JP3050340U

JP3050340U - 磁気分離器に於いて吸着スラッジの搬送を並滑にする磁石配列

Info

Publication number: JP3050340U
Application number: JP1997009732U
Authority: JP
Inventors: 峰男石川
Original assignee: 株式会社シイエヌケイ
Priority date: 1997-09-29
Filing date: 1997-09-29
Publication date: 1998-07-14
Anticipated expiration: 2003-09-29

Abstract

(57)【要約】（修正有）【課題】研削盤，又はその他一般加工機の，主として磁
性体の切りくずを含有するクーラントのリサイクル処理
に使用される磁気分離器において，長繊維状切りくずが
毛玉状にからまって球塊となったスラッジ，又は該加工
機内の清掃，及びクーラントタンク内の堆積スラッジの
崩壊等で，一時的に大量のスラッジが流入して来た場合
でも，この磁気分離器内に該スラッジが停滞することな
く並滑に搬送，排出が出来て，該処理器の稼働管理を頗
る容易する磁気分離器を提供する。【解決手段】磁気分離器は，内蔵する回転円筒７内の固
定の磁気円筒４の基盤の磁気ベース２３の外周面に，ブ
ロック状のＮ，Ｓ極を交互に密着させて並べた円弧形磁
石２４の各々を，該回転円筒７の図示回転方向に該回転
円筒７との隙間を逓増させる形状とし，吸引力の逓減を
計り，該回転円筒７の外周面に吸着したスラッジの搬送
を加勢し，並滑に搬送されるように該円弧形磁石２４を
配列したこと。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案の磁気分離器は，磁性体の長繊維状切りくずが毛玉状にからまり球塊となったスラッジ，又はシェービング機等の針状で比較的容量の大きい切りくずに対し，支障なくこれの捕捉排出処理が出来るので，該長繊維状切りくず，又は研削盤，及びその他一般の加工機内の清掃，或いはクーラントタンク内の堆積スラッジの崩壊等で，一時的に球塊状のスラッジが混合して大量流入して来た場合，その他該シェービング機等の該切りくずに対しても安心して使用できる。

【０００２】

【従来の技術】

従来の磁気分離器は，図４に示すように磁気分離器本体５０内の固定の磁気円筒５１の磁気ベース５２の外周に，一定厚さのブロック状の円弧磁石５３のＮ，Ｓ極を密着させて並べたもので，この磁気円筒５１と僅かな隙間５４を保持して回転する非磁性回転円筒５５（以下回転円筒と言う）に，クーラント中の磁性体のスラッジを吸着させ，該回転円筒５５の図示矢印の回転方向に，又途中絞りローラ５６で脱水し，排出側に向かって搬送させていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記は，該磁石５３の吸引力よりも該回転円筒５５外周に吸着させたスラッジの摩擦力が強い場合の状態であって，該加工機内の清掃，又はクーラントタンク内の堆積スラッジの崩壊等で，一時的に該球塊状の切りくずが混合した大量のスラッジが流入して来た場合，或いは該シェービング機等の比較的容積の大きい切りくずに対しては，該摩擦力よりも吸引力が強く作用して，該吸着スラッジが該回転円筒５５外周を滑ってこの回転円筒５５と共に搬送されず，停滞して遂には磁気分離器内のクーラントの流路口元５７を閉鎖してしまう不具合を起こしていた。従って該スラッジの状態に支障されずに稼働出来る磁気分離器の開発が切望されていた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は，上述した問題を解決するために成されたもので，研削盤，又はその他一般の加工機に使用され，主として磁性体の切りくずを含有するクーラントのスラッジを排出処理する該磁気分離器において，該磁気円筒のブロック状磁石と該回転円筒との隙間を逓増させ，磁力の逓減を計り該吸着スラッジの搬送を並滑にする磁石配列とすることである。

【０００５】

【作用】

本考案の吸着スラッジの搬送を並滑にする磁石配列を行った磁気分離器は，固定の磁気円筒を内蔵した回転円筒と，半円筒形の底板間を所定の間隙で形成させた流路内に，該スラッジを含有するクーラントを通過させ，該液内の磁性体の切りくず等のスラッジを該磁気円筒で吸引し，これを回転円筒の外周に吸着させ，回転搬送の途中で絞りローラで該回転円筒の外周に押圧して脱水し排出処理するクーラントのリサイクル器で，該固定の磁気円筒の磁気ベースの外周面に，ブロック状のＮ，Ｓ極を交互に密着させて並べた円弧磁石の各々を，該回転円筒の回転方向に該回転円筒との隙間を逓増させて，該回転円筒面の吸着力を逓減させることにより，ここに吸着した該スラッジの搬送を助勢し，一時的に大塊の混合した大量のスラッジを含むクーラント，又は針状の比較的容量の大きい切りくずを含むクーラントの流入に対しても，該スラッジが流入口付近に停滞することなく並滑に回転円筒の回転と共に搬送される。

【０００６】

【実施例】

本考案の磁気分離器で，吸着スラッジの搬送を並滑にする磁石配列の実施例を図１，図２，及び図３に基づいて説明する。磁気分離器の磁気分離器本体１（以下本体と言う）には，流入口２，流出口３があり，この流入出口間に磁気円筒４と同芯で内壁が該磁気円筒４と微小間隙で回転する回転円筒７が本体１内に先の磁気円筒４と共に収まっている。この回転円筒７の回転軸１２は，本体１の外部に延びて，ここにスプロケットホイール１３が取り付けられ，又本体１から出されたブラケット１４に取り付けられた減速機付モータ１５側の小スプロケットホイール１６と，先のスプロケットホイール１３の間にチェーン１７が掛けられ，該回転円筒７を図示矢印方向に回転駆動している。そして該回転円筒７と同芯で半円筒形の底板６が回転円筒７の下部に設けられ，該回転円筒７との間に流路５を形成している。又回転円筒７の上部には絞りローラ１８が，本体１の左右側から立てられた各２本のねじ棒２２に各々貫入されたローラ受け１０に回転自在に軸承され，各ねじ棒２２毎のコイルばね２１で常時回転円筒７の外周を押圧している。又掻き落とし板２０は絞りローラ１８の外周に付着したスラッジの掻き落とし用であり，流出口３側のスラッジ剥離板１９が回転円筒７の外周を押圧して吸着スラッジの剥離を行っている。この磁気円筒４の磁気ベース２３外周に取り付けられた円弧形磁石２４は，回転円筒７の図示矢印方向にこの回転円筒７の内面からの隙間が逓増するように，該磁気ベース２３に食い込ませ，Ｎ，Ｓ極を交互に密着させて並べてあり，従って吸引力も図示矢印方向に向かって逓減するように構成されている。

【０００７】このような構成の磁気分離器において，磁性体の切りくず，その他のスラッジを含んだクーラントが流入口２から流入すると，該クーラント内のスラッジが流路５を通過する間に回転円筒７の外周に吸着され，この回転円筒７の回転と共に図示矢印方向に運ばれ液面を離れて搬送されようとするが，前記のように毛玉状にからまり球塊となったスラッジ，又は一時的に大量のスラッジが流入してきた場合，或いは針状の比較的大きい切りくずが流入してきた場合は，図２に示す磁石Ｓ_１の磁力の集中しているＳ_１ｆ_１点に該スラッジが吸着され，回転円筒７の外周面との摩擦力によりこの回転と共に搬送されようとするが，該スラッジの容積が大きくて該吸着力が該摩擦力に勝った場合は該スラッジがこのＳ_１ｆ_１点に停滞しようとする。然しＳ_１ｆ_２に向かってＳ_１ｄ（回転円筒７の内周面と磁石とのギャップ）が逓増しているので吸着力が逓減し，該Ｓ_１ｆ_１点でのスラッジはここでの停滞が持続出来ず搬送状態の移動が始まると，次の磁石Ｎ_１の磁力が集中しているＮ_１ｆ_１点の吸着力に引かれて，該スラッジが回転円筒７の外周面上を滑ってＮ_１ｆ_１点に向かって飛び移り，又次のＮ_１ｆ_２点についても前記Ｓ_１ｆ_１点と同様の状態となり，これが順次繰り返されながら該スラッジのスムースな搬送が行われる。尚図２に示す実施例では，磁石Ｓ_１，Ｎ_１のＳ_１ｆ_２，Ｎ_１ｆ_２側が磁気円筒４に食い込んだ形状になっているがこれに限定するものではなく，或いは図３に示すように，磁気円筒４を円筒のままとし磁石の厚みを図示のように逓減形磁石２５で対応させても良い。

【０００８】

【考案の効果】

本考案の磁気分離器は，研削盤，又はその他一般の加工機に使用され，主として磁性体の切りくずを含有するクーラントのリサイクル処理を行うに当たり，磁性体の長繊維状切りくずが毛玉状にからまり球塊となったスラッジ，又は該加工機の機内清掃，或いはクーラントタンク内の堆積スラッジの崩壊等で，一時的に大量のスラッジが流入して来た場合，その他シェービング機等の針状で比較的容量の大きい切りくずの流入に対しても，支障なくスムースに処理運転が効率良く出来るので，これの稼働管理が頗る容易になった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の吸着スラッジの搬送を並滑にする磁石
配列を備えた磁気分離器の一部断面を含む正面図

【図２】本考案の磁気分離器の磁石配列部分の説明図

【図３】本考案の磁気分離器の磁石配列部分のその他の
例の説明図

【図４】従来の磁気分離器の一部断面を含む正面図

【符号】

１・・・磁気分離器本体（本体）２０・・・掻き
落とし板２・・・流入口２１・・・コイ
ルばね３・・・流出口２２・・・ねじ
棒４・・・磁気円筒２３・・・磁気
ベース５・・・流路２４・・・円弧
形磁石６・・・底板２５・・・逓減
形磁石７・・・非磁性回転円筒（回転円筒）５０・・・従来
の磁気分離器１０・・・ローラ受け５１・・・磁
気円筒１１・・・ローラ軸５２・・・磁
気ベース１２・・・回転軸５３・・・磁
石１３・・・スプロケットホイール５４・・・隙
間１５・・・減速機付モータ５５・・・回
転円筒１７・・・チェーン５６・・・絞
りローラ１８・・・絞りローラ５７・・・流
路口元１９・・・スラッジ剥離板

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】研削盤，又はその他一般の加工機に使用さ
れ，主として磁性体の切りくずを含有するクーラント
を，固定の磁気円筒を内蔵した非磁性回転円筒と，所定
の間隙で形成された底板との間でできた流路に通過さ
せ，該クーラント中のスラッジを該非磁性回転円筒の外
周に吸着させ，これを常時該非磁性回転円筒の外周に押
圧している絞りローラで脱水し，排出処理する磁気分離
器において，該磁気円筒のブロック状磁石と該非磁性回
転円筒との隙間を逓増させ，磁力の逓減を計り該吸着ス
ラッジの搬送を並滑にする磁石配列。