JP2011135008A - 光半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光出力の飽和を抑制し、十分な特性が得られるようにしながら、安定した単一横モード動作を実現できるようにする。
【解決手段】光半導体装置を、活性領域1と、活性領域1の一端側に設けられ、第1回折格子6を装荷した第1導波路10を有する第1分布反射鏡領域2とを備えるものとし、第1回折格子6を、結合係数が第1導波路10の幅方向で同一であり、幅方向両側部分が第1導波路10の幅方向に平行な幅方向中央部分に対して活性領域1の反対側へ傾いているものとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば半導体レーザなどの光半導体装置に関する。
インターネット需要の爆発的な増加に伴い、光通信/光伝送において超高速化と大容量化への取り組みが活発化している。
特に、超高速光ファイバ伝送システム、又は、データコム向けに、アンクールドで高速直接変調が可能な半導体レーザが求められている。
このアンクールドで高速直接変調が可能な半導体レーザとして、DFB(Distributed Feed-Back)レーザが期待されている。
基本的に、半導体レーザにおいては、活性層の体積をできるだけ小さくすれば、緩和振動周波数の値が大きくなり、直接変調可能なビット・レートが上昇する。
実際、DFBレーザの共振器長を100μmと短くすることで、室温にて40Gb/s変調を可能としたものもある。
しかしながら、このようなDFBレーザでは、図22に示すように、前端面に無反射コート(反射防止膜)を設けるとともに、後端面に高反射コート(高反射膜;反射率90%程度)を設け、活性層に沿って位相シフトのない回折格子を設けている。
このため、単一縦モード発振が得られる素子の歩留まりは、後端面での回折格子の位相に強く依存する。そして、回折格子の周期が約200nmと微細であり、素子に劈開するときの端面の位置を精密に制御することはほぼ不可能であるため、後端面での位相はランダムにならざるを得ない。したがって、良好な単一縦モード発振が得られる素子の歩留まりを高くすることができない。
また、単一縦モード発振が得られる素子の歩留まりを向上させるとともに、高効率なレーザ動作を行なえるようにした分布反射型(DR;Distributed Reflector)レーザもある。このようなDRレーザでは、後端面の反射鏡として、高反射膜ではなく、活性領域の回折格子と同一周期の回折格子を有し、受動反射器として機能する受動領域を備え、活性領域と受動領域との間に位相シフトを設けている。
また、DRレーザにおいて、活性領域の中央にλ/4位相シフトを設け、後端面の反射鏡として、回折格子を有する受動領域を設け、活性領域と受動領域との間の組成の違いに応じて、活性領域と受動領域とで回折格子のピッチを変えたものもある。これにより、活性領域と受動領域とで回折格子の光学的ピッチを等しくし、受動領域でのブラッグ反射波長を活性領域で発生したレーザ光の波長に等しくして、効率よくレーザ光を反射できるようにしている。
特公平7−70785号公報 特開2002−353559号公報
ところで、図23に示すような構造のDRレーザであって、埋込導波路構造を有し、高速応答特性を向上させるために、活性領域の長さを100μmよりも短くしたものを作製したところ、高温動作時に光出力が飽和し、十分な特性が得られないことがわかった。
そして、埋込導波路構造を有するDRレーザでは、メサ構造の幅、即ち、導波路コア層としての活性層の幅(導波路幅)が例えば1.3μm程度であり、狭いため、素子抵抗が増大し、その結果発生したジュール熱が原因の一つであることがわかった。
このため、導波路幅を広くすれば、素子抵抗が減少するため、上述の高温動作時に光出力が飽和し、十分な特性が得られないという課題を解決することが可能である。
しかしながら、導波路幅を例えば3μmまで拡大すると、図24(A)〜(C)に示すように、導波路内で横高次モードの発振が可能となり、安定した単一横モード動作が得られなくなる。
そこで、光出力の飽和を抑制し、十分な特性が得られるようにしながら、安定した単一横モード動作を実現できるようにしたい。
このため、本光半導体装置は、活性領域と、活性領域の一端側に設けられ、第1回折格子を装荷した第1導波路を有する第1分布反射鏡領域とを備え、第1回折格子は、結合係数が第1導波路の幅方向で同一であり、幅方向両側部分が第1導波路の幅方向に平行な幅方向中央部分に対して活性領域の反対側へ傾いていることを要件とする。
したがって、本光半導体装置によれば、光出力の飽和を抑制し、十分な特性が得られるようにしながら、安定した単一横モード動作を実現できるという利点がある。
第1実施形態にかかる光半導体装置に備えられる回折格子の構成を示す模式的平面図である。 第1実施形態にかかる光半導体装置の構成を示す模式的断面図である。 (A)〜(C)は、第1実施形態にかかる光半導体装置による作用を説明するための図である。 第1実施形態にかかる光半導体装置の分布反射鏡領域に備えられる反射用回折格子の曲率半径と横モードの結合係数減少率との関係を示す図である。 (A)〜(C)は、第1実施形態にかかる光半導体装置の製造方法を説明するための模式的斜視図である。 (A)〜(C)は、第1実施形態にかかる光半導体装置の製造方法を説明するための模式的斜視図である。 (A)〜(C)は、第1実施形態にかかる光半導体装置の製造方法を説明するための模式的斜視図である。 (A),(B)は、第1実施形態にかかる光半導体装置の製造方法を説明するための模式的斜視図である。 第1実施形態にかかる光半導体装置による効果を説明するための図である。 第1実施形態にかかる光半導体装置に備えられる回折格子の変形例の構成を示す模式的平面図である。 第2実施形態にかかる光半導体装置に備えられる回折格子の構成を示す模式的平面図である。 (A)〜(C)は、第2実施形態にかかる光半導体装置の製造方法を説明するための模式的斜視図である。 (A)〜(C)は、第2実施形態にかかる光半導体装置の製造方法を説明するための模式的斜視図である。 (A)〜(C)は、第2実施形態にかかる光半導体装置の製造方法を説明するための模式的斜視図である。 (A),(B)は、第2実施形態にかかる光半導体装置の製造方法を説明するための模式的斜視図である。 第2実施形態にかかる光半導体装置に備えられる回折格子の変形例の構成を示す模式的平面図である。 第3実施形態にかかる光半導体装置に備えられる回折格子の構成を示す模式的平面図である。 (A)〜(C)は、第3実施形態にかかる光半導体装置の製造方法を説明するための模式的斜視図である。 (A)〜(C)は、第3実施形態にかかる光半導体装置の製造方法を説明するための模式的斜視図である。 (A)〜(C)は、第3実施形態にかかる光半導体装置の製造方法を説明するための模式的斜視図である。 (A),(B)は、第3実施形態にかかる光半導体装置の製造方法を説明するための模式的斜視図である。 従来の半導体レーザの構成を示す模式的断面図である。 本発明の創案過程で作製した半導体レーザの構成を示す模式的断面図である。 (A)〜(C)は、本発明の課題を説明するための図である。
以下、図面により、本発明の実施の形態にかかる光半導体装置について説明する。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態にかかる光半導体装置について、図1〜図9を参照しながら説明する。
本実施形態にかかる光半導体装置は、例えば光ファイバ伝送方式向けの光源としての半導体レーザであって、分布反射型レーザ構造を有する分布反射型レーザ(DRレーザ)である。なお、分布反射型レーザは、分布反射鏡集積型分布帰還型半導体レーザともいう。
本分布反射型レーザは、図2に示すように、電流が注入されてレーザ発振する分布帰還型(DFB)レーザ領域として機能する活性領域1と、電流が注入されず、活性領域1から出射されたレーザ光を反射して活性領域1へ戻す分布反射鏡領域2とを備える。なお、活性領域1は、電流注入領域又は分布帰還活性領域ともいう。また、分布反射鏡領域2は、分布ブラッグ反射領域、受動領域又は電流非注入領域ともいう。
本分布反射型レーザでは、活性領域1のみに電流注入が行なわれるため、活性領域1のみに電流注入用電極(p側電極)115が設けられている。また、n型ドープInP基板101の裏面側にn側電極116が設けられている。また、本分布反射型レーザでは、両端面に無反射コーティング(無反射膜;反射防止膜)117,118が施されている。
ここで、活性領域1は、電流注入によって利得を生じる活性層105と、発振波長を決める回折格子3及び位相シフト4と、p型InPクラッド層110と、p型GaInAsコンタクト層111とを備える。ここでは、位相シフト4は、λ/4位相シフトであり、位相シフト量がλ/4近傍の値になっている。つまり、活性領域1は、位相シフト4を有する回折格子(第3回折格子)3を装荷した活性導波路9を備える。
本実施形態では、活性領域1は、位相シフト4を含む回折格子3とn型ドープGaInAsP層103とを含む回折格子層5と、導波路コア層としてのアンドープAlGaInAs/AlGaInAs量子井戸活性層105とを備える。
ここでは、回折格子層5は、n型ドープInP基板101の表面に形成された位相シフト4を含む回折格子3を、n型ドープGaInAsP層103によって埋め込むことによって形成されている。また、n型ドープGaInAsP層103は、組成波長1.20μm、厚さ120nmである。
また、アンドープAlGaInAs/AlGaInAs量子井戸活性層105は、アンドープAlGaInAs井戸層、及び、アンドープAlGaInAsバリア層で構成される。ここでは、アンドープAlGaInAs井戸層は、厚さ6nm、圧縮歪量1.2%である。また、アンドープAlGaInAsバリア層は、組成波長1.05μm、厚さ10nmである。また、アンドープAlGaInAs/AlGaInAs量子井戸活性層105の積層数は15層であり、その発光波長(発振波長)は1310nmである。
