JP5440243B2 - 発光装置 - Google Patents

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Description

本発明は、発光又は受光装置に関し、より詳細にはレンズ部材を備える発光又は受光装置に関する。
近年、光源として発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)やレーザダイオード(Laser Diode:LD)等の半導体発光素子を搭載した発光装置が、各種の照明や表示装置に利用されている。特に、これら半導体発光素子は、消費電力が低く長寿命であるため、電球や蛍光灯に代替可能な照明用光源として注目を集めている。そして、このような発光装置は通常、光源の前方にレンズや拡散板等が設置され、その配光が制御されている。
例えば特許文献1には、LEDの正面側に配設される透明な平板部(基板)の正面側に、LEDの光を透過するのに加えて、左右又は片方に約90°屈折させてLEDの光の指向角を拡大するプリズムレンズを配設してなる、車載灯に取り付けられる指向角拡大装置が記載されている。また、この指向角拡大装置は、平板部の両サイドに形成されたビス孔を有し、カバーと一緒にビスでベースに固定されている。
また特許文献2には、ヒートシンクと、このヒートシンクにマウントされた発光ダイオードと、発光ダイオード及びヒートシンクに各々電気的に接続された一対のリード部と、ヒートシンク及びリード部を一体的に保持すると共に発光ダイオードを前面側で露出させる樹脂パッケージと、この樹脂パッケージの前面側を覆うように装着されたアタッチメントレンズと、を備える発光装置が記載されている。また、このアタッチメントレンズは、後方に向けて突設された位置決めピンを備え、この位置決めピンが樹脂パッケージに形成されたレンズ位置決め穴に嵌合して位置決めされている。さらに、このアタッチメントレンズは、略L字状に屈曲した突起係合部が形成された反発性を持つ4本の装着用脚部を備え、この装着用脚部が樹脂パッケージの側面に形成されたレンズ装着用突起を乗り越えて係合されることで樹脂パッケージに固定されている。
さらに特許文献3には、透明材料から成り、中心軸の周りに環状に配置され、中心軸を通る断面にて、中心軸の一側に離れて位置する焦点位置から所定角度で延びる傾斜軸上に形成され、中心軸の周りに回転して画成された回転体としての凸状のレンズ部を有する光学レンズと、この光学レンズの焦点位置に配置された光源又は受光素子と、を含む照明装置又は受光装置が記載されている。この光学レンズは、その焦点位置側の周縁から下方に延びる、外周面に雄ネジ部が形成された中空円筒部を備え、光源又は受光素子を実装する基板が固定保持されるマウントの中空部の内壁面に形成された雌ネジ部に螺合して固定されている。
登実3140160号公報 特表2006−093470号公報 特開2009−218243号公報 特開2008−203430号公報
しかしながら、特許文献1に記載された車載灯では、指向角拡大装置をビスによりベースに直接固定しているため、周囲温度の変化によって指向角拡大装置が伸縮すると、その固定部に応力が掛かり、指向角拡大装置が反ったり割れたりする虞がある。また特許文献2に記載された発光装置においても、アタッチメントレンズの伸縮により位置決めピンや装着用脚部に応力が掛かり、特許文献3に記載された照明又は受光装置においても、光学レンズの伸縮によりマウントと螺合する雄ネジ部に応力が掛かるため、同様の問題がある。また、このように装置の周囲温度によって光源や受光素子とレンズ部材との相対的な位置関係が変化すると、装置の配光等の光学的特性や光の利用効率、光検出精度が悪化するため、装置の信頼性が低下してしまう。
そこで、本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、装置の周囲温度の変化によりレンズ部材が伸縮したとしても、レンズ部材の反りや割れを抑制し、光源とレンズ部材との相対的な位置関係を精度良く維持できる、信頼性の高い発光装置を提供することを目的とする。
本発明は、下記(1)〜(7)の手段により上記課題を解決することができる。
(1)位置決め部が設けられた基体と、前記基体上に設けられ、前記位置決め部に当接する一対の当接面を有するレンズ部材と、前記基体と前記レンズ部材との間に設けられた光源と、前記基体に直接又は間接的に固定され、前記レンズ部材を前記光源の光軸であるz軸に垂直なx軸方向に押圧して前記一対の当接面を前記位置決め部に各々当接させる弾性部材と、前記基体に固定され、前記レンズ部材を前記z軸方向に押さえ付ける押さえ付け部材と、を備え、前記レンズ部材の一対の当接面は、前記z軸方向から見て、該一対の当接面の中間を通る前記x軸に対して略線対称である、曲面又は前記x軸に対して傾斜する傾斜面である発光装置。
(2)前記レンズ部材は、前記z軸及び前記x軸に垂直なy軸と前記z軸とを含むyz平面内において、xz平面内より光を大きく屈折させる上記(1)に記載の発光装置。
(3)前記レンズ部材の一対の当接面は、該レンズ部材の一対の隅部に各々設けられた外側面である上記(1)又は(2)に記載の発光装置。
(4)前記レンズ部材は、光を透過する光透過部と、該光透過部より厚く、該光透過部から前記x軸方向に延出して前記当接面を有する一対の延出部と、を具備する上記(3)に記載の発光装置。
(5)前記位置決め部は、凸の略円筒面の側面を有し、前記レンズ部材の当接面は、前記位置決め部の側面と略同じ曲率の凹の略円筒面である上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の発光装置。
(6)前記レンズ部材の側面における前記位置決め部及び前記弾性部材との接触部から露出される露出部と、前記基体と、の間の領域は空隙である上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の発光装置。
