JP3808990B2 - 超音波画像診断装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体への超音波の送受により3次元の超音波画像を得る超音波画像診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、特開平6−30938号公報において開示されているように、体腔内で超音波振動子のラジアルスキャンとリニアスキャンとを組み合わせたスパイラルスキャン等の3次元スキャンを行いながら、超音波を送受波して3次元の超音波画像を得る超音波診断装置が提案されている。このような装置によれば、被検体の様子を3次元的に観察、診断することができ、診断能を向上させることが可能である。
【0003】
しかしながら、上記公報の装置では3次元スキャンを行うための専用の駆動装置が必要であるため、装置構成が複雑になりコスト上昇を招くという問題点があった。また、この装置では、リニアスキャンのスキャン経路が屈曲した体腔内の管路である場合には、真っ直ぐな管腔としての3次元データを得ることになるため、実際の様子とは異なった3次元画像が生成されるおそれがあった。
【0004】
そこで、このような問題点を解決するため、特開平6−261900号公報には、磁場を発生させる磁気ソースと磁場を検出する磁気センサのうち少なくとも一方が体腔内へ挿入される超音波プローブの先端に配設し、この超音波プローブの移動に伴い磁気センサより位置座標及び傾斜角データを得るとともに、超音波断層像から3次元画像を構築する3次元画像構築手段を設けて構成された超音波診断装置が提案されている。このような構成で、汎用のラジアルスキャンを行う超音波プローブを手動で移動させることにより、専用の駆動装置がなくとも3次元スキャンを行うことができ、また、実際の被検体の様子と同じ3次元データを得ることができる。
【0005】
また、上記のように3次元データを得るために磁場センサや加速度センサ等の位置検出手段を超音波プローブに設けた超音波診断装置の例としては、体腔内より超音波を送受する方式の超音波プローブについては、米国特許5398691号公報(国際特許WO95/06436号)に開示されている。また、体外より超音波を送受する方式の超音波プローブについては、特開平4−332544号公報(米国特許5353354号)、特開平8−308824号公報(欧州特許0736284A2号)に開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、米国特許5398691号公報に開示されている装置では、3次元データを得るために、超音波振動子を2つの直交軸のまわりに回転させる特別な駆動装置が、体腔内へ挿入される超音波内視鏡の先端に設けられている。このため、超音波内視鏡先端の機械的な構造が複雑になり、挿入部の外径が太くなるという問題点があった。被検者の負担を軽減するためには、超音波内視鏡などの体腔内へ挿入される超音波プローブは、外径がより細いものであることが望ましい。さらに、構造が複雑になることでコストが高くなるという問題点もあった。
【0007】
一方、特開平6−261900号公報に開示されている装置では、汎用のラジアルスキャンを行う超音波プローブを用いており、機械的な構造が単純であるため、前記太径化の問題を解消できる。しかし、特開平6−30933号公報に開示されているような3次元スキャンのためにいつも一定の体積をスパイラルスキャンする装置とは違って、3次元画像を構築するために十分な範囲のスキャンが完了したか否かが分からないので、得られる3次元データの密度にむらが生じるおそれがあった。この問題点は、特開平6−261900号公報だけでなく、特開平4−332544号公報、特開平8−308824号公報に開示されている装置でも同様に有している。
【0008】
前記3次元スキャン密度のむらの問題は、特開平6−261900号公報に開示されている体腔内で用いる超音波プローブの方が、特開平4−332544号公報や特開平8−308824号公報に開示されている体外で用いる超音波プローブよりも、超音波振動子によるスキャン面の位置が見えないため、3次元スキャンのむら、すなわち3次元データの密度のむらが分かりにくい点で深刻である。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、挿入部の機械的な構造が単純で外径を細くでき、かつ3次元スキャン密度のむらがなく正確に3次元データを取得することが可能な超音波画像診断装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明による超音波画像診断装置は、生体の体腔内へ挿入され、先端に設けられた超音波振動子により被検部位に超音波を送受波してエコーデータを得る超音波プローブと、前記超音波プローブの挿入部先端に設けられ、前記超音波振動子の位置を検出する位置検出器と、前記超音波プローブにより得られたエコーデータと前記位置検出器の出力とから被検部位の3次元データを構成する3次元データ構成手段と、前記超音波プローブによる超音波の3次元スキャン密度を算出する3次元スキャン密度算出手段と、前記3次元スキャン密度の状態を報知する報知手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1ないし図10に基づき本発明の第1実施形態を説明する。図1は超音波画像診断装置の全体構成を示す構成説明図、図2は超音波内視鏡の先端部の構成を拡大して示した斜視図、図3は超音波3次元画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【0012】
本実施形態の超音波画像診断装置は、体腔内超音波プローブとしての超音波内視鏡1と、被検部位の光学像観察用の照明光を供給する光源装置2と、被検部位の光学観察画像を生成するビデオ装置3と、被検部位の2次元の超音波断層画像を生成する超音波観測装置4と、光学観察画像及び超音波断層画像を表示する観察用モニタ5と、超音波内視鏡1の挿入部の位置検出を行う位置検出装置6と、3次元の超音波画像を生成する超音波3次元画像処理装置7と、3次元超音波画像を表示する画像処理モニタ8と、これら装置間を結ぶケーブルと、を有して構成されている。
【0013】
超音波内視鏡1は、体腔内に挿入する細長の挿入部9の基端部に太幅の操作部10が連設されてなり、操作部10の側部より光源装置2に接続する光源ケーブル11と超音波観測装置4に接続する超音波ケーブル12とが延出している。
