JP3077379B2 - シリンドリカルレンズ保持構造 - Google Patents

シリンドリカルレンズ保持構造

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JP3077379B2
JP3077379B2 JP04116108A JP11610892A JP3077379B2 JP 3077379 B2 JP3077379 B2 JP 3077379B2 JP 04116108 A JP04116108 A JP 04116108A JP 11610892 A JP11610892 A JP 11610892A JP 3077379 B2 JP3077379 B2 JP 3077379B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシリンドリカルレンズを
画像形成装置の所定位置に保持するためのシリンドリカ
ルレンズ保持構造に係わり、詳細には樹脂で一体成形さ
れたシリンドリカルレンズとしての機能を持ったレンズ
部品を装置の所定位置に保持するためのシリンドリカル
レンズ保持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】ある種のプリンタや複写機等の画像形成
装置では、レーザビームを用いて感光体上に画像をラス
タスキャンして静電潜像を形成するようになっている。
このような装置では、シリンドリカルレンズを用いてレ
ーザビームを整形してポリゴンミラー等の偏向手段に入
射させることが一般に行われている。
【0003】図13は、このようなシリンドリカルレン
ズが使用される画像形成装置の一例としてレーザプリン
タの概要を表わしたものである。このレーザプリンタ1
1は、ワークステーションやコンピュータに代表される
プリンタ制御装置12とケーブル13で接続されてお
り、画像データの供給を受け、画像のプリントアウトを
行うようになっている。
【0004】レーザプリンタ11の多くは、一定の速度
で回転する感光体ドラム15を備えている。感光体ドラ
ム15の周囲には、ドラム表面を一様に帯電させるため
のチャージコロトロン16と、静電潜像の現像を行う現
像装置17と、現像によって得られたトナー像を記録用
紙18に転写するトランスファコロトロン19と、転写
後のドラム表面を除電するディスチャージコロトロン2
1と、ドラム表面に残留したトナーを除去するためのク
リーニング装置22が備えられている。半導体レーザ制
御装置24は画像データに応じて半導体レーザ25のオ
ン・オフ制御(変調)を行うようになっている。半導体
レーザ25から出力されるレーザビーム26は、レンズ
等からなる整形光学系27を経てポリゴンミラー28に
入射し、ここで反射された後、結像光学系29を経て感
光体ドラム15上に結像するようになっている。
【0005】ポリゴンミラー28は、ポリゴンミラー駆
動モータ31によって高速回転しているので、これから
反射されたレーザビームは偏向され、チャージコロトロ
ン16と現像装置17の間のドラム表面をライン単位で
走査することになる。この結果として、感光体ドラム1
5の表面には画像データに対応した静電潜像が形成さ
れ、これが現像装置17によって現像されることにな
る。
【0006】半導体レーザ制御装置24は、このレーザ
プリンタ11の全体を制御するための装置制御部33に
よって制御される。このレーザプリンタ11の給紙系も
同様の制御を受ける。すなわち、カセットトレイ35に
収容された記録用紙18は、送りロール36によって1
枚ずつ送り出され、点線で示した経路を進行する。そし
て、まず感光体ドラム15とトランスファコロトロン1
9の間を通ってトナー像の転写を受け、1対のロールか
らなる定着装置37の間を通過して熱または圧力によっ
てトナー像の定着が行われる。このようにして得られた
記録済みの記録用紙は排出ロール38から排出され、排
出トレイ39内に排出されるようになっている。
【0007】図14は、このような装置の光学系の部分
を具体的に表わしたものである。図13と同一部分には
同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略す
