JP2711480B2 - 紫サツマイモ色素の製法 - Google Patents
紫サツマイモ色素の製法Info
- Publication number
- JP2711480B2 JP2711480B2 JP2222215A JP22221590A JP2711480B2 JP 2711480 B2 JP2711480 B2 JP 2711480B2 JP 2222215 A JP2222215 A JP 2222215A JP 22221590 A JP22221590 A JP 22221590A JP 2711480 B2 JP2711480 B2 JP 2711480B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sweet potato
- purple sweet
- purple
- dye
- pigment
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Medicines Containing Plant Substances (AREA)
- Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は耐光性、耐熱性などに優れた安定な紫サツマ
イモ色素の製法に関する。
イモ色素の製法に関する。
更に詳しくは、本発明は紫サツマイモ中に存在するポ
リフェノールオキシダーゼなどの酸化酵素の活動を抑え
た条件下で、粉砕、抽出、吸着、濃縮などの処理を行う
ことにより、収率および色調の純度に優れた紫サツマイ
モを製造する方法に関する。
リフェノールオキシダーゼなどの酸化酵素の活動を抑え
た条件下で、粉砕、抽出、吸着、濃縮などの処理を行う
ことにより、収率および色調の純度に優れた紫サツマイ
モを製造する方法に関する。
(従来の技術) 赤カブ、シソ、赤キャベツなどの野菜類、イチゴ、ブ
ドウなどの果実類あるいは紫サツマイモ類などから得ら
れる赤色乃至赤紫色の天然色素は、アントシアニン系色
素に属しており、例えば飲食品、香粧品、保健・医薬品
などの分野で利用され、特に飲食品の着色に広く用いら
れている。
ドウなどの果実類あるいは紫サツマイモ類などから得ら
れる赤色乃至赤紫色の天然色素は、アントシアニン系色
素に属しており、例えば飲食品、香粧品、保健・医薬品
などの分野で利用され、特に飲食品の着色に広く用いら
れている。
上述の原料から得られるアントシアニン系色素のう
ち、紫サツマイモ類から得られる紫サツマイモ色素は、
他の原料から得られる色素にくらべ光あるいは熱に安定
であることから、最近、注目を浴びている色素の一つで
ある。
ち、紫サツマイモ類から得られる紫サツマイモ色素は、
他の原料から得られる色素にくらべ光あるいは熱に安定
であることから、最近、注目を浴びている色素の一つで
ある。
この紫サツマイモ色素の製法に関して、いくつかの提
案があるが、例えば、生あるいは蒸煮した紫サツマイモ
を酸または酵素で加水分解した後、水あるいはアルコー
ルで抽出し、抽出物を吸着、濃縮などの処理を行うこと
により、紫サツマイモ色素を製造する方法[ブラジル特
許第8302342号公報(1984年)]、特開昭62−297363号
公報あるいは特開昭62−297364号公報などが提案されて
いる。
案があるが、例えば、生あるいは蒸煮した紫サツマイモ
を酸または酵素で加水分解した後、水あるいはアルコー
ルで抽出し、抽出物を吸着、濃縮などの処理を行うこと
により、紫サツマイモ色素を製造する方法[ブラジル特
許第8302342号公報(1984年)]、特開昭62−297363号
公報あるいは特開昭62−297364号公報などが提案されて
いる。
(発明が解決するための課題) しかしながら。上記の従来提案の製造方法において
は、色素の抽出効率が必ずしも満足できるものではな
く、また蒸煮によりイモの澱粉が糊状になり、抽出など
の操作が煩雑になるなどの問題点があった。更に上記提
案で得られる色素は、その製造工程中室温付近で原料イ
モを切断しているため、酸化酵素の影響を受け褐変、褐
色などのトラブルを起こし、色調ならびに鮮明性の点で
も満足できるもではなかった。
は、色素の抽出効率が必ずしも満足できるものではな
く、また蒸煮によりイモの澱粉が糊状になり、抽出など
の操作が煩雑になるなどの問題点があった。更に上記提