【0014】
挿入部9の先端には先端キャップ13が設けられ、この先端キャップ13の内部には図2に示すように超音波を送受波する超音波振動子14が回転可能に配設されている。先端キャップ13の周囲には、先端に磁場を検出する磁気センサ15が設けられ、基端部に観察光照射窓16とCCDカメラ17とが設けられている。また、先端キャップ13の基端側には、先端キャップ13を太矢印で示された方向へ動かす湾曲自在な湾曲部18が設けられている。
【0015】
挿入部9の内部には、一端に超音波振動子14が接続されたフレキシブルシャフト19が配設され、この超音波振動子14を回転させるようになっている。フレキシブルシャフト19の他端は操作部10内まで延設され、このフレキシブルシャフト19を回転駆動するDCモータ20に接続されている。また、操作部10には、湾曲部18の湾曲方向を操作するための湾曲ノブ21と、3次元スキャン開始スイッチ22A、3次元スキャン終了スイッチ22Bとが設けられている。
【0016】
前記光源ケーブル11は、光源装置2からの観察光aを観察光照射窓16へ送るためのライトガイドファイバ(図示せず)とCCDカメラ17からのCCD信号bをビデオ装置3で受信するための信号線(図示せず)とを内設しており、端部には光源装置2に接続するための光源コネクタ23が設けられている。光源装置2には、観察光aを発生するランプ24が設けられている。
【0017】
また、光源コネクタ23には、端部に設けられた小コネクタ25によりビデオケーブル26が接続され、このビデオケーブル26を介してビデオ装置3に接続されている。ビデオ装置3は、CCD信号bを信号処理して被検部位の光学観察画像のビデオ信号を生成し、観察用モニタ5に出力するようになっている。
【0018】
前記超音波ケーブル12は、超音波観測装置4から超音波振動子14へパルス状の電圧を送信し、超音波振動子14からのエコー信号cを超音波観測装置4で受信するための信号線(図示せず)と、磁気センサ15からの磁場検出信号d及び3次元スキャン開始スイッチ22Aと3次元スキャン終了スイッチ22Bからの3次元スキャン開始/終了信号を位置検出装置6で受信するための信号線(図示せず)とを内設しており、端部には超音波観測装置4に接続するための超音波コネクタ27が設けられている。なお、3次元スキャン開始/終了信号の伝送経路は磁場検出信号dと同じであり、図示は省略する。
【0019】
超音波観測装置4は、エコー信号cを信号処理して被検部位の2次元の超音波断層画像に関する断層像信号を生成し、観察用モニタ5に出力すると共に、デジタルのエコーデータを超音波3次元画像処理装置7に出力するようになっている。
【0020】
また、超音波コネクタ27には、端部に設けられた小コネクタ28により位置検出ケーブル29が接続され、この位置検出ケーブル29を介して位置検出装置6に接続されている。位置検出装置6は、磁場を発生する磁気ソース30を備えており、この磁気ソース30に対する磁場検出信号dを基にデジタルの位置方向データを生成し、超音波3次元画像処理装置7に出力するようになっている。
【0021】
超音波3次元画像処理装置7は、図3に示すように、超音波観測装置4からのエコーデータを位置検出装置6からの位置方向データとともに記録するハードディスクや光磁気ディスクなどの大容量の記録手段からなる記録部31と、記録部31に記録されたエコーデータを座標変換する座標変換回路32と、座標変換されたデータを記録する3次元メモリ33と、3次元メモリ33に記憶されたデータに対して3次元の超音波画像(以下、3次元超音波画像と称する)を構築する処理など各種の画像処理を施す3次元画像処理回路34とを備えている。
【0022】
また、超音波3次元画像処理装置7は、3次元スキャン開始スイッチ22Aと3次元スキャン終了スイッチ22Bからの3次元スキャン開始/終了信号に連動して開閉するスイッチ35と、記録部31に順次記録されるエコーデータがスキャンした空間内のどの部分からのエコーデータに当たるか算出し、その位置を特定する位置特定回路36と、位置特定回路36で特定された位置を基に、空間内の各部を超音波内視鏡1のスキャン面が横切った回数を計数して、超音波内視鏡1により3次元スキャンされた部分を把握するためのスキャン位置計数メモリ37と、スキャン位置計数メモリ37で計数された計数値から空間内の3次元スキャン密度を表現する画像を作成する3次元スキャン密度画像作成回路38とを有してなる3次元スキャン密度算出回路39を備えている。
【0023】
そして、超音波3次元画像処理装置7は、3次元画像処理回路34の出力と3次元スキャン密度算出回路39の出力とを切り換え、或いは重畳してアナログ信号に変換する表示回路40を備えている。表示回路40は、3次元超音波画像または3次元スキャン密度画像、或いはこれらを重畳した画像のアナログ信号を画像処理モニタ8に出力するようになっている。
【0024】
次に、上記のように構成された本実施形態の超音波画像診断装置の作用を説明する。
【0025】
超音波内視鏡1は、医師などの使用者により、被検者の生体内の、例えば胃、食道、大腸などの管腔状臓器に挿入される。
【0026】
光源装置2からの観察光aは、光源コネクタ23、光源ケーブル11内のライトガイドファイバを経て、観察光照射窓16より出射され、被検部位を照明する。このとき、CCDカメラ17により撮像された被検部位表面に関する光学像のCCD信号bは、CCDカメラ17から光源ケーブル11内の信号線、光源コネクタ23に接続する小コネクタ25、ビデオケーブル26を経て、ビデオ装置3に入力される。そして、ビデオ装置3は、CCD信号bを基に被検部位表面に関するビデオ信号を作成し、観察用モニタ5に出力する。
【0027】
一方、DCモータ20を回転させることにより、フレキシブルシャフト19が回転駆動され、この駆動力はシャフト先端へ伝わって超音波振動子14が回転する。この回転中、超音波振動子14には超音波観測装置4から繰り返し送信されたパルス状の電圧が印加される。そのため、超音波振動子14は、生体内へ超音波を送受波しながら回転する、いわゆるラジアルスキャンを行う。
【0028】
ラジアルスキャンにより得られた被検部位に関する超音波振動子14からのエコー信号cは、超音波ケーブル12内の信号線、超音波コネクタ27を経て、超音波観測装置4に入力される。そして、超音波観測装置4は、エコー信号cに対して包絡線検波、対数増幅、A/D変換などの処理を施して、被検部位に関する断層像信号を作成し、観察用モニタ5に出力する。
