JP2002324948A - 半導体レーザ及びレーザモジュール - Google Patents

半導体レーザ及びレーザモジュール

Info

Publication number
JP2002324948A
JP2002324948A JP2001127475A JP2001127475A JP2002324948A JP 2002324948 A JP2002324948 A JP 2002324948A JP 2001127475 A JP2001127475 A JP 2001127475A JP 2001127475 A JP2001127475 A JP 2001127475A JP 2002324948 A JP2002324948 A JP 2002324948A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mode
semiconductor laser
laser
order
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001127475A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaki Funahashi
政樹 舟橋
Shuichi Tamura
修一 田村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Furukawa Electric Co Ltd filed Critical Furukawa Electric Co Ltd
Priority to JP2001127475A priority Critical patent/JP2002324948A/ja
Publication of JP2002324948A publication Critical patent/JP2002324948A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高出力化が可能であり、単一モードで安定に
発振性するDFB半導体レーザを提供する。 【解決手段】 横モードで多モードでの発振が可能な導
波路構造を有し、その内n次モード(n≧1)以外のモ
ードでの損失を大きくする吸収層又は選択的に利得を減
ずる回折格子を共振器の特定位置に形成する。n次モー
ドで単一モード発振するDFB半導体レーザが得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信用の半導体
レーザ及び光モジュールに関し、特に、多モード導波路
構造を有する半導体レーザ及びこれを備えるレーザモジ
ュールに関する。
【0002】
【従来の技術】分布帰還型半導体レーザ(以下、DFB
レーザ)は、共振器内部に屈折率の実部又は虚部が周期
的に変化する構造(以下、回折格子)を有し、特定の波
長の光にだけ帰還をかけることで波長選択性を持たせ、
単一モード(単一波長)でのみレーザ発振する半導体レ
ーザである。単一モード発振としたことにより、長距離
の光通信用光源として使用することができる。
【0003】従来の光通信用DFBレーザのファイバ光
出力値としては、直接変調タイプや光変調器が集積され
ているタイプでは出力値が1〜2mW程度までであり、
比較的高出力なCWタイプにおいても高々50mW程度
までであった。一般に、半導体レーザの注入電流を増加
させていくと光出力が飽和傾向を示し、発光効率が徐々
に低下し最終的には増分がゼロとなる。このように光出
力が飽和する主な原因は、リーク電流の増加や自己発熱
による熱飽和である。ここで、リーク電流はレーザ構造
の改善により減らすことができる。また、熱飽和はレー
ザの直列抵抗や熱抵抗を小さくすることにより制御する
ことができるものの、使用する材料による限界がある。
したがって、通常は、最終的に光出力を制限するのは熱
飽和となることが多い。
【0004】一般に、半導体レーザを高出力化するに
は、以下の3つの構造: 非対称端面反射率を採用し、前端面を低反射率に、後
端面を高反射率にする; 活性層幅を拡げる; 共振器長を長くする; が用いられる。
【0005】まず、については、前端面に数%〜1%
以下程度の低反射(無反射)コーティングを施し、後端
面に90%程度もしくはそれ以上の高反射コーティング
を施すことにより、前端面からの出力割合をある程度増
やすことができる。しかし、前後端面の反射率比がある
程度以上になると、前端面光出力は、それ以上は増えな
くなる。
