JP2011082588A - 光導波路を伝搬する光と回折格子とを結合させた光素子 - Google Patents

光導波路を伝搬する光と回折格子とを結合させた光素子 Download PDF

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Abstract

【課題】 表面に回折格子を配置した従来のDFBレーザ素子においては、規格化結合係数κLを好適な値にすることと、良好な高速変調特性を得ることとを両立させることが困難である。
【解決手段】 主回折格子のみが配置されている場合に光導波路を伝搬する導波光の2次横モードの伝搬に比べて、主回折格子及び副回折格子の両方が配置されている場合に光導波路を伝搬する導波光の2次横モードの伝搬が抑制されるように、主回折格子及び副回折格子が導波光と結合している。導波光の基本横モードと副回折格子との結合係数が、2次横モードと副回折格子との結合係数よりも小さい。副回折格子の周期が、主回折格子の周期の2倍であり、副回折格子が、導波光の伝搬方向に関して周期的な屈折率分布を持つ第1の周期構造部分と第2の周期構造部分とを含み、第1の周期構造部分と第2の周期構造部分とは、位相が、主回折格子の周期の1/2だけ相互にずれている。
【選択図】 図7

Description

本発明は光素子に関し、特に光導波路を伝搬する光と回折格子とを結合させて、光導波路を伝搬する光の狭スペクトル化を図った光素子に関する。
インターネット需要の爆発的な増加に伴い、光通信及び光伝送において超高速化と大容量化への取り組みが活発化している。特に、ギガビットの伝送帯域を持つイーサネット(登録商標)向けに、非冷却で10Gb/s以上の直接変調が可能で、かつ安価な半導体レーザ素子が求められている。この要請に応え得る半導体レーザ素子として、分布帰還(DFB)型レーザ素子が挙げられる。
DFBレーザ素子を安価に製造するために、1回の結晶成長で製造可能な、すなわちエッチング工程後の2度目の結晶成長を行う必要のないリッジ型レーザ素子が有望である。リッジ型レーザ素子に分布帰還用の回折格子を形成する場合、結晶内部に回折格子を作り込むよりは、リッジの両側に回折格子を形成する方が、製造コストの点で有利である。
図24に、従来のリッジ型DFBレーザ素子の斜視図を示す。半導体基板500の上に、活性層501、クラッド層502が順番に積層されている。クラッド層502の上に、一方向に延在するリッジ503が形成されている。リッジ503の側面に、回折格子504が形成されている。リッジ503の下方の活性層501が光導波路として作用する。
図25に、従来のリッジ型DFBレーザ素子の他の例を示す。図24に示したリッジ型DFBレーザ素子では、リッジ503の側面に回折格子504が形成されていたが、図25に示した例では、回折格子504に代えて、リッジ503の両側の平坦面上に回折格子504Aが形成されている。他の構成は、図24に示したレーザ素子と同様である。
図26に、光導波路を伝搬する導波光と、回折格子との位置関係を示す。リッジ503の両側に回折格子504または504Aが配置されている。導波光の基本横モードの光強度分布は、実線510で示すように、リッジ503の幅方向の中心で最大になり、中心から離れるに従って低下する。1番目の高次横モード(以下、「2次横モード」と略記する。)の光強度分布は、実線511で示すように、リッジ503の幅方向の中心で極小値を示し、中心から離れるに従って光強度が大きくなり、その両側で極大値を示す。極大値を示す位置よりも外側の領域では、リッジ503の中心から遠ざかるに従って光強度が単調に減少する。
リッジ503の中心近傍には回折格子が配置されておらず、リッジ503の両脇に回折格子が配置されているため、回折格子が配置された領域における2次横モードの光強度が、基本横モードの光強度よりも強い。このため、2次横モードと回折格子との結合係数が、基本横モードと回折格子との結合係数の1.5〜2倍程度になる。これにより、2次横モードの発振が生じやすくなる。
2次横モードと回折格子との結合係数を小さくするためには、リッジ503を細くし、回折格子をリッジ503の中心に近づければよい。ところが、リッジ503を細くすると、レーザ素子の電気抵抗が増大する。このため、リッジ503を細くすることは、消費電力の増大や、大電流注入時の発熱に起因する光出力の低下の原因になる。
下記の特許文献1に、高次横モードの発振を抑制することができる半導体レーザ素子が開示されている。
図27に、特許文献1に開示された半導体レーザ素子のリッジ部分の平断面図を示す。リッジ520の側面に回折格子521が形成されている。回折格子521の凹凸をなす外側表面上に、発振光に対して吸収性をもつInGaAsからなる光吸収層522が形成されている。光吸収層522は、基本横モードよりも高次横モードを多く吸収するため、高次横モードの発振を抑制することができる。
次に、埋め込み型導波路を有するレーザ素子(以下、埋め込み型レーザ素子と呼ぶ。)における導波光の横モードについて説明する。
図28に、従来の埋め込み型レーザ素子の斜視図を示す。半導体基板550の表面に、一方向に延在するメサ部551が形成されている。メサ部551の上面に回折格子552が形成され、その上に活性層553が形成されている。メサ部551の両脇の平坦面上に、埋め込み層555が形成されている。埋め込み層555の上に、電流狭窄層556が形成されている。上側クラッド層557が、活性層553及び電流狭窄層556を覆う。
図29に、図28に示した埋め込み形レーザ素子の導波光と回折格子との結合係数と活性層の幅との関係の一例を示す。曲線aが基本モードの結合係数を示し、曲線bが2次横モードの結合係数を示す。
回折格子552が活性層553の幅方向の全域に亘って配置されているため、原理的に、基本横モードの結合係数aが2次横モードの結合係数bよりも大きい。特に、活性層553の幅が1.4μm(カットオフ幅)以下であれば、2次横モードの発振は生じない。
特開2003−152273号公報
特許文献1に開示されたレーザ素子においては、図27に示した光吸収層522を配置したことにより、基本横モードの導波路損失も増大してしまう。その結果、発振しきい値が50〜200%程度上昇してしまう。
図28に示した埋め込み型レーザ素子においては、活性層553の幅がカットオフ幅以下であれば、2次横モードの発振は生じない。ところが、図29に示したように活性層553の幅を広くすると、2次横モードの結合係数も大きくなり、活性層553が広くなるに従って、基本横モードの結合係数と2次横モードの結合係数との差が小さくなる。図29に示した例では、活性層553の幅が2.5μm以上になると、2次横モードの結合係数が発振に必要な大きさに達する。このため、活性層553の幅を2.5μmよりも広くすることは好ましくない。
リッジの下の基板内部に回折格子を配置したリッジ型レーザ素子においても、図28に示した埋め込み型レーザ素子と同様に、リッジの幅を広くすると、2次横モードの発振が生じやすくなる。
DFBレーザ素子において、光出力特性の向上を図るために、リッジの幅や活性層の幅を広くすることが有効である。リッジや活性層の幅を広くしたときにも、2次横モードの発振を抑制する技術が望まれる。
また、図24及び図25に示したリッジ型レーザ素子のリッジ503の両側の空間には、通常、大気が充たされるか、またはSiO2やベンゾシクロブテン(BCB)等の誘電体材料が充填される。これらの材料の屈折率は1〜1.7程度であり、半導体材料の一般的な屈折率3.2〜3.5に比べて著しく低い。この屈折率の差のために、活性層501内を、リッジ503に沿って伝搬する導波光の光強度分布は、基板側に向かって大きく広がり、リッジ503の両側の空間への広がりは極めて小さくなる。このため、リッジ503の側面や、リッジ503の両側の平坦面に回折格子を配置したDFBレーザ素子においては、基板内に回折格子を配置した素子に比べて、導波光と回折格子との結合係数κが小さくなってしまう。
基板内に回折格子を配置したDFBレーザ素子においては、結合係数κが250cm−1程度になる。これに対し、基板表面に回折格子を配置したDFBレーザ素子においては、結合係数κは90cm−1程度である(Watanabe et al., "Laterally Coupled Strained MQW Ridge Waveguide Distributed-Feedback Laser Diode Fabricated by Wet-Dry Hybrid Etching process", IEEE Photonics Technology Letters, Vol.10, No.12, December 1998)。
一般に、高速直接変調特性の向上には、レーザ素子の寄生容量を小さくすることが有効である。寄生容量を小さくするために、一例として、レーザ素子の光共振器長Lを250μm以下にすることが好ましい。例えば、光共振器長Lが250μm、結合係数κが90cm−1のレーザ素子の規格化結合係数κLは2.25になる。ところが、10Gb/s以上の高速変調可能な1/4波長シフトDFBレーザ素子の最適な規格化結合係数κLは、2.4〜2.7である。規格化結合係数κLが2.4よりも小さくなると、直接変調動作の変調速度の指標となる緩和振動周波数が低下し、その結果10Gb/s以上の高速な変調特性が得られなくなる。規格化結合係数κLが2.7よりも大きくなると、光共振器の軸方向に関して、回折格子が位相シフトしている部分の近傍に光分布が集中する。これにより、軸方向ホールバーニングに起因して副モードが発振しやすくなり、単一縦モード発振が阻害される。また、光が、より強く光共振器内に閉じ込められるため、端面からの光出力が低下する。
結合係数κが90cm−1程度のDFBレーザ素子において、十分な規格化結合係数κLを実現するためには、光共振器長Lを250μmよりも長くしなければならない。光共振器長Lを250μmよりも長くすると、寄生容量が大きくなり、高速変調特性が悪くなってしまう。
このように、表面に回折格子を配置した従来のDFBレーザ素子においては、規格化結合係数κLを好適な値にすることと、良好な高速変調特性を得ることとを両立させることが困難である。
本発明の一観点によると、
レーザビームを伝搬させる光導波路と、
前記光導波路を伝搬する導波光と結合する主回折格子と、
前記光導波路を伝搬する導波光と結合する副回折格子と
を有し、該主回折格子のみが配置されている場合に前記光導波路を伝搬する導波光の2次横モードの伝搬に比べて、前記主回折格子及び副回折格子の両方が配置されている場合に前記光導波路を伝搬する導波光の2次横モードの伝搬が抑制されるように、該主回折格子及び副回折格子が導波光と結合しており、
前記導波光の基本横モードと前記副回折格子との結合係数が、2次横モードと前記副回折格子との結合係数よりも小さく、
前記副回折格子の周期が、前記主回折格子の周期の2倍であり、該副回折格子が、導波光の伝搬方向に関して周期的な屈折率分布を持つ第1の周期構造部分と第2の周期構造部分とを含み、該第1の周期構造部分と第2の周期構造部分とは、位相が、前記主回折格子の周期の1/2だけ相互にずれている記載の光素子が提供される。
2次横モードの伝搬が抑制されるため、基本横モードのみを含む単一モードの導波光を伝搬させることが可能になる。
図1は、第1の実施例によるリッジ型レーザ素子の斜視図である。 図2は、第1の実施例によるリッジ型レーザ素子の主回折格子及び副回折格子と、基本横モード及び2次横モードの光強度分布との位置関係を示す図である。 図3は、回折格子のデューティ比と、回折強度との関係を示すグラフであり、曲線cは導波光の伝搬方向と直交する方向の回折強度を示し、曲線dは、導波光の伝搬方向への回折強度を示す。 図4A及び図4Bは、第1の実施例によるリッジ型レーザ素子の製造途中段階における斜視図(その1)である。 図4C及び図4Dは、第1の実施例によるリッジ型レーザ素子の製造途中段階における斜視図(その2)である。 図5は、第1の実施例の変形例によりリッジ型レーザ素子の斜視図である。 図6Aは、第1の実施例の変形例によるリッジ型レーザ素子の光強度分布を示す図であり、図6Bは、比較例によるリッジ型レーザ素子の光強度分布を示す図である。 図7は、第2の実施例によるリッジ型レーザ素子の斜視図である。 図8は、第2の実施例によるリッジ型レーザ素子の主回折格子及び副回折格子と、この回折格子に結合して伝搬する導波光とを模式的に示す図である。 図9は、第3の実施例によるリッジ型レーザ素子の斜視図である。 図10は、第3の実施例によるリッジ型レーザ素子の主回折格子及び副回折格子と、この回折格子に結合して伝搬する導波光とを模式的に示す図である。 図4は、第4の実施例によるリッジ型レーザ素子の斜視図である。 図12A及び図12Bは、第4の実施例によるリッジ型レーザ素子の製造途中段階における斜視図(その1)である。 図12C及び図12Dは、第4の実施例によるリッジ型レーザ素子の製造途中段階における斜視図(その2)である。 図12Eは、第4の実施例によるリッジ型レーザ素子の製造途中段階における斜視図(その3)である。 図13は、第5の実施例によるリッジ型レーザ素子の斜視図である。 図14は、第6の実施例によるリッジ型レーザ素子の斜視図である。 図15は、第7の実施例によるリッジ型レーザ素子の斜視図である。 図16A及び図16Bは、第7の実施例によるリッジ型レーザ素子の製造途中段階における斜視図(その1)である。 図16C及び図16Dは、第7の実施例によるリッジ型レーザ素子の製造途中段階における斜視図(その2)である。 図16Eは、第7の実施例によるリッジ型レーザ素子の製造途中段階における斜視図(その3)である。 図17は、第8の実施例によるリッジ型レーザ素子の斜視図である。 図18は、第9の実施例によるリッジ型レーザ素子の斜視図である。 図19A及び図19Bは、第10の実施例による埋め込み型レーザ素子の製造途中段階における斜視図(その1)である。 図19C及び図19Dは、第10の実施例による埋め込み型レーザ素子の製造途中段階における斜視図(その2)である。 図19Eは、第10の実施例による埋め込み型レーザ素子の製造途中段階における斜視図(その3)であり、図19Fは、第10の実施例による埋め込み型レーザ素子の斜視図である。 図20は、第11の実施例による埋め込み型レーザ素子の製造途中段階における斜視図である。 図21は、第12の実施例による埋め込み型レーザ素子の製造途中段階における斜視図である。 図22は、第13の実施例によるリッジ型レーザ素子の製造途中段階における斜視図である。 図23は、第14の実施例によるDBRレーザ素子の断面図である。 図24は、従来のリッジ型レーザ素子の斜視図である。 図25は、従来のリッジ型レーザ素子の斜視図である。 従来のリッジ型レーザ素子の回折格子と、導波光の基本横モード及び2次横モードの光強度分布との位置関係を示す図である。 従来のリッジ型レーザ素子のリッジ部分の平断面図である。 従来の埋め込み型レーザ素子の斜視図である。 従来の埋め込み型レーザ素子の活性層幅と結合係数との関係を示すグラフであり、曲線aは基本横モードの結合係数を示し、曲線bは2次横モードの結合係数を示す。
図1に、第1の実施例によるリッジ型レーザ素子の斜視図を示す。n型GaAsからなる基板1の主表面上に、n型Al0.5Ga0.5Asからなる厚さ1.5μmの下側クラッド層2、n型Al0.3Ga0.7Asからなる厚さ0.15μmの下側光ガイド層3、量子ドット活性層(光導波路層)4、p型Al0.3Ga0.7Asからなる厚さ0.15μmの上側光ガイド層5がこの順番に積層されている。
量子ドット活性層4は、InAsからなる多数の量子ドットを含むInGaAs層をGaAs層で挟み込んだ構造が厚さ方向に10回繰り返された積層構造を有する。
上側光ガイド層5の上に、一方向に長い高さ1.4μm、幅2μmのリッジ10が配置されている。リッジ10の両側の側面に、リッジ10の長さ方向に周期性を持つ主回折格子11が形成されている。主回折格子11は、リッジ10の高さ方向に延在する凸部と凹部とが、リッジ10の長さ方向に交互に配置された構造を有する。主回折格子11の周期は198nmであり、凹部の底から凸部の先端までの高さは500nmである。
リッジ10は、p型Al0.3Ga0.7Asからなる厚さ1.2μmの上側クラッド層6と、その上に形成されたp型GaAsからなる厚さ0.2μmのコンタクト層7との2層構造を有する。
リッジ10の両側の、上側光ガイド層5の平坦面上に、リッジ10の長さ方向に周期性を持つ副回折格子12が形成されている。副回折格子12は、等間隔でリッジ10の長さ方向に配列した多数の凸部により構成される。副回折格子12の周期は396nm、すなわち、主回折格子11の周期の2倍である。副回折格子12を構成する凸部は、リッジ10と同一の2層構造を有し、その高さはリッジ10の高さと等しい。リッジ10の長さ方向に関する凸部の寸法は198nmである。また、リッジ10の長さ方向と直交する方向に関する凸部の寸法は、0.5μmである。
副回折格子12の凸部は、その端面が主回折格子11の凸部の先端に接するように配置してもよいし、その端面と主回折格子11の凸部の先端との間に微小な間隙を確保するように配置してもよい。
リッジ10の上に、p側電極14が形成されている。基板1の底面に、n側電極15が形成されている。上側電極14及び下側電極15は、例えばAuZn/Auで形成される。通常、レーザ素子の半導体表面は、酸化シリコン、窒化シリコン、ベンゾシクロブテン(BCB)等の保護膜で被覆される。
量子ドット活性層4は、下側クラッド層2、下側光ガイド層3、上側光ガイド層5、及び上側クラッド層6のいずれの屈折率よりも高い実効屈折率を有する。量子ドット活性層4のうちリッジ10の下方の領域が、リッジ10の長さ方向に光を導波させる光導波路となる。この光導波路を伝搬する導波光が、主回折格子11及び副回折格子12と結合する。
光導波路の実効屈折率をnとし、主回折格子11の周期をpとすると、主回折格子11により選択される導波光の波長λは、
λ=2×p×n
となる。上側電極14と下側電極15との間に電圧を印加し、量子ドット活性層4にキャリアを注入すると、リッジ型レーザ素子は、上述の式で表される波長λで発振する。
なお、図1において、主回折格子11及び副回折格子12の周期は、素子全体の寸法に比べて相対的に大きく表わされている。また、本明細書に添付した他の図面においても、回折格子の周期は、素子全体の寸法に比べて相対的に大きく表わされている。
図2に、第1の実施例によるリッジ型レーザ素子の主回折格子11と、副回折格子12と、導波光の横方向の光強度分布との位置関係の一例を示す。リッジ10の両側の各々に、屈折率の高い領域(凸部)と低い領域(凹部)とが交互に配列した周期構造からなる主回折格子11が配置されている。主回折格子11よりも外側の各々に、屈折率の高い領域(凸部)と低い領域とが交互に配列した周期構造からなる副回折格子12が配置されている。
導波光の基本横モードの光強度分布を実線20で示し、2次横モードの光強度分布を実線21で示す。基本横モードの光強度分布20は、リッジ10の幅方向の中心で最大値を示し、中心から遠ざかるに従って光強度が低下する。2次横モードの光強度分布21は、リッジ10の幅方向の中心で極小値を示し、リッジ10の側面近傍で極大値を示す。
2次横モードは、主回折格子11が配置されている領域A、及び副回折格子12が配置されている領域Bの両方で、比較的高い光強度を持つ。基本横モードは、主回折格子11が配置されている領域Aである程度高い光強度を示す。ところが、副回折格子12が配置されている領域Bにおける基本横モードの光強度は、主回折格子11が配置されている領域Aにおける基本横モードの光強度に比べて著しく低い。
このため、基本横モードと副回折格子12との結合係数は、基本横モードと主回折格子11との結合係数よりも小さくなる。これに対し、2次横モードは、主回折格子11と副回折格子12との双方に対して高い結合係数を持つ。基本横モードと主回折格子11との結合係数をk11、基本横モードと副回折格子12との結合係数をk12、2次横モードと主回折格子との結合係数をk21、2次横モードと副回折格子12との結合係数とk22とすると、下記の不等式が成立する。
(k11−k12)>(k21−k22)
すなわち、基本横モードは、主回折格子11の影響を強く受けるが、副回折格子12の影響をほとんど受けない。2次横モードは、主回折格子11の影響を強く受け、かつ副回折格子12の影響も強く受ける。
次に、図3を参照して、主回折格子11によって選択された波長の導波光が、副回折格子12から受ける影響について説明する。
図3に、副回折格子12の幾何学的形状と、回折の強さとの関係を示す。図3の横軸は、副回折格子12の1周期内に占める凸部の比率(デューティ比)を単位「%」で表し、縦軸は回折の強さを任意目盛で表す。曲線cは、基板面に対して直交する方向への回折の強さを示し、曲線dは、導波光の伝搬方向への回折の強さを示す。
デューティ比が50%のとき、基板法線方向への回折の強さが最大になる。デューティ比が50%から離れるに従って、法線方向への回折の強さが弱くなり、デューティ比が0%及び100%の時に0になる。導波光の伝搬方向への回折の強さは、デューティ比が25%及び75%の時に最大になる。デューティ比が25%及び75%から外れるに従って、回折の強さが弱くなり、デューティ比が0%、50%、100%の時に、回折の強さが0になる。
このため、副回折格子12のデューティ比が50%近傍のとき、導波光の伝搬損失が大きくなる。ところが、基本横モードは副回折格子12の影響をほとんど受けないため、基本横モードの伝搬損失は増大しない。これに対し、2次横モードは、副回折格子12と強く結合して導波路と垂直な方向に回折されるため、伝搬損失が大きくなる。
「副回折格子による2次横モードの再結合強度」を、主回折格子11に結合して光導波路を伝搬する導波光の2次横モードの光が副回折格子12により回折されて、光導波路に再結合する強度と定義し、「副回折格子による基本横モードの再結合強度」を、導波光の基本横モードの光が副回折格子12により回折されて、光導波路に再結合する強度と定義する。第1の実施例においては、副回折格子による2次横モードの再結合強度が、副回折格子による基本横モードの再結合強度よりも弱い。これにより、2次横モードの発振を抑制することができる。
2次横モードの発振を抑制する十分な効果を得るために、副回折格子12のデューティ比を35%〜65%とすることが好ましい。なお、第1の実施例では、副回折格子12の周期を主回折格子11の周期の2倍にしたが、副回折格子12の周期が主回折格子11の周期の1.2倍以上であれば、回折した光が導波路に再結合しない角度で回折されるため、2次横モードの発振を十分抑制することが可能である。
上記第1の実施例では、基本横モードと2次横モードとを対比させて説明したが、2次以上の高次横モードも、基本横モードに比べて、副回折格子12と強く結合する。従って、上記第1の実施例によるリッジ型レーザ素子は、2次以上の高次横モードの発振を抑制することができる。
次に、図4A〜図4Dを参照して、第1の実施例によるリッジ型レーザ素子の製造方法について説明する。
図4Aに示すように、基板1の上に、下側クラッド層2、下側光ガイド層3、量子ドット活性層4、上側光ガイド層5、上側クラッド層6、コンタクト層7を、分子線エピタキシャル成長(MBE)により成長させる。
図4Bに示すように、コンタクト層7の上に、電子ビーム露光用のレジスト膜8を形成する。
図4Cに示すように、電子ビームでレジスト膜8を露光し、現像を行うことにより、レジストパターン8a及び8bを形成する。レジストパターン8aは、側面に主回折格子11が形成されたリッジ10(図1)の平面形状に整合し、レジストパターン8bは、副回折格子12の凸部の平面形状に整合する。
レジストパターン8a及び8bをマスクとして、コンタクト層7及び上側クラッド層6をエッチングし、上側光ガイド層5の上面でエッチングを停止させる。このエッチングは、例えば、エッチングガスとしてClを用いたドライエッチングにより行うことができる。
図4Dに示すように、レジストパターン8a及び8bと同一の平面形状を持つリッジ10、主回折格子11、及び副回折格子12が形成される。エッチング後、レジストパターン8a及び8bを除去する。
図1に示したように、リッジ10の上面の上に、p側電極14を形成し、基板15の底面にn側電極15を形成する。これらの電極は、例えば真空蒸着法により形成される。p側電極14の平面形状は、例えばリフトオフ法により画定することができる。
図5に、第1の実施例の変形例によるリッジ型レーザ素子の斜視図を示す。以下、図1に示した第1の実施例によるリッジ型レーザ素子との相違点に着目して説明する。第1の実施例によるリッジ型レーザ素子と同一の構成については、説明を省略する。
第1の実施例では、下側クラッド層2と活性層4との間に下側光ガイド層3が配置されていたが、変形例においては、下側光ガイド層3が配置されておらず、下側クラッド層2と活性層4とが接している。第1の実施例では、上側光ガイド層5の厚さが0.15μmであったが、変形例においては、その厚さが0.1μmにされている。
図6Aの左側に、光導波路に垂直な断面における光強度分布の一例を示し、右側に、厚さ方向に関する屈折率の分布を示す。上側光ガイド層5及び上側クラッド層6がAl0.3Ga0.7Asで形成され、下側クラッド層2がAl0.5Ga0.5Asで形成されている。このため、下側クラッド層2の屈折率が、上側光ガイド層5及び上側クラッド層6の屈折率よりも低い。比較のために、図6Bに、下側クラッド層2aを、上側光ガイド層5及び上側クラッド層6と同じ組成比のAlGaAsで形成した場合の光強度分布及び屈折率分布を示す。
光は、屈折率の低い媒質よりも高い媒質内に拡がり易い傾向を示す。このため、図6Aに示した第1の実施例の変形例の場合には、図6Bに示した比較例に比べて、活性層4よりも上方における光強度が高くなる。主回折格子11はリッジ10の側面に形成され、副回折格子12は、リッジ10の両側の平坦面上に形成されている。このように、いずれの回折格子も、活性層4より上方に配置されている。このため、第1の実施例の変形例に示したように、活性層4よりも基板側に配置された媒質、具体的には下側クラッド層2の屈折率を、活性層4よりも上方に配置された媒質、具体的には上側光ガイド層5及び上側クラッド層6の屈折率より小さくすることにより、結合係数κを大きくすることができる。例えば、第1の実施例の変形例のリッジ型レーザ素子の結合係数κは、図6Bに示した比較例のレーザ素子の結合係数κの1.3〜1.6倍程度になる。なお、上側光ガイド層5を省略して、活性層4の上に、リッジ状の上側クラッド層6が直接配置される構成としてもよい。
第1の実施例の変形例の構造を採用することにより、結合係数κと光共振器長Lとの積で定義される規格化結合係数κLを一定に維持したまま、光共振器長Lを短くすることが可能になる。光共振器長Lを短くすると、寄生容量が小さくなり、高速変調特性の向上が期待される。一例として、図6Bに示したレーザ素子では、十分な大きさの規格化結合係数κLを確保するために、光共振器長Lを250μm以上にしなければならなかった。これに対し、図6Aに示した第1の実施例の変形例によるレーザ素子においては、光共振器長を200μm程度まで短くすることが可能である。
また、図1に示した第1の実施例においては、活性層4と下側クラッド層2との間に、上側光ガイド層5及び上側クラッド層6と同じ組成比のAlGaAsからなる下側光ガイド層3が配置されている。ところが、下側光ガイド層3の厚さは高々0.15μmであるため、光強度分布は下側クラッド層2内まで拡がる。下側クラッド層2の屈折率は、上側光ガイド層5及び上側クラッド層6の屈折率よりも小さいため、図5に示した第1の実施例の変形例と同様の効果が得られるであろう。
基板1側に向かって光強度分布が拡がる範囲内に、リッジ10の基板側の一部分を構成する上側光クラッド層6よりも屈折率の小さい媒質を配置することにより、結合係数κを高めることができる。
第1の実施例、及びその変形例では、活性層4よりも基板側の媒質をn型導電性とし、リッジ10側の媒質をp型導電性としたが、その反対に、基板側の媒質をp型導電性とし、リッジ10側の媒質をn型導電性としてもよい。リッジ10を、低抵抗化が容易なn型導電性とすることにより、レーザ素子の抵抗を下げることができる。これにより、光出力の向上が可能になる。
第1の実施例及びその変形例では、GaAs基板を用い、クラッド層をAlGaAsで形成し、活性層を、InGaAs/GaAs量子ドット層で形成したが、他の化合物半導体で形成することも可能である。
一例として、図5に示した第1の実施例の変形例において、基板1、下側クラッド層2をp型InPで形成する。活性層4は、アンドープのAlGaInAsからなる厚さ6nmの量子井戸層とアンドープのAlGaInAsからなる厚さ10nmのバリア層とが10回繰り返して交互に積層され、さらにこの交互積層構造をアンドープのAlGaInAsからなる厚さ20nmのガイド層で挟み込んだ構造を有する。バリア層とガイド層とを構成するAlGaInAsの組成波長は1050nmである。上側光ガイド層5及び上側クラッド層6を、組成波長950nmのn型GaInAsPまたはAlGaInAsで形成し、コンタクト層7をn型GaInAsで形成する。n型のコンタクト層に接する電極14をAuGe/Auの積層とし、p型の基板1に接する電極15を、AuZn/Auの積層とする。この場合、主回折格子11の周期を198nmとする。
図7に、第2の実施例によるリッジ型レーザ素子の斜視図を示す。第2の実施例によるリッジ型レーザ素子を、第1の実施例によるリッジ型レーザ素子と比較すると、副回折格子の構成が異なり、他の構成は同一である。
第1の実施例では、リッジ10の両側に配置された2つの副回折格子12の位相が揃っていたが、第2の実施例では、リッジ10の一方に配置された副回折格子12Aと他方に配置された副回折格子12Aとの位相が、主回折格子11の周期の1/2だけずれている。2つの副回折格子12Aの各々の周期は、主回折格子11の周期の2倍である。また、副回折格子12Aの1周期内で凸部の占める割合(デューティ比)は25%である。
なお、図7では、副回折格子12Aを構成する凸部がリッジ10よりも低い例を示しているが、図1に示した第1の実施例の場合と同様に、副回折格子12Aを構成する凸部を、リッジ10と同じ高さにしてもよい。
図8に、主回折格子11と副回折格子12Aとの位相関係を模式的に示す。リッジ10の側面に、主回折格子11が配置され、その外側に、副回折格子12Aが配置されている。図8の斜線を付した領域が、相対的に屈折率の高い領域に対応する。
光導波路を伝搬する導波光の波長は、主回折格子11の周期pの2倍になる。一方の副回折格子12Aにより回折されて逆方向に伝搬する導波光LAと、他方の副回折格子12Aで回折されて逆方向に伝搬する導波光LBとは、2つの副回折格子12Aの位相のずれ量の2倍、すなわち主回折格子11の周期pだけ位相がずれる。この位相のずれ量は、導波光の波長の1/2に等しい。従って、一方の副回折格子12Aによる回折光と他方の副回折格子12Aによる回折光とは、位相が180°ずれる。このため、回折光LAとLBとは、相互に弱め合う。
光導波路を伝搬する導波光の基本横モードは、主回折格子11と強く結合するが、副回折格子12Aとはほとんど結合しないため、副回折格子12Aによってほとんど弱められない。これに対し、高次横モードは、基本横モードに比べて副回折格子12Aと強く結合するため、副回折格子12Aによる損失が大きくなる。
従って、高次横モードの発振を抑制し、基本横モードを優先的に発振させることができる。
第2の実施例では、2つの副回折格子12Aでそれぞれ回折され、光導波路内の導波光の伝搬方向に伝搬する2つの回折光の位相が相互にずれていることを利用している。このため、導波光の伝搬方向への回折強度が強くなるように副回折格子12Aを設計することが好ましい。図3の曲線dで示したように、デューティ比が25%及び75%のときに、導波光の伝搬方向への回折強度が最大になる。導波光の伝搬方向への回折強度を強くするために、副回折格子のデューティ比を、15〜35%の範囲内または65〜85%の範囲内に設定することが好ましい。
第2の実施例においても、図5に示した第1の実施例の変形例のように、下側光ガイド層3を配置せず、下側クラッド層2と活性層4とを直接接触させてもよい。また、活性層4よりも基板側の媒質の導電型と、リッジ側の媒質の導電型とを反対にしてもよい。第2の実施例の場合も、第1の実施例の変形例と同様に、結合係数κを大きくすることができる。
図9に、第3の実施例によるリッジ型レーザ素子の斜視図を示す。第3の実施例によるリッジ型レーザ素子を、第1の実施例によるリッジ型レーザ素子と比較すると、副回折格子の構成が異なり、他の構成は同一である。
第3の実施例によるリッジ型レーザ素子の副回折格子12Bは、主回折格子11と同一の周期を持ち、主回折格子11の位相と副回折格子12Bの位相とが180°ずれている。図9では、副回折格子12Bを構成する凸部がリッジ10よりも低い構成を示しているが、図1に示した第1の実施例の場合と同様に、副回折格子12Bをリッジ10と同じ高さにしてもよい。
図10に、第3の実施例によるリッジ型レーザ素子の主回折格子11と副回折格子12Bとの位相関係を模式的に示す。リッジ10の側面に、主回折格子11が配置され、その外側に、副回折格子12Bが配置されている。図10の斜線を付した領域が、相対的に屈折率の高い領域に対応する。
光導波路を伝搬する導波光は、主回折格子11及び副回折格子12Bにより回折される。主回折格子11による回折光L1と、副回折格子12Bによる回折光L2とは、位相が180°ずれている。このため、副回折格子12Bは、主回折格子11に同期した回折光を弱める機能を持つ。
光導波路を伝搬する導波光の基本横モードは、主回折格子11と強く結合し、副回折格子12Bとほとんど結合しないため、副回折格子12Bによってほとんど弱められない。これに対し、高次横モードは、主回折格子11及び副回折格子12Bの両方に強く結合するため、副回折格子12Bによって弱められる。
このため、高次横モードの発振を抑制し、基本横モードを優先的に発振させることができる。
第3の実施例においても、図5に示した第1の実施例の変形例のように、下側光ガイド層3を配置せず、下側クラッド層2と活性層4とを直接接触させてもよい。また、活性層4よりも基板側の媒質の導電型と、リッジ側の媒質の導電型とを反対にしてもよい。第3の実施例の場合も、第1の実施例の変形例と同様に、結合係数κを大きくすることができる。
図11に、第4の実施例によるリッジ型レーザ素子の斜視図を示す。n型InPからなる基板51の主表面に、周期的に配置された凹凸で構成された主回折格子60が形成されている。主回折格子60が形成された表面上に、n型GaInAsPからなる厚さ0.1μmの光ガイド層52が形成されている。
光ガイド層52の上に、量子井戸活性層53が形成されている。量子井戸活性層53は、アンドープのAlGaInAsからなる厚さ6nmの量子井戸層とアンドープのAlGaInAsからなる厚さ10nmのバリア層とが10回繰り返して交互に積層され、さらにこの交互積層構造をアンドープのAlGaInAsからなる厚さ20nmのガイド層で挟み込んだ構造を有する。バリア層とガイド層とを構成するAlGaInAsの組成波長は1050nmである。
量子井戸活性層53の上に、p型InPからなる上側クラッド層54が形成されている。上側クラッド層54は、基板の主表面の全面を覆う膜状部分、第1の方向に延在するリッジ61、及びリッジ61の両側に配置された複数の凸部からなる副回折格子62により構成される。膜状部分の厚さは0.1μmである。リッジ61の高さは1.2μm、幅は2μmである。副回折格子62を構成する凸部は、主回折格子60が周期性を持つ方向と平行な方向に周期的に配置されている。
リッジ61の上に、p型GaInAsからなるコンタクト層55が形成されている。コンタクト層55の上に、p側電極56が形成され、基板51の底面にn側電極57が形成されている。
主回折格子60及び副回折格子62は、リッジ61の延在する方向に関して屈折率が周期的に変化する周期構造を持つ。主回折格子60の周期は200nmであり、凹部の底面から凸部の上面までの高さは50nmである。周期性を持つ方向に関する各凹部の寸法は100nmである。すなわち、相互に隣り合う2つの凹部の間隔も100nmであり、デューティ比は50%になる。
副回折格子62の周期は400nm、各凸部の高さは100nm、周期性を持つ方向に関する各凸部の寸法は100nmである。すなわち、副回折格子62のデューティ比は25%になる。なお、デューティ比を15〜35%の範囲内または65〜85%の範囲内に設定してもよい。また、リッジ61の一方の側に配置された副回折格子62の周期構造と、他方の側に配置された副回折格子62の周期構造とは、位相が100nm、すなわち主回折格子60の周期の1/2だけずれている。
量子井戸活性層53のうちリッジ61の下方の領域が、リッジ61の長さ方向に光を伝搬させる光導波路を構成する。光導波路の幅方向の全域に、主回折格子60が配置されている。これに対し、副回折格子62は、光導波路の幅方向に関して光導波路と重なる領域には配置されておらず、光導波路の外側にのみ配置されている。このため、光導波路を伝搬する導波光の基本横モードは、主回折格子60と強く結合するが、副回折格子62とはほとんど結合しない。これに対し、高次横モードは、主回折格子60に結合するとともに、副回折格子62にも、基本横モードよりも強く結合する。
このため、第4の実施例によるリッジ型レーザ素子の副回折格子62は、図7及び図8に示した第2の実施例によるリッジ型レーザ素子の副回折格子12Aと同様に、高次横モードの伝搬損失を増大させる。このため、高次横モードの発振を抑制することができる。
次に、図12A〜図12Eを参照して、第4の実施例によるリッジ型レーザ素子の製造方法について説明する。
図12Aに示すように、n型InPからなる基板51の主表面上に、干渉露光または電子ビーム露光により、レジストパターン70を形成する。レジストパターン70は、主回折格子60の周期構造に対応する。レジストパターン70をマスクとして基板51の表層部をドライエッチングする。エッチング後、レジストパターン70を剥離する。
図12Bに、レジストパターン70を剥離した後の基板51を示す。レジストパターン70で覆われていなかった領域に形成された凹部と、凹部の間に残された凸部とにより構成された主回折格子60が形成される。
図12Cに示すように、主回折格子60が形成された基板51の主表面上に、n型GaInAsPからなる光ガイド層52、量子井戸活性層53、p型InPからなる上側クラッド層54、p型GaInAsからなるコンタクト層55を、例えば有機金属気相成長(MOVPD)により成長させる。コンタクト層55の上に、図11に示したリッジ61に整合するマスクパターン71を酸化シリコンで形成する。
図12Dに示すように、マスクパターン71をマスクとして、ドライエッチングにより、コンタクト層55をエッチングし、さらに上側クラッド層54の途中までエッチングする。
図12Eに示すように、マスクパターン71の両側の平坦面上に、図11に示した副回折格子62を構成する凸部に整合するレジストパターン72を、電子ビーム露光を用いて形成する。マスクパターン71及びレジストパターン72をマスクとして、ドライエッチングにより、上側クラッド層54を途中までエッチングする。上側クラッド層54をエッチングした後、レジストパターン72及びマスクパターン71を除去する。
図11に示したように、リッジ61及び副回折格子62が形成される。コンタクト層55の上に、リフトオフ法を用いてp側電極56を形成する。基板51の底面にn側電極57を形成する。
図13に、第5の実施例によるリッジ型レーザ素子の斜視図を示す。第5の実施例によるリッジ型レーザ素子を、第4の実施例によるリッジ型レーザ素子と比較すると、副回折格子の構成が異なり、他の構成は同一である。
第5の実施例では、リッジ61の両側に配置された2つの副回折格子62Aの位相が揃っている。副回折格子62Aの周期は400nmであり、副回折格子62Aを構成する各凸部の高さは100nmであり、リッジ61の延在する方向に関する各凸部の寸法は200nmである。すなわち、副回折格子62Aのデューティ比は50%である。なお、デューティ比を35〜65%の範囲内に設定してもよい。
第5の実施例によるリッジ型レーザ素子の副回折格子62Aは、図1〜図3に示した第1の実施例によるリッジ型レーザ素子の副回折格子12と同様に、高次横モードの伝搬損失を増大させる。このため、高次横モードの発振を抑制することができる。
図14に、第6の実施例によるリッジ型レーザ素子の斜視図を示す。第6の実施例によるリッジ型レーザ素子を、第4の実施例によるリッジ型レーザ素子と比較すると、副回折格子の構成が異なり、他の構成は同一である。
第6の実施例では、リッジ61の両側に配置された2つの副回折格子62Bの位相が揃っている。副回折格子62Bの周期は200nmであり、副回折格子62Bを構成する各凸部の高さは100nmであり、リッジ61の延在する方向に関する各凸部の寸法は100nmである。すなわち、副回折格子62Bのデューティ比は50%である。副回折格子62Bは、主回折格子60に比べて、屈折率分布の周期構造が、1/2周期、すなわち100nmだけずれている。
第6の実施例によるリッジ型レーザ素子の副回折格子62Bは、図9及び図10に示した第3の実施例によるリッジ型レーザ素子の副回折格子12Bと同様に、高次横モードの伝搬損失を増大させる。このため、高次横モードの発振を抑制することができる。
図15に、第7の実施例によるリッジ型レーザ素子の斜視図を示す。n型InPからなる基板101の主表面に、主回折格子109が形成されている。主回折格子109が形成された基板101の主表面上に、n型GaInAsPからなる厚さ0.1μmの光ガイド層102が形成されている。光ガイド層102の上に、量子井戸活性層103が形成されている。量子井戸活性層103は、図11に示した第4の実施例によるリッジ型レーザ素子の量子井戸活性層53と同じ構造を有する。
量子井戸活性層103の上に、p型GaInAsPからなる厚さ0.1μmの上側光ガイド層104が形成されている。上側光ガイド層104の上面に、副回折格子110が形成されている。その上に、p型InPからなる上側クラッド層105が形成されている。上側クラッド層105は、基板全面を覆う膜状部分と、その上に形成された一方向に延在するリッジ111を含む。膜状部分の厚さは0.1μmであり、リッジ111の高さは1.2μm、幅は2μmである。
リッジ111の上に、p型GaInAsからなるコンタクト層106が形成されている。コンタクト層106の上にp側電極107が形成され、基板101の底面にn側電極108が形成されている。
主回折格子109及び副回折格子110は、リッジ111が延在する方向に関して屈折率が周期的に変化する周期構造を持つ。主回折格子109は、リッジ111の直下、及びその両側の領域に配置されている。副回折格子110は、リッジ111の両側の領域に配置されているが、リッジ111の直下には配置されていない。
主回折格子109の周期は200nmであり、主回折格子109を構成する凹部の底面から凸部の上面までの高さは50nmであり、デューティ比は50%である。副回折格子110の周期は400nmであり、副回折格子110を構成する凸部の各々の高さは100nmであり、そのリッジ111の延在する方向の寸法は200nmである。すなわち、デューティ比は50%である。なお、副回折格子110のデューティ比を35〜65%の範囲内に設定してもよい。
リッジ111の下方の量子井戸活性層103が、リッジ111の延在する方向に導波光を伝搬させる光導波路として作用する。リッジ111の直下に主回折格子109が配置されているため、光導波路を伝搬する導波光の基本横モードは、主回折格子109と強く結合する。ところが、副回折格子110はリッジ111の直下に配置されていないため、基本横モードと副回折格子110との結合は弱い。導波光の高次横モードは、主回折格子109及び副回折格子110の両方に強く結合する。
第7の実施例によるリッジ型レーザ素子の副回折格子110は、図1〜図3に示した第1の実施例によるリッジ型レーザ素子の副回折格子12と同様に、高次横モードの伝搬損失を増大させる。このため、高次横モードの発振を抑制することができる。
図16A〜図16Eを参照して、第7の実施例によるリッジ型レーザ素子の製造方法について説明する。
図16Aに示すように、n型InPからなる基板101の主表面上に、干渉露光または電子ビーム露光により、レジストパターン120を形成する。レジストパターン120は、図15に示した主回折格子109を構成する凸部に整合する平面形状を有する。レジストパターン120をマスクとして、ドライエッチングにより基板101の表層部をエッチングする。エッチング後、レジストパターン120を剥離する。
図16Bに示すように、基板101の主表面に、レジストパターン120で覆われていない領域に形成された凹部、及び凹部の間に残された凸部が交互に配列した主回折格子109が形成される。
図16Cに示すように、主回折格子109が形成された基板101の主表面上に、n型GaInAsPからなる下側光ガイド層102、量子井戸活性層103、及びp型GaInAsPからなる上側光ガイド層104を、MOVPEにより順番に成長させる。上側光ガイド層104の上に、図15に示した副回折格子110を構成する凸部に整合した平面形状を持つレジストパターン121を形成する。レジストパターン121は、干渉露光または電子ビーム露光と、通常の紫外線露光とを組み合わせることにより形成することができる。レジストパターン121をマスクとして、上側光ガイド層104の表層部をエッチングする。エッチング後、レジストパターン121を剥離する。
図16Dに示すように、上側光ガイド層104の表面に、副回折格子110が形成される。
図16Eに示すように、副回折格子110が形成された上側光ガイド層104の表面上に、p型InPからなる上側クラッド層105及びp型GaInAsからなるコンタクト層106を、MOVPEにより成長させる。コンタクト層106の上に、酸化シリコンからなるマスクパターン122を形成する。マスクパターン122は、図15に示したリッジ111に整合する平面形状を有する。
マスクパターン122をマスクとして、ドライエッチングにより、コンタクト層106をエッチングし、さらに上側クラッド層105をその途中までエッチングする。エッチング後、マスクパターン122を除去する。
図15に示したように、リッジ111が形成され、その上にコンタクト層106が残る。コンタクト層106の上に、リフトオフ法を用いてp側電極107を形成し、基板101の底面にn側電極108を形成する。
図17に、第8の実施例によるリッジ型レーザ素子の斜視図を示す。第8の実施例によるリッジ型レーザ素子を、第7の実施例によるリッジ型レーザ素子と比較すると、副回折格子の構成が異なり、他の構成は同一である。
第8の実施例では、リッジ111の両側に配置された2つの副回折格子110Aの周期が400nmであり、デューティ比が25%である。なお、デューティ比を、15〜35%の範囲内または65〜85%の範囲内に設定してもよい。さらに、2つの副回折格子110Aの位相が、主回折格子109の周期の1/2、すなわち100nmだけ相互にずれている。
第8の実施例によるリッジ型レーザ素子の副回折格子110Aは、図7及び図8に示した第2の実施例によるリッジ型レーザ素子の副回折格子12Aと同様に、高次横モードの伝搬損失を増大させる。このため、高次横モードの発振を抑制することができる。
図18に、第9の実施例によるリッジ型レーザ素子の斜視図を示す。第9の実施例によるリッジ型レーザ素子を、第7の実施例によるリッジ型レーザ素子と比較すると、副回折格子の構成が異なり、他の構成は同一である。
第9の実施例では、リッジ111の両側に配置された2つの副回折格子110Bの周期が200nmであり、デューティ比が50%である。さらに、副回折格子110Bは、主回折格子109に対して、屈折率分布の周期構造が、1/2周期、すなわち100nmだけずれている。
第9の実施例によるリッジ型レーザ素子の副回折格子110Bは、図9及び図10に示した第3の実施例によるリッジ型レーザ素子の副回折格子12Bと同様に、高次横モードの伝播損失を増大させる。このため、高次横モードの発振を抑制することができる。
上記第7〜第9の実施例では、主回折格子109、量子井戸活性層103、副回折格子110が、基板側からこの順番に配置されていたが、これら3つの構成部分を、その他の順番に配置してもよい。例えば、副回折格子、量子井戸活性層、主回折格子の順番にしてもよいし、量子井戸活性層よりも基板側に、主回折格子と副回折格子との両方を配置してもよいし、量子井戸活性層よりも上方に、主回折格子と副回折格子との両方を配置してもよい。
次に、図19A〜図19Fを参照して、第10の実施例による埋め込み型レーザ装置の製造方法について説明する。
図19Aに示すように、p型InPからなる基板151の主表面上に、量子井戸活性層152を形成する。量子井戸活性層152は、図11に示した第4の実施例によるリッジ型レーザ素子の量子井戸活性層53と同じ構造を有する。量子井戸活性層152の上に、p型GaInAsPからなる厚さ0.1μmの上側光ガイド層153をMOVPEにより形成する。上側光ガイド層153の上に、主回折格子を形成するためのレジストパターン180を、干渉露光または電子ビーム露光により形成する。レジストパターン180は、幅100nmの複数の帯状パターンが間隔100nmで等間隔に配列した縞状の平面形状を有する。
レジストパターン180をマスクとして、上側光ガイド層153の表層部をエッチングする。エッチング後、レジストパターン180を剥離する。
図19Bに示すように、上側光ガイド層153の表面に、主回折格子170が形成される。主回折格子170は、レジストパターン180で覆われていなかった領域に形成された深さ50nmの凹部と、その間に残った凸部とにより構成される。主回折格子170の周期は200nmであり、デューティ比は50%である。
図19Cに示すように、主回折格子170が形成された上側光ガイド層153の上に、p型InPからなる厚さ0.25μmの上側クラッド層154をMOVPEにより形成する。
上側クラッド層154の上に、酸化シリコンからなるマスクパターン181を形成する。マスクパターン181は、主回折格子170の周期性を持つ方向と平行な方向に延在し、その両側の縁に、副回折格子を形成するための周期的な凹凸パターンが設けられている。凹凸パターンの周期は400nmであり、凹部の底から凸部の先端までの高さは250nmであり、デューティ比は50%である。なお、デューティ比を35〜65%の範囲内に設定してもよい。また、一方の縁の凸部に対応する位置に、他方の縁の凸部が配置される。
マスクパターン181をマスクとして、ドライエッチングにより、上側クラッド層154、上側光ガイド層153、量子井戸活性層152をエッチングし、さらに基板151の表層部をエッチングする。
図19Dに示すように、基板151の上に、量子井戸活性層152、上側光ガイド層153、及び上側クラッド層154が積層されたリッジ172が残る。リッジ172の側面には、リッジ172の高さ方向に延在する凸部と凹部とが、リッジ172の長さ方向に交互に配置された周期構造を持つ副回折格子171が形成される。
図19Eに示すように、リッジ172の両側の平坦面上に、p側InPからなる第1電流狭窄層160、n型InPからなる第2電流狭窄層161、及びp型InPからなる第3電流狭窄層162を、MOVPEにより順番に、かつ選択的に成長させる。その後、マスクパターン181を除去する。
図19Fに示すように、リッジ172の最上層である上側クラッド層154及び第3電流狭窄層162の上に、p型InPからなる上側クラッド層165、及びp型GaInAsからなるコンタクト層166をMOVPEにより順番に成長させる。コンタクト層166の上に、リフトオフ法を用いてp側電極168を形成し、基板151の底面にn側電極169を形成する。
リッジ172内に配置された量子井戸活性層152が、リッジ172の長さ方向に導波光を伝搬させる光導波路として作用する。
第10の実施例による埋め込み型レーザ素子においては、図19Dに示したように、光導波路となる量子井戸活性層152の幅方向の全域に亘って、主回折格子170が配置されている。これに対し、副回折格子171は、光導波路の幅方向の中央部分には配置されておらず、光導波路の両脇にのみ配置されている。このため、光導波路を伝搬する導波光の基本横モードは、主回折格子170と強く結合し、基本横モードと副回折格子171との結合は弱い。これに対し、高次横モードは、主回折格子170及び副回折格子171の両方に強く結合する。なお、主回折格子170は、光導波路の幅方向に関して全域に配置する必要はなく、幅方向に関して中央を含む領域に配置してもよい。
第10の実施例による埋め込み型レーザ素子の副回折格子171は、図1〜図3に示した第1の実施例によるリッジ型レーザ素子の副回折格子12と同様に、高次横モードの伝搬損失を増大させる。なお、第10の実施例では、高次横モードは、基板面に平行な横方向に回折される。このため、高次横モードの発振を抑制することができる。
図20に、第11の実施例による埋め込み型レーザ素子の製造途中段階の斜視図を示す。第11の実施例による埋め込み型レーザ素子は、図19Dに示した第10の実施例による埋め込み型レーザ素子の副回折格子171の構造を変えたものである。
第11の実施例においては、リッジ172の両側に形成された2つの副回折格子171Aの位相が、主回折格子170の周期の1/2、すなわち100nmだけ相互にずれている。副回折格子171Aの周期は400nmであり、デューティ比は15〜35%の範囲内、または65〜85%の範囲内である。
第11の実施例による埋め込み型レーザ素子の副回折格子171Aは、図7及び図8に示した第2の実施例によるリッジ型レーザ素子の副回折格子12Aと同様に、導波光の高次横モードの損失を増大させる。このため、高次横モードの発振を抑制することができる。
図21に、第12の実施例による埋め込み型レーザ素子の製造途中段階の斜視図を示す。第12の実施例による埋め込み型レーザ素子は、図19Dに示した第10の実施例による埋め込み型レーザ素子の副回折格子171の構造を変えたものである。
第12の実施例の副回折格子171Bは、主回折格子170と同一の周期を持ち、主回折格子170に対して、屈折率分布の周期構造が、1/2周期すなわち100nmだけずれている。副回折格子171Bのデューティ比は35〜65%の範囲内である。
第12の実施例による埋め込み型レーザ素子の副回折格子171Bは、図9及び図10に示した第3の実施例によるリッジ型レーザ素子の副回折格子12Cと同様に、導波光の高次横モードの損失を増大させる。このため、高次横モードの発振を抑制することができる。
第10〜第12の実施例では、量子井戸活性層152の上に主回折格子を配置したが、量子井戸活性層の下に主回折格子を配置することも可能である。
上記第1〜第12の実施例のいずれにおいても、主回折格子のみが配置されている場合に光導波路を伝搬する導波光の2次横モードの伝搬に比べて、主回折格子及び副回折格子の両方が配置されている場合に光導波路を伝搬する導波光の2次横モードの伝搬が抑制されるように、主回折格子及び副回折格子が導波光と結合している。
図22に、第13の実施例によるリッジ型レーザ素子の斜視図を示す。以下、図5に示した第1の実施例の変形例によるリッジ型レーザ素子との相違点に着目して説明する。
第1の実施例の変形例では、リッジ10の両側の平坦面上に、副回折格子12が形成されていたが、第13の実施例においては、副回折格子12が形成されていない。その他の構成は、第1の実施例の変形例によるリッジ型レーザ素子の構成と同一である。第13の実施例によるリッジ型レーザ素子は、図4Cに示した副回折格子用のレジストパターン8bを形成せず、主回折格子用のレジストパターン8aのみを形成することにより製造することができる。
第13の実施例においても、第1の実施例の変形例の場合と同様に、導波光と主回折格子11との結合係数κを高めることができる。上側光ガイド層5を省略し、活性層4の上に上側クラッド層6が直接配置される構成としてもよい。
なお、第13の実施例においては、副回折格子が配置されていないため、第1の実施例の変形例に比べて、高次横モードの発振が生じやすい。高次横モードの発振が動作上の問題になるような場合には、リッジ10の幅を狭くすることにより、高次横モードの発振を抑制することができる。
図23に、第14の実施例によるレーザ素子の概略断面図を示す。第1〜第12の実施例によるレーザ素子は、分布帰還型(DFB)レーザ素子であったが、第14の実施例によるレーザ素子は、分布反射型(DBR)レーザ素子である。
第14の実施例によるDBRレーザ素子は、導波光の伝搬する方向に関して、増幅領域200の両側にブラッグ反射領域201が配置された構造を有する。増幅領域200には、電極202及び203からキャリアが注入される。ブラッグ反射領域201には、導波光を反射する回折格子205が形成されている。回折格子205は、上記第1〜第12の実施例によるレーザ素子の主回折格子及び副回折格子を含む。
ブラッグ反射領域201内の回折格子205が、導波光の高次横モードの損失を増大させるため、高次横モードの発振を抑制することができる。
また、第14の実施例において、第1〜第3、及び第13の実施例によるリッジ型レーザ素子の回折格子と同様に、導波路層よりも上方に回折格子を配置する場合、ブラッグ反射領域201の導波路層(増幅領域200の活性層と同一の層)よりも基板側に配置された媒質の屈折率を、活性層4よりも上方に配置されたリッジを形成する媒質の屈折率より小さくすることが好ましい。このような屈折率分布とすることにより、図5に示した第1の実施例の変形例、及び図22に示した第13の実施例と同様に、導波光と回折格子との結合係数κを大きくすることができる。
上記実施例によるレーザ素子では、基板、クラッド層、光ガイド層、活性層等の材料として、GaAs、AlGaAs、InGaAs、InAs、InP、AlGaInAs、GaInAsP等を用いたが、その他の化合物半導体を用いることも可能である。例えば、第1〜第3の実施例では、GaAs基板上にInAs量子ドットを含む活性層を形成した。第4〜第12の実施例では、InP基板上にAlGaInAsからなる量子井戸活性層を形成した。GaAs基板上に、量子井戸活性層を形成してもよいし、InP基板上に量子ドット活性層を形成してもよい。
また、上記実施例では、副回折格子を半導体で形成したが、その他の材料で形成してもよい。例えば、Cr等の金属で形成してもよい。
また、n型基板を用いた実施例において、n型基板に代えてp型基板を用いてもよい。p型基板を用いる場合には、活性層の上に配置される光ガイド層、クラッド層等をn型にすればよい。さらに、半絶縁性の基板を用いてもよいし、シリコン基板の上に所望の材料からなる下地基板を貼り合わせた基板を用いてもよい。
また、上記第1〜第12の実施例による素子に採用された主回折格子及び副回折格子の適用分野はレーザ素子に限定されない。主回折格子及び副回折格子を備えた光導波路は、主回折格子に結合した導波光の高次横モードの損失を増大させ、基本横モードを優先的に伝搬させる機能を有する。
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
上記実施例から、以下の付記に示す発明が導出される。
(付記1)
レーザビームを伝搬させる光導波路と、
前記光導波路を伝搬する導波光と結合する主回折格子と、
前記光導波路を伝搬する導波光と結合する副回折格子と
を有し、該主回折格子のみが配置されている場合に前記光導波路を伝搬する導波光の2次横モードの伝搬に比べて、前記主回折格子及び副回折格子の両方が配置されている場合に前記光導波路を伝搬する導波光の2次横モードの伝搬が抑制されるように、該主回折格子及び副回折格子が導波光と結合している光素子。
(付記2)
前記主回折格子に結合して前記光導波路を伝搬する導波光の2次横モードの光が前記副回折格子により回折されて、該光導波路に再結合する強度が、該導波光の基本横モードの光が前記副回折格子により回折されて、該光導波路に再結合する強度よりも弱い付記1に記載の光素子。
(付記3)
前記導波光の基本横モードと前記副回折格子との結合係数が、前記導波光の2次横モードと前記副回折格子との結合係数よりも小さく、前記副回折格子の周期が前記主回折格子の周期の1.2倍以上である付記2に記載の光素子。
(付記4)
前記副回折格子は、第1の屈折率を持つ第1の領域と、第2の屈折率を持つ第2の領域とが、導波光の伝搬方向に交互に配列した構造を有し、該副回折格子の1周期のうち該第1の領域の占める割合が35%以上65%以下である付記3に記載の光素子。
(付記5)
前記導波光の基本横モードと前記副回折格子との結合係数が、2次横モードと前記副回折格子との結合係数よりも小さく、
前記副回折格子の周期が、前記主回折格子の周期の2倍であり、該副回折格子が、導波光の伝搬方向に関して周期的な屈折率分布を持つ第1の周期構造部分と第2の周期構造部分とを含み、該第1の周期構造部分と第2の周期構造部分とは、位相が、前記主回折格子の周期の1/2だけ相互にずれている付記1に記載の光素子。
(付記6)
前記副回折格子の第1の周期構造部分及び第2の周期構造部分は、相互に屈折率の異なる2種類の領域が導波光の伝搬方向に交互に配列した構造を有し、該第1及び第2の周期構造の1周期のうち一方の領域の占める割合が、15%以上35%以下または65%以上85%以下である付記5に記載の光素子。
(付記7)
前記導波光の基本横モードと前記副回折格子との結合係数が、2次横モードと前記副回折格子との結合係数よりも小さく、
前記主回折格子と副回折格子との周期が同一であり、該主回折格子と副回折格子とは、導波光の伝搬方向に関して周期的な屈折率分布を持ち、副回折格子の屈折率分布は、主回折格子の屈折率分布に対して、位相が180°ずれている付記1に記載の光素子。
(付記8)
前記光導波路が半導体で形成されており、
さらに、前記光導波路に電子及び正孔を供給する電極を有する付記1〜7のいずれかに記載の光素子。
(付記9)
さらに、
表層部に半導体からなる活性層が埋め込まれた基板と、
前記基板の表面の一部の領域上に設けられたリッジとを有し、
前記活性層のうち前記リッジの下方の領域が前記光導波路となり、前記主回折格子が前記リッジの側面に形成されており、前記副回折格子が、前記リッジの両側の基板表面に形成されている付記8に記載の光素子。
(付記10)
さらに、
表層部に半導体からなる活性層が埋め込まれた基板と、
前記基板の表面の一部の領域上に設けられたリッジとを有し、
前記活性層のうち前記リッジの下方の領域が前記光導波路となり、前記主回折格子が前記基板の全面に埋め込まれており、前記副回折格子が、前記リッジの両側の基板表面に形成されている付記8に記載の光素子。
(付記11)
さらに、
表層部に半導体からなる活性層が埋め込まれた基板と、
前記基板の表面の一部の領域上に設けられたリッジとを有し、
前記活性層のうち前記リッジの下方の領域が前記光導波路となり、前記主回折格子が前記基板の全面に埋め込まれており、前記副回折格子は、前記リッジの真下には配置されておらず、前記基板のうち前記リッジの両側の領域に埋め込まれている付記8に記載の光素子。
(付記12)
さらに、
表面にリッジが形成された半導体基板と、
前記リッジの両側の半導体基板の平坦面、及び該リッジの側面を覆う埋め込み層とを有し、
前記光導波路が前記リッジ内に配置され、前記主回折格子が前記リッジの幅方向に関する中央を含む領域に配置されており、前記副回折格子が前記リッジの側面に形成されている付記8に記載の光素子。
(付記13)
半導体基板と、
前記半導体基板の上に形成された下側クラッド層と、
前記下側クラッド層の屈折率よりも高い屈折率を有する媒質からなる光導波路層と、
前記光導波路層の一部の領域上に、前記下側クラッド層の屈折率よりも高い屈折率を有する媒質で形成され、一方向に延在するリッジ状の上側クラッド層と、
前記光導波路層よりも上方に配置され、前記上側クラッド層で構成されるリッジの延在する方向に周期性を持つ回折格子と
を有する光素子。
(付記14)
前記回折格子は、前記上側クラッド層の両側の側面及び両側の平坦面の少なくとも一方の面上に形成されている付記13に記載の光素子。
(付記15)
前記光導波路層が半導体で形成されており、
さらに、前記光導波路層のうち、前記上側クラッド層の下方の領域に電子及び正孔を供給する電極を有する付記13または14に記載の光素子。
(付記16)
前記半導体基板及び前記下側クラッド層がp型の化合物半導体で形成され、前記上側クラッド層がn型の化合物半導体で形成されている付記15に記載の光素子。
(付記17)
前記回折格子が、前記光導波路を伝搬する導波光と結合する主回折格子及び副回折格子を含み、該主回折格子のみが配置されている場合に前記光導波路を伝搬する導波光の2次横モードの伝搬に比べて、前記主回折格子及び副回折格子の両方が配置されている場合に前記光導波路を伝搬する導波光の2次横モードの伝搬が抑制されるように、該主回折格子及び副回折格子が導波光と結合している付記13〜16のいずれかに記載の光素子
1、51、101、151 基板
2 下側クラッド層
3、102 下側光ガイド層
4 量子ドット活性層(光導波路層)
5、104、153 上側光ガイド層
6、105、154、165 上側クラッド層
7、55、106、166 コンタクト層
8 レジスト膜
10、61、111、172 リッジ
11、60、109、170 主回折格子
12、12A、12B、62、62A、62B、110、110A、110B、171、171A、171B 副回折格子
14、56、107、168 上側電極
15、57、108、169 下側電極
20 基本横モードの光強度分布
21 2次横モードの光強度分布
52 光ガイド層
53、103、152 量子井戸活性層
54 上側クラッド層
70、72、120、121、180 レジストパターン
71、122、181、181A、181B マスクパターン
160 第1電流狭窄層
161 第2電流狭窄層
162 第3電流狭窄層
200 増幅領域
201 ブラッグ反射領域
202、203 電極
205 回折格子

Claims (4)

  1. レーザビームを伝搬させる光導波路と、
    前記光導波路を伝搬する導波光と結合する主回折格子と、
    前記光導波路を伝搬する導波光と結合する副回折格子と
    を有し、該主回折格子のみが配置されている場合に前記光導波路を伝搬する導波光の2次横モードの伝搬に比べて、前記主回折格子及び副回折格子の両方が配置されている場合に前記光導波路を伝搬する導波光の2次横モードの伝搬が抑制されるように、該主回折格子及び副回折格子が導波光と結合しており、
    前記導波光の基本横モードと前記副回折格子との結合係数が、2次横モードと前記副回折格子との結合係数よりも小さく、
    前記副回折格子の周期が、前記主回折格子の周期の2倍であり、該副回折格子が、導波光の伝搬方向に関して周期的な屈折率分布を持つ第1の周期構造部分と第2の周期構造部分とを含み、該第1の周期構造部分と第2の周期構造部分とは、位相が、前記主回折格子の周期の1/2だけ相互にずれている記載の光素子。
  2. 前記副回折格子の第1の周期構造部分及び第2の周期構造部分は、相互に屈折率の異なる2種類の領域が導波光の伝搬方向に交互に配列した構造を有し、該第1及び第2の周期構造の1周期のうち一方の領域の占める割合が、15%以上35%以下または65%以上85%以下である請求項1に記載の光素子。
  3. 前記光導波路が半導体で形成されており、
    さらに、前記光導波路に電子及び正孔を供給する電極を有する請求項1または2に記載の光素子。
  4. さらに、
    半導体基板と、
    前記半導体基板の上に形成された下側クラッド層と、
    前記下側クラッド層の屈折率よりも高い屈折率を有する媒質からなる光導波路層と、
    前記光導波路層の一部の領域上に、前記下側クラッド層の屈折率よりも高い屈折率を有する媒質で形成され、一方向に延在するリッジ状の上側クラッド層と、
    を有し
    前記光導波路が、前記光導波路層のうち、前記上側クラッド層の下方の領域に画定されており、
    前記主回折格子及び前記副回折格子が、前記光導波路層よりも上方に配置されている請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光素子。
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