ここで、活性領域1の長さは約125μmである。これにより、高速応答特性を向上させることができる。そして、例えば25Gb/s以上の直接変調が可能な半導体レーザ(直接変調レーザ)を実現している。なお、活性領域1の回折格子3の周期は一定である。また、活性領域1内で、回折格子3の結合係数(デューティ比及び深さ)及び位相(位相シフト4の部分を除く)は一定である。また、活性領域1内で、導波路(活性層6)の等価屈折率は共振器方向に沿って一定である。さらに、活性領域1の中央よりも10μm後端面側の位置に位相がπラジアンシフト(λ/4シフトに相当)したλ/4位相シフト4が設けられている。
分布反射鏡領域2は、利得を生じない光ガイド層(パッシブ導波路コア層)108と、反射用回折格子6と、p型InPクラッド層110とを備える。つまり、分布反射鏡領域(第1分布反射鏡領域)2は、反射用回折格子(第1回折格子)6を装荷したパッシブ導波路(第1導波路)10を備える。光ガイド層108は、吸収損失が生じないように1.15μm組成となっている。
本実施形態では、分布反射鏡領域2は、反射用回折格子6とn型ドープGaInAsP層103とを含む反射用回折格子層7と、導波路コア層としてのアンドープAlGaInAs光ガイド層108とを備える。
ここでは、反射用回折格子層7は、n型ドープInP基板101の表面に形成された反射用回折格子6を、n型ドープGaInAsP層103によって埋め込むことによって形成されている。また、n型ドープGaInAsP層103は、例えば、組成波長約1.20μm、厚さ約120nmである。また、アンドープAlGaInAs光ガイド層108は、例えば、組成波長約1.15μm、厚さ約250nmである。
ここで、分布反射鏡領域2は、図2に示すように、活性領域1の後端面側[図2中、右側;一端側]に連なるように設けられている。本実施形態では、活性領域1に連続して、例えば約75μmの長さの分布反射鏡領域2が設けられている。つまり、活性領域1に連続して、例えば約75μmの長さにわたって反射用回折格子6がパターニングされている。また、分布反射鏡領域2の反射用回折格子6の周期は一定である。また、分布反射鏡領域2内で、反射用回折格子6の結合係数(デューティ比及び深さ)及び位相は一定である。また、分布反射鏡領域2内で、導波路(光ガイド層)の等価屈折率は共振器方向に沿って一定である。
また、活性領域1の回折格子3と分布反射鏡領域2の反射用回折格子6とは、導波路幅方向中央部分において位相が同一になっている。また、活性領域1の回折格子3と分布反射鏡領域2の反射用回折格子6とは、周期も同一になっている。さらに、活性領域1の回折格子3と分布反射鏡領域2の反射用回折格子6とは、結合係数も同一になっている。つまり、活性領域1の回折格子3と分布反射鏡領域2の反射用回折格子6とは深さが同一になっている。ここでは、活性領域1の回折格子3及び分布反射鏡領域2の反射用回折格子6の深さは、いずれも100nmである。また、活性領域1の回折格子3と分布反射鏡領域2の反射用回折格子6とは、デューティ比(回折格子の周期に対するエッチングによって残される部分の割合;ここでは約50%)も同一になっている。
また、本分布反射型レーザは、埋込導波路構造[図8(A)参照]を有するものであるが、メサ構造8の幅、即ち、導波路幅を、例えば約3.0μmと広くしている。これにより、素子抵抗を低減して光出力の飽和を抑制することができる。特に、高温動作時に光出力が飽和するのを抑制することができ、十分な変調特性が得られることになる。
ところで、本実施形態では、活性領域1の回折格子3は、図1に示すように、活性導波路9の幅方向、即ち、メサ構造8の幅方向(図1中、上下方向)に平行な直線形状の回折格子である。これに対し、分布反射鏡領域2の反射用回折格子6は、活性導波路9の幅方向、即ち、メサ構造8の幅方向(図1中、上下方向)に沿って曲げられた曲線形状の回折格子である。つまり、分布反射鏡領域2の反射用回折格子6は、活性領域1の側に向かって凸形状になるように湾曲している。なお、活性領域1の回折格子3を直線回折格子ともいう。また、分布反射鏡領域2の反射用回折格子6を湾曲回折格子あるいは曲線回折格子ともいう。
これにより、横高次モードの結合係数を減少させることができる。この結果、発振しきい値が上昇し、横高次モードの発振を抑制することができる。
つまり、分布反射鏡領域2の反射用回折格子6を曲線回折格子とすると、図3(A)〜(C)に示すように、導波モード成分のうち、導波路幅方向の中央部分よりも両側部分(外側部分)の強度成分ほど曲線回折格子によって導波路外へと放射されることになる。
そして、図3(A)〜(C)に示すように、横高次モードは、横基本モードに比べて導波路幅方向の中央部分よりも外側部分の成分が多いため、曲線回折格子による活性領域1へのフィードバック量が小さくなる。この結果、横高次モードでの発振が抑制される。
ここでは、分布反射鏡領域2の反射用回折格子6の幅方向両側部分の結合係数を下げて横高次モードでの発振を抑えるのではなく、曲線回折格子を用いることによって横高次モードを導波路外へ放射させて、横高次モードでの発振を抑えるようにしている。このため、分布反射鏡領域2の反射用回折格子6は、結合係数が導波路幅方向で同一になっている。つまり、分布反射鏡領域2の反射用回折格子6は、幅方向両側部分でディーティ比が小さくなっていない。したがって、反射用回折格子6の幅方向両側部分において、多くの横高次モードが反射され、導波路外へ放射されることになる。この結果、横基本モードの結合係数はそれほど減少せずに、横高次モードの結合係数が大きく減少することになる。
このように、導波路幅を広くして、素子抵抗を低減し、光出力の飽和を抑制するとともに、曲線回折格子を用いることで、単一横モード動作を実現できるようにしている。これにより、モード競合が発生して、特性(変調特性)が劣化してしまうのを防止することができる。
具体的には、上述のように、高速応答特性を向上させるために、活性領域1の長さを125μmにしている。また、素子抵抗を低減して光出力の飽和を抑制するために、メサ構造8の幅、即ち、導波路幅を3.0μmとしている。そして、横高次モードの発振を抑制するために、分布反射鏡領域2の反射用回折格子6として、曲率半径が10μmの円弧形状を有する円弧状回折格子(曲線回折格子)を用いている。
なお、活性領域1の長さ、導波路幅、分布反射鏡領域2の反射用回折格子6の曲率半径は、これらの値に限られるものではない。
例えば、約25Gb/s以上の直接変調レーザを実現するためには、活性領域1の長さを約125μm以下にすれば良い。また、約40Gb/s以上の直接変調レーザを実現するためには、活性領域1の長さを約100μm以下にすれば良い。
この場合に、分布反射鏡領域2の反射用回折格子6として曲線回折格子を用いることで、導波路幅を、一般的な導波路幅である1.3μm〜1.6μmの1.5倍〜2倍の広い幅にすることが可能である。つまり、1.95μm〜2.6μm、あるいは、2.4μm〜3.2μm、即ち、1.95μm〜3.2μmの導波路幅にすることが可能である。なお、ここで、導波路幅を約3.2μm程度までとしているのは、これよりも広くしても活性層に注入される電流の経路がリッジ導波路型レーザとほとんど変わらなくなり、電流狭窄効果が飽和してしまうからである。
上述のように導波路幅を約3.0μmとする場合、分布反射鏡領域2の反射用回折格子6としての曲線回折格子の曲率半径は、約5μm〜約13μmの範囲内とするのが好ましい。これは以下の理由による。なお、ここでは、導波路幅を約3.0μmとすることを前提として曲率半径の好ましい範囲を規定しているが、これに限られるものではなく、導波路幅を上述の範囲にした場合であっても、曲率半径をこの範囲内にするのが好ましい。
ここで、図4は、分布反射鏡領域2の反射用回折格子6として曲線回折格子を用いた場合の曲率半径と横モードの結合係数減少率との関係を示している。なお、図4中、実線A、B、Cは、横基本モード(0次)、横高次モード(1次)、横高次モード(2次)のそれぞれの場合の曲率半径と横モードの結合係数減少率との関係を示している。
まず、曲率半径が大きくなるほど直線に近づく。このため、曲線回折格子を用いた場合の横モードの結合係数は、図4に示すように、曲線回折格子の曲率半径が大きくなるほど、直線回折格子を用いた場合の横モードの結合係数、即ち、ほぼ100%に近づく。
例えば、0次、1次、2次の全ての横モードの結合係数がほぼ100%の曲率半径100μmから曲率半径を小さくしていくと、0次、1次、2次の全ての横モードの結合係数は減少していく。この場合、横モードの結合係数の減少の度合いは、横モードの次数が大きくなるほど顕著になる。つまり、横モードの次数が大きいほど、曲率半径の変化に対する横モードの結合係数減少率の変化が大きくなる。このため、曲線回折格子を用いることで、横基本モードの結合係数をそれほど減少させずに、横高次モードの結合係数を減少させることができ、これにより、単一横モード動作を実現することが可能となる。
具体的には、曲線回折格子を用いた場合の横高次モードの結合係数が、直線回折格子を用いた場合の横モードの結合係数の約50%以下になるようにするのが好ましい。ここでは、湾曲回折格子を用いた場合の全ての横高次モードの結合係数が約50%になるのは、曲率半径を約13μmにしたときである。このため、分布反射鏡領域2の反射用回折格子6としての曲線回折格子の曲率半径は約13μm以下にするのが好ましい。
また、曲線回折格子を用いた場合の横基本モードの結合係数が、直線回折格子を用いた場合の横モードの結合係数の約50%以下にならないようにするのが好ましい。ここでは、曲線回折格子を用いた場合の横基本モードの結合係数が約50%になるのは、曲率半径を約5μmにしたときである。このため、分布反射鏡領域2の反射用回折格子6としての曲線回折格子の曲率半径は約5μm以上にするのが好ましい。
