JPH10308553A - 半導体レーザ装置 - Google Patents

半導体レーザ装置

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JPH10308553A
JPH10308553A JP11788397A JP11788397A JPH10308553A JP H10308553 A JPH10308553 A JP H10308553A JP 11788397 A JP11788397 A JP 11788397A JP 11788397 A JP11788397 A JP 11788397A JP H10308553 A JPH10308553 A JP H10308553A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基本横モードでのレーザ発振を安定して生じ
させ、高い光出力まで安定した単一波長でのレーザ発振
を生じさせる。 【解決手段】 誘導放出光を発生する活性層と、前記誘
導放出光が導波されるストライプ状の導波路構造と、前
記誘導放出光の導波方向に誘導放出光に対する吸収が周
期的に変動する光吸収の分布を有した吸収性回折格子と
を備え、前記吸収性回折格子が前記ストライプ状の導波
路構造の内部及びその周辺部に配置され、前記誘導放出
光が前記吸収の周期的変動により光分布帰還を受けて単
一波長でレーザ発振する分布帰還型の半導体レーザ装置
であって、前記吸収性回折格子は、吸収損失が前記スト
ライプ状の導波路構造の中心部からその周辺部に向かっ
て大きくなるように分布された光吸収層を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク装置、
光通信、光計測装置等の光源として利用される半導体レ
ーザ装置に関し、特に誘導放出光が導波するストライプ
状の領域の内部の活性層近傍に吸収性回折格子が設けら
れた利得結合分布帰還型半導体レーザに関する。
【0002】
【従来の技術】誘導放出光を発生する活性層を備え、誘
導放出光が導波されるストライプ状の導波路構造を備え
た半導体レーザ装置において、誘導放出光の導波方向に
回折格子を備えており、誘導放出光が回折格子により光
分布帰還を受けて単一波長でレーザ発振が生ずるよう構
成されたものを分布帰還型半導体レーザ(DFB−L
D:Distributed FeedBack La
ser Diode)という。DFB−LDは、光計測
装置、高速光伝送装置、光記録装置等における単一波長
光源として実用上大変有用なものである。
【0003】DFB−LDにおいて、特に安定して単一
波長を発生するよう考案されたものが利得結合DFB−
LD(以下、GC−DFB−LDと記す:Gain−C
oupled DFB−LD)であり、例えば、Jp
n.J.Appl.Phys.1993年,第32巻,
825頁(参考文献1)にその一例が示されている。参
考文献1に示されたGC−DFB−LDにおいては、回
折格子を構成する各格子部の頂上に光吸収層を設けるこ
とによって周期的に光を吸収するようにした吸収性回折
格子作り込んでいる。誘導放出光の導波方向にて誘導放
出光に対する吸収/利得が空間的に周期的に変動した素
子構造にすることによって、従来のDFB−LDよりも
単一の波長でレーザ発振が安定して生じるとされてい
る。
【0004】図13に、従来の吸収性回折格子を備えた
GC−DFB−LDの構造の一例を示す斜視図を示す。
内部の構造を説明するためにその一部を切り欠いて示
す。
【0005】図13において、00は従来のGC−DF
B−LDであり、誘導放出光を発生する活性層13を有
し、活性層13近傍に、光吸収層16A,16Bの周期
分布を有する周期構造22を備え、誘導放出光が周期構
造22により光分布帰還を受けてレーザ発振が生ずる素
子構造となっている。
【0006】すなわち、上記レーザ装置00を構成する
n型のGaAs基板11には、層厚1μmのn型のAl
0.45Ga0.55As下クラッド層12が形成されている。
また、下クラッド層12上には、不純物無添加の多重量
子井戸の活性層13が形成されており、活性層13上に
は、層厚0.1μmのp型のAl0.45Ga0.55Asキャ
リアバリア層14を介して層厚0.1μmのp型のAl
0.3Ga0.7Asガイド層15が形成されている。ガイド
層15の表面部分は、凹凸形状を誘導放出光の導波方向
に沿って一定周期で繰り返し配列した構造となってい
る。そして、ガイド層15の凸部上には、厚さ0.05
μmのn型のGaAs光吸収層16A,16Bが配置さ
れている。そして、凹凸部分は、厚さ0.1μmのp型
のAl0.25Ga0.75Asからなる第2ガイド層25が配
置されている。ここで光吸収層16A,16Bを構成す
るGaAsは、活性層13から誘導放出される光のエネ
ルギーよりも小さな禁制帯幅を有していることから、上
記光吸収層16A,16Bは、活性層で発生される誘導
放出光を周期的に吸収する吸収性回折格子22を構成す
る。領域Aには誘導放出光の導波方向に沿って、層厚1
μmで幅4μmのストライプ状のp型のAl0.45Ga
0.55As上クラッド層18が形成されており、上クラッ
ド層18の表面上には、層厚0.5μmのp型のGaA
sコンタクト層19が形成されている。吸収性回折格子
22は、領域A,Bに均一に形成されている。上記構造
の最表面には、コンタクト層19上部を除いて絶縁膜1
7が形成されている。絶縁膜17の表面及びコンタクト
層19の表面上には電極20が形成されており、基板1
1の裏面にも電極21が形成されている。
【0007】このような構成の吸収性回折格子を有する
GC−DFB−LDでは、回折格子が形成された光吸収
層16A,Bによって、活性層で発生する誘導放出光に
対する利得の周期的変化が生ずることとなる。これによ
り誘導放出光の分布帰還が生じて単一波長でのレーザ発
振が生ずる。
【0008】次に、従来のGC−DFB−LDの構造の
製造方法について図14を用いて説明する。図14
(a)〜図14(d)は上記半導体レーザ装置の製造方
法を主要工程順に示す斜視図である。
【0009】まず、有機金属気相成長法などを用いた第
1回目の結晶成長を行って、n型のGaAs基板11上
に半導体レーザ装置を構成する複数の半導体層を形成す
る。この第1回目の結晶成長では、上記基板11上にn
型Al0.45Ga0.55As下クラッド層12が1μmの厚
さに、不純物無添加の多重量子井戸の活性層13が形成
され、その上にp型のAl0.45Ga0.55Asキャリアバ
リア層14が0.1μmの厚さに、さらにp型のAl
0.3Ga0.7Asガイド層15が0.1μmの厚さに、n
型のGaAs層光吸収層16が0.05μmの厚さに形
成される。(図14(a))そして、最表面の光吸収層
16の上にホトレジストを塗布し、二光束干渉露光法に
より、周期約0.35μmの回折格子状のマスクパター
ンを基板全面に均一に得る。次にウエットエッチングに
より光吸収層16,ガイド層15の一部をエッチング
し、回折格子22を得る。(図14(b))次に、回折
格子22が形成されている第1回目の結晶成長層の表面
上に、第2回目の結晶成長を行って複数の半導体層を形
成する。この第2回目の結晶成長では、まずp型のAl
0.25Ga0.75As第2ガイド層25が0.1μmの厚さ
に形成され、p型のAl0.45Ga0.55As上クラッド層
18が1μmの厚さに形成され、最後にp型のGaAs
コンタクト層19が0.5μmに形成される。(図14
(c))そして、通常のホトリソグラフィーとウエット
エッチングにより回折格子と直交する方向に幅4μmの
ストライプ状にGaAsコンタクト層19とAl0.45
0.55As上クラッド層18とを加工し、リッジ型光導
波構造を作製する。光導波構造を作製した後、絶縁膜1
7をリッジ頂上を除く表面全体に形成し、基板の表面側
に電極20を、基板の裏面に電極21を形成する。最後
に、リッジ部が素子の中央にくるように200〜600
μm程度の素子長のチップに劈開により分割して、レー
ザ装置を完成する(図14(d))。
【0010】なお、上記に示した従来の構造において
は、活性層の近傍に設けた光吸収層以外には光を吸収す
る構造を持たない、実屈折率ガイド構造にすることで駆
動電流の低減を図っている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来の吸収性回折格子
を備えたGC−DFB−LDの構造では、活性層を挟む
2つのクラッド層のうちの一方をストライプ状の凸形状
に加工したリッジ型光導波路構造を備えており、リッジ
部と活性層との間に吸収性回折格子を設けている。リッ
ジ型導波構造により、誘導放出光が導波するストライプ
領域の内部(以下、領域Aともいう)の等価屈折率をそ
の周辺部(以下、領域Bともいう)の等価屈折率よりも
高くし、等価屈折率の差により導波光をストライプ領域
の内部に閉じ込め、0次水平横モードでのレーザ発振を
実現している。
【0012】ところで、図15(a)にレーザ出射端面
方向から見た従来のGC−DFB−LDの断面、及びリ
ッジ構造によりレーザ内部に閉じ込められた光の分布の
様子を示す。領域Aに相当するリッジ内部においては、
図15(b)にa−a’間の光密度分布を示すように、
光は上下方向(半導体層の積層方向)に広がり、かつ光
密度が高くなる。一方で領域Bに相当するリッジ周辺部
では、図15(c)にb−b’間の光密度分布を示すよ
うに、光の上下方向への広がりが小さく、かつ光密度が
低い。その為、領域Aに閉じ込められた光(a−a’)
の方が領域Bにしみ出た光(b−b’)よりも光吸収層
16による光吸収を強く受けることになる。この場合、
ストライプ内外の実屈折率差により光をストライプ領域
に閉じ込める構造を意図しているにもかかわらず、出力
と共に吸収損失の小さな領域Bへ光分布がシフトした
り、基本横モードよりも領域Bへ広がった光分布を示す
高次横モードが発生しやすくなる問題点が生じる。光分
布の位置が不安定であったり、高次横モードが発生する
と光出力電流特性に折れ曲がりが生じてレーザが高出力
まで動作しなくなる。通常の吸収性回折格子によるGC
−DFB−LDにおいては、十数mW程度の光出力でさ