【0006】については、活性層幅を広くすることに
より、光出力の熱飽和レベルを増大させることができ
る。しかし、半導体レーザの横モードを単一モードとす
るためには、活性層の幅に上限があり、むやみに大きく
することができない。
【0007】は、共振器長を長くして、光利得を与え
る領域を大きくするという方法で、ファブリ・ペローレ
ーザ(FPレーザ)ではよく使われる手法である。DF
Bレーザにおいても、共振器長を長くすることにより、
ある程度の高出力化ができるものの、この場合、単一モ
ード歩留りが劇的に低下するという問題が生じる。これ
は、共振器長を長くすると、ファブリ・ペローモードの
波長間隔が狭くなり、多数のモードが同時に発振しやす
くなるからである。
【0008】また、共振器長を長くすると、共振器方向
で光の密度やキャリア密度の均一性が乱れやすくなるた
め、軸方向空間ホールバーニングが生じて多モード発振
を引き起こしやすい。このような理由から、DFBレー
ザにおいては、歩留りを考慮すると、共振器長を長くし
て高出力化を図ることには限界がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来技
術では、DFBレーザの高出力化を図る際に、高出力化
に限界があり、或いは、単一モード性が損なわれるとい
う問題があった。特に、FPレーザでは有効なの方法
が、DFBレーザでは単一モード性が低下するために使
えない。
【0010】については、レーザの横モードを多モー
ド導波路にすると、導波路内に基本モード(0次モー
ド)と高次のモードとが共存し、複数の波長で同時に発
振してしまう。また、横モードの選択性が小さいと、注
入電流を増加していくと発振状態が不安定になる。
【0011】特開平6−310801号公報には、DF
Bレーザの横モードを単一ではなくマルチ(多)モード
とし、かつ、高次の横モードでのみ安定してレーザ発振
させることで、高出力の単一波長レーザを実現する方法
が提案されている。しかし、この方法では、低次の横モ
ードの発振を十分に抑制することができず、高次モード
と低次モードとが共に発振し、単一波長動作が不完全に
なり、或いは、雑音が発生するなどの問題が生じる。
【0012】また、上記公報に記載された、高次の横モ
ードで発振している半導体レーザでは、その出力光を一
般に光通信で使用されるシングルモードファイバに結合
すると、大きな結合損失が生じる。このため、この半導
体レーザを光通信用光源として使用するのは実用的でな
かった。
【0013】本発明は、上記のような従来の分布帰還型
半導体レーザにおける課題を解決するため、低次の横モ
ードの発振を充分に抑制し、高次横モードのみで安定発
振を実現する半導体レーザ装置、特にDFB型半導体レ
ーザとして好適な半導体レーザ装置、及び、これを備え
るレーザモジュールを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の半導体レーザは、第1の視点において、横
方向がm次(mは1以上の整数)の多モード導波路構造
を有する半導体レーザにおいて、n次横モード(nは1
以上でm以下の整数)以外の横モードに対して選択的に
利得を減ずる構造を備え、n次横モードのみで発振する
ことを特徴とする。
【0015】また、本発明の半導体レーザは、第2の視
点において、横方向がm次(mは1以上の整数)の多モ
ード導波路構造を有する半導体レーザにおいて、n次横
モード(nは1以上でm以下の整数)以外の横モードに
対して選択的に損失を与える吸収層を備え、n次横モー
ドのみで発振することを特徴とする。
【0016】本発明の第1及び第2の視点の半導体レー
ザは、導波路構造によってレーザの横モードを多モード
化し、その内の高次モードのみで選択的に発振させるこ
とにより、単一波長動作を保ちつつ、レーザの飽和出力
を増大させる。共振器長を長くする方法に比べると、高
い歩留まりが実現できる。本発明の半導体レーザは、D
FBレーザとして好適な構造を有するが、FPレーザと
しても構成できる。
【0017】本発明における横モードの多モード化は、
レーザの導波路構造のストライプ幅を所定以上の幅にす
ることで得られる。n次モード以外の横モードの利得を
減少させる構造は、例えばDFBレーザでは共振器の特
定位置に回折格子を形成することで得られ、また、n次
モード以外の横モードの損失を増やす構造は、例えば共
振器の特定位置に光吸収層を形成することで得られる。
【0018】本発明の半導体レーザの好ましい態様で
