する。板バネ66はシリンドリカル
ミラー43を下側に付勢する。
【0014】図17は、この状態を表わしたものであ
る。板バネ66の付勢力によってシリンドリカルミラー
43の他端側の下側面が支持突起63に当接するまで下
方に移動する。これにより、シリンドリカルミラー43
の他端側の母線が量Δだけ下方に変位してしまう。これ
はシリンドリカルミラー43の母線が傾くという現象を
発生させる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】図18および図19
は、シリンドリカルミラーの母線が傾く場合の2つの代
表的な様子を表わしたものである。これらの図で、半導
体レーザ25から射出されたレーザビームは整形光学系
27および第1の平面ミラー71を経てポリゴンミラー
28に到達し反射される。このようにして画像信号の1
ラインごとに偏向したレーザビームはfθレンズ系を構
成する第1のレンズ41および第2のレンズ42を順に
通過した後、第2の平面ミラー73によって図で上方に
進路を変更され、シリンドリカルミラー43によって感
光体ドラム15方向に反射される。そして、これら光学
系を収容した図示しない筐体の透明な防塵ウィンドウ7
4を経て感光体ドラム15上に結像し、ライン76を繰
り返し走査することになる。
【0016】このような画像形成装置で、シリンドリカ
ルミラー43がそのミラー面(反射面)に沿って図18
の矢印77、78で示したように所定量回転したような
状態で固定されたものとする。この場合には、図20で
破線で示した正規の走査ラインに対して実線で示したよ
うな走査が行われる。すなわち、走査ラインの左端位置
で間隔αだけ走査ラインが副走査方向にずれ、右端位置
で間隔βだけこの副走査方向と反対方向にずれる。この
場合、スキュー(直角度誤差)はα+βとなり、画像が
副走査方向に最大でこの量だけ歪むことになる。このよ
うなスキューはシリンドリカルミラー43を含んだ光学
系特有の現象であり、この種の光学系には特に配慮が必
要となる。
【0017】これに対して、図19に示したようにシリ
ンドリカルミラー43の一端(図で左端)が固定された
状態で他端(図で右端)が矢印81で示したようにミラ
ー面の方向に所定量移動したものとする。この場合に
は、シリンドリカルミラー43の左端近傍で反射された
レーザビームの光路長と右端近傍で反射されたレーザビ
ームの光路長が等しくなくなる。
【0018】図21は、この後者の例における画像の歪
みの様子を表わしたものである。破線で示した間隔xが
主走査方向における理想的な単位長であるとすると、実
線で示した間隔(x+Δ1 )が走査ラインの左端近傍に
おけるこれに対応する長さであり、間隔(x+Δ2 )が
走査ラインの右端近傍におけるこれに対応する長さであ
る。この場合、これら間隔の差(Δ2 −Δ1 )が主走査
方向における倍率の偏りとなる。すなわち、この例では
画像が走査ラインの右端に近づくほど主走査方向に拡大
されて記録されるといった歪みが現われる。なお、図2
1に示した例の場合にもスキューが同様に発生するが、
説明を簡単にするために図示を省略している。
【0019】図22は、シリンドリカルミラーの母線の
傾きに起因するこのような画像の歪みを防止するために
行われた提案を表わしたものである。この提案では、1
対の並設された固定フレーム91、92にそれぞれシリ
ンドリカルミラー43の母線に平行な回転中心93、9
4を持った回転支持部材95、96を回転自在に取りつ
けている。一方の回転支持部材95のミラー挿入口97
には、シリンドリカルミラー43の反射面が2点で支持
される支持突起98、99と、この反射面と直交する下
側面が1点で支持される支持突起101が形成されてい
る。弾性部材102は、これらの支持突起98、99、
101に対してシリンドリカルミラー43の各支持対象
面を押圧するようになっている。
【0020】他方の回転支持部材96のミラー挿入口1
04には、シリンドリカルミラー43の反射面が1点で
支持される支持突起105と、この反射面と直交する下
側面が1点で支持される支持突起106が形成されてい
る。弾性部材107は、これらの支持突起105、10
6に対してシリンドリカルミラー43の各支持対象面を
押圧するようになっている。
【0021】このような従来提案されたシリンドリカル
ミラーの保持構造では、一方の回転支持部材95を所望
の角度位置まで回転させた後に固着部材108によって
これを固定フレーム91に固定する。そして、この後に
シリンドリカルミラー43の母線が基準線に対して傾斜
