JPH08117233A - 超音波内視鏡装置 - Google Patents

超音波内視鏡装置

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JPH08117233A
JPH08117233A JP6262541A JP26254194A JPH08117233A JP H08117233 A JPH08117233 A JP H08117233A JP 6262541 A JP6262541 A JP 6262541A JP 26254194 A JP26254194 A JP 26254194A JP H08117233 A JPH08117233 A JP H08117233A
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JP
Japan
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ultrasonic
image
optical image
subject
tip
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Withdrawn
Application number
JP6262541A
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English (en)
Inventor
Shin Hara
慎 原
Akiko Mizunuma
明子 水沼
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 超音波走査面が被検体表面に対して垂直にな
るように挿入部先端を調節するための指示手段を設け、
術者が壁内部等の診断部位までの深さを正確に診断する
こと等を可能にする。 【構成】 先端部12に、2個の超音波探触子20,2
1を有し、これらでそれぞれ測定された被検体表面間の
距離より先端部12の被検体表面に対する傾きθを算出
し、術者がその傾き情報を知覚できるようにする。例え
ば、先端部12に、赤、青、黄に点灯可能な平行度表示
部24を設け、これを光学像として観察させる。算出θ
の値に応じ、先端部12が傾いていれば、赤色または黄
色を点灯させ、ほぼ平行で従って超音波走査面が被検体
表面に対してほぼ垂直とみなせるときは、青色を点灯さ
せ、術者にいずれの状態にあるかを知らせる。術者は、
傾き修正のための先端部の操作をし易くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波内視鏡装置に関
するものであり、特に、容易に超音波走査面を被検体表
面に対して垂直に調節しうるようにした超音波内視鏡装
置に関するものである。
【0002】
【発明の背景、発明が解決しようとする課題】体腔内例
えば胃壁内部や胃外壁にできた腫瘍等を発見するため
に、特開平2−189140号公報(文献1)記載の如
くの超音波内視鏡が提案されている。このものは、先端
部に光学像を得る手段及び超音波画像を得る手段を具備
し、体腔内観察とともに体腔深部の病変を観察すること
ができるものであり、特に、光学像中に超音波の断層ラ
インを表示し、操作性の向上が図られている。その概略
の構成及び作用は、次のようである。
【0003】図27(A)は、超音波内視鏡の先端部を
示す。また、同図(B)〜(E)は、観察、診断の状況
を示すもので、図(B),(D)は光学像の、また図
(C),(E)は超音波画像の、それぞれの例である。
【0004】同図(A)において、超音波探触子(超音
波振動子)が回転しながら超音波を送受信し、図示する
超音波断層面の超音波断層像を生成する。一方、先端光
学系では、該光学系より、図示する光学視野の光学像を
撮像等する。
【0005】ここで、第1エコーを用いて、被観察物と
超音波内視鏡先端部との距離Xを測定する。そして、超
音波内視鏡先端より距離Xだけ離れた直線の位置をライ
ンlとして光学像上に表示する(図(B))。次いで、
目標部位Sと、ラインlとを一致させるように、内視鏡
先端部を操作するようにようになすものである(図
(D))。これにより、超音波画像側では、図(C)か
ら(E)のように変わり、目標部位Sを、超音波画像上
で観察できる(図(E))。
【0006】超音波内視鏡の利点の一つは、光学像を観
察しながら目的部位まで安全に挿入部を挿入した後に、
その目的部位の壁内の構造を詳細に観察できるという特
徴を有するところにあるということができる。
【0007】しかして、超音波診断を行う主なる目的
は、次のような面、即ち、被検体表面から壁内部の診断
部位までの深さを知ること、例えば癌の深達度の測定や
腫瘍の正確な大きさを診断したりすることなどにある。
ところが、体内の深部にまで挿入された先端部分を正確
に操作し、目的部位の被検体表面に対して超音波走査面
が垂直になるように配置することは、熟練を要する。そ
のため、こうした的確な操作に熟達しなければ、壁内部
の診断部位の正確な深さを測定することには困難を伴
い、結果、それだけ、手間、時間等がかかることとにな
る。従ってまた、熟練しなければ、検査時間の短縮や、
診断能、治療能の向上に限界があり、もし、術者が、よ
り容易に超音波走査面が被検体表面に対して垂直に調節
しうるなら、これらも解消し得る。
【0008】本発明は、目的部位の被検体表面に対して
超音波走査面が垂直になったときに、それを術者に伝え
ることができ、超音波走査面が被検体表面に対して垂直
になるように挿入部先端を調節するための指示に接する
ことのできる超音波内視鏡装置を提供しようというもの
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の超音波内視鏡装
置は、挿入部先端に、光学像を得るための光学系と超音
波振動子とを有して、視野観察と超音波観察を行うこと
が可能な超音波内視鏡装置であって、前記挿入部の先端
部表面近傍で、かつ、挿入軸にほぼ平行な方向上にそれ
ぞれ配置してなる2つの距離測定部を含む、被検体表面
との間の距離を測定する距離測定用計測手段と、該距離
測定用計測手段のその2つの距離測定部でそれぞれ測定
される被検体表面との間の距離から、前記先端部のその
被検体表面に対する傾きを算出する装置と、斯く算出さ
れる傾き情報を術者が知覚するための装置とを備えるこ
とを特徴とするものである。
【0010】
【作用】本発明においては、挿入部先端において、挿入
軸方向上で2箇所で各別に、被検体表面間との距離を測
定し、かかる距離測定に基づきその先端部の被検体表面
に対する傾きを算出し、術者が斯く算出される傾き情報
を知覚させる。よって、術者に対して、超音波内視鏡装
置の先端部の傾きを知らせることができる。従って、目
的部位の被検体表面に対して超音波走査面が垂直になっ
たときに、それを術者に伝えることができ、術者は、超
音波走査面が被検体表面に対して垂直になるように挿入
部先端を調節するための指示に接することができて、そ
の分、操作性も向上し、術者が壁内部等の診断部位まで
の深さを正確に診断すること等も可能になる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図1は、本発明の一実施例に係るファイバー式超音
波内視鏡の外観図である。図において、超音波内視鏡1
は、接眼部2と、副操作部3と、操作部4とを有すると
ともに、その挿入部先端部分において表面近傍部分で、
挿入軸に平行な直線上に沿ってそれぞれ第1及び第2の
測定手段として配される距離測定用の計測部を具備せし
められた構成の挿入部5を有する。更に、超音波内視鏡
1は、図示のように、ユニバーサルコード6、超音波コ
ード7、光源用コネクター8、及び超音波コネクター9
を有する。光源用コネクター8及び超音波コネクター9
は、不図示のシステム周辺機器(観測装置、光源、情報
処理部等)における該当するユニット部分と接続して使
用される。
【0012】挿入部5は、可撓部10、彎曲部11、及
び先端部12からなり、この挿入部5及び操作部4内を
延在してイメージガイド、ライトガイド、鉗子チャンネ
ル、超音波振動子回転シャフト等(図示せず)が設けら
れている。また、操作部4には、アングルノブ13及び
鉗子挿入口14が設けられ、アングルノブ13の操作に
よって彎曲部11を彎曲させ、先端部12の向きを変え
られるようになっているとともに、鉗子挿入口14から
挿入部5内の鉗子チャンネルを通して鉗子を挿入するこ
とにより、体腔内の組織を採取できる。
【0013】また、挿入部5内のライトガイドについて
は、その入射端は、ユニバーサルコード6及び光源用コ
ネクター8を介して光源ユニットに接続され、これによ
