JP2747207B2 - 紫さつまいも色素の製造方法 - Google Patents

紫さつまいも色素の製造方法

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JP2747207B2 JP5301060A JP30106093A JP2747207B2 JP 2747207 B2 JP2747207 B2 JP 2747207B2 JP 5301060 A JP5301060 A JP 5301060A JP 30106093 A JP30106093 A JP 30106093A JP 2747207 B2 JP2747207 B2 JP 2747207B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐光性、耐熱性などに
優れた安定な紫さつまいも色素の製法に関する。更に詳
しくは、紫さつまいもの改良品種の「九州113号」を
使用し、紫さつまいもに含有されているポリフェノール
オキシダーゼ等の酸化酵素の活動を抑えた条件下で粉
砕、抽出、吸着、濃縮などの処理を行うことにより、収
率、色調に優れた紫さつまいも色素を製造する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】赤キャベツ、ブドウ、紫トウモロコシ等
の赤色天然色素は、アントシアニン系色素に属してい
る。紫さつまいもも同様なアントシアニン系色素を含有
した色素原料である。最近この色素は他のアントシアニ
ン系色素に比べ、耐熱・耐光性に優れていることから、
食品への利用が増加している色素である。この紫さつま
いも色素の製造に関していくつかの提案が出されてい
る。紫さつまいもを生または蒸煮したものを酸性条件下
で、水もしくは含水エタノールで抽出し、抽出物を吸
着、濃縮などの処理を行うことにより、紫さつまいも色
素を製造する方法(特開昭62−297363、特開昭
62−29364)はその1例である。10℃以下また
は凍結粉砕物を利用し酵素の活性を抑制したものを、水
もしくは含水アルコールで抽出した抽出物を吸着、濃縮
などの処理を行うことにより紫イモ色素を製造する方法
(特開平4−103669)などが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来提案の製造方法においては、色素の抽出効率の点で
必ずしも満足できるものではない。それは、原料である
紫さつまいもの種類がブラジル原産紫サツマイモ(Ipom
oea batatas Lam.)、山川紫、種子島在来、頴娃紫、知
覧紫、喜入紫、ナカムラサキ等に限定され、これらを使
用して色素を抽出すれば、その芋に含有しているアント
シアニンの量が極めて少ないため、工業的レベルでの抽
出効率が満足できるものではなかった。又、紫さつまい
もを低温で酸化酵素の作用を抑制することは、その温度
管理を厳重にする必要があり、粉砕などにおける発熱な
どの管理が必要となってくるという問題点があった。
【0004】そこで、本発明者らは、紫さつまいもの品
種を改良し、その改良品種「九州113号」を色素原料
とすることにより、紫さつまいも色素を高収率で得るこ
とができた。又、紫さつまいも色素を抽出することにお
いて酸化酵素の抑制を考えたところ、粉砕時において空
気を窒素に置換することにより温度管理の必要性がな
く、粉砕後酸性条件下に水または含水アルコールで抽出
し、紫さつまいも色素を製造することにより、紫さつま
いも中に含有するアントシアニン色素を高収率で回収す
ることができた。これにより課題を一挙に解決できるこ
とを見いだした。本発明の目的は、紫さつまいも改良品
種「九州113号」を色素原料として用い紫さつまいも
中に存在するポリフェノールオキシダーゼ等の酸化酵素
の影響を受けない条件下で粉砕することにより、高収率
で色調も安定で且つ耐熱性・耐光性に優れた紫さつまい
も色素を製造する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明において、色素原
料である紫さつまいもの品種として、農林水産省九州農