案で得られる色素は、その製造工程中室温付近で原料イ
モを切断しているため、酸化酵素の影響を受け褐変、褐
色などのトラブルを起こし、色調ならびに鮮明性の点で
も満足できるもではなかった。
そこで本発明者らは、紫サツマイモの澱粉を糊化させ
ず、且つ酸化酵素の影響を受けない程度の低温条件下で
粉砕すれば、上記課題を一挙に解決できるとの予測に基
づいて鋭意研究を行ってきた。
ず、且つ酸化酵素の影響を受けない程度の低温条件下で
粉砕すれば、上記課題を一挙に解決できるとの予測に基
づいて鋭意研究を行ってきた。
その結果、10℃以下の温度で粉砕した紫サツマイモの
粉砕物を酸性条件下に水および/またはアルコールで抽
出し、紫サツマイモ色素を製造することにより、上記の
課題を一挙に解決できることを見い出し本発明を完成し
た。
粉砕物を酸性条件下に水および/またはアルコールで抽
出し、紫サツマイモ色素を製造することにより、上記の
課題を一挙に解決できることを見い出し本発明を完成し
た。
従って本発明の目的は、紫サツマイモ中に存在するポ
リフェノールオキシダーゼなどの酸化酵素の影響を受け
ない条件下で紫サツマイモを粉砕することにより、収率
および色調の純度に優れ、且つ耐光性、耐熱性にも優れ
た紫サツマイモ色素を製造することのできる方法を提供
するにある。
リフェノールオキシダーゼなどの酸化酵素の影響を受け
ない条件下で紫サツマイモを粉砕することにより、収率
および色調の純度に優れ、且つ耐光性、耐熱性にも優れ
た紫サツマイモ色素を製造することのできる方法を提供
するにある。
(課題を解決するための手段) 本発明によれば、10℃以下の温度で粉砕した紫サツマ
イモの粉砕物を酸性条件下および/またはアルコールで
抽出することにより、紫サツマイモ色素を容易に製造す
ることができる。
イモの粉砕物を酸性条件下および/またはアルコールで
抽出することにより、紫サツマイモ色素を容易に製造す
ることができる。
本発明で原料として用いる紫サツマイモの種類として
は、例えばブラジル原産紫サツマイモ(Ipomoea batata
s,Lam.,Convolvlaceae)、山川紫、種子島在来、穎娃
紫、喜入紫、ナカムラサキ、ベルベット、Yen217、Yen5
03、マークハムなどを例示することができる。
は、例えばブラジル原産紫サツマイモ(Ipomoea batata
s,Lam.,Convolvlaceae)、山川紫、種子島在来、穎娃
紫、喜入紫、ナカムラサキ、ベルベット、Yen217、Yen5
03、マークハムなどを例示することができる。
また、上記の他に山川紫サツマイモを品種改良してアン
トシアニン色素含量を高めた新品種のサツマイモを原料
とすることもできる。これら新品種のうち、例えば山川
紫サツマイモを母親とし、ベニアズマ、クリコガネ、穎
娃紫などのサツマイモを父親として交配(山川紫×ベニ
アズマ、山川紫×クリコガネ、山川紫×穎娃紫)して得
られる新品種のサツマイモはアントシアニン系色素含量
が高く、原料として特に好ましい。その色素含量は例え
ば、従来型の山川紫にくらべて、約3〜約4.7倍である
ことが報告されている(いも類振興情報第24号:平成2
年7月15日発行)。
トシアニン色素含量を高めた新品種のサツマイモを原料
とすることもできる。これら新品種のうち、例えば山川
紫サツマイモを母親とし、ベニアズマ、クリコガネ、穎
娃紫などのサツマイモを父親として交配(山川紫×ベニ
アズマ、山川紫×クリコガネ、山川紫×穎娃紫)して得
られる新品種のサツマイモはアントシアニン系色素含量
が高く、原料として特に好ましい。その色素含量は例え
ば、従来型の山川紫にくらべて、約3〜約4.7倍である
ことが報告されている(いも類振興情報第24号:平成2
年7月15日発行)。
これら新品種の交配採取は、例えば台木のキダチアサ
ガオを12月〜1月に播種・養成し、本葉が15葉ほどにな
る2〜3月に甘署を高接ぎする。接木後、40日頃から甘
署は開花しはじめ、4〜6月に温室内で人為的に交配を
行う。交配後、結さくしたら採種した種子を播き、成長
した苗を挿苗し栽培して、新品種のサツマイモを収穫す
ることができる(九州農業試験場作物第二部作物第1研
究室作成の「研究室のしごと」参照)。
ガオを12月〜1月に播種・養成し、本葉が15葉ほどにな
る2〜3月に甘署を高接ぎする。接木後、40日頃から甘