【0029】
また、超音波観測装置4は、エコー信号cを基に被検部位に関するデジタルのエコーデータを作成し、超音波3次元画像処理装置7に出力する。このときのエコーデータは、超音波振動子14からの距離とラジアルスキャン回転角に対応した値、すなわち極座標に対応した値をアドレスとし、各アドレスにおけるエコー信号cの強度をデータとして記述されるものとする。
【0030】
観察用モニタ5は、ビデオ装置3からのビデオ信号により被検部位の光学観察画像を表示し、超音波観測装置4からの断層像信号により被検部位の2次元の超音波断層画像を表示する。光学観察画像と超音波断層画像の表示は、図示しないキーボードやタッチパネルなどの入力手段からの指示入力により、あるときは各画像が切り換えられ、あるときは両画像が同時に表示される。
【0031】
一方、磁気センサ15は、磁気ソース30が発生する磁場を検出する。磁気センサ15からの磁場検出信号dは、超音波ケーブル12内の信号線、超音波コネクタ27に接続する小コネクタ28、位置検出ケーブル29を経て、位置検出装置6に入力される。そして、位置検出装置6は、磁場検出信号dを基に磁気センサ15の磁気ソース30に対する位置(x,y,z)と配向[オイラー角(ψ,θ,φ)]とに関する情報を含んだデジタルの位置方向データを超音波3次元画像処理装置7に出力する。
【0032】
超音波3次元画像処理装置7では、超音波観測装置4からのエコーデータが、位置検出装置6からの位置方向データをヘッダーとして、記録部31に記録される。具体的には、超音波振動子14の1回転分のエコーデータ、すなわち超音波断層像1枚を構成するのに必要な量のエコーデータ(以下、エコーデータブロックと称する)は、そのエコーデータブロックを取得するために超音波振動子14が1回転したときの位置方向データをエコーデータブロックのヘッダーとして、記録部31に記録されるものとする。そして、これを繰り返すことで、連続する複数のエコーデータブロックが順次記録されることになる。
【0033】
ここで、本実施形態の超音波画像診断装置による3次元スキャンの方法について以下に説明する。
【0034】
本実施形態では、3次元スキャンは、図1のように使用者が超音波内視鏡1の挿入部9を手で把持して、矢印の方向に(被検者から抜く方向に)動かしたり、湾曲ノブ21を操作して湾曲部18を湾曲させて、先端キャップ13の方向を変えることで行われる。このようにすると、超音波3次元画像処理装置7内の記録部31には、図4の(a)に示すように、互いに平行でなく、3次元スキャン密度に疎密が存在するような複数の超音波断層像についてのエコーデータブロックが記録される。しかし、このままだと使用者には3次元超音波画像を構築するために十分な範囲や密度の3次元スキャンが完了したか否か分からず、得られる3次元データの密度にむらが生じる可能性がある。
【0035】
そこで、本実施形態では、以下の方法により、3次元スキャンの途中でその3次元スキャン密度に関する情報を画像処理モニタ8の画面上に表示させる。
【0036】
まず、3次元スキャンを開始する際に、使用者は3次元スキャン開始スイッチ22Aを押す。すると、3次元スキャン開始信号が位置検出装置6において或るコード(3次元スキャン開始コード)に変換され、超音波3次元画像処理装置7に入力される。
【0037】
超音波3次元画像処理装置7内のスイッチ35は、3次元スキャン開始コードにより閉じて、3次元スキャン密度を表示させるための処理が開始する。このとき、スキャン位置計数メモリ37のデータは、全てのアドレスに渡り初期値0にリセットされる。そして、位置特定回路36は、記録部31と並列に入力される位置方向データに基づき、記録部31に順次記録されるエコーデータブロックの位置を特定する。
【0038】
図5はスキャン位置計数メモリ37のアドレスの概念図である。ここで、(2n+1)×(2n+1)×(2n+1)=(2n+1)3 個(ただし、nは自然数)の立方の一つ一つは、超音波内視鏡1により3次元スキャンを行う実際の空間内の立方状の領域に対応している。
【0039】
エコーデータブロックの実際の空間内での位置は図4の(a)に示すとおり平面状であることから、位置特定回路36は、この平面が横切る立方のデータを1つ加算して更新することで、空間内の各部を超音波内視鏡1によるラジアルスキャンのスキャン面が横切った回数を計数する。例えば、エコーデータブロックが図5で示す斜線のハッチングがかかっている立方を横切る場合には、アドレスが(1,2n+1,2n+1)、(2,2n,2n+1)…であるデータを1つ加算する訳である。
【0040】
3次元スキャン密度画像作成回路38は、この計数値を基に図6に示すような超音波内視鏡1による3次元スキャン密度を表現する画像(以下、3次元スキャン密度画像と称する)を作成する。図6では、3次元スキャン密度画像が3次元スキャン密度に応じた異なる色相を有する簡単な3次元画像として表現されている。
【0041】
そして、表示回路40は、3次元スキャン密度画像作成回路38で作成された3次元スキャン密度画像の画像データをアナログ信号に変換して画像処理モニタ8に出力する。
【0042】
3次元スキャンを終了させる際には、使用者は3次元スキャン終了スイッチ22Bを押す。すると、3次元スキャン終了信号が位置検出装置6において或るコード(3次元スキャン終了コード)に変換され、超音波3次元画像処理装置7に入力される。超音波3次元画像処理装置7内のスイッチ35は3次元スキャン終了コードにより開いて、3次元スキャン密度を表示させるための処理が終了する。
【0043】
さらに、この一連の処理を3次元スキャン中にリアルタイムに行えば、図6に示すような画像が画像処理モニタ8上に順次更新されながら表示される。したがって、使用者は、例えばこの3次元スキャン密度画像がまんべんなく赤くなるように、超音波内視鏡1を動かしたり、湾曲部18を湾曲させることで、3次元超音波画像を構築するために十分な範囲の3次元スキャンができ、得られる3次元データの密度のむらを抑えることができるのである。
【0044】
なお、3次元スキャン密度画像生成の際には、位置検出装置6から入力される位置方向データ(即ち3次元スキャンを行っている実際の位置)、スキャン位置計数メモリ37のアドレスの立方、3次元スキャン密度画像の互いの位置関係が定義されていなければならない。
【0045】