しているかどうかを調べて、傾斜している場合には他方
の回転支持部材96を微小に回転させて母線を基準線に
一致させる。そして、この状態で固着部材109によっ
て他方の回転支持部材96を固定フレーム92に固定す
る。
【0022】しかしながら、この提案された保持構造で
は2つの回転支持部材95、96を有し、構造が複雑に
なるばかりでなく、固着部材108、109で順次これ
らの回転支持部材95、96を対応する固定フレーム9
1、92に固定する必要があり、作業が面倒になるとい
った問題があった。また、固着部材108、109によ
る固着が不完全に行われた場合には、画像形成装置の組
み立ての際や運転時の振動や衝撃によってシリンドリカ
ルミラー43が浮いた状態となり、この結果としてミラ
ーの母線の傾きや反射面の傾きが発生し、図20および
図21で説明したようにこれに伴ってスキューや倍率の
歪みが発生するといった問題があった。なお、以上の説
明ではシリンドリカルミラー43の保持構造を例に挙げ
て説明したが、光学レンズの保持構造等の他の光学部品
保持構造についても共通の問題があった。
【0023】そこで本発明の目的は、シリンドリカルミ
ラー等の光学部品に衝撃が加わったような場合でも、そ
の母線が基準線に対して傾くおそれのない光学部品保持
構造を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、シリンドリカルミラーの回転方向(光軸と平行)の
調整はこのシリンドリカルミラーと結像光学系の間に配
置されたミラーで行ってシリンドリカルミラー自体は無
調整であることを前提とした光学系において、長手方向
に母線をもち両端部の断面がほぼ矩形状をしたシリンド
リカルミラー等の光学部品と、この光学部品のそれぞれ
の端部において1つの面とこれとほぼ直角をなす他の1
つの面とにそれぞれ個別に接触する接触部を有する光学
フレーム等の不動部材と、光学部品の一端においてその
端部の矩形を構成する4つの面のうちの前記した不動部
材と接触していない2つの面をそれぞれ個別に押圧する
第1の押圧手段と、光学部品の他端においてその端部の
矩形を構成する4つの面のうちの前記した不動部材と接
触していない2つの面をそれぞれ個別に押圧する第2の
押圧手段と、第1の押圧手段を配置した第1の部材上に
配置され第1の押圧手段の押圧に対する光学部品の2つ
の反力の偶力方向延長線上で第1の部材を前記不動部材
と係止させる第1の係止手段と、第2の押圧手段を配置
した第2の部材上に配置され第2の押圧手段の押圧に対
する前記光学部品の2つの反力の偶力方向延長線上で第
2の部材を前記不動部材と係止させる第2の係止手段と
を光学部品保持構造として具備させる。
【0025】すなわち請求項1記載の発明では、例えば
シリンドリカルミラーの両端でそれぞれ2つの面を光学
フレームに載置し、残りの2面、すなわち端部の矩形を
構成する4つの面のうちの前記した不動部材と接触して
いない2面を押圧手段で光学フレーム側に押圧するよう
にする。この押圧によって生じるシリンドリカルミラー
側の2つの反力の偶力方向延長線上には押圧手段を取り
つけた部材上に抜け止め等の係止手段を配置しておく。
この係止手段で第1および第2の部材を光学フレームに
係止させることで、押圧手段による押圧力を保持させる
と共に、この例ではシリンドリカルミラーを所定の位置
にバランス良く保持し、母線が基準線に対して傾かない
ようにしている。
【0026】請求項2記載の発明では、例えばシリンド
リカルミラーのミラー面がフレーム本体と3点で接触す
るようにして、安定した保持を実現している。
【0027】請求項3記載の発明では、第1および第2
の部材が抜けどめを中心に揺動自在に配置されているこ
とでそれぞれの押圧手段による押圧がバランスよく行わ
れるようにしている。
【0028】
【実施例】以下実施例につき本発明を詳細に説明する。
【0029】図2は本発明の一実施例の光学部品保持構
造を使用した画像形成装置の要部を表わしたものであ
る。この図で図18等と同一部分には同一の符号を付し
ており、これらの説明を適宜省略する。この画像形成装
置では、シリンドリカルミラー43を初めとした各種の
光学部品および感光体ドラム15はプラスチック製の
学フレーム111に収められている。また、この実施例
でシリンドリカルレンズから構成される第2のレンズ4
2から出たレーザビームの一部で感光体ドラム15に到
達するビームよりも更に外側に偏向されたビームは平面
ミラー112によって反射され、SOSセンサ113に