(7)前記弾性部材と前記押さえ付け部材は、1つの板状部材として設けられ、前記押さえ付け部材は、前記レンズ部材の上面を押さえる、前記板状部材の平板部であり、前記弾性部材は、前記平板部に設けられ、前記レンズ部材の外側面に接するように屈曲する屈曲部である上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載の発光装置。
本発明によれば、レンズ部材に固定の際に掛かる応力を小さくすることができ、本装置の周囲温度の変化によりレンズ部材が伸縮しても、レンズ部材の反りや割れを抑制し、レンズ部材の面内の特定軸方向の位置を精度良く維持することができる。
本発明の一実施の形態に係る発光装置の概略上面図(a)と、そのA−A断面における概略断面図(b)と、そのB−B断面における概略断面図(c)と、その領域Cを部分的に拡大して示す概略上面図(d)である。 本発明の一実施の形態に係る発光装置及びその変形例におけるレンズ部材の伸縮とそれによる変位の概念を各々示す概略上面図(a)及び(b)である。 本発明の一実施の形態に係る発光装置のレンズ部材の概略上面図(a)と、その概略側面図(b)及び(c)と、そのD−D断面を部分的に拡大して示す概略断面図(d)である。 本発明の一実施の形態に係る発光装置の弾性部材と押さえ付け部材を示す概略上面図(a)と、その概略側面図(b)と、そのE−E断面を部分的に拡大して示す概略断面図(c)である。 本発明の一実施の形態に係る発光装置の変形例を示す概略上面図である。 本発明の一実施の形態に係る受光装置の概略上面図(a)と、そのF−F断面における概略断面図(b)と、そのG−G断面における概略断面図(c)である。 本発明の一実施の形態に係る受光装置の変形例を示す概略上面図(a)と、そのH−H断面を部分的に拡大して示す概略断面図(b)である。
以下、発明の実施の形態について適宜図面を参照して説明する。ただし、以下に説明する発光及び受光装置は、本発明の技術思想を具体化するためのものであって、本発明を以下のものに限定しない。特に、以下に記載されている構成要素の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。また、以下に記載されている実施の形態についても同様に、特に排除する記載が無い限りは各構成等を適宜組み合わせて適用できる。
<実施の形態1>
図1は、実施の形態1に係る発光装置の概略図であって、図1(a)はその概略上面図であり、図1(b),(c)は、図1(a)におけるA−A断面,B−B断面を各々示す概略断面図であり、さらに図1(d)は、図1(a)における二点破線で囲った領域Cを部分的に拡大して示す概略上面図である。なお、図1(b),(c)は、図1(a)の縮尺の約1.5倍に拡大してある。
図1に示すように、実施の形態1に係る発光装置100は、主として、光源10と、該光源が実装される基板20と、光源の光軸上の前方に位置するレンズ部材30と、レンズ部材が載置される基体70と、基体に設けられた位置決め部40と、基体に直接又は間接的に固定されレンズ部材を位置決め部に対して押圧する弾性部材50と、基体に固定されレンズ部材を光軸方向に押さえ付ける押さえ付け部材60と、により構成されている。
ここで、光源10の光軸であるz軸に垂直な面内において、互いに直交する2つの軸として第1軸および第2軸を定義し、特に本例では以下、第1軸、第2軸をそれぞれx軸、y軸として説明する。さらに、x軸とy軸を含む平面をxy平面、x軸とz軸を含む平面をxz平面、y軸とz軸を含む平面をyz平面とする。なお、光源10の光軸とレンズ部材30の光軸とは、略平行である、好ましくは略一致しているものとする。また本明細書における「軸方向」とは、その軸に平行な方向を意味する。さらに本明細書におけるレンズ部材30の「変位」は、該レンズ部材の伸縮自体とは区別して考え、該レンズ部材の中心の位置が変わることを意味するものとする。
発光装置100の構成をより詳細に説明すると、基体70は本発光装置の筐体であって、その凹部内に基板20が1枚収容され、保持されている。この基板20の上面は、x軸方向(左右)に2つの領域に区分され、その各領域において、複数の光源10が、格子状の各格子点に位置するように配列されて実装されている。位置決め部40は、基体70に保持された柱状部材であって、本例では基板20の四隅すなわち左右の各領域における片側(外側)の一対の隅部に各々設けられている。レンズ部材30は、基板20の2つの領域に各々対応して、その各領域内の光源10を覆って基板上に2つ設けられている。また、レンズ部材30は、x軸方向の片側に、位置決め部40に当接する一対の側面(以降、「当接面35」とする)を有している。弾性部材50及び押さえ付け部材60(第1の押さえ付け部材)は、一体化されて1つの板状部材55として設けられ、レンズ部材30の上に載置されて、基体70の凹部内の略中央に固定されている。なお、レンズ部材30が当接する位置決め部40の上に、板状の押さえ付け部材65(第2の押さえ付け部材)が設けられ、レンズ部材の浮きをさらに抑制している。
このような構成により、このレンズ部材30は、弾性部材50により第1軸方向つまりx軸方向に押圧されて、その一対の当接面35が位置決め部40に各々当接し、さらに押さえ付け部材60により光軸方向つまりz軸方向に押さえ付けられて固定される。そして、レンズ部材30の一対の当接面35は、z軸方向から見て、該一対の当接面の中間を通るx軸に対して略線対称である、曲面又はx軸に対して傾斜する傾斜面となっている。このようなレンズ部材の固定手段によれば、固定の際にレンズ部材に掛かる応力を小さくすることができ、また本装置の周囲温度の変化によりレンズ部材が伸縮したとしても、レンズ部材の反りや割れを抑制することができ、且つレンズ部材のy軸方向の位置を精度良く維持することができる。
以下、本装置のレンズ部材の固定構造について詳細に説明する。図2は、本発明の発光装置に係るレンズ部材の伸縮とそれによる変位の概念を示す概略図であって、図2(a)は発光装置100に関し、図2(b)はその変形例に関して示す概略上面図である。
