JP3050338B2 - 半導体波長変換素子 - Google Patents

半導体波長変換素子

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JP3050338B2
JP3050338B2 JP28989891A JP28989891A JP3050338B2 JP 3050338 B2 JP3050338 B2 JP 3050338B2 JP 28989891 A JP28989891 A JP 28989891A JP 28989891 A JP28989891 A JP 28989891A JP 3050338 B2 JP3050338 B2 JP 3050338B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、双安定レーザを用いた
小型で動作波長域の広い半導体波長変換素子に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来より知られている双安定型半導体波
長変換素子の一例の構造断面図を図14に示す。ここ
で、1はn−InP基板などのn形基板、2は基板1上
に配置したn−InPなどのn形半導体クラッド層、
3,4および5はクラッド層2上に配置した、それぞ
れ、可飽和吸収領域,利得領域および変換光波長を選択
するブラッグ反射(DBR)型回折格子を内蔵した分布
反射型ミラー部である。これら3〜5を構成する光導波
層はInGaAsPで構成することができる。これら領
域3および4および回折格子5の上にはp−InPなど
のp形半導体クラッド層6を配置してリッジ型光導波路
を構成する。クラッド層6の上には、領域3および4お
よび回折格子5の位置に対応して、可飽和吸収領域用電
極7,利得領域用電極8および分布反射器のチューニン
グ用電極9を、それぞれ、配置する。基板1の反対側主
面には電極10を配置する。光アイソレータ100から
の波長λ1の入力光を領域3に入射させるようにする。
【0003】ここで、利得領域用電極8から活性領域4
に電流を注入することによって活性領域4が光に対する
利得を持ち、入力光λ1 により波長変換出力光λX のオ
ン,オフを行う。それと共に、チューニング用電極9か
らの注入電流により分布反射型ミラー部5の屈折率を変
化させることで変換光の波長λX を制御する。
【0004】今、λ1 の波長の信号光が入射したときの
動作は次のように説明される(参考文献、S. Yama
koshi et al.,Postdeadline
papers of OFC′88,PD−10(1
988))。
【0005】可飽和吸収領域3をもつ双安定型波長変換
素子は、入射光によって吸収領域3の損失が変調を受け
ると、入射信号光の強弱に応じて出力光がON/OFF
する特性が得られる。その出力光の波長は回折格子5の
ブラッグ波長で決まる。従って、電極9から注入する電
流によって回折格子5の屈折率を変化させることにより
出力波長を変化させることができるので、入射信号光の
波長とは異なった波長の出力信号光を制御して得ること
ができる。これが図14に示した波長変換素子の動作原
理である。
【0006】実際に本素子を動作させるには、1.5μ
m帯のInGaAsP系の素子で入射パワーを約15μ
W以上必要とし、波長変換帯域としては約4.5nm以
上のものが得られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の波長
変換素子による変換光は両方向に出射するので、変換光
の戻り光が前段に影響を及ぼさないようにするために光
アイソレータ100が必須となる。光アイソレータは非
相反物質を用いて構成するので、光IC中に組込むこと
はできなかった。このことはこの波長変換素子を同一ウ
エハ上に集積化する場合には、光アイソレータを半導体
ウエハ上に構成することが困難なために、致命的な欠点
となる。
【0008】このように、通信システムを全て光デバイ
スで構成する場合には、大規模周波数スイッチが必要で
あるが、従来技術による個別素子の組合せではこのよう
な大規模な周波数スイッチを実現できず、光集積回路で
の実現が要望されている。
【0009】そこで、本発明の目的は、従来の双安定型
波長変換素子の変換光が入射側に戻らないようにしてア
イソレータを不要とし、以て同一ウエハ上に単独である
いは他の素子などと共に集積化できるように適切に構成
した半導体波長変換素子を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、請求項1記載の発明は、半導体基板上に、第
1クラッド層を介して、可飽和吸収領域と、利得領域
と、変換光波長を選択する回折格子を含んで構成された
分布反射型ミラー部とを配置し、前記可飽和吸収領域、
前記利得領域および前記分布反射型ミラー部の上に、
第2クラッドを介して、前記可飽和吸収領域、前記利
得領域および前記分布反射型ミラー部に対応し、かつ互
いに分離して第1、第2および第3電極を配置し、第1
の偏波状態の入射光に対して直交する第2偏波状態の波
長変換光を得る半導体波長変換素子において、前記可飽
和吸収領域の光入射側に、前記分布反射型ミラー部の回
折格子の波長変換された光に対する結合係数よりも波長
変換された光に対する結合係数が大きい回折格子を
前記第1偏波状態の入射信号光を透過する分布反射
器を配設し、前記分布反射器は入射光を通過させて前記
波長変換光を反射させ、前記分布反射型ミラー部から
記波長変換光を取り出し、かつその波長変換光の波長を
前記第3電極からの注入電流により制御するようにした
ことを特徴とする。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1におい
て、前記第1偏波状態をTM偏波状態、および前記第2
偏波状態をTE偏波状態とし、前記利得領域の導波路断
面形状を層の厚さ方向に短い矩形とすることによりTE
偏波の前記利得領域内部への閉じ込め係数をTM偏波の
前記利得領域内部への閉じ込め係数より大となして前記
TE偏波状態の変換光取り出しを可能とすることを特徴
とする。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項1におい
て、前記第1偏波状態をTE偏波状態、および前記第2
偏波状態をTM偏波状態とし、前記利得領域の導波路断
面形状を層の厚さ方向に長い矩形とすることによりTM
偏波の前記利得領域内部への閉じ込め係数をTE偏波の
前記利得領域内部への閉じ込め係数より大となして前記
TM偏波状態の変換光取り出しを可能とすることを特徴
とする。
【0013】請求項4記載の発明は、請求項1におい
て、前記第1偏波状態をTM偏波状態、および前記第2
偏波状態をTE偏波状態とし、前記利得領域を歪量が0
以上の圧縮歪を有する量子井戸構造で構成することによ
りTE偏波の材料利得をTM偏波の材料利得より大とな
して前記TE偏波状態の変換光取り出しを可能とするこ
とを特徴とする。
【0014】請求項5記載の発明は、請求項2におい
て、前記第1偏波状態をTE偏波状態、および前記第2
偏波状態をTM偏波状態とし、前記利得領域を伸張歪を
有する量子井戸構造で構成することによりTM偏波の材
料利得をTE偏波の材料利得より大となして前記TM偏
波状態の変換光取り出しを可能とすることを特徴とす
る。
【0015】請求項6記載の発明は、請求項1におい
て、前記分布反射器の光導波層を多重量子井戸構造で構
成したことを特徴とする。
【0016】請求項7記載の発明は、請求項1または6
において、前記分布反射器の入射側に光増幅器を配設し
たことを特徴とする。
【0017】請求項8記載の発明は、請求項1または6
において、前記分布反射器の入射側に分布帰還型フィル
タを配設したことを特徴とする。
【0018】請求項9記載の発明は、請求項7におい
て、前記光増幅器の入射側に偏波ミキサを配設したこと
を特徴とする。
【0019】請求項10記載の発明は、請求項8におい
て、前記分布帰還型フィルタの入射側に偏波ミキサを配
設したことを特徴とする。
【0020】請求項11記載の発明は、請求項1,8ま
たは10において、前記分布反射型ミラー部の出射側
に、前記入射信号光を遮断し、前記変換光を選択的に透
過する導波路部を配設したことを特徴とする。
【0021】
【作用】本発明では、双安定型波長変換素子の構成に対
して、その入射側には、出射側の狭帯域の分布反射型ミ
ラー部よりも反射率が非常に高く、かつ広帯域の分布反
射器を配設し、入射信号光として第1の偏波、たとえば
TM偏波(またはTE偏波)の入力光を用い、この入力
光に直交する第2の偏波状態の光、たとえばTE偏波
(またはTM偏波)の出力光が出射する出射側の狭帯域
の分布反射型ミラー部をチューニングすることにより波
長変換を行う。
【0022】入射信号光と出力信号光とは互いに直交す
る偏波状態にあるので、一方向性デバイスとして構成す
ることができるので、アイソレータが不要であり、ま
た、入射側の分布反射器は光集積回路化に適した構成で
あるので、本発明半導体波長変換素子は半導体基板上に
単独あるいは他の光素子と共に集積化するのに好適であ
る。
【0023】特開平2−152289号は、本発明の構
造と類似している構造をもつ光増幅装置を開示してい
る。この光増幅装置では、入出力側の分布ブラッグ反射
器の反射率は約3〜5%程度で等しいものとする。すな
わち、この開示は光増幅器の構造に関するものであるか
ら、入力光が利得領域に入射できるようにすることが必
要であり、そのためにはこれら分布ブラッグ反射器の反
射率を下げる必要がある。従って、出力光が入射側に大
量に戻るような構造となっている。これに対して、本発
明ではレーザ発振器としての構造を用いるのであって、
そのためには入射側の分布ブラッグ反射器の反射率、す
なわち(結合係数)×(長さ)を出射側の分布ブラッグ
反射器の(結合係数)×(長さ)よりも大きくすること
が必要となる。
【0024】上記開示のように入出力端で結合係数が小
さく、かつ等しい場合に入射側分布ブラッグ反射器の反
射係数を大きくするためには、この反射器の長さを大き
くしなければならない。ところが反射器の長さを大きく
すると、光の透過損失が増えるので、入射光が透過しに
くくなり、実用上問題となり、上記従来技術は光増幅器
および本発明のいずれにも使えない。
【0025】なお、入出力端において、結合係数が大き
く、かつ等しいときには、シングルモード発振出力が得
られないので、波長変換素子として機能しない。上記従
来技術の場合にも波長変換機能はない。
【0026】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0027】(実施例1)本発明の第1の実施例とし
て、入力光がTM偏波で、出力光がTE偏波の場合を図
1,図2および図3に示す。ここで、図14と同様の個
所には同一符号を付すものとする。ここで、11はクラ
ッド層2と6との間において、 領域6の入射側に設けた
反射率が非常に高く、かつ広帯域の分布反射器、たとえ
ば多重量子井戸(MQW)構造の光導波路で構成された
結合係数の大きい分布反射器である。この分布反射器1
1の反射係数は分布反射型ミラー部5の反射係数より大
きい。光の進行方向に垂直な面での利得領域4の断面形
状は層の厚さ方向の辺が短い矩形であるため、TE偏波
の利得領域への閉じ込め係数はTM偏波の利得領域への
閉じ込め係数より大きくなり、変換光はTE偏波で発振
する。
【0028】前記断面構造が前記の形状でない場合でも
利得領域を無歪あるいは圧縮歪をもつ量子井戸構造で構
成すればTE偏波の材料利得がTM偏波の材料利得より
大きくなるため、変換光はTE偏波で発振する。
【0029】12は本実施例の波長変換素子を構成する
分布反射型波長変換素子の全体を表わしている。
【0030】図4は分布反射器11の波長に対する透過
率を示している。この場合には、MO−MBEによるI
nGaAsPを井戸層として厚さ10nm、 バリア層と
してInPを厚さ10nmかつ20周期にわたって積層
して作製したMQW層を用いたものである。電子ビーム
による直接露光とドライエッチング技術によって、ピッ
チ0.2μm、深さ0.13μmの回折格子を作製し
た。この回折格子の結合係数は300cm-1と非常に大
きく、通常のDFBレーザの回折格子における結合係数
の10倍以上となっている。図2から分かるように、T
E偏波に対しては中心波長約1.315μm、半値全幅
5nmの広帯域反射特性が得られた。一方、TM偏波に
対しては、中心波長約1.302μmに反射帯域が得ら
れた。この中心波長差約13nmといった大きい波長差
はMQW構造によるものである。通常のバルク構造でリ
ッジ導波路構造の分布反射器ではこの中心波長差は約
2.2nmとなり、MQW構造のものに比較して1/6
程度である。
【0031】したがって、TM偏波の信号光波長がTE
偏波に対する反射帯域波長内にあるとすると、信号光は
入射側の分布反射器11を透過することができる。そこ
で、TM偏波の信号光は可飽和吸収領域3に吸収され
て、 この領域3の損失を変調する。本発明の波長変換素
子は、入出射側共に分布反射器を配設し、かつ入射側の
分布反射器を反射率の高い広帯域のものとなし、かつ出
射側の狭帯域の分布反射器により変換光波長を制御して
波長変換を行う点を除けば、従来技術で説明した波長変
換素子と同様な構造であるため、波長変換動作も同様に
行なうことができることは言うまでもない。
【0032】また、波長変換帯域幅は出力側の分布反射
器のチューニング帯域で決っており、約4.5nmまで
取ることができる。入射側の分布反射器11は強結合分
布反射器として働くため、TE偏波に対する反射率は9
0%以上で透過率が0.01%以下の値を取ることがで
きる。このことはTE発振波はほとんど入射側へは漏れ
てこないことを意味しているため、通常必要とされるア
イソレータは不要となる。
【0033】なお、前記分布反射器に結合係数の小さい
回折格子を用いた場合でも分布反射器を長くすればTE
偏波出力光に対する反射係数は大きくなり入射側への戻
りを無くせるが、導波路に不可避的に残存する損失のた
めに、TM偏波入射光に対する透過率が減少するために
波長変換機能が実現しない。
【0034】入射分布反射器の回折格子の結合係数が大
きいほど入射側への出力光の戻りは少なくなる。入射分
布反射器の長さを500μm、分布反射ミラー部の長さ
を300μm、導波路の損失を10cm-1とした時、分
布反射ミラー部の回折格子の結合係数が30cm-1
時、入射分布反射器の回折格子の結合係数が120cm
-1より大きければ出力側に出射される出力光強度に対し
入射側に戻る出力光強度の比は30dB以上確保でき
る。
【0035】(実施例2)本発明の第2の実施例におい
ては、第1の実施例と同様な構造において、TE偏波光
を入力としてTM偏波光を出力する。この場合は、図1
〜図3の利得領域4には伸張歪量子井戸構造を用いる。
伸張歪量子井戸構造を利得領域に用いた半導体レーザで
はTM偏波で発振することがK.Satoらによって報
告されている(12th IEEE Internat
ionalSemiconductor Laser
Conference,Davos,Switzerl
and,Sep.9−14,1990,pp.48)。
【0036】また、利得領域をハイメサ構造とし、その
導波路断面形状が層厚方向に長い矩形となるようにして
も良い。その場合は、TM偏波の利得領域への閉じ込め
係数がTE偏波の利得領域への閉じ込め係数より大きく
なるため変換光はTM偏波で発振する。
【0037】ここで、レーザ発振のための実効利得は、
活性領域の材料の利得と閉じ込め係数との積によって決
定されるので、TM偏波発振に対して伸張歪量子井戸構
造とハイメサ構造の双方を用いるのがより好適であるこ
とはもちろんである。
【0038】(実施例3)図5,図6および図7は本発
明波長変換素子の第3の実施例として波長選択素子と一
体的に集積回路化した周波数スイッチ素子を示すもので
ある。
【0039】ここで、13は分布反射器11の入力側に
おいてクラッド層2と6との間に配設した波長選択用分
布帰還型フィルタ、14は分布帰還型フィルタ13に対
応してクラッド層6の上に配置した波長選択用電極、1
5は入力光λ1 ,…,λn の入射端面に配設した偏波ミ
キサである。
【0040】この実施例では、分布帰還型フィルタ13
により複数の波長多重信号光から特定の波長信号光を選
択してから分布反射器11に入射させ、さらに入射光と
直交する偏波状態をもつ、および異なった波長の光に変
換して出射させる。したがって、分布帰還型フィルタ1
3のチューニング帯域と透過帯域幅は出射側の波長変換
帯域と反射帯域幅と同様である。
【0041】なお、分布帰還型フィルタ13はDFBレ
ーザ構造と同様にして利得を稼げるようにした光増幅器
とすることも可能である。その場合には、入射光の偏波
(たとえばTE偏波)に対する利得が大きくなるような
構造がよい。すなわち、TE偏波入力の場合は、無歪も
しくは圧縮歪超格子構造のDFB構造とするのが好適で
ある。他方、TM偏波入力の場合は、伸張歪超格子構造
のDFB構造とするのが好適である。あるいはまたは、
通常の回折格子面とは垂直な面である、基板に垂直な面
内に回折格子を形成する、すなわち、図示の回折格子1
3を、光軸を回転軸として90°回転させた形状にする
ことが望ましい。この場合、導波層はバルク層または多
重量子井戸層のいずれであってもよい。
【0042】もちろん、分布帰還型フィルタ13とは別
個に光増幅器を配設することは何らさしつかえない。
【0043】なお、入射信号光が入射側の分布ブラッグ
反射器を透過するように設定された偏波(例えばTM偏
波)成分を持たない場合には、偏波ミキサ15によって
該偏波(TM偏波)成分を発生させてやる必要がある。
この偏波ミキサは単純なディフューザ構造に加工したS
iO2 膜で構成することができる。
【0044】(実施例4)図8,図9および図10は本
発明素子の第4の実施例として、入力光がTM偏波で、
出力光がTE偏波の場合を示し、ここで16は出射端側
においてクラッド層6の上に配置した金属膜、17は出
射端側において分布反射型ミラー部5の活性層の先に延
在する出力導波層である。入射信号光としてTM偏波を
用いると、出力信号光として波長変換されたTE偏波と
入射信号光とがそのまま通過して出射される。そこで、
TM偏波のみを減衰させる必要がある。そのために、こ
の実施例では、出力導波層の上に金属膜を装荷する。
【0045】この方法は光IC基板におけるTE偏波と
TM偏波との分離に通常用いられるものであり、アイソ
レーションを20dB以上得ることは容易である。
【0046】なお、入力光がTE偏波であり、および出
力光がTM偏波である場合には、図8〜図9に示した分
布反射型ミラー5の前方に延在する出力導波路として、
TM偏波選択性導波路を配設すればよい。このような光
導波路は、Y.Suzukiらによって報告されている
(Y.Suzuki et al.,Appl.Phy
s.Lett.Vol.57 pp.2745(199
0))。
【0047】なお、以上の実施例では半導体光導波路を
InP系材料で構成したが、本発明はこの例にのみ限ら
れるものではなく、例えばGaAs系材料を用いてもよ
い。さらにまた、各半導体材料の導電型は、上述した実
施例におけるpおよびn形を逆の導電型に入れ換えるこ
ともできる。さらに加えて、上述の実施例では光導波路
構造をウェッジ型としたが、本発明はこの例にのみ限ら
れるものではなく、埋込型光導波路の形態とすることも
できることもちろんである。
【0048】本発明素子においては、入出力側で異なる
結合係数をもつ回折格子を用いた分布ブラッグ反射器を
用いるが、ここで、この反射器の結合係数Kの好適な範
囲について検討する。
【0049】そのために、非対称K分布反射器として図
11に示すモデルを用いる。ここで、各パラメータを次
のように定めるものとする。
【0050】入力側分布反射器の結合係数:Kr 入力側分布反射器の長さ :Lr 出力側分布反射器の結合係数:Kf 出力側分布反射器の長さ :Lf =300μm 導波路の損失 :α=10cm−1 出力光の出力端でのパワ :P 出力光の入力端でのパワ :Pr (戻り光パワ) 前後のアイソレーション比 :r=(Pr /Pf ) 図12はアイソレーション比を−30dBとしたときに
要求されるKf とKrの値の関係をLr をパラメータと
して求めた結果である(Lf は300μmで計算)。L
r が300μmならばKf が30cm-1のときKr が1
50cm-1以上ならばアイソレーション比は−30dB
(1/1000)より良くなる(小さくなる)。
【0051】図13はLr を300μm(Lf は300
μm)に固定したとき、Kr とKfの関係によりアイソ
レーション比がどのように変化するかを示している。K
f が300cm-1の時Kr が70cm-1で−10dB、
145cm-1で−30dBとなる。
【0052】以上の考察より、結合係数Kの範囲として
好適な範囲は、Lf =300μm、Lr =300μm、
α=10cm-1でアイソレーションが10dB以上取れ
る程度であって、すなわち、 Kf <30cm-1r >70cm-1 となる。さらに、より好適な範囲としては、同上の条件
で、アイソレーションが30dB以上取れる程度であっ
て、 Kf < 30cm-1r >150cm-1 となる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、双安
定型波長変換素子の構成に対して、その入射側には、出
射側の狭帯域の分布反射型ミラー部よりも反射率が非常
に高く、および広帯域の分布反射器を配設し、入射信号
光と出力信号光の偏波を直交させ、出射側の狭帯域の分
布反射型ミラー部をチューニングすることにより波長変
換を行うようにしたので、以下のような利点がある。
【0054】(1)入射信号光として出力信号光と直交
する偏波の光を用いることによって、一方向性デバイス
としての構成が可能となるため、アイソレータを挿入す
る必要がない。
【0055】(2)単独あるいは各種光素子と共に同一
基板に集積化することが容易にできる。
【0056】(3)入射側の分布反射器の反射率が非常
に高いので、変換光が入射側にほとんど漏れてこないか
ら、波長の変換効率が高く、従って変換利得が大きく、
ひいては出力レベルの大きい出射光を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明半導体波長変換素子の第1実施例を示す
II−II′線縦断面図である。
【図2】本発明半導体波長変換素子の第1実施例を示す
I−I′線横断面図である。
【図3】本発明半導体波長変換素子の第1実施例を示す
斜視図である。
【図4】第1実施例の強結合分布反射器の波長に対する
透過率を示す特性図である。
【図5】本発明の第3実施例を示すII−II′線縦断
面図である。
【図6】本発明の第3実施例を示すI−I′線横断面図
である。
【図7】本発明の第3実施例を示す斜視図である。
【図8】本発明の第4実施例を示すII−II′線縦断
面図である。
【図9】本発明の第4実施例を示すI−I′線横断面図
である。
【図10】本発明の第4実施例を示す斜視図である。
【図11】本発明における結合係数の定め方の説明をす
るための本発明素子のモデル図である。
【図12】本発明において結合係数を定めるにあたって
用いたKf とKr の値の関係をLr をパラメータとして
示す特性図である。
【図13】本発明において結合係数を定めるにあたって
用いたKf とKr の値の関係をLr をパラメータとして
示す特性図である。
【図14】従来例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 n−InP基板 2 n−クラッド層 3 可飽和吸収領域 4 利得領域 5 分布反射型ミラー部 6 p−クラッド層 7 可飽和吸収領域用電極 8 利得領域用電極 9 チューニング用電極 10 電極 11 分布反射器 12 波長変換素子 13 分布帰還型フィルタ 14 波長選択用電極 15 偏波ミキサ 16 金属膜 17 出力導波層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永沼 充 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 上原 信吾 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 車田 克彦 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−282433(JP,A) 特開 平2−152289(JP,A) 特開 平1−312881(JP,A) 米国特許5040183(US,A) 欧州特許出願公開285393(EP,A 1) 11th IEEE Internat ional Semiconducto r Laser Conference (August 29 1988)pp.124 −125,K.Kondo et.al., IEEE Journal of Q uantum Electronic s,Vol.24 No.11(Nover mber 1988)pp.2153−2159, H.Kawaguchi et.a l., (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/35 - 2/02 G02F 1/015 - 1/025 H01S 5/00 - 5/50 630

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に、第1クラッド層を介し
    て、可飽和吸収領域と、利得領域と、変換光波長を選択
    する回折格子を含んで構成された分布反射型ミラー部と
    を配置し、前記可飽和吸収領域、前記利得領域および前
    記分布反射型ミラー部の上に、前記第2クラッドを介し
    て、前記可飽和吸収領域、前記利得領域および前記分布
    反射型ミラー部に対応し、かつ互いに分離して第1、第
    2および第3電極を配置し、第1の偏波状態の入射光に
    対して直交する第2偏波状態の波長変換光を得る半導体
    波長変換素子において、 前記可飽和吸収領域の光入射側に、前記分布反射型ミラ
    ー部の回折格子の波長変換された光に対する結合係数よ
    りも波長変換された光に対する結合係数が大きい回折格
    子を有し前記第1偏波状態の入射信号光を透過する分
    布反射器を配設し、前記分布反射器は入射光を通過させ
    て前記波長変換光を反射させ、前記分布反射型ミラー部
    から前記波長変換光を取り出し、かつその波長変換光の
    波長を前記第3電極からの注入電流により制御するよう
    にしたことを特徴とする半導体波長変換素子。
  2. 【請求項2】 前記第1偏波状態をTM偏波状態、およ
    び前記第2偏波状態をTE偏波状態とし、前記利得領域
    の導波路断面形状を層の厚さ方向に短い矩形とすること
    によりTE偏波の前記利得領域内部への閉じ込め係数を
    TM偏波の前記利得領域内部への閉じ込め係数より大と
    なして前記TE偏波状態の変換光取り出しを可能とする
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体波長変換素子。
  3. 【請求項3】 前記第1偏波状態をTE偏波状態、およ
    び前記第2偏波状態をTM偏波状態とし、前記利得領域
    の導波路断面形状を層の厚さ方向に長い矩形とすること
    によりTM偏波の前記利得領域内部への閉じ込め係数を
    TE偏波の前記利得領域内部への閉じ込め係数より大と
    なして前記TM偏波状態の変換光取り出しを可能とする
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体波長変換素子。
  4. 【請求項4】 前記第1偏波状態をTM偏波状態、およ
    び前記第2偏波状態をTE偏波状態とし、前記利得領域
    を歪量が0以上の圧縮歪を有する量子井戸構造で構成す
    ることによりTE偏波の材料利得をTM偏波の材料利得
    より大となして前記TE偏波状態の変換光取り出しを可
    能とすることを特徴とする請求項1記載の半導体波長変
    換素子。
  5. 【請求項5】 前記第1偏波状態をTE偏波状態、およ
    び前記第2偏波状態をTM偏波状態とし、前記利得領域
    を伸張歪を有する量子井戸構造で構成することによりT
    M偏波の材料利得をTE偏波の材料利得より大となして
    前記TM偏波状態の変換光取り出しを可能とすることを
    特徴とする請求項2記載の半導体波長変換素子。
  6. 【請求項6】 前記分布反射器の光導波層を多重量子井
    戸構造で構成したことを特徴とする請求項1記載の半導
    体波長変換素子。
  7. 【請求項7】 前記分布反射器の入射側に光増幅器を配
    設したことを特徴とする請求項1または6記載の半導体
    波長変換素子。
  8. 【請求項8】 前記分布反射器の入射側に分布帰還型フ
    ィルタを配設したことを特徴とする請求項1または6記
    載の半導体波長変換素子。
  9. 【請求項9】 前記光増幅器の入射側に偏波ミキサを配
    設したことを特徴とする請求項7記載の半導体波長変換
    素子。
  10. 【請求項10】 前記分布帰還型フィルタの入射側に偏
    波ミキサを配設したことを特徴とする請求項8記載の半
    導体波長変換素子。
  11. 【請求項11】 前記分布反射型ミラー部の出射側に、
    前記入射信号光を遮断し、前記変換光を選択的に透過す
    る導波路部を配設したことを特徴とする請求項1,8ま
    たは10記載の半導体波長変換素子。
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