る。この装置で半導体レーザ25は図示しない変調手段
によって画像信号に応じてオン・オフ制御されるように
なっている。半導体レーザ25から射出された発散光束
としてのレーザビームは、コリメータレンズ41により
ほぼ平行な光束となり、開口絞り42によって整形され
る。整形後のレーザビームは、本発明の保持構造の対象
となるシリンドリカルレンズ43を通過し、第1の平面
ミラー44によって反射された後、ポリゴンミラー28
に入射するようになっている。ポリゴンミラー28は矢
印方向に等角速度で回転しており、レーザビームを画像
信号のそれぞれのラインに対応させて繰り返し偏向する
ようになっている。
【0008】偏向されたレーザビームはfθレンズ系4
5と第2の平面ミラー46、シリンドリカルミラー47
および防塵用ウィンドウ48を経て感光体ドラム15上
に結像する。ここでfθレンズ系45は、第1のレンズ
451 と第2のレンズ452によって構成されている。
また、防塵用ウィンドウ48は交換可能な感光体ドラム
15以外の部分を1つの密閉した筐体(図示せず)内に
収めたことにより必要とされるものであり、レーザビー
ムをこの筐体から感光体ドラム15へ導くための透明な
ガラス板によって構成されている。防塵用ウィンドウ4
8は偏向されたレーザビームが形成する平面に対して5
ないし6度以上傾けることで、ウィンドウ内でのこのレ
ーザビームの多重干渉を防止することができる。
【0009】結像により感光体ドラム15上に生ずるレ
ーザビームのスポットは、fθレンズ系45の作用によ
ってドラム表面を矢印49で示したようにドラム軸方向
(主走査方向)にほぼ等速で移動する。このようにして
1ライン分の走査が行われたら、ポリゴンミラー28の
次の面によるレーザビームの偏向により、次の1ライン
分の走査が行われることになる。以下同様である。
【0010】なお、このような走査が行われる際のこれ
らのラインにおける画像の記録が行われる最初の位置を
設定するために、光走査装置にはSOS(Start of Sca
n )センサ51が配置されている。SOSセンサ51に
は、fθレンズ系45を経て第3の平面ミラー52によ
って反射されたレーザビームが入射するようになってお
り、これから所定時間経過した時点でそれぞれのライン
についての画像信号の変調が開始されるようになってい
る。
【0011】図15は、既に知られたシリンドリカルレ
ンズ保持構造を表わしたものである。実願昭57−16
5620号(実開昭59−71305号公報)に記載さ
れたこのシリンドリカルレンズ保持構造では、シリンド
リカルレンズ43をほぼ円形の内ホルダ部61に保持さ
せ、この内ホルダ部61を固定の外ホルダ部62に回転
調整可能な状態で取りつけている。すなわち、シリンド
リカルレンズ43を光軸がその中心に一致するように内
ホルダ部61に固定し、光軸を中心に回転できる外ホル
ダ部62を所望の位置まで回転させた後、円弧状スロッ
ト63から内ホルダ部61のねじ孔に固定用ねじ64を
3か所で軽くねじ込んで仮止めする。
【0012】そして、次に外ホルダ部62の上部に垂直
方向に形成したねじ孔64から、あらかじめ軽くねじ込
まれていた調整ねじ66をねじ込んで内ホルダ部61の
位置を調整するようになっている。このようにしてシリ
ンドリカルレンズ43の中心とその対称軸を光学系の光
軸に合わせた後、固定用ねじ64を完全に締めつけるこ
とでシリンドリカルレンズ43の取り付けが完了する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のシリ
ンドリカルレンズ保持構造では、シリンドリカルレンズ
43の複雑な調整が必要であるばかりでなく、一度調整
を終了させた後も、何らかの原因で機械的な衝撃が加わ
るとレンズが回転しその母線の傾きが発生することにな
った。
【0014】図16は、シリンドリカルレンズの母線が
傾いた場合の画像に対する影響を説明するためのもので
ある。図(A)は半導体レーザ25から出力されたレー
ザビームを副走査方向上方から見た状態を表わしたもの
であり、同図(B)は主走査方向上方から見た状態を表
わしたものである。この例ではポリゴンミラー28の各
