JP3032563B2 - プラスチック成形品表面の清浄化処理方法 - Google Patents

プラスチック成形品表面の清浄化処理方法

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JP3032563B2 JP02281349A JP28134990A JP3032563B2 JP 3032563 B2 JP3032563 B2 JP 3032563B2 JP 02281349 A JP02281349 A JP 02281349A JP 28134990 A JP28134990 A JP 28134990A JP 3032563 B2 JP3032563 B2 JP 3032563B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、半導体工業や化学分析等に必要な高純度
プロセス用のプラスチック成形品、例えばフッ素樹脂成
形品の清浄化を行なう方法に関するものである。
[従来の技術] フッ素樹脂は、耐薬品性が非常に優れている上に可塑
剤や安定剤のような添加剤を必要とせず、金属イオンが
樹脂製造中に混入しないため、有機物や金属イオンの溶
出が著しく少ない。従って、半導体製造用、超微量成分
の化学分析用等の高純度薬液あるいは超純水に接する器
具(例えば容器)の材料として広く使用されており、特
に高温の薬液にも耐える材料として、PTFE(ポリテトラ
フルオロエチレン)及びPFA(テトラフルオロエチレン
・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)が賞
用されている。
成形原料であるこれらフッ素樹脂の樹脂粉あるいはペ
レット中に含まれる金属不純物としては、Na,Fe,Cr,Ca,
Al等が検出され、中でも多いものはFe,Naであり、その
濃度は数十ppb程度である。これらのフッ素樹脂成形品
を高純度の処理液に数十分浸漬した場合、該成形品表層
部から原料自体に含まれる金属が溶出する量はかなり少
なく、表面から10μmの深さまでのものが全部溶出した
としても0.01ng/cm2のオーダーである。
しかし、一般にPTFEやPFAの成形品の新品からは、純
水で数十分煮沸した程度でもNa,Fe,Cu等が0.1ng/cm2
上溶出する場合があり、さらに煮沸を続けてもこの溶出
は容易に終了しない。これは、成形加工の際に、金属不
純物が成形品表面を汚染し、さらに表面下のごく浅い領
域に浸染しているためと考えられる。
従って、例えば超微量分析に際して、使用するフッ素
樹脂成形品の内部からの溶出金属を除く効果的な方法と
しては、特に成形品が新品の場合、 (1)石鹸・合成洗剤で洗浄、 (2)アセトン洗浄、 (3)熱濃硝酸で3〜5日加熱、 (4)熱0.1規定硝酸で5日加熱、 の各段階毎に純水リンスを後続させて行なうという非常
に長時間の処理が必要とされてきた(「ぶんせき」1984
年10月号参照)。この清浄化処理方法は、金属不純物を
よく溶解する硝酸がフッ素樹脂表面から内部へ浸染する
作用を利用している。
フッ素樹脂への薬液の浸染の程度は物質で差がある
が、分析で試料の溶解によく使用される他の酸類、例え
ば塩酸や王水も同様によく浸染する。また半導体工場の
ウェハープロセスの洗浄において使用される最も一般的
なRCAのSC−2洗浄液(塩酸:過酸化水素:水=1容:1
容:5容)やフッ酸も同様に良く浸染する。
半導体洗浄工程のウェハーキャリアとしては、溶融成
形が可能な耐薬品性・耐熱性フッ素樹脂ということでPF
Aがよく使用されている。しかし、上述した様に、酸処
理で液の浸染を生じ、これは通常の洗浄工程での純水リ
ンス処理では十分に除くことが困難である。残存物質
は、使用回数とともに蓄積し、気化してウェハー表面に
有害な欠陥を引き起こすことがある。これは「ケミカル
・キャリーオーバー」と呼ばれる現象であるが、従来
は、この除去に長時間の純水による流水洗浄が行なわれ
ていたのである。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記のようなウェハー洗浄の際、ウェハーを汚染して
いた金属不純物は洗浄液に移行するが、洗浄液のフッ素
樹脂浸染に伴ってこれらの金属も浸染し、使用回数とと
もに蓄積される。これは純水洗浄では除き得ない。しか
もこのような汚染されたフッ素樹脂器具が別の高純度洗
浄液に入ると、浸染金属不純物が溶出して洗浄効果を著
しく妨げる。
またPTFEやPFA製の器具を超微量分析に使用するに際
し、試料が金属の場合には、溶解用の高純度の酸が主成
分元素で極端に汚染される。従って、これらの器具の再
使用に当たっては、これら金属の浸染がないように徹底
した洗浄が必要となる。前述した「ぶんせき」の記載に
よれば、使用中のものも、熱硝酸加熱3日及び熱0.1規
定硝酸3日程度の洗浄処理が必要である。このような処
理は、研究用では可としても、実用上は極めて非効率で
ある。
