JP3051787B2 - シリコンウェハの表面処理法 - Google Patents
シリコンウェハの表面処理法Info
- Publication number
- JP3051787B2 JP3051787B2 JP34988292A JP34988292A JP3051787B2 JP 3051787 B2 JP3051787 B2 JP 3051787B2 JP 34988292 A JP34988292 A JP 34988292A JP 34988292 A JP34988292 A JP 34988292A JP 3051787 B2 JP3051787 B2 JP 3051787B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wafer
- chemical solution
- weight
- chemical
- scanning
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Sampling And Sample Adjustment (AREA)
- Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体産業におけるシリ
コンウェハの清浄化に関連する表面処理法、及びそれに
関連する表面分析法、洗浄法に関する。
コンウェハの清浄化に関連する表面処理法、及びそれに
関連する表面分析法、洗浄法に関する。
【0002】
【従来の技術】液体を用いてのシリコンウェハ表面の不
純物の捕集は、ウェハ上の酸化膜の不純物を分析するた
めに気相のフッ酸でこの膜を分解した後、生成物を回収
する手段として使われている。この液としては稀フッ酸
や水が使われている。
純物の捕集は、ウェハ上の酸化膜の不純物を分析するた
めに気相のフッ酸でこの膜を分解した後、生成物を回収
する手段として使われている。この液としては稀フッ酸
や水が使われている。
【0003】また半導体用のシリコンウェハ表面の重金
属汚染を除くには、重金属に対して溶解力のある(塩酸
+過酸化水素)とか王水等の薬液にウェハを浸漬するこ
とが行われている。
属汚染を除くには、重金属に対して溶解力のある(塩酸
+過酸化水素)とか王水等の薬液にウェハを浸漬するこ
とが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとしている課題】半導体デバイスが
高性能化するにつれてウェハ表面に対する清浄度の要求
が増し、1MDRAMの時代では重金属の表面付着レベ
ルは1010atoms/cm2 以下であればよかったのが、64
MDRAMでは108 atoms/cm2 程度が要求されてい
る。ところがCuやAuのような元素は極めて微量であ
るがシリコン表面下のごく浅い領域に拡散侵入するの
で、フッ酸液で表面を走査しただけではこれを集めるこ
とは難しい。またこれらの元素はイオン化傾向が小さい
ので表面に存在するものは通常金属状態となりフッ酸液
に捕集されにくい。従って、フッ酸液の走査はこれらの
元素を分析するための濃縮法として適当でない。またC
uやAuのような元素で汚染したシリコン表面を清浄化
する場合(塩酸+過酸化水素)や王水による浸漬洗浄で
はこの処理と同時に生ずる自然酸化膜にこれら重金属が
捕捉されて十分な除去が出来ない上、この重金属はさら
に表面下へ拡散侵入してしまう。このような低温での侵
入は表面下数Åから十数Å程度まで達する。
高性能化するにつれてウェハ表面に対する清浄度の要求
が増し、1MDRAMの時代では重金属の表面付着レベ
ルは1010atoms/cm2 以下であればよかったのが、64
MDRAMでは108 atoms/cm2 程度が要求されてい
る。ところがCuやAuのような元素は極めて微量であ
るがシリコン表面下のごく浅い領域に拡散侵入するの
で、フッ酸液で表面を走査しただけではこれを集めるこ
とは難しい。またこれらの元素はイオン化傾向が小さい
