JP3051647B2 - 非接触icカード及びシステム - Google Patents

非接触icカード及びシステム

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JP3051647B2
JP3051647B2 JP3246595A JP3246595A JP3051647B2 JP 3051647 B2 JP3051647 B2 JP 3051647B2 JP 3246595 A JP3246595 A JP 3246595A JP 3246595 A JP3246595 A JP 3246595A JP 3051647 B2 JP3051647 B2 JP 3051647B2
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慶一 森下
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一郎 藤田
公之 山本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、有料道路の自動料金
収受システム等に適用される非接触ICカード及びシス
テムに関する。
【0002】
【従来の技術】高速道路等を初めとする有料道路におけ
る従来の料金収受システムでは、料金所において、収受
員が利用者から直接に現金の収受を行なったり、あるい
は、利用者に現金を自動機に投入させて利用料金を収受
する方法が採用されている。
【0003】これに対し、料金所における料金の受け渡
しの必要がない料金収受システムとして、車載機、即
ち、車両に関するID情報等を記録し、外部と無線通信
が可能な非接触式のICカード等を利用したシステムが
開発されてきている。
【0004】図2は、有料道路の料金所における従来の
非接触ICカードを利用した自動料金収受システムの構
成図である。同図に示すように、上記システムは基本的
に、車両1に搭載されたICカード2、システム制御装
置3、地上制御機4、アンテナユニット5、時分割制御
装置6によって構成されている。また、この例の場合、
システム制御装置3、地上制御機4、アンテナユニット
5は、有料道路の料金所における複数の車線各々に対し
て設置されている。同図に示すように、有料道路の料金
所に進入した車両1に対して、システム制御装置3から
の指令によって地上制御機4がアンテナユニット5を介
してICカード2と無線通信を行なう。これにより、車
両1の料金収受処理が自動的に行なわれる。また、時分
割制御装置6は、地上制御機4を制御してアンテナユニ
ット5から出力される電波の時分割制御を行なってい
る。
【0005】地上制御機4からICカード2に対する通
信は、アンテナユニット5から送信される電波(搬送
波)が変調されることによって行なわれる。また、IC
カード2から地上制御機4への通信は、アンテナユニッ
ト5から送られた電波(搬送波)が、上記ICカード2
によって反射される時に変調されることにより行なわれ
る。即ち、ICカード2からアンテナユニット5に送ら
れる電波の周波数は、上記アンテナユニット5から送信
された電波の周波数と同一である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記した図2に示す有
料道路の自動料金収受システムでは、料金所における各
車線に設置したアンテナユニット5と、ICカード2間
の通信において同一周波数が使用されている。このた
め、各車線において近接するお互いのアンテナユニット
5の受信回路に対し、上記周波数の電波信号の干渉が生
じる。この電波干渉の対策として、上記した時分割制御
装置6によって地上制御機4を時分割制御している。こ
れにより、各アンテナユニット5から出力される電波の
時分割制御が行なわれている。
【0007】しかし、有料道路の料金所は、多い所で数
十車線にも渡るために、全てのアンテナユニット5から
送出される送信電波について時分割制御を行なうと、I
Cカード2との通信時間が長くなり、通信効率が低下す
るという問題があった。
【0008】この発明は、上記実情に鑑みてなされたも
ので、近接するアンテナユニット5間の電波干渉及びそ
の対策のために用いられる時分割制御をなくし、料金所
の車線数が多くても通信効率が低下しない非接触ICカ
ード及びシステムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、車両に搭載
され、地上局側に設置されるアンテナユニットと無線通
信を行なう非接触ICカードにおいて、上記アンテナユ
ニットから入力される信号の周波数を基本として、高調
波の信号を発生させる手段と、送出する信号の基本波及
びこの基本波に対する高調波の信号を用いてデータを上
記アンテナユニットに送信する送信手段とを具備したこ
とを特徴とする。
【0010】またこの発明は、車両に搭載される非接触