一般に不純物イオンが表面から内部に浸染する現象
は、そのイオンが化学的変化をしない限りは、表面濃度
が一定である場合の内向拡散現象として取り扱うことが
できる。イオンの分布は補誤差関数で示される。フッ素
樹脂中のイオンの拡散係数はかなり小さいので、処理液
中での使用時間が短いと、浸染高濃度領域は表面に近い
ごく浅い部分である。従って、フッ素樹脂成形品を薬液
中で繰返し使用するときには、外向拡散を利用した浸染
イオン除去処理を頻繁に行なえばよい。イオンの外向拡
散の為には、浸染した処理対象物を、処理薬液自体につ
いては純水中で、また金属不純物イオンについてはその
イオンに対して溶解性の高い薬液(例えば硝酸)の希薄
水溶液中で加熱することが、当然考えられる処置であ
る。不純物イオンがフッ素樹脂に対して化学的吸着をし
ていたり、また還元されて金属原子となっていたりする
と、それらが抽出用の希薄薬品水溶液に移行できるよう
に、イオン化できる強力な薬液(例えば濃硝酸)を予め
樹脂内に浸染させる処理が必要である。
前述した先行技術の清浄化処理方法はこれに該当す
る。実際には、製造から輸送の段階で油脂による汚染が
あるので、上記のような化学処理を有効にするために、
予め洗剤や有機溶剤による脱脂処理が行なわれる。
即ち、上記のような理念に基づいている従来の清浄化
方法は、処理時間が長く、フッ素樹脂成形品の常時使用
に際しての頻繁な洗浄には、実用上適さないのである。
従って本発明は、プラスチック、特にフッ素樹脂の成
形時にあるいはその成形品の使用時に浸染した不純物を
効率よく除去することができる清浄化処理方法を提供す
ることを目的とするものである。
〔課題を達成するための手段〕
本発明によれば、有機強塩基による強アルカリ性水溶
液でエッチングを行なう工程を有するプラスチック成形
品表面の清浄化処理方法が提供される。
経験によれば、新品の場合における表面金属汚染層は
極めて薄いものである。また使用中のフッ素樹脂成形品
も、頻繁に洗浄を行なえば、その浸染層は極めて薄い。
本発明は、このような薄層は有機強塩基の強アルカリ性
水溶液によるエッチングによって容易に剥離できるとい
う新規知見に基づいてなされたものである。即ち、PTFE
やPFAのように本来耐薬品性が強く、化学的に侵すこと
が非常に困難であると考えられていたものが、意外に
も、有機強塩基の水溶液でエッチング可能であったので
あり、これは本発明の予想外の効果である。
有機強塩基 一般に洗浄効果を有効にする方法は被洗浄面を僅かに
エッチングすることである。このエッチング剤として本
発明では有機強塩基を用いる。塩基はイオン半径が大き
い程強塩基となる。通常、イオンが大きいとプラスチッ
ク表面下への滲入が少ない利点がある。洗浄用のウェー
ハキャリアで嫌われるケミカルキャリーオーバー現象、
即ち薬液がプラスチック内に浸染して処理後も残存し、
次工程へ運び込まれてもたらす有害な作用を低減できる
ので有利である。また一般に有機強塩基は、100℃以
上、多くは100〜200℃での加熱で容易に分解して塩基性
を消失する為、洗浄後の加温処理で実質的に除去でき
る。従って本発明の方法で処理を終えたプラスチック成
形品を100℃以上の気流中で乾燥すれば、ケミカルキャ
リーオーバー現象を避けることが出来る。
このような有機強塩基としては、例えば、水酸化テト
ラメチルアンモニウム(TMAHと略称)、水酸化トリメチ
ルヒドロキシエチルアンモニウム(THAHと略称)、水酸
化テトラエチルアンモニウム、水酸化トリメチルビニル
アンモニウム等の水酸化第4アンモニウム;これらの炭
酸塩、ケイ酸塩;炭酸グアニジン(GUCと略称)等が挙
げられる。その他、塩基性の強いアミン類、例えばエチ
レンジアミン等も使用できるが、塩基性が低いので、こ
れを用いて強アルカリ性液を調製するためには25%以上
の濃度が必要になることがあり、臭気の点でも使いずら
いとの不利が伴う。また、グアニジンは塩基度の点では
良好であるが、分解性が強いのでその炭酸塩である前記
炭酸グアニジンが好ましい。これらの中で、最も使い易
いのは塩基性が非常に強くほぼ無臭のTMAHである。これ
は、130℃でトリメチルアミンとメチルアルコールに分
解して揮散する。水酸化トリメチルヒドロキシエチルア
ンモニウム(THAH)あるいは炭酸グアニジン(GUC)も
効果的に使用出来、これらは市販品として容易に入手で
きる利点がある。低温の加熱でTHAHはトリメチルアミン
とグリコールに、GUCは炭酸アンモニウムと尿素に分解
する。
強アルカリ性水溶液 前記有機強塩基の強アルカリ性水溶液のPHは高いほど
よいが、通常はPH12以上であれば、処理温度と時間を適
当に選択することによりエッチングの目的を達成するこ
とができる。例えばTMAHを用いれば、1%水溶液でPH13
となり、PTFEやPFAに対しては、その4%以上の水溶液
を用いることが好ましく、またポリエチレンでは1%以
下の水溶液が好ましい。
半導体プロセスでのウェーハキャリアの微粒子汚染は