ので表面に存在するものは通常金属状態となりフッ酸液
に捕集されにくい。従って、フッ酸液の走査はこれらの
元素を分析するための濃縮法として適当でない。またC
uやAuのような元素で汚染したシリコン表面を清浄化
する場合(塩酸+過酸化水素)や王水による浸漬洗浄で
はこの処理と同時に生ずる自然酸化膜にこれら重金属が
捕捉されて十分な除去が出来ない上、この重金属はさら
に表面下へ拡散侵入してしまう。このような低温での侵
入は表面下数Åから十数Å程度まで達する。
【0005】本発明の目的は、シリコンウェハの表面の
みならず表面から数Å乃至十数Å程度までの深さの領域
にある不純物を小容積の薬液中に有効に捕集し得る表面
処理方法を提供すること、該不純物が捕集された薬液を
用いての表面分析法を提供すること、及び該表面処理に
後続してのリンスによりウェハの表面の重金属濃度を1
08 atoms/cm2 程度まで低減することが可能な洗浄法を
提供することにある。
みならず表面から数Å乃至十数Å程度までの深さの領域
にある不純物を小容積の薬液中に有効に捕集し得る表面
処理方法を提供すること、該不純物が捕集された薬液を
用いての表面分析法を提供すること、及び該表面処理に
後続してのリンスによりウェハの表面の重金属濃度を1
08 atoms/cm2 程度まで低減することが可能な洗浄法を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、あらか
じめHFで処理して疎水性化したシリコンウェハ表面
を、1重量%以下のHFと60〜35重量%のHNO3
を含む薬液で走査することにより3Å〜50Åの深さま
でエッチングし、該表面並びにエッチング領域内の不純
物を薬液内に集めるシリコンウェハの表面処理法が提供
される。
じめHFで処理して疎水性化したシリコンウェハ表面
を、1重量%以下のHFと60〜35重量%のHNO3
を含む薬液で走査することにより3Å〜50Åの深さま
でエッチングし、該表面並びにエッチング領域内の不純
物を薬液内に集めるシリコンウェハの表面処理法が提供
される。
【0007】また本発明によれば、前記表面処理により
不純物が捕集された薬液を分析試料として分析を行なう
シリコンウェハの表面分析法が提供される。
不純物が捕集された薬液を分析試料として分析を行なう
シリコンウェハの表面分析法が提供される。
【0008】本発明によれば更に、前記表面処理に後続
して水でリンスを行なうシリコンウェーハの洗浄方法が
提供される。
して水でリンスを行なうシリコンウェーハの洗浄方法が
提供される。
【0009】本発明において、前記表面処理に使用され
る薬液の組成は、室温でシリコン表面に対するエッチン
グ速度が100〜300Å/分程度となるように選定さ
れるものであり、HFを1重量%以下、特に0.05重量
%以上とし、HNO3 の含有量を60〜35重量%の範
囲とする。この薬液が僅かなフッ酸を含む硝酸の場合に
は、HNO3 の濃度は高い程重金属に対する洗浄力を増
すが、揮発する微量のガスでウェハの表面の疎水性が低
下し薬液が拡がるおそれがある。通常、エッチング速度
を300Å/分にするには、HNO3 55重量%の場合
でHFは0.2重量%程度でよく、HNO3 濃度を下げた
ら、それに伴ってHFの量を増さねばならない。しかし
HNO3 が35重量%よりも低くなるとCu等に対して
洗浄力が急に低下する。
る薬液の組成は、室温でシリコン表面に対するエッチン
グ速度が100〜300Å/分程度となるように選定さ
れるものであり、HFを1重量%以下、特に0.05重量
%以上とし、HNO3 の含有量を60〜35重量%の範
囲とする。この薬液が僅かなフッ酸を含む硝酸の場合に
は、HNO3 の濃度は高い程重金属に対する洗浄力を増
すが、揮発する微量のガスでウェハの表面の疎水性が低
下し薬液が拡がるおそれがある。通常、エッチング速度
を300Å/分にするには、HNO3 55重量%の場合