署は開花しはじめ、4〜6月に温室内で人為的に交配を
行う。交配後、結さくしたら採種した種子を播き、成長
した苗を挿苗し栽培して、新品種のサツマイモを収穫す
ることができる(九州農業試験場作物第二部作物第1研
究室作成の「研究室のしごと」参照)。
上述の各種の紫サツマイモは、例えば沖縄、南九州地
方、千葉、茨城などの関東地方で栽培されており容易に
入手することができる。
方、千葉、茨城などの関東地方で栽培されており容易に
入手することができる。
該紫サツマイモの粉砕は、ハンマークラッシャー、ハ
ンマーミル、クライオミルなど通常の粉砕機を用いて行
うことができるが、粉砕に伴う発熱による変質、酸化を
防止すると同時に酸化酵素の活性を抑制するために、10
℃以下で行うことが重要である。また所望により、10℃
をこえない温度範囲で抽出溶媒中でも粉砕することがで
きる。
ンマーミル、クライオミルなど通常の粉砕機を用いて行
うことができるが、粉砕に伴う発熱による変質、酸化を
防止すると同時に酸化酵素の活性を抑制するために、10
℃以下で行うことが重要である。また所望により、10℃
をこえない温度範囲で抽出溶媒中でも粉砕することがで
きる。
粉砕中の品温が10℃を超えると酸化酵素の作用によ
り、アントシアニン色素が変色、褐色および褐変し、色
素収率を低下させるので好ましくない。従って、より低
温で行うのが好ましいが、一般的には凍結粉砕を採用す
ることにより、上記のトラブルを回避することができ
る。凍結粉砕は既知の方法で行うことができ、例えば液
体窒素などを利用した急速凍結または通常の緩慢凍結に
よって、約0℃〜約−100℃、好ましくは約−20℃以下
に冷却した紫サツマイモを、例えばクライオミルなどを
用いて粉砕する。
り、アントシアニン色素が変色、褐色および褐変し、色
素収率を低下させるので好ましくない。従って、より低
温で行うのが好ましいが、一般的には凍結粉砕を採用す
ることにより、上記のトラブルを回避することができ
る。凍結粉砕は既知の方法で行うことができ、例えば液
体窒素などを利用した急速凍結または通常の緩慢凍結に
よって、約0℃〜約−100℃、好ましくは約−20℃以下
に冷却した紫サツマイモを、例えばクライオミルなどを
用いて粉砕する。
粉砕の程度は特に限定されないが、例えば約5〜約20
mmのスクリーンを通過する程度になるまで粉砕する。ま
た、凍結することにより、紫サツマイモの細胞は凍結破
壊される。これにより抽出処理中に紫サツマイモは微粉
砕状に破壊され、色素の抽出率が飛躍的に向上し、例え
ばセルラーゼまたはアミラーゼなどによる煩雑な酵素処
理工程を省略しても従来法に比し、抽出率を向上させる
ことができる。
mmのスクリーンを通過する程度になるまで粉砕する。ま
た、凍結することにより、紫サツマイモの細胞は凍結破
壊される。これにより抽出処理中に紫サツマイモは微粉
砕状に破壊され、色素の抽出率が飛躍的に向上し、例え
ばセルラーゼまたはアミラーゼなどによる煩雑な酵素処
理工程を省略しても従来法に比し、抽出率を向上させる
ことができる。
次に、上述の粉砕物を酸性条件下に溶媒で抽出する。
抽出で使用する溶媒としては、例えば水およびメチル
アルコール、エチルアルコールなどの低級アルコール類
およびこれらの任意の混和物などを例示できる。また、
これら溶媒の使用量は適宜に選択することができ、原料
の粉砕物に基づいて例えば約2〜約5重量倍のごとき使
用量を示すことができる。
アルコール、エチルアルコールなどの低級アルコール類
およびこれらの任意の混和物などを例示できる。また、
これら溶媒の使用量は適宜に選択することができ、原料
の粉砕物に基づいて例えば約2〜約5重量倍のごとき使
用量を示すことができる。
上述の粉砕物を酸性にするには、あらかじめ酸性溶媒
を調製しておき、この中に粉砕物を投入、混合して行わ
れる。酸性溶媒のpHは、例えば約2〜3のごとき範囲が
好適である。
を調製しておき、この中に粉砕物を投入、混合して行わ
れる。酸性溶媒のpHは、例えば約2〜3のごとき範囲が
好適である。
用いられる酸としては、例えばクエン酸、酒石酸、リ
ンゴ酸、ギ酸、酢酸などの有機酸あるいは塩酸、硫酸、
リン酸などの無機酸を挙げることができる。
ンゴ酸、ギ酸、酢酸などの有機酸あるいは塩酸、硫酸、
リン酸などの無機酸を挙げることができる。
酸性条件下では酵素の働きは抑制されているため、該