は、n次として単一の値を採用し、単一の波長で発振す
る。この場合、光通信等の光源として好適な単一波長で
発振する半導体レーザが得られる。
【0019】本発明の半導体レーザの更に好ましい態様
では、レーザの出射側にMMI(Multi Mode Interfere
nce)導波路デバイスを備え、該MMI導波路デバイス
の出射端面では横モードが基本モードである。この場
合、半導体レーザが発振する高次モードのレーザを基本
モードのレーザに変換することで、光通信で好適なレー
ザモジュールが得られる。なお、ここで基本モードとは
0次モードのことを言い、1次モード以上を含むことを
多モードと呼ぶ。
【0020】また、本発明の半導体レーザでは、前記多
モード導波路構造をシングルモード光ファイバに結合す
る結合手段を有することが好ましい。この場合、光ファ
イバとの結合が容易であり、特に、光通信の光源として
好適な半導体レーザが得られる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照し本発明の実施
形態例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。実施形態例1 図1は、本発明の第1の実施形態例に係る半導体レーザ
の縦断面を示す。また、図2はその半導体レーザの部分
欠損斜視図である。本実施形態例の半導体レーザ10
は、発振波長を約1550nmに設定したDFBレーザ
であり、共振器を埋込みヘテロ構造として形成してあ
る。本実施形態例の半導体レーザ10は以下のように作
製された。
【0022】まず、MOCVD結晶成長装置を用い、成
長温度600℃で、n−InP基板11上に、n−In
Pバッファ層12、及び、MQW活性層を含むMQW−
SCH(分離閉込めヘテロ接合を有する多重量子井戸)
構造13を順次に成長した。量子井戸構造13の活性層
の量子井戸数は6とした。この基板上に、電子ビーム
(EB)描画用レジストを約100nmの厚さで塗布
し、図3に示すような、約244nmの周期でレーザの
共振器方向に並ぶスリットを有する2列の回折格子パタ
ーン22をEB描画装置により形成した。
【0023】回折格子15は、後に形成する共振器の幅
方向の中心部を除いて、双方の縁部に隣接して形成され
た。回折格子15の周期Λは、発振させたい波長(λ
DFB)と、発振させる次数の横モードに対する実効屈折
率(neff)とから、次式: Λ=λDFB/2neff を用いて設定した。
【0024】EB描画で形成した回折格子パターンをマ
スクとしてエッチングを行い、量子井戸構造13上に回
折格子層15を形成した。回折格子層15作製のための
エッチングには、メタン・水素系のドライエッチングを
用い、6つある量子井戸の上から3層のみをエッチング
した。
【0025】次に、形成した回折格子層15上に、MQ
W−SCH構造の埋め込み再成長をMOCVD装置にて
行った後、プラズマCVD装置を用いて基板全面にSi
x膜(図示せず)を成膜した。次に、フォトリソグラ
フィと反応性イオンエッチング装置(RIE)とによ
り、SiNx膜をストライプ形状に加工してSiNxマス
クとした、次に、このSiNxマスクをエッチングマス
クとして、MQW−SCH構造15内の上部クラッド層
及び活性層をエッチングして、メサストライプを形成し
た。このようなメサストライプの構造では、一般に活性
層のストライプ幅が約2μm以下の場合には高次モード
がカットオフされるため、活性層の幅を約4.3μm程
度とした。このように、活性層幅を4.3μmとするこ
とで、横方向は多モードとなり、0次及び1次の2つの
導波モードが存在し得る。
【0026】次いで、SiNxマスクを選択成長マスク
として、メサストライプの両サイドにキャリアブロック
層を作るべく、p型InP層(p−InP)18及びn
−InP層19の成長を行った。これによって、いわゆ
る埋込みヘテロ構造のレーザ共振器を得た。SiNx
スクを除去した後に、約2μm厚のp−InPクラッド
層16と、コンタクトを取るための高ドープGaInA
s層17とを順次に成長した。
【0027】基板厚が120μm程度になるように裏面
から基板を研磨し、上面のp側電極20としてTi/P
t/Au電極を形成し、裏面のn側電極21としては、
AuGeNi電極を形成した。このウエハを、共振器長
が400μmとなるように劈開し、前端面に無反射コー
ティングを、後端面に90%程度のHRコーティングを
夫々施した。得られた共振器構造をチップ化してボンデ
ィングを行い、その特性を評価した。