ってライトガイドを介して体腔内を照明し、その像を、
先端部12における対物レンズ系と挿入部5内を延在す
るイメージガイド、及び接眼レンズ系を介して接眼部2
において肉眼で観察することができる。
【0014】図2は、超音波内視鏡1の先端部12の外
観図である。図示のように、先端部は先端本体15、及
びプローブ部16よりなる。先端本体15には、光学撮
像系(ここでは、下記する構成の光学系)17が設けら
れ、そのほか鉗子チャンネル口18等が設けられてい
る。光学系は、例えば側視で超音波ビームが入射する部
分を十分に視認できるように、視野角は120°程度に
なっている。
【0015】プローブ部16には、先端キャップ19内
に、本実施例では第1と第2の2個の超音波探触子(超
音波振動子)を配される。そのうちの一方は、通常のこ
の種超音波内視鏡における撮像用の超音波探触子20で
あり、他の一方については、本例構成に従ってこれとは
別個に配した、専ら距離計測用のための超音波探触子2
1とすることができるが、本実施例では、撮像用の超音
波探触子20は、後述のように、被検体表面との間の距
離を測定するのにも利用するものである。このようにす
ると、被検体表面に対する距離を、挿入軸方向上で所定
間隔離れた2箇所で各別に測定する場合においてそれに
超音波を利用する実施態様のとき、超音波内視鏡の先端
部に組み込むべき超音波振動子としては、本来の超音波
画像を得るための撮像用超音波振動子を含めて計2つで
済み、効果的に構成の簡素化等が実現される。
【0016】本実施例にあっては、こうして、撮像用超
音波探触子20及び距離計測用超音波探触子21が設け
られているものであり、それら2つの探触子20,21
は、ハウジング22に納められ、同一の平面上に配置さ
れる。ハウジング22は、挿入軸上に設けられるシャフ
ト23(超音波振動子回転シャフト)に固定されてい
る。シャフト23は、挿入部5及び操作部4を経由して
副操作部3内のモーターに接続されており、よって、2
つの探触子20,21は、このモーターの回転によって
回転する。
【0017】図3には、上記光学系17部分、及びその
近傍部分の詳細構成を説明する断面図等を示してある。
同図(A)に示すように、光学系17は、カバーガラス
25、プリズム26及びレンズ群27からなる。ここ
で、符号24を付して示すものは、平行度表示部であ
る。これは、2つの距離測定系としての、上記各探触子
20,21それぞれで測定された対被検体表面間距離に
基づき算出して得られる、先端部12の被検体表面に対
する傾き情報を、術者をして知覚せしめるための手段の
好適例の一例である。この手段は、超音波内視鏡挿入部
先端を超音波走査面が被検体表面に対して垂直になるよ
うに調節するための指示手段を構成する。
【0018】本実施例においては、かかる平行度表示部
24は、先端部12側に組み込まれている。平行度表示
部24は、ここでは、電球28及び絞りリング29から
なる。また、電球としては、例えば3色(例えば、赤、
青、黄)の光を放出できるものを使用している。これら
の3色の光の使い分け等については、後記図5で更に詳
しく述べられる。
【0019】図3(B)に示す如く、絞りリング29に
は、光学像の例えば上方向(図5参照)を指示する標識
30が設けられており、標識30の中央には穴31が設
けられている。光学系17は、対物側よりカバーガラス
25、プリズム26、絞りリング29、レンズ群27、
イメージガイド32の順に配列される。また、電球28
は、プリズム26と絞りリング29の間に設けられて、
絞りリング29の穴31からのみ光線が放出するように
するため、透明な接着剤で電球28を固定した後に接着
剤の周囲を遮光塗装している(同図(C))。なお、図
中、28aはコードであり、該コードにより後述の平行
度測定系から点灯信号が電球28に供給される。
【0020】図4は、本例の態様に従った場合の、前述
した先端部の調節に際しての指示手段であり、傾き情報
を術者が知覚する手段である平行度表示部24を含め
た、超音波内視鏡装置の主な要素部分の機能をブロック
として示したものの一例である。同図の如く、本装置
は、超音波内視鏡先端部12、平行度表示部24、超音
波観測装置37、超音波像表示部38、平行度測定回路
39、光学像表示部40の各機能を有するものとして表
すことができる。
【0021】先端部12は、光学撮像系17、撮像用超
音波探触子20、距離計測用超音波探触子21が設けら
れる。撮像用超音波探触子20及び距離計測用超音波探
触子21は、駆動回路33、制御回路34、受信回路3
5、DSC(デジタルスキャンコンバータ)36を設け
た超音波観測装置37により制御される。
【0022】本実施例装置においては、超音波観測装置
37による制御の下、駆動回路33及び制御回路34に
より2つの超音波探触子20及び21が同時に駆動され
て超音波を被検体に投射し(図2)、それぞれ反射エコ
ーが超音波探触子20及び21で検出される。こうして
得られる超音波信号(反射エコー)のうち、撮像用超音
波探触子20で得られた信号は、受信回路35で受信さ
れた後、一方では、DSC36へ与えられ、そのDSC
36で映像化信号処理をされ、超音波像表示部38にお
いて超音波断層像として表示される。
【0023】また、距離測定用超音波探触子21で得ら
れる信号の方は、受信回路35を経由して、撮像用超音
波探触子20側からの信号と共に、平行度計測回路(平
行度測定回路)39に送られる。平行度測定回路39で
は、これら信号の基づき、2つの超音波探触子20及び
21より発振された超音波がそれぞれターゲットから反
射される第1エコーを得るまでの時間差を求め、これに
よって行路差(即ち、2つの超音波探触子20,21側
で測定されたそれぞれの対ターゲット間距離の差)を算
出する。そして、該回路39は、このように行路差を算
出するとともに、先端部12の被検体表面に対する傾き
を算出する。その結果は、平行度表示部24に送られ、
光学像表示部40にて観察できる。更に、光学撮像系1
7からの光学像も、光学像表示部40より上記の傾きと
共に観察できる。
【0024】なお、超音波像表示部38は、超音波観測
装置37と同様、超音波画像表示モニター等の周辺機器
として備えられる。平行度表示部24は、図3の構成の
場合は、その電球等が先端部12に含まれ、また、光学
像表示部40は、ここでは、図1のファイバー超音波内
視鏡1の接眼部2部分を含んだものが相当する。
【0025】以下、更に、図5も参照して、上記構成に
よる作用、機能等につき、先端部12の被検体表面に対
する傾きの算出手法、その傾き情報の観察の態様を具体
的に説明する。まず、上述した行路差の計算方法につい
て、その原理を説明する。本実施例では、2つの超音波
探触子20,21を有するが、これら2つの超音波振動
子20あるいは21の診断部位との距離は、反射エコー
を利用して計算できる。この距離の計測については、例
えば、図4中の制御回路34から駆動回路33にエコー
信号を送信したと同時に、平行度測定回路39を作動せ
しめ、距離測定を開始させ、被検体から戻ってきた反射
エコーを受信回路35で受信し、それを第1エコーとし
て判定し距離を測定することで行える。
【0026】しかして、このようにして測定される2つ
の振動子20及び21から被検体までの距離のそれぞれ
を、例えば、図5(A)に示す如く、プローブ16先端
側の方の振動子21(距離測定用)側でL1、その後端
側の方の振動子20(撮像用兼距離測定用)側でL2と
し、また、これら2つの振動子20及び21の中心間距
離をdとすると、被検体表面と超音波内視鏡先端部12
の挿入軸との傾きθは、次式1で表現できる。
【数1】 θ=tan-1{(L2−L1)/d} ・・・1
【0027】従って、平行度測定回路39において上式
1に基づき算出される傾きθが値0になったとき(L1
=L2)に、先端部12が被検体表面に平行な状態とな
り、この場合は、壁面等の被検体表面に対して垂直な超
音波画像が得られることになる。一方、算出される傾き
θが値0以外のとき(L1<L2、またはL1>L
2)、先端部12が被検体表面に平行な状態にはなく、
結果、それらの場合、先端部12は、撮像用超音波探触
子20による超音波走査面が被検体表面に対して垂直な
状態のものとして得られない位置関係にあることとな
る。そして、それらのときのその傾きの方向性は、L1
とL2との大小関係による。
【0028】図5には、先端部12の被検体表面に対す
る傾きθの状態と、前記平行度表示部24での3色の光
を放出可能な電球28の点灯する色との関係を例示して
ある。ここに、図(A),(C),(E)は、それぞれ
先端部12と被検体表面との位置関係を模式的に示す図
である。また、図(B),(D),(F)は、それぞ