条件下での抽出温度には特に制限はなく通常、例えば約
20℃〜約60℃程度の範囲で実施できる。
条件下での抽出温度には特に制限はなく通常、例えば約
20℃〜約60℃程度の範囲で実施できる。
抽出の好ましい一態様を例示すれば、例えば粉砕物1
重量部に対して、酸性溶媒約3重量部を混合し、約40℃
で約2時間静置もしくは撹拌抽出する。この際、セルラ
ーゼ、アミラーゼ、ペクチナーゼなどの酵素を添加する
ことにより、抽出液の粘度が低下し、その後の操作を容
易にすると同時に色素の抽出率も向上するので一層好ま
しい結果が得られる。酵素の添加量としては、例えば粉
砕物1重量部に対して、約0.01〜約0.5重量%添加し、
添加後約40℃で約2時間程度、静置あるいは撹拌しなが
ら紫サツマイモ色素を抽出する。
重量部に対して、酸性溶媒約3重量部を混合し、約40℃
で約2時間静置もしくは撹拌抽出する。この際、セルラ
ーゼ、アミラーゼ、ペクチナーゼなどの酵素を添加する
ことにより、抽出液の粘度が低下し、その後の操作を容
易にすると同時に色素の抽出率も向上するので一層好ま
しい結果が得られる。酵素の添加量としては、例えば粉
砕物1重量部に対して、約0.01〜約0.5重量%添加し、
添加後約40℃で約2時間程度、静置あるいは撹拌しなが
ら紫サツマイモ色素を抽出する。
上述の抽出操作後、例えば濾過、遠心分離など任意の
固−液分離手段を利用して、不溶性固形分を分離除去す
ることにより紫サツマイモ色素抽出液を得ることができ
る。
固−液分離手段を利用して、不溶性固形分を分離除去す
ることにより紫サツマイモ色素抽出液を得ることができ
る。
本発明においては上記抽出液を殺菌あるいは酸化酵素
を失活させる目的で加熱処理するのが好ましく、例えば
プレート殺菌あるいはバッチ殺菌などの任意の加熱手段
を用いて、約80℃〜約95℃の温度範囲で約30秒〜約0.5
時間程度行えば十分である。この加熱処理により、以後
の操作における色素の褐変、褐色などのトラブルを防止
することもできる。
を失活させる目的で加熱処理するのが好ましく、例えば
プレート殺菌あるいはバッチ殺菌などの任意の加熱手段
を用いて、約80℃〜約95℃の温度範囲で約30秒〜約0.5
時間程度行えば十分である。この加熱処理により、以後
の操作における色素の褐変、褐色などのトラブルを防止
することもできる。
上述のようにして製造できる紫サツマイモ色素抽出液
は、そのまま飲食品などの着色料として使用することも
できるが、通常例えば、該抽出液をスチレン−ジビニル
ベンゼン系樹脂またはメタアクリル酸エステル系樹脂と
接触処理し、紫サツマイモ色素を該樹脂に吸着させた
後、アルコールで溶出して得られる溶出液を濃縮する方
法が採用され、これによって、収率および色調の純度に
優れた紫サツマイモ色素が得られる。
は、そのまま飲食品などの着色料として使用することも
できるが、通常例えば、該抽出液をスチレン−ジビニル
ベンゼン系樹脂またはメタアクリル酸エステル系樹脂と
接触処理し、紫サツマイモ色素を該樹脂に吸着させた
後、アルコールで溶出して得られる溶出液を濃縮する方
法が採用され、これによって、収率および色調の純度に
優れた紫サツマイモ色素が得られる。
本発明に使用するスチレン−ジビニルベンゼン系樹脂
としては、例えば比表面積300〜700m2/g程度の樹脂を挙
げることができる。この条件に該当する多孔性重合樹脂
は市販されており、例えばHP樹脂(三菱化成製)、SP樹
脂(三菱化成製)、XAD−2およびXAD−4(ローム&ハ
ス社製)などがある。またメタアクリル酸エステル系樹
脂としては、例えばXAD−7およびXAD−8(ローム&ハ
ス社製)などがある。更に該樹脂から色素を溶出させる
溶媒としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコ
ール、イソプロパノールなどのアルコール類、その他ア
セトンなどケトン類の有機溶媒、更にこれらの有機溶媒
と水30重量%以上との混合溶媒を例示することができ
る。
としては、例えば比表面積300〜700m2/g程度の樹脂を挙
げることができる。この条件に該当する多孔性重合樹脂
は市販されており、例えばHP樹脂(三菱化成製)、SP樹
脂(三菱化成製)、XAD−2およびXAD−4(ローム&ハ
ス社製)などがある。またメタアクリル酸エステル系樹