面に対する倒れ補正光学系が採用されているので、これ
ら2つの方向で光学系は異なっている。同図(C)は、
シリンドリカルレンズ43の母線に傾きがない場合とあ
る場合のそれぞれについての感光体ドラム15上のビー
ム径を拡大して表わしたものである。
【0015】図(C)で実線で表わした楕円68は母線
に傾きがない場合のビーム径を示しており、点線で表わ
した楕円69は角度θだけ母線に傾きが生じた場合のビ
ーム径を示している。このように母線に傾きが発生した
場合には、主走査方向のビーム径について長さAがA+
α(ただしα>0)となり、副走査方向のビーム径につ
いては長さBがB+β(ただしβ>0)となり、径が増
大する。この結果として画像の鮮明度が低下するといっ
た問題を発生させる。
【0016】そこで本発明の目的は、母線に傾きを生じ
させることなくシリンドリカルレンズを簡単かつ確実に
保持することのできるシリンドリカルレンズ保持構造を
提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、(イ)シリンドリカルレンズを一部に有する樹脂成
形品であって、シリンドリカルレンズの表面で最も肉厚
となった直線状の部位とこのレンズの光軸とを含んだ平
面と平行な面からなる底面と、シリンドリカルレンズの
一方の面の周囲に円筒フランジを突出させ、この円筒フ
ランジの円筒部分の2箇所が前記した底面に垂直でレン
ズの光軸を含んだ平面に対して面対称な2つの傾斜面を
形成したレンズ部品と、(ロ)前記した底面と面接触し
シリンドリカルレンズの副走査方向の位置決めを行う副
走査方向基準面を備えた副走査方向基準面用固定部材
と、(ハ)レンズの光軸に対して垂直な光軸方向基準面
を備えた光軸方向基準面用固定部材と、(ニ)部品の
つの傾斜面を副走査方向基準面に向かってそれぞれ押圧
する第1および第2の押圧手段と、(ホ)レンズ部品を
この光軸方向基準面に向かって押圧する第3の押圧手段
とをシリンドリカルレンズ保持構造に具備させる。
【0018】すなわち請求項1記載の発明では、シリン
ドリカルレンズを樹脂で形成し、このレンズ部品に、シ
リンドリカルレンズの母線とこのレンズの光軸とを含ん
だ平面と平行な面からなる底面を配置しておく。そし
て、副走査方向基準面を備えた副走査方向基準面用固定
部材にこの底面を圧接させるようにしてシリンドリカル
レンズの保持を行い、母線傾きの調整を不要にしてい
る。
【0019】また、シリンドリカルレンズの光軸に対し
て垂直な光軸方向基準面を備えた光軸方向基準面用固定
部材と、レンズ部品をこの光軸方向基準面に向かって押
圧する第3の押圧手段とをシリンドリカルレンズ保持構
造に更に具備させて、光軸方向に対する位置決めも可能
にしている。
【0020】なお請求項1記載の発明では、レンズ部品
におけるシリンドリカルレンズの一方の面の周囲に円筒
フランジを突出させ、この円筒フランジが前記した2つ
の傾斜面を構成するようにしている。
【0021】
【実施例】以下実施例につき本発明を詳細に説明する。
【0022】図2は本発明の一実施例のシリンドリカル
レンズ保持構造を採用した画像形成装置の要部を表わし
たものである。この図で図14等と同一部分には同一の
符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。この
画像形成装置では、シリンドリカルレンズ43を初めと
した各種の光学部品および感光体ドラム15はプラスチ
ック製の本体シャーシ71に収められている。
【0023】図1は、本実施例のシリンドリカルレンズ
保持構造を組立前の状態として表わしたものである。本
実施例の保持構造は、画像形成装置の本体シャーシ71
(図2参照)の一部を構成する本体シャーシ部81とシ
リンドリカルレンズ43を一部に有するレンズ部82
と、これを本体シャーシ部81に保持するための保持部
材83とから構成されている。図3は、組み立て後のシ
リンドリカルレンズ保持構造を表わしたものであり、図
4はこの保持構造を光軸を含んだ垂直な面で切断した状
態を表わしたものである。
【0024】レンズ部82は、シリンドリカルレンズ4
3と、そのわん曲したレンズ面の周囲に突出したフラン