次に、本実施形態の具体的構成例にかかる分布反射型レーザ(光半導体装置)の製造方法について、図5〜図8を参照しながら説明する。
まず、図5(A)に示すように、n型ドープInP基板101の表面上に、例えば、電子ビーム露光法によって、電子ビームレジスト(日本ゼオン製ZEP520)からなり、回折格子パターンを有するマスク102を形成する。なお、回折格子パターンには、活性領域1の回折格子3(位相シフト4を含む)を形成するための回折格子パターンと、分布反射鏡領域2の反射用回折格子6を形成するための反射用回折格子パターンとが含まれている。
次いで、このマスク102を用いて、例えばエタン/水素混合ガスによるリアクティブ・イオン・エッチング(RIE;Reactive Ion Etching)によって、図5(B)に示すように、n型InP基板101の表面の一部を除去して回折格子パターンを転写する。ここでは、n型InP基板101の途中でエッチングが停止するようにしている。
これにより、活性領域1の回折格子3(位相シフト4を含む)と分布反射鏡領域2の反射用回折格子6とが一括形成される。つまり、個々の素子の活性領域1となる領域の全長(ここでは125μm)にわたって、活性領域1の中央よりも10μm後端面側の位置に位相がπラジアンシフト(λ/4シフトに相当)したλ/4位相シフト4を有する回折格子3が形成される。また、活性領域1の回折格子3に連続して分布反射鏡領域2となる領域の全長(ここでは75μm)にわたって反射用回折格子6が形成される。
本実施形態では、活性領域1の回折格子3は、直線形状の回折格子になっている。これに対し、分布反射鏡領域2の反射用回折格子6は、曲線形状の回折格子になっている。つまり、分布反射鏡領域2の反射用回折格子6は、活性領域1の側に向かって凸形状になるように湾曲した湾曲回折格子になっている。ここでは、分布反射鏡領域2の反射用回折格子6は、曲率半径が10μmの円弧形状を有する円弧状回折格子になっている。
また、活性領域1の回折格子3の周期は一定である。また、活性領域1内で、回折格子3の結合係数及び位相は一定である。また、活性領域1内で、導波路の等価屈折率は共振器方向に沿って一定である。
さらに、分布反射鏡領域2の反射用回折格子6の周期は一定である。また、分布反射鏡領域2内で、反射用回折格子6の結合係数及び位相は一定である。また、分布反射鏡領域2内で、導波路の等価屈折率は共振器方向に沿って一定である。
また、活性領域1の回折格子3及び分布反射鏡領域2の反射用回折格子6の深さは、いずれも100nmであり、同一になっている。また、活性領域1の回折格子3と分布反射鏡領域2の反射用回折格子6とは、デューティ比(ここでは50%)も同一になっている。つまり、活性領域1の回折格子3と分布反射鏡領域2の反射用回折格子6とは、結合係数が同一になっている。また、活性領域1の回折格子3と分布反射鏡領域2の反射用回折格子6とは、導波路幅方向中央部分において位相も同一になっている。また、活性領域1の回折格子3と分布反射鏡領域2の反射用回折格子6とは、周期も同一になっている。
次に、マスク102を通常のレジスト剥離工程を用いて表面から除去する。その後、図5(C)に示すように、回折格子パターンが形成されたn型InP基板101の表面上に、例えば、有機金属気相成長(MOVPE;Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法を用いて、n型ドープGaInAsP層(ガイド層)103を成長させる。ここでは、n型ドープGaInAsP層103は、組成波長1.15μm、厚さ120nmである。これにより、n型InP基板101の途中でエッチングが停止されて形成された溝(回折格子パターン)がn型ドープGaInAsP層103によって埋め込まれる。
次いで、図5(C)に示すように、n型ドープGaInAsP層103上に、例えばMOVPE法によって、n型ドープInP層104、アンドープAlGaInAs/AlGaInAs量子井戸活性層105、p型ドープInPクラッド層106を順次成長させる。ここでは、n型ドープInP層104の厚さは20nmである。また、p型ドープInPクラッド層106の厚さは250nmである。
ここで、量子井戸活性層105は、AlGaInAs系化合物半導体材料を用いて構成されている。つまり、量子井戸活性層105は、アンドープAlGaInAs井戸層、及び、アンドープAlGaInAsバリア層で構成される。ここでは、アンドープAlGaInAs井戸層は、厚さ6nm、圧縮歪量1.2%である。また、アンドープAlGaInAsバリア層は、組成波長1.05μm、厚さ10nmである。また、量子井戸活性層105の積層数は15層であり、その発光波長(発振波長)は1310nmである。
なお、量子井戸活性層105の上下に、量子井戸活性層105を挟み込むように、アンドープAlGaInAs−SCH(Separate Confinement Heterostructure)層を設けても良い。ここでは、アンドープAlGaInAs−SCH層(光ガイド層)は、組成波長1.05μm、厚さ20nmである。
次に、p型ドープInPクラッド層106の表面に、図6(A)に示すように、通常の化学気相堆積(CVD;Chemical Vapor Deposition)法及びフォトリソグラフィ技術を用いて、活性領域1を覆うように、ストライプ状のSiOマスク(エッチングマスク)107を形成する。ここでは、SiOマスク107の厚さは400nmである。
そして、図6(B)に示すように、マスク107を用いて、p型ドープInPクラッド層106の表面からn型ドープInP層104の表面に至るまで、即ち、p型ドープInPクラッド層106及び量子井戸活性層105を、例えばエッチングによって除去する。
その後、図6(C)に示すように、n型ドープInP層104上に、例えばMOVPE法によって、アンドープAlGaInAs光ガイド層108、アンドープInP層109を順次成長させる。ここでは、アンドープAlGaInAs光ガイド層108は、組成波長1.15μm、厚さ250nmである。また、アンドープInP層109の厚さは250nmである。このとき、これらの層108、109は、選択成長によってSiOマスク107の上には成長せず、表面に露出しているn型ドープInP層104の上にのみ成長することになる。
その後、SiOマスク107を剥離した後、図7(A)に示すように、再びMOVPE法を用いて、半導体結晶ウェハ全面に、例えば、p型InPクラッド層110、引き続いて、p型GaInAsコンタクト層111を積層させる。ここでは、p型InPクラッド層110は、Znをドープしたものであって、その厚さは2.0μmである。また、p型GaInAsコンタクト層111は、Znをドープしたものであって、その厚さは300nmである。
そして、図7(B)に示すように、p型GaInAsコンタクト層111の表面に、例えば、通常のCVD法及びフォトリソグラフィ技術を用いて、SiOマスク112を形成する。ここでは、SiOマスク112は、厚さ400nm、幅3.0μmのストライプ状のエッチングマスクである。
その後、図7(C)に示すように、例えばドライエッチング法を用いて、n型InP基板101が例えば0.7μm程掘り込まれる深さまで、上述のようにして形成された半導体積層構造をエッチングし、ストライプ状のメサ構造(メサストライプ)8に加工する。ここでは、メサ構造8の幅、即ち、導波路幅は3.0μmである。
次に、図8(A)に示すように、このメサ構造8の両側に、例えばFeドープ型半絶縁性InPで構成される電流狭窄層113を、例えばMOVPE法を用いて成長させる。これにより、半絶縁性埋込ヘテロ構造(SI−BH構造;Semi-Insulating Buried Heterostructure;高抵抗埋込構造)が形成される。
次いで、エッチングマスク112を例えばふっ酸で除去した後、活性領域1以外のp型GaInAsコンタクト層111を、通常のフォトリソグラフィ技術及びエッチングを用いて除去する。
その後、図8(B)に示すように、SiOパッシベーション膜114を形成する。そして、活性領域1のp型GaInAsコンタクト層111の上方の部分のみに窓が開くように、通常のフォトリソグラフィ技術及びエッチングを用いてSiOパッシベーション膜114を取り除く。その後、p側電極115、n側電極116を形成する。なお、図2は、図8(B)におけるA−A’線に沿う断面図である。
そして、図8(B)に示すように、素子の両端面に無反射コート117,118を形成して、素子が完成する。
したがって、本実施形態にかかる光半導体装置(半導体レーザ)によれば、光出力の飽和を抑制し、十分な特性(変調特性)が得られるようにしながら、安定した単一横モード動作を実現できるという利点がある。
特に、上述の実施形態では、高速応答特性を向上させるために、活性領域1の長さを125μmにしている。また、素子抵抗を低減して光出力の飽和を抑制するために、メサ構造8の幅、即ち、導波路幅を3.0μmとしている。そして、横高次モードの発振を抑制するために、分布反射鏡領域2の反射用回折格子6を、曲率半径が10μmの曲線回折格子にしている。
ここで、図9は、横モードの結合係数と発振しきい値利得との関係を示す図であって、上述の実施形態のように分布反射鏡領域2の反射用回折格子6を曲線回折格子とした場合の効果を、直線回折格子とした場合と比較して示している。
なお、図9中、丸又は四角内の数字0、1、2は、横モードの次数を示している。つまり、図9中、丸又は四角内の数字0、1、2は、横基本モード(0次)、横高次モード(1次)、横高次モード(2次)のそれぞれの場合の結合係数と発振しきい値利得との関係を示している。
図9に示すように、曲線回折格子の場合の横基本モード(0次)の結合係数は、直線回折格子の場合に比べて80%となる。これに対し、曲線回折格子の場合の横高次モード(1次)の結合係数、横高次モード(2次)の結合係数は、直線回折格子の場合に比べて、それぞれ、40%、30%となる。これにより、曲線回折格子の場合の横高次モード(1次、2次)の発振しきい値利得は、横基本モードの発振しきい値利得の2倍以上になる。この結果、上述の実施形態のようにして作製した素子において、横高次モードで発振しなくなり、安定した単一横モード動作が得られた。