脂としては、例えばXAD−7およびXAD−8(ローム&ハ
ス社製)などがある。更に該樹脂から色素を溶出させる
溶媒としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコ
ール、イソプロパノールなどのアルコール類、その他ア
セトンなどケトン類の有機溶媒、更にこれらの有機溶媒
と水30重量%以上との混合溶媒を例示することができ
る。
本発明における紫サツマイモ色素を樹脂に吸着させる
吸着処理手段としては、バッチ方式、カラム方式が、通
常好ましく採用される。
吸着処理手段としては、バッチ方式、カラム方式が、通
常好ましく採用される。
例えば、バッチ方式では上記で得られた加熱処理液を
適当な容器に入れ、上述の樹脂を加えて静置もしくは撹
拌して接触せしめることにより、加熱処理液中の色素を
該樹脂に選択的に吸着させることができる。吸着後の樹
脂は、例えば濾過などの手段を用いて濾液分離を行い、
樹脂を取り出す。この樹脂を上述のアルコールと接触さ
せて、樹脂に吸着されていた色素を溶出させることによ
り、容易に紫サツマイモ色素を採取することができる。
適当な容器に入れ、上述の樹脂を加えて静置もしくは撹
拌して接触せしめることにより、加熱処理液中の色素を
該樹脂に選択的に吸着させることができる。吸着後の樹
脂は、例えば濾過などの手段を用いて濾液分離を行い、
樹脂を取り出す。この樹脂を上述のアルコールと接触さ
せて、樹脂に吸着されていた色素を溶出させることによ
り、容易に紫サツマイモ色素を採取することができる。
またカラム方式では、該樹脂をカラムに充填し、該カ
ラム上部より前記加熱処理液を、例えばSV約0.5〜5で
通過させることにより、加熱処理液中に含まれる紫サツ
マイモ色素を選択的に樹脂に吸着させる。次いで、溶出
溶媒として、例えばエチルアルコールをカラムの上部よ
り、例えばSV約0.5〜5で連続的に流し、樹脂に吸着さ
れている紫サツマイモ色素を溶出させることによって、
該カラム下部から流出する溶出液を容易に採取できる。
ラム上部より前記加熱処理液を、例えばSV約0.5〜5で
通過させることにより、加熱処理液中に含まれる紫サツ
マイモ色素を選択的に樹脂に吸着させる。次いで、溶出
溶媒として、例えばエチルアルコールをカラムの上部よ
り、例えばSV約0.5〜5で連続的に流し、樹脂に吸着さ
れている紫サツマイモ色素を溶出させることによって、
該カラム下部から流出する溶出液を容易に採取できる。
溶出処理後、例えば約20〜約90℃の温度で溶出液から
溶出溶媒を大気圧乃至減圧条件下に留去することによ
り、約200〜約2000の色価を有する紫サツマイモ色素の
濃縮液を得ることができる。
溶出溶媒を大気圧乃至減圧条件下に留去することによ
り、約200〜約2000の色価を有する紫サツマイモ色素の
濃縮液を得ることができる。
上述のようにして得られた本発明の紫サツマイモ色素
は、天然の赤色乃至赤紫色色素として優れた色調、安定
性を有し、そのままの形で、あるいは乳化、粉末化した
形態で広い分野において利用可能である。例えば、飲食
物・嗜好品類、餌飼料類、保健・医薬品類、香粧品類な
どの利用分野において有用である。
は、天然の赤色乃至赤紫色色素として優れた色調、安定
性を有し、そのままの形で、あるいは乳化、粉末化した
形態で広い分野において利用可能である。例えば、飲食
物・嗜好品類、餌飼料類、保健・医薬品類、香粧品類な
どの利用分野において有用である。
例えば、ドロップ、キャンディー、チョコレート、ア
イスクリーム、シャーベット、ゼリー、乳飲料、餡、蓄
肉加工食品、焼肉たれ、漬物などのごとき飲食品・嗜好
品類への天然着色料;例えば、錠剤、液状経口薬、粉末
状の経口薬、湿布薬などのごとき保健・医薬品類への天
然着色料;あるいは例えば、石鹸、洗剤、シャンプーの
着色のごとき香粧品類への天然着色料などとして有用で
ある。
イスクリーム、シャーベット、ゼリー、乳飲料、餡、蓄
肉加工食品、焼肉たれ、漬物などのごとき飲食品・嗜好
品類への天然着色料;例えば、錠剤、液状経口薬、粉末
状の経口薬、湿布薬などのごとき保健・医薬品類への天
然着色料;あるいは例えば、石鹸、洗剤、シャンプーの
着色のごとき香粧品類への天然着色料などとして有用で
ある。
以下、実施例により、本発明の製造の数態様について
更に詳しく説明する。