ウェーハの面取り部が欠損して生じるシリコン超微粉に
よる場合が多い。シリコン粉はアルカリ性の強い液には
よく溶解するので、本発明の処理液はこの種の汚染に対
し特に有効である。
本発明によれば強アルカリ処理が行なわれるために、
樹脂成形品表面に付着した油脂を除去することができる
が、油脂の種類によってはその除去が不完全である。し
たがって、過酸化水素あるいは界面活性剤を添加して脱
油脂作用を強化させることが好ましい。但し、これらは
エッチング作用を抑制する作用を有しているので、その
添加量は、過酸化水素において1重量%以下、界面活性
剤において0.1重量%以下(固形分)、特に0.002〜0.1
重量%、最も好適には0.005〜0.1重量%とすることが望
ましい。これらは、浸染領域の不純物がアルカリ不溶の
場合、それらをエッチングの作用面から離脱させて液中
に移行させるためにも有効である。
また界面活性剤としては、非金属性界面活性剤が好適
に使用される。半導体デバイスでも薄膜デバイスでも本
質的にナトリウムや鉄、銅等の金属汚染が有害だからで
ある。非金属性界面活性剤としては、例えば、炭化水素
系界面活性剤およびパーフルオロアルキル基を有するい
わゆるフッ素系界面活性剤を用いることができる。プラ
スチック成形品がPTFE等のフッ素樹脂成形品の場合には
炭化水素系は効果が弱くフッ素系のものがよい。フッ素
樹脂成形品以外のプラスチック成形品に対しては炭化水
素系で十分である。非金属性の炭化水素系およびフッ素
系の界面活性剤の具体例としては、次のものが挙げられ
る。
(1)炭化水素系 a)非イオン性:ポリオキシエチレンノニルフェノー
ルエーテル類、ポリオキシエチレンセチルエーテル類、
脂肪酸ジェタノールアマイド。
b)両性:ジメチルアルキルカルボキシメチルアンモ
ニムベタイン、ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸
塩、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダ
ゾリニウムベタイン。
(2)フッ素系 a)非イオン性:パーフルオロアルキルポリオキシエ
チレン、パーフルオロアルキルアミンオキシド。
b)陰イオン性:パーフルオロアルキルカルボン酸ア
ンモニウム。
c)陽イオン性:パーフルオロアルキルトリメチルア
ンモニウム塩。
b)両性:パーフルオロアルキルベタイン。
エッチング 本発明においては、上述した強アルカリ性水溶液を用
いてエッチング処理が行なわれる。このエッチングは、
走査型の電子顕微鏡(約1000倍)でその作用がわずかに
検知できる程度で十分である。PTFEやPFA等のフッ素樹
脂は耐薬品性が強く、化学的に侵すことが非常に困難で
あると考えられていたのであるが、本発明によれば、前
述した有機強塩基による強アルカリ性水溶液を用いるこ
とにより、有効にエッチングを行なうことが可能となっ
たのである。
上記のようなエッチングは、例えば処理速度を高める
ために、処理液を加熱することが好ましく、例えばTMAH
の4%以上の水溶液を用いた場合には、80℃×10分で効
果的なエッチングが行なわれる。
またエッチング処理は、超音波の照射しながら行なう
ことにより、その洗浄効果を著しく高めることができ
る。超音波は10kHz〜1MHZの範囲を使用できるが、通常
用いられる15kHz〜50kHzの範囲で十分であり、好ましく
は20〜40kHzである。
ウェーハキャリア、カセット類などの容器では収納物
が接触する収納領域(通常はウェーハやガラス板を保持
する溝状部)が微粒子汚染源となっている。即ち、機械
的衝撃で生じる収納物自体の極微破片(上記シリコン超
微粉はこれに相当)や容器表面の損傷に起因する微細塵
の発生がある。これらの容器の使用に先立って、この様
な微粒子を除去する前処理が必要である。この重点洗浄
部位である収納領域に超音波を直射するには、例えば、
後述する実施例に示すような特殊な超音波ホーンで洗浄
処理中走査を行い効果の均一化を計ることが望ましい。
このような方法によれば、超音波の直射領域では凹凸が
あっても反射によって十分な効果が得られる。
前処理 また本発明において、浸染領域の不純物がアルカリ不
溶物である場合には、予め、不純物浸染層に王水、発煙
硝酸等の強酸を含浸させた後に、上述したエッチング処
理を行なうと、極めて効果的に浸染不純物の除去を行な
うことができる。特に王水は、PTFEやPFAに対しても他
の酸に比して浸透が早く有効である。
フッ素樹脂成形品表面層に浸染した金属不純物の中で
最も除き難いのは金である。金イオンは、浸染後、フッ
素樹脂で還元されて金コロイドとなって樹脂内に沈着す
るためである。従って、不純物浸染領域が除去できたか
どうかは、放射性同位元素の198Auイオンを処理液とと
もにフッ素樹脂に浸染させた後、198Auをトレーサーと
してその除去状況を追跡判定すればよい。この方法を用
いて、王水で5分間程度の前処理を先行させて前述した