業試験場畑地利用甘藷育種研究室との交流共同研究で開
発に成功した改良品種「九州113号」(品種登録中)
を使用し、窒素置換された切断機の中で粉砕し、その粉
砕物を酸性条件下に水または含水アルコールで抽出する
ことにより、高収率の紫さつまいも色素を容易に製造す
ることができる。本発明の原料である紫さつまいもは、
知覧紫を母親とし山川紫を父親とした改良品種「九州1
09号」をさらに母親としサツマヒカリを父親として交
配させた改良品種「九州113号」を使用することを特
徴とする。その色素含有量は、紫さつまいもの在来品種
の約4〜5倍のアントシアニン色素を有し、反収に関し
ては、2〜3倍になることを確認した。(農林水産省九
州農業試験場・三栄源エフ・エフ・アイ株式会社・本坊
酒造株式会社交流共同研究「甘しょの高アントシアン品
種の育成と色素の利用の開発」中間報告書、平成4年1
2月発行)。
【0006】この新品種の「九州113号」を原料とし
これを表皮をつけたまま、又は表皮を取り去った部分を
チップ状に切断する。ここでこの切断機は、通常切断時
においては空気と切断されるものとが触れ合うが、この
切断される密閉状態に近い空間中の空気を窒素に置換す
ることが可能な切断機を使用することで酸化酵素による
酸化を防止することができ、常温で処理できることを特
徴とする。ここで切断された紫さつまいもチップは、速
やかに抽出液に投入されるため従来に比べアントシアニ
ン色素の酸化酵素による色調変化は減少した。又、窒素
置換された切断機から出てきた原料を窒素置換できる搾
汁機で搾汁することにより色素を酸化酵素から抑制する
ことができる。ここでの、搾汁機は、遠心分離器、圧搾
プレス機、デカンター等である。
【0007】以上の方法は、従来法に比べ製造的に容易
で作業性、抽出率を向上させることができた。次に、上
記の切断チップを抽出する溶媒しては、水または含水エ
タノールを使用する。その抽出液のpHを約5以下の酸性
とし前記チップ全量が浸漬できる量を用意する。このと
きのpHを5以下とするのは、アントシアニン色素がこれ
以上であると不安定で退色するためである。このとき使
用するpH調整用の酸としては、クエン酸、酒石酸、リン
ゴ酸などの有機酸、または塩酸、硫酸等の無機酸のいず
れでもよい。系の温度は、室温でも良いが高温である
程、時間を短縮できるなど抽出効率が良くなる。このよ
うにすると、チップに含まれている色素は、抽出液に殆
ど全量が移行する。
【0008】色素の移行が終わった時点で抽出操作を止
め、残渣を取り除いて赤色色素のみを採取する。残渣の
除去は濾過、遠心分離等の固体と液体を分離する手段を
用いればよい。濾過された抽出液を殺菌および酵素失活
の目的でバッチ殺菌またはプレート殺菌などの加熱処理
を行うことで変色や菌の増殖を防止することができる。
これらの温度は、バッチ殺菌の場合、約80〜100℃
で30〜60分間程度の加熱で充分であり、プレート殺
菌においては、約100〜120℃で20秒〜30分程
度の加熱で充分である。このようにして得られた色素液
をそのままでもよいし、または濃縮して濃縮色素として
もよい。更には、噴霧乾燥法等で粉末化することもでき
る。ここに、この発明の目的を達し終える。
【0009】
【実施例】
実施例1 紫さつまいも改良品種「九州113号」1kgを、90
%以上窒素置換された切断機で1〜5mm程度に粉砕
し、直ちに0.5重量%硫酸水溶液3lの抽出液に投入
し、紫さつまいも抽出色素液を得た。抽出後濾過して不
溶性固形物を除き抽出液3.5kgを得た。この液を、
ダイヤイオンHP−21(三菱化成工業株式会社製吸着
樹脂)100mlに吸着させてから、水洗したのち58
容量%エタノール150mlを用いてその吸着されてい
る色素を溶出した。得られた色素液を真空濃縮機にて5
0gに濃縮、95容量%エタノール15g、クエン酸1
g、水34gを添加して、紫さつまいも色素液100g
を得た。取得した紫さつまいも色素は、鮮明な赤紫色を
呈し、炭酸飲料に着色したとき、室温に1カ月置いても
何らの色調変化及び不溶解物を生じなかった。
【0010】実験例1 在来品種の原料を実施例1と同様に処理を行い、原料の