更に詳しく説明する。
(実施例) 実施例1 生の紫サツマイモ(山川紫)1kgを−20℃に保存して
凍結した後、凍結粉砕機で1〜2mm程度の大きさに粉砕
した。次いで粉砕物の温度を0℃以下に保った状態で、
2%クエン酸水溶液3kg中に投入する。混合後、セルラ
ーゼ1gを添加し、撹拌しながら約40℃で2時間紫サツマ
イモ色素を抽出する。抽出後濾過して不溶性固形物を除
き、紫サツマイモ色素含有抽出液3.6kgを得た。この抽
出液を約93℃の温度で90秒間殺菌した後、スチレン−ジ
ビニルベンゼン系多孔性重合樹脂SP−207(三菱化成
製)50mlを充填したカラム中をSV=1で通液させて、紫
サツマイモ色素を吸着させる。次にクエン酸を1%含む
50重量%のエタノール水溶液130gを用いてSV=1で溶出
させ、紫サツマイモ色素溶出液を得た。得られた溶出液
を30mmHgの減圧下に50℃でエタノールを蒸留除去して紫
サツマイモ色素39g(紫サツマイモ1gから取れる色素の
色価は31.2)を得た。
凍結した後、凍結粉砕機で1〜2mm程度の大きさに粉砕
した。次いで粉砕物の温度を0℃以下に保った状態で、
2%クエン酸水溶液3kg中に投入する。混合後、セルラ
ーゼ1gを添加し、撹拌しながら約40℃で2時間紫サツマ
イモ色素を抽出する。抽出後濾過して不溶性固形物を除
き、紫サツマイモ色素含有抽出液3.6kgを得た。この抽
出液を約93℃の温度で90秒間殺菌した後、スチレン−ジ
ビニルベンゼン系多孔性重合樹脂SP−207(三菱化成
製)50mlを充填したカラム中をSV=1で通液させて、紫
サツマイモ色素を吸着させる。次にクエン酸を1%含む
50重量%のエタノール水溶液130gを用いてSV=1で溶出
させ、紫サツマイモ色素溶出液を得た。得られた溶出液
を30mmHgの減圧下に50℃でエタノールを蒸留除去して紫
サツマイモ色素39g(紫サツマイモ1gから取れる色素の
色価は31.2)を得た。
尚、色価は紫サツマイモをpH2.7の緩衝液で希釈し、
分光光度計により1cmのセルを用いOD530nmを測定した
後、希釈倍率を掛けて算出した。
分光光度計により1cmのセルを用いOD530nmを測定した
後、希釈倍率を掛けて算出した。
実施例2 山川紫とベニアズマ(白皮)を交配して、品種改良し
た紫サツマイモ100gを−20℃で凍結した後、2%クエン
酸水溶液500g中でミキサー粉砕した。
た紫サツマイモ100gを−20℃で凍結した後、2%クエン
酸水溶液500g中でミキサー粉砕した。
次いで40℃で2時間、紫サツマイモ色素を撹拌抽出し
た。冷却後濾過し、抽出液545gを得た。抽出液を85℃10
分間殺菌した後、SP−207を10ml充填したカラムにSV=
2で通液して、色素を吸着させる。次にクエン酸1%を
含む60%(W/W)エタノール水溶液30gを用いて色素を溶
出させる。得られた色素溶出液を減圧下でロータリーエ
バポレーターにて濃縮して、紫サツマイモ色素9.0g(紫
サツマイモ1gから取れる色素の色価は82.8)を得た。
た。冷却後濾過し、抽出液545gを得た。抽出液を85℃10
分間殺菌した後、SP−207を10ml充填したカラムにSV=
2で通液して、色素を吸着させる。次にクエン酸1%を
含む60%(W/W)エタノール水溶液30gを用いて色素を溶
出させる。得られた色素溶出液を減圧下でロータリーエ
バポレーターにて濃縮して、紫サツマイモ色素9.0g(紫
サツマイモ1gから取れる色素の色価は82.8)を得た。
実施例3〜4 実施例1の原料イモである山川紫を種子島在来(実施
例3)および種子島在来と山川紫を交配させた改良品種
(実施例4)に代えた以外は、実施例1と同様にして紫
サツマイモ色素を得た。得られた色素の色価を測定した
ところ、種子島在来1gから取れる色素の色価は24.3であ
り、改良品種は87,7であった。
例3)および種子島在来と山川紫を交配させた改良品種
(実施例4)に代えた以外は、実施例1と同様にして紫
サツマイモ色素を得た。得られた色素の色価を測定した
ところ、種子島在来1gから取れる色素の色価は24.3であ
り、改良品種は87,7であった。
比較例 実施例1〜4で用いた原料イモである山川紫、種子島
在来、改良品種(山川紫×ベニアズマ白皮)、改良品
種(種子島在来×山川紫)を20℃の温度で粉砕処理し
た以外は実施例1と同様にして色素を抽出した。その結