そこで、本実施形態では、3次元スキャン開始コードが超音波3次元画像処理装置7に入力した時点の位置方向データ、即ち3次元スキャンが開始した時点の磁気センサ15の位置を、図5に示すスキャン位置計数メモリ37の中心となるアドレス(n+1,n+1,n+1)をもつ立方の中心に一致させる。そして、スキャン位置計数メモリ37のアドレス(1,1,1)をもつ立方の外側の頂点を図6に示す3次元スキャン密度画像の原点0に一致させることにする。さらに、配向については、3次元スキャンが開始した時点の磁気センサ15の頂部の向き、即ち先端キャップ13の頂部の向きを、図5及び図6に示すz軸に一致させることにする。
【0046】
こうして3次元スキャンが終わった後、超音波3次元画像処理装置7内の座標変換回路32は、記録部31に記録されているエコーデータブロックを読み出し、極座標で表現されるアドレスを直交座標で表現されるよう座標変換する。さらに、座標変換回路32は、座標変換された複数のエコーデータブロックのうち、図4の(a)に示されるようなエコーデータブロック同士が重複する部分を平均したり、エコーデータブロック間に補間処理を施し、図4の(b)に示されるようなアドレスが3次元の直交座標で表現される3次元画像データを作成する。そしてこの3次元画像データが3次元メモリ33に記憶される。
【0047】
次いで、3次元画像処理回路34は、3次元メモリ33より3次元画像データを読み出し、図7,図8に示すような3次元超音波画像を構築するのに必要な処理を施す。この画像構築処理の概要は後述する。
【0048】
そして、表示回路40は、3次元画像処理回路34で構築された3次元超音波画像の画像データをアナログ信号に変換して画像処理モニタ8に出力する。これにより、画像処理モニタ8には被検部位の3次元超音波画像が表示される。
【0049】
前記3次元画像処理回路34において行われる画像構築処理を以下に説明する。図9は、3次元画像処理回路34が行う処理の一部である断面設定処理のフローチャートである。
【0050】
また、図10は、被検部位の超音波画像を画像処理モニタ8上に図7や図8のように3次元表示するときに設定する複数、具体的には4枚の断面(断面エコーデータ)を示したものであり、梨地模様で示す部分が病変部等の関心領域41である。この断面は、3次元メモリ33から読み出された3次元画像データを用いて画像処理モニタ8上に表示される。
【0051】
図7及び図8は、図10の4枚の断面を適当に設定して最終的に構築される3次元超音波画像を示したものであり、図7,図8の断面A、B、C、Dは図10の断面A、B、C、Dに対応している(図10は実際には以下で説明するように病変部を含む断面となるよう図7,図8の断面A等を平行移動とか回転した後の断面に相当する)。
【0052】
即ち、断面Cは断面A、Dに対し垂直で図10に示す切断線+を含む断面であり、断面Bは同様に図10に示す切断線×を含む断面である。また、断面Aは断面B、Cに対し垂直で図10に示す切断線△を含む断面であり、断面Dは同様に図10に示す切断線□を含む断面である。
【0053】
なお、図10において破線で示されている切断線、操作中の断面の枠線などは、白黒のグレースケールで表示されている断面の画像と区別しやすいように、黄色等で着色して容易に判別できるように表示するようにしている。
【0054】
図9に示す断面設定処理において、まずステップS1では、使用者は図示しないキーボードやタッチパネルなどの入力手段を用いて、病変等の関心領域41が断面Aに表示されるように、図10の断面Bの△カーソルを矢印の方向(図10では左右方向)にスライドさせる。すると、このカーソルに連動して切断線△が移動し、この切断線△による断面Aに関心領域41が表示されるようになる。
【0055】
そしてステップS2では、使用者は入力手段を用いて、関心領域41が適切な向きになるように、断面Aを、0で示されている中心点を中心に回転させる。ここでは、ある一点Kが矢印の方向へ移動するように操作して断面Aを回転させる。図10の断面Aでは関心領域41が真下に来るよう設定している。
【0056】
さらにステップS3では、関心領域41上に切断線+或いは×が来るように、入力手段を用いて切断線+,×を移動させる。この移動の方法は△カーソルのときと同様である。すると、断面B或いは断面Cに関心領域41が表示される。図10では切断線×を移動した場合を示している。
【0057】
最後にステップS4では、関心領域41が切断線△と切断線□の間に含まれるように、入力手段を用いて切断線△,□を移動させる。
【0058】
こうして、図10に示される3次元超音波画像の断面設定が完了する。
【0059】
そして、この断面設定処理が終了した後、3次元画像処理回路34によって、図7に示す管腔状臓器の表面抽出を行わない簡易3次元画像や、図8に示す表面データEの抽出を行った3次元画像など、3次元超音波画像が構築され、画像処理モニタ8上に表示される。なお、この表面データの抽出方法は従来より公知のものであるためここでは説明を省略する。
【0060】
上述した本実施形態では、3次元スキャン密度算出回路39において超音波内視鏡1による3次元スキャン密度を算出し、画像処理モニタ8に3次元スキャン密度のむらを画像表示するよう構成したので、使用者はこの3次元スキャン密度画像を確認しながら3次元超音波画像を構築するために十分な範囲の3次元スキャンを行うことができ、得られる3次元データの密度のむらを抑えることができる。これにより、機械的な構造が単純なラジアルスキャンのみを行う超音波内視鏡1を用いて、挿入部の外径を細くできると共に、3次元スキャン密度のむらがなく正確に3次元データを取得することができる。
【0061】
なお、第1実施形態では、図6に示すように3次元スキャン密度画像が3次元スキャン密度に応じた異なる色相を有する簡単な3次元画像として表現されているが、3次元スキャン密度を画面に表示する方法はこの形態に限らない。例えば、3次元スキャン密度を異なる色相ではなく、異なる輝度で表示しても良い。あるいは、3次元スキャン密度を簡単な3次元画像ではなく、複数の断面で表示しても良い。
【0062】
第1実施形態の変形例として、図11に3次元スキャン密度の画像表示方法を変更した例を示す。
【0063】
図11の(a)は、3次元スキャン密度をα面,β面の直交する2断面として表示した例である。また、図11の(b)は、(a)の2断面を展開させて表示した例である。また、2つの断面ではなく、z軸に垂直な多数の複数断面など、もっと多くの断面で表示しても良い。また、3次元スキャン密度の薄い立方のみを表示して、表示されるかたまりを消していくような3次元スキャン方法を用いても良い。