れ、同図(A),(C),(E)の関係にある場合にお
いて光学像表示部40より観察される像の模式図であ
る。
【0029】ここでは、診断上超音波断層面が被検体表
面に対してほぼ垂直と見なせる絶対値臨界角を考え、こ
れをcとして、かかる絶対値臨界角cとの関係におい
て、平行度レベルの範囲を考えるものとする。即ち、図
(A)及び(C)の如く、いずれも平行の状態にはない
θ≧cの状態、及びθ≦−cの状態の場合と、−c<θ
<cの範囲にある状態、即ち先端部12が被検体表面と
ほぼ平行状態にあり、従って上記の通り撮像用超音波探
触子20による超音波走査面は被検体表面に対しほぼ垂
直と見なせる状態にある場合(図(B))の、3種類に
分けてある。そして、本例では、これら各状態に対応し
て予め前記電球28の放出光の色を設定しておくもので
あり、超音波内視鏡先端部12がこれら3つレベルのう
ちのいずれの状態にあるか、その旨を術者に対し知らせ
るべく、算出傾きθ値に応じて平行度表示部24におけ
るその色表示を選択的に切り換えるようにする。
【0030】従って、この場合は、平行度測定回路39
によって、その算出した傾きθの値に応じて、かかる絶
対値臨界角cとの比較結果に基づき、平行度表示部24
に対し、次のような態様でそれぞれ該当する点灯信号を
送出させる。即ち、平行度測定回路39で算出したθの
値がc°以上であれば、平行度測定回路39は、平行度
表示部24に、その旨を知らせるよう前記の赤、青、黄
の3色のうちの予め定めた色、例えば赤色を点灯する信
号を発生する(図(A)及び(B)参照)。かくて、こ
の場合は、術者は、光学像表示部40を観察しながら平
行度表示部24によるその赤色の光を視認でき、よっ
て、先端部12の傾きの状態が図(A)の状態にあるこ
とを知る。
【0031】他の場合も、基本的にこれと同様の作動と
なる。即ち、傾きθの値が−c°からc°の間なら、平
行度測定回路39は、平行度表示部24に例えば青色を
点灯する信号を発生する(図(C)及び(D)参照)。
術者は、このときは、図(C)のように先端部12が被
検体表面とほぼ平行状態にあり、従って、被検体表面に
対して垂直な超音波画像が得られる位置関係にある、と
いうことを知る。
【0032】また、傾きθの値が−c°以下であれば、
平行度測定回路39は、平行度表示部24に黄色を点灯
する信号を発生する(図(E)及び(F)参照)。この
ときは、先端部12の傾きの状態が図(E)の状態にあ
ることを知ることになる。
【0033】このようにして、挿入部先端に視野観察光
学系と超音波振動子を設けて、視野観察と超音波観察を
行うことが可能な超音波内視鏡装置の場合において、術
者に対して視覚情報によって超音波内視鏡装置の先端部
12の傾きを知らせる機能を具備させ、目的部位の被検
体表面に対して超音波走査面が垂直になったときに、そ
れを術者に伝達するための信号を送信することのできる
超音波内視鏡が実現される。上記においては、視覚情報
は異なる色の光情報であり、より具体的には、術者に伝
達するための信号は、ここでは赤、青、黄の3色の光で
あって、これらにより、挿入部5先端部分を操作する
際、術者に先端部12の被検体表面に対する傾きを知覚
させることができ、従前に比し、熟達しなくても、的確
な操作を容易にとらしめることが可能となる。
【0034】本超音波内視鏡使用時の検査、診断等に当
たり、術者は、例えば図5(A)の赤点灯に接したとき
はそれに応じた方向性をもって、また同図(F)の黄点
灯に接したときはそれに応じた方向性をもって、それぞ
れ、同図(D)のように観察光学像の平行度表示部24
における色表示が青となるよう操作をすればよいのであ
り、それだけ、少ない手間、時間で必要な操作を行うこ
とができ、熟達した者にとっても、一層の操作性の向上
等も図れる。
【0035】本実施例によれば、以上のようにして、術
者は、光学像表示部40を観察しながら平行度表示部2
4の色を観察することによって、目的部位が存在する被
検体表面と超音波走査面の傾きを確認しながら、先端部
12が被検体表面に対して垂直になるように調節するこ
とが可能である。より容易に超音波走査面が被検体表面
に対して垂直に調節し得、ファイバー式超音波内視鏡を
用いて壁面等に対して垂直な超音波断層面を撮影するこ
とができ、術者が壁内部の診断部位までの深さを正確に
診断することができる。
【0036】次に、他の実施例(第2実施例)につい
て、図6乃至図8により説明する。本実施例は、超音波
探触子を2個利用する前記実施例(第1実施例)の変形
例にも相当するものである。本実施例も、その基本的な
目的は、第1実施例と同様で、ファイバー式超音波内視
鏡を用い、容易に壁面等に対して垂直な超音波断層面を
撮影することを実現するものであるところ、下記の点
で、より改良されている。
【0037】第1実施例にあっては、前記図3に示した
ような構造の平行度表示部24を用いたが、本実施例
は、これに対し、より大きな部品を利用できる平行度表
示部を用いることのできる構成をも達成しようというも
のである。これがため、本実施例では、図3図示の電球
等の平行度表示部24に代えて、次の如き構成の平行度
表示部を用い、かつ、それを前記図1における接眼部2
内部に設ける方式を採用している。従って、本実施例で
は、前記図4の機能ブロックにおいて、平行度表示部機
能部分については、接眼部2に含まれるものとなる。基
本的な構成については、第1実施例と同様であってよ
く、以下、本実施例の要部について述べる。
【0038】図6は、本実施例で採用する平行度表示部
41の構成を示し、また、図7には、該平行度表示部4
1を組み込んだ状態の接眼部2の断面図を示してある。
本実施例における平行度表示部41は、図7に示すよう
に、接眼部2における接眼ンズ群42,43の間に設け
られ、絞りリング44を兼用している。
【0039】この平行度表示部41には、図6(A)に
示すように、複数の平行度表示灯45が一列に並んで配
置されている。この場合において、平行度表示部41と
して比較的に大きな部品を利用できる構成となり、故に
かかる平行度表示灯45を複数の配置するときも、容易
にそれに応えられる。そして、この構成は、後述するよ
うに、先端部12の傾きθの状態に合わせて、段階的に
平行度表示灯45の点灯個数、消灯個数をもって表示す
るとき、その表示態様のきめ細かさを実現するのに効果
的なものとなる。平行度表示灯45は、各々、窓44a
に望んで配置される構成とできるが、ここでは、次のよ
うな構成のものとする。即ち、各々の窓には同図(A)
のAA断面を示す同(B)の断面図の如く、例えば、グ
ラスファイバー束からなる傾き表示用のライトガイド4
6が配置され、その先端にカバーガラス47が設けられ
ている。ここでは、これらにより、平行度表示灯45を
構成してある。
【0040】また、接眼部2内部は、図7に示す如く、
接眼側より順に、カバーレンズ48、第1レンズ群4
2、スペーサ49、上記平行度表示部41、第2レンズ
群43のこの順でレンズ枠50に配置されている。レン
ズ枠50は、接眼部本体51に嵌合されている。また、
本実施例のファイバー式超音波内視鏡の先端部12から
のイメージガイド32は、接眼部本体51と相対的に固
定されており、レンズ枠50と接眼本体の位置関係を調
節することによって、イメージガイド32より映し出さ
れる光学像が観察者(術者)の網膜上で結像するように
ピント合わせを行うことができる。上記以外の構成要素
については、第1実施例と同様、あるいはそれに準じた
ものでよい。
【0041】本実施例のものは、次のようにして使用
し、術者に対し視覚情報によって超音波内視鏡装置の先
端部12の傾きを知らせることができる。図8は、本実
施例における、先端部12の体壁等の被検査表面に対す
る傾きθと、平行度表示部41の点灯する平行度表示灯
45(電灯)の数の関係を例示したものである。本実施
例では、平行度表示灯45の点灯個数で傾きθの状態を
表示させるものとする。即ち、第1実施例と同様な前記
式1による計算方法を用いて、被検体表面と超音波内視
鏡先端部12の挿入軸との傾きθが、前記図4における
と同様なブロック構成の平行度測定回路39で計算され
る。しかして、斯く計算して得られる傾きθの値によっ
て、平行度表示灯45を点灯する数を変化させるのであ
る。
【0042】具体的には、例えば、傾きθが0°であれ
ば、全平行度表示灯45のうちのほぼ半分の個数、例え
ば本例では9個のうちの5つを点灯させる状態とし、こ
れを表示の基準の状態として、例えば、以降5°刻みで
角度θが正の方向に増加すれば、基準状態から点灯する
数を1つずつ増加し、同様にθが5°刻みで負の方向に
減少すれば、基準状態から点灯する数を1つずつ減少す