でHFは0.2重量%程度でよく、HNO3 濃度を下げた
ら、それに伴ってHFの量を増さねばならない。しかし
HNO3 が35重量%よりも低くなるとCu等に対して
洗浄力が急に低下する。
【0010】本発明によれば、前記薬液で、表面処理す
べきウェハ表面上を走査することにより、該ウェハ表面
のエッチングが行なわれ、一般にそのエッチング量は3
Å〜50Åである。一般に微量のHFを含む硝酸のシリ
コンに対するエッチング量は、数百Åまではエッチング
時間にほぼ比例する。薬液での走査速度を1mm/秒とす
ると、直径10mmの薬液の場合では液とシリコンとの接
触時間は10秒となる。この場合、HNO3 :55重量
%、HF:0.2重量%、残:水の組成の薬液を用いれ
ば、エッチング量は約25Åとなる。従って、シリコン
表面及び表面下の1011atoms/cm2 程度のCu汚染に対
して、そのほぼ98%が薬液に入る。Fe,Cr,N
i,Zn,Ca,Mg,Na等はすべてCuより容易に
液に捕集出来る。
べきウェハ表面上を走査することにより、該ウェハ表面
のエッチングが行なわれ、一般にそのエッチング量は3
Å〜50Åである。一般に微量のHFを含む硝酸のシリ
コンに対するエッチング量は、数百Åまではエッチング
時間にほぼ比例する。薬液での走査速度を1mm/秒とす
ると、直径10mmの薬液の場合では液とシリコンとの接
触時間は10秒となる。この場合、HNO3 :55重量
%、HF:0.2重量%、残:水の組成の薬液を用いれ
ば、エッチング量は約25Åとなる。従って、シリコン
表面及び表面下の1011atoms/cm2 程度のCu汚染に対
して、そのほぼ98%が薬液に入る。Fe,Cr,N
i,Zn,Ca,Mg,Na等はすべてCuより容易に
液に捕集出来る。
【0011】薬液での走査は、管の軸に直交する下端部
をもつ疎水性プラスチック(PFA,PTFEのような
フッ素樹脂がよい)の管の下端を、水平に保持したウェ
ハ表面に沿って移動させ、薬液をこの管の下端で保持し
て行う。管は閉じた構造とし、この中に細管を通して薬
液の供給を行い、また別に通した細管により僅かに管内
を減圧にすると、ウェハ表面が疎水性である限り、薬液
は管の下端から外へ溢れ出すことなく移動する。ウェハ
表面全面の不純物を集める目的には、ウェハを回転し同
時に管をウェハ中心から周辺方向へ移動させることによ
り、薬液を渦巻状に動かして全面を走査する。ウェハ表
面の一部の不純物を集める目的には管をX−Yテーブル
やロボットで動かして所要の面積を薬液で走査する。
をもつ疎水性プラスチック(PFA,PTFEのような
フッ素樹脂がよい)の管の下端を、水平に保持したウェ
ハ表面に沿って移動させ、薬液をこの管の下端で保持し
て行う。管は閉じた構造とし、この中に細管を通して薬
液の供給を行い、また別に通した細管により僅かに管内
を減圧にすると、ウェハ表面が疎水性である限り、薬液
は管の下端から外へ溢れ出すことなく移動する。ウェハ
表面全面の不純物を集める目的には、ウェハを回転し同
時に管をウェハ中心から周辺方向へ移動させることによ
り、薬液を渦巻状に動かして全面を走査する。ウェハ表
面の一部の不純物を集める目的には管をX−Yテーブル
やロボットで動かして所要の面積を薬液で走査する。
【0012】尚、本発明においては、前記薬液を用いて
の表面処理に先立って、シリコンウェハ表面をあらかじ
めHFで処理して該表面を疎水性化しておく。この疎水
性化はウェハ表面をフッ酸蒸気に短時間さらすことによ
り、またこのウェハを洗浄する場合は稀フッ酸に浸漬す
ることでも達成出来る。
の表面処理に先立って、シリコンウェハ表面をあらかじ
めHFで処理して該表面を疎水性化しておく。この疎水
性化はウェハ表面をフッ酸蒸気に短時間さらすことによ
り、またこのウェハを洗浄する場合は稀フッ酸に浸漬す
ることでも達成出来る。
【0013】表面不純物としてAuがある場合は前述し
た薬液は無力であり、その捕集を有効に行なうことが困