色素濃度を測定し、その結果を表1に示す。
【0011】
【表1】 色価:色素の濃度(色力)を意味し、一般に分光光度計
にて測定され、測定値を10%濃度の値に換算して表さ
れる。
【0012】実施例2 紫さつまいも改良品種「九州113号」1kgを90%
以上窒素置換された切断機で原料と2重量%クエン酸水
溶液1lを同時に1〜5mmに粉砕しジュース状態にし
た。デカンターで固液分離を行い色素抽出液1.5lを
得た。更にこの固形物を3lの2重量%クエン酸水溶液
に投入し同様にして紫さつまいもの色素抽出液3lを得
た。抽出後固液分離された色素抽出液を混合し、濾過し
て不溶性固形物を除き色素抽出液4.8kgを得た。こ
の色素抽出液を、デュオライトXAD−7(米国ダイヤ
モンドシャムロック社製吸着樹脂)100mlに吸着さ
せてから、水洗したのち58容量%エチルアルコール1
00mlを用いてその吸着されている色素を溶出し、紫
さつまいも色素100gを得た。
【0013】実験例2 実施例2と同様の方法で抽出し、窒素の置換率を0とし
た場合の抽出率と比較した。結果を表2に示す。
【0014】
【表2】 表2から明らかなように、窒素置換率を90%以上にし
た場合、回収率は上がり色調変化も認めなかった。
【0015】実施例3 冷凍した紫さつまいも改良品種「九州113号」10k
gを室温まで解凍し細胞破壊をした後、90%以上窒素
置換された圧搾プレス機において搾汁し色素ジュース7
kgを回収した。得られた色素ジュースに直ちに硫酸
0.05kgを添加する。搾汁粕を0.5重量%硫酸水
溶液10lに添加し、粕中の色素を抽出回収した。得ら
れた色素抽出液を混合し、遠心分離で不溶性固形物を除
去した。色素抽出液をダイヤイオンSP−207(三菱
化成工業株式会社製吸着型樹脂)200mlに吸着さ
せ、水洗した後、58容量%エタノール100mlで吸
着している色素を回収した。エタノールを留去した色素
液を分画区分子量10万の膜(日東電気工業株式会社製
限外濾過膜NTU−35100)で透過し、蛋白質、
澱粉やコロイド物質等を除去した。ついで逆浸透膜(日
東電気工業株式会社製NTR1595)を用いて濃縮し
た。濃縮した色素液500gに95%エタノール150
g、クエン酸10g、水340gを添加して、紫さつま
いも色素液1kgを得た。
【0016】実験例3 実施例3で得た紫さつまいも色素をビタミンC入りガム
(処方は下記の通り)に着色する。比較として、エルダ
ベリー色素、紫トウモロコシ色素で同様に着色し、38
℃・14日間の経時変化を観察(スガ試験機製 カラー
コンピューターSandM6型)した結果を表3に示
す。
【0017】(ガム処方) ガムベース 100g ビタミンC 0.1g 各色素 0.08g(色価80換算) 50%クエン酸水 0.4g
【0018】
【表3】
【0019】L:明るさの度合 100に近いほど明る
く、0に近いほど暗い a:マンセル色標で示す赤味・緑味率を表す色相 b:マンセル色標で示す黄味・青味率を表す色相 △E:色相差 表3から明らかなように紫さつまいもは、安定性に優れ
ていた。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば従来の紫さつまいも色素
含有量を品種改良「九州113号」を使用することによ
り約4〜5倍の色素収率を高くすることができた。ま
た、抽出の工程で窒素置換することで更に色素の収率を
上げることができる。この色素は、色調に優れ且つ耐熱
性、耐光性に優れていたことを認めた。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紫さつまいもの改良品種「九州113
    号」を酸性条件下で、水または含水エタノールで抽出す
    る際、次のまたはの製造工程において、窒素置換す
    ることを特徴とする紫さつまいも色素の製造方法。 原料の紫さつまいもを切断機で切断する。 原料の紫さつまいもを搾什機で搾汁する。
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