えも光出力電流特性に折れ曲がりが生じて、長距離コヒ
ーレント空間光通信の光源等の数十mW以上の光出力を
要求する用途に対しては問題が大きい。さらに、単一波
長での安定なレーザ発振を要求するDFB−LDの場合
には、高次横モードが発生すると発振波長が不連続に変
化し単一波長での発振を維持出来なくなる等の致命的な
問題が生じる。
【0013】本発明は上記のような問題点を解決するた
めになされたもので、基本横モードでのレーザ発振を安
定して生じさせ、高い光出力まで安定した単一波長での
レーザ発振を生じさせる新規のGC−DFB−LDを得
ることを目的とする。特に、上記の目的の為に過剰にレ
ーザの駆動電流を増加させることがなく、かつ構造が非
常に簡単で、製造工程や製造コストを大幅に上昇させる
ことなく製造できる構成を提供する。
【0014】なお、上記では活性層13の上に光吸収層
16を設け、その上のクラッド層をリッジ型光導波路に
加工した構造に関して図15を参照して問題点を示した
が、安定した基本横モードを高い光出力まで得る要求は
リッジの有無,形態に限らず他の導波路構造を有するレ
ーザにも共通する要求である。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体レーザ装
置は、誘導放出光を発生する活性層と、前記誘導放出光
が導波されるストライプ状の導波路構造と、前記誘導放
出光の導波方向に誘導放出光に対する吸収が周期的に変
動する光吸収の分布を有した吸収性回折格子とを備え、
前記吸収性回折格子が前記ストライプ状の導波路構造の
内部及びその周辺部に配置され、前記誘導放出光が前記
吸収の周期的変動により光分布帰還を受けて単一波長で
レーザ発振する分布帰還型の半導体レーザ装置であっ
て、前記吸収性回折格子は、吸収損失が前記ストライプ
状の導波路構造の中心部からその周辺部に向かって大き
くなるように分布された光吸収層を有することにより、
上記目的を達成する。
【0016】本発明の半導体レーザ装置は、誘導放出光
を発生する活性層と、前記誘導放出光が導波されるスト
ライプ状の導波路構造と、前記誘導放出光の導波方向に
誘導放出光に対する吸収が周期的に変動する光吸収の分
布を有した吸収性回折格子とを備え、前記吸収性回折格
子が前記ストライプ状の導波路構造の内部及びその周辺
部に配置され、前記誘導放出光が前記吸収の周期的変動
により光分布帰還を受けて単一波長でレーザ発振する分
布帰還型の半導体レーザ装置であって、前記吸収性回折
格子による吸収損失を前記ストライプ状の導波路構造の
中心部から周辺部に向かって変化させることにより、水
平横モードを安定化してなることにより、上記目的を達
成する。
【0017】また、前記吸収性回折格子が、そのデュー
ティ比が前記ストライプ状の導波路構造の中心部でより
小さく、周辺部に向かってより大きくされてなることに
より、上記目的を達成する。
【0018】前記吸収性回折格子の光吸収層は、その層
厚が前記ストライプ状の導波路構造の中心部でより薄
く、周辺部に向かってより厚くされてなることにより、
上記目的を達成する。
【0019】更に、前記吸収性回折格子の光吸収層は、
量子井戸を用いたものであって、前記量子井戸の井戸数
が、前記ストライプ状の導波路構造の中心部でより少な
く、周辺部に向かってより多く配置されてなることによ
り、上記目的を達成する。
【0020】前記吸収性回折格子の光吸収層は、量子井
戸を用いたものであって、前記量子井戸の井戸幅が、前
記ストライプ状の導波路構造の中心部でより狭く、周辺
部に向かってより広く形成されてなることにより、上記
目的を達成する。
【0021】また、前記吸収性回折格子は、その前記活
性層との距離が、前記ストライプ状の導波路構造で中心
部でより遠く、周辺部に向かってより近くてなることに
より、上記目的を達成する。
【0022】前記吸収性回折格子は、その禁制帯幅が、
前記ストライプ状の導波路構造の中心部でより広く、周
辺部に向かってより狭くてなることにより、上記目的を
達成する。
【0023】本発明の半導体装置は、前記ストライプ状
の導波路構造の中心部から周辺部に向かっての構造の変
化が滑らかであることにより、上記目的を達成する。
【0024】以下、本発明の作用について説明する。
【0025】請求項1、2においては、誘導放出光が導
波するストライプ状の領域の内部および周辺部に吸収性
回折格子が設けられた半導体レーザ装置において、スト
ライプ状の導波路構造の中心部から周辺部に向かって吸
収損失が大きくなるよう分布してしている為、ストライ
プ状の導波路の内部における吸収性回折格子は分布帰還
を効率よく行わせて安定した単一波長でのレーザ発振を
行わせるように作用し、周辺部における吸収性回折格子
は分布帰還を行わせるとともに安定した水平横モードで
のレーザ発振を行わせる作用をはたす。その為、高出力
までの0次水平横モードでのレーザ発振を、駆動電流の
大幅な上昇なく、容易かつ製造工程を大幅に追加するこ
となく安価に行わせることの出来る構造が提供されるも
のである。
【0026】請求項3から9においては、請求項1又は
2における本発明をより具体的に実現する為の好適な手
段が示されている。すなわち、吸収性回折格子のデュー
ティ比が、ストライプ状の導波路構造の中心部で小さ
く、周辺部に向かって大きく分布していることによって
請求項1又は2の構成を好適に実現できる(請求項
3)。また、別の方法では、吸収性回折格子を構成する
光吸収層の層厚が、ストライプ状の導波路構造の中心部
で薄く、周辺部に向かって厚く分布していることによっ
て請求項1又は2の構成を好適に実現できる(請求項
4)。また、別の方法では、吸収性回折格子を構成する
光吸収層が、量子井戸から成りストライプ状の導波路構
造の中心部で量子井戸の井戸数が少なく、周辺部に向か
って多く分布していることによって請求項1又は2の構
成を好適に実現できる(請求項5)。また、別の方法で
は、吸収性回折格子を構成する光吸収層が量子井戸から
成りス、トライプ状の導波路構造の中心部で量子井戸の
井戸幅が狭く、周辺部に向かって広く分布していること
によって請求項1又は2の構成を好適に実現できる(請
求項6)。また、別の方法では、吸収性回折格子と活性
層との距離が、ストライプ状の導波路構造の中心部で離
れており、周辺部に向かって近く分布していることによ
って請求項1又は2の構成を好適に実現できる(請求項
7)。また、別の方法では、吸収性回折格子の禁制帯幅
が、ストライプ状の導波路構造の中心部で広く、周辺部
に向かって狭く分布していることによって請求項1又は
2の構成を好適に実現できる(請求項8)。なお、請求
項1から8においては、内外の光吸収層の構造の変化を
なめらかにすることによってより光が閉じ込まるように
なり、より好適である(請求項9)。
【0027】次に本発明に対してより好適な構成を示
す。すなわち、ストライプ状の領域の周辺部の光吸収層
が、量子井戸であり、内部はその量子井戸が無秩序化さ
れた時にできる混晶比を有する混晶結晶であることによ
って請求項1又は2の構成をより好適に実現できる。ま
た、本発明を、活性層を挟む上下2つのクラッド層のう
ち一方の層側にリッジ構造等のストライプ内外の等価屈
折率の差をつける構造と吸収層とがある半導体レーザ装
置の様に水平横モードが不安定に成りやすい構造に適用
する場合、より効果的である。また、ストライプ状の領
域の幅が狭すぎると導波光がストライプ外の吸収層から
受ける損失が大きくなり、広すぎると本発明の効果が無
くなることから、ストライプ状の領域の幅は1μm以
上、5μm以下であることが望ましい。より望ましく
は、2μm以上、3.5μm以下であるのがよい。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態を説明する。実施の形態1と実施の形態2〜4と
では電流狭窄構造が異なるが、電流狭窄構造と本願発明
との相関関係は無く、いずれの電流狭窄構造を用いても
よい。
【0029】(実施の形態1)図1は本発明の実施形態
1による半導体レーザ装置を説明するための斜視図であ
り、内部の構造を説明するためにその一部を切り欠いて
示す。図において、01は本実施形態1の半導体レーザ
装置であり、誘導放出光を発生する活性層13を有し、
活性層13近傍に、光吸収層16A,16Bの周期分布
を有する周期構造22を備え、誘導放出光が周期構造2
2により光分布帰還を受けてレーザ発振が生ずるGC−
DFB−LDとなっている。誘導放出光の導波する方向
に沿ったストライプ状の領域Aにおける光吸収層16A
はデューティ比が小さく、領域Bにおける光吸収層16
Bはデューティ比が大きい点が従来例と異なる。
【0030】すなわち、上記レーザ装置01を構成する
n型のGaAs基板11には、層厚1μmのn型のAl
0.6Ga0.4As下クラッド層12が形成されている。ま
た、下クラッド層12上には、層厚0.08μmの不純
物無添加のAl0.13Ga0.87As活性層13が形成され
ており、活性層13上には、層厚0.2μmのp型のA
0.5Ga0.5Asキャリアバリア層14を介して層厚
0.05μmのp型のAl0.3Ga0.7Asガイド層15
が形成されている。
【0031】ガイド層15の表面部分は、凹凸形状を誘
導放出光の導波方向に沿って一定周期で繰り返し配列し
た構造となっている。そして、ガイド層15の凸部上に
は、ストライプ状の領域Aにおいては厚さ0.03μm
のp型のGaAs光吸収層16Aが、デューティ比20
%で配置されている。また、その周辺部である領域Bに
おいては同一厚さのp型のGaAs光吸収層16Bが、
デューティ比80%で配置されている。ここで光吸収層
16A,16Bを構成するGaAsは、活性層13を構
成するAl0.13Ga0.87Asよりも禁制帯幅が小さいこ
とから、上記光吸収層16A,16Bは、活性層で発生
される誘導放出光に対する光吸収体として機能する。従
って、上記導波方向における光吸収層の周期的な配列に
より、吸収性回折格子22が構成される。
【0032】そして光吸収層の上には、層厚0.8μm
のp型のAl0.75Ga0.25As上クラッド層18が形成
されており、上クラッド層18の表面上には、層厚0.