難であるが、この薬液にさらにHClを添加すると著効
がある。この場合、薬液中のHF含量は0.5重量%以
下、特に0.03重量%以上、及びHCl含量を0.5重量
%以下、特に0.03重量%以上とすることが好ましい。
例えばHNO3 :55重量%、HF:0.2重量%、HC
l:0.2重量%、残:水の薬液を使うとエッチング速度
は150〜200Å/分程度となる。上記の様な薬液走
査を行うとエッチング量は20Åを越し、シリコン表面
及び表面下のAu汚染109 〜1010atoms/cm2 に対し
て、その90%以上が薬液に入る。Cuその他の金属汚
染に対してもHF添加HNO3 の薬液を使用する場合よ
りすべて容易に液に捕集出来る。
た薬液は無力であり、その捕集を有効に行なうことが困
難であるが、この薬液にさらにHClを添加すると著効
がある。この場合、薬液中のHF含量は0.5重量%以
下、特に0.03重量%以上、及びHCl含量を0.5重量
%以下、特に0.03重量%以上とすることが好ましい。
例えばHNO3 :55重量%、HF:0.2重量%、HC
l:0.2重量%、残:水の薬液を使うとエッチング速度
は150〜200Å/分程度となる。上記の様な薬液走
査を行うとエッチング量は20Åを越し、シリコン表面
及び表面下のAu汚染109 〜1010atoms/cm2 に対し
て、その90%以上が薬液に入る。Cuその他の金属汚
染に対してもHF添加HNO3 の薬液を使用する場合よ
りすべて容易に液に捕集出来る。
【0014】以上から従来のウェハ洗浄で108 〜10
10atoms/cm2 程度の重金属が残存した場合、この方法で
集めた薬液を例えばICP−MS等で分析してこの重金
属の量を定量することが出来る他、薬液の重金属捕集力
の強いことを利用してウェハ表面の洗浄を行うことが出
来る。
10atoms/cm2 程度の重金属が残存した場合、この方法で
集めた薬液を例えばICP−MS等で分析してこの重金
属の量を定量することが出来る他、薬液の重金属捕集力
の強いことを利用してウェハ表面の洗浄を行うことが出
来る。
【0015】洗浄の場合は、例えば内面をフッ素樹脂コ
ートしたスピン乾燥機にウェハをのせ、大型のかつ適当
な形状の管を使って弱い回転と必要あれば管の移動によ
り、本発明の薬液により大きな接触面積でウェハ全面を
1分程度の時間で走査し、走査後、液を回収し、ウェハ
を回転しつつ直ちに超純水でリンスし、スピン乾燥す
る。薬液のシリコン表面並びに表面下に対する洗浄効
果、特にHNO3 (HF,HCl)の強力な金属元素溶
解効果と、リンス所要時間が短時間ですむため、浸漬洗
浄にでの超純水中やウェハキャリア・洗浄槽起因の超微
量不純物がウェハへ吸着汚染する問題も無視出来る。従
って、ウェハ表面の金属不純物レベルを容易に108 at
oms/cm2 程度へもたらす洗浄が可能となる。
ートしたスピン乾燥機にウェハをのせ、大型のかつ適当
な形状の管を使って弱い回転と必要あれば管の移動によ
り、本発明の薬液により大きな接触面積でウェハ全面を
1分程度の時間で走査し、走査後、液を回収し、ウェハ
を回転しつつ直ちに超純水でリンスし、スピン乾燥す
る。薬液のシリコン表面並びに表面下に対する洗浄効
果、特にHNO3 (HF,HCl)の強力な金属元素溶
解効果と、リンス所要時間が短時間ですむため、浸漬洗
浄にでの超純水中やウェハキャリア・洗浄槽起因の超微
量不純物がウェハへ吸着汚染する問題も無視出来る。従
って、ウェハ表面の金属不純物レベルを容易に108 at
oms/cm2 程度へもたらす洗浄が可能となる。
【0016】
【実施例】以下に実施例で説明するが、本発明はこれら
の実施例により何等限定されるものではない。
の実施例により何等限定されるものではない。
【0017】本発明は半導体ウェハ上の超微量の不純物
の挙動に関するものであるため、これを分析的に取り扱
うのはいかに高感度の機器を用いても無理がある。従っ
て対象不純物元素を放射性同位元素(RI)で標識して
