JP3050085B2 - 超音波内視鏡 - Google Patents

超音波内視鏡

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JP3050085B2
JP3050085B2 JP7111090A JP11109095A JP3050085B2 JP 3050085 B2 JP3050085 B2 JP 3050085B2 JP 7111090 A JP7111090 A JP 7111090A JP 11109095 A JP11109095 A JP 11109095A JP 3050085 B2 JP3050085 B2 JP 3050085B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医療用等として用いら
れ、内視鏡観察機構と超音波観測機構とを挿入部の先端
に設けた超音波内視鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】医療用等として広く用いられている超音
波内視鏡は、体腔内等への挿入部に、術者等が把持して
操作するための本体操作部を連設し、この本体操作部に
は光源装置や超音波観測装置、電子内視鏡の場合には、
さらに映像信号処理装置等に着脱可能に接続されるユニ
バーサルコードを連結する構成としている。挿入部を体
腔内等に挿入した状態で、それを光学的に観察するため
の内視鏡観察機構が、また体内組織断層に関する情報を
取得するための超音波観測機構が、それぞれ挿入部の先
端に設けられている。
【0003】内視鏡観察機構としては、体腔内等という
暗所での観察を行う関係から、照明手段及び観察手段を
備えている。照明手段は、可撓性のある光ファイババン
ドルからなるライトガイドから構成され、このライトガ
イドの出射端は挿入部の先端に設けた照明窓に装着した
照明用レンズに対面している。また、観察手段は、挿入
部の先端に観察窓を設け、この観察窓には対物レンズが
装着されるが、光学式内視鏡では、この対物レンズの結
像位置にイメージガイドを臨ませ、また電子内視鏡の場
合には、結像位置に固体撮像素子を配置する。そして、
超音波観測機構としては、超音波トランスデューサを有
し、この超音波トランスデューサも挿入部の先端に装着
される。
【0004】ここで、超音波トランスデューサを走査さ
せて、所謂Bモード超音波画像を取得する場合の超音波
走査方式としては、多数の超音波振動子を並べることに
より超音波トランスデューサを構成し、これら各超音波
振動子を順次作動させることにより走査する電子式走査
と、超音波トランスデューサ自体を機械的に動かしなが
ら超音波信号の送受信を行うことにより走査する機械式
走査とがある。また、走査方向としては、直線方向に走
査するリニア走査、回転方向に走査するラジアル走査等
がある。体腔管部や体腔壁が曲面形状となっている部位
を超音波検査する場合には、この体腔管と直交する方向
の全周にわたり、また曲面に沿うように超音波断層像を
取得できる等の点で有利である。
【0005】機械式でラジアル走査を行う場合には、挿
入部の先端部分において、内視鏡観察機構を基端側に配
置し、超音波観測機構を先端側に配置しなければならな
い。内視鏡観察機構を先端側に位置させると、超音波ト
ランスデューサによる走査範囲内にライトガイド等の内
視鏡観察機構を構成する部材を通過させる必要があり、
その分だけ超音波観測視野が限定されてしまう。従っ
て、内視鏡観察機構を挿入部の基端側に配置すると、通
常は内視鏡観察視野としては側視乃至せいぜい前方斜視
となってしまう。
【0006】挿入部の軸線方向において、内視鏡観察機
構を先端側に、超音波観測機構を基端側に配置するよう
に構成したものが、例えば特公平6−98133号公報
に示されている。即ち、挿入部の先端部本体に断面円形
の先端ブロックを連設して、この先端ブロックの先端面
に内視鏡観察機構を設け、かつ先端ブロックには回転軸
を装着して、この回転軸の先端に回転部材を連結し、回
転部材を先端ブロックの周胴部側に曲折させて、この曲
折部に超音波トランスデューサを装着する。このように
構成することによって、回転軸を回転駆動すると、回転
部材に取り付けた超音波トランスデューサが挿入部の軸