る、といったように、傾きθに対応して平行度測定回路
39が点灯個数の切り換えを行う。
【0043】図8は、このようにした場合の例に相当し
ており、図(B−1)は、−5°<θ<5°の範囲にあ
って、先端部12が被検査表面とほぼ平行な状態の上記
基準の状態である。一方、図(A−1)は、10°<θ
<15°で、基準状態に対しはθが正で増加する方向で
傾きθが生じている状態、図(C−1)は、−15°<
θ<−10°で、基準状態に対しは逆方向の向きで傾き
θが生じている状態である。図(A−2),図(B−
2),図(C−2)が、それぞれ上記の場合の光学像表
示部40の表示例である。図(A−2)の場合の10°
<θ<15°では平行度表示灯45は7つ点灯してお
り、また、図(B−2)の場合で、例えばθ=0°では
平行度表示灯45は5つ点灯し、また、図(C−2)場
合の−15°<θ<−10°では平行度表示灯45は3
つ点灯しており、術者は、このような状態を接眼部2に
よる光学像観察時に視認することができる。
【0044】本実施例によっても、前記第1実施例と同
様、超音波走査面が被検体表面に対して垂直になるよう
に挿入部先端を調節するための指示手段を設けることに
よって、術者が壁内部の診断部位までの深さを正確に診
断することが可能になるという作用効果を得られる。こ
の場合に、本実施例では、術者は、光学像表示部40を
観察しながら平行度表示部41の平行度表示灯45が点
灯している表示灯(電灯)の数を観察することによっ
て、目的部位が存在する体壁面と超音波走査面の傾きを
確認しながら、先端部12が体壁面に対して垂直になる
ように調節することが可能であり、より容易にこれを行
える利点を有する。
【0045】次に、更に他の実施例(第3実施例)につ
いて、図9乃至図12により説明する。本実施例も、超
音波探触子を2個利用する第1実施例の変形例にも相当
するものである。本実施例は、ビデオ式超音波内視鏡を
用いて体壁面に対して垂直な超音波断層面を撮影しよう
というものである。以下、本実施例の要部について述べ
る。なお、第1実施例と対応する箇所、要素については
同一符号を付してある。
【0046】図9は、本実施例に係るビデオ式超音波内
視鏡52の外観図である。図示のように、本実施例で
は、第1実施例の図1に示した接眼部2がスイッチボッ
クス53に代わっている。また、先端部12には、光学
撮像系17としてCCDカメラが内蔵され、そのケーブ
ルは挿入部5、操作部4、ユニバーサルコード6及び光
源用コネクター8を経由してビデオコネクター54まで
延在している。また、ビデオ式超音波内視鏡52では、
周辺機器との接続においてビデオケーブル55を使用す
る。
【0047】図10は、本実施例の場合のブロック図
で、第1実施例(または第2実施例)における図4相当
図である。本実施例では、光学撮像系17のビデオ信号
は、ビデオコネクター54よりビデオケーブル55を用
いて光学像生成装置56に送られる。光学像生成装置5
6には、平行度測定回路57からは先端部12の傾きの
情報が与えられる。光学像生成装置56は、光学像を画
像として光学像表示部58に表示させるが、この場合、
先端部12の傾きについての表示も行わせる。
【0048】図11は、本実施例における光学像表示部
58の模式図である。光学像表示部58は、光学像表示
領域59、文字情報表示部60、グラフィック表示部6
1からなる。光学像表示領域59には、光学撮像系17
によって撮影された画像が表示される。文字情報表示部
60には、患者データ、超音波の振動周波数、画像レン
ジ、日付、時間などの情報が表示される。グラフィック
表示部61には、被検体表面のモデル62と超音波内視
鏡先端部12のモデル63との位置関係をグラフィック
表示する。
【0049】本実施例においては、平行度測定回路57
は、前述の式1の算出手法に従い、被検体表面と超音波
内視鏡先端部12の挿入軸との傾きθを計算し、その値
を光学像生成装置56に送る。光学像生成装置56で
は、その傾きθを基に被検体表面と超音波内視鏡先端部
12の位置関係を表示するための処理を行い、光学像表
示部58におけるグラフィック表示部61に表示する。
【0050】本実施例によるものは、次のようにして使
用し、術者に対し、光学像表示部58において超音波内
視鏡装置の先端部12の傾きを知らせることができる。
図12は、先端部12の被検体表面に対する傾きθとグ
ラフィック表示部61に表示される被検体表面のモデル
62と超音波内視鏡先端部12のモデルの作用図であ
る。図(A−1)は、先端部12が被検体表面に対して
θ1傾いた状態を示している。この場合、平行度測定回
路57で傾きθ=θ1が計算され、その結果が光学像生
成装置56に送られ、グラフィック表示部61には、図
(A−2)に示すように、その下部部分において、例え
ば被検体表面モデル62が画面に対して水平に表示さ
れ、その上部部分においては、それから角度θ1傾いて
先端部モデル63が表示される。従って、術者は、かか
る画面を見ることで、先端部12が被検体表面に対して
図(A−1)のような状態にあることが判ることにな
り、平行状態にするにはどのように挿入部先端を操作す
べきかが容易に理解できる。
【0051】また、図(B−1)及び(B−2)、並び
に図(C−1)及び(C−2)は、それぞれ、先端部1
2が被検体表面に対してθ=0の状態、即ち平行にある
状態、並びにθ2傾いた場合の状態を示すものであり、
同様にして、術者は、グラフィック表示部61から、体
腔内での先端部12が被検体表面に対してどのような関
係状態にあるのかを理解で、図(C−1)及び(C−
2)のようなケースで操作が必要なら、傾きを修正する
操作を、それら被検体表面モデル62及び先端部モデル
63の様子みながら適切に行える。
【0052】本実施例によっても、第1実施例と同様の
作用効果が得られ、特に、本実施例では、術者は、光学
像表示部58のグラフィック表示部61を観察すること
によって、目的部位が存在する体壁面と超音波走査面の
傾きを確認しながら、先端部12が体壁面等に対して垂
直になるように調節することが可能である。
【0053】次に、更に他の実施例(第4実施例)につ
いて、図13乃至図16により説明する。本実施例は、
電子ラジアル式超音波内視鏡を用いて体壁面に対して垂
直な超音波断層面を撮影することを実現しようというも
のであるが、また、他の構成面では、距離測定用に2つ
の超音波探触子の組による手法ではなく、2つの光セン
サーを用いる構成で同様のことを実現させようというも
のでもある。以下、本実施例の要部について述べる。な
お、第1実施例と対応する箇所、要素については同一符
号が付されている。
【0054】図13は、本実施例に係る側視型電子ラジ
アル式超音波内視鏡の先端部64の外観図である。本実
施例では、図示のように、超音波内視鏡の先端部64に
は、挿入方向側より順に、第1光センサー部65、電子
ラジアル振動子群66、第2光センサー部67、光学撮
像系17の順に設けられる。
【0055】ここに、第1及び第2光センサー部65,
67は、これらによって、先端部表面で、挿入軸に平行
な直線上にある第1及び第2の測定手段として配される
距離測定用の計測部を構成するものである。各光センサ
ー部65,67は、発振部と受信部をそれぞれ有し、発
振部よりパルス波が発光されると同時にタイマーが作動
し、それが受信部に戻ってくると同時にタイマーを停止
し、その時間を測定することによって、第1及び第2光
センサー部65,67それぞれの配置位置においての被
検体表面までの距離を測定することができる。この点
は、2個の超音波探触子による場合の前記第1実施例以
降での基本原理と同様である。電子ラジアル振動子群6
6は、先端部64の挿入軸に対して垂直な方向に超音波
ビームを発信できるように配列されており、ここでは、
これが撮像用の超音波探触子20を構成する。
【0056】図14は、本実施例の場合における装置各
部の機能をブロックとして表した図である。本実施例に
おいては、先端部64における第1光センサー部65及
び第2光センサー部67にて測定されたそれぞれの光セ
ンサー部と被検体表面との垂直距離L1及びL2を基
に、第1実施例の場合の式1の従う傾き算出手法によ
り、平行度測定回路68にて本超音波内視鏡先端部64
と被検体表面との傾きを算出する。
【0057】しかして、本実施例にあっては、その結果
は、超音波観測装置のDSC69に送られ、超音波像表
示部70において超音波画像と共に表示されるようにす
る。従って、ここでは、術者が、算出傾き情報を知覚す
るための装置による表示については、前記第1実施例等
による光学視野内での表示ではなく、超音波画像表示モ
ニターによる表示とすることができる。