よって検出されるようになっている。ここでSOSセン
サ113は、各走査ラインにおける画像信号のスタート
位置を検出するためのセンサである。
【0030】図1は、本実施例でシリンドリカルミラー
の保持を行うための保持構造の概略を表わしたものであ
る。画像形成装置の光学フレーム111はPC(ポリカ
ーボネート)で作られており、その側面には突き当て部
122が突設されている。この突き当て部122の基部
には、所定の厚さの板材が上下方向に挿通するように保
持部材挿入孔123が穿たれている。突き当て部122
にはコの字を時計方向に90度回転させた断面形状の溝
124が切られており、その両側壁上部はそれぞれ45
度の角度で外方に向かって切断され、互いに直交する基
準面125、126を構成している。ガラスから成るシ
リンドリカルミラー43の一方の端部は、そのミラー面
128の一方の端部が第1の基準面125と接触し、下
側に配置されたこれと直交する他の面129が第2の基
準面126と接触するように突き当て部122上に載置
されるようになっている。
【0031】この状態で、SUS(ステンレススチー
ル)から成る保持部材131の細長い板状の挿入部13
2を、これよりも幅の広い保持部材挿入孔123に挿入
する。そして、挿入部132の上側に左右に張り出した
押圧部134、135を、シリンドリカルミラー43の
上部の2つの面136、137にそれぞれ押しつけるこ
とで、シリンドリカルミラー43の一方の端部における
保持が行われるようになっている。
【0032】図3は、シリンドリカルミラーの一方の端
部が光学フレームに保持された状態を表わしたものであ
る。また、図4(A)はこのときのこの端部を他方の端
部側から見たものであり、同図(B)はこのK−K断面
図である。図1〜図3から分かるように、挿入部132
圧部134、135による反発力に抗して、保持部
材挿入孔123に挿入され、挿入部132の先端近傍を
逆U字状に切って折り返した構造からなる係止手段13
8が、その出っ張った先端部分を突き当て部122の底
面に係止されると、シリンドリカルミラー43の固定が
終了する。このとき、圧部134は面136を押すこ
とで、図1に示したようにこれと対向した面129を第
2の基準面126に圧接させる。圧部135はこれと
直交した面137を押すことで、この面137と対向し
たミラー面128を第1の基準面125に圧接させるこ
とになる。
【0033】図5は、シリンドリカルミラーの他方の端
部が取り付けられた状態を表わしたものであり、図4
(A)に対応するものである。図4(A)と実質的に同
一部分には同一符号にダッシュ(′)を付している。こ
のようにシリンドリカルミラー43の他方を保持する機
構は図4(A)と実質的に同一であるが、ミラー面12
8と接触する第1の基準面125に対応する面が第1A
の基準面125Aと第1Bの基準面125Bの2つの基
準面で構成されている点が相違する。
【0034】図1に示した一方の端部における保持部材
挿入孔123の幅は挿入部132のそれよりも十分広く
なっている。他方の端部についても同様である。このた
め、それぞれの端部で、保持部材131、131´は
止手段138、138´を中心として回動自在になって
いる。この状態で、ミラー面128は合計3面(点)1
25、125A、125Bで支持されることになる。保
持部材131、131´については、それぞれ2か所の
圧部134、135、134´、135´の偶力方向
延長線上に係止手段138、138´が配置されてい
る。したがって、これらの圧部134、135、13
4´、135´に押圧力のばらつきがあっても保持部材
131、131´はそれぞれ圧部の押圧力のバランス
のとれた位置に回動し、シリンドリカルミラー43は常
に所定位置に配置されることになる。
【0035】図6〜図9は、シリンドリカルミラーの一
方の端部にかかる力を説明するためのものである。この
うち図6は、シリンドリカルミラー43が保持部材13
1で固定された状態を表わしている。圧部による力F
1、F2によってシリンドリカルミラー43が押さえつけ
られており、バランスがとれている。
【0036】図7は、シリンドリカルミラー43がミラ
ー面128あるいはこれと直交する面と平行にずれた場
合を説明するためのものである。図で点線はミラー面1
28と平行にずれた場合を示している。この例では、第
1の圧部側の力F1(図6)は、変形分だけ増加して
力F´に変化する。この状態で、シリンドリカルミラー
43の戻りを妨害するために第1の基準面125とミラ
ー面との間で発生する力をR1とする。このとき、力R1