なお、上述の実施形態では、分布反射鏡領域2の反射用回折格子6として、曲線回折格子を用いているが、これに限られるものではなく、活性領域1の側に向かって凸形状になる回折格子を用いれば良い。つまり、分布反射鏡領域2の反射用回折格子6は、結合係数がパッシブ導波路10の幅方向で同一であり、幅方向両側部分がパッシブ導波路10の幅方向に平行な幅方向中央部分に対して活性領域1の反対側へ傾いているものであれば良い。
但し、設計上のトレランスが広いという点で、円弧状回折格子、楕円形状回折格子、二次曲線状回折格子などの曲線形状の回折格子を用いるのが好ましい。このような曲線形状の回折格子を用いる場合、回折格子を形成する際に、回折格子が導波路の幅方向にずれてしまったとしても、特性に影響を与えないようにすることができる。つまり、曲線形状の回折格子を用いる場合、回折格子が導波路の幅方向にずれたとしても、横基本モードの結合係数はそれほど低下せず、その一方で、横高次モードの結合係数は大きく低下するため、所望の特性が得られることになる。なお、回折格子の形状を規定する関数(例えば曲率変化を示す関数)として、どのような関数を採用するかは、設計上の自由度がある。このため、「曲線形状の回折格子」には、曲線形状の回折格子だけでなく、曲線形状に近似した形状の回折格子も含まれるものとする。
また、上述の実施形態では、活性領域1の回折格子3を、位相シフト4を含むものとしているが、これに限られるものではなく、例えば図10に示すように、活性領域1の回折格子3を、位相シフトを含まないものとして構成しても良い。
また、上述の実施形態では、活性領域1の後端面側に連なるように分布反射鏡領域2が設けられているが、これに限られるものではなく、活性領域の後端面側及び前端面側に連なるように分布反射鏡領域を設けても良い。この場合、活性領域の前端面側に連なる分布反射鏡領域の反射用回折格子は、直線回折格子であっても良いし、湾曲回折格子であっても良い。
また、上述の実施形態では、活性領域1の回折格子3は、直線回折格子にしているが、これに限られるものではなく、例えば、後述の第3実施形態のように、曲線回折格子にしても良い。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態にかかる光半導体装置について、図11〜図15を参照しながら説明する。
本実施形態にかかる光半導体装置(DRレーザ)は、上述の第1実施形態のものに対し、以下の5つの点が異なる。
つまり、第1の異なる点は、活性領域1の後端面側及び前端面側に連なるように分布反射鏡領域2A,2Bを設ける点である。第2の異なる点は、位相シフトを設けていない点である。第3の異なる点は、活性領域1の長さを100μmとしている点である。第4の異なる点は、分布反射鏡領域2A,2Bの反射用回折格子6A,6Bとしての曲線回折格子の曲率半径を8μmとしている点である。第5の異なる点は、発振波長帯を1.55μm帯としている点である。
本実施形態では、図11に示すように、分布反射鏡領域2A,2Bは、活性領域1の前端面側及び後端面側に連なるように設けられている。本実施形態では、活性領域1に連続して前端面側に25μmの長さの分布反射鏡領域2B(第2分布反射鏡領域)が設けられており、活性領域1に連続して後端面側に75μmの長さの分布反射鏡領域2A(第1分布反射鏡領域)が設けられている。つまり、活性領域1に連続して、前端面側に25μmの長さにわたって反射用回折格子6B(第2回折格子)がパターニングされており、後端面側に75μmの長さにわたって反射用回折格子6A(第1回折格子)がパターニングされている。
このように、活性領域1の前端面側に設けられた分布反射鏡領域2Bは、活性領域1の後端面側に設けられた分布反射鏡領域2Aよりも共振器方向の長さが短くなっている。これは、レーザ光は素子の前端面側から出力されるため、前端面側の分布反射鏡領域2Bにおける反射率を低下させるためである。
これらの後端面側及び前端面側の分布反射鏡領域2A,2Bは、同一構造になっている。
また、本実施形態では、活性領域1は、位相シフトを有しない。つまり、活性領域1は、位相シフトを有しない回折格子(第3回折格子)3を装荷した活性導波路9を備える。
また、本実施形態では、活性領域1の長さは約100μmである。これにより、高速応答特性を向上させることができる。例えば40Gb/s以上の直接変調が可能な半導体レーザを実現することができる。
また、本分布反射型レーザは、上述の第1実施形態の場合と同様に、埋込導波路構造[図15(A)参照]を有するものであるが、メサ構造8の幅、即ち、導波路幅を、例えば約3.0μmと広くしている。これにより、素子抵抗を低減して光出力の飽和を抑制することができる。特に、高温動作時に光出力が飽和するのを抑制することができ、十分な変調特性が得られることになる。
また、本実施形態では、活性領域1の回折格子3は、図11に示すように、活性導波路9の幅方向、即ち、メサ構造8の幅方向(図11中、上下方向)に平行な直線形状の回折格子である。これに対し、分布反射鏡領域2Aの反射用回折格子6Aは、パッシブ導波路10(第1導波路)の幅方向、即ち、メサ構造8の幅方向(図11中、上下方向)に沿って曲げられた曲線形状の回折格子である。また、分布反射鏡領域2Bの反射用回折格子6Bは、パッシブ導波路10(第2導波路)の幅方向、即ち、メサ構造8の幅方向(図11中、上下方向)に沿って曲げられた曲線形状の回折格子である。つまり、分布反射鏡領域2A,2Bの反射用回折格子6A,6Bは、活性領域1の側に向かって凸形状になるように湾曲している。なお、活性領域1の回折格子3を直線回折格子ともいう。また、分布反射鏡領域2A,2Bの反射用回折格子6A,6Bを湾曲回折格子あるいは曲線回折格子ともいう。
これにより、横高次モードの結合係数を減少させることができる。この結果、発振しきい値が上昇し、横高次モードの発振を抑制することができる。
このように、導波路幅を広くして、素子抵抗を低減し、光出力の飽和を抑制するとともに、曲線回折格子を用いることで、単一横モード動作を実現できるようにしている。
具体的には、上述のように、高速応答特性を向上させるために、活性領域1の長さを100μmにしている。また、素子抵抗を低減して光出力の飽和を抑制するために、メサ構造8の幅、即ち、導波路幅を3.0μmとしている。そして、横高次モードの発振を抑制するために、分布反射鏡領域2A,2Bの反射用回折格子6A,6Bとして、曲率半径が8μmの円弧形状を有する円弧状回折格子(曲線回折格子)を用いている。
また、本実施形態では、分布反射型レーザの発振波長帯を1.55μm帯としている。
このため、回折格子層5は、n型ドープInP基板201の表面に形成された回折格子3を埋め込むn型ドープGaInAsP層203の組成波長1.25μmとし、厚さ120nmとしている。
また、アンドープAlGaInAs/AlGaInAs量子井戸活性層205を構成するアンドープAlGaInAs井戸層を厚さ5.1nm、圧縮歪量1.2%とし、アンドープAlGaInAsバリア層を組成波長1.20μm、厚さ10nmとしている。また、アンドープAlGaInAs/AlGaInAs量子井戸活性層205の積層数は15層とし、その発光波長(発振波長)は1550nmとしている。
なお、量子井戸活性層205の上下に、量子井戸活性層205を挟み込むように、アンドープAlGaInAs−SCH層を設ける場合には、アンドープAlGaInAs−SCH層の組成波長1.15μm、厚さ20nmとすれば良い。
また、アンドープAlGaInAs光ガイド層208は、組成波長1.35μm、厚さ230nmである。
なお、その他の詳細は、上述の第1実施形態及びその変形例のものと同じであるため、ここではその説明を省略する。
次に、本実施形態の具体的構成例にかかる分布反射型レーザ(光半導体装置)の製造方法について、図12〜図15を参照しながら説明する。
まず、図12(A)に示すように、n型ドープInP基板201の表面上に、例えば、電子ビーム露光法によって、電子ビームレジスト(日本ゼオン製ZEP520)からなり、回折格子パターンを有するマスク202を形成する。なお、回折格子パターンには、活性領域1の回折格子3を形成するための回折格子パターンと、前端面側及び後端面側の分布反射鏡領域2A,2Bの反射用回折格子6A,6Bを形成するための反射用回折格子パターンとが含まれている。
次いで、このマスク202を用いて、例えばエタン/水素混合ガスによるリアクティブ・イオン・エッチング(RIE)によって、図12(B)に示すように、n型InP基板201の表面の一部を除去して回折格子パターンを転写する。ここでは、n型InP基板201の途中でエッチングが停止するようにしている。
これにより、活性領域1の回折格子3と分布反射鏡領域2A,2Bの反射用回折格子6A,6Bとが一括形成される。つまり、個々の素子の活性領域1の全長(ここでは100μm)にわたって回折格子3が形成される。また、活性領域1の回折格子3に連続して前端面側の分布反射鏡領域2Bの全長(ここでは25μm)にわたって反射用回折格子6Bが形成される。さらに、活性領域1の回折格子3に連続して後端面側の分布反射鏡領域2Aの全長(ここでは75μm)にわたって反射用回折格子6Aが形成される。
本実施形態では、活性領域1の回折格子3は、直線形状の回折格子になっている。これに対し、分布反射鏡領域2A,2Bの反射用回折格子6A,6Bは、曲線形状の回折格子になっている。つまり、分布反射鏡領域2A,2Bの反射用回折格子6A,6Bは、活性領域1の側に向かって凸形状になるように湾曲した湾曲回折格子になっている。ここでは、分布反射鏡領域2A,2Bの反射用回折格子6A,6Bは、曲率半径が8μmの円弧形状を有する円弧状回折格子になっている。
また、活性領域1に形成される回折格子3の周期は一定である。また、活性領域1内で、回折格子3の結合係数及び位相は一定である。また、活性領域1内で、導波路の等価屈折率は共振器方向に沿って一定である。
また、後端面側の分布反射鏡領域2Aに形成される反射用回折格子6Aの周期は一定である。また、分布反射鏡領域2A内で、反射用回折格子6Aの結合係数及び位相は一定である。また、分布反射鏡領域2A内で、導波路の等価屈折率は共振器方向に沿って一定である。
また、前端面側の分布反射鏡領域2Bに形成される反射用回折格子6Bの周期は一定である。また、分布反射鏡領域2B内で、反射用回折格子6Bの結合係数及び位相は一定である。また、分布反射鏡領域2B内で、導波路の等価屈折率は共振器方向に沿って一定である。
さらに、活性領域1の回折格子3及び分布反射鏡領域2A,2Bの反射用回折格子6A,6Bの深さは、いずれも100nmであり、同一になっている。また、活性領域1の回折格子3と分布反射鏡領域2A,2Bの反射用回折格子6A,6Bとは、デューティ比(ここでは50%)も同一になっている。つまり、活性領域1の回折格子3と分布反射鏡領域2A,2Bの反射用回折格子6A,6Bとは、結合係数が同一になっている。また、活性領域1の回折格子3と分布反射鏡領域2A,2Bの反射用回折格子6A,6Bとは、導波路幅方向中央部分において位相も同一になっている。また、活性領域1の回折格子3と分布反射鏡領域2A,2Bの反射用回折格子6A,6Bとは、周期も同一になっている。
次に、マスク202を通常のレジスト剥離工程を用いて表面から除去する。その後、図12(C)に示すように、回折格子パターンが形成されたn型InP基板201の表面上に、例えば、MOVPE法を用いて、n型ドープGaInAsP層(ガイド層)203を成長させる。ここでは、n型ドープGaInAsP層203は、組成波長1.25μm、厚さ120nmである。これにより、n型InP基板201の途中でエッチングが停止されて形成された溝(回折格子パターン)がn型ドープGaInAsP層203によって埋め込まれる。
次いで、図12(C)に示すように、n型ドープGaInAsP層203上に、例えばMOVPE法によって、n型ドープInP層204、アンドープAlGaInAs/AlGaInAs量子井戸活性層205、p型ドープInPクラッド層206を順次成長させる。ここでは、n型ドープInP層204の厚さは20nmである。また、p型ドープInPクラッド層206の厚さは250nmである。
ここで、量子井戸活性層205は、AlGaInAs系化合物半導体材料を用いて構成されている。つまり、量子井戸活性層205は、アンドープAlGaInAs井戸層、及び、アンドープAlGaInAsバリア層で構成される。ここでは、アンドープAlGaInAs井戸層は、厚さ5.1nm、圧縮歪量1.2%である。また、アンドープAlGaInAsバリア層は、組成波長1.20μm、厚さ10nmである。また、量子井戸活性層205の積層数は15層であり、その発光波長は1550nmである。
なお、量子井戸活性層205の上下に、量子井戸活性層205を挟み込むように、アンドープAlGaInAs−SCH層(光ガイド層)を設けても良い。ここでは、アンドープAlGaInAs−SCH層は、組成波長1.15μm、厚さ20nmである。
次に、p型ドープInPクラッド層206の表面に、図13(A)に示すように、通常のCVD法及びフォトリソグラフィ技術を用いて、活性領域1を覆うように、ストライプ状のSiOマスク(エッチングマスク)207を形成する。ここでは、SiOマスク207の厚さ400nmである。
そして、図13(B)に示すように、マスク207を用いて、p型ドープInPクラッド層206の表面からn型ドープInP層204の表面に至るまで、即ち、p型ドープInPクラッド層206及び量子井戸活性層205を、例えばエッチングによって除去する。
その後、図13(C)に示すように、n型ドープInP層204上に、例えばMOVPE法によって、アンドープAlGaInAs光ガイド層208、アンドープInP層209を順次成長させる。ここでは、アンドープAlGaInAs光ガイド層208は、組成波長1.35μm、厚さ230nmである。また、アンドープInP層209の厚さは250nmである。このとき、これらの層208、209は、選択成長によってSiOマスク207の上には成長せず、表面に露出しているn型ドープInP層204の上にのみ成長することになる。
その後、SiOマスク207を剥離した後、図14(A)に示すように、再びMOVPE法を用いて、半導体結晶ウェハ全面に、例えば、p型InPクラッド層210、引き続いて、p型GaInAsコンタクト層211を積層させる。ここでは、p型InPクラッド層210は、Znをドープしたものであって、その厚さは2.0μmである。また、p型GaInAsコンタクト層211は、Znをドープしたものであって、その厚さは300nmである。
そして、図14(B)に示すように、p型GaInAsコンタクト層211の表面に、例えば、通常のCVD法及びフォトリソグラフィ技術を用いて、SiOマスク212を形成する。ここでは、SiOマスク212は、厚さ400nm、幅3.0μmのストライプ状のエッチングマスクである。
その後、図14(C)に示すように、例えばドライエッチング法を用いて、n型InP基板201が例えば0.7μm程掘り込まれる深さまで、上述のようにして形成された半導体積層構造をエッチングし、ストライプ状のメサ構造(メサストライプ)8に加工する。
次に、図15(A)に示すように、このメサ構造8の両側に、例えばFeドープ型半絶縁性InPで構成される電流狭窄層213を、例えばMOVPE法を用いて成長させる。これにより、半絶縁性埋込ヘテロ構造(SI−BH構造)が形成される。
次いで、エッチングマスク212を例えばふっ酸で除去した後、活性領域1以外のp型GaInAsコンタクト層211を、通常のフォトリソグラフィ技術及びエッチングを用いて除去する。
その後、図15(B)に示すように、SiOパッシベーション膜214を形成する。そして、活性領域1のp型GaInAsコンタクト層211の上方の部分のみに窓が開くように、通常のフォトリソグラフィ技術及びエッチングを用いてSiOパッシベーション膜を取り除く。その後、p側電極215、n側電極216を形成する。
そして、図15(B)に示すように、素子の両端面に無反射コート217,218を形成して、素子が完成する。
なお、その他の詳細は、上述の第1実施形態及びその変形例のものと同じであるため、ここではその説明を省略する。
したがって、本実施形態にかかる光半導体装置(半導体レーザ)によれば、光出力の飽和を抑制し、十分な特性(変調特性)が得られるようにしながら、安定した単一横モード動作を実現できるという利点がある。
特に、上述の実施形態では、高速応答特性を向上させるために、活性領域1の長さを100μmにしている。また、素子抵抗を低減して光出力の飽和を抑制するために、メサ構造8の幅、即ち、導波路幅を3.0μmとしている。そして、横高次モードの発振を抑制するために、分布反射鏡領域2A,2Bの反射用回折格子6A,6Bを、曲率半径が8μmの曲線回折格子にしている。
このような曲線回折格子を用いた場合の横基本モード(0次)の結合係数は、直線回折格子の場合に比べて70%となる。これに対し、曲線回折格子を用いた場合の横高次モード(1次)の結合係数、横高次モード(2次)の結合係数は、直線回折格子の場合に比べて、それぞれ、20%、25%となる。これにより、曲線回折格子を用いた場合の横高次モード(1次、2次)の発振しきい値利得は、横基本モードの発振しきい値利得の2倍以上になる。この結果、上述の実施形態のようにして作製した素子において、横高次モードで発振しなくなり、安定した単一横モード動作が得られた。
なお、上述の実施形態では、分布反射鏡領域2A,2Bの反射用回折格子6A,6Bとして、曲線回折格子を用いているが、これに限られるものではなく、活性領域1の側に向かって凸形状になる回折格子を用いれば良い。つまり、分布反射鏡領域2A,2Bの反射用回折格子6A,6Bは、結合係数がパッシブ導波路の幅方向で同一であり、幅方向両側部分がパッシブ導波路の幅方向に平行な幅方向中央部分に対して活性領域の反対側へ傾いているものであれば良い。
但し、設計上のトレランスが広いという点で、円弧状回折格子、楕円形状回折格子、二次曲線状回折格子などの曲線形状の回折格子を用いるのが好ましい。このような曲線形状の回折格子を用いる場合、回折格子を形成する際に、回折格子が導波路の幅方向にずれてしまったとしても、特性に影響を与えないようにすることができる。つまり、曲線形状の回折格子を用いる場合、回折格子が導波路の幅方向にずれたとしても、横基本モードの結合係数はそれほど低下せず、その一方で、横高次モードの結合係数は大きく低下するため、所望の特性が得られることになる。なお、回折格子の形状を規定する関数(例えば曲率変化を示す関数)として、どのような関数を採用するかは、設計上の自由度がある。このため、「曲線形状の回折格子」には、曲線形状の回折格子だけでなく、曲線形状に近似した形状の回折格子も含まれるものとする。
また、上述の実施形態では、活性領域1の回折格子3を、位相シフト4を含まないものとしているが、これに限られるものではなく、活性領域1の回折格子3を、位相シフトを含むものとして構成しても良い。
また、上述の実施形態では、活性領域1の後端面側及び前端面側に連なるように分布反射鏡領域2A,2Bを設けているが、これに限られるものではなく、活性領域1の後端面側にだけ連なるように分布反射鏡領域を設けても良い。
また、上述の実施形態では、活性領域1の後端面側及び前端面側に連なる分布反射鏡領域2A,2Bの反射用回折格子6A,6Bを、いずれも曲線回折格子にしているが、これに限られるものではない。例えば、上述の実施形態の構成において、活性領域の後端面側及び前端面側に連なる分布反射鏡領域のうち、どちらか一方の反射用回折格子を直線回折格子にしても良い。通常、後端面側に連なる分布反射鏡領域を、前端面側に連なる分布反射鏡領域よりも長くする。このため、図16に示すように、活性領域1の後端面側に連なる分布反射鏡領域2Aの反射用回折格子6Aを、曲線回折格子にし、活性領域1の前端面側に連なる分布反射鏡領域2Bの反射用回折格子6Bを、直線回折格子にするのが好ましい。
また、上述の実施形態では、活性領域1の回折格子3は、直線回折格子にしているが、これに限られるものではなく、例えば、後述の第3実施形態のように、曲線回折格子にしても良い。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態にかかる光半導体装置について、図17〜図21を参照しながら説明する。
本実施形態にかかる光半導体装置(DRレーザ)は、上述の第1実施形態のものに対し、以下の3つの点が異なる。
つまり、第1の異なる点は、活性領域1の後端面側及び前端面側に連なるように分布反射鏡領域2A,2Bを設ける点である。第2の異なる点は、活性領域1の中央に位相シフト4が設けられている点である。第3の異なる点は、活性領域1の長さを100μmとしている点である。第4の異なる点は、活性領域1の回折格子3が曲線回折格子である点である。第5の異なる点は、活性領域1の回折格子3としての曲線回折格子の曲率半径、及び、分布反射鏡領域2A,2Bの反射用回折格子6A,6Bとしての曲線回折格子の曲率半径を、8μmとしている点である。第6の異なる点は、発振波長帯を1.55μm帯としている点である。
本実施形態では、図17に示すように、分布反射鏡領域2A,2Bは、活性領域1の前端面側及び後端面側に連なるように設けられている。本実施形態では、活性領域1に連続して前端面側に25μmの長さの分布反射鏡領域2B(第2分布反射鏡領域)が設けられており、活性領域1に連続して後端面側に75μmの長さの分布反射鏡領域2A(第1分布反射鏡領域)が設けられている。つまり、活性領域1に連続して、前端面側に25μmの長さにわたって反射用回折格子6B(第2回折格子)がパターニングされており、後端面側に75μmの長さにわたって反射用回折格子6A(第1回折格子)がパターニングされている。
このように、活性領域1の前端面側に設けられた分布反射鏡領域2Bは、活性領域1の後端面側に設けられた分布反射鏡領域2Aよりも共振器方向の長さが短くなっている。これは、レーザ光は素子の前端面側から出力されるため、前端面側の分布反射鏡領域2Bにおける反射率を低下させるためである。
これらの後端面側及び前端面側の分布反射鏡領域2A,2Bは、同一構造になっている。
また、本実施形態では、活性領域1は、発振波長を決める回折格子3及び位相シフト4を備える。ここでは、位相シフト4として、活性領域1の中央に位相がπラジアンシフト(λ/4シフトに相当)したλ/4位相シフトが設けられている。つまり、活性領域1は、位相シフト4を有する回折格子(第3回折格子)3を装荷した活性導波路9を備える。
また、本実施形態では、活性領域1の長さは約100μmである。これにより、高速応答特性を向上させることができる。例えば40Gb/s以上の直接変調が可能な半導体レーザを実現することができる。
また、本分布反射型レーザは、上述の第1実施形態の場合と同様に、埋込導波路構造[図21(A)参照]を有するものであるが、メサ構造8の幅、即ち、導波路幅を、例えば約3.0μmと広くしている。これにより、素子抵抗を低減して光出力の飽和を抑制することができる。特に、高温動作時に光出力が飽和するのを抑制することができ、十分な変調特性が得られることになる。
また、本実施形態では、活性領域1の回折格子3は、図17に示すように、活性導波路9の幅方向、即ち、メサ構造8の幅方向(図17中、上下方向)に沿って曲げられた曲線形状の回折格子である。つまり、活性領域1の回折格子3は、活性領域1の中央位置に向かって凸形状になるように湾曲している。なお、活性領域1の回折格子3を湾曲回折格子あるいは曲線回折格子ともいう。
また、本実施形態では、分布反射鏡領域2Aの反射用回折格子6Aは、パッシブ導波路10(第1導波路)の幅方向、即ち、メサ構造8の幅方向(図17中、上下方向)に沿って曲げられた曲線形状の回折格子である。また、分布反射鏡領域2Bの反射用回折格子6Bは、パッシブ導波路10(第2導波路)の幅方向、即ち、メサ構造8の幅方向(図17中、上下方向)に沿って曲げられた曲線形状の回折格子である。つまり、分布反射鏡領域2A,2Bの反射用回折格子6A,6Bは、活性領域1の側に向かって、即ち、活性領域1の中央位置に向かって凸形状になるように湾曲している。なお、分布反射鏡領域2A,2Bの反射用回折格子6A,6Bを湾曲回折格子あるいは曲線回折格子ともいう。
これにより、横高次モードの結合係数を減少させることができる。この結果、発振しきい値が上昇し、横高次モードの発振を抑制することができる。
このように、導波路幅を広くして、素子抵抗を低減し、光出力の飽和を抑制するとともに、曲線回折格子を用いることで、単一横モード動作を実現できるようにしている。
具体的には、上述のように、高速応答特性を向上させるために、活性領域1の長さを100μmにしている。また、素子抵抗を低減して光出力の飽和を抑制するために、メサ構造8の幅、即ち、導波路幅を3.0μmとしている。そして、横高次モードの発振を抑制するために、活性領域1の回折格子3及び分布反射鏡領域2A,2Bの反射用回折格子6A,6Bとして、曲率半径が8μmの円弧形状を有する円弧状回折格子(曲線回折格子)を用いている。
また、本実施形態では、分布反射型レーザの発振波長帯を1.55μm帯としている。
このため、回折格子層5は、n型ドープInP基板301の表面に形成された回折格子3を埋め込むn型ドープGaInAsP層303の組成波長1.25μmとし、厚さ120nmとしている。
また、アンドープAlGaInAs/AlGaInAs量子井戸活性層305を構成するアンドープAlGaInAs井戸層を厚さ5.1nm、圧縮歪量1.2%とし、アンドープAlGaInAsバリア層を組成波長1.20μm、厚さ10nmとしている。また、アンドープAlGaInAs/AlGaInAs量子井戸活性層305の積層数は15層とし、その発光波長(発振波長)は1550nmとしている。
なお、量子井戸活性層305の上下に、量子井戸活性層305を挟み込むように、アンドープAlGaInAs−SCH層を設ける場合には、アンドープAlGaInAs−SCH層の組成波長1.15μm、厚さ20nmとすれば良い。
また、アンドープAlGaInAs光ガイド層308は、組成波長1.35μm、厚さ230nmである。
なお、その他の詳細は、上述の第1実施形態及びその変形例のものと同じであるため、ここではその説明を省略する。
次に、本実施形態の具体的構成例にかかる分布反射型レーザ(光半導体装置)の製造方法について、図18〜図21を参照しながら説明する。
まず、図18(A)に示すように、n型ドープInP基板301の表面上に、例えば、電子ビーム露光法によって、電子ビームレジスト(日本ゼオン製ZEP520)からなり、回折格子パターンを有するマスク302を形成する。なお、回折格子パターンには、活性領域1の回折格子3を形成するための回折格子パターンと、前端面側及び後端面側の分布反射鏡領域2A,2Bの反射用回折格子6A,6Bを形成するための反射用回折格子パターンとが含まれている。
次いで、このマスク302を用いて、例えばエタン/水素混合ガスによるリアクティブ・イオン・エッチング(RIE)によって、図18(B)に示すように、n型InP基板301の表面の一部を除去して回折格子パターンを転写する。ここでは、n型InP基板301の途中でエッチングが停止するようにしている。
これにより、活性領域1の回折格子3と分布反射鏡領域2A,2Bの反射用回折格子6A,6Bとが一括形成される。つまり、個々の素子の活性領域1の全長(ここでは100μm)にわたって回折格子3が形成される。また、活性領域1の回折格子3に連続して前端面側の分布反射鏡領域2Bとなる領域の全長(ここでは25μm)にわたって反射用回折格子6Bが形成される。さらに、活性領域1の回折格子3に連続して後端面側の分布反射鏡領域2Aの全長(ここでは75μm)にわたって反射用回折格子6Aが形成される。
本実施形態では、活性領域1の回折格子3は、曲線形状の回折格子になっている。また、分布反射鏡領域2A,2Bの反射用回折格子6A,6Bも、曲線形状の回折格子になっている。つまり、活性領域1の回折格子3、及び、分布反射鏡領域2A,2Bの反射用回折格子6A,6Bは、活性領域1の中央位置に向かって凸形状になるように湾曲した湾曲回折格子になっている。ここでは、活性領域1の回折格子3、及び、分布反射鏡領域2A,2Bの反射用回折格子6A,6Bは、曲率半径が8μmの円弧形状を有する円弧状回折格子になっている。また、活性領域1の中央に位相シフト(ここではλ/4位相シフト)が設けられている。
また、活性領域1に形成される回折格子3の周期は一定である。また、活性領域1内で、回折格子3の結合係数及び位相は一定である。また、活性領域1内で、導波路の等価屈折率は共振器方向に沿って一定である。
また、後端面側の分布反射鏡領域2Aに形成される反射用回折格子6Aの周期は一定である。また、分布反射鏡領域2A内で、反射用回折格子6Aの結合係数及び位相は一定である。また、分布反射鏡領域2A内で、導波路の等価屈折率は共振器方向に沿って一定である。
また、前端面側の分布反射鏡領域2Bに形成される反射用回折格子6Bの周期は一定である。また、分布反射鏡領域2B内で、反射用回折格子6Bの結合係数及び位相は一定である。また、分布反射鏡領域2B内で、導波路の等価屈折率は共振器方向に沿って一定である。
さらに、活性領域1の回折格子3及び分布反射鏡領域2A,2Bの反射用回折格子6A,6Bの深さは、いずれも100nmであり、同一になっている。また、活性領域1の回折格子3と分布反射鏡領域2A,2Bの反射用回折格子6A,6Bとは、デューティ比(ここでは50%)も同一になっている。つまり、活性領域1の回折格子3と分布反射鏡領域2A,2Bの反射用回折格子6A,6Bとは、結合係数が同一になっている。また、活性領域1の回折格子3と分布反射鏡領域2A,2Bの反射用回折格子6A,6Bとは、導波路幅方向中央部分において位相も同一になっている。