特に高感度の放射線測定機器を用いて、RIトレーサー
技術で超微量不純物挙動を明らかにした。以下の例にお
いて、例えば64Cuの記載は64Cuで標識したCuを意
味する。
の挙動に関するものであるため、これを分析的に取り扱
うのはいかに高感度の機器を用いても無理がある。従っ
て対象不純物元素を放射性同位元素(RI)で標識して
特に高感度の放射線測定機器を用いて、RIトレーサー
技術で超微量不純物挙動を明らかにした。以下の例にお
いて、例えば64Cuの記載は64Cuで標識したCuを意
味する。
【0018】実施例1 シリコンウェハ表面並びに表面下を汚染しているCuを
分析するため、これを薬液内に捕集する例を示す。試料
ウェハは、その片面(鏡面)だけを微量の64Cuを溶か
したフッ化アンモン・フッ酸に接触させ、64Cuを全面
平均として4×1011atoms/cm2 汚染させた。これに対
し窒素雰囲気中で100℃、10分の加熱を行い、表面
下への拡散を加速して実験試料とした。
分析するため、これを薬液内に捕集する例を示す。試料
ウェハは、その片面(鏡面)だけを微量の64Cuを溶か
したフッ化アンモン・フッ酸に接触させ、64Cuを全面
平均として4×1011atoms/cm2 汚染させた。これに対
し窒素雰囲気中で100℃、10分の加熱を行い、表面
下への拡散を加速して実験試料とした。
【0019】このウェハに対する薬液での走査は図1の
ような機構で行われた。薬液を移動させる管1は、フッ
素樹脂PFAの円柱体2の下部15mmを肉厚0.3mmまで
くりぬいたものであり、この場合内径10mmである。管
1の軸に直交する下端部3をもち、水平に保持されて回
転できるウェハ4の表面に沿ってウェハ中心から周辺方
向へ移動出来る。円柱体2には2本の細管5,6が通っ
ていて細管5内は減圧出来、これにより細管6から薬液
を吸い込んでウェハ上に薬液7を供給する。ウェハ表面
が疎水性である限り管1の下端で、ウェハ表面と接触す
る薬液の形が保持される。この例ではウェハは疎水性
で、HNO3 :55重量%、HF:0.2重量%、残:水
の0.15mlの薬液で高さが約2mmとなった。ウェハ回転
機器と管の移動機構を駆動させると薬液は渦巻状に動い
て全面を走査する。これらの速度制御により薬液は一定
速度で動く。ここでは移動速度を1mm/秒とした。移動
にあたり細管5で僅かに管内を減圧にすると、薬液は管
の下端から外へ溢れ出すことなく移動する。
ような機構で行われた。薬液を移動させる管1は、フッ
素樹脂PFAの円柱体2の下部15mmを肉厚0.3mmまで
くりぬいたものであり、この場合内径10mmである。管
1の軸に直交する下端部3をもち、水平に保持されて回
転できるウェハ4の表面に沿ってウェハ中心から周辺方
向へ移動出来る。円柱体2には2本の細管5,6が通っ
ていて細管5内は減圧出来、これにより細管6から薬液
を吸い込んでウェハ上に薬液7を供給する。ウェハ表面
が疎水性である限り管1の下端で、ウェハ表面と接触す
る薬液の形が保持される。この例ではウェハは疎水性
で、HNO3 :55重量%、HF:0.2重量%、残:水
の0.15mlの薬液で高さが約2mmとなった。ウェハ回転
機器と管の移動機構を駆動させると薬液は渦巻状に動い
て全面を走査する。これらの速度制御により薬液は一定
速度で動く。ここでは移動速度を1mm/秒とした。移動
にあたり細管5で僅かに管内を減圧にすると、薬液は管
の下端から外へ溢れ出すことなく移動する。
【0020】定量性を持ったオートラジオグラフィとい
えるイメージングプレートによるラジオルミノグラフィ
により薬液走査前と薬液走査後のウェハ上の64Cu濃度
分布を図2に示す。黒化度が64Cu濃度に対応する。左
図が走査前、右図が走査後である。薬液が移動した所は
平均で6×109 atoms/cm2 となり、薬液の不純物捕集
率は98.5%に達する。同様のウェハ試料に対し、稀フ
ッ酸(5重量%)の薬液で同じ条件で走査した所薬液の