ICカードと地上局側に設置されるアンテナユニットと
の間で無線通信を行なうことにより、上記車両に関する
料金収受処理を行なう非接触ICカードシステムにおい
て、上記非接触ICカードは、上記アンテナユニットか
ら入力される信号の周波数を基本として、高調波の信号
を発生させる手段と、送出する信号の基本波及びこの基
本波に対する高調波の信号を用いてデータを上記アンテ
ナユニットに送信する送信手段とを備え、上記アンテナ
ユニットは、上記非接触ICカードより受信した信号に
おける高調波の信号から任意の周波数成分の高調波の信
号のみを通過させるフィルタと、このフィルタにより選
択された上記任意の周波数成分の高調波の信号を所定の
中間周波数の信号に変換する変換手段と、この変換手段
により出力された上記中間周波数の信号に対して復調処
理を行なう復調手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
【作用】地上局側のアンテナユニットから送信されたデ
ータの信号が、車両に搭載されるICカードにおいて受
信され、復調されて受信データとして取り出される。次
に、ICカード内の高調波を発生させる手段により、上
記カードから送出するデータの信号における基本波の周
波数に対し、高調波の信号が生成される。次に、上記基
本波の信号及び高調波の信号は、送信手段によって上記
アンテナユニットに対して送信される。
【0012】次に、上記ICカードから送信された基本
波の信号及び高調波の信号は、アンテナユニットのフィ
ルタに入力され、ここで任意の周波数成分の高調波が選
択される。次に、選択された任意の周波数成分の高調波
は、変換手段によって所定の中間周波数の信号に変換さ
れた後、復調手段により復調されて受信データとして取
り出される。
【0013】上記のように、ICカード側が、アンテナ
ユニットからの信号の周波数に対する高調波の信号を生
成して上記アンテナユニットに返送し、このアンテナユ
ニット側で上記高調波の信号から任意の周波数成分の高
調波を選択して復調処理を行なうことにより、複数のア
ンテナユニット各々において発生する基本波の電波信号
による干渉作用を防止することができる。また、これに
より、複数のアンテナユニットから出力されるデータの
信号の時分割制御を行なわずに済むので、通信効率の低
下を防ぐことが可能である。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明の一実施例を
説明する。図1は、この発明の一実施例に係る非接触I
Cカード及びシステムにおいて適用されるアンテナユニ
ットとICカードの構成を示す図である。
【0015】図1において、11は料金所の地上局側に
設置されるアンテナユニットであり、車両(図示せず)
に搭載されるICカード12と無線通信を行なう。ま
た、同図に示すように、アンテナユニット11において
信号送信処理に関係する部分は、発振回路13、変調回
路14、増幅回路15、フィルタ16、アンテナ素子1
7により構成されている。そして、アンテナユニット1
1の信号受信処理に関係する部分は、アンテナ素子1
8、フィルタ19、増幅回路20、ミキシング回路2
1、発振回路22、フィルタ23、増幅回路24、検波
回路25によって構成されている。
【0016】また、ICカード12における信号の送受
信に係わる部分は、アンテナ素子26、変調回路27、
検波回路28、高調波発生回路29、アンテナ素子30
によって構成されている。
【0017】アンテナユニット11内の発振回路13
は、基本周波数f0 の信号(搬送波)を生成し、変調回
路14に入力する。また、この変調回路14には、IC
カード12に対して送出する送信データが入力される。
即ち、変調回路14は、発振回路13によって生成され
た基本周波数f0 の信号に対し、上記送信データによ
り、データ変調処理を行なう。この変調回路14から出
力される信号は、増幅回路15で増幅された後、フィル
タ16を通過してアンテナ素子17から、電波としてア
ンテナユニット11外部、即ちICカード12に対して
送信される。
【0018】ICカード12のアンテナ素子26は、変
調回路27を介して検波回路28に接続される。この検
波回路28は、アンテナ素子26によって受信された変
調信号に対して復調処理を行ない、受信データとして処
理回路(図示せず)へ出力する。また、上記検波回路2
8は、高調波発生回路29に接続されている。そして、
この高調波発生回路29は、アンテナ素子30に接続さ
れる。
【0019】また、上記変調回路27には、アンテナユ
ニット11に対して送出する送信データが入力される。
即ち、ICカード12側からの送信時には変調回路27
において基本周波数f0 の信号に対し、送信データ信号
が変調され、更に、高調波発生回路29によって基本波
に対する第2次高調波以降(周波数2f0 ,3f0