【0058】図15は、超音波像表示部70の模式図で
ある。超音波像表示部70は、超音波画像表示部71、
棒グラフ表示部72、文字情報表示部73からなる。超
音波画像表示部71は、DSC69より送られてきた超
音波画像を表示する。棒グラフ表示部72は、先端部6
4と被検体表面との傾きを棒グラフで表示する。かかる
傾き表示については、例えば、先端部64と被検体表面
との傾きが0の場合には棒グラフ表示部72の中央位置
74まで棒グラフが表示されるような表示態様であって
よい。また、文字情報表示部73には、患者データ、超
音波の振動周波数、画面レンジ、日付、時間などの情報
が表示される。上記以外の構成要素については、第1実
施例と同様、あるいはそれに準じたものでよい。
【0059】本実施例のものは、次のようにして使用
し、術者に対し、やはり視覚情報により、超音波像表示
部70において本実施例の超音波内視鏡装置の先端部6
4の傾きを知らせることができる。本実施例における平
行度測定回路68は、被検体表面と超音波内視鏡先端部
64の挿入軸との傾きθを計算し、その値をDSC69
に送る。DSC69では、傾きθにつきその情報に基に
棒グラフ化処理を行い、超音波像表示部70の棒グラフ
表示部74に表示する。
【0060】図16は、先端部64と被検体表面の相対
位置と、そのときの超音波表示部70の表示内容の例を
示す。傾きの状態に関しは、傾きθが正の値の場合、即
ち、図(A−1)のように先端部64が被検体表面の方
向に傾いている場合と、図(B−1)のように、ほぼ平
行の状態にある場合と、傾きθが負の値の場合、即ち、
図(C−1)のように先端部64が被検体表面と反対方
向に傾いている場合とがある。図(B−1)の場合に
は、それに対応して、図(B−2)の如く、超音波像表
示部70の棒グラフ表示部72の中央位置74まで棒グ
ラフが表示される。
【0061】しかし、図(A−1)のように先端部64
が被検体表面の方向に傾いている場合には、図(A−
2)の如く棒グラフは中央位置74より高い位置まで表
示される。一方、図(C−1)のように、θが負の値
で、先端部64が被検体表面と反対方向に傾いている場
合には、図(C−2)の如くに、棒グラフは中央位置7
4より低い位置に表示される。従って、この場合は、術
者は、超音波観測装置側の超音波像表示部70を見るこ
とにより、体腔内での先端部64が被検体表面に対して
どのような傾き状態にあるかを認識でき、それに合わせ
て、必要な修正操作を行える。
【0062】本実施例によれば、第1実施例と同様の作
用効果が得られる。特に、本実施例では、術者は、超音
波像表示部70の棒グラフ表示部72を観察することに
よって、目的部位が存在する被検体表面と超音波走査面
の傾きを確認しながら、先端部12が被検体表面に対し
て垂直になるように調節することが可能になる。また、
本実施例では、距離計測には光によるセンサーを利用す
るので、先端部に光学像を得る手段及び超音波画像を得
る手段を有して、光学像の観察と被検体内部の超音波像
による観察とが行える超音波内視鏡に適用する場合にお
いて、使用超音波探触子としては、その超音波撮像用の
ものだけで済む構成とすることができる。
【0063】上記第1〜第3実施例はまた、次のように
して、実施することもできる。 〔第1〜第3実施例における変形例〕例えば、平行度レ
ベルを示す方法は、上記例に限られるものではなく、超
音波画像やビデオ画像などの視覚的手段のほか、ビープ
音や音声などの聴覚的手段(ブザーなども含む)や、振
動装置などの触覚的手段を用いるよう変更して実施して
もよい。また、必要に応じてそれらの2以上の手段を併
用してもよく、広く応用可能である。
【0064】次に、図17乃至図22を参照して、被検
体の表面を観察する光学像と、被検体内部を観察する超
音波像とを同時に組み合わせて観察する、改良された超
音波内視鏡装置の好適実施例について説明する。
【0065】超音波内視鏡での検査、診断において、特
公平3−67690号公報(文献2)に記載の技術は、
既に知られている。開示された技術では、光学観察像と
超音波断層像とを互いに独立して表示するためのモニタ
ーが使用される。
【0066】その概要を説明すると、このものでは、先
端に光学系と、超音波系とを持ち、次の構成を有する超
音波内視鏡を使用する。即ち、超音波内視鏡は、照明光
を照射するためのライトガイドが内蔵されているととも
に、光学像を撮像するための対物光学系を備える。ま
た、超音波を送受信して超音波断層像を生成するための
超音波振動子が回転自在に設けられている。そして、光
学観察像と超音波断層像とを互いに独立して表示するた
めのモニターを設けている。
【0067】ところが、この場合、光学像と超音波断層
像とは独立して表示されるため、両者の位置関係を把握
しにくい。特に、壁内病変や、壁外病変等、光学的に観
察できる壁表面以外の位置に病変がある場合、その病変
位置を光学像上で特定することは困難である。一方、超
音波画像では壁内、壁外の病変を容易に抽出できる。し
かし、超音波画像で得た病変の位置を、光学画像上にフ
ィードバックできない。それらの壁内、壁外の病変の病
理検査や治療を行うニーズは存在する。また、検査や治
療のためには、生検鉗子や注射針をそれらの病変に到達
させる必要があるところ、光学的に視認できない壁内、
壁外病変の位置を光学像上で特定できないため、生検鉗
子や注射針を病変位置へ誘導することが困難である。
【0068】また、先に触れた前掲文献1のものでは、
図27に示したように、光学像中に超音波の断層ライン
を表示し、操作性を向上させるようにしている。ところ
で、超音波内視鏡での検査、診断において、被検体と超
音波探触子との間に空気が介在すると、超音波が伝播で
きないため、超音波内視鏡には、超音波伝達媒体を充満
させたバルーンを付けて使用することが多い。従って、
このような場合、バルーンを付けた状態では、第1エコ
ーはバルーンとなるため、距離Xを測定できない。
【0069】また、被検体表面がほぼ平坦な場合には、
超音波内視鏡先端より一定の距離X離れたラインを超音
波観察ラインとして表示できるが、被検体表面に凹凸や
ひだのある場合には、光学視野上の超音波観察ラインは
複雑な曲線となり、文献1に示された単純なラインとは
一致しない。
【0070】そこで、以下に示すものでは、上述のよう
な考察結果に鑑み、超音波断層像と光学像との対応を明
瞭にし、超音波断層像上で観察した病変の検査、処置を
確実にできる超音波内視鏡装置を提供しようというもの
である。
【0071】図17乃至図22に示す実施例(第4実施
例)においては、それがため、挿入部先端に光学観察系
と超音波観察系とを備え、光学像と超音波画像とをそれ
ぞれ表示することができる超音波内視鏡装置において、
超音波断層像上の任意の位置に移動させることの可能な
指標を導入し、かつ、該指標に対応する位置を光学像上
の位置へ変換する変換器を具備させ、斯く変換した光学
像上の位置を光学像上に指標として重畳して表示する構
成を採用する。
【0072】図17は、本実施例の超音波内視鏡装置の
外観図を示すもので、同図(A)は超音波内視鏡の全体
図、また同図(B)はその超音波内視鏡を接続するシス
テム周辺機器部分の外観図である。また、図18は、そ
の超音波内視鏡先端の拡大図を示す。ここに、本システ
ムは、光学系と超音波系とを両方持ち、一本で超音波観
察と光学観察をできる超音波内視鏡を使用する超音波内
視鏡装置で構成されている。
【0073】超音波内視鏡100の挿入部100aの先
端には、図18に示すように、超音波探触子101を内
蔵した先端キャップ102が設けられている。超音波探
触子101は、図示しないフレキシブルシャフトを介し
て操作部103内に内蔵された回転駆動系(不図示)に
接続されている。
【0074】先端キャップ102より手元側には、光学
撮像系104と鉗子口105とが設けれるとともに、送
気孔、及び送水孔(いずれも図示せず)等を備える。先
端キャップ102、光学撮像系104等の或る部分は、
可撓性が無い先端硬性部106を形成している。先端硬
性部106よりも手元側には、図17(A)に示すよう
に、挿入部100aの可撓部107が接続される。可撓
部107は、図示しないアングルワイヤーによって操作
部103におけるアングルノブ108と連結されてい
る。操作部103には、鉗子口109が設けられ、操作
部103側のその鉗子口109と先端硬性部106の鉗
子口105との間は、処置具等を挿脱できる鉗子チャン
ネル(不図示)で接続されている。
【0075】また、操作部103内には受信回路110
が内蔵されている。更に、操作部103には、図示しな
いライトガイド、送気送水チューブ、信号ケーブル等を
内蔵した軟性蛇管を介して内視鏡コネクタ111が接続