本発明のレンズ部材30の固定構造において、本装置の周囲温度が高くなり、図2(a−1)に実線で示す定常時の状態から、同図中二点破線で示すようにレンズ部材30が膨張した場合には、図2(a−2)に示すように−x方向にレンズ部材が変位する。また逆に本装置の周囲温度が低くなり、図2(a−1)に実線で示す定常時の状態から、同図中破線で示すようにレンズ部材30が収縮した場合には、図2(a−3)に示すように+x方向にレンズ部材が変位する。このように、レンズ部材の一対の当接面35が、z軸方向から見て、この一対の当接面の中間を通るx軸に対して略線対称の曲面であり、弾性部材により位置決め部40に常に当接するようにx軸方向に押圧されているため、レンズ部材が膨張又は収縮したとしても、レンズ部材は弾性部材の撓みや伸縮によってx軸方向に平行移動し、y軸方向には殆ど変位しない。これは、レンズ部材の一対の当接面35の形状により、弾性部材50による押圧に対して各当接面35に位置決め部40から働く反作用の力のベクトルが、x軸に対して傾斜しており、そのy軸方向の成分が互いに略つり合うようになっているからである。
また、レンズ部材の当接面35の形状は、凹曲面に限定されず、凸曲面でもよいし、図2(b)に示すようにx軸に対して傾斜する傾斜面であってもよい。図2(b−1)乃至(b−3)に示すように、レンズ部材の当接面35が傾斜面である場合においても、装置の周囲温度の変化によりレンズ部材30が伸縮しても、レンズ部材はx軸方向に平行移動し、y軸方向には殆ど変位しない。レンズ部材の当接面35は、位置決め部40と面で接してもよいし、線又は点で接してもよい。なお、図2(a)に示すように、レンズ部材の当接面35と位置決め部40の側面とが凹と凸の曲面同士の面接触であると、レンズ部材30の伸縮により線又は点接触に変化する場合があり、一方図2(b)に一例を示すように、平面と凸曲面又は凸曲面同士の線又は点接触であると、レンズ部材の伸縮に依らずその接触形態が維持されやすい。また、後述する実施の形態2のように、平面同士の面接触である場合は、レンズ部材の伸縮に依らず面接触が維持されやすい。レンズ部材30と位置決め部40との接触形態は面接触であるほうが、線又は点接触より回転規制が効きy軸方向の位置を維持しやすく、なかでも凹と凸の曲面同士の面接触がより安定して良く、さらにそのなかでレンズ部材の当接面35が凹、位置決め部40の側面が凸の組み合わせが良い。
さらに、レンズ部材の当接面35のx軸に対する傾斜角度は、30°以上60°以下であることが好ましい。なお、x軸を0°、y軸を90°とし、また当接面35が曲面である場合は、z軸方向から見て当接面の中点における接線で、又は当接面の中心に接する平面に置き換えて、考えるものとする。レンズ部材の当接面35の傾斜角度が小さいと、位置決め部40から働く反作用の力のベクトルのx軸方向成分が小さくなり、レンズ部材30が膨張した際に、レンズ部材が位置決め部に挟まれて変位し難くなり、レンズ部材に掛かる応力が大きくなる。他方、レンズ部材の当接面35の傾斜角度が大きいと、位置決め部40から働く反作用の力のベクトルのy軸方向成分が小さくなり、レンズ部材30がy軸方向に変位したり回転したりしやすくなる。
さらにまた、レンズ部材の当接面35は、z軸に略平行であれば、レンズ部材30を位置決め部40に精度良く当接させやすく、また位置決め部からレンズ部材にz軸方向の応力が掛かることを回避できる。他方、レンズ部材の当接面35は、z軸に対して傾斜(当接面が曲面である場合は、当接面の中心に接する平面に置き換えて考える)していてもよい。例えば、レンズ部材の当接面35が該レンズ部材30の上面に対して自身の外側に傾斜し、位置決め部40のレンズ部材を当接させる側面が該位置決め部の上面に対して自身の内側に傾斜していると、レンズ部材の当接面の少なくとも一部が位置決め部に覆われ、レンズ部材が位置決め部に当接する。この場合には、レンズ部材30に位置決め部40から働く反作用の力のベクトルにz軸方向成分が生じ、レンズ部材を位置決め部によりz軸方向に押さえ付けることができる。そうすれば、レンズ部材30の当接面側に設けられる押さえ付け部材(例えば第2の押さえ付け部材65)を省略することもできる。
図3は、発光装置100のレンズ部材30の概略図であって、図3(a)はその概略上面図であり、図3(b),(c)はその概略側面図であり、図3(d)は図3(a)におけるD−D断面を部分的に拡大して示す概略断面図である。
図3(a)に示すように、レンズ部材30は、中央部の光透過部301と、この光透過部からx軸方向に延出して当接面35を有する一対の延出部302を有している。光透過部301は、延出部302より薄く、レンズ部材30の設置面(本例では延出部の底面)から光軸方向に離間するようになっており、このレンズ部材を基板20上に載置した際に、光透過部と基板面との間の空間に光源10を配置可能となっている。このように、レンズ部材30は、光を透過する光透過部301と、この光透過部より厚く、光透過部からx軸方向に延出して当接面35を有する一対の延出部302と、を具備することが好ましい。これにより、肉厚が大きく、熱による伸縮が比較的大きい部位となる延出部302同士が離間されて設けられ、延出部の伸縮による光透過部301の変形を抑制することができる。
レンズ部材30の光透過部301は、図3(b)乃至(d)に示すように、板状であって、光源に対向する側の表面つまり光入射面は略平坦であり、他方、装置外側の表面つまり光出射面は、x軸方向に一端から他端まで延伸された凸部がy軸方向に複数形成されている。すなわち、この凸部は、yz平面に平行な任意の断面において略同一の形状を有している。より詳細には、図3(d)に示すように、この光出射面には、1つの面からなる中央の第1領域Qと、それを挟む、先尖状の凹凸面からなる第2領域P及び第3領域Rと、で構成される凹凸構造を一単位として、それがy軸方向に繰り返し形成されている。なお、この第2領域Pと第3領域Rの凹凸形状は互いに異なっている。
このようなレンズ部材は、yz平面内において、xz平面内より光を大きく屈折させる。つまり、入射光の配光曲線に対する出射光の配光曲線の変化量が、レンズ部材のyz平面内より、xz平面内において小さくなる。言い換えれば、レンズ部材のxz平面内における屈折力は、yz平面内における屈折力より小さくなっている。特に、このレンズ部材30では、yz平面に平行な断面において曲率を有するシリンドリカルレンズのように、yz平面内では光を屈折させて出射する屈折面として機能するが、xz平面内では光をほぼ素通りさせる。つまり、yz平面内において屈折力を有し、xz平面内における屈折力は略零である。なお、単一の屈折面の空気中における屈折力は、焦点距離の逆数で定義される。
本発明のレンズ部材の固定構造において、レンズ部材は、その伸縮に依らず、y軸方向には殆ど変位しないため、その軸と光軸とを含む面内の屈折力が大きい軸方向をy軸方向に合わせることによって、レンズ部材の伸縮が光学系に及ぼす影響を小さくすることができる。逆に言えば、その軸と光軸とを含む面内の屈折力が小さい、より好ましくは屈折力が略零である軸方向をx軸方向に合わせることによって、レンズ部材の伸縮が光学系に及ぼす影響を小さくすることができる。このように、本発明のレンズ部材の固定構造は、光軸を含む面内の屈折力が面内の軸方向によって異なる、好ましくは特定の一軸と光軸とを含む面内の屈折力が略零であるレンズ部材に対して特に好適である。本発明では、レンズ部材の伸縮によるx軸方向の変位を許容しながらも、該レンズ部材の変位をその方向に限定的にすることで、レンズ部材を小さい応力で固定できると共に、その変位が光学系に及ぼす影響を小さくすることが可能である。
レンズ部材の当接面35は、該レンズ部材の一対の隅部に各々設けられた外側面であることが好ましい。これにより、レンズ部材の当接面35が該レンズ部材30の光学的機能の妨げになることを抑制し、該レンズ部材の光学面を広範に利用することができる。このようなレンズ部材の当接面35は、z軸方向から見て矩形状のレンズ部材の隅部に面取りを施すことにより設けられる側面が代表的な例として挙げられる。このほかレンズ部材の当接面35は、該レンズ部材30の隅部から離間して周縁部の一部が切り欠かれ、その切り欠きの外側面に設けられてもよいし、レンズ部材の内部に穴が形成され、その穴の内側面に設けられてもよい。
位置決め部40は、凸の略円筒面の側面を有し、レンズ部材の当接面35は、位置決め部の側面と略同じ曲率の凹の略円筒面であることが好ましい。位置決め部40は、多くの場合、ネジの螺合や圧入により基体70に設けられるため、略円筒面の側面を有する形状、好ましくは円柱形状であれば、レンズ部材の当接面35を当接させる側面が一様に設けられやすい。さらに、レンズ部材の当接面35が、定常時に位置決め部40の側面と面で接触するように、位置決め部の側面と略同じ曲率の凹の略円筒面であれば、レンズ部材30の位置合わせが容易である。なお、位置決め部40は、位置決め部材として基体上に設けられてもよいし、後述する実施の形態2のように、基体の一部として形成されてもよい。
レンズ部材30の側面における位置決め部40及び弾性部材50との接触部から露出される露出部と、基体70と、の間の領域は空隙であることが好ましい。言い換えれば、レンズ部材30の側面は、位置決め部40及び弾性部材50のみと接することが好ましい。これにより、レンズ部材30の固定の際に該レンズ部材に余計な応力が掛かることを抑制でき、装置の周囲温度の変化によってレンズ部材が伸縮しても、基体70など他の部材から掛かる応力や、それによる変位を小さくすることができる。
また、弾性部材50が接するレンズ部材30の側面は、x軸に対して略垂直であることが好ましい。これにより、弾性部材50の押圧力が、レンズ部材30に対して効率良くx軸方向に伝達されやすくすることができる。また、これは、弾性部材50が接するレンズ部材30の側面に略垂直な軸を第1軸とすることと同義である。さらに、弾性部材50は、多くの場合、基体70上の位置決め部40と反対側のレンズ部材30の側方に設けられ、特に該レンズ部材30の一対の当接面35の中間を通るx軸上に設けられることが、レンズ部材をx軸に平行に押圧しやすいため、好ましい。特に、レンズ部材の一対の当接面35がx軸方向の一対の隅部の外側面に各々設けられ、弾性部材50がレンズ部材30の略中央に設けられることが好ましい。なお、弾性部材50は、1つ設けられればよいが、複数設けられてもよく、例えば該レンズ部材30の一対の当接面35の中間を通るx軸に対して略対称に、2つ又はさらに多く等間隔にy軸方向に並設されてもよい。
さらに、レンズ部材の一対の当接面35と位置決め部40とが接触する一対の接触部は、該一対の当接面35の中間を通るx軸に対して略線対称に設けられることが好ましい。これにより、弾性部材50によるx軸方向への押圧力を各接触部に対して略均等に掛けやすく、レンズ部材30のy軸方向の位置がより安定する。
図4は、発光装置100の弾性部材50と押さえ付け部材60を示す概略図であり、図4(a)はその概略上面図であり、図4(b)はその概略側面図であり、図4(c)は図4(a)におけるE−E断面を部分的に拡大して示す概略断面図である。
図4に示すように、本発光装置100において、弾性部材50及び押さえ付け部材60は、一体化されて1つの板状部材55として設けられている。この板状部材55において、押さえ付け部材60は、レンズ部材30の上面を押さえる平板部551であり、弾性部材50は、その平板部に設けられた、レンズ部材30の外側面に接するように屈曲する屈曲部552である。このような屈曲部552は、板状部材55の短手方向の端部の一部、又は中央部の一部を切り欠き、折り曲げられて形成される。このように、弾性部材50と押さえ付け部材60が一体化されて設けられることによって、x軸方向の押圧とz軸方向の押さえ付けとを1つの部材で複合的に行え、簡便であり、部品点数を減らし装置の小型化が図れる。また図4(b),(c)に示すように、2つのレンズ部材30をx軸方向に並置する場合、基体70の2つのレンズ部材の中間に、平板部551と屈曲部552とがx軸方向の両側に対称的に形成された板状部材55を固定すれば、2つのレンズ部材を同時にx軸上の両方向(−x方向、+x方向)に押圧して位置決め部40に当接させることができる。
図5は、本発光装置100の変形例を示す概略上面図である。
図5に示す例の発光装置において、2つのレンズ部材30がx軸方向に一対の位置決め部40を挟んで載置され、その両側から各々押圧されて該一対の位置決め部に当接している。このように、x軸方向に並置された複数のレンズ部材30を、共通の1つ又は一対の位置決め部40に当接させることで、レンズ部材30の位置を効率良く規制することができる。このとき、弾性部材50は、位置決め部40と反対側のレンズ部材30の側方に、各レンズ部材に対して個別に設けられ、位置決め部に対してレンズ部材を押圧できればよい。
また、x軸方向に並置された2つのレンズ部材30が当接する位置決め部40が、y軸方向に複数又は延長して設けられ、y軸方向にも複数のレンズ部材30が並置されてもよい。本例では、図示するように、x,y軸方向に2つずつ、すなわち2×2のアレイ状に配置されたレンズ部材30のx軸方向の中間に、y軸方向に3つの円柱状の位置決め部40が並設されている。そして、レンズ部材30は、中間の位置決め部40を挟み込むように両側から押圧され位置決め部に各々当接しており、中心の1つの位置決め部に関しては、4つのレンズ部材の片方の当接面35が当接している。このように、複数のレンズ部材30に1つの位置決め部40を共用させることで、レンズ部材を基体70上にアレイ状に配置する場合においても、各レンズ部材の位置を効率良く規制して固定することが可能である。なおこのとき、基板20は、1枚の大面積の基板を用いてもよいし、1つ又は複数のレンズ部材30に対して複数枚の基板を並べてもよい。
さらに、図中点線で示すように、より多くのレンズ部材30をアレイ状に並置する場合において、x軸方向に3つ以上のレンズ部材30を並置する際、2つのレンズ部材30の間に板状部材55を設置し、その両側のレンズ部材をx軸方向に各々押圧することにより、2つのレンズ部材を位置決め部40に対して効率良く押圧することができる。
本発明のレンズ部材の固定構造は、発光装置に限らず受光装置にも適用することが可能であり、実施の形態1の発光装置100における光源10を後述のような光検出器11に置き換えて受光装置とすることもできる。なお、当然の事ながら、レンズ部材の光入射面と光出射面の関係、並びに入射光と出射光の関係は、発光装置の場合と受光装置の場合とで逆転する。
以下、本発明の発光装置の各構成要素について詳述する。
(光源)
光源10は、レンズ部材30と基体70との間に設けられ、例えばLED素子やLD素子等の半導体発光素子、有機EL(Organic Electro-Luminescence)素子など、の発光素子を用いることができる。また光源10は、このような発光素子を直接基板20に実装してもよいし、発光素子がセラミックや樹脂のパッケージ基体に搭載された表面実装型(Surface Mount Device:SMD)や、リードフレームに搭載された発光素子がガラスや樹脂の被覆部材で覆われた砲弾型(ランプタイプ)等の発光装置を用いてもよい。また、そのパッケージ基体や被覆部材には、波長変換部材(例えば、アルミニウム酸化物系蛍光体、窒化物系蛍光体、シリケート系蛍光体など)や光拡散部材(例えば、アルミナやシリカ、酸化チタンなど)を含有させることができる。さらに、発光波長域の異なる(例えば赤・緑・青(RGB)の各波長域で発光する)複数の発光素子を組み合わせてもよい。このほか光源10は、ハロゲンランプ等の電球を用いることもできる。1つの基板20に実装される光源10は、1つでもよいし、所定の間隔で離間されて複数配置されてもよい。このとき、光源10は、Ag,Au,Sn等の導電性の接合部材により基板20の配線と電気的に接続される。
(基板)
基板20は、光源10を含む電子部品が搭載され、それらの電子部品と電気的に接続される配線が形成された回路基板である。基板20は、機械的強度および熱伝導性が高く、熱により伸縮しにくい材料を用いて形成されることが好ましい。具体的には、セラミックス、ガラス、ガラスエポキシ、アルミニウム等のプリント配線基板を用いることができる。
(レンズ部材)
レンズ部材30は、例えばポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ユリア樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂などの樹脂材料を用いて形成される。なお、レンズ部材30は、耐候性、耐熱性、硬度に優れる材料が好ましく、樹脂材料ではポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂が好適である。このほか、ガラスを用いて形成されてもよい。樹脂材料は、ガラスより安価且つ軽量である反面、熱により伸縮しやすいため、本発明は、このような樹脂材料で形成されたレンズ部材に対して、特に大きい効果を奏する。さらに、レンズ部材30に、上述のような波長変換部材や光拡散部材、石英ガラス等のフィラー、その他顔料などを適宜添加して所望の光学特性とすることができる。また、レンズ部材30は圧縮成形、トランスファー成形、研削などにより、所望の大きさ、並びに上記のような所望の形状に成形することができる。
(位置決め部)
位置決め部40は、レンズ部材30の位置を規制する機能を有するものであればよく、代表的な例としては、基体70上に立設される位置決めピンやスペーサ等の柱状部材である。位置決め部40の形状は、特に限定されず、レンズ部材30に当接し基準面となる側面は曲面であっても平面であってもよく、柱状部材とする場合でも円柱に限定されず、多角柱でもよい。位置決め部40は、互いに離間する一対の部材として設けられてもよいし、レンズ部材の一対の当接面35を当接させる側面を連続して有する単一の部材として設けられてもよい。また、位置決め部40は、レンズ部材30に当接して、その位置決めの基準となるものであるから、耐候性、耐熱性、硬度に優れる材料により形成することが好ましく、ステンレス鋼、炭素鋼、銅合金(リン青銅、ベリリウム銅、チタン銅)、アルミニウム合金等の金属材料やセラミックスなどにより形成されることが好ましい。このほか、ポリアセタール樹脂、ナイロン樹脂、フェノール樹脂(ベークライト)、PEEK、ガラスエポキシ等の樹脂材料により形成することもできる。
(弾性部材)
弾性部材50は、弾性を有し、レンズ部材30を押圧して位置決め部40に当接させる機能を有する部材である。弾性部材50は、炭素鋼、銅合金、ステンレス鋼等の金属材料、又はポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、PEEK、アクリル樹脂、ABS樹脂等の樹脂材料により形成することができる。弾性部材50は、例えば、これらの材料で形成された薄板を折り曲げ加工したもの、小型のプランジャ(ボールプランジャ、スプリングプランジャ等)やコイル状の圧縮バネなどを用いることができる。なお、弾性部材50は、ヤング率(縦弾性率)が70GPa以上であり、耐疲労特性に優れ、且つ0.2%耐力が200N/mm以上である材料を選択することが好ましい。また、弾性部材50は、レンズ部材30が熱により伸縮する範囲において、常にレンズ部材に接し押圧力を掛け続けられる必要がある。
(押さえ付け部材)
押さえ付け部材60は、レンズ部材30を光軸方向に押さえ付けて、レンズ部材の浮きを抑制する機能を有する部材である。押さえ付け部材60は、弾性部材50と同様の金属材料、又は樹脂材料などにより形成することができる。押さえ付け部材60は、レンズ部材30に掛かる応力を小さくするため、薄板が好ましく、特に熱による伸縮が比較的小さい板金が好ましい。他方、透光性の樹脂材料で形成されれば、レンズ部材30上に載置されても、遮光などの光学系への影響を小さくすることができる。
(基体)
基体70は、レンズ部材30を載置し支持する部材である。実施の形態1では、基体70は、筐体として、レンズ部材30のほか、光源10が実装される基板20を一緒に保持しているが、これに限らない。基体70は、レンズ部材30の放熱性の観点から、熱伝導性に優れた材料により形成されることが好ましい。例えば、アルミニウム合金やステンレス鋼、炭素鋼、銅合金等の金属材料を板金加工、切削加工、鋳造したものが挙げられる。特に基体70を筐体とする場合、より具体的にはアルミニウム合金を押し出し加工したものに塗装及びアルマイト処理を施したもの等がある。また、所謂ヒートシンクのように、裏面側にフィン等の多数の突起が設けられ、表面積を増大させて効率良く放熱可能な構造としてもよい。
<実施の形態2>
図6は、実施の形態2に係る受光装置の概略図であって、図6(a)はその概略上面図であり、図6(b),(c)は図6(a)におけるF−F断面、G−G断面を各々示す概略断面図である。なお、本実施の形態2に係る受光装置において、上述の実施の形態1と実質上同様の構成要素については、適宜説明を省略する。
図6に示すように、実施の形態2に係る受光装置200は、主として、光検出器11と、該光検出器が実装される基板21と、光検出器の光軸上の前方に位置するレンズ部材31と、レンズ部材が載置される基体71と、基体に形成された位置決め部41と、基体に直接又は間接的に固定されレンズ部材を位置決め部に対して押圧する弾性部材51と、基体に固定されレンズ部材を光軸方向に押さえ付ける押さえ付け部材61と、により構成されている。
ここで、光検出器11の光軸であるz軸に垂直な面内において、互いに直交する2つの軸として第1軸および第2軸を定義し、特に本例では以下、第1軸、第2軸をそれぞれx軸、y軸として説明する。さらに、x軸とy軸を含む平面をxy平面、x軸とz軸を含む平面をxz平面、y軸とz軸を含む平面をyz平面とする。なお、光検出器11の光軸とレンズ部材31の光軸とは、略平行である、好ましくは略一致しているものとする。さらに、実施の形態2の受光装置200は、光検出器11を上述のような光源10に置き換えて、発光装置とすることもできる。
この受光装置200において、基体71は、レンズ部材31を収容する凹部(段付きの貫通穴)を有するレンズホルダである。レンズ部材31は、シリンドリカルレンズをフレネルレンズのように成形(薄型化)したものであって、基体71の凹部内に1つ載置されている。すなわち、このレンズ部材31の光検出器11に対向する側の表面つまり光出射面は略平坦な面であり、他方装置外側の表面つまり光入射面は、x軸方向に延伸する(x軸を中心軸とする)円筒面がx軸に沿って複数に分割されて形成される凹凸面である。したがって、レンズ部材31はyz平面内において屈折力を有し、該レンズ部材のxz平面内における屈折力は略零である。レンズ部材31は、通常のシリンドリカルレンズを用いてもよいが、このように、レンズ部材の部位による肉厚の変化を小さくする、つまりレンズ部材を平行平板に近づけることによって、伸縮による変位や反りを抑制することができる。また、このレンズ部材31は、z軸方向から見て矩形状のx軸方向の一対の隅部に面取りが施された形状を有しており、この面取りにより形成された側面を一対の当接面35としている。
基体71の凹部は、z軸方向から見て、レンズ部材31の一対の当接面35と略同一の角度で傾斜する一対の側面をx軸方向の片側に有しており、レンズ部材31は弾性部材51によりx軸方向に押圧され、その当接面35がこの一対の凹部側面に当接している。つまり本例において、位置決め部41は、基体71と一体化され、基体に形成された凹部の側面として設けられている。このような構成であれば、レンズ部材の位置決め部として基体上に柱状部材等を別途設ける必要がなく、簡便であり、装置の小型化が図れる。このような位置決め部41の側面は、レンズ部材31の一対の当接面35に対応して設けられていればよく、その形状は平面に限定されず曲面であってもよい。なお、これに限らず本例においても、基体71上に位置決めピンを立設する等により、位置決め部が設けられてもよい。
また、本受光装置200において、弾性部材と押さえ付け部材は、別個の部材として基体に各々固定されている。弾性部材51は、コイル状の圧縮バネが内蔵され、側面に雄ネジが形成されたプランジャである。基体71の凹部の側面には雌ネジの貫通穴が形成されており、弾性部材51はその貫通穴に螺入されて、その先端が凹部側面から突出しレンズ部材31の側面を押圧している。一方、押さえ付け部材61は、その一部に曲面の凸部が設けられた板金であり、所謂板バネである。このように、弾性部材と押さえ付け部材が、別個の部材として、その各々の機能を分離して設けられることにより、レンズ部材31に対して精度の良い押圧、押さえ付けが可能である。
さらに、本受光装置200において、基体71は、光検出器11が実装された基板21を保持する基体とは別個に設けられており、これらの基体が共通の支持部材上に各々設置され、光検出器11とレンズ部材31との相対的な位置関係を調整可能になっている。このように、基体71は、光検出器11が実装される基板21を保持する基体と、一体化されているものは勿論、接続されて設けられるものを含み、その全体として「基体」を構成していると見なすこともできる。また、光検出器11の光軸上の前方には、レンズ部材31のほか、別の光学素子が設けられてもよい。例えば、図6(c)中に点線で示すように、このようなレンズ部材31が保持された基体71がもう1つ、xy平面内において90°回転されて配置されてもよい。このような構成によれば、装置のx軸方向とy軸方向の光学特性を別個のレンズ部材31によって各々調整することができ、高精度の光学系を達成することができる。
(光検出器)
光検出器11は、フォトダイオード、位置検出素子(Position Sensitive Detector:PSD)、電荷結合素子(Charge Coupled Device:CCD)などの受光素子を用いることができる。また光検出器11は、このような受光素子を直接基板21に実装してもよいし、受光素子がステムやリードフレームなどに搭載された受光装置を用いてもよい。さらに、素子の種類や受光波長域の異なる複数の受光素子を組み合わせてもよい。1つの基板21に実装される光検出器11は、1つでもよいし、所定の間隔で離間されて複数配置されてもよい。このとき、光検出器11は、Ag,Au,Sn等の導電性の接合部材により基板21の配線と電気的に接続される。
図7は、本受光装置200の変形例を示す概略図であって、図7(a)はその概略上面図であり、図7(b)は図7(a)におけるH−H断面を部分的に拡大して示す概略断面図である。
図7に示す例の受光装置において、レンズ部材31は、受光装置200と同様のレンズであって、レンズホルダである基体71の凹部内に4つ収容されている。この4つのレンズ部材31は、基体71の略中心を通るz軸の回りに90°間隔で等配されて載置されている。また、レンズ部材31の片側の一対の隅部(本例では四隅)は45°の面取り(C面取り)が施されており、この面取りにより形成された側面を一対の当接面35として、該当接面が基体71の矩形状の凹部の各隅部(角部)を構成する2つの側面に各々当接している。つまり本例では、位置決め部41は、基体71の凹部側面として、基体71の凹部の各隅部に設けられている。そして、十字状の板状部材56が基体71の凹部中心に立設されたネジ80にナット85で固定され、その屈曲部552(弾性部材50)によって、各レンズ部材31は、位置決め部41である基体の各隅部に対して押圧されている。この押圧方向は、各レンズ部材31の光入射面の曲率が略零である断面に略平行な方向になっている。また、レンズ部材31は、板バネである押さえ付け部材61によりz軸方向に押さえ付けられている。この場合、板状部材56の平板部は省略することもできる。
このように、レンズ部材31は、基体71上の一点を中心とし、該中心を通るz軸を回転軸としてその回転方向に互いに略等しい角度で、複数載置されてもよい。この場合、弾性部材50の押圧方向である第1軸は、各レンズ部材31に対応して、光軸に垂直な面内(xy平面内)に複数存在することになる。このような場合には、板状部材56が、各レンズ部材31に対応するように、その中心を通るz軸を回転軸としてその回転方向に互いに略等しい角度で配置された複数(ここでは特に3つ以上)の屈曲部552を有していることが好ましい。このような構成によれば、1つの板状部材56によって、複数のレンズ部材31を効率良く、位置決め部41に対して押圧することができる。また板状部材56が同様に配置された平板部も有していれば、レンズ部材31を効率良く光軸方向に押さえ付けることができる。なお、ここでは、4つのレンズ部材31が90°間隔で等配され、板状部材56が十字状である例を示しているが、より多くのレンズ部材、板状部材の屈曲部及び平板部が放射状に設けられてもよい。
さらに、図7に示す例の受光装置では、1つのレンズ部材31が、1つの光検出器11に対応して設けられ、該光検出器に対する入射光を制御しているが、これに限らず、複数のレンズ部材31によって、1つの光検出器11に対する入射光を制御してもよいし、逆に1つのレンズ部材31によって、複数の光検出器11に対する入射光を制御してもよい。
<実施例1>
以下、本発明に係る実施例について詳述する。なお、本発明は以下に示す実施例のみに限定されないことは言うまでもない。
実施例1に係る発光装置は、図1に示す例の構造を有する、船上に設置される集魚灯である。なお、x軸方向を横方向(左右)、y軸方向を縦方向として記述する。基体70は、縦150mm×横400mm、板厚0.5mm、凹部深さ15mmのアルミニウム合金製の筐体であり、その裏面には放熱用の複数の突起(不図示)が設けられている(厚さ方向の全幅は60mm)。この筐体70の凹部内には、縦100mm×横310mm、厚さ1.5mmの光源実装用のアルミ基板20が収容されている。この基板20上には、左右に分離された2つの領域が設けられており、その各領域にそれぞれ、発光中心波長450nmの窒化物半導体発光素子が搭載された表面実装型のLED10が、横方向に間隔14mmで9個、縦方向にはこのようなLEDの列が間隔13mmで3列×2組(中央部の間隔23mm)配置され、実装されている。また基板20には、その四隅と、中央部に横並びに3箇所(基板中心とその左右に間隔83mmの位置)と、に穴が設けられており、この穴を貫通するネジ80が筐体70の凹部底面に溶接で固定され、立設されている。また、この基板20の四隅のネジ80には、位置決め部40となるアルミニウム合金製の段付き(2段)の円柱状のスペーサが各々取り付けられている。このスペーサ40の長さは5mmで、レンズ部材の当接面35に接する部位の直径は10.5mmである。
レンズ部材30は、屈折率1.585のポリカーボネート樹脂製で、全長縦96mm×横150mmであって、中央部に縦88mm×横130mmの矩形状の光透過部301と、その四隅に横方向に10mm(y軸方向の幅16mm、厚さ6mm)延出して設けられた延出部302と、を有しており、その延出部の外側面にR5.25mmの略円筒面(の一部)の当接面35が設けられている。この光透過部301の光入射面は、延出部302の底面から3mm上位に位置している。また、光透過部301の光入射面は略平坦であり、光出射面には、実施の形態1で説明したような凹凸構造を有するレンズカットが施されている。光透過部301の厚さは、1.5mm〜2.5mm程度である。そして、このようなレンズ部材30は、片側の一対の当接面35が一対のスペーサ40に各々当接するように、基板20の各領域に対応して左右に2つ載置されている。
押さえ付け部材60と弾性部材50はそれぞれ、1つの板状部材55の平板部551と、その平板部に設けられた屈曲部552として設けられている。この板状部材55は、長さ184mm、厚さ0.5mmのステンレス鋼の板金で、長手方向の中央に短手方向の幅10mmの幅広部(長手方向の幅22mm)と、その両側に幅8mmの平板部551を有し、幅広部の四隅は切り欠かれて略L字状に折り曲げられた屈曲部552(幅1mm、長さ2mm)を有している。そして、この板状部材55は、その中心の穴が基板20の中心に立設されたネジ80にナット85で固定され、屈曲部552が撓みながら両側のレンズ部材30の側面に各々当接し、その弾性によりレンズ部材30を一対のスペーサ40に対して押圧している。また、レンズ部材30の中央部に設けられた穴と平板部551の両端部に設けられた穴とを貫通する、基板20中央部の2つのネジ80に、ナット85が各々螺合され、平板部551でレンズ部材30を押さえ付けている。なお、基板20の四隅のスペーサ40上には、第2の押さえ付け部材65として、外径12mm、厚さ0.5mmの環状(座金状)のステンレス板がナット85により取り付けられ、延出部302の端部を押さえている。
このような構造を有する集魚灯であれば、周囲温度の変化によってレンズ部材が伸縮しても、レンズ部材が反ったり割れたりせず、LEDとレンズ部材の相対的な位置関係を維持しやすく、LEDの光を効率良く海面及び海中に照射し続けることができる。
本発明の発光又は受光装置は、一般照明や内照式看板、外照式看板等の種々の照明用光源、LEDディスプレイ、液晶表示装置などのバックライト光源、信号機、照明式スイッチ、各種インジケータ、並びに各種光センサ等に好適に利用することができる。
10…光源、11…光検出器
20,21…基板
30,31…レンズ部材、301…光透過部、302…延出部、35…当接面
40,41…位置決め部
50,51…弾性部材
55,56…板状部材、551…平板部、552…屈曲部
60,61,65…押さえ付け部材(60…第1の押さえ付け部材、65…第2の押さえ付け部材)
70…基体(筐体)、71…基体(レンズホルダ)
80…ネジ、85…ナット
100…発光装置、200…受光装置

Claims (7)

  1. 位置決め部が設けられた基体と、
    前記基体上に設けられ、前記位置決め部に当接する一対の当接面を有するレンズ部材と、
    前記基体と前記レンズ部材との間に設けられた光源と、
    前記基体に直接又は間接的に固定され、前記レンズ部材を前記光源の光軸であるz軸に垂直なx軸方向に押圧して前記一対の当接面を前記位置決め部に各々当接させる弾性部材と、
    前記基体に固定され、前記レンズ部材を前記z軸方向に押さえ付ける押さえ付け部材と、を備え、
    前記レンズ部材の一対の当接面は、前記z軸方向から見て、該一対の当接面の中間を通る前記x軸に対して略線対称である、曲面又は前記x軸に対して傾斜する傾斜面である発光装置。
  2. 前記レンズ部材は、前記z軸及び前記x軸に垂直なy軸と前記z軸とを含むyz平面内において、xz平面内より光を大きく屈折させる請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記レンズ部材の一対の当接面は、該レンズ部材の一対の隅部に各々設けられた外側面である請求項1又は2に記載の発光装置。
  4. 前記レンズ部材は、光を透過する光透過部と、該光透過部より厚く、該光透過部から前記x軸方向に延出して前記当接面を有する一対の延出部と、を具備する請求項3に記載の発光装置。
  5. 前記位置決め部は、凸の略円筒面の側面を有し、
    前記レンズ部材の当接面は、前記位置決め部の側面と略同じ曲率の凹の略円筒面である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発光装置。
  6. 前記レンズ部材の側面における前記位置決め部及び前記弾性部材との接触部から露出される露出部と、前記基体と、の間の領域は空隙である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の発光装置。
  7. 前記弾性部材と前記押さえ付け部材は、1つの板状部材として設けられ、
    前記押さえ付け部材は、前記レンズ部材の上面を押さえる、前記板状部材の平板部であり、前記弾性部材は、前記平板部に設けられ、前記レンズ部材の外側面に接するように屈曲する屈曲部である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の発光装置。
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