ジ部85と、これらを取り付けた形態のほぼ正方形の基
板86からなり、これらがアクリル樹脂によって一体的
に成形されている。基板86の底面は平面となってお
り、この面はシリンドリカルレンズ43の母線とシリン
ドリカルレンズの光軸87を含む面と平行になってい
る。また、フランジ部85は光軸87と同心円上に配置
されている。
【0025】本体シャーシ部81はポリカーボネートか
ら成り、本体シャーシ71上に所定の距離を置いて立設
された断面がL字状の2つの突き当て用部材88、89
と、これらの間を連結する背の低い連結部材91と、こ
の連結部材の前面に突出した爪部92とから構成されて
いる。ここで、2つの突き当て用部材88、89は、四
角柱のそれぞれ対向する角の部分をこれらの四角柱の一
辺の約半分の長さの四角柱の形状に切り取った形をして
いる。これら切り取った形状における同一平面上の2つ
の底面部分は連結部材91の上面よりもわずかに高くな
っており、副走査方向の位置決めを行うための副走査方
向突き当て部93、94を構成している。また、これら
切り取った形状における副走査方向突き当て部93、9
4と垂直で互いに同一平面上の2つの面は、光軸方向の
位置決めを行うための光軸方向突き当て部95、96を
構成している。
【0026】保持部材83は、SUS(ステンレススチ
ール)の板金を所定の形状に切り抜いたもので、これを
本体シャーシ部81の2つの突き当て用部材88、89
に上から挟み込むためにほぼコ字状に折り曲げられてお
り、それぞれ前板部97、上板部98、後板部99を構
成している。
【0027】前板部97は、フランジ部85の端面と接
触し、レンズ部82を光軸方向に加圧する光軸方向加圧
部としての役割をもっている。この前板部97のほぼ中
央にはレーザビームを通過させるための窓101が開け
られている。窓101は主走査方向に細長いスリット状
をしており、コリメートレンズ4を通過したレーザビ
ームを整形する役割をもっている。前板部97の下端部
は抜け止め部102となっている。抜け止め部102の
開口部102Aを爪部92に掛止させることにより、本
体シャーシ部81に対する保持部材83の抜け止めが行
われるようになっている。
【0028】後板部99はその断面がく字状に折れ曲が
っており、前板部97をレンズ部82に加圧する役割を
果たしている。図4に示したように後板部99が2つの
突き当て用部材88、89と接触する位置は光軸87を
含む面上となっている。後板部99の中央には比較的大
きな窓104が開けられており、レンズ部82から出
するレーザビームの通過の妨げとならないようになって
いる。
【0029】上板部98には光軸87と平行かつ等距離
に位置する2本の細長い副走査方向加圧片106、10
7がそれらの基部を残して切り抜かれており、これらは
基部を中心に下方向に互いに等しい角度で折り曲げられ
ている。これらの副走査方向加圧片106、107の先
端は、保持部材83を本体シャーシ部81に装着した状
態でレンズ部のフランジ部85に圧接するようになって
いる。
【0030】本実施例ではこのような保持構造となって
いるので、まずレンズ部82を本体シャーシ部81の副
走査方向突き当て部93、94と光軸方向突き当て部9
5、96に囲まれた空間にフランジ部85が爪部92側
に位置するように挿入する。そして、次にその上から保
持部材83を挿入する。これにより、前板部97によっ
てレンズ部82は本体シャーシ部81の光軸方向突き当
て部95、96に押しつけられる。更に保持部材83が
挿入されると、副走査方向加圧片106、107がフラ
ンジ部85の側壁によって構成される押さえ部108、
109とそれぞれ接触し、この後、抜け止め部102の
開口部102Aが爪部92に引っ掛かる。これにより、
シリンドリカルレンズ43の固定が行われる。
【0031】図5〜図7は、本実施例でシリンドリカル
レンズ部に加わる力を説明するためのものである。図5
に示すようにレンズ部82には光軸87の方向に力FB
がかかっているものとする。図6はレンズ部が釣り合っ
た状態を表わし、図7はレンズ部が不釣り合いの状態を
表わしている。これらの図で力FC1は図1における一方
の副走査方向加圧片106によって加えられる力であ