【0064】
なお、本実施形態では、超音波走査の位置検出手段として磁気センサ15を用いたが、加速度により位置を算出する加速度センサでも良いし、さらに他の位置検出センサを用いても良い。また、本実施形態では、磁気センサ15を超音波内視鏡1の先端に設けたが、磁気センサ15と磁気ソース30の位置はこれを逆にしても超音波内視鏡1の先端の位置が検出できるので差し支えない。
【0065】
次に本発明の第2実施形態として、3次元スキャン密度の算出方法を変更した例を説明する。装置構成は図1〜3に示した第1実施形態に記載のものと同様である。
【0066】
第2実施形態は、第1実施形態とは3次元スキャン密度の算出方法のみが異なるので、その部分のみ説明する。
【0067】
第1実施形態では、位置特定回路36において、記録部31と並列に入力される位置方向データにより、記録部31に順次記録されるエコーデータブロックの位置を特定し、スキャン位置計数メモリ37の3次元アドレス空間においてスキャン面が横切る立方のデータを1つ加算して更新することで、空間内の各部を超音波内視鏡1によるラジアルスキャンのスキャン面が横切った回数を計数するようになっている。
【0068】
一方、第2実施形態では、位置特定回路36において、位置検出装置6からの位置方向データを基に、ある一定時間おきに磁気センサ15を含む位置にある立方のデータを1つ加算して更新することで、超音波内視鏡1の先端の軌跡上の点の密度を計数する。例えば、位置方向データが示す磁気センサ15の位置が、図5で示すアドレス(1,1,1)である立方に含まれるときには、この立方のデータを1つ加算する訳である。
その他の作用は第1実施形態に記載のものと同様である。
【0069】
この第2実施形態においても、第1実施形態と同様に3次元スキャン密度のむらを画像表示することができ、3次元スキャン密度のむらがなく正確に3次元データを取得することができるなど同様の効果が得られる。
【0070】
なお、第2実施形態では、位置特定回路36において、位置方向データを基にある一定時間おきに磁気センサ15を含む位置にある立方のデータを1つ加算して更新することにより、超音波内視鏡1の軌跡上の点の密度を計数したが、これに限るものではなく、変形例として、位置特定回路36により、ある一定時間の間の磁気センサ15の軌跡を監視し、軌跡を含む位置にある立方のデータを軌跡の本数分加算して更新することで、超音波内視鏡1の先端の軌跡自体の密度を計数するような方法を用いても良い。
【0071】
次に、図12に基づき本発明の第3実施形態を説明する。図12は超音波3次元画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【0072】
第3実施形態は、3次元スキャン密度が所定値を越えたときに音により使用者に知らせる可聴音出力手段を設けた例である。第1実施形態とは超音波3次元画像処理装置の構成、作用のみが異なるので、その部分のみ説明する。
【0073】
第3実施形態の超音波3次元画像処理装置7aは、第1実施形態で説明した構成の他、3次元スキャン密度算出回路39内に位置方向データより使用者の手を用いた3次元スキャンによる密度のむらを使用者に可聴音で知らせるアラーム駆動回路51を備えており、このアラーム駆動回路51は外部に設けられた警告音を出力するアラーム52,53に接続されている。
【0074】
アラーム駆動回路51は、位置検出装置6からの位置方向データより磁気センサ15の位置の変化を算出する位置微分回路54と、磁気センサ15の配向の変化を算出する角度微分回路55と、位置微分回路54と角度微分回路55の出力のピーク値をそれぞれ検出するピーク値検出回路56,57とを有して構成される。
その他の構成は第1実施形態に記載のものと同様である。
【0075】
第3実施形態では、3次元スキャン密度算出回路39において、位置微分回路54は、位置検出装置6からの位置方向データよって得られる磁気センサ15の位置のデータ(x,y,z)を逐次微分し、その微分値の変化をピーク値検出回路56に出力する。ピーク値検出回路56は、ある一定の期間だけ前記微分値をピークホールドし、このピーク値とあるしきい値とを比較して、ピーク値がしきい値を越えたときにアラーム52に電圧を印加して駆動する。これにより、アラーム52は位置情報の微分値が所定値を越えたときに警告音を出力する。
【0076】
また、角度微分回路55は、位置検出位置6からの位置方向データよって得られる磁気センサ15の配向[オイラー角(ψ,θ,φ)]を逐次微分し、その微分値の変化をピーク値検出回路57に出力する。そして、ピーク値検出回路57及びアラーム53は、上述の位置情報についての動作と同様の動作を行い、角度情報の微分値が所定値を越えたときに警告音を出力する。
その他の作用は第1実施形態に記載のものと同様である。
【0077】
第3実施形態では、3次元スキャン密度算出回路39に設けられた位置微分回路54、角度微分回路55によって、磁気センサ15の出力の位置情報と角度情報の微分値をそれぞれ演算し、アラーム52,53によって前記微分値が特定の一定値を越えたことを使用者に可聴音で知らせることにより、使用者に3次元スキャン密度のむらを報知するよう構成したので、3次元超音波画像を構築することが困難となるくらいに各断層像間の位置、角度の変化量(微分値)が大きい場合に、使用者はアラーム52,53から発せられる警告音によって容易に認識することができ、3次元スキャンのやり直しを行うことができる。これにより、機械的な構造が単純なラジアルスキャンのみを行う超音波内視鏡1を用いて、挿入部の外径を細くできると共に、3次元スキャン密度のむらがなく正確に3次元データを取得することができる。
【0078】
ところで、超音波内視鏡など、体腔内に挿入する超音波プローブを用いた場合には、被検者の特定の部位と超音波のスキャン面との位置や方位の関係を知ることで、例えば門歯のような被検者の基準位置から病変部位までの距離などがわかり、再検査時の病変位置の同定などの点から検査上有用な意味を持つ。
【0079】
特開昭62−68442号公報には、ボディーマーク等で超音波プローブの位置や方向の情報を表示するために磁場ソースを超音波プローブに設けた超音波診断装置が提案されている。この装置では、磁気ソースがベッドに埋め込まれ、被検者がその上に横たわるようにし、超音波プローブに装着または内蔵された磁気センサにより胸骨の先端部、ヘソ、右体側部、左体側部の位置を測定して、ボディーマークを作成する。そして、超音波断層像を収集表示すると同時に磁気センサによりその位置、ベッドに対する角度が測定され、ボディーマーク図に超音波プローブの位置、角度の情報が表示されるようになっている。