5μmのp型のGaAsコンタクト層19が形成されて
いる。そして領域Aのコンタクト層19から上クラッド
層18にかけて、誘導放出光の導波方向に沿って、幅3
μmに渡ってストライプ状に高濃度のZnが拡散されて
いる。
【0033】コンタクト層19の表面上には、幅3μm
のストライプ状の開口を有する厚さ0.3μmのアルミ
ナ絶縁膜17を介してAuZnからなる電極20が形成
されている。また基板11の裏面にはAuGeからなる
電極21が形成されている。
【0034】次に、製造方法について図2を用いて説明
する。図2(a)〜図2(e)は上記半導体レーザ装置
の製造方法を主要工程順に示す斜視図である。
【0035】まず、MO−CVDを用いた第1回目の結
晶成長を行って、n型のGaAs基板11上に半導体レ
ーザ装置を構成する複数の半導体層を形成する。
【0036】この第1回目の結晶成長では、上記基板1
1上にn型Al0.6Ga0.4As下クラッド層12が1μ
mの厚さに、不純物無添加のAl0.13Ga0.87As活性
層13が0.08μmの厚さに、p型のAl0.5Ga0.5
Asキャリアバリア層14が0.2μmの厚さに成長さ
れ、さらにp型のAl0.3Ga0.7Asガイド層15が
0.05μmの厚さに、p型のGaAs層光吸収層16
が0.03μmの厚さに形成される(図2(a))。
【0037】次に、光吸収層16の上に電子ビーム露光
用のレジストを塗布し、電子ビーム描画により、周期
0.35μmの回折格子状のマスクパターンを描画す
る。描画するマスクパターンは図4(a)に上面図を示
すステップ状のパターンであり、領域Aの幅は3μmで
ある。この時のマスクパターンの線幅は、領域Aにあた
るストライプ状の領域においてデューティ比20%に、
領域Bでは80%になるように描画する(図2
(b))。
【0038】次にCl2ガスを用いたドライエッチング
により光吸収層16A,16Bおよびガイド層15の一
部をエッチングし、回折格子22のパターンを転写す
る。その後マスク26を除去する(図2(c))。
【0039】次に、回折格子22が形成されている、第
1回目の結晶成長層の表面上に、第2回目の結晶成長を
行って複数の半導体層を形成する。この第2回目の結晶
成長では、まずp型のAl0.75Ga0.25As上クラッド
層18が0.8μmの厚さに形成され、最後にp型のG
aAsコンタクト層19が0.5μmに形成される。ア
ルミナ絶縁膜17を0.3μm堆積し、幅3μmのスト
ライプ状の開口を形成した後、その開口を通して高濃度
のZnを拡散する(図2(d))。
【0040】そして、基板11をその裏面に研磨処理を
施して厚さ100μmにまで薄層化し、基板の表面側に
AuZnからなる電極20を、基板の裏面にAuGeか
らなる電極21を真空蒸着により形成する。最後に、基
板を、リッジ部が素子の中央にくるように300μm×
300μm角のチップ状に劈開により分割して、レーザ
装置を完成する(図2(e))。
【0041】次に、作用効果について説明する。
【0042】本実施形態による分布帰還型半導体レーザ
装置では、光吸収性層16のうち、誘導放出光の導波す
る方向に沿ったストライプ状の領域Aの内部に回折格子
が印刻されている。つまり、ストライプ状の領域Aにお
ける光吸収層16Aは光分布帰還を施す吸収性回折格子
として作用し、単一波長でのレーザ発振を生じさせる。
一方、ストライプ状の領域の周辺部である領域Bの光吸
収層16Bにも回折格子が存在し、光分布帰還を施す吸
収性回折格子として作用すると同時に、光吸収層16B
は光吸収層16Aよりもデューティ比が大きいために誘
導放出光に対して大きな損失を与える役目も果たし、ス
トライプ状の領域の外側に染み出た誘導放出光はより大
きな損失を受ける。この場合、領域Aの等価吸収係数は
約40cm-1,領域Bの等価吸収係数は約250cm-1
となり、ストライプ状の領域の周辺部の方が吸収損失が
大きい構造である為に誘導放出光は安定してストライプ
状の領域に閉じ込められる(図16(c))。また、本
構造によって0次水平横モードが受ける共振器損失は約
48cm-1であるのに対して1次水平横モードは約81
cm-1の損失を受ける為、0次以外の横モードの発生は
非常に起こりにくい。比較のために、本実施形態とほぼ
同一の構成で、従来の様にストライプ状の領域の内外に
均一に吸収性回折格子を備えた点だけが異なる半導体レ
ーザ装置においては、領域Aの等価吸収係数は約40c
-1,領域Bの等価吸収係数は約12cm-1となり、ス
トライプ状の領域の内部の方が吸収損失が大きい構造で
あり(図16(a))、また0次水平横モードが受ける
共振器損失は約39cm-1であるのに対して1次水平横
モードは約35cm-1,2次水平横モードは約18cm
-1の損失を受ける為、0次以外の損失の小さな高次横モ
ードが発生しやすい。つまり、従来は光吸収層16に均
一に回折格子を印刻する構成であるのに対し、本発明で
はストライプ状の領域の周辺部である領域Bにはデュー
ティ比の大きな回折格子を設けることにより、領域Bの
光吸収層16Bが、基本横モードよりもストライプ領域
の外側へ広がって導波する高次横モードに選択的に損失
を与えてその発生を抑え、基本横モードでの安定したレ
ーザ発振を生じさせる効果が生じることが見出された。
また、基本横モードでのレーザ発振を生じさせるだけで
なく、DFB−LDとして本質的に重要な単一波長での
レーザ発振特性に対しても、不連続な波長の飛びを抑え
て安定化させる効果も見られる。
【0043】本実施形態の半導体レーザ装置における、
出力レーザ光量の駆動電流依存性(以下、I−L特性と
もいう)、および各点X,Yにおけるレーザ素子に対し
て水平方向の遠視野像(以下、水平FFPともいう)を
図3(a)に示す。比較のために、本実施形態と同一の
構成で、従来の様にストライプ状の領域の内外に均一に
吸収性回折格子を備えた点だけが異なる半導体レーザ装
置におけるI−L特性および各点X’,Y’における水
平FFPも図3(b)に示す。本実施例の半導体レーザ
は、駆動電流40mAでのレーザ発振開始から光出力5
0mW以上までI−L特性が線形であり、また水平FF
Pが単峰的であり、安定した基本横モードで発振してい
る(図3(a))。何れの出力レーザ光量でも、DFB
−LDに特有の、回折格子の周期から唯一決まる単一波
長でのレーザ発振が見られる。一方、従来の様にストラ
イプ状の領域の内外に均一に吸収性回折格子を備えたも
のでは、光出力15mW付近でI−L特性に折れ曲がり
(以下、キンク点ともいう)が見られた。またI−L特
性のキンク点以上のレーザ出力では水平FFPが双峰的
となり、高次横モードでレーザ発振している(図3
(b))。また、キンク点よりも低出力時には回折格子
の周期から唯一決まる単一波長でのレーザ発振が見られ
るものの、キンク点を境にレーザ発振波長の不連続な飛
びが見られ、DFB−LDとして重要な単一波長でのレ
ーザ発振特性にも悪影響が生じている。
【0044】ところで、ストライプ状の領域の周辺部で
ある領域Bに電流狭窄層を兼ねた光吸収層を付加して高
次横モードに損失を与えることにより基本横モードでの
安定したレーザ発振を生じさせる効果を得る方法が考え
られる(損失ガイド構造または複屈折率ガイド構造とも
いう)。この構造では、領域Bに設ける光吸収層を電流
狭窄層と兼ねるため、光吸収層を非常に厚い層にする必
要があり、導波光の損失が大変大きくなる。特に、光吸
収層を設けることによって高機能化を図った半導体レー
ザ構造においては、領域Bにおいては、回折格子が印刻
された光吸収層16Bと新たに付加した光吸収体との両
方によって損失が生じるために基本横モードに対する損
失さえも著しく大きくなり、レーザの駆動電流が大幅に
上昇し、レーザ発振の効率が大幅に低下する欠点があ
る。また、光吸収層を兼ねた電流狭窄層を第3回目の結
晶成長により作製する必要があるために製造工程が増
え、製造コストが大幅に上昇する。それに対し本発明で
は、高次横モードを抑えて安定な基本横モードを得るた
めに領域Bに与える損失量が適切であり、基本横モード
の安定化とレーザの駆動電流を大幅に上昇させないこと
とが両立する点でより優れている。また、製造コストの
上昇要因となる結晶成長の回数を従来と同じ2回で済ま
すことができる為、製造コストの上昇を伴わない。
【0045】なお、本発明においても、ストライプ領域
の幅が極端に狭い場合には誘導放出光が領域Bの光吸収
層16Bによる損失を多く受けすぎる為、望ましくな
い。また、極端に広すぎる場合には高次横モードが発生
するために望ましくない。図3(c)に本実施形態にお
ける発振開始電流とストライプ領域の幅との相関を示
す。ストライプ領域の幅として、1μmから5μmが適
切であり。特に本実施形態で用いた3μm付近(2μm
から3.5μm)がより望ましい。
【0046】ところで、特開平5−343789号公報
には、ストライプ状領域の周辺部である領域Bだけに吸
収性回折格子を設け、内部の領域Aには全く光吸収層も
回折格子ももたない構成とし、領域Bの吸収性回折格子
により光分布帰還を生じさせ、かつその損失によって基
本横モードで安定な発振をさせる発明が開示されてい
る。この場合には誘導放出光が導波する領域Aに全く回
折格子が存在しない為、光分布帰還の程度が小さく、単
一波長でのレーザ発振が生じにくい欠点がある。それに
対し本発明では、基本横モードの安定化と単一波長での
安定したレーザ発振とが両立する点でより優れている。
【0047】上記実施形態1では、図4(a)で上面図
を示したように、誘導放出光が導波するストライプ状の
領域の方向と直交する方向に、ストライプ状の領域の中
心部で光吸収層16のデューティ比が小さく、周辺部で
デューティ比が大きくなるようにステップ状に分布する
場合を示した。変形例として、図4(b)に示すように
複数のステップに分布したもの、図4(c)に示すよう
に滑らかに分布したものなどを適用することが可能であ
る。特に図4(c)に示すようなデューティ比が中心か
ら外側へ滑らかに変わる素子においては、階段状に急激
に変わるものよりも、導波する誘導放出光をストライプ
状の領域の中心部へ集中させる効果が大きく、より高出
力まで安定な基本横モードでのレーザ発振がみられた。
【0048】なお、領域A及び領域Bのそれぞれのデュ
ーティ比は、上記の実施形態で示した20%及び80%
に限定されるものではない。領域A,Bで均一なデュー
ティ比の場合には図16(a)に示す様に領域Aの等価
吸収係数が領域Bよりも高くなるのに対し、図16
(b)の様に領域A,Bでおおよそ等しくなるか、或い
は図16(c)の様に領域A,Bの等価吸収係数の分布
が逆転するように、領域A,Bのそれぞれのデューティ
比が選ばれていれば安定な横モードが得られる効果が見
られた。
【0049】(実施の形態2)図5は本発明の実施形態
2による半導体レーザ装置を説明するための斜視図であ
り、内部の構造を説明するためにその一部を切り欠いて
示す。図において、02は本実施形態2の半導体レーザ
装置であり、誘導放出光を発生する活性層13を有し、
活性層13近傍に、光吸収層16A,16Bの周期分布
を有する周期構造22を備え、誘導放出光が周期構造2
2により光分布帰還を受けてレーザ発振が生ずるGC−
DFB−LDとなっている。誘導放出光の導波する方向
に沿ったストライプ状の領域Aにおける光吸収層16A
は層厚が薄く、領域Bにおける光吸収層16Bは層厚が
厚い点が従来例と異なる。
【0050】すなわち、上記レーザ装置02を構成する
n型のGaAs基板11には、層厚1μmのn型のAl
0.6Ga0.4As下クラッド層12が形成されている。ま
た、下クラッド層12上には、層厚0.08μmの不純
物無添加のAl0.13Ga0.87As活性層13が形成され
ており、活性層13上には、層厚0.2μmのp型のA
0.5Ga0.5Asキャリアバリア層14を介して層厚
0.05μmのp型のAl0.3Ga0.7Asガイド層15
が形成されている。
【0051】ガイド層15の表面部分は、凹凸形状を誘
導放出光の導波方向に沿って一定周期で繰り返し配列し
た構造となっている。そして、ガイド層15の凸部上に
は、ストライプ状の領域Aにおいては厚さ0.05μm
のp型のGaAs光吸収層16Aが、その周辺部である
領域Bにおいては厚さ0.1μmのp型のGaAs光吸
収層16Bが配置されている。ここで光吸収層16A,
16Bを構成するGaAsは、活性層13を構成するA
0.13Ga0.87Asよりも禁制帯幅が小さいことから、
上記光吸収層16A,16Bは、活性層で発生される誘
導放出光に対する光吸収体として機能する。従って、上
記導波方向における光吸収層の周期的な配列により、吸
収性回折格子22が構成される。
【0052】そして領域Aには誘導放出光の導波方向に
沿って、層厚0.8μmのストライプ状のp型のAl
0.75Ga0.25As上クラッド層18が形成されており、
上クラッド層18の表面上には、層厚0.5μmのp型
のGaAsコンタクト層19が形成されている。ここ
で、ストライプ状の領域Aの幅は4μmとなっている。
【0053】領域Bには光吸収層16Bの上に0.1μ
mのAl0.75Ga0.25As層18があり、その上にはポ
リイミド樹脂からなる電流狭窄層23が形成されてい
る。このポリイミド樹脂からなる電流狭窄層23は活性
層から発生する誘導放出光を吸収しない透明な物質であ
り、過剰な損失を与えない。電流狭窄層23の表面及び
コンタクト層19の表面上にはAuZnからなる電極2
0が形成されている。また基板11の裏面にはAuGe
からなる電極21が形成されている。
【0054】次に、製造方法について図6を用いて説明
する。図6(a)〜図6(e)は上記半導体レーザ装置
の製造方法を主要工程順に示す斜視図である。
【0055】まず、MO−CVDを用いた第1回目の結
晶成長を行って、n型のGaAs基板11上に半導体レ
ーザ装置を構成する複数の半導体層を形成する。
【0056】この第1回目の結晶成長では、上記基板1
1上にn型Al0.6Ga0.4As下クラッド層12が1μ
mの厚さに、不純物無添加のAl0.13Ga0.87As活性
層13が0.08μmの厚さに、p型のAl0.5Ga0.5
Asキャリアバリア層14が0.2μmの厚さに成長さ
れ、さらにp型のAl0.3Ga0.7Asガイド層15が
0.05μmの厚さに、p型のGaAs層光吸収層16
が0.1μmの厚さに形成される。
【0057】そして、上記光吸収層16の上に、通常の
ホトリソグラフィーにより幅(w)4μmのストライプ
状の開口を有するホトレジストによるマスク26を設け
る。このストライプ状の開口が上記の領域Aに相当する
(図6(a))。
【0058】そして、ストライプ状に開口されたマスク
26を用い、露出されている部分の光吸収層16Aの厚
さをウエットエッチングにより0.1μmから0.05
μmにまで薄層化し、レジストのマスク26を除去する
(図6(b))。
【0059】面内で厚さが異なる光吸収層16A,16
Bの上に新たにホトレジストを塗布し、二光束干渉露光
法により、ストライプ状の領域の方向と直交する方向に
周期0.35μmの回折格子状のマスクパターンを得
る。次に塩酸と過酸化水素水と純水との混合液(GaA
s,AlGaAsをエッチングし、ホトレジストをエッ
チングしない)により光吸収層16A,16Bおよびガ
イド層15をエッチングし、デューティ比15%の吸収
性回折格子22を得る(図6(c))。
【0060】次に、回折格子22が形成されている、第
1回目の結晶成長層の表面上に、第2回目の結晶成長を
行って複数の半導体層を形成する。この第2回目の結晶
成長では、まずp型のAl0.75Ga0.25As上クラッド
層18が0.8μmの厚さに形成され、最後にp型のG
aAsコンタクト層19が0.5μmに形成される。
【0061】そして、上記コンタクト層19の上に、通
常のホトリソグラフィーにより幅(w)4μmのストラ
イプ状のホトレジストによるマスク26を設ける。この
マスクは、ストライプ状に光吸収層の層厚を薄層化した
部分に合わせて位置決めを行う(図6(d))。
【0062】ストライプ状のマスク26を用いてウエッ
トエッチングにより上クラッド層18を選択的にエッチ
ングしてリッジ導波路構造を作製する。そしてリッジ部
以外にポリイミド樹脂による電流狭窄層23を形成す
る。
【0063】そして、基板11をその裏面に研磨処理を
施して厚さ100μmにまで薄層化し、基板の表面側に
AuZnからなる電極20を、基板の裏面にAuGeか
らなる電極21を真空蒸着により形成する。最後に、基
板を、リッジ部が素子の中央にくるように300μm×
300μm角のチップ状に劈開により分割して、レーザ
装置を完成する(図6(e))。
【0064】次に、作用効果について説明する。
【0065】本実施形態による分布帰還型半導体レーザ
装置では、光吸収性層16のうち、誘導放出光の導波す
る方向に沿ったストライプ状の領域Aの内部に回折格子
が印刻されている。つまり、ストライプ状の領域Aにお
ける光吸収層16Aは光分布帰還を施す吸収性回折格子
として作用し、単一波長でのレーザ発振を生じさせる。
一方、ストライプ状の領域の周辺部である領域Bの光吸
収層16Bにも回折格子が存在し、光分布帰還を施す吸
収性回折格子として作用すると同時に、光吸収層16B
は光吸収層16Aよりも誘導放出光に対して大きな損失
を与える役目を果たし、ストライプ状の領域の周辺部に
染み出た誘導放出光はより大きな損失を受ける。これに
より、実施形態1の場合と同様、ストライプ状の領域の
周辺部の方が内部よりも吸収損失が大きく、高次水平横
モードは0次水平横モードよりも大きい吸収損失を受け
る。つまり、従来は光吸収層16に均一に回折格子を印
刻する構成であるのに対し、本発明ではストライプ状の
領域の周辺部である領域Bには吸収損失の大きな回折格
子を配することにより、領域Bの光吸収層16Bが、基
本横モードよりもストライプ領域の外側へ広がって導波
する高次横モードに選択的に損失を与えてその発生を抑
え、基本横モードでの安定したレーザ発振を生じさせる
効果が生じることが見出された。また、基本横モードで
のレーザ発振を生じさせるだけでなく、DFB−LDと
して本質的に重要な単一波長でのレーザ発振特性に対し
ても、不連続な波長の飛びを抑えて安定化させる効果も
見られる。
【0066】本実施例の半導体レーザ装置は、レーザ発
振開始から光出力50mW以上までI−L特性が線形で
あり、また水平FFPが単峰的であり、安定した基本横
モードで発振している。何れの出力レーザ光量でも、D
FB−LDに特有の、回折格子の周期から唯一決まる単
一波長でのレーザ発振が見られる。
【0067】本実施形態の構成では、基本横モードの安
定化させるために領域Bに与える損失量が適切である為
に基本横モードの安定化とレーザの駆動電流を大幅には
上昇させないこととが両立する点で、また、基本横モー
ドの安定化と単一波長での安定したレーザ発振とが両立
し、製造コストの上昇を伴わない点で、実施形態1の場
合と同様に従来の損失ガイド構造よりも格段に優れてい
る。特に、領域Bに電流狭窄層を兼ねた光吸収層を付加
して損失ガイド構造を作る場合には1回余分に結晶成長
を行わなければならないのに対し、本実施形態では結晶
成長の回数を従来と同じ2回で済ませることができる
為、製造コストの上昇を伴わない点で優れる。
【0068】なお、本発明においても、ストライプ領域
の幅が極端に狭い場合には誘導放出光が領域Bの光吸収
層16Bによる損失を多く受けすぎる為、望ましくな
い。また、極端に広すぎる場合には高次モードに与える
損失が小さくなり、望ましくない。ストライプ領域の幅
として、1μmから5μmが適切である。
【0069】本実施形態による分布帰還型半導体レーザ
装置の製造方法は、吸収性回折格子による吸収量が領域
Aと領域Bとで異なる回折格子を有する構造を製造する
のに特に適した製造方法である。
【0070】すなわち、二光束干渉露光法で回折格子を
露光する直前に、光吸収層16にストライプ状の開口を
有するマスクを設け、開口部から露出した光吸収層16
Aの層厚を薄層化する工程を加えることで、上記の素子
構造を容易に製造することができる。
【0071】上記実施形態2では、図7(a)にストラ
イプ状の領域と直交する方向の断面における光吸収層の
分布を示すように、周期構造を有する光吸収層としてバ
ルク状(光吸収層の層厚が電子のド・ブロイ波長よりも
厚い)の結晶を用い、ストライプ状の領域の中心部で層
厚を薄く、周辺部で層厚を厚くすることによって吸収量
の分布を設ける構造を示した。変形例として、周期構造
を有する光吸収層として量子井戸(吸収層の厚さが2n
mから20nm程度の範囲)を用いた場合には次の構造
により同様の効果が確かめられた。第一の変形例は、図
7(b)に示すように周期構造を有する光吸収層として
多重量子井戸を用い、ストライプ状の領域の中心部で井
戸数を少なく周辺部で井戸数を多くする構造である。吸
収量は井戸数に比例するため、実施形態2と同様の効果
が得られる。製造方法も実施形態2と同じく、ストライ
プ状の領域の内部の光吸収層だけ選択的にエッチングで
薄層化する方法が適用できる。第二の変形例は、図7
(c)に示すようにストライプ状の領域の中心部で量子
井戸の井戸厚を薄く周辺部で井戸厚を厚くする構造であ
る。吸収量は井戸の量子準位で決まり、量子準位が低く
なるストライプ状の領域の周辺部でより吸収量が大きく
なるために実施形態2と同様の効果が得られる。
【0072】また、上記実施形態2では、誘導放出光が
導波するストライプ状の領域の方向と直交する方向に、
ストライプ状の領域の中心部で光吸収層の層厚が小さ
く、周辺部で層厚が大きくなるように階段状に分布する
場合を示した。変形例として、図7(d)に示すように
複数の階段に分布したもの、図7(e)に示すように滑
らかに分布したものなどを適用することが可能である。
特に図7(e)に示すような層厚が中心から外側へ滑ら
かに変わる素子においては、階段状に急激に変わるもの
よりも、導波する誘導放出光をストライプ状の領域の中
心部へ集中させる効果が大きく、より高出力まで安定な
基本横モードでのレーザ発振がみられた。
【0073】なお、領域A及び領域Bのそれぞれの吸収
性回折格子の厚さは、上記の実施形態で示した値に限定
されるものではない。領域A,Bで均一な厚さの場合に
は図16(a)に示す様に領域Aの等価吸収係数が領域
Bよりも高くなるのに対し、図16(b)の様に領域
A,Bでおおよそ等しくなるか、或いは図16(c)の
様に領域A,Bの等価吸収係数の分布が逆転するよう
に、領域A,Bのそれぞれの厚さが選ばれていれば安定
な横モードが得られる効果が見られた。
【0074】(実施の形態3)図8は本発明の実施形態
3による半導体レーザ装置を説明するための斜視図であ
り、内部の構造を説明するためにその一部を切り欠いて
示す。図において、03は本実施形態3の半導体レーザ
装置であり、誘導放出光を発生する活性層13を有し、
活性層13近傍に、光吸収層16A,16Bの周期分布
を有する周期構造22を備え、誘導放出光が周期構造2
2により光分布帰還を受けてレーザ発振が生ずるGC−
DFB−LDとなっている。誘導放出光の導波する方向
に沿ったストライプ状の領域Aにおける光吸収層16A
は、領域Bにおける光吸収層16Bよりも活性層13か
らの距離が離れている点が従来例と異なる。
【0075】すなわち、上記レーザ装置03を構成する
n型のInP基板11には、幅3μm,段差0.1μm
のストライプ状の段差が設けられ、その上に層厚0.5
μmのn型のInPバッファ層24が形成されている。
そして、バッファ層24には、凹凸形状を誘導放出光の
導波方向に沿って一定周期で繰り返し配列した構造が形
成されている。凹凸形状の凸部上には、厚さ0.05μ
mのp型のInGaAsP光吸収層16A,Bが配置さ
れている。ここで光吸収層16A,Bを構成するInG
aAsPは、活性層13を構成する半導体材料よりも禁
制帯幅が小さい組成であり、活性層で発生される誘導放
出光に対する光吸収体として機能する。従って、上記導
波方向における光吸収層の周期的な配列により、吸収性
回折格子22が構成される。
【0076】回折格子22の上には、n型のInP下ク
ラッド層12が形成されており、その最表面は平坦であ
る。つまり、領域Aでは下クラッド層12の厚さは0.
3μm、領域Bでは0.2μmである。下クラッド層1
2上には、層厚0.1μmの不純物無添加のInGaA
sP活性層13が形成されている。領域Aの内部におけ
る活性層13上には、層厚0.8μmのp型のInP上
クラッド層18が形成されて、上クラッド層18の上に
は、層厚0.5μmのp型のInGaAsコンタクト層
19が形成されている。領域Bの内部における活性層1
3上には、層厚0.2μmのp型のInP上クラッド層
18が形成されている。
【0077】上記構造の表面には、コンタクト層19の
上部を除いて窒化珪素からなる厚さ0.3μmの絶縁膜
17が形成されている。この窒化珪素からなる絶縁膜1
7は活性層から発生する誘導放出光を吸収しない透明な
物質であり、過剰な損失を与えない。絶縁膜17の表面
及びコンタクト層19の表面上および基板11の裏面に
はそれぞれ電極21が形成されている。
【0078】次に、製造方法について図9を用いて説明
する。図9(a)〜図9(e)は上記半導体レーザ装置
の製造方法を主要工程順に示す斜視図である。
【0079】まず、n型のInP基板11上に、ホトレ
ジストを用いた通常のホトリソグラフィーにより幅
(w)3μmのストライプ状の開口を有するマスク26
を設け、ウエットエッチングによりストライプ状の開口
内を0.1μmだけエッチングする。このストライプ状
の開口が上記の領域Aに相当する(図9(a))。
【0080】次に、MO−CVDを用いた結晶成長を行
って、ストライプ状の段差を有するn型のInP基板1
1上に半導体レーザ装置を構成する複数の半導体層を形
成する。
【0081】第1回目の結晶成長では、上記基板11上
にn型のInPバッファ層24が0.5μm、p型のI
nGaAsP光吸収層16A,Bが0.05μmの厚さ
に形成される。この時、バッファ層24、光吸収層16
は、基板のストライプ状の段差を保存するように結晶成
長を行う(図9(b))。
【0082】そして、上記光吸収層16の上にホトレジ
ストを塗布し、二光束干渉露光法により、ストライプ状
の開口の方向と直交する方向に周期0.24μmの回折
格子状のマスクパターンを得る。次にウエットエッチン
グにより光吸収層16,ガイド層15をエッチングし、
デューティ比40%の吸収性回折格子22を得る(図9
(c))。
【0083】次に、第1回目の結晶成長層の表面上に、
第2回目の結晶成長を行って複数の半導体層を形成す
る。この第2回目の結晶成長では、まずn型のInP下
クラッド層12を、領域Aの内部で0.3μmの厚さに
なり、かつその最表面が平坦になるように結晶成長の条
件を選んで作製する。次に連続して不純物無添加のIn
GaAsP活性層13が0.1μmの厚さに、p型のI
nP上クラッド層18が0.8μmの厚さに、p型のI
nGaAsコンタクト層19が0.5μmの厚さに形成
される。
【0084】そして、ホトレジストを用いた通常のホト
リソグラフィーにより、予め基板11に設けておいたス
トライプ状の段差部に一致させるように幅(w)3μm
のストライプ状のマスク26を設ける(図9(d))。
【0085】引き続き、ウエットエッチングにより領域
Bのコンタクト層19を除去し、上クラッド層18を活
性層13から0.2μmの距離を残して除去することに
よってリッジ型の光導波路構造を作製する。
【0086】このように光導波構造を作製した後、表面
全体にプラズマCVD法により窒化珪素の絶縁膜17を
0.3μmの厚さに形成し、その後、リッジ頂上の絶縁
膜だけを除去する。
【0087】そして、基板11をその裏面に研磨処理を
施して厚さ100μmにまで薄層化し、基板の表面側、
基板の裏面にそれぞれ電極20,21を真空蒸着により
形成する。最後に、基板を、リッジ部が素子の中央にく
るように200μm×200μm角のチップ状に劈開に
より分割して、レーザ装置を完成する(図9(e))。
【0088】次に、作用効果について説明する。
【0089】本実施形態による分布帰還型半導体レーザ
装置では、ストライプ状の領域Aにおける光吸収層16
Aは光分布帰還を施す吸収性回折格子として作用し、単
一波長でのレーザ発振を生じさせる。一方、ストライプ
状の領域の周辺部である領域Bの光吸収層16Bにも回
折格子が存在し、光分布帰還を施す吸収性回折格子とし
て作用すると同時に、光吸収層16Bは光吸収層16A
よりも活性層13に近いため、誘導放出光に対して大き
な損失を与える役目を果たし、ストライプ状の領域の周
辺部に染み出た誘導放出光はより大きな損失を受ける。
これにより、実施形態1の場合と同様、ストライプ状の
領域の周辺部の方が内部よりも吸収損失が大きく、高次
水平横モードは0次水平横モードよりも大きいの吸収損
失を受ける。つまり、従来は光吸収層16に均一に回折
格子を印刻する構成であるのに対し、本発明ではストラ
イプ状の領域の周辺部である領域Bの回折格子を活性層
に近い位置に配置することにより、領域Bの光吸収層1
6Bが、基本横モードよりもストライプ領域の外側へ広
がって導波する高次横モードに選択的に損失を与えてそ
の発生を抑え、基本横モードでの安定したレーザ発振を
生じさせる効果が生じることが見出された。また、基本
横モードでのレーザ発振を生じさせるだけでなく、DF
B−LDとして本質的に重要な単一波長でのレーザ発振
特性に対しても、不連続な波長の飛びを抑えて安定化さ
せる効果も見られる。
【0090】本実施例の半導体レーザ装置は、レーザ発
振開始から光出力40mW以上までI−L特性が線形で
あり、また水平FFPが単峰的であり、安定した基本横
モードで発振している。何れの出力レーザ光量でも、D
FB−LDに特有の、回折格子の周期から唯一決まる単
一波長でのレーザ発振が見られる。
【0091】本実施形態の構成では、基本横モードを安
定化させるための領域Bに与える損失量が適切である為
に基本横モードの安定化とレーザの駆動電流を大幅には
上昇させないこととが両立する点で、また、基本横モー
ドの安定化と単一波長での安定したレーザ発振とが両立
し、実施形態1の場合と同様に従来の損失ガイド構造よ
りも格段に優れている。特に、領域Bに電流狭窄層を兼
ねた光吸収層を付加して損失ガイド構造を作る場合には
1回余分に結晶成長を行わなければならないのに対し、
本実施形態では結晶成長の回数を従来と同じ2回で済ま
すことができる為、製造コストの上昇を伴わない点で優
れる。
【0092】なお、本発明においても、ストライプ領域
の幅が極端に狭い場合には誘導放出光が領域Bの光吸収
層16Bによる損失を多く受けすぎる為、望ましくな
い。また、極端に広すぎる場合には高次モードに与える
損失が小さくなり、望ましくない。ストライプ領域の幅
として、1μmから5μmが適切である。特に本実施形
態で用いた3μm付近(2μmから3.5μm)がより
望ましい。
【0093】本実施形態による分布帰還型半導体レーザ
装置の製造方法は、吸収性回折格子による吸収量が領域
Aと領域Bとで異なる回折格子を有する構造を製造する
のに特に適した製造方法である。
【0094】すなわち、光導波路にあたる部分にストラ
イプ状の凹段差を設けておき、その上に光吸収層を設け
て回折格子を作製し、次に段差を平坦化するように結晶
成長を行ってから平坦な活性層を結晶成長する工程を加
えることで、上記の素子構造を容易に製造することがで
きる。
【0095】また、上記実施形態3では、図10(a)
にストライプ状の領域の方向と直交する方向の断面にお
ける活性層13と光吸収層16の分布を示すように、ス
トライプ状の領域の中心部で光吸収層が活性層に近く、
周辺部で遠くなるように階段状に分布する場合を示し
た。変形例として、図10(b)に示すように複数の階
段に分布したもの、図10(c)に示すように滑らかに
分布したものなどを適用することが可能である。特に図
10(c)に示すような層厚が中心から外側へ滑らかに
変わる素子においては、階段状に急激に変わるものより
も、導波する誘導放出光をストライプ状の領域の中心部
へ集中させる効果が大きく、より高出力まで安定な基本
横モードでのレーザ発振がみられた。
【0096】なお、領域A及び領域Bのそれぞれの吸収
性回折格子の活性層からの距離は、上記の実施形態で示
した値に限定されるものではない。領域A,Bで均一な
距離の場合には図16(a)に示す様に領域Aの等価吸
収係数が領域Bよりも高くなるのに対し、図16(b)
の様に領域A,Bでおおよそ等しくなるか、或いは図1
6(c)の様に領域A,Bの等価吸収係数の分布が逆転
するように、領域A,Bのそれぞれの距離が選ばれてい
れば安定な横モードが得られる効果が見られた。
【0097】(実施の形態4)図11は本発明の実施形
態4による半導体レーザ装置を説明するための斜視図で
あり、内部の構造を説明するためにその一部を切り欠い
て示す。図において、04は本実施形態4の半導体レー
ザ装置であり、誘導放出光を発生する活性層13を有
し、活性層13近傍に、光吸収層16A,16Bの周期
分布を有する周期構造22を備え、誘導放出光が周期構
造22により光分布帰還を受けてレーザ発振が生ずるG
C−DFB−LDとなっている。誘導放出光の導波する
方向に沿ったストライプ状の領域Aにおける光吸収層1
6Aはバルク結晶であり、領域Bにおける光吸収層16
Bは量子井戸構造であり、領域A,B間で光吸収層の禁
制帯幅が異なる点が従来例との相違点である。
【0098】すなわち、上記レーザ装置04を構成する
n型のGaAs基板11には、層厚1μmのn型のAl
0.5Ga0.5Asバッファ層24が形成されている。
【0099】バッファ層24の表面部分は、凹凸形状を
誘導放出光の導波方向に沿って一定周期で繰り返し配列
した構造となっている。そして、バッファ層24の凸部
上には、厚さ0.05μmの光吸収層16A,16Bが
配置されている。ここで光吸収層16Aは活性層13を
構成する結晶Al0.13Ga0.87Asよりも禁制帯幅が小