回りに回転することになり、超音波観測視野を360°
得ることができる。また、内視鏡観察機構は先端ブロッ
クの先端面に設けられているから、内視鏡観察視野とし
ては、挿入部の前方、即ち直視タイプのものになる。こ
こで、内視鏡観察視野の前方には回転部材が位置してお
り、超音波走査を行う際にはこの回転部材が回転するた
めに、内視鏡観察視野を遮ることになる。そこで、この
回転部材を板状に形成し、その幅をできるだけ狭くして
おき、かつ高速回転させるようにすれば、超音波観測を
行いながら内視鏡観察を行うこともできる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、機械
式ラジアル走査を行うタイプの超音波観測機構を備えた
超音波内視鏡にあっては、内視鏡観察視野として側視型
のものと直視型のものとが知られているが、いずれにし
ろ超音波観測視野と内視鏡観察視野とが一致しない。超
音波検査を行うに当っては、まず内視鏡観察機構により
体腔内壁の状態を検査し、その結果病変部乃至その疑い
のある部位が発見された時に、その部位をより精査する
ために、超音波観測機構を作動させて、当該の部位の組
織断層に関する情報を得るのが一般的である。従って、
正確な位置の超音波断層像を得るには、内視鏡観察を行
った結果、挿入部を動かさずに、そのままの位置で超音
波トランスデューサを作動させるのが好ましい。このた
めには、内視鏡観察視野と超音波観測視野との位置がで
きるだけ近くする必要があり、特に超音波トランスデュ
ーサの回転軌跡が内視鏡観察視野のほぼ中心を通るよう
になし、もって内視鏡観察像と超音波観測像とを一致さ
せるのが最も有利である。しかしながら、従来技術のも
のにあっては、内視鏡観察視野と超音波観測視野とが一
致せず、特に内視鏡観察視野が直視や側視の場合には超
音波観測視野と全く重なり合わず、前方斜視において
も、その視野の方向によっては超音波走査ラインをかろ
うじて内視鏡観察視野に捉えることができる程度に過ぎ
ない。
【0008】本発明は以上の点に鑑みてなされたもので
あって、その目的とするところは、超音波走査ラインを
確実に内視鏡観察視野内に収めることができるようにす
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明は、挿入部の先端部本体の本体ブロック
に取付部を突出する状態に連結し、この取付部に駆動手
段により回転駆動される回転軸を貫通させて設け、この
回転軸の先端に回転部材を連結し、この回転部材を前記
取付部の周胴部側に延在するように曲折させて、この曲
折部に超音波トランスデューサを取り付けることにより
回転軸に追従回転させるようになし、前記取付部の周胴
部に内視鏡観察機構の観察窓を設ける構成としたことを
その特徴とするものである。
【0010】
【作用】先端部本体を本体ブロックと取付部とから構成
し、取付部は本体ブロックから突出するものであり、こ
の取付部を例えば略円柱状とする。この取付部の周胴部
に観察窓を設けることによって、挿入部と直交する方向
の内視鏡観察視野が得られる。機械式ラジアル走査を行
う超音波トランスデューサは取付部を貫通するように設
けた回転軸の先端に回転部材を連結して設け、この回転
部材に装着されるが、この回転部材は取付部の周胴部側
に延在するように曲折させた部位に設けているから、超
音波トランスデューサは取付部の回りを回転することに
なって、超音波観測視野も、やはり挿入部の軸線と直交
する方向となり、かつ360°の視野が得られる。
【0011】超音波トランスデューサの配設位置と観察
窓の装着位置とを、挿入部の軸線方向においてできるだ
け一致させるようになし、好ましくは超音波トランスデ
ューサの回転軌跡を内視鏡観察視野のほぼ中心に位置さ
せる。そうすると、超音波トランスデューサにより観察
窓の前方に位置して内視鏡観察視野が遮られるが、超音
波トランスデューサを作動させない時には、それを観察
窓を覆わない位置に配置しておけば、観察視野の妨げと
はならない。また、超音波トランスデューサを作動させ
ている間でも内視鏡観察機構による観察を可能にするに
は、超音波トランスデューサを小型のものを用いること
により観察窓を遮る角度を制限し、かつこの超音波トラ
ンスデューサを装着した回転部材を高速回転させれば良