果を表−1に示す。本発明と比較のため、実施例1〜4
で得られた色素の色価を掲載する。
在来、改良品種(山川紫×ベニアズマ白皮)、改良品
種(種子島在来×山川紫)を20℃の温度で粉砕処理し
た以外は実施例1と同様にして色素を抽出した。その結
果を表−1に示す。本発明と比較のため、実施例1〜4
で得られた色素の色価を掲載する。
この表−1から、酸化酵素の活動が抑制される低温度
で原料イモを粉砕することによる効果が確認できる。
で原料イモを粉砕することによる効果が確認できる。
(発明の効果) 本発明によれば、紫サツマイモ中に存在するポリフェ
ノールオキシダーゼなどの酸化酵素の活性を抑えるに充
分な低温条件下で紫サツマイモを粉砕し、該粉砕物を酸
性条件下に水またはアルコールで抽出することにより、
収率および色調の純度に優れ、且つ耐光性、耐熱性およ
び色調にも優れた紫サツマイモ色素を得ることができ
る。
ノールオキシダーゼなどの酸化酵素の活性を抑えるに充
分な低温条件下で紫サツマイモを粉砕し、該粉砕物を酸
性条件下に水またはアルコールで抽出することにより、
収率および色調の純度に優れ、且つ耐光性、耐熱性およ
び色調にも優れた紫サツマイモ色素を得ることができ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】10℃以下の温度で粉砕した紫サツマイモの
粉砕物を酸性条件下に水および/またはアルコールで抽
出することを特徴とする紫サツマイモ色素の製法。 - 【請求項2】粉砕物が凍結粉砕物である請求項(1)記
載の紫サツマイモ色素の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2222215A JP2711480B2 (ja) | 1990-08-23 | 1990-08-23 | 紫サツマイモ色素の製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2222215A JP2711480B2 (ja) | 1990-08-23 | 1990-08-23 | 紫サツマイモ色素の製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04103669A JPH04103669A (ja) | 1992-04-06 |
JP2711480B2 true JP2711480B2 (ja) | 1998-02-10 |
Family
ID=16778935
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2222215A Expired - Fee Related JP2711480B2 (ja) | 1990-08-23 | 1990-08-23 | 紫サツマイモ色素の製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2711480B2 (ja) |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0824545B2 (ja) * | 1992-08-12 | 1996-03-13 | 新潟県 | 赤色系食用色素並びに赤色系食用色素液の作出方法 |
JP2747207B2 (ja) * | 1993-11-05 | 1998-05-06 | 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 | 紫さつまいも色素の製造方法 |
JP4829146B2 (ja) * | 2007-02-27 | 2011-12-07 | 弘 高橋 | ファイトケミカルエキス抽出方法及び該方法によって得られるファイトケミカルエキス |
EP2096146A1 (en) | 2008-02-29 | 2009-09-02 | San-Ei Gen F.F.I., Inc. | Deodorized plant pigment derived from Ipomoea Batatas |
CN103160139A (zh) * | 2011-12-08 | 2013-06-19 | 上海蓝普生物科技有限公司 | 一种天然色素的提取方法 |
CN102675912B (zh) * | 2012-05-18 | 2014-06-18 | 江西国亿生物科技有限公司 | 一种紫甘薯色素的制备方法 |