【0028】作製したレーザのしきい値電流は約15m
Aで、良好な単一モード発振が得られた。横方向は1次
モードの安定した発振が得られており、電流を高注入し
た場合においても、0次モードでの発振は充分に抑制さ
れていた。
【0029】上記構造では、回折格子をストライプの両
側にのみ作製し、かつ活性層の中央部は量子井戸の一部
がエッチングされていて利得が少ないことから、1次モ
ードには分布帰還がかかるので発振に十分な利得が得ら
れ、一方、0次モードには分布帰還がかからず、利得が
小さいので、0次モードが抑圧されている。
【0030】また、活性層幅を4.3μmにしたこと
で、活性層幅が2.0μmの単一横モードレーザと比較
して、飽和光出力は約1.7倍に増加した。また、共振
器長が400μmであるため、FPモード間隔はそれほ
ど狭くなく、単一モード歩留りが82%と良好な値であ
った。
【0031】副モード抑圧比(SMSR)としては45
〜55dBと良い値が得られた。副モード抑圧比は、横
モードストライプ幅を拡げる単一モード性の指標であ
る。また、発光効率も単一横モードのDFBレーザと比
較しても遜色はなかった。各素子の特性ばらつきも非常
に小さかった。これは、活性層幅が広いことから、作製
プロセスの均一性が高くなったことによると考えられ
る。
【0032】実施形態例2 図4は、本発明の第2の実施形態例に係る半導体レーザ
30の構成を示す。この半導体レーザ30は、DFBレ
ーザ領域31と、DFBレーザ領域31のレーザ出射端
に配設したMMI領域32とから構成される。DFBレ
ーザ31には、その中央部に吸収層33が形成されてい
る。DFBレーザ領域31は、1次モードで発振し、M
MI領域32は、これを0次モードに変換している。
【0033】一般に、レーザからの出力光をシングルモ
ード光ファイバに結合させる場合には、レーザの横モー
ドが多モードであると結合効率が低下してしまう。この
ため、本実施形態例では、DFBレーザ領域31の出力
側にMMI導波路(多モード干渉導波路)32を付加
し、レーザからの高次モード出力を基本モードの単一モ
ードに変換している。DFBレーザ領域31はリッジ型
としている。本実施形態例の半導体レーザのサンプルを
作製した。図5を参照してその製造方法を説明する。
【0034】まず、MOCVD結晶成長装置を用い、n
−InP基板201上に、n−InPバッファ層20
2、MQW活性層を含むMQW−SCH構造203、p
−InPスペーサ層204、及び、回折格子層205を
順次に成長した。p−InPスペーサ層204の厚さは
100nm、回折格子層205には発振波長を吸収する
組成であるInGaAsを用い、厚さは30nmとし
た。回折格子層205に吸収的な材料を使用したため、
DFBレーザのタイプとしては、吸収性回折格子型の利
得結合型となる。
【0035】次にDFBレーザ領域31をSiNx膜で
覆い、MMI領域32のMQW活性層をエッチングによ
り除去したのち、MMI領域32の導波路構造の結晶成
長(バットジョイント成長)を行った。MMI領域32
のコア部208にはバンドギャップ波長が1.3μmの
InGaAsPを用いた。
【0036】DFBレーザ領域31上に電子ビーム(E
B)描画用レジストを約100nmの厚さで塗布し、図
6のようなマスクパターンをEB描画装置により形成し
た。マスクパターンは、図4の回折格子パターンと同様
な回折格子パターン34と、リッジの中央部に形成した
吸収層用のパターン35とを含む。このマスクパターン
をエッチングマスクとして用い、回折格子層205のエ
ッチングを行なった。このようなパターンにより、中心
部分には吸収層33が残るため、0次の基本モードに対
する導波路損失が増加し、0次モード及び2次モードで
は発振しにくくなる。
【0037】次に、回折格子205の埋め込み再成長
と、p型クラッド層206及びp型コンタクト層207
の結晶成長とをMOCVD装置を用いて行なった。p型
クラッド層206中にエッチングストップ層209も成
長した。これはエッチングによりリッジ型ストライプの
加工をする際に使用する。
【0038】その後、プラズマCVD装置を用いて基板
全面にSiNx膜(図示せず)を成膜し、次いで、フォ
トリソグラフィと反応性イオンエッチング(RIE)と
により、DFBレーザ領域のSiNx膜を7μm幅のス
トライプ形状に加工した。更に、このSiNxマスクを
エッチングマスクとしてp型クラッド層206をエッチ
ングし、リッジ形状に加工した。この場合にも、横方向
は多モードとなり、導波路構造としては、0次、1次、
2次の3つのモードが存在し得る設計である。また、M
MI領域32のエッチングも同時に行った。
【0039】基板全面にSiNxパッシベーション膜を
成膜した後に、DFBレーザ領域31のメサ上部のSi
xのみを除去して、その上にp型電極(Ti/Pt/
Au)210を形成した。また、研磨により基板膜厚を
120μm程度に調整し、基板裏面側にn型電極(Au
GeNi)211を形成した。
【0040】MMI領域の出射端面に無反射コーティン
グを、DFBレーザ領域の後端面に90%程度のHRコ
ーティングを夫々施した後に、劈開によってチップ化
し、これを他の機器と組み合わせてレーザモジュールと
した。得られたモジュールの特性を評価することとし
た。
【0041】図7は、作成したレーザモジュールを示
す。レーザモジュール50は。モジュール全体を収容す
るパッケージ59と、パッケージ59の床部に多数の冷
却用のペルチェ素子58を介して取り付けられたベース
57と、ベース57上に配置されたモジュール内機器と
を有する。モジュール内機器には、光アイソレータ53
と、凸レンズを成す第1レンズ52と、ヒートシンク5
7a上に搭載された、DFBレーザ領域及びMMI領域
を含む半導体レーザ装置51と、同様にヒートシンク5
7a上に搭載されたサーミスタ58aと、半導体レーザ
装置51の電流を検出する電流モニタ56とが含まれ
る。パッケージ59のレーザ光出射側開口内には第2レ
ンズ54が取り付けられ、第2レンズ54は、光アイソ
レータ53と、外部のシングルモード光ファイバ55と
を光学的に結合している。
【0042】上記レーザモジュール50の評価にあたっ
ては、電流モニタ56によって半導体レーザ51のしき
い値電流を計測しつつ、半導体レーザ装置51を単一モ
ード発振させた。その際に、半導体レーザ装置51で発
生した熱をペルチェ素子58によって冷却した。得られ
たレーザ光は、第1レンズ52、光アイソレータ53、
第2レンズ54及び光ファイバ55を通して図示しない
光計測器に導き、単一モード発振を確認すると共に、そ
の波長を計測した。
【0043】レーザモジュール50は、しきい値電流が
約17mAで発振し、良好な単一モード動作を示した。
DFBレーザの横方向モードは1次モードで、安定した
発振が得られており、0次及び2次モードでの発振は充
分に抑制されていた。DFBレーザ領域の共振器長は5
00μmとしてあり、単一モード歩留りも約70%と良
好であった。半導体レーザ51のMMI領域からの出力
は、0次の基本モードであった。MMI領域を設けたこ
とにより、シングルモード光ファイバとの間で良好な光
結合が得られた。
【0044】リッジ幅を7μmとすることにより、リッ
ジ幅が4μmで単一横モード発振した実施形態例1のレ
ーザと比較して、飽和光出力は約1.6倍に増大した。
更に、副モード抑圧比として、平均でも約50dBと非
常に良い値が得られた。これは、吸収回折格子型の利得
結合構造にしたことによる効果と考えられる。
【0045】本実施形態例では、レーザの導波路構造は
リッジ型としたが、実施形態例1のように埋込みヘテロ
構造にしても良い。また、本実施形態例では、回折格子
を有するDFBレーザを例に挙げたが、図6のパターン
から回折格子34を除いて、メサストライプの中心部分
にのみ吸収層33が残存するパターン35を用いれば、
FPタイプの高出力レーザを実現することが可能であ
る。
【0046】上記実施形態例では高次モードのうち、1
次モードを選択した例を挙げたが、2次モードのみを選
択して、大きな飽和光出力を得る設計にすることも可能
である。いずれの場合においても、単一の高次モードの
みで発振するように、回折格子パターンや吸収層等を工
夫し、発振モード以外の横モードを十分に抑制する。
【0047】また、本発明を実現できる材料系について
も、InGaAsP/InP系だけに限定されるもので
はなく、AlGaAs/GaAs系や、InAlGaA
s(P)/InP系などでもよい。
【0048】以上、本発明をその好適な実施形態例に基
づいて説明したが、本発明の半導体レーザ装置は、上記
実施形態例の構成にのみ限定されるものではなく、上記
実施形態例の構成から種々の修正及び変更を施したもの
も、本発明の範囲に含まれる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の半導体レ
ーザによると、レーザの横モードを多モード化し、その
内で高次のモードのみを選択的に発振させる構成を採用
したことにより、単一波長動作を保ちつつ、レーザの飽
和光出力を大幅に増大させることが可能である。また、
共振器長を長くして高出力化する方法と比較すると、高
い単一モード歩留りが実現できる。
【0050】更に、レーザの出力側にMMIデバイスを
集積することにより、MMI通過後のモードフィールド
を0次モードに変換することが可能であり、シングルモ
ード光ファイバとの高効率な結合を行なうことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態例1に係る半導体レーザの断
面図。
【図2】図1の半導体レーザの部分欠損斜視図。
【図3】図1の半導体レーザで使用する回折格子のパタ
ーンマスクの平面図。
【図4】本発明の実施形態例2に係る半導体レーザの模
式的構成図。
【図5】図4の半導体レーザにおけるDFBレーザ領域
の断面図。
【図6】図4の半導体レーザで使用するパターンマスク
の平面図。
【図7】図5の半導体レーザを含むレーザモジュールの
縦断面図。
【符号の説明】
10 DFBレーザ 11 n−InP基板 12 n型バッファ層 13 MQW−SCH活性層 15 InGaAsP吸収性回折格子 16 p−InPクラッド層 17 InGaAsコンタクト層 18 p−InP電流ブロッキング層 19 n−InP電流ブロッキング層 20 p電極 21 n電極 22 回折格子パターン 30 半導体レーザ 31 DFBレーザ領域 32 MMI領域 33 吸収層 34 回折格子パターン 35 吸収層パターン 50 半導体レーザモジュール 51 半導体レーザ 52 第1レンズ 53 アイソレータ 54 第2レンズ 55 光ファイバ 56 電流モニタ 57 ベース 57a ヒートシンク 58 ペルチェ素子 58a サーミスタ 59 パッケージ 201 n−InP基板 202 n−バッファ層 203 MQW−SCH活性層 204 p−InPスペーサ層 205 GaInAs吸収性回折格子 206 p−InPクラッド層 207 GaInAsコンタクト層 208 InGaAsP導波路層 209 エッチングストップ層 210 p電極 211 n電極
フロントページの続き Fターム(参考) 2H037 AA01 BA03 DA38 5F073 AA22 AA53 AA64 AA74 AA83 AB01 AB27 BA01 CA12 CB22 DA05 DA25 EA15 EA18 EA24 FA02 FA25 GA14 GA23 HA10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 横方向がm次(mは1以上の整数)の多
    モード導波路構造を有する半導体レーザにおいて、 n次横モード(nは1以上でm以下の整数)以外の横モ
    ードに対して選択的に利得を減ずる構造を備え、n次横
    モードのみで発振することを特徴とする半導体レーザ。
  2. 【請求項2】 横方向がm次(mは1以上の整数)の多
    モード導波路構造を有する半導体レーザにおいて、 n次横モード(nは1以上でm以下の整数)以外の横モ
    ードに対して選択的に損失を与える吸収層を備え、n次
    横モードのみで発振することを特徴とする半導体レー
    ザ。
  3. 【請求項3】 単一の波長で発振することを特徴とす
    る、請求項1又は2に記載の半導体レーザ。
  4. 【請求項4】 DFBレーザとして構成される、請求項
    1〜3の何れかに記載の半導体レーザ。
  5. 【請求項5】 レーザの出射側にMMI導波路デバイス
    を備え、該MMI導波路デバイスの出射端面では横モー
    ドが基本モードであることを特徴とする、請求項1〜4
    の何れかに記載の半導体レーザ。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の半導体レーザと、前記
    多モード導波路構造をシングルモード光ファイバに結合
    する結合手段とを有することを特徴とするレーザモジュ
    ール。
JP2001127475A 2001-04-25 2001-04-25 半導体レーザ及びレーザモジュール Pending JP2002324948A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001127475A JP2002324948A (ja) 2001-04-25 2001-04-25 半導体レーザ及びレーザモジュール

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001127475A JP2002324948A (ja) 2001-04-25 2001-04-25 半導体レーザ及びレーザモジュール

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002324948A true JP2002324948A (ja) 2002-11-08

Family

ID=18976335

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001127475A Pending JP2002324948A (ja) 2001-04-25 2001-04-25 半導体レーザ及びレーザモジュール

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002324948A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003273462A (ja) * 2002-03-14 2003-09-26 Nec Corp 半導体レーザーモジュール、ファイバー型光増幅器、光中継器、および光伝送システム
JP2006120923A (ja) * 2004-10-22 2006-05-11 Fuji Photo Film Co Ltd 半導体レーザ装置
JP2009004488A (ja) * 2007-06-20 2009-01-08 Opnext Japan Inc 光集積素子、及びその製造方法
US7949027B2 (en) 2008-11-13 2011-05-24 Mitsubishi Electric Corporation Semiconductor laser device
JP2011119312A (ja) * 2009-12-01 2011-06-16 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 半導体レーザ装置
JP2011135008A (ja) * 2009-12-25 2011-07-07 Fujitsu Ltd 光半導体装置
JP2016114658A (ja) * 2014-12-11 2016-06-23 日本オクラロ株式会社 光通信装置、及び光通信装置の製造方法
US9431793B2 (en) 2014-03-19 2016-08-30 Kabushiki Kaisha Toshiba Semiconductor laser device
JP2019117394A (ja) * 2019-03-07 2019-07-18 日本ルメンタム株式会社 光通信装置、及び光通信装置の製造方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06181355A (ja) * 1992-12-14 1994-06-28 Canon Inc 波長可変光デバイス及びそれを用いた光通信システム
JPH06310801A (ja) * 1993-04-26 1994-11-04 Yokogawa Electric Corp 半導体レーザ
JPH10107369A (ja) * 1996-09-30 1998-04-24 Sharp Corp 半導体レーザ素子
JPH10308553A (ja) * 1997-05-08 1998-11-17 Sharp Corp 半導体レーザ装置
JPH1140885A (ja) * 1997-07-18 1999-02-12 Shimadzu Corp 半導体レーザ装置
JP2000012952A (ja) * 1998-04-23 2000-01-14 Nec Corp 半導体光導波路アレイの製造方法及びアレイ構造半導体光素子
JP2000294809A (ja) * 1999-02-04 2000-10-20 Hitachi Ltd 光モジュール、送信装置、受信装置、光スイッチ装置、光通信装置、アド・ドロップ装置および光モジュールの製造方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06181355A (ja) * 1992-12-14 1994-06-28 Canon Inc 波長可変光デバイス及びそれを用いた光通信システム
JPH06310801A (ja) * 1993-04-26 1994-11-04 Yokogawa Electric Corp 半導体レーザ
JPH10107369A (ja) * 1996-09-30 1998-04-24 Sharp Corp 半導体レーザ素子
JPH10308553A (ja) * 1997-05-08 1998-11-17 Sharp Corp 半導体レーザ装置
JPH1140885A (ja) * 1997-07-18 1999-02-12 Shimadzu Corp 半導体レーザ装置
JP2000012952A (ja) * 1998-04-23 2000-01-14 Nec Corp 半導体光導波路アレイの製造方法及びアレイ構造半導体光素子
JP2000294809A (ja) * 1999-02-04 2000-10-20 Hitachi Ltd 光モジュール、送信装置、受信装置、光スイッチ装置、光通信装置、アド・ドロップ装置および光モジュールの製造方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003273462A (ja) * 2002-03-14 2003-09-26 Nec Corp 半導体レーザーモジュール、ファイバー型光増幅器、光中継器、および光伝送システム