い。
【0012】超音波トランスデューサの保護や患者の安
全確保等のためには、取付部を囲繞するようにキャップ
を設けるのが一般的である。超音波トランスデューサ及
び観察窓はこのキャップの内側に位置することから、キ
ャップは音響特性に優れ、かつ透明なものを用いる。さ
らに、超音波信号の減衰を抑制するために、キャップ内
には超音波伝達媒体を封入するが、この超音波伝達媒体
もやはり透明性に優れたものとする。ただし、たとえ超
音波伝達媒体及びキャップを透明なものを用いても、照
明光をそれらを介して照射すると、境界部で反射する等
により大きく減衰することになる。これを防止するに
は、照明窓をキャップの外に配置する。ただし、照明窓
から照射される照明光は観察窓による観察視野の全体に
及ばなければならない。そこで、照明窓を先端部本体に
おける観察窓の斜め基端側の位置に配置する。これによ
って、内視鏡観察視野の範囲を有効に照明できることに
なり、内視鏡観察を支障なく行える。
【0013】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。まず、図1に超音波内視鏡の全体構成を示す。図
中において、1は超音波内視鏡であって、この超音波内
視鏡1は体腔等の内部に挿入される挿入部2の基端部に
本体操作部3を連設し、さらにこの本体操作部3にユニ
バーサルコード4が連結されている。ユニバーサルコー
ド4の先端部は3本に分かれており、これらはそれぞれ
光源装置5,映像信号処理装置6(光源装置5と映像信
号処理装置6とは通常同一のケーシング内に設けられ
る)及び超音波観測装置7に着脱可能に接続されるもの
である。光源装置5には、光源ランプ等が装着されてお
り、映像信号処理装置6には、信号処理された体腔内等
の映像を表示するモニタ6aが付設されている。また、
超音波観測装置7は、超音波信号の送受信及び受信した
反射エコー信号を処理する信号処理部7aと、この信号
処理部7aで処理された信号に基づいて超音波画像を表
示するモニタ7bとを備えている。
【0014】挿入部2は、本体操作部3への連設側から
大半の部分は軟性部2aで、この軟性部2aにはアング
ル部2bが、またアングル部2bには先端部本体2cが
連設されている。先端部本体2cには、図2及び図3に
示したように、内視鏡観察機構及び超音波観測機構が設
けられる。ここで、先端部本体2cは本体ブロック10
と、この本体ブロック10の先端から突出する略円柱状
の取付部11とから構成され、本体ブロック10には取
付部11を囲繞するキャップ12が装着されている。ま
た、本体ブロック10のキャップ12の装着部より基端
側の部位は斜め前方に向けた傾斜壁10aとなってお
り、この傾斜部壁10aに連なる部位は平坦面部10b
となっている。
【0015】内視鏡観察機構は照明手段と観察手段とか
ら構成される。照明手段は本体ブロック10の傾斜壁1
0aに照明窓20(図においては2箇所設けたものを示
すが、これに限定されない)を備え、この照明窓20に
は照明用レンズ21が装着されており、この照明用レン
ズ21に対面するようにライトガイド22の出射端面が
臨んでいる。また、観察手段は、取付部11の周胴部に
観察窓23を設け、この観察窓23には結像用光学系2
4が設けられ、この結像用光学系24の結像位置にはC
CD等の固体撮像素子25が臨んでいる。ここで、図示
のものにあっては、観察窓23は取付部11の周胴部に
設けられているが、固体撮像素子25は挿入部2の軸線
方向に向いているために、結像用光学系24としては、
プリズムとレンズとから構成して、光路を90°曲げる
ようにしている。ただし、結像用光学系24の光学的構
成はこれに限定されない。また、鉗子等の処置具も用い
られるが、この処置具を挿通するための処置具挿通チャ
ンネル26が設けられる。なお、観察手段としては、固
体撮像素子に代えて、イメージガイドを用いた、所謂光
学式内視鏡として構成しても良い。
【0016】一方、超音波観測機構は機械式ラジアル走
査を行うものであって、このために取付部11を貫通す
るように挿通孔30が穿設され、この挿通孔30を貫通
するように回転軸31が設けられており、この回転軸3
1は軸受32により取付部11に回転自在に支承されて