エッチングを行なうと、金属浸染物に対する有機アルカ
リ液の除去効果がさらに強化されることが、後述する実
施例から明らかとなった。
上記のように、必要に応じて強酸を用いての短時間の
前処理を行ない、その後に強アルカリ性水溶液でエッチ
ングを行なうことにより、フッ素樹脂等のプラスチック
成形品の表面近傍の不純物を十分有効に除去することが
可能となる。
後処理 またエッチングに際して、超音波照射を行なうために
使用する超音波ホーンが金属製の場合、それが塩基の水
溶液に溶解しがたいステンレス鋼であっても微量の金属
成分が処理液中に混入し、プラスチツク容器等の成形品
を汚染する恐れがある。この場合、上述のエッチング処
理の後に、パーフルオロアルキル基を分子中に含む界面
活性剤を添加した酸、例えば硝酸、硫酸、フッ酸等の
鉄、クローム、ニッケル等に対して溶解力の強い酸の水
溶液に浸漬する処理を施すことが好ましい。このとき、
酸の濃度は、処理時間を短くし、かつ常温使用の前提で
10〜15N程度が効果的である。濃酸の為、界面活性剤は
耐薬品性の強いフッ素系を使用するが、濃度は0.005〜
0.05重量%(固形分)が好ましい。この処理により、溶
出金属成分のよる汚染は実質的に無害な程度に抑えるこ
とが出来る。
尚、上述した本発明は、プラスチック成形品がPTFEや
PFA等のフッ素樹脂製である場合を中心にして説明した
が、勿論、本発明は、これらフッ素樹脂成形品以外のプ
ラスチック、例えばポリプロピレン、ABS樹脂、ポリ塩
化ビニル等の成形品の清浄化にも適用可能である。
[実施例] 次に本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1 厚さ0.3mmの市販のPFAシートから直径12cmの円板を切
出し、合成洗剤処理とアセトン浸漬で脱脂後、0.1規定
硝酸で1時間加温洗浄して表面に吸着している金属不純
物を除去した。
次いで、この2枚のシートの間に、多摩化学工業
(株)製のTAMAPURE AA−SUPER(金属不純物0.01ppb以
下)の塩酸(濃度20重量%)とフッ酸(濃度38重量%)
の等容混合液1mlを挟んで均一に抑え、液を円板のほぼ
全面に広げた。
ここで20分放置してPFA表面下の成形時浸染の金属不
純物を抽出した。PFAは疎水性であるので、この抽出液
は、上側のシートをゆっくりと剥がすと容易に回収され
る。回収液を一旦蒸発させ、その残渣を上記AA−SUPER
の硝酸を稀めた250μの液に溶解し、フレームレス原
子吸光分析を行なった。
次に、上記と同様に稀硝酸洗浄した別のPFA円板シー
ト2枚に対して、TMAH5重量%、パーフルオロアルキル
ベタイン両性界面活性剤0.01重量%(固形分)の水溶液
で80℃×10分間の超音波洗浄を行なった。純水で10分間
の流水リンスの後、上記と同様に混酸でPFAの金属不純
物抽出を行ない、同様に分析を行なった。
さらに別のPFA円板シート2枚については、発煙硝酸
中で5分間浸漬処理を行なった後、TMAH5重量%水溶液
で80℃×10分間の超音波洗浄を行なった。純水で10分間
の流水リンスの後、上記と同様に混酸でPFAの金属不純
物抽出を行ない、同様に分析を行なった。
それぞれの分析結果は、PFA表面からの抽出量を単位
面積当りの原子数で表1に示した。
上記の結果から、成形加工時の汚染と考えられるPFA
表面のごく浅い領域の不純物はTMAH処理で除去できるこ
とが了解される。さらに強酸でかつPFAへの浸透性の強
い発煙硝酸で予め処理しておくことで、有効に不純物が
イオン化し、TMAH処理効果が強化されることが判る。
実施例2 フッ素樹脂成形品を薬液で処理する時、薬液とともに
ウェハー内部に浸染する金イオンはフッ素樹脂で還元さ
れて金コロイドとなり、他のイオンに比して除去が難し
いことは既述の通りである。即ち、原子状態となった金
は他の金属イオンに比べて洗浄液への溶出が少なくなる
が、それは浸染不純物を除去する目的の薬液処理では最
も除き難いことを意味する。
そこで198Auイオンを用い、これを半導体プロセスで
シリコンウェハーを洗浄する際の主要薬品中からPTFEと
PFAに浸染させ、その試料をTMAH処理して、浸染量に対
する処理後の残存率を求め、他の洗浄法の場合と比較し
た。
浸染試料の作成法は次の通りである。
PTFEは板から2cm角のチップを切り出したものを用い
た。またPFAはウェハーキャリアの一部から2cm角のチッ
プを切り出して用いた。
薬液としては、希フッ酸(1:50)及びSC−2液(塩
酸:過酸化水素:水=1容:1容:5容)を使用した。
198Auで標識した金(以下、198Auと略称)の塩化物
を、それぞれの薬液の溶解し、その液中に前記チップを
2時間(一般的なウェハー洗浄時間を10分と仮定してそ
の12回分)浸漬して、198Auをチップに浸染させた。
希フッ酸を使用した場合には25℃で浸漬を行ったが、
フッ素樹脂表面における金の吸着が著しい。そこで、希