Cu捕集率は32%であった。
えるイメージングプレートによるラジオルミノグラフィ
により薬液走査前と薬液走査後のウェハ上の64Cu濃度
分布を図2に示す。黒化度が64Cu濃度に対応する。左
図が走査前、右図が走査後である。薬液が移動した所は
平均で6×109 atoms/cm2 となり、薬液の不純物捕集
率は98.5%に達する。同様のウェハ試料に対し、稀フ
ッ酸(5重量%)の薬液で同じ条件で走査した所薬液の
Cu捕集率は32%であった。
【0021】実施例2 薬液の組成を変えた3種の液にシリコンウェハを10分
間浸漬し、重量減によりエッチング速度を求めた。次に
これらの薬液で実施例1と同様のウェハ試料に対し同じ
条件で走査した薬液のCu捕集率と液とシリコンとの接
触時間(10秒間)の換算エッチング量を比較した。結
果を表1に示す。これから分かるように本発明には少な
くとも5Å以上のエッチング量が必要である。
間浸漬し、重量減によりエッチング速度を求めた。次に
これらの薬液で実施例1と同様のウェハ試料に対し同じ
条件で走査した薬液のCu捕集率と液とシリコンとの接
触時間(10秒間)の換算エッチング量を比較した。結
果を表1に示す。これから分かるように本発明には少な
くとも5Å以上のエッチング量が必要である。
【0022】
【表1】
【0023】実施例3 シリコンウェハ表面及び表面下を汚染しているAuを分
析するためこれを薬液内に捕らえる例を示す。試料ウェ
ハは微量の 198Auを溶かした稀フッ酸に浸漬して 198
Auを汚染させた後〔塩酸:過酸化水素:水=1容:1
容:5容〕の重金属洗浄剤で洗浄し、洗浄後も 198Au
が(1〜2)×1010atoms/cm2 残存しているものを試
料とした。この場合は自然酸化膜があるので、まずウェ
ハをフッ酸の蒸気に約30秒さらし表面を疎水性化し
た。上記の薬液ではAuに対し無力なのでここではHN
O3 :55重量%、HF:0.2重量%、HCl:0.2重
量%、残:水の薬液を用い、実施例1と同様の条件で走
査した。薬液のAu捕集率は95%であった。極めて微
量の塩酸の添加で著効があることが分かる。
析するためこれを薬液内に捕らえる例を示す。試料ウェ
ハは微量の 198Auを溶かした稀フッ酸に浸漬して 198
Auを汚染させた後〔塩酸:過酸化水素:水=1容:1
容:5容〕の重金属洗浄剤で洗浄し、洗浄後も 198Au
が(1〜2)×1010atoms/cm2 残存しているものを試
料とした。この場合は自然酸化膜があるので、まずウェ
ハをフッ酸の蒸気に約30秒さらし表面を疎水性化し
た。上記の薬液ではAuに対し無力なのでここではHN
O3 :55重量%、HF:0.2重量%、HCl:0.2重
量%、残:水の薬液を用い、実施例1と同様の条件で走
査した。薬液のAu捕集率は95%であった。極めて微
量の塩酸の添加で著効があることが分かる。
【0024】実施例4 〔アンモニア:過酸化水素:水=1容:1容:5容〕の
洗浄液に対し、必要量の59Feを溶かしてシリコンウェ
ハに約1010atoms/cm2 の汚染を起こさせ、実施例1と
同様に薬液で走査を行った。薬液のFe捕集率は殆ど1
00%であった。また22Na, 51Cr, 57Niのいず
れについても同様の捕集率が得られた。
洗浄液に対し、必要量の59Feを溶かしてシリコンウェ
ハに約1010atoms/cm2 の汚染を起こさせ、実施例1と
同様に薬液で走査を行った。薬液のFe捕集率は殆ど1
00%であった。また22Na, 51Cr, 57Niのいず
れについても同様の捕集率が得られた。
【0025】実施例5 スピン乾燥機を利用して薬液走査で高性能の重金属汚染
洗浄ができることが分かった。実施例1と同様にウェハ
に片面だけ64Cuを約1010atoms/cm2 汚染させた試料
を準備し、内面をフッ素樹脂コートしたスピン乾燥機に
装填する。走査管の構造は実施例1に記載のものと同様
であるが、管の断面形状を図3に断面8で示すように扇