…)の信号が生成される。上記基本波と第2次高調波以
降の信号は、アンテナ素子30により、アンテナユニッ
ト11に対して送信される。
【0020】また、アンテナユニット11内におけるア
ンテナ素子18は、フィルタ19に接続される。このフ
ィルタ19は、ICカード12からの送信データ、即
ち、上記した基本波と複数の高調波を含む信号から任意
の1波、例えばこの場合は第2次高調波の信号(周波数
2f0 )を選択する。この第2次高調波の信号は、増幅
回路20によって増幅された後、ミキシング回路21に
送出される。このミキシング回路21は、周波数fL
信号を出力する発振回路22に接続される。つまり、上
記第2次高調波の信号の周波数2f0 と、発振回路22
から送られてくる周波数fL との差分がミキシング回路
21において取られ、中間周波数fIFの信号が得られ
る。また、ミキシング回路21は、フィルタ23、増幅
回路24を介して検波回路25に接続される。フィルタ
23は、ミキシング回路21において得られた中間周波
数fIFの信号を通過させ、その他の不要な信号を除去す
る。また、検波回路25は、入力された信号に対して復
調処理を行ない、受信データを出力する。
【0021】なお、アンテナユニット11におけるミキ
シング回路21及び発振回路22は、任意の周波数成分
の高調波の信号を所定の中間周波数の信号に変換する変
換手段として、そして検波回路25は復調手段として作
用する。
【0022】次に上記実施例の動作について説明する。
料金所において、図1に示すICカード12を搭載した
車両(図示せず)が、アンテナユニット11の通信領域
内に進入すると、アンテナユニット11は、ICカード
12と通信を開始する。即ち、変調回路14は、送信デ
ータを、発振回路13から入力されている基本周波数f
0 の信号(搬送波)に乗せて変調を行なう。次に、変調
された送信データ信号は、増幅回路15によって増幅さ
れた後、フィルタ16を通過してアンテナ素子17によ
ってアンテナユニット11外部、即ちICカード12に
向けて電波として送信される。
【0023】この電波は、ICカード12におけるアン
テナ素子26によって受信される。次に、上記電波の信
号、即ち上記変調された送信データ信号は、アンテナ素
子26から変調回路27を経由して検波回路28に送ら
れる。検波回路28は、入力された上記信号を復調処理
する。この復調処理された信号は、受信データとしてI
Cカード12内の処理回路(図示せず)において処理さ
れる。
【0024】次に、ICカード12からアンテナユニッ
ト11に対して信号を送信する時の動作について説明す
る。ICカード12において、上記した変調された送信
データ信号の受信が終了した後、次に、ICカード12
からデータをアンテナユニット11に送信する際に、上
記アンテナユニット11側から、基本周波数f0 の信号
(搬送波)のみが送信される。この基本周波数f0 の信
号は、上記したように、ICカード12のアンテナ素子
26によって受信され、変調回路27に送られる。この
変調回路27は、アンテナユニット11に対して送出す
る送信データ信号を、上記f0 の信号に乗せて変調信号
を生成し、検波回路28を介して高調波発生回路29に
出力する。次に、高調波発生回路29は、上記変調処理
された周波数f0 の基本波に対して高調波(周波数2f
0 ,3f0 ,…)を生成し、アンテナ素子30に出力す
る。アンテナ素子30からは、上記基本波と高調波の信
号が、電波としてアンテナユニット11に向けて送信さ
れる。
【0025】ICカード12から送出された上記信号
は、アンテナユニット11におけるアンテナ素子18に
よって受信され、フィルタ19に送られる。このフィル
タ19は、入力された上記信号における高調波のうちの
1波、即ちこの場合では、第2次高調波(周波数2f
0 )を選択する。選択された第2次高調波は、フィルタ
19から増幅回路20に出力されて増幅され、ミキシン
グ回路21に送出される。次に、ミキシング回路21
は、増幅された上記第2次高調波の信号周波数2f
0と、別に送られてくる発振回路22からの信号周波数
L との差分を取り、中間周波数fIFの信号を得る。次
に、この中間周波数fIFの信号は、フィルタ23に送ら
れて不要な信号が除去された後、増幅回路24に出力さ
れて増幅される。次に、増幅回路24によって増幅され
た上記中間周波数fIFの信号が、検波回路25に出力さ
れて復調処理が行なわれ、受信データとして取り出され
る。
【0026】また、上記した例において、フィルタ19
は、第2次高調波(周波数20 )の選択を行なったが、
料金所におけるアンテナユニット11が複数台設置され
ている場合には、他の各アンテナユニット11各々のフ
ィルタ19は、例えばそれぞれ、周波数3f0 ,4f0
等の任意の高調波を選択する。
【0027】上記のように、この発明における実施例で
は、ICカード12内部に高調波発生回路29を設け、
アンテナユニット11に送る変調された送信データにお
ける基本周波数f0 に対する複数の高調波を発生させ、
そして上記アンテナユニット11内のフィルタ19が、
上記複数の高調波のうち、任意の周波数(上記実施例で
は2f0 )の信号を選択している。従って、料金所にお
ける車線が複数に渡る場合においても、各アンテナユニ
ット11のフィルタ19は、それぞれ異なる高調波信号
を選択できるので、各アンテナユニット11から送出さ
れる基本周波数f0 の信号を受信時に通過させることが
ない。これにより、近接した各アンテナユニット11各
々に対して発生する上記基本周波数f0 の電波信号の干
渉を防ぐことができる。
【0028】また、上記したように、各アンテナユニッ
ト11から送信される基本周波数f0 の信号を、上記各
アンテナユニット11内のフィルタ19が、受信時には
通過させないため、電波干渉作用の防止のために行なう
各アンテナユニット11が出力する信号(電波)の時分
割制御が不要になる。これにより、各アンテナユニット
11とICカード12間における通信時間が長くなるこ
とによる通信効率の低下を防止できる。
【0029】また、上記した実施例においては、有料道
路の自動料金収受システムに適用される場合について説
明したが、この他に、例えば無人駐車場システム等に
も、この発明の非接触ICカード及びシステムを適用す
ることが可能である。
【0030】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
ICカードから送られる高調波の信号のうち、アンテナ
ユニット内のフィルタによって任意の周波数成分の高調
波を選択して復調処理を行なうので、複数のアンテナユ
ニット各々に対して発生する基本波の電波信号による干
渉作用を時分割制御を行なうことなく防止できる。これ
により、通信時間が長くなることによる通信効率の低下
を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る非接触ICカード及
びシステムに適用されるアンテナユニットとICカード
の構成を示す図。
【図2】従来における有料道路の料金収受システムの構
成図。
【符号の説明】
11 アンテナユニット 12 ICカード 13,22 発振回路 14,27 変調回路 15,20,24 増幅回路 16,19,23 フィルタ 17,18,26,30 アンテナ素子 21 ミキシング回路 25,28 検波回路 29 高調波発生回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 公之 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番 1号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 能崎 聡 兵庫県神戸市兵庫区小松通五丁目1番16 号 株式会社神菱ハイテック内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G07B 15/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に搭載され、地上局側に設置される
    アンテナユニットと無線通信を行なう非接触ICカード
    において、上記アンテナユニットから入力される信号の
    周波数を基本として、高調波の信号を発生させる手段
    と、送出する信号の基本波及びこの基本波に対する高調
    波の信号を用いてデータを上記アンテナユニットに送信
    する送信手段とを具備したことを特徴とする非接触IC
    カード。
  2. 【請求項2】 車両に搭載される非接触ICカードと地
    上局側に設置されるアンテナユニットとの間で無線通信
    を行なうことにより、上記車両に関する料金収受処理を
    行なう非接触ICカードシステムにおいて、 上記非接触ICカードは、上記アンテナユニットから入
    力される信号の周波数を基本として、高調波の信号を発
    生させる手段と、送出する信号の基本波及びこの基本波
    に対する高調波の信号を用いてデータを上記アンテナユ
    ニットに送信する送信手段とを備え、 上記アンテナユニットは、上記非接触ICカードより受
    信した信号における高調波の信号から任意の周波数成分
    の高調波の信号のみを通過させるフィルタと、このフィ
    ルタにより選択された上記任意の周波数成分の高調波の
    信号を所定の中間周波数の信号に変換する変換手段と、
    この変換手段により出力された上記中間周波数の信号に
    対して復調処理を行なう復調手段とを備えたことを特徴
    とする非接触ICカードシステム。
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