フッ酸浸漬後のチップを10分間純水で流水リンスし、王
水に5分間浸漬して表面吸着分を溶解除去した。さらに
30分純水のリンスを行って浸染薬液をできるだけ溶出さ
せた後、24時間放置したものを浸染試料とした。
またSC−2液を用いた場合には70℃で浸漬を行った。
本来、過酸化水素を含む塩酸は金をよく溶解する性質を
有するため、198Auの付着量は少なく、このSC−2液に
溶かした198Au濃度は上記希フッ酸と同様であるにもか
かわらず、上記の王水処理後の試料における付着量と同
程度であった。従ってこの付着分はすべて内部に浸染し
たものとして、純水で30分流水リンスし、24時間放置し
て浸染試料とした。
上記の何れの浸染試料も198Auの浸染量は、3〜6×1
011atoms/cm2であった。
浸染198Auの除去効果を、上記浸染試料について、 (1)純水の流水30分処理、 (2)80℃の濃硝酸中で3時間処理、 (3)TMAHの5重量%水溶液で80℃10分間の超音波洗浄
処理、 (4)王水中に10分間浸漬した後、(3)の処理を行
う、 の4つの方法で行って比較した。
浸染量に対する処理後の残存率を第2表に示す。
上記の結果から、熱硝酸処理に比して、TMAHによる強
アルカリ性水溶液での洗浄効果が著しく、さらに王水処
理を先行させておくことにより、洗浄効果が強化されて
いることが理解される。
実施例3 TMAHは金を溶解する能力を有しないので、フッ素樹脂
の浸染不純物に対する除去効果は、有機強アルカリによ
るフッ素樹脂表面の化学的浸食作用、即ちエッチングに
よるものと考えられる。
そこで、50mm×50mm×30mmのPTFE並びにPFAの試料を
予め140℃で30分加熱乾燥して秤量し、次いでこれを80
℃のTMAH5重量%の水溶液(PH約13.5)中で30分間超音
波洗浄した後、純水で20分間流水リンスし、140℃で30
分加熱乾燥の上秤量して減量を求めた。しかし精密天秤
では減量は認められず、むしろごく僅かに増量の傾向で
あった。
TMAHは130℃でトリメチルアミンとメチルアルコール
に分解するので、浸染したTMAHは分解、揮散すると考え
たが、この加熱ではまだ若干残存しているといえる。従
って、重量法では、エッチングの確認ができなかった。
しかし、PTFE及びPFAのそれぞれの表面について、上
記TMAH処理前後の走査型電子顕微鏡写真を比較したとこ
ろ、何れの場合も明らかにエッチンブ作用が確認され
た。エッチングは一般に不純物が捕捉され易い粒界や欠
陥に強く作用する。結晶化度の高いフッ素樹脂では同様
の筈である。PTFE及びPFAでもTMAHによる長時間のエッ
チングを行なうとあばた状のピットを生じ、これらは欠
陥と対応している可能性が高い。強酸処理を先行させる
とエッチングが加速される。短時間の処理では、焼結構
造のPTFEの方がエッチングがはっきりと観察される。
第1図に市販PTFE板表面、及び第2図にその発煙硝酸
・TMAH処理後の走査型電子顕微鏡写真(2000倍)を示
す。
実施例4 300μの厚さのPTFE及びPFAのチップに対して、放射
性同位元素36Clで標識した塩酸を用いたSC−2液で70℃
2時間の処理を行ない、純水で10分リンスして、浸染し
たHCl分子の重量をトレーサー法で求めた。その結果
は、PTFE及びPFAの何れも200ng/cm2であった。
これらをTMAH5重量%の水溶液で80℃10分の超音波洗
浄を行ない、上記と同様にHCl分子の重量を求めた。PTF
Eでの36Cl浸染量は約35%に、PFAでは約50%に減少し
た。
またこれらを150℃で30分加熱した後の放射線量計測
結果は、加熱前と誤差範囲内で変わらなかった。従っ
て、恐らくフッ素樹脂内に残存する遊離のHClは無く、1
50℃では安定な塩化テトラメチルアンモニウムが生じて
いるものと推定される。
実施例5 強塩基ではあるが若干臭気のあるTHAH及び塩基性のや
や弱いGUCについて、フッ素樹脂浸染金属不純物の除去
効果を、実施例2と同様に198Auの洗浄後の残存率で比
較した。
試料への198Auの浸染は、実施例2における稀フッ酸
+王水処理により行ない、その浸染量は、3〜6×1011
atoms/cm2であった。
FEP(テトラシュルオロエチレン・ヘキサフルオロプ
ロピレン共重合体)は、理化学実験器具類(ビーカー、
フラスコ、瓶等)によく使われるが、この場合、それら
の洗浄時間には必ずしも制限がない。そこでこれを長時
間浸漬洗浄の試料とした。FEP試験片を、THAH5重量%、
パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩(陽イ
オン性界面活性剤)0.01重量%(固形分)の水溶液中に
12時間浸漬し、流水で10分リンスした。198Auの残存率
は10.2%で、実施例2における(3)の処理と比較して
遜色がなかった。
アルカリに対する耐性が若干劣るPVDF(ポリフッ化ビ
ニリデン)試験片に対して、GUC5重量%、過酸化水素0.