されるとともに、図示しない信号ケーブルを内蔵した軟
性蛇管を介して電気コネクタ112が接続されている。
【0076】超音波内視鏡100の内視鏡コネクタ11
1と電気コネクタ112のそれぞれは、図17(B)に
示すような周辺機器と接続して使用される。周辺機器
は、光学像生成装置113と、光学像表示部114と、
観測装置(超音波観測装置)115と、超音波断層像表
示部116と、駆動回路131とを備えるとともに、こ
れに加えて、後述するような手法で超音波断層像表示部
116における超音波断層像上の任意の位置に移動させ
ることのできる指標に対応する位置を、光学像表示部1
14での光学像上の位置へ変換するのに用いる変換器を
有する。
【0077】内視鏡コネクタ111は、光学像生成装置
113に接続される。ここに、該装置113は、ビデオ
プロセッサー及び光源等からなる。かかる光学像生成装
置113は、光学像表示部114に接続されている。こ
れは、光学像表示装置(モニター)である。電気コネク
タ112は、駆動回路131を介して観測装置115に
接続される。観測装置115は超音波断層像表示部11
6に接続されている。これは、超音波断層像表示装置
(モニター)である。
【0078】光学像生成装置113と観測装置115と
は、上述の変換器117を介して接続されている。ここ
に、変換器17には、操作者(術者)が、指標を上記モ
ニター上で超音波断層像部分の所望の位置に移動させる
ため使用する、例えばトラックボール(不図示)が付属
している。
【0079】図19、並びに図20乃至図22をも参照
して、変換器117の構成の一例を含めて、更に説明す
る。図19は、本実施例の場合における装置各部の機能
をブロックとして表した一例を示す図である。内視鏡先
端部には、光学撮像系104並びに超音波探触子101
が設けられる。超音波探触子104には、駆動回路13
1と、受信回路110が接続されている。駆動回路13
1は、超音波観測装置115内の制御回路115aに接
続されている。ここでは、超音波観測装置115は、上
記制御回路115aとDSC115bとを内蔵する構成
のものとしてあり、受信回路110は、かかる観測装置
115内のそのDSC115bに接続されている。DS
C115bは、超音波画像表示部116に接続されてい
る。
【0080】変換部117は、本実施例では、表面検知
部117aと座標変換部117bとからなる。表面検知
部117aは、超音波断層像上で、所定の位置を操作者
が指示した場合においてその操作者が指示した位置を検
出する検知部である。また、座標変換部117bは、こ
のように検出された位置を光学像上の対応する位置に変
換するため用いられるものである。上記DSC115b
は、このような変換部117における表面検知部117
aにも接続されている。そして、表面検知部117a
は、座標変換部117bを介して光学像表示部114に
接続されている。また、光学撮像系104も、光学像表
示部114に接続されている。
【0081】上記座標変換部117bにおける変換処理
には、好ましくは、例えば次のような極座標系を用い
る。即ち、図18に示すような超音波内視鏡の挿入部1
00a先端の超音波探触子101のよる超音波断層面1
18に対し、図21に示すようなr−θ′の極座標系を
設置したとする。ここに、rは、図示の如くの超音波内
視鏡の挿入軸中心からの径方向距離、θ′は、図中下方
を0°とし、これを基準に図示の如くの紙面から見て反
時計方向のまわりの角度を表す。
【0082】一方、このような極座標系を、図18に示
すような光学視野119の光学系で観察すると、図22
のようになる。従って、例えばかかる極座標系を媒介と
して、上記超音波画像表示部116での図20(B)の
ような超音波画像上の位置と、上記光学像表示部114
での図20(A)のような光学像上の位置との対応付け
を行えば、超音波断層像上の位置と光学像上のその対応
位置との変換は行えることとなる。
【0083】このため、ここでは、このような座標の変
換関係を記憶した記憶素子を、変換器117内に内蔵し
ておく構成を採用するものとする。更にまた、図20
(B)に示すように、超音波断層像上の指標カーソル1
20の表示を導入し、この指標カーソル120の位置を
上述したような付属のトラックボールにより移動可能と
し、その移動可能な指標カーソル120の位置につき、
上記表面検知部117aで検出、読みとりを行うように
して、内蔵の記憶素子上のデータから、図20(A)に
示すような光学像上の指標ポインタ121の位置に変換
するようになすものである。本実施例において、変換部
117の構成は、上述のようなものにしてある。
【0084】上記構成による本実施例の超音波内視鏡装
置は、下記のようにして使用し、超音波断層像と光学像
との対応を明確にし、病変の検査、処置を確実に行うこ
とができる。以下、操作者のなす手順も含めて、作用、
機能等を説明する。まず、基本的な作動の概要を述べる
と、これは、次の通りである。 (51) 駆動回路131によって、超音波探触子10
1内の圧電素子に駆動電圧を印加する。 (52) これにより、探触子101より超音波が放射
される。そして、被検体内で反射したエコーが受信回路
110に入力される。受信回路110で増幅、処理され
た受信信号は、観測装置115のDSC115bに送ら
れる。 (53) 制御回路115aが超音波の放射位置を変化
させ、走査を行う。走査しながら受信した信号より、超
音波断層像を生成する。 (54) 光学撮像系104より、光学視野の光学像を
撮像する。 (55) このような状態において、超音波断層像上
で、被観察物表面を示す部位を、操作者が指示する。こ
れに基づき、操作者が指示した位置を変換部117の表
面検知部117aで検出する。そして、検出した位置
を、座標変換部117bで光学像上の対応する位置に変
換する。しかして、変換したデータ得て、これを光学画
像に重畳して表示する。
【0085】次に具体的に述べると、本実施例の超音波
内視鏡100の挿入部100aが図18の如く被検者体
内へ挿入されている状態において、操作部103内の回
転駆動系の回転がフレキシブルシャフトを介して超音波
探触子101に伝達され、超音波探触子1は回転する。
観測装置15内の制御回路115aは、超音波探触子1
01の回転角に応じて駆動回路131を制御する。
【0086】駆動回路131が超音波探触子101内の
圧電素子に駆動電圧を印加し、これにより超音波探触子
101より超音波が放射され、被検体内で反射したエコ
ーが受信回路110に入力される。そして、受信回路1
10で増幅、処理された受信信号は観測装置115に送
られる。観測装置115では、こうして受信した信号よ
り、図18中に示した超音波断層面118の位置の超音
波断層像を生成する。
【0087】一方、光学像生成装置113内の光源から
の光は、ライトガイドを介して挿入部100a先端に導
かれ、先端部より被検体表面へ放射されている。そし
て、かかる照明下、光学撮像系104より、図18中に
図示する光学視野119の光学像を撮像している。
【0088】ここで、例えば図18に例示するように、
内部に病変部が存在し、よって、図20(A),(B)
のように、光学的に観察した視野の表面には異常が無い
壁外病変を、超音波断層像でとらえた場合、操作者(術
者)は、次のようにして、その病変の表面位置を光学像
に重畳して表示でき、従って、その表示(指標)を目標
とすることで、壁外病変に確実に穿刺針、乃至は生検鉗
子を到達させるなど必要な処置を的確に実施することが
できる。
【0089】即ち、このとき、操作者が、超音波断層像
上の組織表面を指標カーソル120で指示する(図20
(B)参照)。指標カーソル120は、超音波断層像上
の任意の位置に移動させることができ、本例では、その
指標カーソル20は、操作者が変換器17に付属したト
ラックボールで操作する。
【0090】こうして指標カーソル120で位置を指示
すると、指標カーソル120で指示した位置を表面検知
部117aが検知し、前述した超音波画像上の位置と光
学像上の位置との対応付けを記憶した記憶素子のデータ
を用いて、座標変換部117bでは光学像上の対応する
位置に変換する。しかして、変換したデータを光学画像
に重畳して指標ポインタ121として表示する(図20
(A)参照)。上記のようにして、操作者は、指標ポイ
ンタ121が光学像に重畳して表示されるので、超音波
断層像と光学像との対応を明瞭に認識する。
【0091】本実施例によれば、次のような作用効果が
得られる。 即ち、光学的に観察した視野(生体表面)には異常が
無い壁外病変や壁内病変を、超音波断層像でとらえた場
合、その病変の表面位置を光学像に重畳して表示するこ