JP2006120923A (ja) * 2004-10-22 2006-05-11 Fuji Photo Film Co Ltd 半導体レーザ装置
JP2009004488A (ja) * 2007-06-20 2009-01-08 Opnext Japan Inc 光集積素子、及びその製造方法
US7949027B2 (en) 2008-11-13 2011-05-24 Mitsubishi Electric Corporation Semiconductor laser device
JP2011119312A (ja) * 2009-12-01 2011-06-16 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 半導体レーザ装置
JP2011135008A (ja) * 2009-12-25 2011-07-07 Fujitsu Ltd 光半導体装置
US9431793B2 (en) 2014-03-19 2016-08-30 Kabushiki Kaisha Toshiba Semiconductor laser device
JP2016114658A (ja) * 2014-12-11 2016-06-23 日本オクラロ株式会社 光通信装置、及び光通信装置の製造方法
JP2019117394A (ja) * 2019-03-07 2019-07-18 日本ルメンタム株式会社 光通信装置、及び光通信装置の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3104789B2 (ja) 半導体光素子およびその製造方法
Li et al. Partly gain-coupled 1.55 mu m strained-layer multiquantum-well DFB lasers
WO2009116140A1 (ja) 光半導体素子及びその製造方法
US20030016720A1 (en) Semiconductor laser device having selective absortion qualities
JP2005510090A (ja) ブロードバンド・コミュニケーション・システムのための面発光dfbレーザ構造およびこの構造の配列
US7835415B2 (en) Single longitudinal mode laser diode
CA2473396C (en) High coherent power, two-dimensional surface-emitting semiconductor diode array laser
JP3381534B2 (ja) 自励発振型半導体レーザ
JP3745985B2 (ja) 複素結合型の分布帰還型半導体レーザ素子
JP2002324948A (ja) 半導体レーザ及びレーザモジュール
US6728288B2 (en) DFB semiconductor laser device
Ohira et al. Low-threshold and high-efficiency operation of distributed reflector lasers with width-modulated wirelike active regions
JP3339486B2 (ja) 半導体レーザとその製造方法及び半導体レーザを用いた光モジュール及び光通信システム
US6661828B2 (en) Semiconductor laser device
JP2000269587A (ja) 光半導体装置及びその製造方法
JP2950302B2 (ja) 半導体レーザ
JP2003243767A (ja) 半導体レーザ及びこの素子を含む半導体光集積素子の製造方法
WO2020255183A1 (ja) 半導体光源素子および光半導体導波路窓構造の製造方法
US6707835B2 (en) Process for producing semiconductor laser element including S-ARROW structure formed by etching through mask having pair of parallel openings
JP5163355B2 (ja) 半導体レーザ装置
Wang et al. Low-chirp and high-power 1.55-μm strained-quantum-well complex-coupled DFB laser
US20030094617A1 (en) Laser diode
JP3154244B2 (ja) 半導体レーザ装置およびその製造方法
JP2004128372A (ja) 分布帰還型半導体レーザ素子
JP2783163B2 (ja) 分布帰還型半導体レーザおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080107

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20100409

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100727

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20100730

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100727

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100927

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110426

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110906