5重量%の水溶液(PH約12)中で60℃10分の超音波洗浄
により、残存率12.7%が得られた。
実施例6 通常微粒子汚染に関して清浄度の要求の最も厳しいプ
ラスチック容器は、半導体製造工程でシリコンウェーハ
の薬液による洗浄に使用するウェーハキャリアであり、
その材料としては耐薬品性・耐加熱性からテフロンのPF
Aが使われている。PFAといえども長期の使用で表面が侵
されて微細な凸凹や隙間が生じ、超微粒子がここに掴ま
り、除去がさらに難しくなる。
予め1週間発煙硝酸に浸漬して表面を荒らしたPFA試
験片(20mm×20mm×2mm(厚さ)の板状)を準備した。
この試験片を198Auで標識した塩化金の水溶液を有機ア
ルカリで還元して得たコロイド液に浸漬して198Auコロ
イドを試料片に付着させた。こうして198Auコロイドを
付着させた試験片を表3に示す通りの各種の処理液中で
処理した。各実験における処理法も表3に示す。処理
後、放射化学のトレーサ手法により試験片上の198Auコ
ロイドの残存率を測定した。
なお、純水のジェットスプレー洗浄だけは試料片を片
面ずつそれぞれ10分処理し、それ以外の処理は試料片の
面を鉛直にビーカー中の処理液に浸漬して、下方より試
料面に平行に超音波を進行させ試料を上下しつつ洗浄し
た。この処理で28kHzを使った場合を超音波A方式、MHz
高周波を使った場合を超音波B方式と略称する。得られ
た結果を表3に示す。
なお、使用した有機強塩基および非金属性の界面活性
剤を下記のように略記した。
TMAH:水酸化テトラメチルアンモニウム GUC :炭酸グアニジン Dc−1:ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル
(炭化水素系、非イオン性) Dc−2:イミダゾリニウムベタイン(炭化水素系、両
性) Df−1:パーフルオロアルキルポリオキシエチレン(フ
ッ素系、非イオン性) Df−2:パーフルオロアルキルベタイン(フッ素系、両
性) 表3の結果から、PFAに関しては、パーフルオロアル
キル基を持つ界面活性剤の微量を添加した高濃度の有機
強塩基水溶液中での超音波洗浄がコロイドレベルの超微
粒子除去に効果的であることが分る。しかもMHz高周波
洗浄よりも通常の数十kHzでの超音波洗浄の方が良い洗
浄効果を示した。
実施例7 実施例6と同様にして調製した198Auコロイド付着PFA
試験片の面を水平にビーカー中の処理液に浸漬し、下方
より試料面に直射するよう28kHz超音波を進行させて洗
浄を行った(超音波洗浄C方式と仮称)。実施例6で洗
浄効果の良かった処理液即ち、試料No.6と試料No.9の液
について、同温度同時間での処理による洗浄効果を198A
uコロイド残存率(実施例6と同様に測定)で表4に示
す。
この洗浄を終えた試料に対して、さらにシリコンウェ
ーハの脱微粒子に最も効果的とされるSC−1洗浄液即
ち、 NH4OH:H2O2:H2O=1容:1容:5容の液で70℃、10分の処理
を追加した。その結果を表4に併記した。
上の結果から、処理面に超音波を直射する方式は洗浄
効果を著しく高めることが分る。後続させたSC−1処理
では本発明の方法による処理で残存した198Auコロイド
はほとんど離脱しないことが分る。
上記のTMAH洗浄後の試料について洗浄前の試料との比
較でSEMにより約2000倍での顕微鏡観察を行った。試料
片の傷の周辺等には発煙硝酸処理で生じた不鮮明像がみ
られるが、このTMAH洗浄後はこれらの部分が鮮明化し
た。PFA表面から離脱しやすくなった変質層に対しエッ
チングによる強制除去効果があることが推察出来る。
実施例8 ポリプロピレンとポリエチレンの20mm×20mm×2mm
(厚さ)の板状試験片に実施例6と同様にして198Auコ
ロイドを付着させたものに対し、TMAH水溶液に炭化水素
系界面活性剤を添加した処理液で超音波洗浄C方式を行
った。洗浄効果を処理後の198Auコロイド残存率を実施
例6と同様にして測定した。結果を表5に示す。
実施例9 超音波の直射をキャリア類の全収納領域に及ぼせるよ
うに、第3図(Aは正面図で、Bは底面図である)に示
す特殊な超音波ホーン1をSUS 316で作成した。超音波
は2の部分から斜下方両側へ波形3のように進行する。
このホーンを第4図のようにキャリア4の内側に位置さ
せ、洗浄中は上下並びに前後に矢印5又は6のようにキ