は次の(1)式で表わすことができる。
【0037】
【数1】R1 =μ1 1 …(1)
【0038】ただし、μ1 はシリンドリカルミラー43
のミラー面128と第1の基準面125との間の摩擦係
数であり、N1 は第1の基準面125に発生する単位面
積当たりの力F2 に対する反力である。力F2 の作用す
る箇所はまさに点であり、したがってN1 はF2 /20
程度になる。また、本実施例では摩擦係数μ1 は0.3以
下となっている。したがって、これらの大小関係は
(2)式で示した通りとなる。
【0039】
【数2】 R1 =0.3 ×0.05F2 =0.015 F2 ≪F2 <F1 ′ …(2)
【0040】また、シリンドリカルミラー43と圧部
が量iだけ移動するために発生するミラーの戻りを妨害
する力Riは、次の(3)式で表わすことができる。
【0041】
【数3】 Ri =μ2 2 …(3)
【0042】だだし、μ2はシリンドリカルミラー43
圧部との間の摩擦係数であり、これは本実施例では
0.2以下となっている。これ故、力Riと力F1、F1´の
関係は次の(4)式の通りとなる。
【0043】
【数4】 Ri =0.2 F2 <F1 <F1 ′ …(4)
【0044】力Ri は十分小さい。このため、次の
(5)式で示す関係が成立する。
【0045】
【数5】 R1 +Ri =0.215 F2 ≪F1 ′ …(5)
【0046】この結果として、シリンドリカルミラー4
3は元の位置に戻ることになる。
【0047】図8は、シリンドリカルミラー43が回転
した場合を従来の保持構造として説明するためのもので
ある。シリンドリカルミラー43が点線で示した状態か
ら実線で示した状態に回転したとする。この図で量Aは
基準面125と同一方向の移動量であり、量Gはこれと
直交する方向の移動量である。また量bおよびdはそれ
ぞれ押圧力の作用する位置のずれ量を表わしている。
【0048】この構造では、図7で説明したと同様に、
シリンドリカルミラー43の戻りを妨害する力R1
(=μ1 2 )、Rd (=μ2 2 ′)の他に、R
b (μ2 1 ′′)とR2 (=μ1 3 )が加わる。シ
リンドリカルミラー43と第1の基準面125の接触面
が小さくなっているために、反力N2 、N3 は、図7の
場合に比べると大きくなる。ただし、力Fは点として作
用し、力Rは線として作用するので、反力N2 は例えば
力F2 ′/5程度となり、これよりも力F2 ′が大きく
なる。また、反力N3 は力F1 ′′/5よりも力
1 ′′の方が大きい。この場合、力R1 ′は0.3×
0.2×F2 ′=0.06F2 ′に、Rd は0.2×F
2 ′に、Rb は0.2×F1 ′′に、またR2 は0.3
×0.2×F1 ′′=0.06F1 ′′にそれぞれな
る。このときの力の関係をみると、戻りを妨害する力に
関してはR1 ′+R2 +Rb +Rd が0.26F1 ′′
+0.26F2 ′である。戻そうとする力はF1 ′′+
2 ′なので、F1 ′′+F2 ′の方が0.26
1 ′′+0.26F2 ′よりも大きくなる。しかし図
7の場合と比べるとシリンドリカルミラー43は元の位
置にはるかに戻りにくく、摩擦係数μや反力Nによって
は元の位置に戻れない場合も発生する。
【0049】図9は、シリンドリカルミラー43が回転
した場合を本実施例の保持構造として説明するためのも
のである。量E、G、f、hはそれぞれ図8の量A、
G、b、dに対応している。本実施例ではすでに説明し
たように保持部材131(図1)が係止手段138(図
1)を中心として回動自在になっている。このため、シ
リンドリカルミラー43と保持部材131の圧部13
4、135の接触点の移動量f、hを小さくすることが
できる。しかも圧部134、135がねじれ方向にも
ある程度自由度を持っているため、これら移動量f、h
を事実上無視することができる。
【0050】すなわち、シリンドリカルミラー43の戻
りを妨害する力はR1 ′′(=μ14 =0.3×0.
2F2 ′′)とR2 ′(=μ1 5 =0.3×0.2F
1 ′′′)の2つだけとなり、μ1 が0.3以下となっ
ており、反力N4 が力F2 ′′の5分の1程度であり、
同様に反力N5 が力F3 ′′′の5分の1程度であると
いう条件から次の(6)式で示す関係が成立する。
【0051】
【数6】 R1 ′′+R2 ′<<F2 ′′+F1 ′′′ 0.06(F2 ′′+F1 ′′′)<<F2 ′′+F1 ′′′ …(6)
【0052】これ故、シリンドリカルミラー43は確実
に元の位置に戻ることになる。
【0053】変形例
【0054】以上説明した実施例ではシリンドリカルミ
ラー43の保持構造について説明したが、両端部の断面
がほぼ矩形状の他の光学部品についても本発明を同様に
適用することが可能である。
【0055】図10および図11は、シリンドリカルミ
ラー代わりに長手方向に母線を持つシリンドリカル面を
含むレンズを保持する光学部品保持構造を表わしたもの
である。このうち図10は、シリンドリカル面を含むレ
ンズ141の一方の端部を圧部142、143で2つ
の方向から押圧し保持している状態を表わしている。ま
た、図11は、これらの圧部142、143を配置し
た保持部材144の係止手段145が光学フレーム14
6部の所定位置に係止され、シリンドリカル面を含むレ
ンズ141を保持している状態を表わしている。
【0056】この変形例の場合にも、係止手段145が
シリンドリカルレンズ141側の2つの反力の偶力方向
延長線上に配置されている。したがって、先の実施例と
同様に母線を基準線に対して常に一致させることができ
る。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
によれば、シリンドリカルミラー等の光学部品を押圧手
段の押圧によってバランスよく保持するようにしている
ので、画像形成装置になんらかの衝撃が加わって光学部
品が一時的にその位置を移動させたような場合でも元の
位置に戻ることができ、画像の歪みの発生を防止するこ
とができる。
【0058】また、請求項2記載の発明によれば、ミラ
ー面等の光学系の配置に重要な面を3点で保持すること
にしたので、保持状態が安定し、母線の位置が変動する
といった事態の発生を防止することができる。
【0059】更に請求項3記載の発明によれば、係止手
段を使用したので、光学部品の取付作業が簡単迅速とな
るといる効果がある。また、係止手段を中心として部材
が揺動自在に配置されているので、2つの押圧手段の押
圧力が等しくなくても光学部品をバランスよく保持する
ことができ、部品の歩留りが良く、画像形成装置のコス
トダウンを図ることができるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例でシリンドリカルミラーの
保持を行うための保持構造の分解状態を表わした斜視図
である。
【図2】 本実施例の光学部品保持構造を使用した画像
形成装置の要部を表わした斜視図である。
【図3】 本実施例でシリンドリカルミラーの一方の端
部が本体シャーシ部に保持された状態を表わした斜視図
である。
【図4】 同図(A)は本実施例でシリンドリカルミラ
ーの一方の端部を他方の端部側から見た平面図であり、
同図(B)はK−K断面図である。
【図5】 本実施例でシリンドリカルミラーの他方の端
部が取り付けられた状態を表わした平面図である。
【図6】 本実施例でシリンドリカルミラーが保持部材
で固定された状態を表わした説明図である。
【図7】 本実施例でシリンドリカルミラーがミラー面
と平行にずれた場合を表わした説明図である。
【図8】 従来においてシリンドリカルミラーが回転し
た場合を参考的に説明するための説明図である。
【図9】 本実施例でシリンドリカルミラーが回転した
場合を表わした説明図である。
【図10】 本発明の変形例でシリンドリカル面を含む
レンズの一端を保持した状態を示した斜視図である。
【図11】 この変形例でシリンドリカル面を含むレン
ズが保持部材によって固定された状態を表わした側面図
である。
【図12】 画像形成装置の一例としてレーザプリンタ
の概要を表わした概略構成図である。
【図13】 シリンドリカルミラーを面倒れの補正に使
用した光学系の要部を示す断面図である。
【図14】 従来の光学系におけるシリンドリカルミラ
ーの保持構造の一例を表わした要部斜視図である。
【図15】 図14に示したシリンドリカルミラーの保
持構造の一端側を表わした説明図である。
【図16】 図14に示したシリンドリカルミラーの保
持構造の他端側を表わした説明図である。
【図17】 図14に示した保持構造で回転支持プレー
トを回転させた場合の図16に示した状態からの変化を
表わした説明図である。
【図18】 シリンドリカルミラーがミラー面にそって
回転した場合の結像状態を説明するためのレーザビーム
光学系を示した説明図である。
【図19】 シリンドリカルミラーがミラー面の方向に
移動した場合の結像状態を説明するためのレーザビーム
光学系を示した説明図である。
【図20】 図18に示した光学系における画像の歪み
の様子を表わした説明図である。
【図21】 図19に示した光学系における画像の歪み
の様子を表わした説明図である。
【図22】 従来提案されたシリンドリカルミラーにつ
いての保持構造の原理を示す説明図である。
【符号の説明】
43…シリンドリカルミラー(光学部品)、111、1
46…光学フレーム、122…突き当て部、125、1
26…基準面、125A…第1Aの基準面、125B…
第1Bの基準面、131、131´、144…保持部
材、132…挿入部、134、134´、135、13
5´、142、143…押圧部、138、138´、1
45…係止手段、141…シリンドリカル面を含むレン

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長手方向に母線をもち両端部の断面がほ
    ぼ矩形状をした光学部品と、 この光学部品のそれぞれの端部において1つの面とこれ
    とほぼ直角をなす他の1つの面とにそれぞれ個別に接触
    する接触部を有する不動部材と、 前記光学部品の一端においてその端部の矩形を構成する
    4つの面のうちの前記不動部材と接触していない2つの
    面をそれぞれ個別に押圧する第1の押圧手段と、 前記光学部品の他端においてその端部の矩形を構成する
    4つの面のうちの前記不動部材と接触していない2つの
    面をそれぞれ個別に押圧する第2の押圧手段と、 前記第1の押圧手段を配置した第1の部材上に配置され
    第1の押圧手段の押圧に対する前記光学部品の2つの反
    力の偶力方向延長線上で第1の部材を前記不動部材と係
    止させる第1の係止手段と、 前記第2の押圧手段を配置した第2の部材上に配置され
    第2の押圧手段の押圧に対する前記光学部品の2つの反
    力の偶力方向延長線上で第2の部材を前記不動部材と係
    止させる第2の係止手段とを具備することを特徴とする
    光学部品保持構造。
  2. 【請求項2】 前記不動部材の接触部は光学部品の特定
    の1つの面と3点で接触することを特徴とする請求項1
    記載の光学部品保持構造。
  3. 【請求項3】 前記第1および第2の係止手段は前記第
    1および第2の押圧手段が光学部品を押圧した状態を保
    持するための抜けどめであり、これら抜けどめを中心に
    前記第1および第2の部材が揺動自在に配置されている
    ことを特徴とする請求項1記載の光学部品保持構造。
JP10475592A 1992-04-23 1992-04-23 光学部品保持構造 Expired - Fee Related JP3074926B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10475592A JP3074926B2 (ja) 1992-04-23 1992-04-23 光学部品保持構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10475592A JP3074926B2 (ja) 1992-04-23 1992-04-23 光学部品保持構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05297261A JPH05297261A (ja) 1993-11-12
JP3074926B2 true JP3074926B2 (ja) 2000-08-07

Family

ID=14389310

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10475592A Expired - Fee Related JP3074926B2 (ja) 1992-04-23 1992-04-23 光学部品保持構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3074926B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6227050B1 (en) 1992-08-21 2001-05-08 Nippondense Co., Ltd. Semiconductor mechanical sensor and method of manufacture

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4661024B2 (ja) * 2003-03-24 2011-03-30 富士ゼロックス株式会社 光走査装置及び画像形成装置