り、他の力FC2は他方の副走査方向加圧片107によっ
て加えられる力である。
【0032】まず、図6に示した状態では、副走査方向
加圧片106、107による押さえ部108、109に
対する押圧力が等しい。したがって、これらによる母線
111方向の合力は打ち消し合い、レンズ部82は静止
状態を保つ。
【0033】次に、図7に示したように一方の副走査方
向加圧片107による力FC2の方が他の副走査方向加圧
片106による力FC1よりも大きい場合を説明する。こ
のような状態は、(イ)これらの副走査方向加圧片10
6、107による押圧力が元々異なる場合と、(ロ)レ
ンズ部82が正規の位置よりも母線111方向にずれて
いる場合に生じる。この場合には、2つの力FC1、FC2
によって押さえ部108、109には母線111方向の
合力FM が発生する。この合力FM がレンズ部82の静
止摩擦力FS に打ち勝てばレンズ部82が母線111の
方向に移動することになる。
【0034】静止摩擦力FS は、(i)図5に示した力
B によってレンズ部82と光軸方向突き当て部95、
96の間と、レンズ部82と前板部97の間に発生する
静止摩擦力と、(ii)図7に示した力FC1、FC2によ
ってレンズ部82の底面と副走査方向突き当て部93、
94の間およびレンズ部82と副走査方向加圧片10
6、107との間に発生する静止摩擦力の合力として表
わすことができる。今、合力FM が静止摩擦力FS より
も大きかったとする。この場合には、レンズ部82の底
面は図1における副走査方向突き当て部93、94上を
図7で左方向に移動する。この移動と共に力FC2は減少
していき、力FC1は増加していく。この結果、両者の力
C1、FC2が釣り合ったところでレンズ部82が静止す
ることになる。
【0035】本実施例では、力FC1、FC2が共に力FB
の10倍よりも小さく、かつ、押さえ部108、109
の接点における法線と副走査方向の成す角φが30度以
上という条件下でレンズ部82の良好な保持が可能であ
った。
【0036】変形例
【0037】図8〜図12は、レンズ部の各種変形例を
表わしたものである。これらの図で(A)はレンズ部の
正面図であり、(B)は側面図である。図(A)には副
走査方向の力が加わる押さえ部108、109をそれぞ
れ示している。
【0038】図8に示した第1の変形例では、レンズ部
82Aの基板86Aが母線111よりも下側のみに存在
している。図9に示した第2の変形例では、レンズ部8
2Bにフランジ部が存在せず、基板86Bの上部が左右
対称の傾斜面を備えている。押さえ部108、109は
これらの傾斜面を押圧するようになっている。図10に
示した第3の変形例では、第2の変形例に示した傾斜面
が母線111と対称にレンズ部82Cの下側にも設けら
れている。これにより、レンズ部82Cが温度変化を生
じたような場合にもシリンドリカルレンズ42の変形を
図9に示したレンズ部82Bに比べて少なくすることが
できるという利点がある。また、この第3の実施例のレ
ンズ部82Cは上下逆にセットすることも可能である。
【0039】図11に示した第4の変形例では、レンズ
部82Dが傾斜面を逆方向にした基板86Dを備えてい
る。図12に示した第5の変形例ではレンズ部82Eの
下部に傾斜面が配置されている。このため、この例では
押さえ部108、109の間隔が他のレンズ部の場合よ
りも広がっている。
【0040】以上、レンズ部の各種変形を示したが、本
体シャーシ部81や保持部材83についても各種の変形
が可能であり、また本発明のシリンドリカルレンズ保持
構造がこれら3つの構成部品で成立するものに限定され
るものではないことももちろんである。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
によれば、シリンドリカルレンズを樹脂で形成し、しか
もこれを有するレンズ部品の底部を母線と平行にしたの
で、従来のガラスレンズでは難しかった母線の平行度を
容易に得ることができ、母線の傾きの調整が不要になる
という効果がある。しかも、本発明ではレンズ部品のシ
リンドリカルレンズ前面に設けられたフランジで形成さ
れる面対称な2つの傾斜面を押圧することにしたので