ャリアと相対的に動かして、超音波が収納領域(ウェー
ハ溝)7を直射しつつ走査するようにした。この方式の
効果を確かめるため、第5図のように実施例6で述べた
ような198Auコロイド付着PFA片を6個位置せしめて、TM
AH5%,Df−1 0.01%の処理液8の中でホーン1を上下
させて16kHzで70℃,10分の処理を行った。処理後のそれ
ぞれの試験片の198Auコロイド残存率を表6に示す。
ホーンからの超音波が十分に直射した試験片での洗浄
効果が特に良好であることが分かる。
実施例10 シリコン材料メーカが使用しているポリプロピレン製
のウェーハボックス3種とPFA製ウェーハキャリアに対
して、その内側に198Auコロイドを付着させ、実施例9
と同じ処理液と処理条件でホーンを前後上下に走査して
洗浄を行った。洗浄の前後にGM計数管を容器内に挿入し
て放射能を計数し、処理後の198Auコロイドの残存率を
求めた。この4個の容器は残存がいずれも約5%で大差
なく、表6の結果とほぼ一致した。
実施例11 ホーンがSUS316のため、ステンレス鋼の溶出し難いア
ルカリ性液中といえどもホーンの材質の微量が液に入
り、さらにプラスチック容器に汚染する恐れがある。そ
こで、その対策として酸による短時間の後処理を検討し
た。上記のPFA試験片を50Fe,51Cr,57Niで標識したそれ
ぞれの金属の塩を含む、TMAH5%,Df−1 0.01%液に浸
して、それらの金属元素が付着した試料(それぞれ1ng/
cm2程度)を作り、硝酸(比重 1.38)に耐酸性の強い
フッ素系界面活性剤Df−1あるいはDf−2を0.01%加え
た洗浄液中に室温で5分放置し、試料の残存率を上例同
様放射化学的に求めた。
結果を表7に示す。
硝酸のみの場合を比較として示したが、フッ素系界面
活性剤添加の効果は大きい。従ってホーンからの金属成
分溶出はこの処理を加えることにより影響を避けること
が出来る。
実施例12 シリコン塊を300メッシュ以下に微粉化した中へPFAキ
ャリアを入れてシリコン汚染試料を作成した。キャリア
帯電性のためシリコン超微粉が強固に付着し、表面が淡
褐色に変色する。これを一週間放置すると従来の洗浄法
では脱色出来ない。しかし実施例9の処理液処理条件で
超音波ホーンを使って洗浄したところ、変色は容易に消
失した。
実施例13 実施例9の処理液と処理条件で超音波ホーンを使った
洗浄を行い、超純水で20分流水洗浄したPFAキャリアを2
00℃のクリーンオーブン中で10分乾燥した。さらに10分
超純水で流水洗浄した後18MΩの超純水中に密封して6
時間放置した。放置後の純水の比抵抗の低下は1MΩ以内
であった。
[発明の効果] 実施例2と5に示したように、フッ素樹脂成形品に浸
染した金属不純物の中で最も除き難い金原子に対し、有
機強塩基による強アルカリ性水溶液で処理すれば、これ
を極めて効果的に除去することができる。
実施例3で示したように、この有機強アルカリ性液で
の処理によれば、化学的に非常に安定であるとされてい
るフッ素樹脂表面は僅かではあるがエッチングされる。
この場合、強酸処理を先行させるとエッチング作用が強
化される。即ち、有機強塩基による強アルカリ性水溶液
のエッチング作用で表面浸染不純物が効果的に除去され
る。実施例4で金属不純物浸染の原因となる塩酸系洗浄
液の処理での塩素イオンの浸染を定量化したが、それら
に対する強アルカリ性水溶液の除去作用は金属不純物に
比してやや弱い。これは、金属イオンのフッ素樹脂内で
の拡散係数が、薬液の陰イオンよりかなり小さいことを
示唆している。即ち、金属不純物のフッ素樹脂成形品表
面からの内部への侵入は通常ごく浅い層にとどまるもの
と考えられる。
実施例1のように成形の際の汚染と考えられえる表面
の金属不純物汚染も同様に本発明の処理で十分な除去が
可能である。耐薬品性の強いフッ素樹脂成形品を使用す
るのは、通常高純度液体に接し、その際樹脂から液への
汚染がないことを要求される場合であり、その表面近く
に金属不純物汚染層があるとその溶出による危険性が高
くなるが、本発明によれば、以上のように十分にその機
会を除くことができる。
また高純度液体が揮発性の酸、例えばフッ酸とか塩酸
を含む場合は、既述の様にフッ素樹脂に浸染して「キャ
リーオーバー」現象を起こすが、本発明によれば、浸染
量の一部はエッチングで除かれ、また実施例4で示した
ように、浸染した有機塩基が遊離酸を中和して安定な塩
(フッ化テトラメチルアンモニウム等)となり、有害な
酸ガスの発生を抑制する。さらに過剰な有機塩基は、加
熱によって揮発性のガスに分解させて除去することがで
きる。
本発明のフッ素樹脂浸染不純物除去法は非常に強力で
あり、必要に応じて加熱、超音波、添加剤を用いること
により、10〜20分程度の薬液処理と同程度の純水リンス
で目的が達成され、従来の長時間を要する洗浄法に劣ら
ぬ清浄化効果を示す極めて効率的なものである。
実施例6,7,8の試験片による評価で明らかなように、
非金属性の界面活性剤を含む有機強塩基水溶液中でプラ
スチックの被処理面に数十kHz程度の超音波を直射すれ
ばコロイドレベルの超微粒子の汚染を容易に除くことが
出来る。従来この程度の周波数による超音波洗浄は液共
振に基くもので粒径の小さい微粒子は除去出来ず、サブ
ミクロン微粒子は液共振のないMHz超音波で加速度洗浄
でなければ除けないとされていた。しかし、実施例6に
みるように高周波超音波の効果は必ずしも高くない。本
発明の本質は処理液のエッチング作用と界面活性作用に
よる脱微粒子効果で、超音波はそれらの作用を増殖する
ものと考えられる。界面活性作用はフッ素樹脂に対して
はパーフルオロアルキル基を含む界面活性剤により効果
的に得られる。さらに本処理液の化学作用はウェーハ起
因のシリコン微粉の溶解除去という半導体プロセス汚染
対策上重要な効果を併せ持つ。
また、これらの強力な効果の源である有機強塩基はイ
オンが大きい為PFA等に滲入し難く、若干の吸収は、上
述のように加熱で分解除去し得る。
プラスチック容器の収納領域全体への超音波直射はホ
ーンあるいは容器の相対的な走査により可能で、微粒子
除去効果は試験片の場合と変わらないことが実施例6,10
で示されている。実施例7にみられるようにこの強アル
カリ性水溶液処理を終えた後の残留超微粒子はSC−1の
ような防塵効果の強力な洗浄に会っても離脱し難い。ま
た、この処理はプラスチック表面の離脱粉を生じやすく
なった変質部を強制的に除くのに役立つ。従って清浄プ
ロセスに際し、使用するプラスチック容器の前処理とし
て本発明は効果的な汚染防止手段を提供するものであ
る。
この場合その容器は化学的な汚染も除かれていなけれ
ばならないが、ステンレス鋼製の超音波ホーンを直接処
理液の中で使っても、溶出金属による容器への汚染はパ
ーフルオロアルキル基を含む界面活性剤を添加した酸処
理で実質的に無害なレベルまで除去出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、市販PTFE板表面の走査型電子顕微鏡写真を模
写した図であり、 第2図は、市販PTFE板をTMAH水溶液で処理したものの同
様の写真を模写した図であり、 第3図において(A)は超音波ホーンの正面図で(B)
は底面図であり、 第4図は超音波ホーンをウェーハキャリアの中で走査し
ているところの斜視図であり、 第5図は超音波ホーンと洗浄試験片の位置的関係を示す
概略図である。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機強塩基による強アルカリ性水溶液でエ
    ッチングを行なう工程を有するプラスチック成形品表面
    の清浄化処理方法。
  2. 【請求項2】前記強アルカリ性水溶液のpHが12以上であ
    り、前記プラスチック成形品がフッ素樹脂成形品である
    請求項1に記載の清浄化処理方法。
  3. 【請求項3】前記エッチング処理に先立って、プラスチ
    ック成形品表面を強酸による浸漬処理に付する請求項1
    に記載の清浄化処理方法。
  4. 【請求項4】前記強アルカリ性水溶液として非金属性の
    界面活性剤を含む液を使用する請求項1に記載の清浄化
    処理方法。
  5. 【請求項5】前記エッチング処理に際して、プラスチッ
    ク成形品表面に向かって超音波を直射する請求項4に記
    載の清浄化処理方法。
  6. 【請求項6】非金属性界面活性剤がパーフルオロアルキ
    ル基を分子中に含むフッ素系界面活性剤である請求項4
    に記載の清浄化処理方法。
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