JP6541831B2 (ja) * 2018-04-19 2019-07-10 キヤノン株式会社 走査光学装置及びそれを備えた画像形成装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6227050B1 (en) 1992-08-21 2001-05-08 Nippondense Co., Ltd. Semiconductor mechanical sensor and method of manufacture
US6422078B2 (en) 1992-08-21 2002-07-23 Denso Corporation Semiconductor mechanical sensor
US6463803B2 (en) 1992-08-21 2002-10-15 Nippon Denso Co., Ltd. Semiconductor mechanical sensor
US6550331B2 (en) 1992-08-21 2003-04-22 Denso Corporation Semiconductor mechanical sensor
US7685877B2 (en) 1992-08-21 2010-03-30 Denso Corporation Semiconductor mechanical sensor

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05297261A (ja) 1993-11-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7301554B2 (en) Light scanning device, scanning line adjusting method, scanning line adjusting control method, image forming apparatus, and image forming method
US8031362B2 (en) Optical scanning device, image forming apparatus, and liquid crystal element
US6965466B2 (en) Light scanner, multibeam scanner, and image forming apparatus using the same
KR100477495B1 (ko) 광-주사 광학 시스템 및 이를 포함한 이미지-형성 장치
JP5075616B2 (ja) 画像形成装置
US8120823B2 (en) Optical beam scanning apparatus, image forming apparatus
JP3111515B2 (ja) 走査光学装置
US7116457B2 (en) Optical scanning apparatus and image forming apparatus
JP4799138B2 (ja) 光学部品固定機構、光走査装置、及び画像形成装置
JP3074926B2 (ja) 光学部品保持構造
JP2004287380A (ja) 光走査装置、走査線補正方法、走査線補正制御方法、画像形成装置および画像形成方法
US6757088B2 (en) Laser scanning unit
JP2002023091A (ja) 走査光学装置
JP5153586B2 (ja) 光学走査装置
JP3077379B2 (ja) シリンドリカルレンズ保持構造
JPH0720399A (ja) ラスタスキャナ
JP3789770B2 (ja) 光走査装置及び画像形成装置
JP2806401B2 (ja) ラスタ走査装置の反射ミラー支持構造
JP2004102133A (ja) 光走査装置および画像形成装置
JP4979081B2 (ja) 光走査装置
JP2004301971A (ja) 光走査装置
JP4340558B2 (ja) 光走査装置及び画像形成装置
JP2583154B2 (ja) 光学系のミラー保持装置
JPH09197234A (ja) ミラーの取付構造
JPH05196855A (ja) 光走査装置の反射ミラーの防振構造

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090609

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees