JP3052101B2 - 増粘多糖類の殺菌法 - Google Patents

増粘多糖類の殺菌法

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JP3052101B2
JP3052101B2 JP4108674A JP10867492A JP3052101B2 JP 3052101 B2 JP3052101 B2 JP 3052101B2 JP 4108674 A JP4108674 A JP 4108674A JP 10867492 A JP10867492 A JP 10867492A JP 3052101 B2 JP3052101 B2 JP 3052101B2
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裕文 辻
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  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
  • Jellies, Jams, And Syrups (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は増粘多糖類の殺菌法に関
するもので、本発明によれば耐熱性細菌芽胞のない増粘
多糖類を得ることが可能であり、本発明により殺菌され
た増粘多糖類を使用することにより保存性の優れた食品
を得ることができる。
【0002】
【従来の技術】従来、増粘多糖類のような粉末状のもの
に含まれる耐熱性細菌芽胞の殺菌法として種々の方法が
検討されてきた。例えば紫外線による殺菌は、耐熱性細
菌芽胞に対しては有効であるが、表面的にしか殺菌でき
ず菌数を一定レベル以下に落とすことはできない。オゾ
ン殺菌も耐熱性細菌芽胞に有効であるが、内部まで浸透
しにくく、また増粘多糖類の物性に対する影響も無視で
きない。その他エチレンオキサイドガスや放射線殺菌は
有効であるが安全性の問題から食品への使用は法的に制
限がある。
【0003】従来、缶等の容器に充填され販売されてい
る缶入り液状食品には製造過程において加熱による殺菌
があり、微生物による変敗を抑制している。しかし、こ
のような殺菌処理は商業的殺菌であり、缶入り液状食品
は無菌状態に至っていない。このような缶入り液状食品
は通常の保存下では変敗・変質を起こさない。
【0004】しかし近年、自動販売機のめざましい普及
に伴い、缶入り液状食品が自動販売機で加温販売される
ことが多くなり、45〜70℃の高温下で保存されると商業
的殺菌で殺菌されずに残存していた通常では発芽する可
能性の少ない耐熱性細菌芽胞が発芽し、増殖することに
より食品が変敗・変質する場合がある。この現象はコー
ヒー,ココア,紅茶,しるこ,スープなど低酸性の缶入
り液状食品において問題となることが多い。
【0005】増粘多糖類は乳化安定性に優れているが、
耐熱性細菌芽胞が多く、例えば缶入り液状食品に使用
し、この食品が自動販売機で加温販売された場合、商業
的殺菌でも殺菌されず残存していた芽胞の発芽により食
品が変敗・変質する可能性があり品質の劣化を防ぐこと
は困難とされてきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来、増粘多糖類は優
れた乳化安定作用があるにもかかわらず、耐熱性細菌芽
胞が多く存在するため缶入り液状食品に利用された場
合、食品を菌的に安定に保つことは困難であるため使用
できず、耐熱性細菌芽胞のない増粘多糖類を得るための
殺菌法がこれまで望まれていた。
【0007】本発明はアルコールと食品用乳化剤を併用
することにより増粘多糖類に存在する耐熱性細菌芽胞を
殺菌する方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは増粘多糖類
中の耐熱性細菌芽胞を殺菌する方法について鋭意研究を
行った結果、アルコールと食品用乳化剤を用いた殺菌法
の発明に至った。即ち本発明は、耐熱性細菌芽胞のない
増粘多糖類を得るため、アルコールと食品用乳化剤を併
用して増粘多糖類を処理することを特徴とする増粘多糖
類の殺菌法である。
【0009】本発明に用いられる食品用乳化剤とはグリ
セリン脂肪酸エステル,ポリグリセリン脂肪酸エステ
ル,有機酸モノグリセリド,ショ糖脂肪酸エステル,ソ
ルビタン脂肪酸エステル,プロピレングリコール脂肪酸
エステル,レシチンの内、1種又は2種以上を併用した
ものを指す。
【0010】本発明に用いられるグリセリン脂肪酸エス
テルとは、グリセリンと炭素数8〜22の脂肪酸とのエス
テルであり、このうちモノエステルが好ましい。
【0011】本発明に用いられるポリグリセリン脂肪酸
エステルとは、重合度が2以上のポリグリセリンと炭素
数が8〜22の脂肪酸とのエステルでありこのうちモノ,
ジ,トリエステルが好ましい。
【0012】本発明に用いられる有機酸モノグリセリド
とは、グリセリンと炭素数8〜22の脂肪酸と有機酸のエ
ステルであり、有機酸としては酢酸,乳酸,クエン酸,
ジアセチル酒石酸,コハク酸があげられる。
【0013】本発明に用いられるショ糖脂肪酸エステル
とは、ショ糖と炭素数8〜22の脂肪酸とのエステルであ
り、このうちモノ,ジエステルが好ましい。
【0014】本発明で用いられるソルビタン脂肪酸エス
テルとは、ソルビトールと炭素数8〜22の脂肪酸との反
応生成物であり、モノ,ジエステルが望ましい。
【0015】本発明で用いられるプロピレングリコール
脂肪酸エステルとは、プロピレングリコールと炭素数8
〜22の脂肪酸とのエステルであり、モノエステルが好ま
しい。
【0016】本発明に用いられるレシチンとは、ダイ
ズ,コーン,ナタネ等の植物由来の物、卵黄等の動物由
来の物があげられる。またこれらレシチンを酵素により
分解・処理したものでもよい。
【0017】本発明に用いられる食品用乳化剤の添加量
は、アルコールに対し0.01〜10重量%が望ましい。0.01
重量%以下の添加量では本発明の効果が劣り、10重量%
以上の添加量では経済性の点から望ましくない。
【0018】本発明で用いられるアルコールは、直鎖あ
るいは側鎖を有する飽和あるいは不飽和の炭素数1〜20
の1級・2級・3級アルコールであり中でもメチルアル
コール,n−プロピルアルコール,イソプロピルアルコ
ール,ブチルアルコール等の低級アルコールが望まし
い。
【0019】本発明で用いられるアルコール濃度は、5
〜100 重量%が望ましい。また、処理温度は30℃〜200
℃までが望ましく、これ以下では効果が期待できず、こ
れ以上では増粘多糖類が分解する恐れがある。本発明で
の処理時間は、30分〜8時間の間が望ましい。
【0020】本発明で用いられる増粘多糖類としては、
植物種子粘質物としてグアーガム,タラガム,カシアガ
ム,植物樹脂粘質物としてアラビアガム,トラガントガ
ム,カラヤガム、植物果実粘質物としてペクチン,アラ
ビノガラクタン,微生物産生粘質物としてキサンタンガ
ム,プルラン,デキストラン,ジェランガム等があるが
増粘多糖類としては特に限定しない。本発明で増粘多糖
類を殺菌する場合、処理する工程は特に限定しないが、
例えば増粘多糖類の原料から粉砕する前,粉砕した後、
抽出時または粉末とした後等が上げられる。また、アル
コールに対する増粘多糖類の量は50重量%以下が望まし
く、これ以上では「ままこ」になる可能性が考えられ、
また攪拌ができなくなる恐れがある。
【0021】本発明の方法にて得られた増粘多糖類は、
缶入り液状食品の他に、食品全般,医薬品,医薬部外
品,化粧品等も使用出来る。
【実施例】
実施例1 アルコール濃度30重量%の含水イソプロピルアルコール
1,000 mlにグリセリンモノカプリル酸エステル〔サン
ソフトNo.700 P−2:太陽化学(株)製〕0.1 重量
%とデカグリセリンモノミリスチン酸エステル〔サンソ
フトQ−14S:太陽化学(株)製〕0.1 重量%とを混合
したものに、グアーガム100 gを加え4つ口フラスコに
て攪拌・混合させながら、75℃,2時間加熱処理を行っ
た。放冷した後、アルコール濃度が90%以上になるよう
にイソプロピルアルコールを加え、アルコール沈殿を行
った。その後、アルコール沈殿物をろ渦し、37℃,12時
間真空乾燥させたものを試料とした。
【0022】実施例2 アルコール濃度30重量%の含水エタノール1,000 mlに
0.1 重量%のソルビタンモノステアリン酸エステル〔サ
ンソフトNo.61S:太陽化学(株)製〕と構成脂肪酸
としてパルミチン酸を主体とするモノエステル含量が約
80%のショ糖脂肪酸エステル〔リョートーシュガーエス
テルP−1670:三菱化成食品(株)製〕0.1 重量%を混
合したものにアラビアガム100 gを加え以後実施例1と
同様の操作で試験を行った。
【0023】実施例3 アルコール濃度50重量%の含水イソプロピルアルコール
1,000 mlに0.1 重量%のポリグリセリンモノミリスチ
ン酸エステル〔サンソフトQ−14S〕とプロピレングリ
コールモノステアリン酸エステル〔サンソフトNo.25
−CD:太陽化学(株)製〕0.1 重量%を混合したもの
にカラヤガムを100 gを加え以後実施例1と同様の操作
で試験を行った。
【0024】対照例1 実施例1において乳化剤を添加せずに試験を行った。
【0025】対照例2 99%エタノール1,000 mlに乳化剤を添加せずグアーガ
ム100 gを加え、以後、実施例1と同様の操作で試験を
行った。
【0026】上述の実施例および対照例で得た試料1g
を滅菌精製水に無菌的に溶解し、試験溶液とした。この
ものを定法により耐熱性細菌芽胞の菌検査を行った。以
上の実施例および対照例で得られた試料について行った
試験結果を表1に併せて示した。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】以上に述べたように、増粘多糖類を本発
明の殺菌法により処理することにより耐熱性細菌芽胞の
ない増粘多糖類が得られた。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−312577(JP,A) 特開 昭63−22171(JP,A) 特開 昭59−227281(JP,A) 特開 昭63−133972(JP,A) 特開 平4−18003(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 3/3463 - 3/3571 A23L 1/05

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 増粘多糖類を食品用乳化剤のアルコール
    溶液または分散液中に浸漬することを特徴とする増粘多
    糖類の耐熱性細菌芽胞の殺菌法。
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