いる。ここで、少なくとも回転軸31の先端側に設けた
軸受32はシール機能付きのものとするのが好ましい。
そして、回転軸31の基端部には金属線材を密着コイル
状に巻回する等により形成したフレキシブルシャフト3
3が連結され、このフレキシブルシャフト33は挿入部
2から本体操作部3内にまで延在されて、図4に示した
ように、駆動軸34に連結されている。駆動軸34は、
モータ35により回転駆動されるものであり、またこの
駆動軸34の回転角はエンコーダ36により検出される
る。
【0017】回転軸31の他端には、回転部材としての
回転バー37が取り付けられており、この回転バー37
は取付部11の先端面に対面する状態から周胴部に対面
するように曲折されており、曲折部37aに超音波トラ
ンスデューサ38が装着されている。超音波トランスデ
ューサ38は観察窓23の前方に位置し、回転バー37
の回転により超音波トランスデューサ38は取付部11
の回りを回転することになり、しかもこの超音波トラン
スデューサ38の回転軌跡、即ちその超音波走査ライン
は内視鏡観察視野の中心を通るようになる。超音波トラ
ンスデューサ38を回転むらがなく、円滑な回転を可能
にするために、回転バー37の曲折部37aとは反対側
にも延在させて、この曲折部37aと同様に取付部11
の周胴部側に向けて曲折した曲折部37bを設け、この
曲折部37bには超音波トランスデューサ38に対する
カウンタウエイト39が設けられている。なお、超音波
トランスデューサ38への信号ケーブルは、回転バー3
7から回転軸31を介してフレキシブルシャフト33内
に導き、駆動軸34の端部から取り出すように引き回す
ことができる。また、取付部11の先端面(または周胴
部)には所定の位置に光学センサ40が設けられてお
り、この光学センサ40により超音波トランスデューサ
の回転角位置を検出できるようになされている。
【0018】超音波の送受信信号の減衰を抑制するため
に、キャップ12内には超音波伝達媒体が封入される。
このために、本体ブロック10には流体供給路41が穿
設されており、この流体供給路41には流体供給チュー
ブ42が接続されている。流体供給チューブ42は挿入
部2から本体操作部3及びユニバーサルコードを介して
外部に設けた超音波伝達媒体供給部に接続されて、キャ
ップ12内に供給される。また、キャップ12は音響特
性の良い部材で形成されている。しかも、観察窓23は
キャップ12内に設けられているから、観察視野を確保
するためにキャップ12は透明部材で形成され、かつこ
のキャップ12内に封入される超音波伝達媒体も透明な
もの、例えば脱気水等が好適に用いられる。さらに、キ
ャップ12には体腔内壁との間に空気が介在しないよう
にするために、キャップ12から本体ブロック10にか
けての部位には透明の可撓性容袋からなるバルーン43
が装着され、このバルーン43内に超音波伝達媒体を供
給するために、本体ブロック10には流体給排路44
が、またこの流体給排路44には流体給排チューブ45
が接続され、流体給排チューブ45は、流体供給チュー
ブ42と同じ経路で超音波伝達媒体供給部に接続される
が、超音波伝達媒体のバルーン43に供給できるだけで
なく、吸引によってバルーン43から超音波伝達媒体の
排出も行えるようになっている。
【0019】本実施例は以上のように構成されるもので
あって、キャップ12の内部を超音波伝達媒体で満たし
た状態で、挿入部2を体腔内に挿入して、内視鏡検査及
び超音波検査を行うことができる。例えば、食道や十二
指腸等の体腔管の部位を検査する際には、挿入部2の先
端部本体2cを所定の観察対象部に導く。なお、この時
にはバルーン43内には超音波伝達媒体を供給しない状
態に保持する。そして、照明窓21による照明下で、観
察窓23を介して観察対象部の内視鏡観察が行われる。
ここで、照明窓21はキャップ12内には設けられてお
らず、外部に露出しており、また照明窓21は本体ブロ
ック10の傾斜壁10aに設けて、斜め前方に向けて照
明されることから、照明窓21からの照明光をより観察
視野のほぼ全体に、効率的に照射できる。また、観察窓
23の前方には超音波伝達媒体,キャップ12及びバル
ーン43が配置されているが、これらは透明なものであ
るから、内視鏡観察視野を確保できる。ただし、回転バ
ー37の回転角によっては、超音波トランスデューサ3
8を装着した部位またはカウンタウエイト39が観察窓
23を覆う位置となるが、回転バー37の停止時には、
それらが観察窓23から離れた位置とする必要がある。
また、内視鏡による観察中において、処置具挿通チャン
ネル26内に鉗子等の処置具を挿通させれば、細胞の採
取や患部の摘出等の処置を行うことができる。
【0020】今、体腔内における内視鏡による観察を行
った結果、その腔内壁が部分的に変色している等の異常
部位が発見されたとする。そこで、この異常部位が実際
に病変部であるか否かを確認するには、その部位の超音
波断層像を取得するのが有効である。そこで、まず観察
窓32による観察視野の中心位置に異常部位を配置す
る。この操作は、挿入部2全体を動かしたり、またアン
グル部2bを湾曲させる等により行われる。ここで、異
常部位を確実に内視鏡の観察視野の中心に配置するに
は、図1に示したように、映像信号処理装置6に付設し
たモニタ6aに表示される体腔内の画像Pの中心に中心
線Cを表示しておくと良い。そして、流体給排チューブ
45から流体給排路44を経て、バルーン43内に超音
波伝達媒体を供給して、このバルーン43を所定量膨出
させることによって、図5に示したように、バルーン4
3を体腔内壁に密着させる。
【0021】この状態で、モータ35を作動させて、駆
動軸34を回転駆動すると、この回転がフレキシブルシ
ャフト33を介して回転軸31に伝達される。回転軸3
1の先端には回転バー37が連結されているから、回転
バー37が回転し、この回転バー37に取り付けた超音
波トランスデューサ38が取付部11の回りを回転す
る。ここで、超音波トランスデューサ38は、機械式ラ
ジアル走査を行うものであるが、この超音波トランスデ
ューサ38の回転軌跡、即ちその走査ラインは内視鏡観
察視野のほぼ中心を通るようになっているから、超音波
観測装置7におけるモニタ7bに表示される超音波断層
像はこの内視鏡観察視野の中心を含むものとなる。従っ
て、内視鏡の観察により発見された異常部位を確実に超
音波観測視野に捉えることができる。なお、バルーン4
3を膨出させると、内視鏡観察視野の部位はバルーン4
3により覆われることから、照明窓20からの照明光は
このバルーン43に反射する等により、内視鏡観察視野
の部位に照射される照明光量はある程度低下することに
なり、しかも超音波トランスデューサ38が1回転する
毎に観察窓23の前方を通ることから、その都度視野が
遮られて、内視鏡画像の画質はかなり低下するものの、
超音波検査を行っている間でも、その走査ラインの部位
の内視鏡観察を行える。そこで、図5に超音波走査ライ
ンをULで、また内視鏡観察視野をSFで、照明範囲を
LTで示す。この図から明らかなように、内視鏡観察視
野SFは照明範囲LTの及ぶ範囲内にあり、また超音波
走査ラインULはこの内視鏡観察視野SFのほぼ中心を
通るようになっている。
【0022】そして、超音波観測の終了時には、モータ
35を停止させるが、この時には回転バー37に取り付
けた超音波トランスデューサ38及びカウンタウエイト
39は観察窓23から離れた位置て停止しなければなら
ない。このために、取付部11の先端面に光学センサ4
0が設けられており、この光学センサ40により回転バ
ー37の停止位置が制御されて、観察窓23を覆わない
位置で停止することになる。そして、回転バー37の停
止と共に、バルーン43内の超音波伝達媒体を流体給排
チューブ45から吸引することによって、バルーン43
をキャップ12に密着した状態に復帰させる。
【0023】なお、前述した実施例においては、照明窓
をキャップの外に設けるように構成したが、取付部にお
いて、観察窓と並ぶ位置に設けても良い。また、回転バ
ーには超音波トランスデューサを片側にのみ取り付け、
反対側にはカウンタウエイトを設けるように構成した
が、例えば反対側にも他の超音波トランスデューサを設
けて、これら2つの超音波トランスデューサの発振周波
数やフォーカス位置等を変えるようにすることができ
る。ここで、高周波発振する超音波トランスデューサを
用いれば、距離分解能が高いが、超音波到達深度が浅く
なり、低周波発信する超音波トランスデューサを用いれ
ば、超音波到達深度を深くできるが、距離分解能が低く
なる。また、超音波トランスデューサに装着される音響
レンズによっては、フォーカス位置も変えることができ
る。従って、例えば図6に示したように、回転バー50
を十字状となし、それぞれの先端を曲折し、各曲折部5
0aに4種類の超音波トランスデューサ51を設けるこ
ともできる。これによって、患部の位置等に応じて適宜
の超音波トランスデューサを用いて超音波走査を行うよ
うにすれば、体腔内の粘膜直下の部位から深部に至るま
での超音波断層像を取得できる。勿論、多数の超音波ト
ランスデューサを設ければ、それだけ観察窓を遮る頻度
が高くなるが、そもそも超音波走査を行っている際に
は、挿入部の先端部本体が安定した状態に保持されてお
れば、必ずしも体腔内の内視鏡画像を得る必要がないも
のであり、従って得られた内視鏡画像の画質が多少低下
しても格別問題とはならない。さらに、観察窓と超音波
トランスデューサとの位置関係は、必ずしも両者が重な
り合わなければならないものではなく、超音波トランス
デューサが多少前方に位置していても差し支えない。例
えば胃等の臓器の内部を検査する場合のように、その臓
器内に給水貯留させることができれば、格別バルーンを
設ける必要はない。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、挿入部
の先端に先端部本体における本体ブロックから突出する
取付部を貫通するように回転軸を設けて、この回転軸の
先端に回転部材を連結して設け、この回転部材を取付部
の周胴部側に延在するよう曲折し、この曲折部に超音波
トランスデューサを取り付け、取付部の周胴部に内視鏡
観察機構を構成する観察窓を設ける構成としたので、超
音波走査ラインを確実に内視鏡観察視野内に収めること
ができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における超音波内視鏡の構成
説明図である。
【図2】挿入部の縦断面図である。
【図3】図2のX−X断面図である。
【図4】超音波トランスデューサの回転駆動部の構成説
明図である。
【図5】超音波内視鏡の作用説明図である。
【図6】超音波トランスデューサの取り付け構造の他の
例を示す外観図である。
【符号の説明】
1 超音波内視鏡 2 挿入部 2c 先端部本体 10 本体ブロック 11 取付部 12 キャップ 20 照明窓 23 観察窓 30 挿通孔 31 回転軸 33 フレキシブルシャフト 37,50 回転バー 37a,50a 曲折部 38,51 超音波トランスデューサ

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 挿入部の先端部本体の本体ブロックに取
    付部を突出する状態に連結し、この取付部に駆動手段に
    より回転駆動される回転軸を貫通させて設け、この回転
    軸の先端に回転部材を連結し、この回転部材を前記取付
    部の周胴部側に延在するように曲折させて、この曲折部
    に超音波トランスデューサを取り付けることにより回転
    軸に追従回転させるようになし、前記取付部の周胴部に
    内視鏡観察機構の観察窓を設ける構成としたことを特徴
    とする超音波内視鏡。
  2. 【請求項2】 前記超音波トランスデューサは前記取付
    部の周胴部における所定の角度分を覆うものであり、こ
    の超音波トランスデューサの回転軌跡に視野の中心がほ
    ぼ一致する位置に前記観察窓を配置する構成としたこと
    を特徴とする請求項1記載の超音波内視鏡。
  3. 【請求項3】 前記先端部本体には、前記取付部を囲繞
    するように透明キャップを設けて、前記超音波トランス
    デューサ及び観察窓はこの透明キャップ内に配置し、観
    察対象部に向けて照明光を照射する照明窓は透明キャッ
    プ外で、前記観察窓の斜め基端側の位置に設ける構成と
    したことを特徴とする請求項1記載の超音波内視鏡。
  4. 【請求項4】 前記回転部材には複数の超音波トランス
    デューサを取り付ける構成としたことを特徴とする請求
    項1または2記載の超音波内視鏡。
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