【0080】
しかし、特開昭62−68422号公報に開示されている装置では、胸骨の先端部、ヘソ、右体側部、左体側部等の基準位置を、検査前に測定してからボディーマーク図を作成し、その上で超音波プローブの位置、角度の情報を表示するようになっている。このため、検査中に被検者がベッドの上で動くと、基準位置がボディーマークとずれてしまうため、超音波プローブの位置、角度の情報が不正確になるという問題点があった。
【0081】
また、磁気センサを用いた位置検出を行う位置検出手段は、通常、磁場を発生する磁気ソースを伴って構成される。この磁気ソースの位置は、前述の米国特許5398691号公報、特開平4−332544号公報、特開昭62−68422号公報の装置ではベッドに設けられ、特開平6−261900号公報の装置ではホストプロセッサに取り付けられ磁場に影響を与えない材料で作られたアームに設けられている。
【0082】
しかし、金属性の支柱など磁場を擾乱するものが多いベッドに磁気ソースを設けると、発生する磁界が大きく乱されるおそれがあった。このため、超音波プローブの位置、方向を正確に得ることができないという問題点があった。また、通常、この種の磁気による位置検出手段は磁気センサが磁気ソースから遠くなると検出精度が落ちる。このため、ホストプロセッサなどに取り付けられたアーム等に磁気ソースを設けると、ホストプロセッサの位置やアームの取付方法によっては、磁気センサが磁気ソースから遠くなって超音波プローブの位置や方向の検出精度が落ち、やはり位置情報を正確に得ることができないという問題点があった。
【0083】
そこで、上記問題点を解決する超音波画像診断装置の構成例を以下の第4及び第5実施形態に示す。
【0084】
図13は本発明の第4実施形態に係る超音波診断時の被検者周辺の配置構成を示す説明図である。
【0085】
第4実施形態は、被検者の基準位置と超音波プローブの位置及び方向とを正確に把握できるようにした構成を示したものである。
【0086】
図13に示すように、第4実施形態では、磁気ソース30はゴム、皮など磁場を擾乱しない材質で作られたベルト61に取付固定されており、このベルト61は被検者62の体(ここでは胸部)に取り付けられる。このとき、ベルト61を常に被検者62の基準となる特定の位置に取り付けるようにする。
その他の構成は第1実施形態に記載のものと同様である。
【0087】
この第4実施形態によれば、超音波診断時にベルト61を常に被検者62の基準位置に取り付けることにより、磁気ソース30がこの基準位置、もしくは基準位置に対し一定の位置で被検者62の体に固定して装着されるため、基準位置からの超音波内視鏡1の位置や方向をより正確に得ることができ、再検査時の病変位置の同定が容易である。
【0088】
このとき、本実施形態では、磁気ソース30はゴムや皮など磁場を擾乱しない材質で形成されたベルト61に配設されており、さらにベルト61は被検者62の体に取り付けられるため、ベッドなどに磁気ソース30を設ける場合に比べ磁界を乱されるおそれがない。また、ホストプロセッサなどに設けられたアーム等に磁気ソース30を設ける場合に比べ、磁気センサ15と磁気ソース30が近接して配置されるため、超音波内視鏡1の位置や方向の検出精度が低下するおそれがない。このため、磁気センサ15によって超音波内視鏡1の位置や方向をより高精度で正確に得ることができる。
【0089】
その他の作用、効果は第1実施形態に記載のものと同様である。
【0090】
なお、第4実施形態では、磁気センサ15を第1実施形態と同様に超音波内視鏡1の先端に設けるようにし、磁気ソース30を被検者62に取り付けるベルト61上に設けたが、磁気センサ15と磁気ソース30の位置はこれを逆にしても超音波内視鏡1の先端の位置が検出できるので差し支えない。
【0091】
次に、図14に基づき本発明の第5実施形態を説明する。図14は超音波診断時の被検者周辺の配置構成を示す説明図である。
【0092】
第5実施形態は、第4実施形態と同様に被検者の基準位置と超音波プローブの位置及び方向とを正確に把握できるようにした他の構成を示したものである。
【0093】
図14に示すように、第5実施形態では、磁気ソース30はプラスチックなど磁場を擾乱しない材質で作られたマウスピース63に取付固定されており、このマウスピース63は超音波診断時に被検者62の口にくわえられ、超音波内視鏡1はこのマウスピース63を介して口腔、食道を通り体腔内に挿入される。
その他の構成は第1実施形態に記載のものと同様である。
【0094】
この第5実施形態によれば、マウスピース63と共に磁気ソース30が被検者62の門歯に近く一定の位置にあるように被検者62の体に固定して装着されるため、被検者の基準位置である門歯からの超音波内視鏡1の位置や方向をより正確に得ることができ、再検査時の病変位置の同定が容易である。
【0095】
このとき、本実施形態では、磁気ソース30はプラスチックなど磁場を擾乱しない材質で形成され被検者の口元にくわえられたマウスピース63に配設されているため、ベッドなどに磁気ソース30を設ける場合に比べ磁界を乱されるおそれがない。また、ホストプロセッサなどに設けられたアーム等に磁気ソース30を設ける場合に比べ、磁気センサ15と磁気ソース30が近接して配置されるため、超音波内視鏡1の位置や方向の検出精度が低下するおそれがない。このため、磁気センサ15によって超音波内視鏡1の位置や方向をより高精度で正確に得ることができる。
【0096】
その他の作用、効果は第1実施形態に記載のものと同様である。
【0097】
なお、第5実施形態では、磁気センサ15を第1実施形態と同様に超音波内視鏡1の先端に設けるようにし、磁気ソース30を被検者62がくわえるマウスピース63に設けたが、磁気センサ15と磁気ソース30の位置はこれを逆にしても超音波内視鏡1の先端の位置を検出できるので差し支えない。
【0098】
また、第4及び第5実施形態では、磁気センサ15と磁気ソース30とを1個づつ配設するように構成したが、磁気センサ15を複数設けても良い。例えば、第4実施形態のように被検者に取り付けるベルトに磁気ソース30を設け、超音波内視鏡1の先端とマウスピース63とに磁気センサ15を設けるようにしても良い。また、これらの位置を互いに入れ換えても超音波内視鏡1の先端の位置と被検者の基準位置を検出できるので差し支えない。
【0099】
なお、上述した各実施形態では、体腔内用超音波プローブとしてCCDカメラなどの観察光学系を設けた超音波内視鏡を用いた構成を示したが、光学系の無い超音波プローブであっても同様に適用することができる。
【0100】
また、機械的にラジアルスキャンを行う超音波内視鏡を用いた構成を示したが、超音波のスキャン方法はリニアスキャン、セクタスキャン、コンベックススキャンなど、1回のスキャンにより1つのスキャン面を走査する超音波プローブであっても同様に適用することができる。また、スキャン面は平面でなく曲面であっても良い。
【0101】
[付記]
(1) 生体の体腔内へ挿入され、先端に設けられた超音波振動子により被検部位に超音波を送受波してエコーデータを得る超音波プローブと、
前記超音波プローブの挿入部先端に設けられ、前記超音波振動子の位置を検出する位置検出器と、
前記超音波プローブにより得られたエコーデータと前記位置検出器の出力とから被検部位の3次元データを構成する3次元データ構成手段と、
前記超音波プローブによる超音波の3次元スキャン密度を算出する3次元スキャン密度算出手段と、
前記3次元スキャン密度の状態を報知する報知手段と、
を備えたことを特徴とする超音波画像診断装置。
【0102】
付記1の構成では、超音波プローブは、生体の体腔内へ挿入され、被検部位に超音波を送受波してエコーデータを得る。そして、3次元スキャン密度算出手段により、超音波プローブの3次元スキャン密度を算出し、報知手段によって、使用者に3次元スキャン密度の状態(むら)を報知する。こうして、超音波プローブの3次元スキャンが終了した後、3次元データ構成手段において、エコーデータと位置検出器の出力とから被検部位の3次元データを構成する。
【0103】
(2) 前記報知手段は、前記3次元スキャン密度を画面に表示する表示手段であることを特徴とする付記1に記載の超音波画像診断装置。
【0104】
付記2の構成では、表示手段は、3次元スキャン密度を画面に表示することにより使用者に3次元スキャン密度の状態(むら)を報知する。
【0105】
(3) 前記超音波プローブは、前記超音波振動子の1回のスキャンにより1つのスキャン面をスキャンし、
前記3次元スキャン密度算出手段は、スキャン対象空間内の各部を前記スキャン面が横切った回数を計数することにより前記3次元スキャン密度を算出することを特徴とする付記1に記載の超音波画像診断装置。
【0106】
付記3の構成では、超音波プローブは、1回のスキャンにより1つのスキャン面をスキャンし、3次元スキャン密度算出手段において、スキャン対象空間内の各部をスキャン面が横切った回数を計数することにより3次元スキャン密度を算出する。
【0107】
(4) 前記超音波プローブは、前記超音波振動子によりラジアルスキャンを行うことを特徴とする付記3に記載の超音波画像診断装置。
【0108】
付記4の構成では、超音波プローブは超音波のラジアルスキャンを行う。
【0109】
(5) 前記超音波プローブは、前記超音波振動子の1回のスキャンにより1つのスキャン面をスキャンし、
前記3次元スキャン密度算出手段は、スキャン対象空間内の各部における前記スキャン面の軌跡の密度、もしくはこの軌跡上の点の密度を算出することにより前記3次元スキャン密度を算出することを特徴とする付記1に記載の超音波画像診断装置。
【0110】
付記5の構成では、3次元スキャン密度算出手段は、スキャン対象空間内の各部におけるスキャン面の軌跡の密度、もしくはこの軌跡上の点の密度を算出することにより3次元スキャン密度を算出する。
【0111】
(6) 前記表示手段は、前記3次元スキャン密度を輝度もしくは異なる色相として表現することを特徴とする付記2に記載の超音波画像診断装置。
【0112】
付記6の構成では、表示手段は、3次元スキャン密度を輝度、もしくは異なる色相として表現する。
【0113】
(7) 前記3次元スキャン密度算出手段は、前記位置検出器の出力の微分値を演算する微分演算手段を有し、
前記報知手段は、前記微分値が特定の値を越えたことを使用者に可聴音で報知する可聴音出力手段であることを特徴とする付記1に記載の超音波画像診断装置。
【0114】
付記7の構成では、3次元スキャン密度算出手段に設けられた微分演算手段は、位置検出器の出力の微分値を演算する。可聴音出力手段は、微分値が特定の値を越えた場合にそのことを使用者に可聴音で報知することにより、使用者に3次元スキャン密度の状態(むら)を報知する。
【0115】
(8) 前記微分演算手段は、前記微分値の演算を前記超音波振動子の位置に対して行うことを特徴とする付記7に記載の超音波画像診断装置。
【0116】
付記8の構成では、微分演算手段は、超音波振動子の位置に対して微分値を演算する。
【0117】
(9) 前記微分演算手段は、前記微分値の演算を前記超音波振動子の角度に対して行うことを特徴とする付記7に記載の超音波画像診断装置。
【0118】
付記9の構成では、微分演算手段は、超音波振動子の角度に対して微分値を演算する。
【0119】
(10) 使用者により入力される、前記超音波プローブを用いて行う用手的な3次元スキャンの開始を示す3次元スキャン開始信号を、前記3次元スキャン密度算出手段に伝える3次元スキャン開始入力手段と、
使用者により入力される、前記超音波プローブを用いて行う用手的な3次元スキャンの終了を示す3次元スキャン終了信号を、前記3次元スキャン密度算出手段に伝える3次元スキャン終了入力手段と、
を設けたことを特徴とする付記1に記載の超音波画像診断装置。
【0120】
付記10の構成では、使用者により、3次元スキャン開始入力手段を介して、超音波プローブを用いた用手的な3次元スキャンの開始が入力され、3次元スキャン開始信号が3次元スキャン密度算出手段に伝えられて、報知手段による3次元スキャン密度の状態の報知が開始する。そして、使用者により、3次元スキャン終了入力手段を介して、超音波プローブを用いた用手的な3次元スキャンの終了が入力され、3次元スキャン終了信号が3次元スキャン密度算出手段に伝えられて、報知手段による3次元スキャン密度の状態の報知が終了する。
【0121】
(11) 前記超音波プローブの周囲に磁場を発生する磁気ソースを設け、
前記位置検出器は、前記磁気ソースから発生される磁場により位置を検出する磁気センサであることを特徴とする付記1に記載の超音波画像診断装置。
【0122】
付記11の構成では、磁気ソースは、超音波プローブの周囲に磁場を発生する。磁気センサは、この発生された磁場により超音波プローブの位置を検出する。
【0123】
付記1〜11、15に係る本発明の第1の目的は、機械的な構造が単純で挿入部の外径を細径化でき、3次元スキャン密度のむらがなく正確に3次元データを取得することができる超音波画像診断装置を提供することにある。
【0124】
付記1〜11、15に係る構成によれば、3次元スキャン密度算出手段により、超音波プローブの3次元スキャン密度を算出し、報知手段によって、使用者に3次元スキャン密度の状態(むら)を報知するよう構成したので、3次元超音波画像を構築するために十分な範囲の3次元スキャンを行うことができ、得られる3次元データの密度のむらを抑えることができる。これにより、機械的な構造が単純な超音波プローブを用いて、挿入部の外径を細径化できると共に、3次元スキャン密度のむらがなく正確に3次元データを取得することが可能となる。
【0125】
(12) 生体の体腔内へ挿入され、先端に設けられた超音波振動子により被検部位に超音波を送受波してエコーデータを得る超音波プローブと、
前記超音波プローブの周囲に磁場を発生する磁気ソースと、
前記磁気ソースから発生される磁場を検出する単数、または複数の磁気センサと、
前記超音波プローブにより得られたエコーデータと前記磁気センサの出力とから被検部位の3次元データを構成する3次元データ構成手段と、
を備えた超音波画像診断装置であって、
前記磁気ソースまたは前記磁気センサのうち少なくとも一個を前記超音波プローブの挿入部先端に設けると共に、
前記磁気ソースまたは前記磁気センサのうち、前記超音波プローブの挿入部先端に設けられたものとは別の少なくとも一個を、被検者の体に固定して装着される固定手段に設けたことを特徴とする超音波画像診断装置。
【0126】
付記12の構成では、超音波プローブは、生体の体腔内へ挿入され、被検部位に超音波を送受波してエコーデータを得る。このとき、磁気ソースは、超音波プローブの周囲に磁場を発生する。また、単数または複数の磁気センサは、この発生された磁場により位置を検出する。そして、3次元データ構成手段は、エコーデータと磁気センサの出力とから被検部位の3次元データを構成する。
【0127】
(13) 前記固定手段は、被検者の体に装着するベルトであることを特徴とする付記12に記載の超音波画像診断装置。
【0128】
付記13の構成では、被検者の体に装着するベルトに設けられた磁気ソースまたは磁気センサによって、磁場により超音波プローブの位置が検出される。
【0129】
(14) 前記固定手段は、被検者が口に装着するマウスピースであることを特徴とする付記12に記載の超音波画像診断装置。
【0130】
付記14の構成では、被検者が口に装着するマウスピースに設けられた磁気ソースまたは磁気センサによって、磁場により超音波プローブの位置が検出される。
【0131】
(15) 前記超音波プローブは、光学観察手段を有する超音波内視鏡であることを特徴とする付記1〜14に記載の超音波画像診断装置。
【0132】
付記15の構成では、光学観察手段を有する超音波内視鏡によって、被検部位のエコーデータを得ると共に、被検部位の光学像を得て観察を行う。
【0133】
付記12〜15に係る本発明の第2の目的は、被検者の基準位置からの超音波プローブの位置や方向をより正確に得ることができる超音波画像診断装置を提供することにある。
【0134】
付記12〜15に係る本発明の第3の目的は、磁気センサにより超音波プローブの位置や方向をより高精度で正確に得ることができる超音波画像診断装置を提供することにある。
【0135】
付記12〜15に係る構成によれば、磁気ソースまたは磁気センサのうち少なくとも一個が超音波プローブの挿入部先端に設けられ、これとは別の少なくとも一個が被検者の体に固定して装着される固定手段に設けられるため、被検者の基準位置からの超音波プローブの位置や方向をより正確に得ることができる。また、磁気センサによって超音波プローブの位置や方向の情報をより高精度で正確に得ることが可能となる。
【0136】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、挿入部の機械的な構造が単純で外径を細くでき、かつ3次元スキャン密度のむらがなく正確に3次元データを取得することが可能な超音波画像診断装置を提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る超音波画像診断装置の全体構成を示す構成説明図
【図2】超音波内視鏡の先端部の構成を拡大して示した斜視図
【図3】第1実施形態に係る超音波3次元画像処理装置の構成を示すブロック図
【図4】エコーデータブロックの補間処理を示す作用説明図
【図5】スキャン位置計数メモリのアドレスを概念的に示した作用説明図
【図6】3次元スキャン密度画像を示す作用説明図
【図7】被検部位の3次元超音波画像の表示例を示す作用説明図
【図8】被検部位の3次元超音波画像の表示例を示す作用説明図
【図9】3次元画像処理回路における断面設定処理の手順を示すフローチャート
【図10】3次元超音波画像生成のための断面設定を行う際の複数の断面画像を示す作用説明図
【図11】第1実施形態の変形例に係る3次元スキャン密度の画像表示方法を示す作用説明図
【図12】第3実施形態に係る超音波3次元画像処理装置の構成を示すブロック図
【図13】第4実施形態に係る超音波診断時の被検者周辺の配置構成を示す説明図
【図14】第5実施形態に係る超音波診断時の被検者周辺の配置構成を示す説明図
【符号の説明】
1…超音波内視鏡
4…超音波観測装置
5…観察用モニタ
6…位置検出装置
7…超音波3次元画像処理装置
8…画像処理モニタ
14…超音波振動子
15…磁気センサ
30…磁気ソース
34…3次元画像処理回路
39…3次元スキャン密度算出回路
Claims (1)
- 生体の体腔内へ挿入され、先端に設けられた超音波振動子により被検部位に超音波を送受波してエコーデータを得る超音波プローブと、
前記超音波プローブの挿入部先端に設けられ、前記超音波振動子の位置を検出する位置検出器と、
前記超音波プローブにより得られたエコーデータと前記位置検出器の出力とから被検部位の3次元データを構成する3次元データ構成手段と、
前記超音波プローブによる超音波の3次元スキャン密度を算出する3次元スキャン密度算出手段と、
前記3次元スキャン密度の状態を報知する報知手段と、
を備えたことを特徴とする超音波画像診断装置。
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