形の特別の形とし、この扇形が一周すれば薬液7がウェ
ハ4の全面を走査するようにする。薬液は、HNO3 :
55重量%、HF:0.2重量%、HCl:0.5重量
%、残:水を用いた。扇形の角度を30度とすると8”
ウェハでも薬液の量は約5ccでよい。走査は管を固定し
ウェハを1分で一周させて行い、走査後液を回収して直
ちに超純水でウェハを回転しつつリンスし、スピン乾燥
する。洗浄後の64Cu残存は(1〜3)×108 atoms/
cm2 で極めて良好な洗浄効果がえられた。
洗浄ができることが分かった。実施例1と同様にウェハ
に片面だけ64Cuを約1010atoms/cm2 汚染させた試料
を準備し、内面をフッ素樹脂コートしたスピン乾燥機に
装填する。走査管の構造は実施例1に記載のものと同様
であるが、管の断面形状を図3に断面8で示すように扇
形の特別の形とし、この扇形が一周すれば薬液7がウェ
ハ4の全面を走査するようにする。薬液は、HNO3 :
55重量%、HF:0.2重量%、HCl:0.5重量
%、残:水を用いた。扇形の角度を30度とすると8”
ウェハでも薬液の量は約5ccでよい。走査は管を固定し
ウェハを1分で一周させて行い、走査後液を回収して直
ちに超純水でウェハを回転しつつリンスし、スピン乾燥
する。洗浄後の64Cu残存は(1〜3)×108 atoms/
cm2 で極めて良好な洗浄効果がえられた。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、シリコンウェハの表面
のみならず表面から数Å乃至十数Å程度までの深さに拡
散侵入している不純物を小容積の薬液中に集めることが
できるようになった。従ってこの薬液を分析試料とし
て、分析感度の向上を計ることができる。またこの薬液
をリンスで除いてウェハの表面の重金属濃度を108 at
oms/cm2程度まで低減する洗浄法とすることもできる。
薬液のシリコン表面並びに表面下に対する強力な金属元
素溶解効果と、リンス所要時間が短時間ですむため、浸
漬洗浄における超純水中やウェハキャリア・洗浄槽起因
の超微量不純物がウェハへ吸着汚染する問題も無視出来
ることからこのような高度の洗浄が可能となる。
のみならず表面から数Å乃至十数Å程度までの深さに拡
散侵入している不純物を小容積の薬液中に集めることが
できるようになった。従ってこの薬液を分析試料とし
て、分析感度の向上を計ることができる。またこの薬液
をリンスで除いてウェハの表面の重金属濃度を108 at
oms/cm2程度まで低減する洗浄法とすることもできる。
薬液のシリコン表面並びに表面下に対する強力な金属元
素溶解効果と、リンス所要時間が短時間ですむため、浸
漬洗浄における超純水中やウェハキャリア・洗浄槽起因
の超微量不純物がウェハへ吸着汚染する問題も無視出来
ることからこのような高度の洗浄が可能となる。
【図1】本発明方法における不純物捕集用薬液の移動を
行なうために使用される器具の一例を示す図。
行なうために使用される器具の一例を示す図。
【図2】実施例1において、イメージングプレートによ
るラジオルミノグラフィにより薬液走査前と薬液走査後
のウェハ上の64Cu濃度分布を示す図。
るラジオルミノグラフィにより薬液走査前と薬液走査後
のウェハ上の64Cu濃度分布を示す図。
【図3】実施例5で用いた図1の器具における管の断面
形状を示す図。
形状を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23G 1/08 G01N 1/28
Claims (6)
- 【請求項1】 あらかじめHFで処理して疎水性化した
シリコンウェハ表面を、1重量%以下のHFと60〜3
5重量%のHNO3 を含む薬液で走査することにより3
Å〜50Åの深さまでエッチングし、該表面並びにエッ
チング領域内の不純物を薬液内に集めるシリコンウェハ
の表面処理法。 - 【請求項2】 前記薬液は、0.5重量%以下のHFと0.