CN103788218B (zh) * | 2014-02-27 | 2015-09-16 | 青岛崂好人海洋生物技术有限公司 | 一种紫甘薯有效成份分解提取方法 |
CN105394521A (zh) * | 2015-11-04 | 2016-03-16 | 天津科技大学 | 油包水型紫甘薯色素微乳液及其制备方法 |
CN105293840B (zh) * | 2015-11-30 | 2017-10-03 | 青岛鹏远康华天然产物有限公司 | 紫薯粉生产中有色污水的处理工艺 |
-
1990
- 1990-08-23 JP JP2222215A patent/JP2711480B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04103669A (ja) | 1992-04-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Moßhammer et al. | Cactus pear fruits (Opuntia spp.): A review of processing technologies and current uses | |
AU742247B2 (en) | Trans-xanthophyll ester concentrates of enhanced purity and methods of making same | |
JP2704783B2 (ja) | 飲食品のフレーバー劣化防止方法 | |
JP4574788B2 (ja) | プロアントシアニジン含有組成物 | |
JPH092917A (ja) | ホップより得られるポリフェノール製剤とその製造法 | |
JP4358957B2 (ja) | フリーラジカル又は活性酸素を消去もしくは低減する剤 | |
JP2711480B2 (ja) | 紫サツマイモ色素の製法 | |
KR20110057811A (ko) | 자색고구마 알갱이 음료의 제조방법 | |
JP2000063827A (ja) | 抗酸化剤の製造方法 | |
JP3408919B2 (ja) | 紫さつまいも色素の製造方法 | |
JP2821946B2 (ja) | アントシアニン系色素の精製方法 | |
JP4688795B2 (ja) | バナバ抽出物の調製方法 | |
KR20190060023A (ko) | 오미자와 아로니아 추출물의 유효성분을 함유하는 음료 제조방법 및 그에 의해 제조된 음료 | |
Cohn et al. | The by-products of fruit processing | |
JPH0693199A (ja) | クチナシ黄色色素の褪色防止剤 | |
KR20190049499A (ko) | 알룰로스를 이용한 생과채의 갈변방지 방법 | |
KR101853848B1 (ko) | 참외 주박 소금 제조방법 및 그 참외 주박 소금 | |
JP3004193B2 (ja) | 植物の緑色色素物質 | |
KR930003885B1 (ko) | 감을 주원료로하는 감케찹 및 그 제조방법 | |
KR101437814B1 (ko) | 미세조류 유래 푸코잔틴을 포함하는 식품조성물 및 그 제조방법 | |
JP2667791B2 (ja) | 紫サツマイモ色素と食品原料の同時製造方法 | |
JPH0122872B2 (ja) | ||
KR101772014B1 (ko) | 아로니아와 배를 포함하는 건강음료 제조방법 | |
KR101960537B1 (ko) | 당 함량이 낮은 오미자 추출진액의 제조 방법 | |
WO2001095747A1 (fr) | Procede de production de boissons acides |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081031 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091031 Year of fee payment: 12 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |