JP2000012952A - 半導体光導波路アレイの製造方法及びアレイ構造半導体光素子 - Google Patents

半導体光導波路アレイの製造方法及びアレイ構造半導体光素子

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JP2000012952A JP11649099A JP11649099A JP2000012952A JP 2000012952 A JP2000012952 A JP 2000012952A JP 11649099 A JP11649099 A JP 11649099A JP 11649099 A JP11649099 A JP 11649099A JP 2000012952 A JP2000012952 A JP 2000012952A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1ウエハからの素子収量を大幅に増大でき、
且つ均一で高性能な特性を有する超高集積化された半導
体光導波路アレイの製造方法を提供する。 【解決手段】 本方法は、ストライプ状成長領域に、量
子井戸層を有する半導体多層構造、またはバルク層から
なる半導体多層構造を選択的に結晶成長させてなる光導
波路を複数本アレイ状に備えた半導体光導波路アレイの
製造方法である。本方法では、並列に延在する複数本の
ストライプ状成長領域をそれぞれ誘電体薄膜で挟んで形
成し、各成長領域に選択的に半導体多層構造を有機金属
気相成長法により結晶成長させる際、各成長領域が、結
晶成長時の反応管内での原料種の拡散長よりも短い間隔
で並列に形成されており、各成長領域の間に配設された
誘電体薄膜の幅はWa であり、2本の最外側の成長領域
の各々の外側に配設された第1最外誘電体薄膜の幅Wm1
及び第2最外誘電体薄膜の幅Wm2が、それぞれ、Wm1
Wa 及びWm2>Wa である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体光導波路ア
レイの製造方法及びアレイ構造半導体光素子に関し、更
に詳細には、均一な光素子特性を有し、しかも従来に比
べて大幅にアレイサイズを縮小した半導体光導波路アレ
イの製造方法及びその方法により製造されたアレイ構造
半導体光素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】波長多重(WDM)光通信システムの実
用化のためには、システムのキーデバイスである異波長
光源や波長選択光源を低コストで供給する技術を開発す
ることが必要不可欠である。なかでも、システムの使用
者側で任意の発振波長を選択できる波長選択光源は、そ
の使用上の簡便さから、システムの実用化のために強く
望まれている光源の一つである。波長選択光源の一つの
形態として、複数の相互に波長の異なる異波長光源を1
チップ上にモノリシック集積することが考えられてお
り、その一例として、異波長半導体レーザアレイが開発
されつつある。
【0003】従来の異波長半導体レーザアレイの代表的
な作製方法の一つは、文献 IEE Electronics Letters V
ol. 28, no. 9, pp. 824-825(以下、参照する際には、
文献(1)とする)に報告されている作製方法である。
この方法では、まず、通常の有機金属気相成長法(MO
VPE)等により、InP等のウエハ上に、多重量子井
戸(MQW)等の活性層、及び光導波層を成長し、光導
波層上に、異なる周期の回折格子を電子ビーム露光法等
で形成する。その後、高抵抗埋め込み等によって電流ブ
ロック構造を形成し、アレイを構成する各半導体レーザ
をドライエッチング等により加工して電気的に分離し、
異波長半導体レーザアレイを構成する。この異波長半導
体レーザアレイでは、異周期回折格子によって、アレイ
を構成する各半導体レーザをそれぞれ異なる波長で、即
ち各回折格子のブラッグ波長に相当する波長で発振させ
ることが可能となる。
【0004】しかし、この方法では、MQW活性層の利
得ピーク波長がアレイ内で一定であるから、回折格子の
周期で決定される半導体レーザのブラッグ波長が変化
し、そのため、利得ピーク波長からずれるに従って、発
振時の光出力、しきい値電流等のレーザ特性が劣化する
という問題があって、異波長半導体レーザアレイを構成
する全ての半導体レーザから良好なレーザ特性を得るよ
うにすることはできなかった。
【0005】この問題は、特開平8−153928(以
下、参照する際には、文献(2)とする)に開示された
異波長半導体レーザアレイの作製方法によって解決する
ことができる。この方法は、半導体レーザの利得を発生
するMQW活性層の成長に選択成長を用いる方法であ
る。この方法を用いると、回折格子で決定される各半導
体レーザの発振波長に、MQW活性層の利得ピーク波長
を常に追随させることができ、異波長半導体レーザアレ
イを構成する全ての半導体レーザから、低しきい値電
流、高出力等の均一で良好なレーザ特性を得ることがで
きる。
【0006】このように、良好な特性を有する異波長半
導体レーザアレイを実現するためには、1)発振波長を
変化させるための異周期回折格子を形成する技術と、
2)異周期回折格子の各ブラッグ波長の変化にMQW活
性層の利得ピーク波長を追随させる技術の両者が必要不
可欠といえる。この点から考えると、上記文献(2)に
開示された技術、即ち1)電子ビーム露光技術と、2)
選択成長技術を組み合わせた作製方法は、高性能な異波
長半導体レーザアレイを作製する上で必要な二つの必要
条件を満足することのできる技術といえる。
【0007】しかし、この文献(2)の方法を用いて作
製する異波長半導体レーザアレイ等のアレイ構造半導体
光素子には、素子を低コストで供給する上で致命的な問
題があった。即ち、アレイ構造半導体光素子全体のサイ
ズの拡大である。文献(2)に示された作製方法で、例
えば、異波長半導体レーザアレイを作製した場合、アレ
イを構成する各半導体レーザの素子間隔は、250μm
程度となる。その結果、共振器長300μm の8本(8
波長)の異波長半導体レーザアレイを作製した場合、ア
レイ素子全体のサイズは、2mm×300μm 程度にもな
ってしまう。この原因は、文献(2)に示された選択成
長技術が、アレイを構成する各光導波路を挟んで、各々
幅40μm 程度の誘電体マスクを用いることを必要とす
るため、隣り合うアレイ光導波路間で相互に誘電体マス
クが影響を与えないようにするには、最低でも200μ
m 程度以上のアレイ間隔が必要になるからである。従っ
て、文献(2)の異波長半導体レーザアレイの製造方法
では、本質的にアレイ間隔を狭くすることができない。
このため、ウエハ1枚からのアレイ素子の収量は、半導
体レーザ1素子の収量の1/8以下になり、著しいコス
トの増大を招き、異波長半導体レーザアレイ等のアレイ
構造半導体光素子を実用化する上で深刻な問題であっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、文献
(1)、(2)等の異波長半導体レーザアレイの従来の
作製方法では、1)アレイを構成する全ての半導体レー
ザから良好で均一な特性を得ることができないこと、更
には、2)異波長半導体レーザアレイの素子サイズが大
きくなり、1枚のウエハからの収量が減少し、素子コス
トの著しい増大を招くこと、等の問題があった。
【0009】本発明は、このような状況に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、アレイサイズの微細化を
可能とする半導体光導波路アレイの製造方法を提供する
ことにあり、また、アレイ構造半導体光素子において、
微細化された半導体光導波路アレイからなり、良好で均
一な特性を有するアレイ構造半導体光素子を提供するこ
とにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、後述する実
験例1〜3を含む多数の実験を重ねて、誘電体薄膜の幅
を特定することにより、アレイサイズを微細化し、ま
た、アレイを構成する隣り合う光導波路間で組成及び層
厚を可変にすることにより、均一な光素子特性を得るこ
とができることを見い出し、本発明を完成するに到っ
た。
【0011】上記の目的を達成するために、本発明に係
る半導体光導波路アレイの製造方法は、基板上に誘電体
薄膜に挟まれて形成されたストライプ状成長領域に、量
子井戸層を有する半導体多層構造、またはバルク層から
なる半導体多層構造を選択的に結晶成長させてなる光導
波路を複数本アレイ状に備えた半導体光導波路アレイの
製造方法において、並列に延在する複数本のストライプ
状成長領域をそれぞれ誘電体薄膜で挟んで形成し、各成
長領域に選択的に量子井戸層を有する半導体多層構造、
またはバルク層からなる半導体多層構造を有機金属気相
成長法により結晶成長させる際、前記各成長領域が、結
晶成長時の反応管内での原料種の拡散長よりも短い間隔
で並列に形成されており、前記各成長領域の間に配設さ
れた誘電体薄膜の幅はWa であり、2本の最外側の成長
領域の外側にそれぞれ配設された第1最外誘電体薄膜の
幅Wm1及び第2最外誘電体薄膜の幅Wm2が、Wm1>Wa
及びWm2>Wa であることを特徴としている。
【0012】また請求項2に記載の発明は、請求項1に
おいて、前記第1最外誘電体薄膜の幅Wm1と前記第2最
外誘電体薄膜の幅Wm2とをWm1≠Wm2にすることによ
り、アレイを構成する各半導体光導波路の組成または層
厚を変化させることを特徴としている。
【0013】また請求項3に記載の発明は、請求項1及
び2において、前記複数本の成長領域によってそれぞれ
挟まれた各領域は、誘電体薄膜によって完全に被覆され
ていることを特徴としている。
【0014】また請求項4に記載の発明は、請求項1な
いし3のいずれか1項において、前記複数本の成長領域
の各々の隣同士の間隔が、50μm以下であることを特
徴としている。
【0015】また請求項5に記載の発明は、請求項1な
いし4のいずれか1項において、前記複数本の成長領域
の各々の幅が、10μm以下であることを特徴としてい
る。
【0016】また請求項6に記載の発明は、請求項1な
いし5のいずれか1項において、前記複数本の成長領域
の本数、または前記誘電体薄膜の幅Wa 、Wm1及びWm2
のうち少なくともいずれか一つを前記成長領域の長手方
向に沿って変化させることにより、アレイを構成する各
光導波路の組成または層厚を前記成長領域の長手方向に
沿って変化させるようにしたことを特徴としている。
【0017】また請求項7に記載の発明は、請求項1な
いし6のいずれか1項において、前記複数本の成長領域
の各間隔を前記成長領域の長手方向に沿って変化させる
ことにより、各半導体光導波路の間隔を変化させること
を特徴としている。
【0018】また請求項8に記載の発明は、請求項1な
いし7のいずれか1項において、前記複数本の各成長領
域の幅、各成長領域の間隔、誘電体薄膜の幅Wa 、
m1、及びWm2のうち少なくともいずれか一つが、基板
上に形成された半導体光導波路アレイ相互間で異なるこ
とを特徴としている。
【0019】本発明に係るアレイ構造半導体光素子は、
基板上に誘電体薄膜に挟まれて形成されたストライプ状
成長領域に、量子井戸層を有する半導体多層構造、また
はバルク層からなる半導体多層構造を選択的に結晶成長
してなる光導波路を備えた半導体光素子において、前記
光導波路が、結晶成長時の反応管内の原料種の拡散長よ
りも短い間隔で複数本アレイ状に配設されていることを
特徴としている。
【0020】また請求項10に記載の発明は、請求項9
において、前記アレイ状に配設された光導波路のアレイ
本数が、16以下であることを特徴としている。
【0021】また請求項11に記載の発明は、請求項9
において、前記光導波路が、50μm以下の間隔にて複
数本アレイ状に配設されたことを特徴としている。
【0022】また請求項12に記載の発明は、請求項9
から11のいずれか1項において、前記光導波路の幅が
10μm以下であり、光導波路の側壁が選択成長により
形成された(111)B結晶面であることを特徴とす
る。
【0023】また請求項13に記載の発明は、請求項9
から12のいずれか1項において、選択的に成長された
結晶のバンドギャップエネルギー、又は層厚のうちの少
なくとも一つが、隣り合う光導波路間で異なることを特
徴としている。
【0024】また請求項14に記載の発明は、請求項9
から13のいずれか1項において、前記アレイ状光導波
路が、半導体バルク活性層からなり、電流注入により光
学利得を生じさせる光増幅器の機能を有することを特徴
としている。
【0025】また請求項15に記載の発明は、請求項9
から13のいずれか1項において、前記アレイ状光導波
路が、多重量子井戸層(MQW)からなり、光導波路の
両端または光導波路の近傍に光の反射機構を有し、電流
注入により光学利得を生じさせることにより、レーザ発
振させることを特徴としている。
【0026】また請求項16に記載の発明は、請求項9
から13、又は15のいずれか1項において、光の反射
機能が光導波路の近傍に設けられた回折格子によって生
じることを特徴としている。
【0027】また請求項17に記載の発明は、請求項1
6において、前記回折格子の周期が隣り合う光導波路間
で異なることを特徴としている。
【0028】また請求項18に記載の発明は、請求項9
から17のいずれか1項において、前記アレイ状光導波
路の少なくとも一方の端に光のスポットサイズ変換器が
集積されたことを特徴としている。
【0029】また請求項19に記載の発明は、請求項9
から18のいずれか1項において、前記アレイ状光導波
路の少なくとも一方の端に、スターカップラ、多モード
干渉器(MMI、Multi Mode Interference )から選択
される少なくとも1つの光合波器を集積したことを特徴
としている。
【0030】また請求項20に記載の発明は、請求項9
から12または15から18のいずれか1項において、
前記アレイ構造半導体光素子が、発振波長970から9
90nmの範囲の半導体レーザアレイであることを特徴
としている。
【0031】また請求項21に記載の発明は、請求項9
から12または15から18のいずれか1項において、
前記アレイ構造半導体光素子が、発振波長1450から
1510nmの範囲の半導体レーザアレイであることを
特徴としている。
【0032】本発明に係る複合共振器型多波長光源は、
請求項14又は15に記載のアレイ構造半導体光素子
と、回折格子等が形成された石英系Planer Lightwave C
ircuit(PLC)とが、ハイブリッド集積されたことを
特徴としている。
【0033】本発明に係る光モジュールは、請求項9か
ら22のうちのいずれか1項に記載されたアレイ構造半
導体光素子の少なくとも一個が用いられていることを特
徴としている。
【0034】また請求項24に記載の発明は、請求項2
3において、さらにアレイ状に配設された半導体光素子
からの光出力を実質的に全集光する光学素子と、該光出
力を取出すことを特徴としている。
【0035】また本発明に係る光モジュールは、少なく
ともアレイ構造半導体光素子と、該アレイ構造半導体光
素子からの光出力を導出する光ファイバと、当該アレイ
構造半導体光素子からの光出力をモニタする受光素子
と、からなる光モジュールであって、前記アレイ構造半
導体光素子が、請求項9から21のいずれか1項に記載
のアレイ構造半導体光素子から選択された少なくとも1
つのアレイ構造半導体光素子であり、該アレイ構造半導
体光素子から出射された実質的に全光を前記光ファイバ
により導出することを特徴としている。
【0036】また請求項26に記載の発明は、請求項2
3から25のいずれか1項において、アレイ状に配設さ
れた半導体光素子からの光出力された波長を制御する波
長フィルタをさらに有することを特徴としている。
【0037】本発明に係る光通信システムは、請求項9
から21のうちのいずれか1項に記載されたアレイ構造
半導体光素子の少なくとも1個が用いられていることを
特徴としている。
【0038】本発明方法では、選択成長用のマスクとし
て、図1に示すような寸法と配置のSiO2 を使用す
る。図1は本発明の選択成長で用いるSiO2 成長阻止
マスクパターンを示す。SiO2 マスクは、選択成長用
のマスクであって、InP基板99上に形成し、複数本
のストライプ状成長領域1を挟んで、幅Wa のSiO2
マスク2、幅Wm1のSiO2 マスク3、幅Wm2のSiO
2 マスク4からなる。このとき、各々の成長領域の幅W
0 は、1.5μm に設定されている。以後、図1に示す
ようなマスクパターンを用いて、アレイ状成長領域に選
択的に結晶を成長する本発明の選択成長法を、簡単のた
め" 狭幅マイクロアレイ選択成長" と称する。狭幅マイ
クロアレイ選択成長では、結晶成長時の原料種の拡散長
よりも短い任意のアレイ間隔で並べられた複数本の狭幅
(1.5μm 幅)のストライプ状選択成長領域1に、多
重量子井戸(MQW)等の結晶層を選択的に成長する。
各成長領域1に成長される結晶のバンドギャップ波長
は、基本的に、最も外側に配設したSiO2 マスク3、
4の幅Wm1とWm2を変化させることで制御できる。但
し、後述するように、SiO2 マスク2の幅Wa も成長
領域に成長される結晶の組成及び層厚に少なからず影響
を与えるパラメータである。
【0039】実験例1 実験例1では、まず、狭ストライプ幅(1.5μm 幅)
のアレイ状成長領域1の本数を8本(8チャンネル)、
アレイ間隔Λ=11.5μm とし、図2に示すように、
1.50μm 組成圧縮歪InGaAsPウエル/1.2
0μm 組成InGaAsPバリアの多層構造からなる多
重量子井戸(MQW)層を有機金属気相成長法(MOV
PE)により選択成長した。尚、図2は各チャンネルの
積層構造を示す。成長条件は、圧力150Torr、温度6
50℃であり、SiO2 マスク2、3、4の幅は、それ
ぞれWa =10μm 、Wm1=Wm2=Wm として、Wm
値を5〜60μm の間で変化させ、MQW層のフォトル
ミネッセンス(PL)ピーク波長のSiO2 マスク幅W
m 依存性を調べ、その結果を図3に示した。図3は、M
QW層のフォトルミネッセンス(PL)ピーク波長のS
iO2 マスク幅Wm 依存性を示していて、横軸にチャン
ネル番号、縦軸にはMQW層のフォトルミネッセンス
(PL)ピーク波長を取っている。図3から判る通り、
m1= Wm2の場合、アレイ内の波長分布は、ch4ない
しch5を中心にしてch1〜ch8で完全に対称にな
る。また、PLピーク波長のチャンネル内分布の中心値
は、SiO2 マスクの幅Wm を拡大させることで、短波
長から長波長へと100nm以上の波長域に亘り変化さ
せることができる。但し、全チャンネルでほぼ均一なP
Lピーク波長分布を得るには、マスク幅Wmは、Wa と
等しいか、ある程度広くしなければならない。
【0040】次に、マスク幅Wm に対する光導波層の層
厚依存性を調べ、その結果を図4に示した。図4では、
横軸にチャンネル番号、縦軸に光導波層の厚さを取って
いる。図4から判る通り、SiO2 マスクの幅Wm を拡
大するにしたがって、光導波層の層厚が厚くなる。層厚
分布は、図3のPLピーク波長分布と対応してほぼ同じ
分布形状をしており、光導波層の層厚もSiO2 マスク
の幅Wm を変化させることで制御できることがわかっ
た。
【0041】実験例2 次に、実験例2として、Wm1≠Wm2の非対称なマスクを
用いた場合の、各チャンネルのPLピーク波長依存性を
調べ、その結果を図5に示した。図5では、横軸にチャ
ンネル番号、縦軸にフォトルミネッセンス(PL)ピー
ク波長を取っている。図5から判る通り、Wm1=10μ
m 、Wm2=70μm のマスクを用いた場合、アレイ内の
ch1〜ch8間で、PLピーク波長を、ほぼ線形に1
480〜1580nmまで100nmの波長域に亘り変
化させることができる。また、Wm1=10μm 、Wm2
70μm のマスクを用いたときに得られたPLスペクト
ルを図6に示す。全チャンネルで、強いPL強度が維持
され、またPL半値幅も十分狭い値が得られた。図6で
は、横軸に波長、縦軸に強度を取っている。一方、マス
ク幅の組み合わせとして、Wm1=10μm 、Wm2=30
μm を用いた場合は、図5に示すように、ch1〜ch
8間でのPLピーク波長の変化率をより緩やかにするこ
とができる。これらの結果は、狭幅マイクロアレイ選択
成長では、SiO2 マスクの幅Wm1とWm2の組合わせを
適切に選ぶことにより、極めて狭い間隔で配設された半
導体光導波路アレイの各MQW光導波路のバンドギャッ
プ波長を任意に制御できることを意味している。このよ
うに、本発明の狭幅マイクロアレイ選択成長技術が、極
小間隔アレイデバイスのバンドギャップ波長、及び層厚
制御に対して極めて有効であることが確認された。
【0042】実験例3 最後に、実験例3で、複数本のストライプ状成長領域の
間に配設されているSiO2 マスク2の幅Wa が、選択
成長される結晶組成に与える影響について調べ、その結
果を図7に示した。この実験では、8チャンネルのアレ
イについて、Wm1+Wm2+(7×Wa )=90μm (一
定)で、且つWm1=Wm2=Wm の条件を用いて実験を行
った。つまり、積分したマスクの面積が常に一定となる
条件で実験を行った。図7は、Wa=2、4、6、8、
10μm (対応してアレイ間隔Λ=3.5、5.5、
7.5、9.5、11.5μm と変化)と変化させたと
きの、各チャンネルのMQW層のPLピーク波長依存性
を示す。Wa =2μm の場合(Wm の1/19の幅)
は、チャンネル内の波長分布は下に凸型であり、Wa =
4μm の場合(Wm の約1/8の幅)に、チャンネル内
でほぼ均一な波長分布となり、Wa =10μm の場合
(Wm と同じ幅)は、上に凸型の波長分布をとることが
わかった。この結果は、図3の実験で得られた結果、"
アレイ内の全チャンネルでほぼ均一なPLピーク波長分
布を得るには、マスク幅Wm はWa と等しいか、ある程
度広くしなければならない" を裏付ける結果と言える。
更に新しい知見として、Wm >>Wa の場合にも、PL
ピーク波長分布のチャンネル内均一性が劣化することが
わかった。これらのことから、Wa もアレイ内のMQW
層のバンドギャップ波長制御に少なからず影響を与える
パラメータであることがわかった。
【0043】最後に、ここでは図を用いて説明はしない
が、狭幅マイクロアレイ選択成長では、アレイ状成長領
域の幅W0 (図1参照)を導波路方向で適切に変化させ
ることによって、成長される結晶のバンドギャップ波長
制御の自由度を拡大することができる。例えば、W0
狭い部分では、成長される結晶の層厚は厚く、組成は長
波長側にシフトする。
【0044】以上の実験例の結果に基づいて、本発明の
狭幅マイクロアレイ選択成長では、主として、1)原料
種の拡散効果、2)原料種のマイグレーション効果、の
二つの物理現象を用いている。1)の効果は、マイクロ
アレイのアレイ間隔を、原料種の拡散長より十分短く設
定することで(例えば、50μm 以下の間隔)有効に利
用することができ、アレイを構成する全チャンネルの結
晶組成及び層厚を均一性良く制御することが可能とな
る。一方、2)の効果は、マイクロアレイの成長領域幅
0 を原料種のマイグレーション長より短く設定するこ
とで(例えば、10μm 以下の幅、1.5μm 幅等)有
効に利用することができ、選択成長される結晶層の平坦
性が向上し、また、図4に示すような各チャンネルのバ
ンドギャップ波長を独立に制御する上で有利になる。
【0045】更に、本発明の狭幅マイクロアレイ選択成
長では、成長領域幅W0 を1.5μm 程度に選ぶことに
よって、選択成長された結晶によって形成されるアレイ
光導波路が、そのままのサイズで各々単一横モード条件
を満足するので、極小アレイ光導波路を、1)半導体の
エッチング無しで形成できるから、歩留まりを著しく向
上させることができ、2)図2に示すように、選択成長
される結晶の側面が平滑な(111)B面となるから、
従来のエッチングで形成された凸凹の側面を有する光導
波路に比べて、極めて光信号の低損失なアレイ光導波路
を形成できる等の利点をも有している。
【0046】以上述べてきた実験結果の意味すること
は、本発明の狭幅マイクロアレイ選択成長技術を用いる
と、従来、250μm 間隔で1個の光源を作製していた
大きさの領域に、アレイを構成する各光導波路間で、結
晶組成が適切に制御された異なる波長のアレイ光源を超
高集積して作り込むことが可能になるということであ
る。具体的な例で述べると、共振器長300μm の異波
長8chアレイ光源であっても、従来の1チップのサイ
ズ(250μm ×300μm )で作製が可能であり、従
来の単体光素子と同じチップ数の" アレイ構造半導体光
素子" を1ウエハ上に作製できるということを意味して
いる。即ち、従来の集積光素子の集積度を10倍以上に
拡大することが可能であり、本発明は、超高集積アレイ
構造半導体光素子を実現する上で非常に有効な技術であ
る。
【0047】
【発明の実施の形態】以下に、実施の形態例を挙げ、添
付図面を参照して、本発明の実施の形態を具体的かつ詳
細に説明する。実施の形態例 本発明の半導体光導波路アレイの製造方法及びアレイ構
造半導体光素子の実施の形態について説明する。本発明
では、誘電体マスクを用いた有機金属気相成長法による
選択成長によって半導体光導波路アレイを結晶成長する
際に、反応管内における原料種の拡散長よりも短い間隔
で複数本並列して形成された半導体光導波路の隣り合う
光導波路間で、各成長領域の間に形成された幅Wa の誘
電体薄膜と、最外側に形成された幅Wm1及びW
m2(Wm1、Wm2>Wa )の誘電体薄膜を用いて、成長さ
せる結晶のバンドギャップエネルギー及び層厚を制御す
る。
【0048】
【実施例】以下に、添付図面を参照して、実施例に基づ
いて本発明をより詳細に説明する。実施例1 本実施例は、本発明に係るアレイ構造半導体光素子をマ
イクロアレイ分布帰還(DFB)型半導体レーザに適用
した実施形態の一である。図8は、回折格子の配置図、
図9はマスクの平面図、及び図10はアレイの各チャン
ネルの半導体レーザ層構造を示す断面図である。本実施
例のマイクロアレイ分布帰還(DFB)型半導体レーザ
(以下、簡単に半導体レーザと言う)100は、ディチ
ューニング(レーザの利得ピーク波長と回折格子のブラ
ッグ波長の差)が適切な値(±10nm)に制御された
マイクロアレイ分布帰還(DFB)型半導体レーザであ
る。即ち、半導体レーザ100は、図10に示すよう
に、n−InP基板99上に、発光波長(以下、省略)
1.13μm 組成のn−InGaAsP半導体層11、
n−InPスペーサ層12、1.20μm 組成のn−I
nGaAsP光閉じ込め層13、7層多重量子井戸(M
QW)層14(1.50μm 組成圧縮歪InGaAsP
ウエル/1.20μm 組成InGaAsPバリアからな
る)、1.20μm 組成のInGaAsP光閉じ込め層
15、及びp−InP層16からなる積層構造を有す
る。更に、半導体レーザ100は、積層構造上に層厚
2.0μm のp−InP埋め込みクラッド層17、層厚
0.3μm のp+ −InGaAsコンタクト層18、及
びSiO2 保護膜19を有し、上下に、Cr/Au上部
電極20、及びCr/Au下部電極21を備えている。
【0049】半導体レーザ100の作製方法 次に、図8及び図9を参照して、半導体レーザ100の
作製方法を説明する。まず、図8に示すように、n−I
nP基板99上に横方向に11.5μm 間隔で配列さ
れ、チャンネル1本当たり幅5μm ×長さ300μm の
8本のチャンネルの領域に、電子ビーム露光法等を用い
て、回折格子パターン88を描画する。このとき、各チ
ャンネルの発振波長を全8チャンネルで1536〜15
68nm(隣り合うチャンネル間で4nmずつ異なる発
振波長に設定する)と変化させるため、チャンネル1の
回折格子の周期Λ1を240nmとし、順次、周期を
0.625nmずつ増加させ、チャンネル8の回折格子
の周期Λ8が245nmとなるようにする。この回折格
子パターン88を、通常のウエットエッチング等によ
り、n−InP基板99上に転写し、深さ60nmの回
折格子88を形成する。
【0050】次に、回折格子88が形成された基板99
上へ、図9に示すように、<011>方向に、選択成長
用のSiO2 マスク2、3、4を形成する。このとき、
マスク幅は、各々Wa =10μm 、Wm1=20μm 、W
m2=50μm とし、マスクが8本の成長領域(即ち、回
折格子88の領域で、各々、成長領域幅W0 =1.5μ
m )を挟んで対向するように形成する。一方、共振器の
両端面に窓構造を導入するために、幅25μm のSiO
2 マスク5を共振器の両端面位置に配設する。このSi
2 マスク2、3、4、5が形成された基板上に、図1
0の断面図に示す積層方向の各半導体層の組成になるよ
うに、1.13μm 組成のn−InGaAsP半導体層
11、n−InPスペーサ層12、1.20μm 組成の
n−InGaAsP光閉じ込め層13、7層多重量子井
戸(MQW)層14(1.50μm 組成圧縮歪InGa
AsPウエル/1.20μm 組成InGaAsPバリア
からなる)、1.20μm 組成のInGaAsP光閉じ
込め層15、及びp−InP層16を有機金属気相成長
法(MOVPE)等により選択成長する。成長条件は、
圧力150Torr、温度650℃である。この時、MQW
層14のフォトルミネッセンス(PL)ピーク波長は、
チャンネル1〜8で1535〜1570nmと変化させ
ることができた。その結果、回折格子の周期Λによって
決まる各チャンネルの発振波長に、MQW層14の利得
ピーク波長を追随させて変化させることができ、各チャ
ンネルのディチューニング量(発振波長と利得ピーク波
長の差)を常に±10nm以下の良好な値に維持するこ
とができた。
【0051】このようにして、各半導体層を形成した
後、成長阻止マスクのマスク開口幅W0 を1.5μm か
ら全領域で5μm になるように再度形成し、このマスク
を用いて、層厚2.0μm のp−InP埋め込みクラッ
ド層17、層厚0.3μm のp+ −InGaAsコンタ
クト層18をMOVPEにより選択成長する。その後、
全面にSiO2 膜を形成し、電流注入用窓を形成し、C
r/Au上部電極20、Cr/Au下部電極21を通常
のスパッタ法等により形成する。最後に、共振器の両端
面に25μm 長の窓構造が配置されるように共振器長を
350μm で劈開し、両端面にSiON膜からなる低反
射コーティングを通常のスパッタ法等で形成し素子化を
完了した。
【0052】このようにして、アレイ全体のチップサイ
ズが約100μm ×350μm という極めて小さいサイ
ズでありながら、アレイを構成する各DFBレーザのデ
ィチューニングが各々独立に制御された異波長DFBレ
ーザアレイを実現することができた。各チャンネルのデ
ィチューニング量が適切に制御されているため、全チャ
ンネルで、25℃、CWのしきい値電流10mA±1m
A、片側光出力18mW±1mW@150mAという良
好で均一な特性を得ることができた。
【0053】実施例2 本実施例は、本発明に係るアレイ構造半導体光素子をス
ポットサイズ変換器付きマイクロアレイ異波長半導体レ
ーザに適用した実施例である。図11はマスクの平面
図、図12は積層構造の各半導体層の組成を示す図、及
び図13は半導体レーザの構造を示す部分断面斜視図で
ある。本実施例の半導体レーザ200は、スポットサイ
ズ変換器(Supot Size Converter、SSC)付きマイク
ロアレイ異波長半導体レーザであって、各チャンネルは
図12に示す層組成の積層構造を有し、また、図13に
示す全体構成を備えている。各チャンネルの半導体レー
ザ素子構造は、p−InP埋め込みクラッド層17の膜
厚が5.0μm であることを除いて、実施例1の素子構
造と同じである。
【0054】半導体レーザ200の作製方法 まず、図11に示すように、n−InP基板99上に、
選択成長用SiO2 マスク2、3、4を<011>方向
にステッパ等を用いて形成する。SiO2 マスク2、
3、4は、各々の開口幅W0 =1.5μm の8本のアレ
イ状成長領域を挟んでアレイ間隔20μm で配置する。
このとき、領域長400μm のレーザ領域では、SiO
2 マスク2の幅Wa1=18.5μm 、SiO2 マスク3
の幅Wm1=30μm 、SiO2 マスク4の幅Wm2=70
μm とし、領域長200μm のSSC領域では、SiO
2 マスク2の幅Wa2=4μm 、SiO2 マスク3、4の
幅Wm3=7μm とする。但し、SSC領域では、SiO
2 マスク2の幅がWa2=4μm であり、アレイ間隔20
μm よりも狭いため、各チャンネルの成長領域の間にダ
ミー成長領域77が存在する。
【0055】このマスクが形成された基板上に、図12
に示すような光導波層を、有機金属気相成長法(MOV
PE)等により、圧力70torr、温度650℃の条件下
で選択成長する。詳細に説明すると、積層構造は、1.
13μm 組成のn−InGaAsP半導体層11、n−
InPスペーサ層12、1.20μm 組成のn−InG
aAsP光閉じ込め層13、1.50μm 組成圧縮歪I
nGaAsPウエル/1.20μm 組成InGaAsP
バリアからなる7層多重量子井戸(MQW)層14、
1.20μm 組成のInGaAsP光閉じ込め層15、
及びp−InP層16である。成長した結果、光導波層
の全層厚は、レーザ領域ではチャンネル1〜8で0.2
5〜0.35μm の範囲で分布し、SSC領域では、チ
ャンネル1〜8で0.08〜0.1μm の分布となっ
た。また、レーザ領域のMQW層のフォトルミネッセン
ス(PL)ピーク波長は、チャンネル1〜8で1540
〜1590nmと変化させることができた。このように
して、各半導体層11〜16を成長した後、成長阻止マ
スクのマスク開口幅W0 を1.5μm から全領域で12
μm になるように再度形成し、このマスクを用いて、層
厚5.0μm のp−InP埋め込みクラッド層17、層
厚0.3μm のp+ −InGaAsコンタクト層18を
MOVPEにより成長する。その後、全面にSiO2
19を成膜し、電流注入用窓を形成し、Cr/Au上部
p電極20、Cr/Au下部n電極21を通常のスパッ
タ法等により形成する。最後に、レーザ領域長400μ
m 、SSC領域長200μm となるように全共振器長を
600μm で劈開し、レーザ側端面にSiON膜からな
る高反射コーティング膜22を通常のスパッタ法等で成
膜し、素子化を完了した。
【0056】このようにして、アレイ全体のチップサイ
ズが160μm ×600μm という極めて小さいサイズ
のスポットサイズ変換器付きの8チャンネル異波長半導
体レーザアレイを実現することができた。レーザアレイ
は、全チャンネルで、発振波長が1540〜1590n
mと分布させることができ、また、しきい値電流も6m
A±1mAという極めて均一で良好な特性を示し、25
℃の片側光出力も30mW以上という優れた値を得るこ
とができた。フラットエンド光ファイバとの結合損失を
測定した結果、全チャンネルで3dB以下という極めて
良好な値を得ることができ、スポットサイズ変換器がア
レイを構成する全ての素子で十分機能していることも確
認された。
【0057】実施例3 本実施例は、本発明に係るアレイ構造半導体光素子をス
ポットサイズ変換器付マイクロアレイ半導体光アンプに
適用した実施例である。図14はマスクの平面図、図1
5は積層構造の各半導体層の組成を示す図、及び図16
は半導体レーザの構造を示す部分断面斜視図である。本
実施例の光アンプ300は、スポットサイズ変換器付マ
イクロアレイ半導体光アンプであって、光アンプの各チ
ャンネルは、図15に示す層組成の積層構造を有し、ま
た、図16に示す全体構成を備えている。即ち、光アン
プ300は、図15及び図16に示すように、n−In
P基板99上に、0.2μm 厚のn−InPバッファー
層24、0.4μm 厚の1.50μm 組成の圧縮歪In
GaAsPバルク活性層25、及びp−InP層16の
積層構造を備え、積層構造上に、p−InP埋め込みク
ラッド層17(層厚5.0μm )、p+ −InGaAs
コンタクト層18(層厚0.3μm )を有する。更に、
光アンプ300は、基板全面にSiO2 保護膜19を備
え、上下にCr/Au上部電極20及びCr/Au下部
電極21を有する。前記したような実施例2の半導体レ
ーザ200では、狭幅マイクロアレイ選択成長で用いる
SiO2 マスクの成長領域の幅W0 をW0 =1.5μm
とし、活性層にMQWを用いていた。一方、本実施例で
は、成長領域幅W0 をW0 =0.6μm とし、活性層に
InGaAsPバルク層を用いたことで、実施例2とほ
ぼ同様のプロセスを経て、簡単にスポットサイズ変換器
付きのマイクロアレイ半導体光アンプを実現することが
できる。
【0058】光アンプ300の作製方法 まず、図14に示すように、n−InP基板99上に<
011>方向に、SiO2 マスク2、3、4をアレイ間
隔20μm で形成する。このとき、SiO2 マスクの幅
は、領域長300μm のSSC領域では、Wa2=1μm
、Wm3=4μm とし、領域長800μm のアンプ領域
では、Wa1=18.5μm 、Wm1=80μm 、Wm2=8
0μm とし、各領域共にマスクが8本の成長領域(各々
成長領域幅W0 =0.6μm )を挟んで対向するように
形成する。但し、SSC領域では、SiO2 マスク2の
幅がWa2=1μm であり、アレイ間隔20μm よりも狭
いため、各チャンネルの成長領域の間にダミー成長領域
77が存在する。一方、共振器の両端面に窓構造を導入
するために、幅25μm のSiO2 マスク5を共振器の
端面位置に配置する。
【0059】このマスクが形成された基板上に、図15
に示すような層組成を有する積層構造を形成する。詳細
には、0.2μm 厚のn−InPバッファー層24、
0.4μm 厚の1.50μm 組成の圧縮歪InGaAs
Pバルク活性層25、及びp−InP層16を有機金属
気相成長法(MOVPE)等により選択成長する。成長
条件は、圧力300Torr、温度650℃である。この
時、アンプ領域のバルク層のフォトルミネッセンス(P
L)ピーク波長は、チャンネル1〜8で、1550〜1
570nmとほぼ一定に保つことができた。また、SS
C領域のバルク層のPLピーク波長は、チャンネル1〜
8で、1380〜1390nmという均一で、且つ、ス
ポットサイズ変換機能を有する低損失受動導波路として
十分に短波長化することができた。アンプ領域のInG
aAsPバルク層の層厚に対して、SSC領域のInG
aAsPバルク層の層厚は、全チャンネルで1/4以下
の薄膜化が達成された。
【0060】このようにして、各半導体層を形成した
後、SiO2 マスク2〜4のマスク開口幅W0 を0.6
μm から全領域で12μm になるように再度形成し、こ
のマスクを用いて、p−InP埋め込みクラッド層17
(層厚5.0μm )、p+ −InGaAsコンタクト層
18(層厚0.3μm )をMOVPEにより成長する。
その後、全面にSiO2 膜19を成膜し、電流注入用窓
を形成し、Cr/Au上部電極20、Cr/Au下部電
極21を通常のスパッタ法等により形成する。最後に、
両端面に25μm 長の窓構造が配置されるように共振器
長を1150μm で劈開し、両端面に低反射コーティン
グ用SiON膜23を通常のスパッタ法等で形成して、
アレイ全体のチップサイズが160μm ×1150μm
という極めて小さいサイズのスポットサイズ変換器付き
の8チャンネルアレイ半導体光アンプを実現することが
できた。
【0061】特性としては、全チャンネルで、アンプへ
の注入電流30mA時の波長1560nmの入力光に対
する光学利得10dB±0.2dB、フラットエンド光
ファイバとの結合損失3.5dB±1dBという良好な
特性を得ることができた。活性層にバルク層を用い、W
0 =0.6μm としているため、選択成長される光導波
層の横断面形状がほぼ矩形の形となり、アンプの利得特
性をTE波、TM波に対して偏向無依存にすることがで
きた。また、石英系のPlaner Lightwave Circuit(PL
C)とパッシブアライン実装し、ゲートスイッチ動作を
確認したところ、全チャンネルで、波長1560nmの
入力光に対して、消光比50dB以上の良好なスイッチ
動作を達成することができた。
【0062】実施例4 本実施例は、本発明に係るアレイ構造半導体光素子をマ
イクロアレイ波長選択光源に適用した実施例であって、
図17は回折格子の配置図、図18はマスクの平面図、
及び図19は波長選択光源の構造を示す斜視図である。
本実施例のマイクロアレイ波長選択光源400は、図1
9に示すように、InP基板上へモノリシック集積され
た極小サイズの波長選択光源であって、光源は、主とし
て5つの領域から構成されている。すなわち、波長選択
光源400は、1)DFBレーザ領域、2)合波器領
域、3)多モード干渉(Multi Mode Interference
)領域、4)光増幅器領域、及び5)光変調器領域、
の5つで構成されている。
【0063】波長選択光源400の作製方法 まず、図17に示すように、n−InP基板99上に回
折格子パターン88をDFBレーザ領域のみに電子ビー
ム露光法を用いて描画する。詳細には、横方向に11.
5μm 間隔で、アレイ1本当たり幅5μm ×長さ400
μm の8本のチャンネル領域に描画する。この時、レー
ザ領域の各チャンネルの発振波長を全8チャンネルで1
536〜1547.2nm(即ち、チャンネル間で1.
4nmずつ異なる発振波長に設定する)と変化させるた
め、チャンネル1の回折格子の周期Λ1を240nmと
し、隣り合うチャンネルで周期を0.25nmずつ増加
させ、チャンネル8の回折格子の周期Λ8が241.7
5nmとなるようにする。この回折格子パターン88
を、通常のウエットエッチング等により、n−InP基
板99上に転写し、深さ60nmの回折格子88を形成
する。
【0064】次に、図18に示すように、この回折格子
が形成された基板99上に選択成長用SiO2 マスクを
形成する。このとき、各領域のマスク幅は次のように設
定する。1)DFBレーザ領域:8本のアレイ間隔1
1.5μm 、Wa =10μm 、Wm1=20μm 、Wm2
50μm 、成長領域幅W0 =1.5μm 、2)合波器領
域:アレイ間隔11.5〜2.5μm まで、距離300
μm で変化させる。成長領域幅W0 =1.5μm 、マス
ク幅は領域内全てWm3=1μm 、3)MMI領域:成長
領域幅W0 =19μm、マスク幅Wm4=20μm 、4)
光増幅器領域:成長領域幅W0 =1.5μm 、マスク幅
m5=60μm 、5)光変調器領域:成長領域幅W0
1.5μm 、マスク幅Wm6=40μm 。更に、素子の両
端面に窓構造を導入するために、幅25μm のSiO2
マスク5を端面位置に配置する。
【0065】これらのマスクが形成された基板上に、実
施例1の図10と同様の層構造、即ち1.13μm 組成
のn−InGaAsP半導体層11、n−InPスペー
サ層12、1.20μm 組成のn−InGaAsP光閉
じ込め層13、1.50μm組成圧縮歪InGaAsP
ウエル/1.20μm 組成InGaAsPバリアからな
る7層多重量子井戸(MQW)層14、1.20μm 組
成のInGaAsP光閉じ込め層15、及びp−InP
層16を有機金属気相成長法(MOVPE)等により選
択成長する。成長条件は、圧力150Torr、温度650
℃である。この時、MQW層のフォトルミネッセンス
(PL)ピーク波長は、1)DFBレーザ領域:チャン
ネル1〜8で1535〜1550nmと変化させること
ができ、2)合波器領域:全チャンネルで、1380n
m、3)MMI領域:1300nm、4)光増幅器領
域:1542nm、5)光変調器領域:1472nmと
なった。その結果、1)DFBレーザ領域では、回折格
子の周期によって決まる各チャンネルのレーザの発振波
長に、MQW層の利得ピーク波長を追随させて変化させ
ることができ、各チャンネルのディチューニング量(発
振波長と利得ピーク波長の差)を±10nm以下の良好
な値に維持することができた。
【0066】このようにして、各半導体層を形成した
後、SiO2 マスクのマスク開口幅W0 を、1)DFB
レーザ領域、2)光増幅器領域、3)光変調器領域の3
つの領域で、1.5μm から5μm になるように再度形
成する。更に、4)MMI領域のSiO2 マスクは全て
除去し、5)合波器領域では、幅W0 の成長領域を覆う
ようにSiO2 を再度形成する。このマスクを用いて、
実施例1の図10と同様の埋め込み構造、即ちp−In
P埋め込みクラッド層17(層厚3μm )、p+−In
GaAsコンタクト層18(層厚0.3μm )をMOV
PEにより成長する。その結果、1)DFBレーザ領
域、2)光増幅器領域、3)光変調器領域、4)MMI
領域では、埋め込み導波路構造が、5)合波器領域では
ハイメサ導波路構造が形成される。その後、全面にSi
2 膜19を形成し、電流注入用窓を、DFBレーザ領
域のみに形成し、Cr/Au上部電極20、Cr/Au
下部電極21を通常のスパッタ法等により形成する。
【0067】更に、もう一度全領域にSiO2 膜を成膜
し、1)DFBレーザ領域は、図19に示すように、部
分的に窓を開け、2)光増幅器領域、3)光変調器領域
にも窓を開ける。再度、Cr/Au上部電極20を形成
する。つまり、DFBレーザ領域では、各チャンネルの
電極が相互に接触しないように二重電極構造となってい
る。このようにして電極を形成した後、最後に、両端面
に25μm 長の窓構造が配置されるように共振器長を1
500μm で劈開し、両端面に低反射コーティング用S
iON膜23を通常のスパッタ法等で形成して、全体の
チップサイズが300μm ×1500μm という極めて
小さいサイズの波長選択光源を実現することができた。
【0068】異波長DFBレーザアレイを構成する各D
FBレーザのディチューニングが各々適切に制御されて
いるため、各々のレーザの特性は、発振波長1536〜
1547.2nm、全チャンネルで25℃、CW時のし
きい値電流9mA±1mA、光増幅器への注入電流20
mAで、光出力20mW±1mW@150mAという良
好で均一な特性を得ることができた。更に、光変調器の
変調特性としても、全チャンネルの発振波長に対して
2.5Gbit/s−600km伝送を達成することができ
た。両端面に窓構造を導入し、且つ低反射コーティング
しているために、全チャンネルで単一モード発振が得ら
れる歩留まりも50%以上と良好な値が得られた。
【0069】さらに本発明は、光モジュールに適用する
上でも大きな利点を有する。たとえば図20に示すよう
に、図20(a)には、4チャンネルの半導体レーザア
レイを用いた場合の光モジュール内での光ファイバとレ
ーザアレイとの配置模式図を示す。たとえば本発明にお
いては、半導体レーザアレイのアレイ全幅は、前記図2
0(a)に示すように、30μm程度と極小化し、50
μmと比較的コア径の大きな光ファイバ2を用いること
で、半導体レーザアレイからの全出力光を光ファイバに
直接結合(直接取出)することができる。すなわち、光
出力の集光用レンズなどの光学系を特に必要としない。
一方、アレイ本数が増加した場合を図20(b)に示
す。アレイ本数が例えば6本に増加し、光ファイバのコ
ア径(たとえば50μm)程度になった場合には、光フ
ァイバ2と半導体レーザアレイとの間に、集光レンズを
挿入するだけで、半導体レーザアレイからの全出力光を
光ファイバに直接結合(直接出力)することができ、こ
の場合において、光合波器の集積化を必要としない。
【0070】このようなレンズを有する場合の光モジュ
ールの構造模式図を、図20(c)に示す。光モジュー
ルは、アレイ全幅が光ファイバのコア径以下になるよう
に、極小アレイ周期で半導体レーザが配置された半導体
レーザアレイ31と、光ファイバ32と、受光素子3
3、ペルチェ素子34、レンズ35およびレンズ支持体
36等により構成されている。本発明による極小半導体
レーザアレイ31と、コア径50μm以上の光ファイバ
32とを用いることで、多チャンネルの半導体レーザア
レイ31の各チャンネルからの光出力を、集積型の光合
波器を用いずにレンズ集光により、直接1本の光ファイ
バに結合できるようになった。
【0071】半導体レーザアレイ素子のサイズは、電極
部を含めても横幅250μm程度、長さ300μm程度
と、従来の1チップ素子のサイズと同じにすることがで
きるため、全体の光モジュールのサイズも通常の半導体
レーザ光モジュールと同程度の小型サイズが可能となっ
た。その結果、光モジュールの作成プロセス、歩留まり
が大幅に向上し、半導体レーザアレイ光モジュールの低
価格供給が可能となった。また半導体レーザアレイ全幅
が、光ファイバのコア径よりも十分に狭い場合には、集
光レンズ35も必要としなくなる。その結果、光モジュ
ールの部品点数のさらなる減少および作成プロセスの更
なる簡単化が可能となり、なお一層の低価格化を実現可
能とした。なお、図20(a)および図20(b)に示
す半導体レーザアレイにおいて、部分的に電流注入窓を
開口したところに、電極7を設けることによって、各チ
ャンネルのレーザを独立駆動可能としている。
【0072】また、本発明のアレイ構造半導体光素子
は、受光素子33を搭載する上でも大きなメリットを有
する。すなわち図20に示すように、半導体レーザアレ
イ全幅が50μm程度以下と非常に狭いため、単一の受
光素子で、全チャンネルの光を受光することができる。
その結果、光モジュールに必要な受光素子の数を、従
来、チャンネル数と同数必要であったが、これを大幅に
減少することができ、前記同様に、チップサイズの小型
化、製造工程の簡略化、さらに、光モジュールの一層の
低価格化に寄与することができた。以下に、本発明の光
モジュールの応用例を、実施例および図面によって、説
明する。このように、本発明に係る極小アレイ半導体光
素子を用いて光モジュールに適用すれば、光モジュール
の小型化、低価格化さらには歩留まりの向上が飛躍的に
図ることができる。
【0073】実施例5 多波長半導体ファブリペロー(FP)レーザアレイ光モ
ジュール 図21に本発明の第5の実施例である、多波長半導体フ
ァブリペロー(FP)レーザアレイ光モジュールの構成
を示す。この光モジュールは、7μm間隔の極小アレイ
周期で各チャンネルの発振波長が異なるFPレーザの配
置された8チャンネルの多波長FPレーザアレイ41
と、コア径が60μmの光ファイバ32と、受光素子3
3と、ペルチェ素子34とで構成されている。8チャン
ネルのレーザアレイ41のアレイ全幅は、60μm以下
であるため、該レーザアレイから出力される光出力は、
全てレンズ35によりコア径60μmの光ファイバに結
合される。FPレーザアレイの電極37は、各チャンネ
ルに独立に電流注入できるように、部分的に窓が開いた
二重電極構造を用いた。
【0074】また、レーザアレイを構成する各半導体レ
ーザの活性層は、多重量子井戸(MQW)層39からな
り、各チャンネルで10mA程度の低しきい値電流発振
により、10mW以上の光出力を確認した。各チャンネ
ルの発振波長は、ch. 1=1530nm、ch. 2=15
40nm、ch. 3=1550nm、ch. 4=1560n
m、ch. 5=1570nm、ch. 6=1580nm、c
h. 7=1590nm、ch. 8=1600nmであっ
た。多波長FPレーザアレイの素子サイズは、横幅25
0μm、長さ390μmと小型であり、光モジュールも
通常の半導体レーザと同程度に小型化、低価格化を実現
できた。
【0075】実施例6 多波長半導体DFBレーザアレイ光モジュール 図22に本発明の第5の実施例である、多波長半導体D
FBレーザアレイ光モジュールの構成を示す。この光モ
ジュールは、10μm間隔の極小アレイ周期で配置され
た8チャンネルの異波長DFBレーザアレイ45、コア
径が80μmの光ファイバ32、受光素子33、ペルチ
ェ素子34、レンズ35、レンズ支持体36および波長
フィルタ38とで構成されている。8チャンネルのレー
ザアレイ45のアレイ全幅は、70μm以下であるた
め、アレイから出力される光出力は、全てレンズ35に
よりコア径80μmの光ファイバに結合される。DFB
レーザアレイの素子サイズは、幅250μm、長さ30
0μmであり、発振波長は、チャンネル毎に異なる周期
の回折格子10を用いることにより、1550nmを中
心として、ITUグリッドに合わせて0.8nmづつ、
またアレイ全体としては5.6nm程度変化させてい
る。アレイを構成する各DFBレーザの活性層は、多重
量子井戸(MQW)層39からなり、5mA程度の低し
きい値電流発振により、20mW以上の光出力を確認し
た。レーザアレイの各チャンネルの発振波長は、たとえ
ば誘電体多層膜波長フィルタなどの波長フィルタ38を
透過する光強度を受光素子でモニターし、ペルチェ素子
34を用いて規定温度にフィードバックすることによっ
て、目標の発振波長にロックできるようになっている。
DFBレーザアレイ45を用いることで、発振波長のモ
ード安定性を高め、より通信用途に適した光モジュール
とすることができた。
【0076】実施例7 波長可変DBRレーザアレイ光モジュール 本発明の第7の実施例である、波長可変DBRレーザア
レイ光モジュールは、図22において、8チャンネルの
多波長DFBレーザアレイを8チャンネルの波長可変D
BRレーザアレイに置き換えている。1チャンネルあた
りのDBRレーザの構造模式図を、図23に示す。8チ
ャンネルDBRレーザアレイは、各チャンネルの中心発
振波長を、ch.1=1535nm、ch.2=1540nm、ch.3=1545n
m、ch.4=1550nm、ch.5=1555nm、ch.6=1560nm、ch.7
=1565nmおよびch.8=1570nmとしている。広い波長範囲
で利得を十分に発生できるように、活性層にはバルク活
性層43を用いた。DBRレーザは、活性領域と、回折
格子領域+位相制御領域からなる波長チューニング領域
とからなり、波長チューニング電極42を通じて、チュ
ーニング電流を制御することにより、1チャンネルあた
り5nmの波長可変動作が可能であった。その結果、ア
レイ全体として35nmの広波長範囲に亘って単一モー
ド発振のできる波長可変DBRレーザアレイ光モジュー
ルを実現することができた。
【0077】実施例8 スポットサイズ変換器付きDFBレーザアレイ光モジュ
ール 図24に本発明の第8の実施例である、スポットサイズ
変換器(Supot Size Convertor:SSC )付きDFBレー
ザアレイ光モジュールを示す。6チャンネルのSSC付
きDFBレーザアレイ光モジュールは、図21の8チャ
ンネル多波長半導体FPレーザアレイを、6チャンネル
の多波長SSC付きDFBレーザアレイに置き換え、ま
た、125μmの光ファイバのコア径に置き換えてい
る。またInP基板上に作製されたSSC付きDFBレ
ーザアレイの1チャンネル分の構造斜視図を図24
(a)に示す。素子は、レーザ領域とSSC領域からな
り、SSC領域のMQW光導波路の層厚及び組成は、レ
ーザ領域境界部よりSSC領域端面へ向けて、緩やかに
薄く、かつ短波長化している。InPクラッド44の幅
は7μm、MQW活性層39の幅は1.5μmである。
また6チャンネル分のレーザ側横方向断面模式図を図2
4(b)に示す。アレイの周期は20μmで、アレイ全
幅は100μm程度であり、光ファイバ32のコア径1
25μmより狭くなっている。素子サイズとしては、レ
ーザ領域長400μm、SSC領域長250μm、チッ
プ横幅300μmと、従来の1チップ半導体光素子と同
等のサイズであった。また光モジュールに搭載したとき
の構造模式図を図24(c)に示す。SSC構造が付加
され、光の出射端でのスポットサイズを小さくできるた
め、アレイ全体の光出力をレンズを用いずにコア径12
5μmの光ファイバと直接結合することができた。各チ
ャンネルの発振波長は、それぞれ、1546.8nm、1548.4n
m、1550nm、1551.6nm、1553.2nm、1554.8nmであり、波
長のチャンネル間隔1.6nm (200GHz)となっていた。こ
のように、本発明のスポットサイズ変換器付きDFBレ
ーザアレイ光モジュールは、SSC構造を用いることに
よって、実施例6のようなSSC構造を用いない場合に
比較して、光ファイバとの結合損失を3dB程度低減す
ることができた。
【0078】前記した実施例6においては、SSC構造
に、層厚がテーパ状に薄くなる層厚テーパ構造を用いた
例を示した。本発明は、このような例の他に、その他の
SSC構造、例えばMQW光導波路幅をテーパ状に変化
させたもの、二重の光導波路を用いる等、いかなるSS
C原理を用いたものでも、SSC構造が集積された半導
体レーザアレイを用いた光モジュールに対して有効に採
用することができる。
【0079】実施例9 高出力0.98μm帯半導体レーザアレイ光モジュール 図25に本発明の第9の実施例である、高出力0.98
μm帯半導体レーザアレイ光モジュールの構成を示す。
図25(a)に示すように、半導体レーザアレイは5チ
ャンネルからなり、各チャンネルで高出力化するため
に、光導波路幅は後端2μm、光出射端10μmのテー
パ構造となっている。チャンネル間隔は20μm、アレ
イ全幅は80μmである。共振器長900μmでチップ
横幅は250μm、電流注入用電極は全チャンネル共通
で、アレイ全体を一度に駆動する構成となっている。そ
して、全アレイの光出力は、レンズを介して、一本の光
ファイバ(コア径100μm)に結合されている。また
光モジュールの横断面図を図25(b)に示す。このよ
うな光モジュールの最大光出力は、1チャンネルあたり
250mWであり、アレイ全体として、1Wを越える光
出力をこのようなモジュールアウトで実現することがで
きた。
【0080】本発明の実施例9において、光モジュール
にレンズを用いる例を示したが、光ファイバのコア径を
さらに広口径とし、かつ、レンズを使用せずに構成し
た、高出力0.98μm帯半導体レーザアレイ光モジュ
ール(980nm、帯域幅±10nm)に対しても、本
発明は有効である。上記した本発明の実施例9では、発
振波長0.98μm帯の高出力半導体レーザアレイ光モ
ジュールの例を示したが、本発明はその他の波長帯、例
えば、2〜10μm帯(2000〜10, 000nm
帯)、1.55μm帯(1, 550nm帯)、1.48
μm帯(1480nm帯)、1.3μm帯(1, 300
nm帯)、0.2〜1μm帯(200〜1, 000nm
帯)等についても、コア径の大きな光ファイバに大光出
力を結合するのに非常に有効である。特に、エルビウム
ドープ光ファイバ励起用光源としての、1.48μm帯
高出力半導体レーザアレイの場合には、高出力特性と多
波長特性を兼ね備えた、DFB構造を用いて、1.48
μm帯高出力多波長DFBレーザアレイ光モジュールを
構成する場合に、本発明は非常に有効である。
【0081】本発明の実施例1では、ディチューニング
が適切な値(±10nm)に制御されたマイクロアレイ
分布帰還(DFB)型半導体レーザの例を示したが、実
施例1のDFBレーザをDBRレーザ、DRレーザ、利
得結合型レーザ等に置き換えた場合においても、本発明
は有効である。
【0082】本発明の実施例2では、スポットサイズ変
換器付きのマイクロアレイ異波長半導体レーザの例を示
したが、実施例2の半導体レーザを、回折格子を有する
DFBレーザ、DBRレーザ、DRレーザ、利得結合型
レーザ等に置き換えた場合においても本発明は有効であ
る。
【0083】本発明の実施例3で示したスポットサイズ
変換器付きのマイクロアレイ半導体光アンプは、光ファ
イバ等に低損失結合させることが可能であるため、ファ
イバグレーティングと組み合わせた外部共振器型の単一
モードレーザを構成する場合にも全体の素子サイズを小
さくすることができるため、非常に有効である。更に、
石英系のプレーナーライトウエーブサーキット(PL
C)とも低損失結合することが可能であるので、石英系
PLCとハイブリッド実装した機能デバイスを構成する
場合にも、非常に有効である。例えば、文献:1997
年電子情報通信学会エレクトロニクスソサイエティ大会
講演論文集1、C−3−103に示されているような異
なる周期の回折格子が形成された石英系のプレーナーラ
イトウエーブサーキット(PLC)と、本発明の実施例
3で示したマイクロアレイ半導体光アンプをハイブリッ
ド実装することで、従来の1/10以下の小さいサイズ
で、縦モードが制御された外部共振器型の異波長単一モ
ードレーザを構成することができる。
【0084】本発明は、アレイを構成する光導波路間で
伝搬光が相互干渉することによって、全体で一つの横モ
ード、即ちスーパーモードで発振する半導体レーザアレ
イの作製にも非常に有効である。
【0085】また本発明は、InGaAsP/InP系
以外の材料、例えばInGaAsN/GaAs系、In
GaAlAs/InGaAsP系等の材料を用いた光集
積素子及び、それを実現する選択成長においても有効で
ある。本発明では、SiO2 マスクの開口幅を1.5μ
m として光導波路を選択成長で形成する例について述べ
たが、選択成長のSiO2 マスクの開口幅をもっと広く
した選択成長法に対しても有効である。
【0086】本発明の実施例6〜8では、回折格子を有
する縦単一モードレーザアレイの例として、DFBレー
ザ及びDBRレーザの例を示したが、本発明は、その他
の形態の縦単一モードレーザアレイの場合にも有効であ
る。このようなアレイとしては、例えば、分布反射(D
R)型レーザアレイ、利得結合型DFBレーザアレイ、
複素結合型DFBレーザアレイ、スパーストラクチャー
グレーティング(SSG)DBRレーザアレイ、チュー
ナブルツインガイド(TTG)型DFBレーザアレイ、
空気(誘電体)と半導体の回折格子を利用したDFB、
DBRレーザアレイ等である。
【0087】本発明の実施例8において、半導体レーザ
にSSCを集積したアレイ光モジュールの例を示した
が、本発明は、SSCを光変調器、光増幅器、受光素子
等に置き換えた、他のアレイ集積光素子の場合にも非常
に有効である。
【0088】また、単一の半導体レーザの動作温度をペ
ルチェ素子でコントロールして波長可変動作させる場
合、レーザの発振しきい値電流や光出力等の特性劣化を
抑制しつつ可変できる波長範囲は、せいぜい4nm程度
(変化温度範囲40℃程度の場合)である。すなわち、
半導体レーザをアレイ化して、多波長半導体レーザアレ
イ光モジュールを構成する場合、アレイ全体でカバーで
きる波長範囲が4nm以上となる場合に、本発明は特に
有効に使用することができる。また本発明の実施例6に
おいて、8chのアレイ全体でカバーできる波長範囲が
5.6nmである例を示したが、たとえば本発明では、
チャンネル数を減少させて、全体でカバーできる波長範
囲を4nm程度あるいはそれ以下とした多波長DFBレ
ーザアレイについても、本発明は有効である。このよう
に、波長範囲4nm以上をカバーできる多波長半導体レ
ーザアレイ光モジュールについて、本発明は非常に有効
である。なお、さらにチャンネル数を減少させれば、波
長範囲が4nm未満の範囲を適宜カバーすることもでき
る。
【0089】また、本発明においては、アレイ本数は特
に限定されないが、たとえば最小アレイ数について考え
てみると、最小アレイ数は2本とすることができる。こ
のアレイ数2本の半導体レーザアレイ光モジュールとし
た場合、用いることのできる光ファイバの最小コア径
は、最小アレイ間隔を7μm程度であるとすると15μ
m程度となる。このような結果、本発明は光ファイバの
口径を15μm以上として設定可能であり、この場合に
有効に実施可能である。
【0090】また一方、最大アレイ数については、最大
アレイ数は、アレイ間隔×(アレイ数―1)程度とする
ことができ、たとえば光ファイバの最大コア径程度に達
するまで増やすことが可能となる。特に素子の電極配置
等によって、本発明は、アレイ本数16本以下の場合に
非常に有効である。
【0091】また上記本発明の実施例5〜9において、
光ファイバに回折格子の無い例を示したが、本発明は、
例えば実施例6の多波長半導体FPレーザアレイと結合
させる光ファイバに、ファイバブラッググレーティング
のような回折格子を付加して、発振波長の単一モード安
定性を高めた光モジュールに適用可能であり、本発明
は、このような光モジュールに非常に有効である。
【0092】
【発明の効果】本発明によれば、誘電体薄膜の幅を特定
することにより、アレイサイズを微細化し、また、アレ
イを構成する隣り合う光導波路間で組成及び層厚を可変
にすることにより、均一な光素子特性を有する半導体光
導波路アレイを実現している。これにより、本発明の半
導体光導波路アレイの製造方法及びアレイ構造半導体光
素子は、アレイサイズを従来の1/10以下に超高集積
化することができるため、あらゆるアレイ構造半導体光
素子の1ウエハからの収量を10倍以上向上させること
が可能となり、アレイ構造半導体光素子を低コストで供
給する上で非常に有益である。更に、従来の技術では、
50μm 以下のアレイ間隔で超高集積されたアレイ構造
半導体光素子において、アレイを構成する各光導波層の
バンドギャップエネルギーを任意に制御することは技術
的に難しかったが、本発明を用いることにより、アレイ
を構成する各光導波層のバンドギャップエネルギーを均
一変化、線形変化等、任意に制御することが可能とな
り、超高集積された回折格子等を有するアレイ構造半導
体光素子の特性を均一化、高性能化できるという利点が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の選択成長で用いるSiO2 成長阻止マ
スクパターンを示す図である。
【図2】各チャンネルの積層構造を示す断面図である。
【図3】実験例1のMQW層のフォトルミネッセンス
(PL)ピーク波長のSiO2 マスク幅Wm 依存性を示
すグラフである。
【図4】実験例1のマスク幅Wm に対する光導波層の層
厚依存性を示すグラフである。
【図5】実験例2の各チャンネルのPLピーク波長依存
性を示すグラフである。
【図6】実験例2のPLスペクトルを示すグラフであ
る。
【図7】実験例3の各チャンネルのMQW層のPLピー
ク波長依存性を示すグラフである。
【図8】実施例1の回折格子の配置図である。
【図9】実施例1のマスクの平面図である。
【図10】実施例1の半導体レーザの層構造を示す断面
図である。
【図11】実施例2のマスクの平面図である。
【図12】実施例2のマスクの平面図である。
【図13】実施例2の半導体レーザの構造を示す部分断
面斜視図である。
【図14】実施例3のマスクの平面図である。
【図15】実施例3のマスクの平面図である。
【図16】実施例3の半導体レーザの構造を示す部分断
面斜視図である。
【図17】実施例4の回折格子の配置図である。
【図18】実施例4のマスクの平面図である。
【図19】実施例4の波長選択光源の構造を示す斜視図
である。
【図20】4チャンネルの半導体レーザアレイを用いた
場合の光モジュール内での光ファイバとレーザアレイの
配置模式図である。
【図21】実施例5の多波長半導体FPレーザアレイ光
モジュールの構造を示す図である。
【図22】実施例6の多波長半導体DFBレーザアレイ
光モジュールの構造を示す図である。
【図23】実施例7の多波長半導体DBRレーザアレイ
光モジュールの1チャンネルあたりの構造を示す図であ
る。
【図24】実施例8のスポットサイズ変換器付DFBレ
ーザアレイ光モジュールの構造を示す図である。
【図25】実施例9の高出力0.98μm帯半導体レー
ザアレイ光モジュールの構造を示す図である。
【符号の説明】
1 成長領域 2、3、4、5 SiO2 マスク 11 InGaAsP層 12 InP層 13 InGaAsP層 14 MQW活性層 15 InGaAsP層 16 InP層 17 p−InPクラッド層 18 p+ −InGaAsコンタクト層 19 SiO2 20 p電極 21 n電極 22 高反射コーティング膜 23 低反射コーティング膜 24 InPバッファー層 25 InGaAsPバルク層 31 半導体レーザアレイ 32 光ファイバ 33 受光素子 34 ペルチェ素子 35 レンズ 36 レンズ支持体 37 電極 38 波長フィルタ 39 MQW活性層 40 回折格子 41 FPレーザアレイ 42 チューニング電極 43 バルク活性層 44 InPクラッド 45 DFBレーザアレイ 46 SSC付きDFBレーザアレイ 47 0.98μm帯半導体レーザアレイ 77 ダミー成長領域 99 InP基板 100 実施例1の半導体レーザ 200 実施例2の半導体レーザ 300 光アンプ 400 波長選択光源

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に誘電体薄膜に挟まれて形成され
    たストライプ状成長領域に、量子井戸層を有する半導体
    多層構造、またはバルク層からなる半導体多層構造を選
    択的に結晶成長させてなる光導波路を複数本アレイ状に
    備えた半導体光導波路アレイの製造方法において、 並列に延在する複数本のストライプ状成長領域をそれぞ
    れ誘電体薄膜で挟んで形成し、各成長領域に選択的に量
    子井戸層を有する半導体多層構造、またはバルク層から
    なる半導体多層構造を有機金属気相成長法により結晶成
    長させる際、 前記各成長領域が、結晶成長時の反応管内での原料種の
    拡散長よりも短い間隔で並列に形成されており、前記各
    成長領域の間に配設された誘電体薄膜の幅はWa であ
    り、2本の最外側の成長領域の外側にそれぞれ配設され
    た第1最外誘電体薄膜の幅Wm1及び第2最外誘電体薄膜
    の幅Wm2が、Wm1>Wa 及びWm2>Wa であることを特
    徴とする半導体光導波路アレイの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第1最外誘電体薄膜の幅Wm1と前記
    第2最外誘電体薄膜の幅Wm2とをWm1≠Wm2にすること
    により、アレイを構成する各半導体光導波路の組成また
    は層厚を変化させることを特徴とする請求項1記載の半
    導体光導波路アレイの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記複数本の成長領域によってそれぞれ
    挟まれた各領域は、誘電体薄膜によって完全に被覆され
    ていることを特徴とする請求項1及び2記載の半導体光
    導波路アレイの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記複数本の成長領域の各々の隣同士の
    間隔が、50μm以下であることを特徴とする請求項1
    から3のうちのいずれか1項記載の半導体光導波路アレ
    イの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記複数本の成長領域の各々の幅が、1
    0μm以下であることを特徴とする請求項1から4のう
    ちのいずれか1項に記載の半導体光導波路アレイの製造
    方法。
  6. 【請求項6】 前記複数本の成長領域の本数、または前
    記誘電体薄膜の幅Wa 、Wm1及びWm2のうち少なくとも
    いずれか一つを前記成長領域の長手方向に沿って変化さ
    せることにより、アレイを構成する各光導波路の組成ま
    たは層厚を前記成長領域の長手方向に沿って変化させる
    ようにしたことを特徴とする請求項1から5のうちのい
    ずれか1項に記載の半導体光導波路アレイの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記複数本の成長領域の各間隔を前記成
    長領域の長手方向に沿って変化させることにより、各半
    導体光導波路の間隔を変化させることを特徴とする請求
    項1から6のうちのいずれか1項に記載の半導体光導波
    路アレイの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記複数本の各成長領域の幅、各成長領
    域の間隔、誘電体薄膜の幅Wa 、Wm1、及びWm2のうち
    少なくともいずれか一つが、基板上に形成された半導体
    光導波路アレイ相互間で異なることを特徴とする請求項
    1から7のうちのいずれか1項に記載の半導体光導波路
    アレイの製造方法
  9. 【請求項9】 基板上に誘電体薄膜に挟まれて形成され
    たストライプ状成長領域に、量子井戸層を有する半導体
    多層構造、またはバルク層からなる半導体多層構造を選
    択的に結晶成長してなる光導波路を備えた半導体光素子
    において、 前記光導波路が、結晶成長時の反応管内の原料種の拡散
    長よりも短い間隔で複数本アレイ状に配設されているこ
    とを特徴とするアレイ構造半導体光素子。
  10. 【請求項10】 前記アレイ状に配設された光導波路の
    アレイ本数が、16以下であることを特徴とする請求項
    9に記載のアレイ構造半導体光素子。
  11. 【請求項11】 前記光導波路が、50μm以下の間隔
    にて複数本アレイ状に配設されたことを特徴とする請求
    項9記載のアレイ構造半導体光素子。
  12. 【請求項12】 前記光導波路の幅が10μm以下であ
    り、光導波路の側壁が選択成長により形成された(11
    1)B結晶面であることを特徴とする請求項9から11
    に記載のアレイ構造半導体光素子。
  13. 【請求項13】 選択的に成長された結晶のバンドギャ
    ップエネルギー、又は層厚から選択される少なくとも一
    つが、隣り合う光導波路間で異なることを特徴とする請
    求項9から12のいずれか1項に記載のアレイ構造半導
    体光素子。
  14. 【請求項14】 前記アレイ状光導波路が、半導体バル
    ク活性層からなり、電流注入により光学利得を生じさせ
    る光増幅器の機能を有することを特徴とする請求項9か
    ら13のいずれか1項に記載のアレイ構造半導体光素
    子。
  15. 【請求項15】 前記アレイ状光導波路が、多重量子井
    戸層(MQW)からなり、光導波路の両端または光導波
    路の近傍に光の反射機構を有し、電流注入により光学利
    得を生じさせることにより、レーザ発振させることを特
    徴とする請求項9から13のうちのいずれか1項に記載
    のアレイ構造半導体光素子。
  16. 【請求項16】 光の反射機能が光導波路の近傍に設け
    られた回折格子によって生じることを特徴とする請求項
    9から13、又は15のいずれか1項に記載のアレイ構
    造半導体光素子。
  17. 【請求項17】 前記回折格子の周期が隣り合う光導波
    路間で異なることを特徴とする請求項16に記載のアレ
    イ構造半導体光素子。
  18. 【請求項18】 前記アレイ状光導波路の少なくとも一
    方の端に光のスポットサイズ変換器が集積されたことを
    特徴とする請求項9から17のうちのいずれか1項に記
    載のアレイ構造半導体光素子。
  19. 【請求項19】 前記アレイ状光導波路の少なくとも一
    方の端に、スターカップラ、多モード干渉器(MMI、
    Multi Mode Interference )から選択される少なくとも
    1つの光合波器を集積したことを特徴とする請求項9か
    ら18のいずれか1項に記載のアレイ構造半導体光素
    子。
  20. 【請求項20】 前記アレイ構造半導体光素子が、発振
    波長970から990nmの範囲の半導体レーザアレイ
    であることを特徴とする請求項9から12、または15
    から18のいずれか1項に記載のアレイ構造半導体光素
    子。
  21. 【請求項21】 前記アレイ構造半導体光素子が、発振
    波長1450から1510nmの範囲の半導体レーザア
    レイであることを特徴とする請求項9から12または1
    5から18のいずれか1項に記載のアレイ構造半導体光
    素子。
  22. 【請求項22】 請求項14又は15に記載のアレイ構
    造半導体光素子と、回折格子等が形成された石英系Plan
    er Lightwave Circuit(PLC)とが、ハイブリッド集
    積されたことを特徴とする複合共振器型多波長光源。
  23. 【請求項23】 請求項9から22のうちのいずれか1
    項に記載されたアレイ構造半導体光素子の少なくとも一
    個が用いられていることを特徴とする光モジュール。
  24. 【請求項24】 さらにアレイ状に配設された半導体光
    素子からの光出力を実質的に全集光する光学素子と、該
    光出力を取出すことを特徴とする請求項23に記載の光
    モジュール。
  25. 【請求項25】 少なくともアレイ構造半導体光素子
    と、該アレイ構造半導体光素子からの光出力を導出する
    光ファイバと、当該アレイ構造半導体光素子からの光出
    力をモニタする受光素子と、からなる光モジュールであ
    って、 前記アレイ構造半導体光素子が、請求項9から21のい
    ずれか1項に記載のアレイ構造半導体光素子から選択さ
    れた少なくとも1つのアレイ構造半導体光素子であり、
    該アレイ構造半導体光素子から出射された実質的に全光
    を前記光ファイバにより導出することを特徴とする光モ
    ジュール。
  26. 【請求項26】 アレイ状に配設された半導体光素子か
    らの光出力された波長を制御する波長フィルタをさらに
    有することを特徴とする請求項23から25のいずれか
    1項に記載の光モジュール。
  27. 【請求項27】 請求項9から21のいずれか1項に記
    載されたアレイ構造半導体光素子の少なくとも1個が用
    いられていることを特徴とする光通信システム。
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