さいAlGaAsからなるバルク結晶である。光吸収層
16Bは、活性層13および光吸収層16Aを構成する
AlGaAsよりも、最低量子準位間の遷移エネルギー
が小さい、GaAs/AlGaAsからなる量子井戸構
造である。光吸収層16A,Bともに結晶活性層13を
構成するAl0.13Ga0.87Asよりも禁制帯幅が小さい
ことから、上記光吸収層16A,16Bは、活性層で発
生される誘導放出光に対する光吸収体として機能する。
従って、上記導波方向における光吸収層の周期的な配列
により、吸収性回折格子22が構成される。
【0100】そして、光吸収層16A,16B上には、
層厚0.2μmのn型のAl0.5Ga0.5As下クラッド
層12が、その上には層厚0.08μmの不純物無添加
のAl0.13Ga0.87As活性層13が形成されている。
【0101】そして領域Aには誘導放出光の導波方向に
沿って、層厚0.8μmのストライプ状のp型のAl
0.6Ga0.4As上クラッド層18が形成されている。領
域Bには、層厚0.2μmのp型のAl0.6Ga0.4As
上クラッド層18が形成されており、その上にはn型の
Al0.75Ga0.25As電流狭窄層23が設けられてい
る。電流狭窄層23は活性層13から発生する誘導放出
光を吸収しない透明な物質であり、過剰な損失を与えな
い。上クラッド層18および電流狭窄層の表面上には、
層厚0.5μmのp型のGaAsコンタクト層19が形
成されている。ここで、ストライプ状の領域Aの幅は
3.5μmとなっている。電流狭窄層23の表面及びコ
ンタクト層19の表面上にはAuZnからなる電極20
が形成されている。また基板11の裏面にはAuGeか
らなる電極21が形成されている。
【0102】次に、製造方法について図12を用いて説
明する。図12(a)〜図12(e)は上記半導体レー
ザ装置の製造方法を主要工程順に示す斜視図である。
【0103】まず、MO−CVDを用いた第1回目の結
晶成長を行って、n型のGaAs基板11上に半導体レ
ーザ装置を構成する複数の半導体層を形成する。
【0104】この第1回目の結晶成長では、上記基板1
1上にn型Al0.5Ga0.5Asバッファ層24が1μm
の厚さに、さらにGaAs/AlGaAsの量子井戸か
らなる光吸収層16が0.05μmの厚さに形成され
る。量子井戸からなる光吸収層16は、活性層で発生さ
れる誘導放出光に対する吸収体として機能する量子準位
をもつように、組成,井戸幅等を設定する。
【0105】そして、上記光吸収層16の上に、スパッ
タ法により酸化珪素(SiO2)による絶縁膜17を
0.3μmの厚さに形成し、通常のホトリソグラフィー
と弗化水素酸によるウエットエッチングにより幅(w)
3.5μmのストライプ状に加工する。このストライプ
状の領域が上記の領域Aに相当する(図12(a))。
【0106】そして、ストライプ状に加工された酸化珪
素(SiO2)膜の付いた基板を約800℃以上の温度
で熱処理を行う。すると、ストライプ状のSiO2膜の
直下(つまり、領域A)における光吸収層であるGaA
s/AlGaAs量子井戸はアロイ化され、AlGaA
s混晶結晶となる。この時に生じるAlGaAs混晶結
晶は、元のGaAs/AlGaAs量子井戸よりも禁制
帯幅が広く、かつ活性層で発生される誘導放出光に対す
る吸収体として機能する。領域A内の選択的なアロイ化
の後、ストライプ状のSiO2膜を除去する。
【0107】次に、領域A内部だけアロイ化された光吸
収層16A,16Bの上にホトレジストを塗布し、二光
束干渉露光法により、ストライプ状の領域の方向と直交
する方向に周期0.23μmの回折格子状のマスクパタ
ーンを得る。次に塩酸と過酸化水素水と純水との混合液
(GaAs,AlGaAsをエッチングし、ホトレジス
トをエッチングしない)により光吸収層16A,16B
およびバッファ層24をエッチングし、デューティ比2
5%の吸収性回折格子22を得る(図12(b))。
【0108】次に、回折格子22が形成されている、第
1回目の結晶成長層の表面上に、第2回目の結晶成長を
行って複数の半導体層を形成する。この第2回目の結晶
成長では、まずn型のAl0.5Ga0.5As下クラッド層
12が0.2μmの厚さに形成され、その上に不純物無
添加のAl0.13Ga0.87As活性層13が0.08μm
の厚さに形成され、その上にp型のAl0.6Ga0.4As
上クラッド層18が0.8μmの厚さに形成され、最後
にp型のGaAsコンタクト層19が0.5μmに形成
される。
【0109】そして、上記コンタクト層19の上に、通
常のホトリソグラフィーにより幅(w)3.5μmのス
トライプ状のホトレジストによるマスク26を設ける。
このマスクは、ストライプ状にアロイ化した光吸収層部
分に合わせて位置決めを行う(図12(c))。
【0110】ストライプ状のマスク26を用いてウエッ
トエッチングにより上クラッド層18を領域Bにおいて
0.2μmだけ残して選択的にエッチングしてリッジ導
波路構造を作製する(図12(d))。
【0111】そして、リッジ部以外に第3回目の結晶成
長によりn型のAl0.75Ga0.25As電流狭窄層23を
形成する。基板11をその裏面に研磨処理を施して厚さ
100μmにまで薄層化し、基板の表面側にAuZnか
らなる電極20を、基板の裏面にAuGeからなる電極
21を真空蒸着により形成する。最後に、基板を、リッ
ジ部が素子の中央にくるように300μm×300μm
角のチップ状に劈開により分割して、レーザ装置を完成
する(図12(e))。
【0112】次に、作用効果について説明する。
【0113】本実施形態による分布帰還型半導体レーザ
装置では、光吸収性層16のうち、誘導放出光の導波す
る方向に沿ったストライプ状の領域Aの内部に回折格子
が印刻されている。つまり、ストライプ状の領域Aにお
けるアロイ結晶からなる光吸収層16Aは光分布帰還を
施す吸収性回折格子として作用し、単一波長でのレーザ
発振を生じさせる。一方、ストライプ状の領域の周辺部
である領域Bの量子井戸からなる光吸収層16Bにも回
折格子が存在し、光分布帰還を施す吸収性回折格子とし
て作用すると同時に、光吸収層16Bは光吸収層16A
よりも誘導放出光に対して大きな損失を与える役目を果
たし、ストライプ状の領域の周辺部に染み出た誘導放出
光はより大きな損失を受ける。これにより、実施形態1
の場合と同様、ストライプ状の領域の周辺部の方が内部
よりも吸収損失が大きく、高次水平横モードは0次水平
横モードよりも大きいの吸収損失を受ける。つまり、従
来は光吸収層16に均一に回折格子を印刻する構成であ
るのに対し、本発明ではストライプ状の領域の周辺部で
ある領域Bには吸収損失の大きな回折格子を配すること
により、領域Bの光吸収層16Bが、基本横モードより
もストライプ領域の外側へ広がって導波する高次横モー
ドに選択的に損失を与えてその発生を抑え、基本横モー
ドでの安定したレーザ発振を生じさせる効果が生じるこ
とが見出された。また、基本横モードでのレーザ発振を
生じさせるだけでなく、DFB−LDとして本質的に重
要な単一波長でのレーザ発振特性に対しても、不連続な
波長の飛びを抑えて安定化させる効果も見られる。
【0114】本実施例の半導体レーザ装置は、レーザ発
振開始から光出力50mW以上までI−L特性が線形で
あり、また水平FFPが単峰的であり、安定した基本横
モードで発振している。何れの出力レーザ光量でも、D
FB−LDに特有の、回折格子の周期から唯一決まる単
一波長でのレーザ発振が見られる。
【0115】本実施形態の構成では、基本横モードの安
定化させるために領域Bに与える損失量が適切である為
に基本横モードの安定化とレーザの駆動電流を大幅には
上昇させないこととが両立する点で、また、基本横モー
ドの安定化と単一波長での安定したレーザ発振とが両立
し、製造コストの上昇を伴わない点で、実施形態1の場
合と同様に従来の損失ガイド構造よりも格段に優れてい
る。本実施形態では3回目の結晶成長により電流狭窄層
を作製しているが、実施形態1〜3に示すような電流狭
窄構造をとることにより結晶成長の回数を2回に減らす
ことも可能である。結晶成長の回数を従来と同じ2回で
済ませる場合、特に製造コストの上昇を伴わない点で優
れる。
【0116】なお、本発明においても、ストライプ領域
の幅が極端に狭い場合には誘導放出光が領域Bの光吸収
層16Bによる損失を多く受けすぎる為、望ましくな
い。また、極端に広すぎる場合には高次モードに与える
損失が小さくなり、望ましくない。ストライプ領域の幅
として、1μmから5μmが適切である。特に本実施形
態で用いた3.5μm付近(2μmから3.5μm)が
より望ましい。
【0117】本実施形態による分布帰還型半導体レーザ
装置の製造方法は、吸収性回折格子による吸収量が領域
Aと領域Bとで異なる回折格子を有する構造を製造する
のに特に適した製造方法である。
【0118】すなわち、二光束干渉露光法で回折格子を
露光する直前に、量子井戸からなる光吸収層16の上に
ストライプ状の誘電体マスクを設けて熱処理を行うこと
により、誘電体マスク直下の光吸収層16Aをアロイ化
して吸収量を低減させる工程を加えることで、上記の素
子構造を容易に製造することができる。
【0119】なお、量子井戸からなる光吸収層をアロイ
化する方法は上記の方法に限定されず、例えばストライ
プ状の領域Aに選択的にイオン注入、不純物拡散、プロ
トン照射等を行うことによっても実現される。
【0120】なお、領域A及び領域Bのそれぞれの吸収
性回折格子の禁制帯幅は、上記の実施形態で示した場合
に限定されるものではない。領域A,Bで均一な禁制帯
幅の場合には図16(a)に示す様に領域Aの等価吸収
係数が領域Bよりも高くなるのに対し、図16(b)の
様に領域A,Bでおおよそ等しくなるか、或いは図16
(c)の様に領域A,Bの等価吸収係数の分布が逆転す
るように、領域A,Bのそれぞれの吸収性回折格子の禁
制帯幅が選ばれていれば安定な横モードが得られる効果
が見られた。
【0121】半導体レーザを構成する材料系は上記実施
形態で示したものに限定されるものではなく、III族
元素としてAl,Ga,In等を、V族元素としてP,
As,N等を含むIII−V族混晶半導体材料、また、
II族元素としてZn,Mg,Cd等を、VI族元素と
してS,Se,Te等を含むII−VI族混晶半導体材
料、その他カルコパイライト系、I−VII族混晶半導
体材料等の様々な材料系からなる分布帰還型半導体レー
ザ装置に対しても本発明を適用することが出来ることは
言うまでもない。また結晶成長の方法、特に選択成長の
方法に対しても種々の公知技術を適用して実施すること
が可能である。結晶成長時に、成長層の結晶性を良好な
ものとするためにバッファ層(緩衝層)を用いることも
可能である。
【0122】また、ストライプ状の導波路の構造や作製
方法、回折格子の構造や作製方法に関しても上記実施形
態で示したものに限定されるものではなく、様々な変形
が可能である。
【0123】また、レーザ素子の光出射端面の処理方
法、コーティング材料とその形成方法に関して上記実施
形態では言及していないが、様々な公知の技術を適用し
てレーザ素子の構成を変形させることは容易に可能であ
る。
【0124】さらに、分布帰還型半導体レーザ装置は光
出射端面が必ずしも劈開で形成されていなくてもレーザ
発振が可能であることから光集積回路等におけるモノリ
シック光源として有望視されており、本発明は上記実施
形態で示した単体素子に対してのみならず、集積化素子
のレーザ光源部分に適用することが可能である。
【0125】なお、本発明は、類似の構成を有する吸収
性回折格子を有する波長フィルタ等にも適用可能である
ことはいうまでもない。
【0126】
【発明の効果】請求項1又は2に係わる半導体レーザ装
置によれば、吸収性回折格子を有するGC−DFB−L
Dにおいて、0次横モードの安定発振とレーザの駆動電
流を大幅に上昇させないこととが両立する構造を製造工
程の複雑化や製造コストの上昇を伴わないで実現でき
る。また、単一波長でのレーザ発振特性に対しても不連
続な波長の飛びを抑えて縦モードを安定化させる効果も
生じる。
【0127】請求項3から9に係わる半導体レーザ装置
によれば、ストライプ状の領域の内外で吸収性回折格子
のデューティ比を変えて内部の方が小さくする(請求項
3)、または内部の方が層厚が薄くする(請求項4)、
または吸収層が量子井戸の場合には井戸数が少ないかも
しくは井戸幅が狭くなるようにする(請求項5,6)、
または内部の方が活性層から遠くなるようにする(請求
項7)、または内部の方が吸収層の禁制帯幅が広くなる
ようにする(請求項8)、または内外の光吸収層の変化
をなめらかにすること(請求項9)といった非常に簡便
な方法で、0次横モードの安定発振とレーザの駆動電流
を大幅に上昇させないこととが両立する構造を容易に実
現することができる。特に、GC−DFB−LDにおい
ては、単一波長でのレーザ発振特性に対しても不連続な
波長の飛びを抑えて縦モードを安定化させる効果も見ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1による半導体レーザ装置の
構造を示す斜視図であり、一部を切り欠いて示してい
る。
【図2】本発明の実施形態1による半導体レーザ装置の
製造方法を主要工程順に示す斜視図である。
【図3】(a),(b)本発明の実施形態1および従来
の半導体レーザ装置の光出力と駆動電流との関係、水平
遠視野像(水平FFP)を示す図である。(c)実施形
態1のストライプ領域の幅と発振開始電流との関係を示
す図である。
【図4】本発明の実施形態1による半導体レーザ装置の
変形例の主要部の断面図である。光吸収層の分布のみ示
している。
【図5】本発明の実施形態2による半導体レーザ装置の
構造を示す斜視図であり、一部を切り欠いて示してい
る。
【図6】本発明の実施形態2による半導体レーザ装置の
製造方法を主要工程順に示す斜視図である。
【図7】本発明の実施形態2による半導体レーザ装置の
変形例の主要部の断面図である。吸収層の分布のみ示し
ている。
【図8】本発明の実施形態3による半導体レーザ装置の
構造を示す斜視図であり、一部を切り欠いて示してい
る。
【図9】本発明の実施形態3による半導体レーザ装置の
製造方法を主要工程順に示す斜視図である。
【図10】本発明の実施形態3による半導体レーザ装置
の変形例の主要部の断面図である。吸収層と活性層の分
布のみ示している。
【図11】本発明の実施形態4による半導体レーザ装置
の構造を示す斜視図であり、一部を切り欠いて示してい
る。
【図12】本発明の実施形態4による半導体レーザ装置
の製造方法を主要工程順に示す斜視図である。
【図13】従来の半導体レーザ装置の構造を示す斜視図
であり、一部を切り欠いて示している。
【図14】従来の半導体レーザ装置の製造方法を主要工
程順に示す斜視図である。
【図15】(a)従来の半導体レーザ装置のストライプ
状の領域の長手方向に直交する断面図、及び内部の光分
布を示す図である。(b)a−a’間の光密度分布、
(c)b−b’間の光密度分布を示す図である。
【図16】(a)従来の半導体レーザ装置の等価吸収係
数の分布を説明する図である。(b),(c)本発明の
等価吸収係数の分布を説明する図である。
【符号の説明】
00〜04 GC−DFB−LD装置 11 基板 12 下クラッド層 13 活性層 14 キャリアバリア層 15 ガイド層 16,16A,16B 光吸収層 17 絶縁膜 18 上クラッド層 19 コンタクト層 20 p型用電極 21 n型用電極 22,22A,22B 周期構造もしくは回折格子もし
くは吸収性回折格子 23 電流狭窄層 24 バッファ層 25 第2ガイド層 26 マスク

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘導放出光を発生する活性層と、前記誘
    導放出光が導波されるストライプ状の導波路構造と、前
    記誘導放出光の導波方向に誘導放出光に対する吸収が周
    期的に変動する光吸収の分布を有した吸収性回折格子と
    を備え、 前記吸収性回折格子が前記ストライプ状の導波路構造の
    内部及びその周辺部に配置され、前記誘導放出光が前記
    吸収の周期的変動により光分布帰還を受けて単一波長で
    レーザ発振する分布帰還型の半導体レーザ装置であっ
    て、 前記吸収性回折格子は、吸収損失が前記ストライプ状の
    導波路構造の中心部からその周辺部に向かって大きくな
    るように分布された光吸収層を有することを特徴とする
    半導体レーザ装置。
  2. 【請求項2】 誘導放出光を発生する活性層と、前記誘
    導放出光が導波されるストライプ状の導波路構造と、前
    記誘導放出光の導波方向に誘導放出光に対する吸収が周
    期的に変動する光吸収の分布を有した吸収性回折格子と
    を備え、 前記吸収性回折格子が前記ストライプ状の導波路構造の
    内部及びその周辺部に配置され、前記誘導放出光が前記
    吸収の周期的変動により光分布帰還を受けて単一波長で
    レーザ発振する分布帰還型の半導体レーザ装置であっ
    て、 前記吸収性回折格子による吸収損失を前記ストライプ状
    の導波路構造の中心部から周辺部に向かって変化させる
    ことにより、水平横モードを安定化してなることを特徴
    とする半導体レーザ装置。
  3. 【請求項3】 前記吸収性回折格子は、そのデューティ
    比が前記ストライプ状の導波路構造の中心部でより小さ
    く、周辺部に向かってより大きくされてなることを特徴
    とする請求項1又は2に記載の半導体レーザ装置。
  4. 【請求項4】 前記吸収性回折格子の光吸収層は、その
    層厚が前記ストライプ状の導波路構造の中心部でより薄
    く、周辺部に向かってより厚くされてなることを特徴と
    する請求項1又は2に記載の半導体レーザ装置。
  5. 【請求項5】 前記吸収性回折格子の光吸収層は、量子
    井戸を用いたものであって、前記量子井戸の井戸数が、
    前記ストライプ状の導波路構造の中心部でより少なく、
    周辺部に向かってより多く配置されてなることを特徴と
    する請求項1又は2に記載の半導体レーザ装置。
  6. 【請求項6】 前記吸収性回折格子の光吸収層は、量子
    井戸を用いたものであって、前記量子井戸の井戸幅が、
    前記ストライプ状の導波路構造の中心部でより狭く、周
    辺部に向かってより広く形成されてなることを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の半導体レーザ装置。
  7. 【請求項7】 前記吸収性回折格子は、その前記活性層
    との距離が、前記ストライプ状の導波路構造で中心部で
    より遠く、周辺部に向かってより近くてなることを特徴
    とする請求項1又は2に記載の半導体レーザ装置。
  8. 【請求項8】 前記吸収性回折格子は、その禁制帯幅
    が、前記ストライプ状の導波路構造の中心部でより広
    く、周辺部に向かってより狭くてなることを特徴とする
    請求項1又は2に記載の半導体レーザ装置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかの半導体レーザ
    装置において、 前記ストライプ状の導波路構造の中心部から周辺部に向
    かっての構造の変化が滑らかであることを特徴とする半
    導体レーザ装置。
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