とができ。 このため、その表示指標ポインタ21を目標とでき、
これにより、例えば、壁外病変に確実に穿刺針や生検鉗
子を到達させることができる。 従ってまた、壁外病変の組織学的検査や内視鏡的治療
を、短時間で確実に行うことができる。 これは、検査時間の短縮や、診断能、治療能の向上に
も大なる効果がある。
【0092】本実施例(第5実施例)はまた、それぞ
れ、次のようにして実施することができる。 〔第5実施例における第1変形例〕上記例では、超音波
画像上の位置と光学像上の位置との対応付けを記憶した
記憶素子は変換部117に内蔵させたが、かかる座標変
換関係の記憶素子を超音波内視鏡側に内蔵してもよい。
この場合は、多くの機種の超音波内視鏡に対応する。た
とえ、超音波探触子101と、光学撮像系104との位
置関係の異なる、超音波内視鏡を接続した場合にも、観
測装置側の変更をする必要がない。
【0093】〔第5実施例における第2変形例〕また、
指標カーソル位置を指示する機器は、トラックボールに
限定されず、マウス、デジタイザー、キーボード等、任
意の機器を使用できる。従って、そうのような構成で実
施してもよい。
【0094】〔第5実施例における第3変形例〕また、
駆動回路131は、超音波観測装置115に内蔵しても
よい。このようにすると、システムを小型化可能であ
る。
【0095】〔第5実施例における第4変形例〕また、
変換器117は、これを超音波観測装置115または光
学像生成装置113に内蔵してもよい。この場合も、シ
ステムを小型化可能である。
【0096】〔第5実施例における第5変形例〕また、
超音波画像上の位置と光学像上の位置との対応付けは、
上記では予め記憶したデータに基づくものであったが、
超音波画像上の位置と光学像上の位置との対応付けを計
算で求めるようにして実施してもよい。即ち、座標の変
換関係を記憶素子に記憶させておく代わりに、幾何学的
関係から変換式を導出して、その変換を行う演算回路
を、超音波内視鏡100あるいは変換器117内に内蔵
してもよい。この場合において、素子の寸法、変換所要
時間等を勘案して、有利な方式を選べばよい。上記のよ
うにすると、目的に応じて、より高速な装置、またはよ
り安価な装置を製作できる。
【0097】〔第5実施例における第6変形例〕また、
上記例では、光学系は側視としたが、前方斜視でもよ
い。図23には、適用できる前方斜視超音波内視鏡先端
部の形状の例を示してある。また、前記図21に示した
極座標系をかかる図23の前方斜視の光学系で観察した
場合の光学像を図24に示す。本実施例は、このように
して実施してもよい。
【0098】〔第5実施例における第7変形例〕また、
超音波系は前方セクタ走査、光学系は前方視の組み合わ
せでもよい。 〔第5実施例における第8変形例〕また、超音波系は側
方コンベックス走査、光学系は側視または前方斜視でも
よい。これによると、被観察部位に応じた超音波走査方
式及び光学撮像方式の組み合わせにより、診断、処置を
より容易に行うことができる。
【0099】〔第5実施例における第9変形例〕また、
医療用だけではなく、例えば鋼管パイプの内面から非破
壊検査を行う、工業用内視鏡に使用してもよい。構造物
の配管パイプの内面から、パイプの超音波検査を行う場
合等に使用することもできる。このような場合に用いる
と、超音波像と、光学像との対比を行うことにより、有
害な欠陥、亀裂等をより早期に発見でき、被検体の安全
性向上に有利である等の効果を奏する。
【0100】〔第5実施例における第10変形例〕ま
た、超音波画像と光学像とを、同一のモニターに同時
に、または切り替えて表示してもよい。この場合は、装
置をより小型化できる。
【0101】次に、図25を参照して、他の実施例につ
いて説明する。本実施例(第6実施例)は、前記第5実
施例に比し、光学像と、超音波像との対応を、より明確
にできるようにしようというものである。基本的な構成
については、同様であるので、第5実施例と異なる点の
み説明する。
【0102】本実施例では、超音波断層像上の表面を指
示するのに、第5実施例で用いたような1点を指示する
指標カーソル120(図20(B))の代わりに、図2
5(B)に示す如き連続指示線の態様の、指標ラインカ
ーソル122を用いる。他の構成部分に関しては、第5
実施例と同じである。
【0103】本実施例では、超音波画像上での指示にお
いて超音波画像上の被検体表面を、この連続指示線であ
る指標ラインカーソル122で指示する。そして、指標
ラインカーソル122上の各点の、光学画像上での位置
を第1実施例と同様の方法で算出し、図25(A)に示
すように、光学画像上に指標線123として表示するよ
うになす。
【0104】本実施例によれば、前記第5実施例の場合
の,,,と同様の作用効果が得られるととも
に、光学像と超音波像との対応をより明確にでき、か
つ、光学画像上の凹凸を分りやすく表示することもでき
る。また、本実施例の場合も、前記第5実施例における
第1乃至第10変形例のようにして実施してもよい。
【0105】次に、図26を参照して、更に他の実施例
について説明する。本実施例(第7実施例)は、前記第
5実施例、第6実施例による構成に更に改良を加え、光
学像と超音波像との対応を得るのに際し、超音波断層像
より被観察物表面を自動検出する機能を有して、その被
観察物表面の位置を、対応する光学像上の位置に変換す
る変換器を用い、一層の検査時間の短縮、術者の負担軽
減を図ろうというものである。以下、第5実施例と異な
る点を示しつつ、本実施例の要部をについて説明する。
【0106】図26は、本実施例の場合のブロック図で
ある。本実施例では、超音波断層像上の表面を指示する
のに、前記第5実施例、第6実施例の指標カーソルや指
標ラインカーソルの代わりに、画像処理装置117cに
よる、表面自動検出を用いる。画像処理装置117c
は、超音波像情報を入力とし、超音波画像にエッジ検出
等の画像処理を施す装置として用いる。ここでは、画像
処理装置117cは、変換器117内に含まれている構
成であり、その出力は組織表面検出部117aに与えら
れるようになっている。他の構成部分については、第5
実施例と同様である。
【0107】本実施例においては、DSC115bは変
換器117内の画像処理装置117cに接続されてお
り、この画像処理装置117cに超音波像が入力され
る。そして、超音波画像にエッジ検出等の画像処理を施
して、組織表層を検出する。検出された組織表層は、超
音波画像上に表示される。また、超音波画像上の位置と
対応する、光学像上の位置を第5実施例と同様に導出し
て、光学像上に表示する。
【0108】本実施例によれば、第5実施例と同様の作
用効果を奏するほか、表面位置を指標カーソル等で指示
する必要がないため、検査時間を更に短縮できる等の効
果がある。また、本実施例の場合も、前記第5実施例に
おける変形例を適用してもよい。なお、第5実施例乃至
第7実施例(それらの各変形例を含む)は、前記第1実
施例乃至第3実施例(変形例を含む)のいずれかと組合
せ実施してもよい。
【0109】以上の実施例に記載された内容は、以下の
発明として捉えることもできる。 〔1〕挿入部先端に視野観察光学系と超音波振動子を設
けて、視野観察と超音波観察を行うことが可能な超音波
内視鏡装置において、前記超音波内視鏡装置の先端部表
面で、挿入軸に平行な直線上にある2個の距離測定用計
測部と、2つの距離測定部で測定された距離より前記先
端部の被検体表面に対する傾きを算出する装置と、術者
がその傾き情報を知覚するための装置とを有することを
特徴とする超音波内視鏡装置である。 〔2〕前記距離測定用計測部は、超音波、光などを用い
たセンサーである、ことを特徴とする上記〔1〕記載の
超音波内視鏡装置である。
【0110】〔3〕前記の術者が傾き情報を知覚するた
めの装置は、光学視野内及び/又は超音波画像表示モニ
ターなどに当該情報を表示させる、ことを特徴とする上
記〔1〕記載の超音波内視鏡装置である。 〔4〕前記の術者が傾き情報を知覚するための装置は、
ブザーなどの聴覚手段を用いる、ことを特徴とする上記
〔1〕記載の超音波内視鏡装置である。 〔5〕前記の術者が傾き情報を知覚するための装置は、
振動手段を用いる、ことを特徴とする上記〔1〕記載の
超音波内視鏡装置である。
【0111】ここに、上記〔1〕、〔2〕、〔3〕の構
成は、術者に対して視覚情報によって超音波内視鏡装置
の先端部の傾きを知らせる作用を有するものであり、ま
た、上記〔1〕、〔2〕、〔4〕の構成は、術者に対し
て聴覚情報によって超音波内視鏡装置の先端部の傾きを
知らせる作用を有するものであり、また、上記〔1〕、
〔2〕、〔5〕の構成は、術者に対して視覚情報によっ
て超音波内視鏡装置の先端部の傾きを知らせる作用を有