次に、マスク302を通常のレジスト剥離工程を用いて表面から除去する。その後、図18(C)に示すように、回折格子パターンが形成されたn型InP基板301の表面上に、例えば、MOVPE法を用いて、n型ドープGaInAsP層(ガイド層)303を成長させる。ここでは、n型ドープGaInAsP層303は、組成波長1.25μm、厚さ120nmである。これにより、n型InP基板301の途中でエッチングが停止されて形成された溝(回折格子パターン)がn型ドープGaInAsP層303によって埋め込まれる。
次いで、図18(C)に示すように、n型ドープGaInAsP層303上に、例えばMOVPE法によって、n型ドープInP層304、アンドープAlGaInAs/AlGaInAs量子井戸活性層305、p型ドープInPクラッド層306を順次成長させる。ここでは、n型ドープInP層304の厚さは20nmである。また、p型ドープInPクラッド層306の厚さは250nmである。
ここで、量子井戸活性層305は、AlGaInAs系化合物半導体材料を用いて構成されている。つまり、量子井戸活性層305は、アンドープAlGaInAs井戸層、及び、アンドープAlGaInAsバリア層で構成される。ここでは、アンドープAlGaInAs井戸層は、厚さ5.1nm、圧縮歪量1.2%である。また、アンドープAlGaInAsバリア層は、組成波長1.20μm、厚さ10nmである。また、量子井戸活性層305の積層数は15層であり、その発光波長は1550nmである。
なお、量子井戸活性層305の上下に、量子井戸活性層305を挟み込むように、アンドープAlGaInAs−SCH層(光ガイド層)を設けても良い。ここでは、アンドープAlGaInAs−SCH層は、組成波長1.15μm、厚さ20nmである。
次に、p型ドープInPクラッド層306の表面に、図19(A)に示すように、通常のCVD法及びフォトリソグラフィ技術を用いて、活性領域1を覆うように、ストライプ状のSiOマスク(エッチングマスク)307を形成する。ここでは、SiOマスク307の厚さ400nmである。
そして、図19(B)に示すように、マスク307を用いて、p型ドープInPクラッド層306の表面からn型ドープInP層304の表面に至るまで、即ち、p型ドープInPクラッド層306及び量子井戸活性層305を、例えばエッチングによって除去する。
その後、図19(C)に示すように、n型ドープInP層304上に、例えばMOVPE法によって、アンドープAlGaInAs光ガイド層308、アンドープInP層309を順次成長させる。ここでは、アンドープAlGaInAs光ガイド層308は、組成波長1.35μm、厚さ230nmである。また、アンドープInP層309の厚さは250nmである。このとき、これらの層308、309は、選択成長によってSiOマスク307の上には成長せず、表面に露出しているn型ドープInP層304の上にのみ成長することになる。
その後、SiOマスク307を剥離した後、図20(A)に示すように、再びMOVPE法を用いて、半導体結晶ウェハ全面に、例えば、p型InPクラッド層310、引き続いて、p型GaInAsコンタクト層311を積層させる。ここでは、p型InPクラッド層310は、Znをドープしたものであって、その厚さは2.0μmである。また、p型GaInAsコンタクト層311は、Znをドープしたものであって、その厚さは300nmである。
そして、図20(B)に示すように、p型GaInAsコンタクト層311の表面に、例えば、通常のCVD法及びフォトリソグラフィ技術を用いて、SiOマスク312を形成する。ここでは、SiOマスク312は、厚さ400nm、幅3.0μmのストライプ状のエッチングマスクである。
その後、図20(C)に示すように、例えばドライエッチング法を用いて、n型InP基板301が例えば0.7μm程掘り込まれる深さまで、上述のようにして形成された半導体積層構造をエッチングし、ストライプ状のメサ構造(メサストライプ)8に加工する。
次に、図21(A)に示すように、このメサ構造8の両側に、例えばFeドープ型半絶縁性InPで構成される電流狭窄層313を、例えばMOVPE法を用いて成長させる。これにより、半絶縁性埋込ヘテロ構造(SI−BH構造)が形成される。
次いで、エッチングマスク312を例えばふっ酸で除去した後、活性領域1以外のp型GaInAsコンタクト層311を、通常のフォトリソグラフィ技術及びエッチングを用いて除去する。
その後、図21(B)に示すように、SiOパッシベーション膜314を形成する。そして、活性領域1のp型GaInAsコンタクト層311の上方の部分のみに窓が開くように、通常のフォトリソグラフィ技術及びエッチングを用いてSiOパッシベーション膜を取り除く。その後、p側電極315、n側電極316を形成する。
そして、図21(B)に示すように、素子の両端面に無反射コート317,318を形成して、素子が完成する。
なお、その他の詳細は、上述の第1実施形態及びその変形例のものと同じであるため、ここではその説明を省略する。
したがって、本実施形態にかかる光半導体装置(半導体レーザ)によれば、光出力の飽和を抑制し、十分な特性(変調特性)が得られるようにしながら、安定した単一横モード動作を実現できるという利点がある。
特に、上述の実施形態では、高速応答特性を向上させるために、活性領域1の長さを100μmにしている。また、素子抵抗を低減して光出力の飽和を抑制するために、メサ構造8の幅、即ち、導波路幅を3.0μmとしている。そして、横高次モードの発振を抑制するために、活性領域1の回折格子3及び分布反射鏡領域2A,2Bの反射用回折格子6A,6Bを、曲率半径が8μmの曲線回折格子にしている。
このような曲線回折格子を用いた場合の横基本モード(0次)の結合係数は、直線回折格子の場合に比べて65%となる。これに対し、曲線回折格子を用いた場合の横高次モード(1次)の結合係数、横高次モード(2次)の結合係数は、直線回折格子の場合に比べて、それぞれ、10%、15%となる。これにより、曲線回折格子を用いた場合の横高次モード(1次、2次)の発振しきい値利得は、横基本モードの発振しきい値利得の2倍以上になる。この結果、上述の実施形態のようにして作製した素子において、横高次モードで発振しなくなり、安定した単一横モード動作が得られた。
なお、上述の実施形態では、活性領域1の回折格子3及び分布反射鏡領域2A,2Bの反射用回折格子6A,6Bとして、曲線回折格子を用いているが、これに限られるものではなく、活性領域1の側に向かって凸形状になる回折格子を用いれば良い。
つまり、分布反射鏡領域2A,2Bの反射用回折格子6A,6Bは、結合係数がパッシブ導波路10の幅方向で同一であり、幅方向両側部分がパッシブ導波路10の幅方向に平行な幅方向中央部分に対して活性領域1の反対側へ傾いているものであれば良い。
また、活性領域1の中央位置から後端面側の回折格子3は、結合係数が活性導波路9の幅方向で同一であり、幅方向両側部分が活性導波路9の幅方向に平行な幅方向中央部分に対して後端面側の分布反射鏡領域2A側へ傾いているものであれば良い。なお、活性領域1の中央位置から後端面側の回折格子3を第4回折格子という。また、後端面側の分布反射鏡領域2Aを第1分布反射鏡領域ともいう。
また、活性領域1の中央位置から前端面側の回折格子3は、結合係数が活性導波路9の幅方向で同一であり、幅方向両側部分が活性導波路9の幅方向に平行な幅方向中央部分に対して後端面側の分布反射鏡領域2Aの反対側へ傾いているものであれば良い。なお、活性領域1の中央位置から前端面側の回折格子3を第5回折格子ともいう。また、後端面側の分布反射鏡領域2Aを第1分布反射鏡領域ともいう。
但し、設計上のトレランスが広いという点で、円弧状回折格子、楕円形状回折格子、二次曲線状回折格子などの曲線形状の回折格子を用いるのが好ましい。このような曲線形状の回折格子を用いる場合、回折格子を形成する際に、回折格子が導波路の幅方向にずれてしまったとしても、特性に影響を与えないようにすることができる。つまり、曲線形状の回折格子を用いる場合、回折格子が導波路の幅方向にずれたとしても、横基本モードの結合係数はそれほど低下せず、その一方で、横高次モードの結合係数は大きく低下するため、所望の特性が得られることになる。なお、回折格子の形状を規定する関数(例えば曲率変化を示す関数)として、どのような関数を採用するかは、設計上の自由度がある。このため、「曲線形状の回折格子」には、曲線形状の回折格子だけでなく、曲線形状に近似した形状の回折格子も含まれるものとする。
また、上述の実施形態では、活性領域1の回折格子3を、位相シフト4を含むものとしているが、これに限られるものではなく、活性領域1の回折格子3を、位相シフトを含まないものとして構成しても良い。
また、上述の実施形態では、活性領域1の後端面側及び前端面側に連なるように分布反射鏡領域2A,2Bを設けているが、これに限られるものではなく、活性領域1の後端面側にだけ連なるように分布反射鏡領域を設けても良い。
また、上述の実施形態では、活性領域1の前端面側に連なる分布反射鏡領域2Bの反射用回折格子6Bを、曲線回折格子にしているが、これに限られるものではなく、上述の第2実施形態の変形例のように、直線回折格子にしても良い。
また、上述の実施形態では、活性領域1の回折格子3は、曲線回折格子にしているが、これに限られるものではなく、例えば、上述の第1、第2実施形態のように、直線回折格子にしても良い。この場合、活性領域1の中央位置から前端面側及び後端面側の回折格子3のうち、どちらか一方の回折格子を直線回折格子にしても良い。活性領域1の中央位置から後端面側に位置する回折格子3を、曲線回折格子(第4回折格子)にし、活性領域1の中央位置から前端面側に位置する回折格子3を、直線回折格子(第3回折格子)にするのが好ましい。
[その他]
なお、上述の各実施形態及び変形例では、活性領域1にも回折格子3が設けられているDRレーザ、即ち、分布帰還型レーザの機能も有するDRレーザに本発明を適用した場合を例に挙げて説明しているが、これに限られるものではない。例えば、活性領域には回折格子が設けられていない分布反射型(DBR:Distributed BraggReflector)レーザに本発明を適用することもできる。なお、この場合、上述の第1実施形態の構成では、前端面側のへき開面に高反射膜を設けることになる。
また、上述の各実施形態及び変形例では、活性領域と分布反射領域とで回折格子の結合係数の値を同一にした場合を例に挙げて説明しているが、これに限られるものではなく、素子の設計によっては異なっていても良い。
また、上述の各実施形態及び変形例では、回折格子のデューティ比(山谷比)を50%にしている場合を例に挙げて説明しているが、これに限られるものではなく、素子の設計によってはデューティ比が変化していても良い。
また、上述の第1実施形態では、発振波長帯を1.31μm帯にしており、第2実施形態及び第3実施形態では、発振波長帯を1.55μm帯にしているが、これらに限られるものではない。例えば、第1実施形態のものにおいて発振波長帯を1.55μm帯にしても良いし、第2実施形態及び第3実施形態のものにおいて発振波長帯を1.31μm帯にしても良い。
また、上述の各実施形態及び変形例では、高速変調動作を実現するために、n型InP基板上にAlGaInAs系化合物半導体材料を用いた量子井戸活性層を備える半導体レーザ(DRレーザ)を例に挙げて説明しているが、これに限られるものではない。例えば、各実施形態及び変形例のものにおいてGaInAsP系化合物半導体材料を用いて量子井戸活性層を構成しても良い。また、例えば、GaInNAs系化合物半導体材料などの他の化合物半導体材料を用いて量子井戸活性層を構成しても良い。これらの場合も、上述の各実施形態及びその変形例の場合と同様に横高次モード抑制効果が得られる。
また、上述の実施形態及び変形例では、n型の導電性を有する基板を用いているが、これに限られるものではなく、例えば、p型の導電性を有する基板を用いても良い。この場合、基板上に形成される各層の導電性は全て逆になる。また、半絶縁性の基板を用いても良い。さらに、例えばシリコン基板上に貼り合わせの方法で作製しても良い。これらの場合も、上述の各実施形態及びその変形例の場合と同様の効果が得られる。
また、例えばGaAs基板を用い、GaAs基板上に結晶成長(例えばエピタキシャル成長)しうる半導体材料を用いて各層を形成しても良い。この場合も、上述の各実施形態及びその変形例の場合と同様の効果が得られる。
また、上述の各実施形態及び変形例では、量子井戸活性層を用いているが、これに限られるものではない。例えばバルク型の半導体材料を用いたバルク活性層や量子ドット活性層などの他の活性層構造を採用しても良い。この場合も、上述の各実施形態及びその変形例の場合と同様に、横高次モード抑制効果が得られる。
また、上述の各実施形態及び変形例では、高速変調動作のために、半絶縁性埋込構造(SI−BH構造)を用いた電流狭窄構造を用いた場合を例に挙げて説明している。しかしながら、これらに限られるものではなく、例えばpnpnサイリスタ構造を用いた電流狭窄構造などの他の埋込構造を用いた電流狭窄構造を採用することも可能である。
また、上述の各実施形態及びその変形例では、基板の表面に形成される表面回折格子構造を例に挙げて説明している。しかしながら、これらに限られるものではなく、周期的に分断された半導体層を他の半導体層によって埋め込むことによって形成される埋込型回折格子構造を用いることも可能である。
また、上述の各実施形態及びその変形例では、回折格子が導波路コア層(活性層や光ガイド層)の下側(導波路コア層に対して基板側)に装荷されている場合を例に挙げて説明している。しかしながら、これらに限られるものではなく、例えば、導波路コア層の上側(導波路コア層に対して基板と反対側)に装荷されていても良く、この場合も上述の各実施形態の場合と同様の効果が得られる。
また、上述の第1及び第3実施形態及びその変形例では、活性領域1の中央よりも10μm後端面側の位置、又は、活性領域1の中央位置に位相シフトを設けているが、位相シフトの位置は、これに限られるものではない。つまり、位相シフトは、活性領域内であれば設計の範囲内で、他の位置に配置することも可能である。
また、上述の各実施形態及びその変形例では、位相シフトを1つだけ有する場合を例に挙げて説明しているが、これに限られるものではなく、例えば、位相シフトが複数個ある構造であっても良い。また、1個又は複数個の位相シフトの量は任意に設定可能である。
また、本発明は、上述した各実施形態及び変形例に記載した構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
以下、上述の各実施形態及びその変形例に関し、更に、付記を開示する。
(付記1)
活性領域と、
前記活性領域の一端側に設けられ、第1回折格子を装荷した第1導波路を有する第1分布反射鏡領域とを備え、
前記第1回折格子は、結合係数が前記第1導波路の幅方向で同一であり、幅方向両側部分が前記第1導波路の幅方向に平行な幅方向中央部分に対して前記活性領域の反対側へ傾いていることを特徴とする光半導体装置。
(付記2)
前記第1回折格子は、曲線形状の回折格子であることを特徴とする、付記1に記載の光半導体装置。
(付記3)
前記活性領域の他端側に設けられ、第2回折格子を装荷した第2導波路を有する第2分布反射鏡領域を備えることを特徴とする、付記1又は2に記載の光半導体装置。
(付記4)
前記第2回折格子は、結合係数が前記第2導波路の幅方向で同一であり、幅方向両側部分が前記第2導波路の幅方向に平行な幅方向中央部分に対して前記活性領域の反対側へ傾いていることを特徴とする、付記3に記載の光半導体装置。
(付記5)
前記第2回折格子は、曲線形状の回折格子であることを特徴とする、付記4に記載の光半導体装置。
(付記6)
前記第2回折格子は、前記第2導波路の幅方向に平行な直線形状の回折格子であることを特徴とする、付記3に記載の光半導体装置。
(付記7)
前記活性領域は、第3回折格子を装荷した活性導波路を備えることを特徴とする、付記1〜6のいずれか1項に記載の光半導体装置。
(付記8)
前記第3回折格子は、前記活性導波路の幅方向に平行な直線形状の回折格子であることを特徴とする、付記7に記載の光半導体装置。
(付記9)
前記活性領域は、第3回折格子及び第4回折格子を装荷した活性導波路を備え、
前記第3回折格子は、前記活性導波路の幅方向に平行な直線形状の回折格子であり、
前記第4回折格子は、結合係数が前記活性導波路の幅方向で同一であり、幅方向両側部分が前記活性導波路の幅方向に平行な幅方向中央部分に対して前記第1分布反射鏡領域側へ傾いていることを特徴とする、付記1〜6のいずれか1項に記載の光半導体装置。
(付記10)
前記活性領域は、第4回折格子及び第5回折格子を装荷した活性導波路を備え、
前記第4回折格子は、結合係数が前記活性導波路の幅方向で同一であり、幅方向両側部分が前記活性導波路の幅方向に平行な幅方向中央部分に対して前記第1分布反射鏡領域側へ傾いており、
前記第5回折格子は、結合係数が前記活性導波路の幅方向で同一であり、幅方向両側部分が前記活性導波路の幅方向に平行な幅方向中央部分に対して前記第1分布反射鏡領域の反対側へ傾いていることを特徴とする、付記1〜6のいずれか1項に記載の光半導体装置。
1 活性領域
2 分布反射鏡領域
2A 後端面側の分布反射鏡領域
2B 前端面側の分布反射鏡領域
3 回折格子
4 位相シフト
5 回折格子層
6,6A,6B 反射用回折格子
7 反射用回折格子層
8 メサ構造
9 活性導波路
10 パッシブ導波路
101,201,301 n型ドープInP基板
102,202,302 マスク
103,203,303 n型ドープGaInAsP層
104,204,304 n型ドープInP層
105,205,305 アンドープAlGaInAs/AlGaInAs量子井戸活性層
106,206,306 p型ドープInPクラッド層
107,207,307 SiOマスク
108,208,308 アンドープAlGaInAs光ガイド層
109,209,309 アンドープInP層
110,210,310 p型InPクラッド層
111,211,311 p型GaInAsコンタクト層
112,212,312 SiOマスク
113,213,313 電流狭窄層
114,214,314 SiOパッシベーション膜
115,215,315 電流注入用電極(p側電極)
116,216,316 n側電極
117,217,317,118,218,318 無反射コーティング

Claims (5)

  1. 活性領域と、
    前記活性領域の一端側に設けられ、第1回折格子を装荷した第1導波路を有する第1分布反射鏡領域とを備え、
    前記第1回折格子は、結合係数が前記第1導波路の幅方向で同一であり、幅方向両側部分が前記第1導波路の幅方向に平行な幅方向中央部分に対して前記活性領域の反対側へ傾いていることを特徴とする光半導体装置。
  2. 前記第1回折格子は、曲線形状の回折格子であることを特徴とする、請求項1に記載の光半導体装置。
  3. 前記活性領域の他端側に設けられ、第2回折格子を装荷した第2導波路を有する第2分布反射鏡領域を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の光半導体装置。
  4. 前記第2回折格子は、結合係数が前記第2導波路の幅方向で同一であり、幅方向両側部分が前記第2導波路の幅方向に平行な幅方向中央部分に対して前記活性領域の反対側へ傾いていることを特徴とする、請求項3に記載の光半導体装置。
  5. 前記活性領域は、第3回折格子を装荷した活性導波路を備えることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光半導体装置。
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