押圧力が不均一な場合であってもレンズの位置のバラン
スをとることができ、しかもこれによる光学系の特性変
化が生じないという効果もある。また、フランジを用い
ているので、熱に対する変形が少なく、また組立前にレ
ンズ面を傷つけるおそれがない。また、フランジの側壁
を用いて副走査方向の位置決めを行うことができるとい
う利点もある。
【0042】更に、請求項記載の発明によれば、レン
ズ部品を光軸方向基準面に押圧するようにしたので、レ
ンズ面の傾きを簡易に防止することができるという効果
がある。
【0043】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例におけるシリンドリカルレ
ンズ保持構造の分解斜視図である。
【図2】 本実施例のシリンドリカルレンズ保持構造を
採用した画像形成装置の要部を表わした斜視図である。
【図3】 本実施例のシリンドリカルレンズ保持構造の
組立状態を表わした一部断面図である。
【図4】 本実施例のシリンドリカルレンズ保持構造の
断面図である。一部断面図である。
【図5】 本実施例のレンズ部に光軸方向の力が加わっ
た状態を表わした説明図である。
【図6】 本実施例のレンズ部の2つの押さえ部にほぼ
等しい力が加わった状態を示す説明図である。
【図7】 本実施例のレンズ部の2つの押さえ部に不釣
り合いな力が加わった状態を示す説明図である。
【図8】 レンズ部の第1の変形例を示すもので図
(A)は平面図、図(B)は側面図である。
【図9】 レンズ部の第2の変形例を示すもので図
(A)は平面図、図(B)は側面図である。
【図10】 レンズ部の第3の変形例を示すもので図
(A)は平面図、図(B)は側面図である。
【図11】 レンズ部の第4の変形例を示すもので図
(A)は平面図、図(B)は側面図である。
【図12】 レンズ部の第5の変形例を示すもので図
(A)は平面図、図(B)は側面図である。
【図13】 シリンドリカルレンズが使用されるレーザ
プリンタの概略構成図である。
【図14】 図13に示したレーザプリンタの光学系を
具体的に表わした斜視図である。
【図15】 従来のシリンドリカルレンズ保持構造の一
例を表わす正面図である。
【図16】 シリンドリカルレンズの母線が傾いた場合
の画像に対する影響を説明するためのもので、図(A)
は副走査方向上方から見た平面図、図(B)は主走査方
向上方から見た平面図、図(C)はレーザビームの径を
拡大した説明図である。
【符号の説明】
43…シリンドリカルレンズ、81…本体シャーシ部、
82…レンズ部、83…保持部材、85…フランジ部、
86…基板、87…光軸、88、89…突き当て用部
材、91…連結部材、92…爪部、93、94…副走査
方向突き当て部、95、96…光軸方向突き当て部、9
7…前板部、98…上板部、99…後板部、102…抜
け止め部、102A…開口部、106、107…副走査
方向加圧片、108、109…押さえ部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンドリカルレンズを一部に有する樹
    脂成形品であって、シリンドリカルレンズの表面で最も
    肉厚となった直線状の部位とこのレンズの光軸とを含ん
    だ平面と平行な面からなる底面と、シリンドリカルレン
    ズの一方の面の周囲に円筒フランジを突出させ、この円
    筒フランジの円筒部分の2箇所が前記底面に垂直でレン
    ズの光軸を含んだ平面に対して面対称な2つの傾斜面を
    形成したレンズ部品と、 前記底面と面接触しシリンドリカルレンズの副走査方向
    の位置決めを行う副走査方向基準面を備えた副走査方向
    基準面用固定部材と、 前記レンズの光軸に対して垂直な光軸方向基準面を備え
    た光軸方向基準面用固定部材と、 部品の 前記2つの傾斜面を前記副走査方向基準面に向か
    ってそれぞれ押圧する第1および第2の押圧手段と、前記レンズ部品をこの光軸方向基準面に向かって押圧す
    る第3の押圧手段 とを具備することを特徴とするシリン
    ドリカルレンズ保持構造。
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