するものである。
【0112】〔6〕挿入部先端に光学系観察系と、超音
波観察系とを持ち、光学像と超音波画像とをそれぞれ表
示することができ、超音波断層像上の任意の位置に移動
させることのできる指標と、その指標に対応する位置を
光学像上の位置に変換する変換器と、変換した光学像上
の位置を光学像上に指標として重畳して表示する手段と
を持つ、ことを特徴とする超音波内視鏡装置である。 〔7〕挿入部先端に光学系観察系と、超音波観察系とを
持ち、光学像と超音波画像とをそれぞれ表示することが
でき、超音波断層像より被観察物表面を自動検出する機
能を持ち、その被観察物表面の位置を対応する光学像上
の位置に変換する変換器と、変換した光学像上の位置を
光学像上に指標として重畳して表示する手段を持つ、こ
とを特徴とする超音波内視鏡装置である。
【0113】〔8〕超音波画像上の位置と、光学像上の
位置との対応付けを記憶した、記憶素子を内蔵してい
る、上記〔6〕または〔7〕記載の超音波内視鏡装置に
使用することを特徴とする超音波内視鏡である。
〔9〕超音波画像上の位置と、光学像上の位置との対応
付けを記憶した、記憶素子を内蔵している、上記〔6〕
または〔7〕記載の超音波内視鏡装置に使用することを
特徴とする超音波観測装置である。 〔10〕超音波画像上の位置と、光学像上の位置との対
応付けを計算する、演算部を内蔵している、上記〔6〕
または〔7〕記載の超音波内視鏡装置に使用することを
特徴とする超音波内視鏡である。 〔11〕超音波画像上の位置と、光学像上の位置との対
応付けを計算する、演算部を内蔵している、上記〔6〕
または〔7〕記載の超音波内視鏡装置に使用することを
特徴とする超音波観測装置である。 〔12〕上記〔6〕乃至〔11〕のいずれかに記載の超
音波内視鏡装置であって、光学系と超音波系とを両方持
ち、一本で超音波観察と光学観察をできる超音波内視鏡
を使用する、ことを特徴とする超音波内視鏡装置であ
る。
【0114】
【発明の効果】本発明によれば、術者に対して、超音波
内視鏡装置の先端部の傾きを知らせることができ、術者
は、超音波走査面が被検体表面に対して垂直になるよう
に挿入部先端を調節するための指示に接することができ
て、その分、操作性も向上し、術者が壁内部等の診断部
位までの深さを正確に診断すること等も可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る超音波内視鏡の外観構
成の一例を示す図である。
【図2】同超音波内視鏡の先端部の構成の一例を示す図
である。
【図3】その光学系、及び平行度表示部部分の構成の説
明に供する断面図等の説明図である。
【図4】同例での装置各部の機能をブロックとして示す
図である。
【図5】使用説明に供する図で、先端部の被検体表面に
対する傾きと、それに対応する表示態様の例を示す図で
ある。
【図6】他の実施例を示すものにして、その要部に係る
平行度表示部の構成を示す図である。
【図7】同平行度表示部の組み込まれた接眼部の断面図
である。
【図8】使用説明に供する図で、先端部の被検体表面に
対する傾きと、それに対応する表示態様の例を示す図で
ある。
【図9】更に他の実施例に係る超音波内視鏡の外観図で
ある。
【図10】同例での装置各部の機能をブロックとして示
す図である。
【図11】その光学像表示部の一例を示す図である。
【図12】使用説明に供する図で、先端部の被検体表面
に対する傾きと、それに対応する表示態様の例を示す図
である。
【図13】更に他の実施例に係る超音波内視鏡の先端部
の外観図である。
【図14】同例での装置各部の機能をブロックとして示
す図である。
【図15】その超音波像表示部の一例を示す図である。
【図16】使用説明に供する図で、先端部の被検体表面
に対する傾きと、それに対応する表示態様の例を示す図
である。
【図17】改良された超音波内視鏡装置の実施例に係る
全体構成を示す外観図である。
【図18】同例での超音波内視鏡先端の構成の一例を示
す図である。
【図19】同例での装置各部の機能をブロックとして示
す図である。
【図20】使用説明に供する図で、光学像と超音波像と
を用いて、超音波像上の所要の位置の光学像上への変換
の一例を示す図である。
【図21】同変換に適用できる、極座標系の一例を示す
図である。
【図22】同極座標系による光学像表示面での変換後の
状態の説明図である。
【図23】同例の変形例の一例の要部を示す図である。
【図24】同変形例の場合における、観察光学像の一例
を示す図である。
【図25】他の実施例に係る要部を示すもので、変換の
他の態様の説明に供する図である。
【図26】更に他の実施例に係る要部を示すもので、機
能ブロックを示す図である。
【図27】光学像中への超音波断層ライン表示機能付の
超音波内視鏡での検体観察、診断の状況を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 超音波内視鏡 2 接眼部 3 副操作部 4 操作部 5 挿入部 6 ユニバーサルコード 7 超音波コード 8 光源用コネクター 9 超音波コネクター 10 可撓部 11 彎曲部 12 先端部 13 アングルノブ 14 鉗子挿入口 15 先端本体 16 ブローブ部 17 光学系 18 鉗子チャンネル口 19 先端キャップ 20 探触子 21 探触子 22 ハウジング 23 シャフト 24 平行度表示部 25 カバーガラス 26 プリズム 27 レンズ部 28 電球 28a コード 29 リング 30 標識 31 穴 32 イメージガイド 33 駆動回路 34 制御回路 35 受信回路 36 DSC(デジタルスキャンコンバータ) 37 超音波観測装置 38 超音波像表示部 39 平行度測定回路 40 光学像表示部 41 平行度表示部 42 接眼レンズ群 43 接眼レンズ群 44 絞りリング 45 平行度表示灯 46 ライトガイド 47 カバーガラス 48 カバーレンズ 49 スペーサ 50 レンズ枠 51 接眼部本体 52 ビデオ式超音波内視鏡 53 スイッチボックス 54 ビデオコネクター 55 ビデオケーブル 56 光学像生成装置 57 平行度測定回路 58 光学像表示部 59 光学像表示領域 60 文字情報表示部 61 グラフィック表示部 62 被検体表面のモデル 63 先端部のモデル 64 電子ラジアル式超音波内視鏡先端部 65 第1光センサー部 66 電子ラジアル振動子群 67 第2光センサー部 68 平行度測定回路 69 DSC(デジタルスキャンコンバータ) 70 超音波像表示部 71 超音波画像表示部 72 棒グラフ表示部 73 文字情報表示部 74 棒グラフ表示部の中央位置 100 超音波内視鏡 100a 挿入部 101 超音波探触子 102 先端キャップ 103 操作部 104 光学撮像系 105 鉗子口 106 先端硬性部 107 可撓部 108 アングルノブ 109 鉗子口 110 受信回路 111 内視鏡コネクタ 112 電気コネクタ 113 光学像生成装置 114 光学像表示部 115 観測装置 115a 制御回路 115b DSC 116 超音波断層像表示部 117 変換器 117a 表面検知部 117b 座標変換部 117c 画像処理部 118 超音波断層面 119 光学視野 120 指示カーソル 121 指示ポインタ 122 指示ラインカーソル 123 指示線 131 駆動回路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 挿入部先端に、光学像を得るための光学
    系と超音波振動子とを有して、視野観察と超音波観察を
    行うことが可能な超音波内視鏡装置であって、 前記挿入部の先端部表面近傍で、かつ、挿入軸にほぼ平
    行な方向上にそれぞれ配置してなる2つの距離測定部を
    含む、被検体表面との間の距離を測定する距離測定用計
    測手段と、 該距離測定用計測手段のその2つの距離測定部でそれぞ
    れ測定される被検体表面との間の距離から、前記先端部
    のその被検体表面に対する傾きを算出する装置と、 斯く算出される傾き情報を術者が知覚するための装置と
    を備えることを特徴とする超音波内視鏡装置。
JP6262541A 1994-10-26 1994-10-26 超音波内視鏡装置 Withdrawn JPH08117233A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08243104A (ja) * 1995-03-09 1996-09-24 Olympus Optical Co Ltd 体腔内超音波診断装置
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