5重量%以下のHClと60〜35重量%のHNO3 を
含むものである請求項1に記載の表面処理法。 - 【請求項3】 前記薬液による走査を、下端が開口した
管内に薬液を入れ、該下端をウェハ表面に沿って移動さ
せることにより行なう請求項1に記載の表面処理法。 - 【請求項4】 あらかじめHFで処理して疎水性化した
シリコンウェハ表面を、請求項1又は請求項2に記載の
組成の薬液で走査することにより3Å〜50Åの深さま
でエッチングし、該表面並びにエッチング領域内の不純
物を薬液内に集め、該薬液を分析試料として分析を行な
うシリコンウェハの表面分析法。 - 【請求項5】 前記薬液による走査を、下端が開口した
管内に薬液を入れ、該下端をウェハ表面に沿って移動さ
せることにより行なう請求項4に記載の表面分析法 。 - 【請求項6】 請求項1、請求項2又は請求項3に記載
の表面処理に後続して水でリンスを行なうシリコンウェ
ーハの洗浄方法 。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34988292A JP3051787B2 (ja) | 1992-12-01 | 1992-12-01 | シリコンウェハの表面処理法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34988292A JP3051787B2 (ja) | 1992-12-01 | 1992-12-01 | シリコンウェハの表面処理法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06192861A JPH06192861A (ja) | 1994-07-12 |
JP3051787B2 true JP3051787B2 (ja) | 2000-06-12 |
Family
ID=18406756
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34988292A Expired - Fee Related JP3051787B2 (ja) | 1992-12-01 | 1992-12-01 | シリコンウェハの表面処理法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3051787B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5914052A (en) * | 1997-08-21 | 1999-06-22 | Micron Technology, Inc. | Wet etch method and apparatus |
US6173720B1 (en) * | 1998-12-02 | 2001-01-16 | International Business Machines Corporation | Process for treating a semiconductor substrate |
JP2016133507A (ja) * | 2015-01-15 | 2016-07-25 | 株式会社東芝 | 金属回収液及び基板汚染分析方法 |
CN113820198B (zh) * | 2021-09-30 | 2023-12-26 | 中环领先(徐州)半导体材料有限公司 | 半导体硅片表面金属回收率及设备的检测方法 |
-
1992
- 1992-12-01 JP JP34988292A patent/JP3051787B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06192861A (ja) | 1994-07-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH11218474A (ja) | 不純物の測定方法 | |
US5350489A (en) | Treatment method of cleaning surface of plastic molded item | |
JP2841627B2 (ja) | 半導体ウェーハの洗浄方法 | |
JP3051787B2 (ja) | シリコンウェハの表面処理法 | |
JP2001009394A (ja) | 炭化ケイ素焼結体の湿式洗浄方法 | |
JP2882377B2 (ja) | 金属の回収容器及び金属の回収方法 | |
JP3325739B2 (ja) | シリコンウエーハの清浄化方法 | |
US8815107B2 (en) | Method of etching surface layer portion of silicon wafer and method of analyzing metal contamination of silicon wafer | |
JP3933090B2 (ja) | シリコン基板からの金属不純物の回収方法 | |
JP3032563B2 (ja) | プラスチック成形品表面の清浄化処理方法 | |
JP3439395B2 (ja) | シリコンウェーハ表面の金属汚染分析方法 | |
JP4755746B2 (ja) | 半導体ウエハ表面の不純物測定方法及びそのための不純物回収装置 | |
JP2004335955A (ja) | シリコン基板のCu濃度検出方法 | |
JP2843600B2 (ja) | ウェハ表面の不純物量の測定方法 | |
JP3265333B2 (ja) | シリコンウェーハ洗浄液及び該洗浄液を用いたシリコンウェーハの洗浄方法 | |
JP3823160B2 (ja) | 半導体基板内部の洗浄方法 | |
JP2776583B2 (ja) | 半導体基板の処理液及び処理方法 | |
JPH08264499A (ja) | シリコンウェーハ用洗浄液及び洗浄方法 | |
US5695570A (en) | Method for the photo-stimulated removal of trace metals from a semiconductor surface | |
JPH08241882A (ja) | 溶液の質をモニターする方法 | |
US6323136B1 (en) | Method of producing samples of semiconductor substrate with quantified amount of contamination | |
JP4761179B2 (ja) | ウェーハ表面に吸着したボロン濃度の測定方法及び環境雰囲気中のボロンレベルの評価方法 | |
JP2772035B2 (ja) | ウエハ表面の不純物量の測定方法 | |
Chopra et al. | An optical method for monitoring metal contamination during aqueous processing of silicon wafers | |
JP3329902B2 (ja) | 表面処理方法及び表面処理装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |