JP3018660U - 重層構造の絞りローラを備えたマグネチックセパレータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】工作機械，又はその他一般の磁性体のスラッジ
を含有するクーラントの清浄化を行うセパレータにおい
て，絞りローラ８の押圧による脱水作用に対し，該絞り
ローラ８の表面がスラッジの突き刺さりによる損傷，又
は該スラッジが回転円筒７面に不均等な付着による絞り
不良等の不具合を解消して，常に脱水性の高い性能を維
持出来る。 【構成】絞りローラ８が重層構造のゴムローラで，表面
がスラッジの突き刺さらない硬質ゴム９，内部が柔軟な
軟質ゴム１０と重層に成っているため，該スラッジの絞
り作用に対し，該ローラ面に損傷がなく，又スラッジの
不均等な付着面にも良く順応して，効果的な脱水性能を
維持出来る構成になっている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案のマグネチックセパレータ（以下セパレータと言う）は，加工母機毎に 付属しているクーラントタンクユニット中の一機器として使用するに当たり，排 出スラッジ中に含まれるクーラントが極力脱水され，該スラッジが軽量化されて ，これの廃棄作業が容易となり，更にクーラントの持ち出しが減少して，該クー ラントの補給が節減できるようになった。

【０００２】

【従来の技術】

従来のセパレータ３１は図４にその一例を示すように，絞りローラ３２が，マ グネットドラム４で非磁性回転円筒（以下回転円筒と言う）７の外周に吸着され た磁性体のスラッジ３３を該回転円筒面に圧接して脱水する。しかし従来の脱水 用該絞りローラ３２のゴムは全体に均質なため，該ゴムの硬度が低ければ脱水目 的には適しているが，該ローラの表面にスラッジが突き刺さりゴム本来の柔軟性 を変形させ脱水作用を低下させ，また該ゴム硬度が高ければ不均等に吸着されて いる該回転円筒面のスラッジに該絞りローラ３２が順応せず，前者同様脱水作用 が低下する状態であった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来のセパレータにおいて，該絞りローラ３２の，表面は硬くてスラッジ が突き刺さらない状態であり，内部は柔らかくて全体的に柔軟性を持ち，常に該 回転円筒面に均等に圧接して，付着スラッジの良好な脱水作用が保持できる絞り ローラの更新が要望されていた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は，上述した問題を解決するために成されたもので，研削盤用，並びに その他一般加工用の磁性体のスラッジを含有するクーラントを，固定のマグネッ トドラムを内蔵した回転円筒と，所定の間隙に設けられた半円筒形の底板で形成 された流路に通過させ，該クーラント中のスラッジを該回転円筒の外周に吸着さ せて分離排出するセパレータにおいて，排出スラッジの脱水性とゴムローラの耐 久性を向上させるために，異質又は異なった硬度のゴムによる重層構造の絞りロ ーラを備えた構造を特徴とするセパレータである。

【０００５】

【作 用】

本考案のセパレータは，該クーラント中の磁性体のスラッジを，該回転円筒の 外周に吸着させて分離排出し，該通過クーラントを排出口から流出させる。一方 該回転円筒の外周に吸着した磁性体のスラッジは，該回転円筒の外周に圧接して つれ回りしている絞りローラで脱水され，更に進んでスラッジ剥離板で掻き取ら れ排出する。この絞りローラは重層構造のゴムローラで，表面が該スラッジの突 き刺さらない硬質ゴムであり内部が柔軟な軟質ゴムとなっているため，該スラッ ジの絞り作用に際し該絞りローラの表面の悪化がなく，又該スラッジの不均等な 吸着状態にも順応して圧接し，効果的な絞り作用を継続することができる。

【０００６】

【実施例】

本考案の，重層構造の絞りローラを備えたマグネチックセパレータの実施例を 図１，図２，図３に基づいて説明する。 セパレータ本体１には，流入口２，排出口３があり，この流入排出口間にマグ ネットドラム４と同芯で内壁が該ドラム４と微小間隙で回転する回転円筒７がセ パレータ本体１内に先のマグネットドラム４と共に収まっている。この回転円筒 ７の回転軸１２は，セパレータ本体１の外部に延びてここにスプロケットホイー ル１３が取り付けられ，またセパレータ本体１から出されたブラケット１４に取 り付けられた減速機付モータ１５側の小スプロケットホイール１６と，先のスプ ロケット１３の間にチェーン１７が掛けられ該回転円筒７を図示矢印方向に回転 駆動している。そして該回転円筒７と同芯で半円筒の底板６が回転円筒７の下部 に設けられ，回転円筒７との間に流路５を形成している。また回転円筒７の上部 には重層構造の絞りローラ８が，セパレータ本体１の左右側から立てられた２本 のネジ棒２２に各々貫入されたローラ受けに回転自在に軸承され，コイルバネ２ １で常時回転円筒７の外周を押圧している。また掻き落とし板２０は，該絞りロ ーラ８の外周に付着スラッジの掻き落とし用であり，流路５の出口側のスッジ剥 離板１９が回転円筒７の外周を押圧して吸着スラッジの剥離を行っている。

【０００７】 このようなセパレータにおいて，磁性体のスラッジを含んだクーラントを流入 口２から流入させると該クーラント内のスラッジは，流路５を通過する間に回転 円筒７の外周に吸着され，この回転円筒７の回転と共に矢印方向に運ばれ液面を 離れて上昇し，絞りローラ８で脱水される。この絞りローラ８は，重層構造のゴ ムローラで，表面が該スラッジの突き刺さらない硬質ゴム９に被われ，内部が柔 軟な軟質ゴム１０となっているため，該スラッジの絞り作用に際し該絞りローラ ８の表面を損傷せず，又該スラッジの不均等な吸着状態にも順応して，効果的な 絞り作用を継続することができる。そして該脱水スラッジは回転円筒７の駆動に より進行してスラッジ剥離板１９で回転円筒７面から剥離され排出される。一方 流路５を通過した該クーラントは，排出口３からホースジョイントに連結された 適宜なホースで排出される。尚絞りローラ８は重層構造の一例として図２に示す ように，内部の軟質ゴム１０と表面の硬質ゴム９の間をスプライン式の凹凸２３ で結合すれば，回転稼働中に両ゴム間が剥がれる不具合を未然に防止出来，又図 ３に示すように，硬質ゴム９と軟質ゴム１０間にウエーブ状，又はハニカム状の （図示なし）クッション部材２４を挟入しクッション効果を与えれば，該回転円 筒７面に不均等状態に付着の該スチッジの押圧に対し，より柔軟に順応して脱水 効果を上げることも出来る。

【０００８】

【考案の効果】

本考案のセパレータによれば，絞りローラ８の押圧による脱水作用に対し，該 ローラの表面がスラッジの突き刺さりによる損傷，又は該スラッジが回転円筒７ 面に不均等な付着による脱水不良等の不具合がなく，常に脱水率が高く含水率の 低いスラッジを効果的に排出することが出来るようになった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の重層構造の絞りローラを備えたマグネ
チックセパレータを示す縦断面図

【図２】本考案の重層構造の絞りローラの両ゴム間をス
プライン式の凹凸状で結合した一例を示す縦断面図

【図３】本考案の重層構造の絞りローラの両ゴム間にク
ッション部材を挟入した一例を示す縦断面図

【図４】従来のセパレータを示す縦断面図

【符号の説明】

１・・・マグネチックセパレータ本体（セパレータ本
体） ２・・・流入口 １５・・・減
速機付モータ ３・・・排出口 １９・・・ス
ラッジ剥離板 ４・・・マグネットドラム ２０・・・掻
き落とし板 ５・・・流路 ２１・・・コ
イルばね ６・・・底板 ２２・・・ね
じ棒 ７・・・非磁性回転円筒（回転円筒） ２３・・・ス
プライン式の凸凹 ８・・・重層構造の絞りローラ ２４・・・ク
ッション部材 ９・・・硬質ゴム １０・・・軟質ゴム ３１・・・
従来のセパレータ １２・・・回転軸 ３２・・・
絞りローラ １３・・・スプロケットホイール ３３・・・
スラッジ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】研削盤用，並びにその他一般加工用の磁性
   体のスラッジを含有するクーラントを，固定のマグネッ
   トドラムを内蔵した非磁性回転円筒と，所定の間隙に設
   けられた半円筒形の底板で形成された流路に通過させ，
   該クーラント中のスラッジを該非磁性回転円筒の外周に
   吸着させて分離排出するマグネチックセパレータにおい
   て，排出スラッジの脱水性とゴムローラの耐久性を向上
   させるために，異質又は異なった硬度のゴムによる重層
   構造の絞りローラを備えたマグネチックセパレータ。